JP6968763B2 - 付属構造物の施工方法 - Google Patents

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本発明は、付属構造物の施工方法に関する。
従来、複数の階層を有する多層建物の内部において階層間にわたって階段を設ける技術の一つとして、複数の階層の内部空間を連通する吹き抜け空間(既設の吹き抜け空間)を有する多層建物において、所定の階層の踊場まであらかじめ組み立てられた階段部を吹き抜け空間まで運搬し(又は、所定の階層の踊場において階段部の部材を運搬した後に階段部を組み立て)、揚重機を用いて階段部を所定の階層の踊場と隣接する階層の踊場とに載置し、当該載置した階段部をこれら踊場に取り付けられたスタッドボルトによって固定する技術が提案されている。
特開2009−024449号公報
ここで、上記従来の技術においては、階段部(又はその部材)を踊場まで運搬する運搬作業、又は階段部を組立てる組立作業が吹き抜け空間の近傍で行われるので、例えば、上記運搬作業又は上記組立作業が行われる際に階段部の部材又は人が吹き抜け空間に落下するおそれがあると共に、上記組立作業が行われる際に部材同士を溶接するときに生じた火花が吹き抜け空間に落下するおそれがあることから、階段部の如き付属構造物を施工する際の安全性を確保する観点からは改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、付属構造物を施工する際の安全性を確保しやすくなる、付属構造物の施工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の付属構造物の施工方法は、多層建物において複数の階層にわたって設置される付属構造物を施工するための施工方法であって、前記複数の階層のうち前記付属構造物の組立作業を行う対象となる対象階層で前記付属構造物の少なくとも一部を組み立てる組立工程と、前記組立工程が行われる前又は前記組立工程が行われた後の前記付属構造物を前記対象階層における前記付属構造物を設置する設置空間に対応する位置まで運搬する運搬工程と、前記組立工程及び前記運搬工程が行われた後に、前記多層建物を構成する複数の床部のうち前記設置空間に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を形成する形成工程と、前記形成工程にて形成された前記吹き抜け開口を介して前記組立工程において組み立てられた前記付属構造物を昇降させることにより、当該付属構造物を前記設置空間に設置する設置工程と、を含む。
請求項2に記載の付属構造物の施工方法は、請求項1に記載の付属構造物の施工方法において、前記運搬工程において、前記組立工程が行われる前の前記付属構造物を前記対象階層における前記設置空間に対応する位置まで運搬し、前記組立工程において、前記運搬工程にて運搬された前記付属構造物の少なくとも一部を組み立てる。
請求項3に記載の付属構造物の施工方法は、請求項1又は2に記載の付属構造物の施工方法において、前記多層建物において複数の前記付属構造物を施工するための当該施工方法であって、前記複数の階層は、前記対象階層を複数含み、前記組立工程において、前記複数の対象階層の各々で前記付属構造物を組み立て、前記運搬工程において、前記組立工程が行われる前又は前記組立工程が行われた後の前記付属構造物を前記複数の対象階層の各々に搬送し、前記形成工程において、前記複数の対象階層の各々に対応する前記床部の一部を撤去することにより、前記吹き抜け開口を複数形成し、前記設置工程において、前記複数の対象階層の各々に対応する前記吹き抜け開口を介して前記複数の対象階層の各々で組み立てられた前記付属構造物をそれぞれ昇降させた後に、当該付属構造物を前記設置空間にそれぞれ設置する。
請求項4に記載の付属構造物の施工方法は、請求項1から3のいずれか一項に記載の付属構造物の施工方法において、前記付属構造物は、階段を含む。
請求項1に記載の付属構造物の施工方法によれば、組立工程及び運搬工程が行われた後に、多層建物を構成する複数の床部のうち設置空間に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を形成する形成工程と、形成工程にて形成された吹き抜け開口を介して組立工程において組み立てられた付属構造物を昇降させることにより、当該付属構造物を設置空間に設置する設置工程と、を含むので、従来技術(既設の吹き抜け空間で各階層の階段部を設置する技術)に比べて、例えば、組立工程時又は運搬工程時での付属構造物の部材又は人が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に付属構造物の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制できる。よって、組立工程時及び運搬工程時において人の作業安全性及び多層建物の火災安全性を高めることができ、付属構造物を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
請求項2に記載の付属構造物の施工方法によれば、運搬工程において、組立工程が行われる前の付属構造物を対象階層における設置空間に対応する位置まで運搬し、組立工程において、運搬工程にて運搬された付属構造物の少なくとも一部を組み立てるので、例えば対象階層のうち設置空間に対応しない位置で付属構造物を組み立てる場合に比べて、組立後の付属構造物を対象階層における設置空間に対応する位置まで搬送する作業(いわゆる横引き作業)を省略でき、付属構造物の施工を効率的に行うことができる。
請求項3に記載の付属構造物の施工方法によれば、組立工程において、複数の対象階層の各々で付属構造物を組み立て、運搬工程において、組立工程が行われる前又は組立工程が行われた後の付属構造物を複数の対象階層の各々に搬送し、形成工程において、複数の対象階層の各々に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を複数形成し、設置工程において、複数の対象階層の各々に対応する吹き抜け開口を介して複数の対象階層の各々で組み立てられた付属構造物をそれぞれ昇降させた後に、当該付属構造物を設置空間にそれぞれ設置するので、複数の付属構造物の各々の搬送作業及び組立作業を並行して行うことができ、複数の付属構造物の一部の搬送作業が複数の付属構造物の他の一部の搬送作業の進捗に左右されることを回避でき、組立工程及び搬送工程を効率的に実施できる。
請求項4に記載の付属構造物の施工方法によれば、付属構造物が階段を含むので、組立工程時又は運搬工程時での階段の部材が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に階段の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制でき、階段を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
本発明の実施の形態に係る多層建物を概念的に示す斜視図である(一部図示省略)。 施工方法の準備工程を示す側面図である(一部図示省略)。 施工方法の運搬工程を示す側面図である(一部図示省略)。 施工方法の組立工程を示す側面図である(一部図示省略)。 施工方法の形成工程を示す側面図である(一部図示省略)。 施工方法の設置工程を示す側面図である(一部図示省略)。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る付属構造物の施工方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、多層建物において複数の階層にわたって設置される付属構造物を施工するための施工方法に関する。ここで、「多層建物」の具体的な構造や種類は任意であり、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設等の建物等を含む概念であるが、実施の形態では、改修中のオフィスビルとして説明する。また、「付属構造物」とは、例えば、多層建物に付属される構造物であり、例えば、階段、エスカレータ等を含む概念であるが、実施の形態では、階段(具体的には、折り返し階段)として説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成−多層建物)
最初に、実施の形態に係る多層建物の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る多層建物を概念的に示す斜視図である(一部図示省略)。以下の説明では、図1のX方向を多層建物の左右方向(−X方向を多層建物の左方向、+X方向を多層建物の右方向)、図1のY方向を多層建物の前後方向(+Y方向を多層建物の前方向、−Y方向を多層建物の後方向)、図1のZ方向を多層建物の上下方向(+Z方向を多層建物の上方向、−Z方向を多層建物の下方向)と称する。
多層建物1は、複数の階層(実施の形態では、4つの階層)を有する建物である。この多層建物1は、例えば公知の多層建物(一例として、コンクリート製の多層建物等)を用いて構成されており、図1に示すように、図示しない設置面に設置され、天井部10、第1床部から第4床部24(第1床部の図示省略)、第1梁部31から第4梁部34、第1壁部から第4壁部(図示省略)、第1柱部から第4柱部(図示省略)、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物(図示省略)を備えている。
(構成−多層建物−天井部)
天井部10は、多層建物1を構成する天井であり、例えば公知のコンクリート製の天井材等)を用いて構成され、図1に示すように、多層建物1の上端部に設けられている。
(構成−多層建物−第1床部から第4床部)
第1床部から第4床部24は、多層建物1を構成する床であり、例えば公知のコンクリート製の床材(一例として、スパンクリート、気泡コンクリートパネル(ALCパネル)、鉄筋コンクリートのパネル)を用いて構成され、図1に示すように、相互に間隔を隔てて上下方向に向けて並設されている。具体的には、第1床部から第4床部24は、下方から上方に向けて第1床部から第4床部24の順に並設されている。なお、以下の説明では、多層建物1の階層のうち、第1床部と第2床部22と相互間に位置する階層(図示省略)を「第1階層」と称し、第2床部22と第3床部23との相互間に位置する階層1aを「第2階層1a」と称し、第3床部23と第4床部24との相互間に位置する階層1bを「第3階層1b」と称し、第4床部24と天井部10との相互間に位置する階層1cを「第4階層1c」と称する。
(構成−多層建物−第1梁部から第4梁部)
第1梁部31から第4梁部34は、第2床部22から第4床部24及び天井部10を支持する梁であり、例えば公知の鋼製の梁材(又は公知のコンクリート製の梁材)を用いて構成され、対応する床部にそれぞれ設けられている。具体的には、図1に示すように、第1梁部31は第2床部22の下面と当接するように複数設けられ、第2梁部32は第3床部23の下面と当接するように複数設けられ、第3梁部33は第4床部24の下面と当接するように複数設けられ、第4梁部34は天井部10の下面と当接するように複数設けられている。
(構成−多層建物−第1壁部から第4壁部)
第1壁部から第4壁部は、多層建物1を構成する壁であり、例えば公知のコンクリート製の壁材を用いて構成され、対応する階層にそれぞれ設けられている。具体的には、図1に示すように、第1壁部は第1階層に複数設けられ、第2壁部は第2階層1aに複数設けられ、第3壁部は第3階層1bに複数設けられ、第4壁部は第4階層1cに複数設けられている。
(構成−多層建物−第1柱部から第4柱部)
第1柱部から第4柱部は、多層建物1を構成する柱であり、例えば公知のコンクリート製の柱材を用いて構成され、対応する階層にそれぞれ設けられている。具体的には、図1に示すように、第1柱部は第1階層に設けられ、第2柱部は第2階層1aに設けられ、第3柱部は第3階層1bに設けられ、第4柱部は第4階層1cに設けられている。
(構成−多層建物−その他の構成)
また、図1に示すように、第2床部22、第3床部23、及び第4床部24の各々には、吹き抜け開口41が設けられている。吹き抜け開口41は、第1階層から第4階層1cの各々の内部空間を連通するための開口であり、左右方向に長尺な長方形状に形成されており、第2床部22、第3床部23、及び第4床部24の各々の設置空間Sに対応する部分に配置されている。ここで、「設置空間S」とは、後述の対象階層における付属構造物を設置する空間を意味する。
また、図1に示すように、第1階層、第2階層1a、及び第3階層1bの各々には、支持部42が設けられている。支持部42は、第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物を支持するための支持手段である。この支持部42は、第1付属構造物51、第2付属構造物52、第3付属構造物の各々の後述する第1階段部60a及び第2階段部60bの踊場部62a、62bの近傍に配置されており、当接部43及び支柱部44a、44bを備えている。
このうち、当接部43は、後述する第1階段部60a及び第2階段部60bの踊場部62a、62bと当接するものである。この当接部43は、例えば長尺な鋼製の梁材を用いて構成されており、図1に示すように、当接部43の長手方向が前後方向に沿うように設けられ、且つ後述する第1階段部60a及び第2階段部60bの踊場部62a、62bと当接可能な位置に設けられている。また、支柱部44a、44bは、当接部43を支持するものである。これら支柱部44a、44bは、例えば長尺な鋼製の柱材を用いて構成されており、図1に示すように、第1床部(具体的には、第1床部の図示しない多層建物1の基礎部に対応する部分)、第2床部22(具体的には、第2床部22の第1梁部31に対応する部分)、及び第3床部23(具体的には、第3床部23の第2梁部32に対応する部分)に対してそれぞれ立設されており、且つ対応する当接部43を挟持するように、相互に間隔を隔てて前後方向に沿って並設されている。具体的には、第1階層の支柱部44a、44bの各々は、基礎部に対して固定具等によって接続されていると共に、当接部43に対して固定具又は溶接等によって接続されている。また、第2階層1aの支柱部44a、44bの各々は、第1梁部31に対して固定具又は溶接等によって接続されていると共に、当接部43に対して固定具又は溶接等によって接続されている。また、第3階層1bの支柱部44a、44bの各々は、第2梁部32に対して固定具又は溶接等によって接続されていると共に、当接部43に対して固定具又は溶接等によって接続されている。
(構成−多層建物−第1付属構造物、第2付属構造物、第3付属構造物)
第1付属構造物51は第3階層1bに付属(設置)される構造物であり、第2付属構造物52は第2階層1aに付属される構造物であり、第3付属構造物は第1階層に付属される構造物である。ただし、これら第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の構成はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1付属構造物51の構成のみについて説明する。
第1付属構造物51は、例えば公知の階段(一例として、鋼製の階段等)を用いて構成され、図1に示すように、第3階層1bの設置空間Sに設けられており、第1階段部60a、第2階段部60b、段板部70、及び手摺部80を備えている。
(構成−多層建物−第1付属構造物、第2付属構造物、第3付属構造物−第1階段部、第2階段部)
第1階段部60a及び第2階段部60bは、第1付属構造物51の基本構造体である。これら第1階段部60a及び第2階段部60bは、例えば公知の鋼製のササラ桁等を用いて構成され、図1に示すように、第3階層1bの設置空間Sに設けられており、具体的には、第1階段部60aは、設置空間Sの前方側に配置されており、第2階段部60bは、設置空間Sの後方側に配置されている。また、これら第1階段部60a及び第2階段部60bの各々は、階段部本体61a、61b、及び踊場部62a、62bを備えている。
(構成−多層建物−第1付属構造物、第2付属構造物、第3付属構造物−第1階段部、第2階段部−階段部本体)
階段部本体61a、61bは、第1階段部60a又は第2階段部60bの基本構造体である。これら階段部本体61a、61bは、長尺な鋼製の板状体にて形成されており、図1に示すように、相互に間隔を隔てて前後方向に沿って並設され、具体的には、階段部本体61aは、階段部本体61bよりも前方側に設けられている。
また、階段部本体61a、61bの具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、まず、階段部本体61a、61bの正面形状については、上下方向に傾斜した傾斜状に設定している。具体的には、第1階段部60aの階段部本体61a、61bの正面形状については、右方側から左方側に至るにつれて上方に至るように傾斜した傾斜状に設定している。また、第2階段部60bの階段部本体61a、61bの正面形状については、左方側から右方側に至るにつれて上方に至るように傾斜した傾斜状に設定している。また、階段部本体61a、61bの左右方向の長さについては、吹き抜け開口41の左右方向の長さよりも短く設定している。また、階段部本体61a、61bの上下方向の長さについては、第3階層1bの上下方向の長さの半分程度に設定している。また、階段部本体61a、61bの厚さ(前後方向の長さ)については、所望の耐荷力を得ることが可能な長さに設定している。
また、階段部本体61a、61bの具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、図1に示すように、階段部本体61a、61bには、載置部63が設けられている。この載置部63は、段板部70を載置するための載置手段であり、階段部本体61a、61bの各々の上端部を切り欠くことにより複数形成されている。
(構成−多層建物−第1付属構造物、第2付属構造物、第3付属構造物−階段部−踊場部)
踊場部62a、62bは、第1階段部60a又は第2階段部60bにおいて踊場を形成するためのものである。これら踊場部62a、62bは、例えば鋼製の長尺な板状体にて形成されており、図1に示すように、相互に間隔を隔てて前後方向に沿って並設されている(図1では、踊場部62aが踊場部62bよりも前方側に設けられている)。具体的には、第1階段部60aの踊場部62aの右端部は第1階段部60aの階段部本体61aの上部と接続されており、第1階段部60aの踊場部62bの右端部は第1階段部60aの階段部本体61bの上部と接続されている。第2階段部60bの踊場部62aの右端部は第2階段部60bの下部と接続されており、第2階段部60bの踊場部62bの右端部は第2階段部60bの階段部本体61bの下部と接続されている。
また、踊場部62a、62bの具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、以下の通りに設定している。すなわち、まず、踊場部62a、62bの正面形状については、左右方向に沿った直線状に設定している。また、踊場部62a、62bの左右方向の長さについては、階段部本体61a、61bの左右方向の長さよりも短く設定している。また、踊場部62a、62bの上下方向の長さ及び厚さ(前後方向の長さ)については、所望の耐荷力を得ることが可能な長さに設定している。
また、第1階段部60a又は第2階段部60bの形成方法については任意であるが、実施の形態では、鋼板等を折り曲げ成形することにより、階段部本体61a及び踊場部62aを一体形成すると共に、階段部本体61b及び踊場部62bを一体形成している。ただし、これに限らず、例えば、鋼板等を折り曲げ成形することにより、階段部本体61a及び踊場部62aを別体形成し、且つ階段部本体61b及び踊場部62bを別体に形成した後に、階段部本体61a及び踊場部62aを溶接等によって接続し、且つ階段部本体61b及び踊場部62bを溶接等によって接続してもよい(この場合には、階段部本体61a又は階段部本体61bは、さらに細かく分割して構成されてもよい)。
また、第1階段部60a又は第2階段部60bの設置方法については任意であるが、実施の形態では、以下の通りに設置している。すなわち、図1に示すように、第1階段部60aについては、階段部本体61a、61bの下部を第2梁部32と当接させると共に、踊場部62a、62bの下端部を支持部42の当接部43と当接させるように配置し、階段部本体61a、61bを第2梁部32に対して固定具又は溶接等によって固定すると共に、踊場部62a、62bを支持部42の当接部43に対して固定具又は溶接等によって固定する(なお、第3付属構造物の第1階段部60aについては、階段部本体61a、61bの下部を多層建物1の基礎部と当接させて、この基礎部に対して固定具等によって固定する)。また、第2階段部60bについては、踊場部62a、62bの下端部を支持部42の当接部43と当接させると共に、階段部本体61a、61bの上部を第3梁部33と当接させるように配置し、踊場部62a、62bを支持部42の当接部43に対して固定具又は溶接等によって固定すると共に、階段部本体61a、61bを第4梁部34に対して固定具又は溶接等によって固定する。
(構成−多層建物−第1付属構造物、第2付属構造物、第3付属構造物−段板部)
段板部70は、第1付属構造物51において人の足により踏まれるものである。この段板部70は、例えば鋼製の平坦な板状体(具体的な、矩形状の板状体)にて形成されており、図1に示すように、第1階段部60a及び第2階段部60bの各々の階段部本体61a、61bの相互間及び踊場部62a、62bの相互間にわたって複数設けられている。具体的には、第1階段部60a及び第2階段部60bの各々の階段部本体61a、61bの複数の載置部63にそれぞれ載置され、当該階段部本体61a、61bに対して固定具、溶接、又は嵌合構造等によって固定されている。また、第1階段部60a及び第2階段部60bの各々の踊場部62a、62bの上端部に載置され、当該踊場部62a、62bに対して固定具、溶接、又は嵌合構造等によって固定されている。
(構成−多層建物−第1付属構造物、第2付属構造物、第3付属構造物−手摺部)
手摺部80は、当該手摺部80に人がつかまることで第1付属構造物51からの転落を防止するためのものである。この手摺部80は、例えば公知の鋼製の階段用手摺等を用いて構成されており、第1階段部60a及び第2階段部60bの各々に設けられている。具体的には、図1に示すように、第1階段部60aの階段部本体61bの上端部に立設されており、この階段部本体61bに対して固定具等によって接続されている。また、第2階段部60bの階段部本体61a、61b及び踊場部62bの上端部の後端部に立設されており、これら階段部本体61a、61b及び踊場部62bに対して固定具等によって接続されている。
(付属構造物の施工方法)
次に、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の施工方法について説明する。ただし、これら第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の施工方法はそれぞれ略同一であるので、以下では、第1付属構造物51の施工方法のみについて説明する。なお、第1付属構造物51の施工方法の前提としては、第2床部22、第3床部23、及び第4床部24の各々にあらかじめ設けられた吹き抜け開口41が仮設床部26(例えばコンクリート製の床材等)によって閉鎖された状態(以下、「閉鎖状態」と称する)であるものとして説明する。
図2は、施工方法の準備工程を示す側面図である(一部図示省略)。図3は、施工方法の運搬工程を示す側面図である(一部図示省略)。図4は、施工方法の組立工程を示す側面図である(一部図示省略)。図5は、施工方法の形成工程を示す側面図である(一部図示省略)。図6は、施工方法の設置工程を示す側面図である(一部図示省略)。図1から図6に示すように、実施の形態に係る第1付属構造物51の施工方法は、準備工程、運搬工程、組立工程、形成工程、設置工程、及び仕上工程を含んでいる。
(付属構造物の施工方法−準備工程)
まず、準備工程について説明する。準備工程は、第1付属構造物51の施工の準備を行うための工程である。
具体的には、図2に示すように、第3階層1bの設置空間Sの近傍に、支持部42、仮設支持部90、仮受梁部100a〜100c、仮設足場110、及びチェーンブロック112を設置する。
このうち、仮設支持部90は、第1付属構造物51の第2階段部60bを支持するための仮設支持手段である。この仮設支持部90は、例えば支持部42と略同様に構成され、図2に示すように、第3階層1bの設置空間Sの右端部近傍に設けられ、当接部91及び一対の支柱部(図示省略)を備える。
また、仮受梁部100a〜100cは、運搬工程時に第1付属構造物51の第1階段部60a又は第2階段部60bを仮受けするための梁部である。この仮受梁部100a〜100cは、例えば長尺な鋼製の梁材を用いて構成され、仮受梁部100a〜100cの長手方向が前後方向に沿うように設けられる。具体的には、図2に示すように、仮受梁部100aは第3床部23における仮設支持部90に対応する部分(具体的には、第3床部23の第2梁部32に対応する部分)の上面に載置され、仮受梁部100bは第3床部23における支持部42に対応する部分(具体的には、第3床部23の第2梁部32に対応する部分)の上面に載置され、仮受梁部100cは支持部42の当接部43の上面に載置される。
また、仮設足場110は、運搬工程、組立工程、形成工程、設置工程、又は仕上工程の作業時に用いられる足場であり、例えば公知の鋼製の仮設足場等を用いて構成され、図2に示すように、仮設支持部90の近傍に設けられ、第3床部23に対して固定具等によって固定される。なお、実施の形態では、図2に示すように、仮設足場110と第4床部24とに接続された転倒防止材111であって、仮設足場110の転倒を防止するための転倒防止材111が設けられる。
また、チェーンブロック112は、設置工程において第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の構成要素の少なくとも一部を、所定位置まで昇降させるためのものである。このチェーンブロック112は、公知のチェーンブロック112を用いて構成されており、第4床部24の吹き抜け開口41の近傍に位置する第4梁部34に対して取り付ける(図2では、チェーンブロック112を2つの第4梁部34にそれぞれ取り付ける)。
(付属構造物の施工方法−運搬工程)
次に、運搬工程について説明する。運搬工程は、組立工程が行われる前の第1付属構造物51を、第1付属構造物51の組立作業を行う対象階層(ここでは、第3階層1b)の設置空間Sに対応する位置まで運搬する工程である。なお、実施の形態では、第2付属構造物52の組立作業を行う対象階層を第2階層1aとして説明すると共に、第3付属構造物の組立作業を行う対象階層を第1階層として説明する(すなわち、多層建物1は複数の対象階層を含むものとする)。
具体的には、まず、第1付属構造物51を、図示しない公知のクレーン等を用いて多層建物1の窓部(図示省略)を介して多層建物1の外部から内部に引き込む。次に、図示しない公知の台車等を用いて、第1付属構造物51の第1階段部60a及び第2階段部60bを第3階層1bの設置空間Sに対応する位置まで運搬する。そして、図3に示すように、図示しない公知のチェーンブロック等を用いて第1階段部60a及び第2階段部60bを昇降させることにより、第1階段部60aを仮受梁部100a及び仮設支持部90の当接部91に載置すると共に、第2階段部60bを仮受梁部100b及び仮受梁部100cに載置する。
このような運搬工程により、第2床部22、第3床部23、及び第4床部24の各々の吹き抜け開口41を閉鎖状態にして搬送作業を行うことができるので、例えば、運搬作業が行われる際に第1付属構造物51の部材又は人が第3床部23の吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを回避できる。また、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々の搬送作業を並行して行うことができ、第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の一部の搬送作業が第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の他の一部の搬送作業の進捗に左右されることを回避でき、搬送工程を効率的に実施できる。
(付属構造物の施工方法−組立工程)
次に、組立工程について説明する。組立工程は、運搬工程の後に、第3階層1bで第1付属構造物51の少なくとも一部を組み立てる工程である。
具体的には、図4に示すように、第1付属構造物51の第1階段部60a及び第2階段部60bの各々における複数の載置部63に段板部70をそれぞれ載置し、当該載置した段板部70を第1階段部60a及び第2階段部60bに対して固定具、溶接、又は嵌合構造等によって固定する。
このような組立工程により、第2床部22、第3床部23、及び第4床部24の吹き抜け開口41を閉鎖状態にして組立作業を行うことができるので、組立作業が行われる際に第1付属構造物51の部材(例えば、段板部70等)又は人が第3床部23の吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを回避できると共に、組立作業が行われる際に部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が第3床部23の吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを回避できる。また、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々の組立作業を並行して行うことができ、第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の一部の組立作業が第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の他の一部の組立作業の進捗に左右されることを回避でき、組立工程を効率的に実施できる。また、仕上工程後に段板部70を取り付ける場合に比べて、第1階段部60a及び第2階段部60bの揺れが生じにくいことから、段板部70を正確に取り付けることができる。また、組立作業での溶接に対する火気管理エリアが階層毎に完結できるので、火気管理者の人数の低減が図りやすくなる。そしてさらに、運搬工程の後に組立工程を行うので、例えば第3床部23のうち設置空間Sに対応しない位置で第1付属構造物51を組み立てる場合に比べて、組立後の第1付属構造物51を第3床部23における設置空間Sに対応する位置まで搬送する作業(いわゆる横引き作業)を省略でき、第1付属構造物51の施工を効率的に行うことができる。
(付属構造物の施工方法−形成工程)
次に、形成工程について説明する。形成工程は、組立工程及び運搬工程が行われた後に、複数の床部24のうち設置空間Sに対応する床部を撤去することにより、吹き抜け開口41を形成する工程である。
具体的には、図5に示すように、まず、図示しない公知のチェーンブロック等を用いて第2床部22、第3床部23、及び第4床部24の各々に設置された仮設床部26を取り外す(撤去する)ことにより吹き抜け開口41を形成する。その後、図示しない公知の台車等を用いて、上記取り外した仮設床部26を多層建物1の外部まで運搬する。
(付属構造物の施工方法−設置工程)
次に、設置工程について説明する。設置工程は、形成工程にて形成された吹き抜け開口41を介して組立工程にて組み立てられた第1付属構造物51を昇降させた後に、当該第1付属構造物51を設置空間Sに設置する工程である。
具体的には、図6に示すように、まず、チェーンブロック112を用いて、組立工程において段板部70が取り付けられた第1付属構造物51の第1階段部60a及び第2階段部60bを、所定位置までそれぞれ昇降させる。具体的には、第1階段部60aを、支持部42の当接部43及び第2梁部32と当接可能な位置まで下降させると共に、第2階段部60bを、支持部42の当接部43及び第3梁部33と当接可能な位置まで上昇させる。この場合には、第1階段部60a及び第2階段部60bを昇降させた後の任意のタイミングで、仮設支持部90及び仮受梁部100a〜100cを撤去する。次いで、上記下降した第1階段部60aを、支持部42の当接部43及び第2梁部32に対して固定具又は溶接等によって固定すると共に、上記上昇した第2階段部60bを支持部42の当接部43及び第3梁部33に対して固定具又は溶接等によって固定する。
また、実施の形態のように、複数の付属構造物を設置する方法については任意であるが、例えば、チェーンブロック112を用いて、複数の付属構造物のうち上方に位置する付属構造物から下方に位置する付属構造物の順に設置してもよい。一例として、まず第1付属構造物51を第3階層1bの設置空間Sに設置し、次いで第2付属構造物52を第2階層1aの設置空間Sに設置し、最後に第3付属構造物を第1階層の設置空間Sに設置してもよい。この場合において、例えば、形成工程では、設置対象となる付属構造物を昇降させるために必要な吹き抜け開口41のみを形成することにより、すべての吹き抜け開口41を一度に形成する場合に比べて、設置工程の作業時において付属構造物の部材又は人が吹き抜け開口41を介して落下したときの被害を軽減できる。ただし、これに限らず、複数の付属構造物のうち下方に位置する付属構造物から上方に位置する付属構造物の順に設置してもよく、又は不規則な順序で設置してもよい。
(付属構造物の施工方法−仕上工程)
続いて、仕上工程について説明する仕上工程は、第1付属構造物51の仕上げを行う工程である。ここで、「仕上げ」とは、例えば、第1付属構造物51を塗装すること、第1付属構造物51を完全に組み立てること、又は不要な器具等を撤去すること等を含む概念である。
具体的には、第1付属構造物51の第1階段部60a及び第2階段部60bの各々に手摺部80を取り付けることにより、第1付属構造物51を完全に組み立てる。また、図示しない公知の塗布器具(例えば、刷毛等)を用いて第1付属構造物51に塗料を塗布し、その後所定時間経過するまで常温で乾燥させることにより、第1付属構造物51の塗装を行う。また、仮設足場110及びチェーンブロック112等の器具を撤去する。これにより、図1に示す第1付属構造物51を施工することができる。
以上のような施工方法により、従来技術(既設の吹き抜け空間で各階層の階段部を設置する技術)に比べて、例えば、組立工程時又は運搬工程時での第1付属構造物51又は第2付属構造物52の部材、あるいは人が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に第1付属構造物51等の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制できる。よって、組立工程時及び運搬工程時において人の作業安全性及び多層建物1の火災安全性を高めることができ、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を施工する際の安全性を確保しやすくなる。また、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々が階段であるので、組立工程時又は運搬工程時での階段の部材が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に階段の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制でき、階段を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
(実施の形態の効果)
このように実施の形態1によれば、組立工程及び運搬工程が行われた後に、多層建物1を構成する複数の床部のうち設置空間Sに対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口41を形成する形成工程と、形成工程にて形成された吹き抜け開口41を介して組立工程において組み立てられた第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を昇降させることにより、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を設置空間Sに設置する設置工程と、を含むので、従来技術(既設の吹き抜け空間で各階層の階段部を設置する技術)に比べて、例えば、組立工程時又は運搬工程時での第1付属構造物51又は第2付属構造物52の部材、あるいは人が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に第1付属構造物51又は第2付属構造物52の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制できる。よって、組立工程時及び運搬工程時において人の作業安全性及び多層建物1の火災安全性を高めることができ、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
また、運搬工程において、組立工程が行われる前の第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を対象階層における設置空間Sに対応する位置まで運搬し、組立工程において、運搬工程にて運搬された第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々の少なくとも一部を組み立てるので、例えば第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物のうち設置空間Sに対応しない位置で第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を組み立てる場合に比べて、組立後の第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を対象階層における設置空間Sに対応する位置まで搬送する作業(いわゆる横引き作業)を省略でき、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の施工を効率的に行うことができる。
また、組立工程において、複数の対象階層の各々で第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を組み立て、運搬工程において、組立工程が行われる前又は組立工程が行われた後の第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を複数の対象階層の各々に搬送し、形成工程において、複数の対象階層の各々に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口41を複数形成し、設置工程において、複数の対象階層の各々に対応する吹き抜け開口41を介して複数の対象階層の各々で組み立てられた第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物をそれぞれ昇降させた後に、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物を設置空間Sにそれぞれ設置するので、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々の搬送作業及び組立作業を並行して行うことができ、第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の一部の搬送作業が第1付属構造物51、第2付属構造物52、又は第3付属構造物の他の一部の搬送作業の進捗に左右されることを回避でき、組立工程及び搬送工程を効率的に実施できる。
また、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々が階段を含むので、組立工程時又は運搬工程時での階段の部材が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に階段の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口41を介して下の階層に落下することを抑制でき、階段を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(付属構造物について)
上記実施の形態では、付属構造物の階段の種別が、折り返し階段であると説明したが、これに限らず、例えば、直階段、かね折れ階段、又はらせん階段であってもよい。
また、上記実施の形態では、付属構造物の設置数が3つであると説明したが、これに限らない。例えば、多層建物1の階層のうち第1階層から第3階層1b以外の他の階層(一例として、第4階層1c等)に付属構造物を設置する場合には、付属構造物の設置数が4つ以上であってもよい。あるいは、付属構造物の設置数が1つのみであってもよい。
また、上記実施の形態では、第1階段部60a及び第2階段部60bの各々が、階段部本体61a及び踊場部62aを一体形成すると共に、階段部本体61b及び踊場部62bを一体形成することで構成されていると説明したが、これに限らず、例えば、階段部本体61a及び踊場部62aを別体に形成すると共に、階段部本体61b及び踊場部62bを別体に形成することで構成されてもよい。この場合には、第1付属構造物51の施工方法の運搬工程及び組立工程については、以下の通りに実施してもよい。すなわち、運搬工程においては、多層建物1の内部に引き込まれた第1付属構造物51を、第3階層1bの設置空間Sに対応する位置まで運搬する。また、組立工程においては、まず、階段部本体61a及び踊場部62aを溶接等で接続すると共に、階段部本体61b及び踊場部62bを溶接等で接続することにより、第1階段部60a及び第2階段部60bを構成する。次に、チェーンブロック等を用いて第1階段部60a及び第2階段部60bを昇降させることにより、第1階段部60aを仮受梁部100a及び仮設支持部90の当接部91に載置すると共に、第2階段部60bを仮受梁部100b及び仮受梁部100cに載置する。そして、第1階段部60a及び第2階段部60bの各々における複数の載置部63に段板部70を取り付ける。
(施工方法について)
上記実施の形態では、準備工程及び仕上工程が行われると説明したが、これに限らない。例えば、支持部42、仮設支持部90、仮受梁部100a〜100c、及び仮設足場110の設置を必要としない場合には、準備工程を省略してもよい。また、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の塗装等を必要としない場合には、仕上工程を省略してもよい。
また、上記実施の形態では、組立工程が運搬工程の後に行われると説明したが、これに限らない。例えば、組立工程が運搬工程の前に行われてもよい。一例として、組立工程において、多層建物1の外部から内部に引き込まれた第1付属構造物51の第1階段部60a及び第2階段部60bを第3階層1bの設置空間Sに対応する位置から若干離れた位置まで運搬し、当該位置でこれら第1階段部60a及び第2階段部60bに段板部70を取り付ける。そして、運搬工程において、段板部70が取り付けられた第1階段部60a及び第2階段部60bを、第3階層1bの設置空間Sに対応する位置まで運搬してもよい(なお、第2付属構造物52及び第3付属構造物についても同様とする)。
また、上記実施の形態では、仕上工程において、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々に手摺部80を取り付けると説明したが、これに限らず、例えば、組立工程において、第1付属構造物51、第2付属構造物52、及び第3付属構造物の各々に手摺部80を取り付けてもよい。
(付記)
付記1の付属構造物の施工方法は、多層建物において複数の階層にわたって設置される付属構造物を施工するための施工方法であって、前記複数の階層のうち前記付属構造物の組立作業を行う対象となる対象階層で前記付属構造物の少なくとも一部を組み立てる組立工程と、前記組立工程が行われる前又は前記組立工程が行われた後の前記付属構造物を前記対象階層における前記付属構造物を設置する設置空間に対応する位置まで運搬する運搬工程と、前記組立工程及び前記運搬工程が行われた後に、前記多層建物を構成する複数の床部のうち前記設置空間に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を形成する形成工程と、前記形成工程にて形成された前記吹き抜け開口を介して前記組立工程において組み立てられた前記付属構造物を昇降させることにより、当該付属構造物を前記設置空間に設置する設置工程と、を含む。
付記2の付属構造物の施工方法は、付記1に記載の付属構造物の施工方法において、前記運搬工程において、前記組立工程が行われる前の前記付属構造物を前記対象階層における前記設置空間に対応する位置まで運搬し、前記組立工程において、前記運搬工程にて運搬された前記付属構造物の少なくとも一部を組み立てる。
付記3の付属構造物の施工方法は、付記1又は2に記載の付属構造物の施工方法において、前記多層建物において複数の前記付属構造物を施工するための当該施工方法であって、前記複数の階層は、前記対象階層を複数含み、前記組立工程において、前記複数の対象階層の各々で前記付属構造物を組み立て、前記運搬工程において、前記組立工程が行われる前又は前記組立工程が行われた後の前記付属構造物を前記複数の対象階層の各々に搬送し、前記形成工程において、前記複数の対象階層の各々に対応する前記床部の一部を撤去することにより、前記吹き抜け開口を複数形成し、前記設置工程において、前記複数の対象階層の各々に対応する前記吹き抜け開口を介して前記複数の対象階層の各々で組み立てられた前記付属構造物をそれぞれ昇降させた後に、当該付属構造物を前記設置空間にそれぞれ設置する。
付記4の付属構造物の施工方法は、付記1から3のいずれか一項に記載の付属構造物の施工方法において、前記付属構造物は、階段を含む。
(付記の効果)
付記1に記載の付属構造物の施工方法によれば、組立工程及び運搬工程が行われた後に、多層建物を構成する複数の床部のうち設置空間に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を形成する形成工程と、形成工程にて形成された吹き抜け開口を介して組立工程において組み立てられた付属構造物を昇降させることにより、当該付属構造物を設置空間に設置する設置工程と、を含むので、従来技術(既設の吹き抜け空間で各階層の階段部を設置する技術)に比べて、例えば、組立工程時又は運搬工程時での付属構造物の部材又は人が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に付属構造物の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制できる。よって、組立工程時及び運搬工程時において人の作業安全性及び多層建物の火災安全性を高めることができ、付属構造物を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
付記2に記載の付属構造物の施工方法によれば、運搬工程において、組立工程が行われる前の付属構造物を対象階層における設置空間に対応する位置まで運搬し、組立工程において、運搬工程にて運搬された付属構造物の少なくとも一部を組み立てるので、例えば対象階層のうち設置空間に対応しない位置で付属構造物を組み立てる場合に比べて、組立後の付属構造物を対象階層における設置空間に対応する位置まで搬送する作業(いわゆる横引き作業)を省略でき、付属構造物の施工を効率的に行うことができる。
付記3に記載の付属構造物の施工方法によれば、組立工程において、複数の対象階層の各々で付属構造物を組み立て、運搬工程において、組立工程が行われる前又は組立工程が行われた後の付属構造物を複数の対象階層の各々に搬送し、形成工程において、複数の対象階層の各々に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を複数形成し、設置工程において、複数の対象階層の各々に対応する吹き抜け開口を介して複数の対象階層の各々で組み立てられた付属構造物をそれぞれ昇降させた後に、当該付属構造物を設置空間にそれぞれ設置するので、複数の付属構造物の各々の搬送作業及び組立作業を並行して行うことができ、複数の付属構造物の一部の搬送作業が複数の付属構造物の他の一部の搬送作業の進捗に左右されることを回避でき、組立工程及び搬送工程を効率的に実施できる。
付記4に記載の付属構造物の施工方法によれば、付属構造物が階段を含むので、組立工程時又は運搬工程時での階段の部材が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制できると共に、組立作業が行われる際に階段の部材同士を溶接するときに生じた火花(又は煙)が吹き抜け開口を介して下の階層に落下することを抑制でき、階段を施工する際の安全性を確保しやすくなる。
1 多層建物
1a 第2階層
1b 第3階層
1c 第4階層
10 天井部
22 第2床部
23 第3床部
24 第4床部
26 仮設床部
31 第1梁部
32 第2梁部
33 第3梁部
34 第4梁部
41 吹き抜け開口
42 支持部
43 当接部
44a、44b 支柱部
51 第1付属構造物
52 第2付属構造物
60a 第1階段部
60b 第2階段部
61a、61b 階段部本体
62a、62b 踊場部
63 載置部
70 段板部
80 手摺部
90 仮設支持部
91 当接部
100a、100b、100c 仮受梁部
110 仮設足場
111 転倒防止材
112 チェーンブロック
S 設置空間

Claims (4)

  1. 多層建物において複数の階層にわたって設置される付属構造物を施工するための施工方法であって、
    前記複数の階層のうち前記付属構造物の組立作業を行う対象となる対象階層で前記付属構造物の少なくとも一部を組み立てる組立工程と、
    前記組立工程が行われる前又は前記組立工程が行われた後の前記付属構造物を前記対象階層における前記付属構造物を設置する設置空間に対応する位置まで運搬する運搬工程と、
    前記組立工程及び前記運搬工程が行われた後に、前記多層建物を構成する複数の床部のうち前記設置空間に対応する床部の一部を撤去することにより、吹き抜け開口を形成する形成工程と、
    前記形成工程にて形成された前記吹き抜け開口を介して前記組立工程において組み立てられた前記付属構造物を昇降させることにより、当該付属構造物を前記設置空間に設置する設置工程と、
    を含む付属構造物の施工方法。
  2. 前記運搬工程において、前記組立工程が行われる前の前記付属構造物を前記対象階層における前記設置空間に対応する位置まで運搬し、
    前記組立工程において、前記運搬工程にて運搬された前記付属構造物の少なくとも一部を組み立てる、
    請求項1に記載の付属構造物の施工方法。
  3. 前記多層建物において複数の前記付属構造物を施工するための当該施工方法であって、
    前記複数の階層は、前記対象階層を複数含み、
    前記組立工程において、前記複数の対象階層の各々で前記付属構造物を組み立て、
    前記運搬工程において、前記組立工程が行われる前又は前記組立工程が行われた後の前記付属構造物を前記複数の対象階層の各々に搬送し、
    前記形成工程において、前記複数の対象階層の各々に対応する前記床部の一部を撤去することにより、前記吹き抜け開口を複数形成し、
    前記設置工程において、前記複数の対象階層の各々に対応する前記吹き抜け開口を介して前記複数の対象階層の各々で組み立てられた前記付属構造物をそれぞれ昇降させた後に、当該付属構造物を前記設置空間にそれぞれ設置する、
    請求項1又は2に記載の付属構造物の施工方法。
  4. 前記付属構造物は、階段を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の付属構造物の施工方法。
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