JP6967710B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、食品として特に野菜を長期保存するための冷蔵庫に関する。
近年では、冷蔵庫の貯蔵温度の多様化のみならず、環境への配慮や経済性に対する関心の高まりを背景に、保存期間の経過による劣化等で、食されることなく破棄される食材の無駄をなくすという機能が求められている。特に、野菜の鮮度を保持するためには、野菜室内をほぼ密閉状態にして、容器外周を循環する冷気で間接冷却したり、乾燥を防ぐため冷気を一部しか容器に導入しない方式が採られている。しなしながら、その湿度制御は成り行きの制御となり、収納した野菜の量や種類によっては、長期保存に必要な高湿度状態を維持することが困難になっている。
このような野菜室高湿度状態保持の課題に対し、野菜室内の実際の雰囲気湿度を検知して、その結果によって加湿装置からの水分噴霧で湿度制御を行っているものがある(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の野菜室の縦断面図を示すものである。図7において、冷蔵室2と野菜室3は仕切壁4により区画され、さらに野菜室扉3aで野菜室3内は密閉構成となっている。仕切壁4の野菜室3側には湿度センサー26が埋設され、野菜室3内の湿度を検知している。また超音波振動子21と貯水タンク25で構成された加湿装置20も同様に、仕切壁4の野菜室3側に埋設され、超音波振動子21を動作させることで、野菜室3内へミスト噴霧を行うこととなる。この様な構成で、野菜室3内の湿度を湿度センサー26で検知して、低湿度の場合には野菜には好ましくない状態だと判断し、加湿装置20を動作させて野菜室3内を高湿度に維持させることになる。
特開2006−46768号公報
しかしながら、上記従来の構成では、湿度センサー26は野菜室3の上方に設置されており、野菜収納位置そのものでの湿度ではない。また湿度環境から間接的に野菜の鮮度を推定しており、実際に細胞活動している野菜の保水状態を直接検知しているわけではない。すなわち、野菜にとっては高湿状態でも乾燥気味で萎れる状況であったり、低湿状態でも多水気味で水腐れ状況である可能性があり、最適な鮮度保持制御ができていないという課題を有していた。
本発明は、上記の課題を解決するもので、野菜表面そのものの水分量を検知し、その増減率から野菜自身の鮮度状態を判断して、野菜の保鮮性能が向上できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、野菜室と、前記野菜室に設けられた収納容器と、前記収納容器の内部の野菜の水分量を検知する水分量検知手段と、前記収納容器の内部を加湿する鮮度保持装置とを備え、前記鮮度保持装置は、前記水分量検知手段の検知結果に基づいて、前記収納容器の内部を加湿することを特徴とする。
これにより、野菜表面そのものの水分量の検知が行え、従来の雰囲気湿度からの推定よりも、精度の高い野菜鮮度状態の判断が可能になる。
本発明の冷蔵庫は、野菜室内の野菜自身の水分量を直接検知することができるので、精度の高い野菜鮮度状態の判断が可能になり、鮮度保持装置により野菜保鮮性能を高めた冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施の形態1による冷蔵庫の縦断面図 本発明の実施の形態1による冷蔵庫の水分量検知手段の構成図 本発明の実施の形態1による冷蔵庫の野菜室の縦断面図 本発明の実施の形態1による冷蔵庫の赤外分光器によるほうれん草の吸収スペクトル差を示す図 本発明の実施の形態1による冷蔵庫のほうれん草の重量減少率と水分量検知手段の出力変化量の関係を示す図 本発明の実施の形態2による冷蔵庫の野菜室の縦断面図 従来の冷蔵庫の野菜室の縦断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による冷蔵庫の縦断面図、図2は同実施の形態1による冷蔵庫の水分量検知手段の構成図、図3は同実施の形態1による冷蔵庫の野菜室の縦断面図、図4は同実施の形態1による冷蔵庫の赤外分光器によるほうれん草の吸収スペクトル差を示す図、図5は同実施の形態1による冷蔵庫のほうれん草の重量減少率と水分量検知手段の出力変化量の関係を示す図である。
図1〜3において、冷蔵庫100の断熱箱体101は、主に鋼板を用いた外箱102と、ABSなどの樹脂で成型された内箱103と、外箱102と内箱103との間の空間に充填発泡される例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材とからなり、周囲と断熱し、複数の貯蔵室に区分されている。
最上部には第一の貯蔵室としての冷蔵室104が設けられ、その冷蔵室104の下部に左右に並んで第四の貯蔵室としての切換室105と第五の貯蔵室としての製氷室106が横並びに設けられ、その切換室105と製氷室106の下部に第二の貯蔵室としての野菜室107が設けられ、そして最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室108が配置される構成となっている。
冷蔵室104は、冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、野菜室107は、冷蔵室104と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。冷凍室108は、冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。切換室105は、1℃〜5℃で設定される冷蔵温度帯、2℃〜7℃で設定される野菜用温度帯、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切換えることができる。切換室105は製氷室106に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引出し式の扉を備えることが多い。
尚、本実施の形態では、切換室105を、冷蔵、冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は、冷蔵室104、野菜室107、冷凍は、冷凍室108に委ねて、冷蔵と冷凍の中間の上記温度帯のみの切換えに特化した貯蔵室としても構わない。また、特定の温度帯に固定された貯蔵室でもかまわない。
製氷室106は、冷蔵室104内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
断熱箱体101の天面部は、冷蔵庫100の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室101aを形成して圧縮機109、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。すなわち、圧縮機109を配設する機械室101aは、冷蔵室104内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。
尚、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった断熱箱体101の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設けて、そこに圧縮機109を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。また、冷凍室108と野菜室107の配置を入れ替えた、いわゆるミッドフリーザーの構成の冷蔵庫100であっても構わない。
次に、野菜室107と冷凍室108の背面には冷気を生成する冷却室110が設けられ、野菜室107と冷却室110の間もしくは冷凍室108と冷却室110との間には、断熱性を有する各室への冷気の搬送風路と、各室と断熱区画するために構成された奥面仕切壁111が構成されている。
冷却室110内には、冷却器112が配設されており、冷却器112の上部空間には強制対流方式により冷却器112で冷却した冷気を冷蔵室104、切換室105、製氷室106、野菜室107、冷凍室108に送風する冷却ファン113が配置され、冷却器112の下部空間には、冷却時に冷却器112やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためのガラス管製のラジアントヒータ114が設けられ、さらにその下部には除霜時に生じる除霜水を受けるためのドレンパン115、その最深部から庫外に貫通したドレンチューブ116が構成され、その下流側の庫外に蒸発皿117が構成されている。
野菜室107には、野菜室107の引出し扉118に取り付けられたフレームに載置された下段収納容器119と、下段収納容器119の上に載置された上段収納容器120が配置されている。引出し扉118が閉ざされた状態で主に上段収納容器120を略密閉するための蓋体122が、野菜室107の上部に備えられた第一の仕切壁123及び内箱103に保持されている。引出し扉118が閉ざされた状態で蓋体122と上段収納容器120の上面の左右辺、奥辺が密接し、上面の前辺は略密接している。さらに、上段収納容器120の背面の左右下辺と下段収納容器119の境界部は、上段収納容器120が稼働する上で接触しない範囲で食品収納部の湿気が逃げないよう隙を詰めている。
蓋体122と第一の仕切壁123の間には、奥面仕切壁111に構成された野菜室107用の吐出口124から吐出された冷気の風路が設けられている。また、第一の仕切壁123の野菜室107側には水分量検知手段131が埋設され、本実施の形態では光学的に下段収納容器119に格納された野菜に対向するように配置されている。光学的とは赤外光や可視光が透過するように、蓋体122と上段収納容器120の必要な部分を切り取ったり、あるいは透過性樹脂で構成すれば良い。
さらに、下段収納容器119と下段収納容器119の下の第二の仕切壁125との間にも空間が設けられ冷気風路を構成している。野菜室107の背面側に備えられた奥面仕切壁111の下部には、野菜室107内を冷却し熱交換された冷気が冷却器112に戻るための野菜室107用の吸込口126が設けられている。
奥面仕切壁111は、ABSなどの樹脂で構成された表面と、風路や冷却室110を隔離、断熱性を確保するための発泡スチロールなどで構成された断熱材で構成されている。ここで、奥面仕切壁111の野菜室107側の壁面の一部には、本実施の形態では微粒子ミストを発生させる鮮度保持装置139が埋設されている。
鮮度保持装置139の具体例としては、静電気力によりピン先の水分を飛ばす静電霧化方式、圧電素子の振動により霧化させる超音波振動方式、ファンの風速で水を微細化する水破砕方式、微細孔ノズルを通過させて噴霧させるノズル噴霧方式等があり、目標性能や許容設置スペースに応じて方式は選定すればよい。鮮度保持装置139で発生された微粒子ミストが、下段収納容器119に噴霧されるように、上段収納容器120との隙間や配置が設計されている。また、冷気風路には、各貯蔵室を冷却する冷気を調整するためのダンパー145が埋設されている。
水分量検知手段131には、図2に示すように、内部に赤外線波長を発光する第一の発光素子146と第二の発光素子150があり、それぞれの光源は反射板147で反射され、測定対象物(ここでは野菜)が照射される。さらに、水分量検知手段131には特定の波長を透過し偏向させる第一の調角板148と第二の調角板151があり、測定対象物から反射してきた光を、内部にある第一の受光素子149と第二の受光素子152へそれぞれ伝える。このように構成された水分量検知手段131は、野菜室107内の測定対象物(野菜)が格納される位置で、野菜を照射してその反射光を受光するように、第一の発光素子146、第二の発光素子150、反射板147、第一の調角板148、第二の調角板151、第一の受光素子149、第二の受光素子152の配置と形状が調整され、野菜室107の天面になる第一の仕切壁123に、庫内容積やケース操作性に影響のない範囲で埋設されている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機109の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)である程度凝縮液化し、さらに冷蔵庫100の側面や背面、また冷蔵庫100の前面間口に配設された冷媒配管(図示せず)などを経由し冷蔵庫100の結露を防止しながら凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機109への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器112に至る。
ここで、低温低圧の液冷媒は、冷却ファン113の動作により搬送する冷凍室108の吐出風路141などの各貯蔵室内の空気と熱交換され、冷却器112内の冷媒は蒸発気化する。この時、冷却室110内で各貯蔵室を冷却するための冷気を生成する。
冷却室110内で生成された低温の冷気は、冷却ファン113から冷蔵室104、切換室105、製氷室106、野菜室107、冷凍室108に冷気を風路やダンパー145を用いて分流させ、それぞれの目的温度帯に冷却する。
冷蔵室104は、冷蔵室104に設けた温度センサ(図示せず)により、冷気量をダンパー145により調整され、目的温度に冷却されている。特に、野菜室107は、冷気の配分や加熱手段(図示せず)などのON/OFF運転により、2℃から7℃になるように調整される。
野菜室107は、冷蔵室104を冷却した後、その空気を冷却器112に循環させるための冷蔵室戻り風路の途中に構成された野菜室107用の吐出口124から野菜室107に吐出し、上段収納容器120や下段収納容器119の外周に流し間接的に冷却し、その後、野菜室107用の吸込口126から再び冷却器112に戻る。
このようにして野菜室107は、野菜にとって最適な温度に設定されるわけであるが、逆に冷却することは除湿作用もあるため、時間が経過するとどうしても野菜からの水分蒸散が加速され、野菜重量が減少し、特に葉野菜は萎びてきて商品価値が劣化してしまう。
次に、野菜の赤外線波長の吸収スペクトル特性の例について、図4の赤外分光器によるほうれん草の吸収スペクトルのグラフを用いて説明する。この結果は汎用の赤外分光器を用いて波長帯域800nm〜1700nmで実際に測定したものである。測定光源としては波長出力レベルの安定性からハロゲンランプ等が良いが、今回は市販の白熱灯電球を使用した。図4において、一点鎖線が光源のみを直接分光器に入力した時の特性で、この帯域において緩やかな山型形状となっており、この特性がリファレンスとなる。
次に、新鮮なほうれん草にこの光源から光を照射し、その反射光を分光器に入射させたときの分光器出力がグラフ中の実線である。グラフから分かるように波長1450nmを頂点とした波長付近で、リファレンス(光源のみ)に対して出力が大きく落ち込んでいる(変化量:A)。これは、すなわち新鮮な野菜は水分が多く、葉表面でも水分量が豊富で、その水分によりこの波長が吸収され、反射光として分光器に戻っていないことを意味しており、実際この波長1450nmは理化学的にも水分測定に利用されている。
尚、波長1940nmも、さらに水分を大きく吸収する帯域であることが一般に知られているが、波長1600nm〜2100nmは野菜の水以外の成分(炭水化物・デンプン・糖・タンパク質等)も吸収する帯域でもあり、無機質ではない野菜の水分量を精度よく検知できない可能性がある。また、冷蔵庫特有の環境として一般に野菜室107内は高湿状態であり、波長が長いほど環境水蒸気分に吸収されやすく、野菜に測定光が到達する前に減衰してしまう可能性もある。
従って、後述する水分量検知手段131で使用する測定光の波長は1450nmとしている。
図4のグラフに戻り、ほうれん草が萎れてきて重量減少率が30%(すなわち重量が初期の70%)となった時に、新鮮な時と同様の測定方法で測定した結果が、点線で示す特性である。やはり新鮮な時ほどではないが、波長1450nmを頂点とした波長付近で、リファレンス(光源のみ)に対して出力が落ち込んでいる(変化量:B)。新鮮な時ほど落ち込みが大きくないのは、吸収する水分量が少ないからである。従って、重量減少率と波長1450nm波長の変化量の相関を、明確にすれば野菜の萎れ検知が可能になる。
次に、水分量検知手段131の動作について、図2を用いて説明する。測定光である赤外線1450nmの波長を有する第一の発光素子146から一定光量の光が、経路aで反射板147に入射されると、予め規定された角度で反射され経路bを通って対象物(野菜)に照射される。続いて、野菜で吸収された光量以外の測定光が反射光として経路cを通り、第一の調角板148に入光され波長1450nmの測定光が選択的に経路dを経由して第一の受光素子149に取り込まれる。
また、図4に示すように、1330nmは水分に吸収されない波長であり、野菜が新鮮であっても、萎れていても分光器の出力に変化はない。すなわちこの波長を参考光として同時に測定し、測定光と参考光の差分で判断することで、外乱要因(外乱光・測定距離・反射角度等)が排除でき検知精度の向上につながる。参考光の波長を1330nmとしたのは水分に吸収されず、かつ外乱要因による変動傾向が測定光と同方向となるように、測定光1450nmと波長を近づけるためである。図2に戻り、この参考光である赤外線1330nmの波長を有する第二の発光素子150から一定光量の光が発光されると、測定光の時と同様の構成物により経路e→f→g→hを通って、水分による減衰のない波長1330nmの参考光が第二の受光素子152に取り込まれる。
このように測定された測定光と参考光からの反射光は、冷蔵庫100内部にあるマイコン等の制御装置(図示せず)で差分演算されて外乱要因による誤差が取り除かれ、水分量検知手段131が検知した水分量出力値として判断される。そのほうれん草での結果を、図5の重量減少率と水分量検知手段131の出力変化量の関係で示す。図5において、黒丸のプロットは、野菜を実際に経時的に乾燥させて、定期的に上皿天秤で重量減少率を計測し、同時に水分量検知手段131で水分量を測定したものである。尚、図5の縦軸は図4の分光器出力値との相関が分かりやすいように、数値補正して初期からの変化量ΔVとしている。図5に示すように、その特性グラフは右下がりの直線特性となる。すなわち、重量(水分量)が減少すると水分量検知手段131の出力値変化量ΔVも、点線で示すバラツキ幅を持って減少することが分かる。
一般に野菜の場合、初期からの重量減少率が10%を超えると、肉眼でも判別できる萎びた状態だと識別される。従って本実施の形態では図5に示すように、初期から経時変化しΔV=Cとなった時を制御装置で萎れ状態だと判断する。ここで萎れ検知変化量ΔVをCとしたのは、バラツキで重量減少率10%以上を萎れていないと判断することを回避する、安全側を考慮しているからである。
また、本実施の形態の説明では、水分量検知手段131を1個で1ポイント位置での検知としたが、複数個を設置したり、アクチュエーターを搭載して検知範囲をスキャンするなどすれば、検知精度が向上できる。また、水分量検知手段131に利用する測定光、参考光の赤外線波長が、野菜のラップ等の梱包材料を透過しにくい場合は、その波長帯を透過する梱包材料に置き換えれば更に精度アップが可能になる。尚、水分量検知手段131の測定光と参考光を別光源としたが、1330nmと1450nmの両波長を包含する帯域の広い1つの光源としても良い。
また、葉野菜の代表としてほうれん草で説明したが、小松菜・チンゲン菜等の他野菜でもよく、キャベツ、白菜、あるいは水分の少ない根菜類であっても、予め種類が分かっていれば、萎れ検知判定値のCの値を変更すれば応用ができる。
以上のように、本実施の形態においては、断熱区画された貯蔵室である野菜室107と、野菜室107内の野菜の水分量を検知する水分量検知手段131と、野菜の鮮度を保持するための鮮度保持装置139とを野菜室107内に設け、水分量検知手段131からの情報により鮮度保持装置139を制御することにより、野菜室107内の雰囲気湿度から野菜鮮度を推定する従来の方式ではなく、野菜表面そのものの水分量を水分量検知手段131が検知して鮮度状態を判断するので、正確な野菜の鮮度状態判定で鮮度保持装置139の制御が行え、保鮮性品質をより向上させることができる。
また、水分量検知手段131は一定強度の赤外線波長を発光し、野菜室107内の野菜を照射して、その野菜からの反射光の受光した大きさにより計測する非接触方式としたことにより、水分の赤外波長吸収スペクトル差を応用するので、直接野菜に水分量検知手段131が触れることなく野菜表面の水分量が検知でき、清潔で応答性が良い検知が可能となるばかりでなく、ハーネス接続が課題となる可動収納容器への設置が不要となり、接続が容易な本体側に水分量検知手段131を、発光素子と受光素子だけの簡単な原理構成で設置することができる。
また、鮮度保持装置139は微粒子ミストを発生させ、野菜室107内に流入させることにより、野菜の重量が減少し水分量が低下して劣化(萎び)し始めた時に加湿するので、常時高湿保存する場合に発生する過剰な加湿による収納容器の水溜りや、それに伴う野菜の水腐れ等の不具合が防止できる。
尚、本実施の形態において、冷蔵庫100における水分量を検知する貯蔵室は、野菜室107としたが、冷蔵室104や切換室105などの他の温度帯の貯蔵室でもよく、特に切換室105の場合、肉や魚等を保存するチルドやパーシャルの温度帯での、様々な食品水分量検知の用途に展開が可能となる。また、水分量検知手段131は非接触で食品表面の水分量、すなわち乾燥度合いが測定できるので、乾物食品の保存装置や、ドライフルーツ等の乾燥装置での乾燥度検知手段としても応用できる。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2による冷蔵庫の野菜室の縦断面図である。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して、詳細な説明は省略し、異なる部分について説明する。
図6において、奥面仕切壁111の野菜室107側の壁面の一部には、鮮度保持装置139が埋設されている。鮮度保持装置139には赤外線発光素子153が複数個内蔵されており、赤外線発光素子153の発光側には透過フィルター154が外枠に保持されている。赤外線発光素子153からの放射光は、透過フィルター154を通過し、下段収納容器119と上段収納容器120の隙間から、あるいは下段収納容器119越しに、対象物(野菜)を照射するように、各部品は光学設計と最適配置がされている。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
実施の形態1で説明した動作と同様に、水分量検知手段131により野菜が萎れ状態だと判断されると、鮮度保持装置139が動作を開始する。具体的には、赤外線発光素子153を点灯させ、700nm〜2500nmの範囲の赤外線波長を発光させる。特に良いのは850nm付近の波長で、透過フィルター154に帯域パス性を持たせたり、あるいは赤外線発光素子153そのものを850nmピークのLEDにすれば良い。
ここで野菜の生体反応について説明する。葉野菜には気孔があり、酸素や二酸化炭素の出し入れのための呼吸、開閉作用で水分調整を行う。また、野菜は光、温度等の外乱を受けると防御反応として気孔を閉じる性質がある。特に、赤外線が照射されると気孔が閉じて水分蒸散が抑制されることが一般に知られている。
本実施の形態では、この野菜の生体反応を利用するもので、鮮度保持装置139が動作されると赤外線波長が野菜に照射され、その刺激に反応して気孔が閉塞し野菜内からの水分蒸散が抑制されることになる。
以上のように、本実施の形態において、鮮度保持装置139は内部に赤外線発光素子153を有し、赤外線発光素子153から赤外線波長を発光させ、野菜室107内に収納された野菜を照射して野菜の気孔を制御することにより、野菜の重量が減少し水分量が低下して劣化(萎び)し始めた時に気孔を閉塞させるので、野菜からの水分蒸散が抑制でき、水分を扱う加湿のような複雑な構造は不要で、低コストで設置自由度も大きい鮮度保持装置139が実現できる。尚、本実施の形態1および2においては、野菜の萎れ状態を検知して鮮度保持させる内容を説明したが、野菜が新鮮で水分量が十分にある時は、野菜室107内に結露発生の可能性もある。よって、新鮮な時には逆に野菜室107内の湿度を若干低下させるように、ダンパーで密閉構造を緩めるような調湿機能を鮮度保持装置139として採用しても良い。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、貯蔵室内で適切な野菜の水分量保持を実現ができるので、家庭用又は業務用冷蔵庫もしくは野菜専用庫に対して実施することはもちろん、野菜以外の食品も含めた低温流通、倉庫などの用途にも適用できる。
100 冷蔵庫
101 断熱箱体
102 外箱
103 内箱
104 冷蔵室
105 切換室
106 製氷室
107 野菜室(貯蔵室)
108 冷凍室
109 圧縮機
110 冷却室
111 奥面仕切壁
112 冷却器
113 冷却ファン
114 ラジアントヒータ
115 ドレンパン
116 ドレンチューブ
117 蒸発皿
118 引出し扉
119 下段収納容器
120 上段収納容器
122 蓋体
123 第一の仕切壁
124 吐出口
125 第二の仕切壁
126 吸込口
131 水分量検知手段
139 鮮度保持装置
145 ダンパー
146 第一の発光素子(測定光)
147 反射板
148 第一の調角板
149 第一の受光素子
150 第二の発光素子(参考光)
151 第二の調角板
152 第二の受光素子
153 赤外線発光素子
154 透過フィルター

Claims (6)

  1. 野菜室と、
    前記野菜室に設けられた収納容器と、
    前記収納容器の内部の野菜の水分量を検知する水分量検知手段と、
    前記収納容器の内部を加湿する鮮度保持装置とを備え、
    前記鮮度保持装置は、前記水分量検知手段の検知結果に基づいて、前記収納容器の内部を加湿することを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記鮮度保持装置は、基準値からの変化量が所定値よりも小さいときに前記収納容器の内部を加湿することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記鮮度保持装置は、前記収納容器の内部にミストを放出することを特徴とする請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記収納容器の上に設けられた上段収納容器を更に備え、
    前記上段収納容器と前記収納容器の隙間が前記野菜室の背面側に設けられ、
    前記鮮度保持装置は、前記野菜室の背面のうち前記上段収納容器と前記収納容器の隙間に対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記水分量検知手段は、第一の測定手段と第二の測定手段とを有し、
    前記第一の測定手段は、第一の発光素子により発光された波長1450nmを有する赤外線のうち前記野菜で吸収されなかった波長1450nmの赤外線を測定光として測定し、
    前記第二の測定手段は、第二の発光素子により発光された波長1330nmを有する赤外線のうち前記野菜で吸収されなかった波長1330nmの赤外線を参考光として測定し、
    前記測定光と前記参考光を同時に測定し、前記測定光と前記参考光の差分により前記水分量を検知することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記水分量検知手段は、前記第一の発光素子と前記第二の発光素子の両波長を包含する帯域の広い一つの光源を備えることを特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
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