JP4516585B2 - 建物用内部階段およびその建造方法 - Google Patents
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その一つとして、建物一体型階段があるが、これは、建築工事現場で、型枠大工職人により型枠材である建築パネル、さんぎ、角材等を使用して、階段の現寸に切り合わせて、一つ一つ組合せ、型枠による立体階段を作り、その型枠の中に鉄筋職人が補強鉄筋を配筋し、その後型枠内に生コンクリートを打設して硬化させることにより階段ができあがるものである。
また、本発明は、建物本体の建造に先行して予め内部用の階段を現場に仮設する際の作業環境と安全性を高めることができる建物内部階段の建造方法を提供することを他の目的としている。
さらに、本発明は、上記のような建物内部階段の建造において階段の先行する仮設の作業を軽減させることができる仮設用組立治具を提供することをさらに他の目的とするものである。
壁部の建物フロア位置または建物フロア部分の壁部に対して、その三側部を雁行凹凸部に形成しかつ三側部から突出する複数のアンカーを設けた建物フロア位置に設置される本踊場であって、該本踊場の平面ほぼ中心位置で着脱自在の単体の仮設用治具によって固定支持される本踊場、
建物フロア間のほぼ中間高さ位置に設置され、壁部に面した三側部に雁行凹凸部を形成しかつ三側部から突出する複数のアンカーを有する中間踊場であって、該中間踊場の平面ほぼ中心位置で着脱自在の単体の仮設用治具によって固定支持される中間踊場、および
上下に位置する踊場に架け渡されて壁部に隣接する壁側ささら桁、階段中央部に位置して踊場に固定される中央部側ささら桁、これらのささら桁間に渡されて固定される踏板、およびささら桁に取り付けられかつ立子を立設した平行な支持棒を有してなる手摺を有する階段部にして、壁側ささら桁の壁部側側面に壁部内部に向って突出するように固定された複数本のスタッドボルトを備えた階段部、を有し、
本踊場および中間踊場は、建物内部の各高さ位置に建物の建造に先行して位置決め、固定された仮設用治具によって支持され、階段部が仮設用治具に固定された各踊場または建物基礎階に設置され、アンカーおよびスタッドボルトを壁部のコンクリート打設時に同時に壁部の内部に埋め込まれ、壁部型枠内に雁行凹凸部の凸部が位置するとともに、雁行凹凸部の凹部にコンクリートを充填することができるように壁部型枠が位置されることにより前記各踊場および階段部が設置されることを特徴とする。
内部階段の基礎階またはそれよりも上方の中間踊場および各階フロア位置の本踊場に、それらの表面ほぼ中央位置に、伸縮自在で着脱自在の単体の仮設用組立治具をその底部の固定板を固定することにより設置し、
仮設用組立治具に設けた頂部固定版に、雁行状に凹凸を設けた建物壁部に面した3側面から突出した複数本のアンカーが設けられた本踊場および中間踊場を揚重機により吊り上げて所定の位置に位置させ、踊場を支持する本踊場および中間踊場のそれぞれの支持部に、仮設用組立治具の底部に設けた液圧ジャッキによりレベルの微調節をして頂部固定板を設置し、
各仮設用組立治具の固定板を本踊場および中間踊場の裏面に固定し、さらにブレースによって組立治具本体を前記各踊場等の設置面に連結固定し、本踊場、中間踊場、各踊場の前後、左右の建て入れ(歪み)調整を行い、組立治具を各踊場に一体にし、
各踊場に対して、建物壁部側側面にそこから壁部内部に向って突出するアンカーが固定されているささら桁を有しかつささら桁間に踏板を取り付けてなる階段部を揚重機により吊り上げ、本踊場と中間踊場に対して設置して固定し、
各踊場および階段部から突出するアンカーおよび各踊場の3側面に形成した雁行凹凸部を建物壁内部に位置するように、階段室を形成する壁のための型枠材内に位置するように型枠材を配置し、そして
各踊場および階段部のアンカーが壁内部に一緒に埋めこまれかつ各踊場の3側面の雁行凹凸部の凸部を埋め込みかつ凹部にコンクリートを充填することができるように前記壁部型枠が位置されるように型枠内に壁を形成するためのコンクリート打設を行う、
段階を含むことを特徴とする。
建物基礎階あるいは両踊場のほぼ中心の支持部に着脱自在に固定される底部固定版と、
該底部固定版に立設された中空の外側支柱にして、底部固定版が下方端部に取り付けられた外側支柱と、
該外側支柱の内部に移動可能に設けられたスライド支柱と、
スライド支柱の下端部に設けられ、上下動によってレベル調整を行うための補助スライド支柱を有し、スライド支柱を上下動するために補助スライド支柱の底部に設けられた液圧ジャッキとを有し、
スライド支柱が液圧ジャッキによってレベル調整されかつ外側支柱に対して固定することができ、さらに
外側支柱は、基礎階または各踊場におけるほぼ中心の支持部回りの所定位置に掛け渡されたターンバックル付きブレースによって、建て入れ(歪み)調整を行い、設置固定されていることを特徴とする。
上記構成の建物内部階段は、その本踊場および中間踊場が、建物フロア位置の壁部または建物フロア部に三側部に設けた雁行凹凸部の凸部を進入するように設けられかつ三側部から突出して壁部またはフロア部に埋め込まれる複数のアンカーを有するように、PC(プレキャストコンクリート)版製で予め専門工場で作られたものであり、建物本体の建造に先行して設計図面に決められた所定の位置に内部階段室の建造に先行して仮設配置するために、伸縮自在にかつ着脱自在の単体の仮設用組立治具が用いられて、その踊場用の底部固定板が、基礎階あるいは既設の踊場のほぼ中心部に固定されて、底部固定板に立設された外側支柱、該外側支柱内を上下動自在に設けられたスライド支柱の上端の頂部固定板を新たに仮設する踊場の底面に固定することにより支持されて、スライド支柱の底部を補助スライド支柱を介して液圧ジャッキによりレベル調整をして、踊場が設置されるので、単体の仮設用治具によって本踊場、中間踊場の仮設が可能であり、さらに、仮設用の組立治具が踊場への固定、取り外しが容易に行うことができるので、仮設機材を最小限にして、その作業も大幅に軽減することができる。この仮設用治具は、各踊場の設置位置をmm単位の誤差内にセットすることが時間もかかり困難な作業であることに対処して、短時間で簡単に使用されることにより施行可能にすることができる。
図1は、建物建造に先行して仮設された建物内部の階段の基礎階から3階フロア部分までを示す側面図であるが、明瞭にするために部分的に構成部材が省かれて示されている。階段は、建物フロア位置に設置される本踊場1、フロア間の中間位置に設置される中間踊場2、および中間踊場2と本踊場1あるいは階段の基礎階の設置面9との間に配置される階段部3からなり、仮設用治具4、5が設置されて、それらの上に本踊場1、中間踊場2が置かれて固定され、これらの踊場1、2に階段部3が取り付けられて仮設される。
2 中間踊場
3 階段部
4 本踊場用仮設用組立治具
5 中間踊り場用仮設用組立治具
6 踊場側建物壁部
7 階段部側建物壁部
8 型枠
9 基礎面
12 横異形鉄筋
13 アンカー
14 縦異形鉄筋
15 アンカー
16 中央側ささら桁固定部
19 型枠取付用インサート
22 横異形鉄筋
23 アンカー
24 縦異形鉄筋
25 アンカー
26 インサート
27 アイボルト
29 型枠取付用インサート
31 スタッドボルト
32 壁側ささら桁
34 中央側ささら桁
36 踏板
38 手摺下側支持棒
40 雁行凹凸部
41 凹部(溝部)
42 凸部(突部)
51 外側支柱
52 スライド支柱
53 補助スライド支柱
54 液圧ジャッキ
55 ブレース
56 ターンバックル
57 底部固定板
58 頂部固定板
59 支柱保持部
60 支柱支持板
61 ブレース取付板
63 タラップ
64 取り手
65 ルーズホール
66 固定用ボルト・ナット
86 建築パネル
88 さんぎ
92 型枠止め金具
93 樹脂コーテイング
94 ボルト
95 ボルト
96 踊場端面
162 ささら桁固定部の拡大部
164 スタッド
366 踏板取付用長ナット
Claims (13)
- コンクリート打設に先行して仮設される建物用内部階段であって、
前記壁部の建物フロア位置または建物フロア部分の前記壁部に対して、その三側部を雁行凹凸部に形成しかつ前記三側部から突出する複数のアンカーを設けた建物フロア位置に設置される本踊場であって、該本踊場の平面ほぼ中心位置で着脱自在の単体の仮設用治具によって固定支持される本踊場、
建物フロア間のほぼ中間高さ位置に設置され、前記壁部に面した三側部に雁行凹凸部を形成しかつ前記三側部から突出する複数のアンカーを有する中間踊場であって、該中間踊場の平面ほぼ中心位置で着脱自在の単体の仮設用治具によって固定支持される中間踊場、および
上下に位置する前記踊場に架け渡されて前記壁部に隣接する壁側ささら桁、階段中央部に位置して前記踊場に固定される中央部側ささら桁、これらのささら桁間に渡されて固定される踏板、および前記ささら桁に取り付けられかつ立子を立設した平行な支持棒を有してなる手摺を有する階段部にして、前記壁側ささら桁の壁部側側面に前記壁部内部に向って突出するように固定された複数本のスタッドボルトを備えた階段部、を有し、
前記本踊場および中間踊場は、建物内部の前記各高さ位置に建物の建造に先行して位置決め、固定された前記仮設用治具によって支持され、前記階段部が前記仮設用治具に固定された前記各踊場または建物基礎階に設置され、前記アンカーおよび前記スタッドボルトを前記壁部のコンクリート打設時に同時に前記壁部の内部に埋め込まれ、壁部型枠内に前記雁行凹凸部の凸部が位置するとともに、前記雁行凹凸部の凹部にコンクリートを充填することができるように前記壁部型枠が位置されることにより前記各踊場および前記階段部が設置されることを特徴とする建物用内部階段。 - 請求項1に記載の建物用内部階段において、前記踊場のアンカーは、前記踊場の強度に応じて配筋される異形鉄筋を延長して前記3側面から突出されたものであり、前記アンカーが前記壁部中心位置で曲げられ、該中心位置から壁面に沿って延びる寸法が壁厚の1.5倍以上の長さを有することを特徴とする建物用内部階段。
- 請求項1に記載の建物用内部階段において、前記両踊場の3側面に設けられた前記雁行凹凸部の凹部が前記両踊場の厚さ方向の溝として形成され、該溝の底部が前記壁面と一致するように前記各踊場に配置されることを特徴とする建物用内部階段。
- 請求項3に記載の建物用内部階段において、前記溝の底部を前記壁面と一致させるための金具が、前記各踊場の3側面における前記雁行凹凸部の凸部に1本のボルトにより取り付けられ、前記金具が前記踊場の3側面の縁部で曲折して曲折部から両表面に沿って延びて、その端部により壁用の型枠パネルの位置決めをするようにしたことを特徴とする建物用内部階段。
- 請求項1に記載の建物用内部階段において、前記両踊場を支持する仮設用治具が、支持部に固定される底部固定版、該底部固定版に立設された外枠支柱と、該外枠支柱の内部を移動可能に設けられた所定位置に固定されるスライド支柱、該スライド支柱の端部に取り付けられた踊場に固定される頂部固定板、および前記スライド支柱の底部に上下動によってレベル調整を行う液圧ジャッキを有し、前記スライド支柱が前記液圧ジャッキによって位置調節されかつ前記外枠支柱に対して固定することができることを特徴とする建物用内部階段。
- 請求項1に記載の建物用内部階段において、前記両踊場はPC版からなり、踊場の上り、下り側部分が緊張状態にされたピアノ鋼線によって強度を増すようにされていて、前記3側面には型枠取付用のインサートが必要な数だけ埋め込まれ、他の1側面の両端および中央部には上り側階段のささら桁と下り側階段のささら桁の取付用金具が埋め込み固定され、さらに前記階段部の建物の壁側ささら桁に壁内に埋め込まれるようにスタットボルトが階段の強度に合せた数量だけ溶接されていることを特徴とする建物用内部階段。
- 請求項1に記載の建物用内部階段において、前記階段部の中央部側ささら桁を取り付けるための前記踊場の中央取付部が前記ささら桁に平行な手摺下方支持棒との間隔を埋めるように上向きに拡大されていることを特徴とする建物用内部階段。
- 請求項1に記載の建物用内部階段において、前記階段部の踏板が、PCa(プレキャストコンクリート)版製であることを特徴とする建物用内部階段。
- 本踊場、中間踊場およびこれらの踊場に掛け渡される階段部からなる建物用の内部階段をコンクリート打設に先行して仮設、設置して、建造する建物用内部階段の建造方法であって、
内部階段の基礎階またはそれよりも上方の中間踊場および各階フロア位置の本踊場に、それらの表面ほぼ中心位置に、伸縮自在で着脱自在の単体の仮設用組立治具をその底部の固定板を固定することにより設置し、
前記仮設用組立治具に設けた頂部固定版に、雁行状に凹凸を設けた建物壁部に面した3側面から突出した複数本のアンカーが設けられた本踊場および中間踊場を揚重機により吊り上げて所定の位置に位置させ、前記踊場を支持する前記本踊場および前記中間踊場のそれぞれの支持部に、前記仮設用組立治具の底部に設けた液圧ジャッキによりレベルの微調節をして前記頂部固定板を設置し、
前記各仮設用組立治具の固定板を前記本踊場および前記中間踊場の裏面に固定し、さらにブレースによって前記組立治具本体を前記各踊場等の設置面に連結固定し、本踊場、中間踊場、各踊場の前後、左右の建て入れ(歪み)調整を行い、前記組立治具を前記各踊場に一体にし、
前記各踊場に対して、建物壁部側側面にそこから壁部内部に向って突出するアンカーが固定されているささら桁を有しかつささら桁間に踏板を取り付けてなる階段部を揚重機により吊り上げ、前記本踊場と前記中間踊場に対して設置して固定し、
前記各踊場および階段部から突出するアンカーおよび前記各踊場の3側面に形成した雁行凹凸部を建物壁内部に位置するように、階段室を形成する壁のための型枠材内に位置するように型枠材を配置し、そして
前記各踊場および前記階段部のアンカーが壁内部に一緒に埋めこまれかつ前記各踊場の3側面の雁行凹凸部の凸部を埋め込みかつ凹部にコンクリートを充填することができるように前記壁部型枠が位置されて前記型枠内に壁を形成するためのコンクリート打設を行う
段階を含むことを特徴とする建物用内部階段の建造方法。 - 請求項9に記載の建物用の内部階段を建造する方法において、前記型枠材が前記踊場の壁側の3面の雁行凹凸部の凹部底部をコンクリート打設後の壁面と一致するように配置されていることを特徴とする建物用内部階段の建造方法。
- 請求項10に記載の建物用の内部階段を建造する方法において、前記型枠材の配置が、前記踊場の壁側の3面の雁行凹凸部の凸部に上下面に沿って延長する両端部によって前記壁用型枠材の位置決めするための金具を1本のボルトにより取り付けることにより行われることを特徴とする建物用内部階段の建造方法。
- 請求項9に記載の建物用内部階段の建造方法において、前記両踊場を支持する仮設用組立治具が、
建物基礎階あるいは前記両踊場のほぼ中心の支持部に着脱自在に固定される底部固定版、
該底部固定版に立設された中空の外側支柱にして、前記底部固定版が下方端部に取り付けられた外側支柱と、
該外側支柱の内部に移動可能に設けられたスライド支柱、および
前記スライド支柱を上下動によってレベル調整を行うための補助スライド支柱を有し、前記スライド支柱を上下動するために前記補助スライド支柱の下端部に設けられた液圧ジャッキを有し、
前記スライド支柱が前記液圧ジャッキによってレベル調整されかつ前記外側支柱に対して固定することができ、さらに
前記外側支柱は、前記基礎階または前記各踊場におけるほぼ中心の支持部回りの所定位置に掛け渡されたターンバックル付きブレースによって、本踊場、中間踊場、各踊場の前後、左右の建て入れ(歪み)調整を行い、設置固定されていることを特徴とする建物用内部階段の建造方法。 - 請求項12に記載の仮設用組立治具において、前記各固定板の取付け、ブレースの取付け、前記外側支柱と前記スライド支柱とのスライド調整がボルト、ナット等で着脱自在になされていて、組み立て、分解自在に形成されていることを特徴とする建物用内部階段の仮設用組立治具。
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