JP5152010B2 - 電子キーシステム及び車両制御用携帯機 - Google Patents

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Description

本発明は、ユーザに携帯される車両制御用携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いて、車両の制御を行なう電子キーシステム及びこの電子キーシステムを構成する車両制御用携帯機に関する。
従来、例えば特許文献1に記載の技術のように、ユーザに携帯されて公衆回線と接続する端末機である携帯電話機との間でBluetooth(登録商標)通信を行なうハンズフリー電話装置(車両側装置)が知られている。これにより、ユーザは、直接にはハンズフリー電話装置を用いながら、このハンズフリー電話装置と携帯電話機との間のBluetooth通信を介して、携帯電話機にて通話することができるようになる。
また従来、車両制御用携帯機(以下、単に携帯機とも記載する)が車両周囲の無線通信エリア内に入ったときに車両ドアのアンロック等の制御を実行するいわゆるスマートエントリー機能を有する電子キーシステム及び携帯機が知られている。これにより、ユーザは、携帯機を取り出さなくてもポケット等に入れたままで車両ドアのアンロックの制御を実行することができるようになる。
特開2008−153976号公報
ところで、近年、例えばBluetooth通信機能を携帯機に搭載する等、携帯機の高機能化が求められている。これにより、Bluetooth通信にて、車両に関する情報を車両側装置から携帯機へ送信することが可能となる。
しかしながら、前者の従来技術を後者の従来技術にそのまま適用すると、次のような課題が生じることが考えられる。詳しくは、前者の従来技術では、ハンズフリー電話装置と携帯電話機との間でBluetooth通信を行なおうとすると、これらハンズフリー電話装置及び携帯電話機の各Bluetooth通信部を常時通信接続しておくこと、あるいは、ハンズフリー電話装置を使用する直前にユーザが操作することで、ハンズフリー電話装置及び携帯電話機の各Bluetooth通信部を通信接続することとなる。
すると、各Bluetooth通信部を常時通信接続するため、無駄な電力を消費してしまうことになる。また、車両側装置を使用する直前にユーザが各Bluetooth通信部を通信接続することは、ユーザにとって面倒であり、携帯機を取り出さなくてもポケット等に入れたままで車両の制御を行なうことができるという上記利便性が損なわれてしまうことになる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電力消費の低減を図るとともに利便性を損なうことなく、車両側装置と車両制御用携帯機との間でBluetooth通信を通信接続することのできる電子キーシステム及び車両制御用携帯機を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ユーザに携帯される車両制御用携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、前記車両制御用携帯機は、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、前記携帯機側第1通信部によって前記車両側装置との間で情報を送受信するよう要求する接続要求を、前記携帯機側第2通信部によって受信することに基づいて、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備え、前記車両側装置は、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、前記車両側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第2通信部と、前記車両側第2通信部によって受信される情報に基づいて前記車両の制御を行なうとともに、前記車両の制御を行なうための所定操作が前記車両側装置に対して行われることに基づいて、前記車両側第2通信部から前記接続要求を送信し、前記車両側第1通信部による通信接続を行なう車両側制御部とを備えることを特徴とする。
電子キーシステムとしての上記構成では、車両側制御部は、車両の制御を行なうための所定操作が車両側装置に対して行われることに基づいて、車両側第2通信部から上記接続要求を送信し、車両側第1通信部による通信接続を行なう。一方、携帯機制御部は、携帯機側第2通信部によって上記接続要求を受信することに基づいて、携帯機側第1通信部による通信接続を行なう。そして、接続が終わり通信が確立すると、車両側装置と車両制御用携帯機との間でBluetooth通信が開始される。このように、車両制御用携帯機と車両側装置との間におけるBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なうに当たり、車両側装置に対して車両の制御を行なうための所定操作をするだけで新たに特別な操作をすることは不要であるから、車両制御用携帯機が有する上記利便性が損なわれることがなくなる。また、携帯機側第1通信部を常時通信接続しておく必要がなくなることから、車両制御用携帯機の電力消費の低減を図ることができるようになる。
上記請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明では、前記車両側装置は、前記車両側装置に対して前記所定操作が行われることに基づいて、前記車両制御用携帯機との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後、前記車両側第2通信部から前記接続要求を送信することを特徴とする。これにより、車両側装置と車両制御用携帯機との間でコード照合が行なわれた後には、車両制御用携帯機と車両側装置との間におけるBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信が行なわれるようになる。また、コード照合を行なう既存の電子キーシステム及び車両制御用携帯機を大きく変更しなくて済むため、導入することが容易となる。
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明では、ユーザに携帯される車両制御用携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いるコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、前記車両制御用携帯機は、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、前記車両側装置との間で前記携帯機側第2通信部によるコード照合を行ない、このコード照合を行なった後、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備え、前記車両側装置は、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、前記車両側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第2通信部と、前記車両側第2通信部によって受信される情報に基づいて前記車両の制御を行なうとともに、前記車両の制御を行なうための所定操作が前記車両側装置に対して行われることに基づいて、前記車両制御用携帯機との間で前記車両側第2通信部によるコード照合を行い、このコード照合を行なった後、前記車両側第1通信部による通信接続を行なう車両側制御部とを備えることを特徴とする。
電子キーシステムとしての上記構成では、車両側制御部は、車両の制御を行なうための所定操作が車両側装置に対して行われることに基づいて、車両制御用携帯機との間で車両側第2通信部によるコード照合を行い、このコード照合を行なった後、車両側第1通信部による通信接続を行なう。一方、携帯機制御部は、携帯機側第2通信部によって上記接続要求を受信することに基づいて、車両側装置との間で携帯機側第2通信部によるコード照合を行ない、このコード照合を行なった後、携帯機側第1通信部による通信接続を行なう。そして、接続が終わり通信が確立すると、車両側装置と車両制御用携帯機との間でBluetooth通信が開始される。これによっても、車両制御用携帯機と車両側装置との間におけるBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なうに当たり、車両側装置に対して車両の制御を行なうための所定操作をするだけで新たに特別な操作をすることは不要であるから、車両制御用携帯機が有する上記利便性が損なわれることがなくなる。また、携帯機側第1通信部を常時通信接続しておく必要がなくなることから、車両制御用携帯機の電力消費の低減を図ることができるようになる。
また、上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明では、ユーザに携帯され、車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いて、前記車両の制御を行なう車両制御用携帯機であって、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第1通信部と、前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、前記携帯機側第1通信部によって前記車両側装置との間で情報を送受信するよう要求する接続要求を、前記携帯機側第2通信部によって受信することに基づいて、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備えることを特徴とする。これにより、上記請求項1に記載の発明と同一の作用及び効果を得ることができるようになる。
また、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明では、ユーザに携帯され、車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いるコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう車両制御用携帯機であって、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第1通信部と、前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、前記車両側装置との間で前記携帯機側第2通信部によるコード照合を行ない、このコード照合を行なった後、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備えることを特徴とする。これにより、上記請求項3に記載の発明と同一の作用及び効果を得ることができるようになる。
本発明に係る電子キーシステムを構成する車両側装置について、その構成例を示すブロック図である。 本発明に係る電子キーシステムを構成する車両制御用携帯機について、その構成例を示すブロック図である。 電子キーシステムの第1の実施の形態について、車両制御用携帯機によって実行される照合処理の処理手順を示すフローチャートである。 電子キーシステムの第2の実施の形態について、車両制御用携帯機によって実行される照合処理の処理手順を示すフローチャートである。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る電子キーシステム及びこの電子キーシステムを構成する車両制御用携帯機の第1の実施の形態について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
本実施の形態の電子キーシステムは、車両Cに搭載される車両側装置100及びユーザに携帯される車両制御用携帯機(以下、単に携帯機とも記載する)200を有して構成されており、携帯機200が車両C周囲の無線通信エリア内に入ったときに車両ドアのアンロック等の制御を実行するいわゆるスマートエントリー機能、携帯機200が有するスイッチの操作に応じて車両ドアのロックやアンロック等の制御を実行するいわゆるリモートキーレスエントリー機能、及び携帯機200を携帯するユーザが車両Cに搭乗して車両C(車両側装置100)に対して所定操作を行なうことで車載エンジンを動作開始するいわゆるスマートスタート機能等々を有する。
図1は、電子キーシステムを構成する車両側装置100の構成例を示すブロック図である。この図1を参照して、車両側装置100の構成及び機能について説明する。
図1に示されるように、車両側装置100は、制御部101、LF送信部102、UHF受信部103、エンジンスイッチ106、ドアアンテナ107、室内アンテナ108、バックドア外アンテナ109、データロガー装置111、及びBluetooth通信部(以下、BT通信部と記載)112を備えている。
このうち、制御部101は、CPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)等を備えた公知のコンピュータであり、内蔵メモリ等に予め記憶保持されたプログラムに従って種々の処理を実行する。なお、制御部101が特許請求の範囲に記載の車両側制御部に相当する。
LF送信部102は、LFアンテナを有しており、このLFアンテナを介して携帯機200に対しLF帯(例えば「30〜300[kHz]」)の電波にて信号(情報)を送信する。LF送信部102から送信される信号は、車両Cの4箇所に配置されるドアアンテナ107、室内アンテナ108、及びバックドア外アンテナ109を介して、それぞれ限られた通信エリア内に対してのみ到達する。また、UHF受信部103は、UHFアンテナを有しており、携帯機200からUHF帯(例えば「300[MHz]〜3[GHz]」)の電波にて送信されてくる信号(情報)を上記UHFアンテナを介して受信する。UHF受信部103は、制御部101に接続されており、UHFアンテナにて受信した信号を制御部101に出力する。なお、これらLF送信部102及びUHF受信部103は、特許請求の範囲に記載の車両側第2通信部に相当する。
エンジンスイッチ106は、図示しない車載エンジンを動作開始するべくユーザが操作するためのプッシュスイッチであり、制御部101に接続されている。エンジンスイッチ106は、ユーザによって操作されると、その旨を示す電気信号を制御部101に出力する。制御部101は、この電気信号に基づいて、「IG−ON(車載エンジンの動作開始)」、「ACC(アクセサリ)」及び「IG−OFF(車載エンジンの動作停止)」の中から車両Cの状態を制御する。エンジンスイッチ106が「IG−ON」に設定されると、制御部101によって制御されることにより、車載エンジンは動作開始し、当該車両側装置100を含む各種車載機器は図示しない車載バッテリから電源が供給されて動作可能となる。ユーザによってエンジンスイッチ106が「ACC」に設定されると、制御部101によって制御されることにより、車載エンジンは動作停止し、各種車載機器は図示しない車載バッテリから電源が供給されて動作可能となる。ユーザによってエンジンスイッチ106が「IG−OFF」に設定されると、制御部101によって制御されることにより、車載エンジンは動作停止し、各種車載機器も図示しない車載バッテリから電源が供給されなくなるため動作停止する。
データロガー装置111は、ユーザによって上記エンジンスイッチ106が上記「IG−ON」あるいは上記「ACC」に設定されている間、車載バッテリから電源が供給され、例えば図示しないスロットル開度センサや車速センサ等、車両Cに取り付けられた各種センサから車両Cの運転状態に係る各種情報を取得する公知の装置である。このデータロガー装置111は、制御部101に接続されており、各種センサから各種情報を取得すると、この制御部101に出力する。
Bluetooth(以下、BTとも記載)通信部112は、多数の通信可能な機器が周囲にあった場合に1つの機器を選択(いわゆるペアリング)して通信するBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って携帯機200との間で情報を送受信する。BT通信部112は、BTアンテナを有しており、このBTアンテナを介して携帯機200に対し所定の周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて信号(情報)を送信するとともに、携帯機200からこの周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて送信されてくる信号(情報)をBTアンテナを介して受信する。このBT通信部112から送信される信号は、上記LF送信部102から送信される信号よりも通信エリアが広いものの、後述の携帯機200を構成するUHF送信部203から送信される信号ほど通信エリアは広くない。また、このBT通信部112は、制御部101に接続されており、この制御部101から出力された信号(例えばデータロガー装置111によって取得された上記各種情報)をBTアンテナから送信する一方、このBTアンテナにて受信した信号を制御部101に出力する。なお、このBT通信部112は特許請求の範囲に記載の車両側第1通信部に相当する。
また、本実施の形態では、車両側装置100は、BT通信部112を単体にて有する構成を採用したがこれに限らない。GPS衛星から発せられるGPS信号を受信することで当該装置の現在位置等を検出するカーナビゲーション装置にはBT通信部を有するものもある。こうしたBT通信部を有するナビゲーション装置を車両Cに搭載し、このナビゲーション装置のBT通信部を利用して、携帯機200との間で信号を送受信する構成としてもよい。
図2は、電子キーシステムを構成する携帯機200の構成例を示すブロック図である。この図2を参照して、携帯機200の構成及び機能について説明する。
図2に示されるように、携帯機200は、制御部201、LF受信部202、UHF送信部203、Bluetooth通信部(以下、BT通信部と記載)204、記憶部205、プッシュスイッチ206及び207、並びに表示器209を備えている。
このうち、制御部201は、CPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)等を備えた公知のコンピュータであり、内蔵メモリや外部メモリである記憶部205等に予め記憶保持されたプログラムに従って種々の処理を実行する。また、制御部201は、BT通信部204によって車両Cに係る上記各種情報を受信すると、記憶部205に記憶保持している。なお、制御部201が特許請求の範囲に記載の携帯機側制御部に相当し、制御部201が実行する処理については、図3を参照しつつ後述する。
LF受信部202は、LFアンテナを有しており、車両側装置100からLF帯の電波にて送信されてくる信号(情報)をこのLFアンテナを介して受信する。また、LF受信部202は、制御部201に接続されており、LFアンテナにて受信した信号を制御部201に出力する。UHF送信部203は、UHFアンテナを有しており、このUHFアンテナを介して車両側装置100に対しUHF帯の電波にて信号(情報)を送信する。また、UHF送信部203は、制御部201に接続されており、この制御部201から出力された信号をUHFアンテナから送信する。なお、これらLF受信部202及びUHF送信部203は、車両側装置100との間で情報を送受信しており、特許請求の範囲に記載の携帯機側第2通信部に相当する。
BT通信部204は、上記Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って車両側装置100との間で情報を送受信する。BT通信部204は、BTアンテナを有しており、このBTアンテナを介して車両側装置100に対し所定の周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて信号(情報)を送信するとともに、車両側装置100からこの周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて送信されてくる信号(情報)を受信する。このBT通信部204から送信される信号は、上記UHF送信部203から送信される信号ほど通信エリアは広くない。また、BT通信部204は、制御部201に接続されており、この制御部201から出力された信号をBTアンテナから送信する一方、このBTアンテナにて受信した信号を制御部201に出力する。なお、このBT通信部204が特許請求の範囲に記載の携帯機側第1通信部に相当する。
プッシュスイッチ206及び207は、主にリモートキーレスエントリー機能を利用するためのスイッチである。プッシュスイッチ206がワンプッシュ操作されると、車両ドアのロックが行なわれる一方、プッシュスイッチ207がワンプッシュ操作されると、車両ドアのアンロックが行なわれるようになっている。また、表示器209は、LCD及びLEDによって構成されており、各種情報を表示する。
以上のように構成された車両側装置100及び携帯機200の動作について図3を参照しつつ説明する。なお、本実施の形態では、車両側装置100及び携帯機200は既にペアリングされているものとし、車両側装置100は、上記エンジンスイッチ106が「IG−ON」に設定されると、携帯機200との間でBT通信を行なうことを要求する接続要求を送信するものとする。また、図3は、携帯機200によって実行される照合処理の処理手順を示すフローチャートであり、この照合処理S100は、従来実行されていた照合処理(ステップS101〜ステップS109の処理)にBT接続処理(ステップS110〜ステップS113の処理)が新たに追加されたものとなっている。
詳しくは、車両側装置100を構成する制御部101は、上記エンジンスイッチ106が「IG−ON」に設定されると、まず、応答信号の送信を要求するwake信号をLF送信部102から送信し、所定制限時間内にUHF受信部103によってwake応答信号を受信するか否かを判断する。ここで、所定制限時間内にwake応答信号を受信しない場合、制御部101は、携帯機200を照合することも(したがって車載エンジンを動作開始することも)、携帯機200との間でBluetooth通信接続を試行することもない。一方、所定制限時間内にwake応答信号を受信する場合、制御部101は、照合要求をLF送信部102から送信し、UHF受信部103によって照合データを受信するか否かを判断する。照合データを受信しない、あるいは、照合データを受信しても成立しない場合には、制御部101は、車載エンジンを動作開始することも、携帯機200との間でBluetooth通信接続を試行することもない。一方、照合データを受信し照合が成立する場合には、車載エンジンを動作開始するとともに、Bluetooth通信接続を要求する接続要求をLF送信部102から送信し、携帯機200との間でBT通信接続を試行する。
携帯機200を構成するLF受信部202によってwake信号を受信する(ステップS101の処理)と、LF受信部202は、ステップS102の処理として、制御部201をスリープ状態から解除する(起動させる)とともに、図示しない振動子を発振させる。起動した制御部201は、ステップS103の処理として、振動子の発振によって発生したクロックにあわせて動作開始し、ステップS104の処理として、クロック動作開始した旨を示すwake応答信号をUHF送信部203から送信する。
wake応答信号を送信すると、制御部201は、続くステップS105及びS106の判断処理を通じて、所定制限時間内にLF受信部202によってデータを受信するか否かを判断する。ここで、所定制限時間内にLF受信部202によってデータを受信しない場合(ステップS105の判断処理で「No」、且つ、ステップS106の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS107の処理として、スリープ状態に移行するとともに上記発振子の発振を停止し、この照合処理S100を一旦終了する。一方、所定制限時間内にLF受信部202によってデータを受信する場合(ステップS105の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS108及びS110の判断処理を通じて、受信したデータが照合要求であるか、あるいは、接続要求であるかを判断する。
ここで、受信したデータが照合要求である場合(ステップS108の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS109の処理として、携帯機200の固有コードを含む照合データをUHF送信部203から送信し、上記ステップS105の判断処理及びステップS106の判断処理を再度実行する。
一方、受信したデータが接続要求である場合(ステップS108の判断処理で「No」、且つ、ステップS110の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS111の処理として、車両側装置100へのBluetooth接続を試行し、BT通信部204とBT通信部112との間でBT通信の確立準備を行ない、続くステップS112の判断処理として、接続がOKとなったか否かを判断する。
上記ステップS112の判断処理において、BT通信部204とBT通信部112との間でBT通信が確立されないと判断する場合(ステップS112の判断処理で「No」)、制御部201は、先のステップS107の処理として、スリープ状態に移行するとともに上記クロックを停止し、この照合処理S100を一旦終了する。一方、上記ステップS112の判断処理において、BT通信部204とBT通信部112との間でBT通信が確立されたと判断する場合(ステップS112の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS113の処理として、Bluetooth通信モードに移行する。詳しくは、制御部201は、BT通信部112から送信されてくる上記各種情報をBT通信部204にて受信し、この受信した各種情報を表示器209に表示制御するとともに記憶部205に記憶する。そして、制御部201は、この照合処理S100を一旦終了する。
上記第1の実施の形態では、車両側装置100は、車載エンジンを始動させるための所定操作が当該車両側装置100に対して行われると、LF送信部102から接続要求を送信し、BT通信部112による通信接続を試行するとともに、携帯機200は、LF受信部202によって接続要求を受信すると、BT通信部204による通信接続を試行することとした。これにより、車両側装置100に対して車両の制御を行なうための所定操作をするだけで新たに特別な操作をすることなく、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なうことができるようになるため、携帯機200が有する利便性が損なわれることがなくなる。また、BT通信部204をBT通信部112と常時通信接続しておく必要がなくなることから、携帯機200の電力消費の低減を図ることができるようになる。ちなみに、制御部201がスリープ状態にある場合には、リーク電流分しか電力が消費しなくて済むようになる。
また、上記第1の実施の形態では、車両側装置100は、車載エンジンを始動させるための所定操作が当該車両側装置100に対して行われると、携帯機200との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後に、LF送信部102から接続要求を送信することとした。これにより、車載エンジンの始動後には、自動でBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なうことができるようになる。また、既述したように、上記照合処理S100は、従来実行されていた照合処理(ステップS101〜ステップS109の処理)にBT接続処理(ステップS110〜ステップS113の処理)が新たに追加されたものであることから、コード照合を行なう既存のスマートスタートシステムの大幅な変更が不要であり、容易に導入することができるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る電子キーシステム及びこの電子キーシステムを構成する車両制御用携帯機の第2の実施の形態について、図4を参照しつつ説明する。ここで、図4は、先の図3に対応する図であって、携帯機200によって実行される照合処理S200の処理手順を示すフローチャートである。以下、図4を参照して、携帯機200の動作について説明する。なお、本実施の形態の電子キーシステムを構成する車両側装置100及び携帯機200は、先の第1の実施の形態と同一の構成を有するため、ここでの重複する説明を割愛する。
本実施の形態の電子キーシステムでは、車両側装置100は、当該車両側装置100に対して所定操作が行われると、携帯機200との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後に、(LF送信部102から接続要求を送信することなく)BT通信部112による通信接続を試行するとともに、携帯機200は、車両側装置100との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後に、(LF受信部202によって接続要求を受信しようとしまいと)BT通信部204による通信接続を試行することとしている。
先のステップS104の処理として、上記wake応答信号をUHF送信部203から送信すると、制御部201は、続くステップS105及びS106の判断処理を通じて、所定制限時間内にLF受信部202によってデータを受信するか否かを判断する。ここで、所定制限時間内にLF受信部202によってデータを受信しない場合(ステップS105の判断処理で「No」、且つ、ステップS106の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS210の処理として、車両側装置100との間でコード照合を実行した後か否かを判断する。詳しくは、制御部201は、先のステップS109の処理を実行する際、携帯機200の固有コードを含む照合データをUHF送信部203から送信したことを記憶部205に記憶する。これにより、車両側装置100との間でコード照合を実行した後か否かを判断することができる。
ここで、車両側装置100との間でコード照合を実行した後ではない場合(ステップS210の判断処理で「No」)、制御部201は、続くステップS107の処理として、スリープ状態に移行するとともにクロックを停止し、この照合処理S200を一旦終了する。
一方、車両側装置100との間でコード照合を実行した後である場合(ステップS210の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS211の処理として、車両側装置100へのBluetooth接続を試行し、BT通信部204とBT通信部112との間でBT通信の確立準備を行ない、続くステップS212の判断処理として、接続がOKとなったか否かを判断する。
上記ステップS212の判断処理において、BT通信部204とBT通信部112との間でBT通信が確立されないと判断する場合(ステップS212の判断処理で「No」)、制御部201は、先のステップS107の処理として、スリープ状態に移行するとともにクロックを停止し、この照合処理S200を一旦終了する。一方、上記ステップS212の判断処理において、BT通信部204とBT通信部112との間でBT通信が確立されたと判断する場合(ステップS212の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS213の処理として、Bluetooth通信モードに移行する。詳しくは、制御部201は、BT通信部112から送信されてくる上記各種情報をBT通信部204にて受信し、この受信した各種情報を表示器209に表示制御するとともに記憶部205に記憶する。そして、制御部201は、この照合処理S200を一旦終了する。
上記第2の実施の形態では、車両側装置100は、当該車両側装置100に対して所定操作が行われると、携帯機200との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後に、(LF送信部102から接続要求を送信することなく)BT通信部112による通信接続を試行するとともに、携帯機200は、車両側装置100との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後に、(LF受信部202によって接続要求を受信しようとしまいと)BT通信部204による通信接続を試行することとしている。これによっても、車両側装置100に対して車両の制御を行なうための所定操作をするだけで新たに特別な操作をすることなく、Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なうことができるようになるため、携帯機200が有する利便性が損なわれることがなくなる。また、BT通信部204をBT通信部112と常時通信接続しておく必要がなくなることから、携帯機200の電力消費の低減を図ることができるようになる。ちなみに、制御部201がスリープ状態にある場合には、リーク電流分しか電力が消費しなくて済むようになる。
なお、本発明に係る電子キーシステム及び車両制御用携帯機は、上記各実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記各実施の形態では、車両側装置100と携帯機200との間における無線通信を用いるコード照合を行い、このコード照合の後、車両側装置100と携帯機200との間におけるBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なっていたが、コード照合の後に限らない。コード照合を行なう前に、車両側装置100と携帯機200との間におけるBluetooth方式に基づく通信プロトコルに従った通信を行なうこととしてもよい。また、そもそもコード照合を行なわなくてもよい。
上記各実施の形態では、車両側装置100に対する所定操作として、エンジンスイッチ106を「IG−ON」に設定することを採用していたが、これに限らない。他に例えば、エンジンスイッチ106を「ACC」に設定することを採用してもよく、図示しないブレーキペダルを踏み込むことを採用してもよい。要は、車両の制御を行なうための操作であればよい。
100…車両側装置、101…制御部(車両側制御部)、102…LF送信部(車両側第2通信部)、103…UHF受信部(車両側第2通信部)、106…エンジンスイッチ、107…ドアアンテナ、108…室内アンテナ、109…バックドア外アンテナ、111…データロガー装置、112…Bluetooth通信部(車両側第1通信部)、200…携帯機、201…制御部(携帯機側制御部)、202…LF受信部(携帯機側第2通信部)、203…UHF送信部(携帯機側第2通信部)、204…Bluetooth通信部(携帯機側第1通信部)、205…記憶部、206…アンロックスイッチ、207…ロックスイッチ、209…表示器、C…車両

Claims (5)

  1. ユーザに携帯される車両制御用携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、
    前記車両制御用携帯機は、
    Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、
    前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、
    前記携帯機側第1通信部によって前記車両側装置との間で情報を送受信するよう要求する接続要求を、前記携帯機側第2通信部によって受信することに基づいて、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備え、
    前記車両側装置は、
    Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、
    前記車両側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第2通信部と、
    前記車両側第2通信部によって受信される情報に基づいて前記車両の制御を行なうとともに、前記車両の制御を行なうための所定操作が前記車両側装置に対して行われることに基づいて、前記車両側第2通信部から前記接続要求を送信し、前記車両側第1通信部による通信接続を行なう車両側制御部とを備えることを特徴とする電子キーシステム。
  2. 請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
    前記車両側装置は、前記車両側装置に対して前記所定操作が行われることに基づいて、前記車両制御用携帯機との間でコード照合を行い、このコード照合を行なった後、前記車両側第2通信部から前記接続要求を送信することを特徴とする電子キーシステム。
  3. ユーザに携帯される車両制御用携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いるコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、
    前記車両制御用携帯機は、
    Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、
    前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、
    前記車両側装置との間で前記携帯機側第2通信部によるコード照合を行ない、このコード照合を行なった後、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備え、
    前記車両側装置は、
    Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第1通信部と、
    前記車両側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両制御用携帯機との間で情報を送受信する車両側第2通信部と、
    前記車両側第2通信部によって受信される情報に基づいて前記車両の制御を行なうとともに、前記車両の制御を行なうための所定操作が前記車両側装置に対して行われることに基づいて、前記車両制御用携帯機との間で前記車両側第2通信部によるコード照合を行い、このコード照合を行なった後、前記車両側第1通信部による通信接続を行なう車両側制御部とを備えることを特徴とする電子キーシステム。
  4. ユーザに携帯され、車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いて、前記車両の制御を行なう車両制御用携帯機であって、
    Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第1通信部と、
    前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、
    前記携帯機側第1通信部によって前記車両側装置との間で情報を送受信するよう要求する接続要求を、前記携帯機側第2通信部によって受信することに基づいて、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備えることを特徴とする車両制御用携帯機。
  5. ユーザに携帯され、車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いるコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう車両制御用携帯機であって、
    Bluetooth方式に基づく通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第1通信部と、
    前記携帯機側第1通信部とは異なる通信プロトコルに従って前記車両側装置との間で情報を送受信する携帯機側第2通信部と、
    前記車両側装置との間で前記携帯機側第2通信部によるコード照合を行ない、このコード照合を行なった後、前記携帯機側第1通信部による通信接続を行なう携帯機側制御部とを備えることを特徴とする車両制御用携帯機。
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