JP6969817B2 - キーレスエントリーシステム及びその制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1及び2には、車載装置に内蔵されたUHFアンテナに流れるアンテナ電流を該UHFアンテナに接続された可変容量素子または容量素子を用いて制御し、車両の利用者による携帯機の操作毎にUHFアンテナの放射特性を動的に変化させることで、該UHFアンテナの指向性を実質的に無くすことが記載されている。
前記携帯装置からの指示にしたがって動作する、車両に搭載された車両搭載機と、
を備えるキーレスエントリーシステムであって、
前記車両搭載機は、
前記車両が駐車状態であるとき、前記車両の向きを含む位置情報を取得し、該車両の位置情報、並びに予め備える前記携帯装置と前記車両搭載機との通信特性データを前記携帯装置へ送信し、
前記携帯装置は、
所定の操作が行われると、前記携帯装置の位置情報、前記車両搭載機から受信した前記通信特性データ及び前記車両の位置情報に基づき、送信電力を調整して前記利用者による指示を示す操作信号を送信する構成である。
前記携帯装置からの指示にしたがって動作する、車両に搭載された車両搭載機と、
を備えるキーレスエントリーシステムの制御方法であって、
前記車両搭載機が、
前記車両が駐車状態であるとき、前記車両の向きを含む位置情報を取得し、該車両の位置情報、並びに予め備える前記携帯装置と前記車両搭載機との通信特性データを前記携帯装置へ送信し、
前記携帯装置が、
所定の操作が行われると、前記携帯装置の位置情報、前記車両搭載機から受信した前記通信特性データ及び前記車両の位置情報に基づき、送信電力を調整して前記利用者による指示を示す操作信号を送信する方法である。
本発明では、車両搭載機及び車両の利用者が所持する携帯機を含むキーレスエントリーシステム全体の処理を見直すことで、車両の全方向で安定した通信を可能にする。具体的には、車両の利用者が所持する携帯機の位置情報と車両の位置情報とを取得し、通信特性が劣化する(通信距離が短くなる)車両の角度で携帯機が操作された場合、該携帯機の送信電力を一時的に大きくして車両へ信号を送信する。このように通信特性が劣化する(通信距離が短くなる)車両の角度で携帯機の送信電力を通常よりも大きくすることで、車両の全角度で安定した通信が可能になる。
図1は、本発明の制御システムを適用するキーレスエントリーシステムの一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、キーレスエントリーシステムは、車両に搭載された車両搭載機1及びナビゲーション装置2と、車両の所有者等が所持する携帯機(電子キーやスマートキー等)3とを有する。
図2(a)で示すように、車両搭載機1は、制御部11、記憶部12、LF送信部13、UHF受信部14、LAN(Local Area Network)I/F(Interface)15を備える。
UHF受信部14は、携帯機3からUHF帯の電波を用いて送信される無線信号を受信する周知の無線装置である。UHF受信部14にはUHF帯用のアンテナ装置が接続され、UHF受信部14は該アンテナ装置を介して無線信号を受信する。
制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムにしたがって処理を実行することで車両搭載機1全体の動作を制御する。制御部11は、例えばプログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、該CPUによる処理結果を一時的に保持するメモリ、各種の論理回路等を備えた情報処理装置置(マイクロコンピュータ)等で実現できる。
LANI/F15は、車内LAN21を介してナビゲーション装置2とデータを送受信するための周知の通信インターフェースである。
LF受信部33は、車両搭載機1からLF帯の電波を用いて送信される無線信号を受信する周知の無線装置である。LF受信部33にはLF帯用のアンテナ装置が接続され、LF受信部33は該アンテナ装置を介して無線信号を受信する。
UHF送信部34は、車両搭載機1に対してUHF帯の電波を用いて無線信号を送信する周知の無線装置である。UHF送信部34にはUHF帯用のアンテナ装置が接続され、UHF送信部34から出力された無線信号は該アンテナ装置を介して空間に放射される。
GPS受信部35は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自装置の位置(緯度・経度)を計算する周知のGPS受信機である。
制御部31は、記憶部32に格納されたプログラムにしたがって処理を実行することで携帯機3全体の動作を制御する。制御部31は、例えばプログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、該CPUによる処理結果を一時的に保持するメモリ、各種の論理回路等を備えた情報処理蔵置(マイクロコンピュータ)等で実現できる。
UHF送信部34は、I/F344を介して制御部31と接続され、車両搭載機1へ送信する信号(操作信号)や電力増幅部制御回路342に対する制御信号を制御部31から受信する。
変調部343は、制御部31から受信した操作信号を所定の変調方式にしたがって変調し、変調後の操作信号を電力増幅部341へ出力する。
電力増幅部制御回路342は、制御部31からの指示にしたがって電力増幅部341の増幅率を制御することで、電力増幅部341から出力される操作信号の電力レベルを変更する。
キーレスエントリーシステムでは、例えば、利用者が携帯機3のスイッチ入力部36を操作することでドアのアンロックを指示すると、制御部31により該操作が検出されて、アンロックを指示する操作信号がUHF送信部34から送信される。
(1)車両から所定の距離だけ離れていても通信(操作)できる。
(2)車両の全角度において、通信(操作)できる。
図3の破線Eは、車両の全角度において、該車両から何mの距離まで携帯機3による操作が可能(通信可能)であるかを示している。図3では、車両の前方方向を0°としている。
図3の円Fは、キーレスエントリーシステムに要求される通信距離の仕様を示し、円Fの外側で携帯機3が車両搭載機1と通信可能であれば、要求された仕様を満たしていることになる。車両搭載機1と通信可能な携帯機3の位置が円Fの内側にある場合、要求される仕様を満たしておらず、通信距離が短いことを示している。図3に示す例では、斜線で示す領域Gが通信距離の仕様を満たさない領域(送信電力を大きくする領域)となる。以下では、通信距離の仕様を満たさない領域(送信電力を大きくする領域)を「対象エリア」と称す。
図4及び図5は、第1の実施の形態のキーレスエントリーシステムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4は、利用者が携帯機3を操作する前のキーレスエントリーシステムにおける事前準備の処理例を示している。具体的には、車両が駐車してから該車両の位置情報や車両搭載機1の通信特性データを携帯機3に送信するまでの処理例である。図5は、利用者が携帯機3を操作したときのキーレスエントリーシステムの処理例を示している。
なお、以下に示す車両搭載機1の処理は該車両搭載機1の制御部11で実行され、携帯機3の処理は該携帯機3の制御部31で実行されるものとする。
・エンジンスイッチがオフされた。
・車両が停止した。
・シフト操作がパーキングに遷移した。
・パーキングブレーキがセットされた。
・車両のドアが開いた。
・車両のドアが開き(利用者が車から降りて)、ドアが閉じた。
・ドアが閉じてさらにロックされた。
携帯機3は、LF受信部33により車両搭載機1から車両の位置情報(経度・緯度・駐車角度)及び通信特性データを受信すると(ステップS20)、受信した車両の位置情報(経度・緯度・駐車角度)及び通信特性データを携帯機3の記憶部32に書き込んで(ステップS21)処理を終了する。
さらに、携帯機3は、自装置の現在位置が対象エリア内であるか否かを判定する(ステップS34)。対象エリア内であるか否かは、後述する図8(a)〜(f)で示す判定処理を用いればよい。現在位置が対象エリア外である場合、携帯機3はステップS36の処理へ移行する。
現在位置が対象エリア内である場合、携帯機3は、UHF送信部34の電力増幅部制御回路342により電力増幅部341の増幅率を上げて送信電力を大きくするための設定(送信電力の増加設定)を行った後(ステップS35)、ステップS36の処理へ移行する。
操作信号を送信すると、携帯機3は電力増幅部341の送信電力の増幅率を初期値に戻した(送信電力設定リセット)後(ステップS37)、処理を終了する。
図7に示すように、第1の実施の形態では、利用者が携帯機3を操作したとき、携帯機3が対象エリア内にある場合は対象エリア外にある場合よりも操作信号の送信電力を大きくする(送信電力の増加)。送信電力は、図7に示すように2値である必要はなく、車両に対する角度に応じて複数の値に設定してもよい。
上述したように、携帯機3の記憶部32には、車両搭載機1から受信した車両の位置情報(経度・緯度・駐車角度)及び通信特性データ(角度データ及び距離データ)が保存されている。
ここで、車両の位置情報である経度・緯度を、例えば図8(a)で示すようにPt(xt、yt)とし、駐車角度を図8(b)で示すようにΦtとする。駐車角度Φtは、例えば北の方位を0°としたときの方位角(絶対角度)である。
携帯機3がGPS受信部35を用いて算出する自装置の位置情報は、経度・緯度を示す情報であり、図8(a)で示したようにPn(xn、yn)で表される。
方位角:A+Φt≦Φ≦B+Φt
距離:a≦d≦b
図9は、第2の実施の形態のキーレスエントリーシステムの一構成例を示すブロック図である。
第2の実施の形態のキーレスエントリーシステムは、図1に示した第1の実施の形態のキーレスエントリーシステムに、車両の所有者等が所持する携帯端末6を追加した構成である。
GPS受信部64は、GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自装置の位置(緯度・経度)を計算する周知のGPS受信機である。
近距離通信部65は、携帯機5と情報を送受信するための通信装置である。近距離通信部65としては、例えば周知のBluetooth(登録商標)規格に適合する通信装置である。
通話部67は、移動通信網を介して利用者が携帯端末6を用いて通話するための装置である。
画像表示部68は、利用者の指示にしたがって画像を表示する表示部である。
制御部61は、記憶部62に格納されたプログラムにしたがって処理を実行することで携帯端末6全体の動作を制御する。制御部61は、例えばプログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、該CPUによる処理結果を一時的に保持するメモリ、各種の論理回路等を備えた情報処理蔵置(マイクロコンピュータ)等で実現できる。
携帯機5から位置情報要求がある場合、携帯端末6はGPS受信部64を用いて自装置の位置情報を取得し(ステップS51)、該位置情報を近距離通信部65(Bluetooth(登録商標)等)を用いて携帯機5へ送信する(ステップS52)。
携帯端末6から位置情報を受信した場合、携帯機5は携帯端末6から受信した位置情報と、車両の位置情報(経度・緯度・駐車角度)及び通信特性データとに基づいて、通信距離の仕様を満たしていない対象エリアを計算する(ステップS57)。
現在位置が対象エリア内である場合、携帯機5は、UHF送信部34の電力増幅部制御回路342により電力増幅部341の増幅率を上げて送信電力を大きくするための設定(送信電力の増加設定)を行った後(ステップS59)、ステップS60の処理へ移行する。
スイッチ操作を示す操作信号を送信すると、携帯機5はUHF送信部34の電力増幅部341の送信電力の増幅率を初期値に戻した(送信電力設定リセット)後(ステップS61)、処理を終了する。
その場合、携帯端末6で通信距離の仕様を満たしていない対象エリアを計算し、携帯端末6及び携帯機5が該対象エリア内であるか否かを判定し、その判定結果を携帯機5へ返送すればよい。これらの処理を携帯端末6で実行すれば、携帯機5の消費電力をさらに低減することができる。
図11は、第3の実施の形態のキーレスエントリーシステムの一構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、第3の実施の形態のキーレスエントリーシステムは、図9に示した第2の実施の形態のキーレスエントリーシステムにおいて、車両側にも近距離通信部71を備える構成である。
図11は、近距離通信部71がナビゲーション装置2に接続された構成例を示しているが、近距離通信部71は車両搭載機1に接続されていてもよい。
近年は、Bluetooth(登録商標)規格に適合する通信装置を搭載したナビゲーション装置もあるため、その場合は該ナビゲーション装置に内蔵されたBluetooth(登録商標)機能を近距離通信部71として利用すればよい。
図12は、利用者が携帯機5を操作する前のキーレスエントリーシステムにおける事前準備の処理例を示している。具体的には、車両が駐車してから該車両の位置情報や車両搭載機1の通信特性データを携帯端末6に送信するまでの処理例である。図13は、利用者が携帯機5を操作したときのキーレスエントリーシステムの処理例を示している。
なお、以下に示す車両搭載機1の処理は該車両搭載機1の制御部11で実行され、携帯機5の処理は該携帯機5の制御部31で実行され、携帯端末6の処理は該携帯端末6の制御部61で実行されるものとする。
携帯機5による判定要求がある場合、携帯端末6はGPS受信部64を用いて自装置の位置情報を取得し(ステップS81)、記憶部62から車両の位置情報(経度・緯度・駐車角度)及び通信特性データを読み出す(ステップS82)。
携帯端末6から判定結果を受信した場合、携帯機5は携帯端末6から受信した判定結果から自装置の現在位置が通信距離の仕様を満たしていない対象エリア内であるか否かを判定し(ステップS88)、現在位置が対象エリア外である場合ステップS90の処理へ移行する。
現在位置が対象エリア内である場合、携帯機5は、UHF送信部の電力増幅部の増幅率を上げて送信電力を大きくするための設定を行った後(ステップS89)、ステップS90の処理へ移行する。
スイッチ操作を示す操作信号を送信すると、携帯機5はUHF送信部の電力増幅部の送信電力の増幅率を初期値に戻して(ステップS91)処理を終了する。
2 ナビゲーション装置
3、5 携帯機
4 GPS衛星
6 携帯端末
11、31、61 制御部
12、32、62 記憶部
13 LF送信部
14 UHF受信部
15 LANI/F
21 車内LAN
22、35 GPS受信部
23 各種センサー
33 LF受信部
34 UHF送信部
36 スィッチ入力部
51、65、71 近距離通信部
63 LTE/3G送受信部
64 GPS受信部
66 操作部
67 通話部
68 画像表示部
341 電力増幅部
342 電力増幅部制御回路
343 変調部
344 I/F
Claims (5)
- 利用者が所持する携帯装置と、
前記携帯装置からの指示にしたがって動作する、車両に搭載された車両搭載機と、
を備えるキーレスエントリーシステムであって、
前記車両搭載機は、
前記車両が駐車状態であるとき、前記車両の向きを含む位置情報を取得し、該車両の位置情報、並びに予め備える前記携帯装置と前記車両搭載機との通信特性データを前記携帯装置へ送信し、
前記携帯装置は、
所定の操作が行われると、前記携帯装置の位置情報、前記車両搭載機から受信した前記通信特性データ及び前記車両の位置情報に基づき、送信電力を調整して前記利用者による指示を示す操作信号を送信するキーレスエントリーシステム。 - 前記所定の操作は、前記車両のドアのロック又はアンロックを指示する操作である請求項1に記載のキーレスエントリーシステム。
- 前記通信特性データは、前記操作信号の送受信が可能な距離を示す請求項1または2に記載のキーレスエントリーシステム。
- 前記携帯装置は、
前記携帯装置の位置情報、前記通信特性データ及び前記車両の位置情報に基づき、前記車両搭載機との通信が劣化する領域内にいるか否かを判定し、判定結果に応じて送信電力を調整する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のキーレスエントリーシステム。 - 利用者が所持する携帯装置と、
前記携帯装置からの指示にしたがって動作する、車両に搭載された車両搭載機と、
を備えるキーレスエントリーシステムの制御方法であって、
前記車両搭載機が、
前記車両が駐車状態であるとき、前記車両の向きを含む位置情報を取得し、該車両の位置情報、並びに予め備える前記携帯装置と前記車両搭載機との通信特性データを前記携帯装置へ送信し、
前記携帯装置が、
所定の操作が行われると、前記携帯装置の位置情報、前記車両搭載機から受信した前記通信特性データ及び前記車両の位置情報に基づき、送信電力を調整して前記利用者による指示を示す操作信号を送信するキーレスエントリーシステムの制御方法。
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