JP2003343956A - 冷凍機 - Google Patents

冷凍機

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JP2003343956A
JP2003343956A JP2002154840A JP2002154840A JP2003343956A JP 2003343956 A JP2003343956 A JP 2003343956A JP 2002154840 A JP2002154840 A JP 2002154840A JP 2002154840 A JP2002154840 A JP 2002154840A JP 2003343956 A JP2003343956 A JP 2003343956A
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food
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Yoshiko Yasunobu
淑子 安信
Akihiro Kino
章宏 城野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食材の冷凍前の組織状態を保持できるととも
に含有成分の流出を防ぐことができて、解凍調理後に冷
凍前の食材に近い食味を実現できる冷凍食材を得ること
ができる冷凍機を提供する。 【解決手段】 冷凍すべき食材10を収容する冷凍室1
1と食材10を所定温度で冷凍保存するために冷凍室1
1内を冷却する冷却器12を備えた冷凍機であって、前
記冷凍すべき食材10の脂肪率のデータを制御装置20
に入力するための脂肪率入力キーを備え、脂肪率入力キ
ーから入力された脂肪率のデータに基づいて冷凍室11
内の温度を制御装置20にて制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、食材を冷凍保存す
るための冷凍機に関するものである。
【0001】
【従来の技術】従来、食材を長期間保存するために冷凍
機が用いられている。冷凍機の冷凍室に収容された食材
は冷凍操作開始後にその組織温度が急速に下がり、やが
て組織内部の水が液体から固体へ変化する凍結点に達す
る。この凍結点以下に温度が下がると、食材組織内の水
が凍り始め、温度0℃〜−5℃(凍結する食材の種類や
大きさによって多少の温度差はある)の凍結期間(最大
氷結晶生成帯)を通過すると組織中の7〜8割の水分が
凍結する。この凍結が食材中心部に達した後、再び食材
の組織温度が下がり、食材が収容されている冷凍室の雰
囲気温度まで冷却され、その温度で冷凍保存されること
になる。そして、保存期間中は、保存時間の経過に伴い
氷結晶が成長する。
【0002】食材を冷凍する際には、できるだけ速く、
食材全体を目的とする冷凍温度に到達させ、保存期間で
はできるだけ低い温度で保存することが、冷凍前の食材
組織を保持するために重要である。特に、食材組織内部
の水が凍る凍結期間で生成された氷結晶は保存期間で成
長し、この氷結晶により食材組織が破壊され、食材を解
凍した際にそれに含まれる水分及び旨味成分などがドリ
ップとして食材から流出し、冷凍前の食材の品質を著し
く損なう原因となる。
【0003】一般に、冷凍すべき食材を収容した冷凍室
内部の雰囲気温度を低くすることにより、食材は速く冷
却され、凍結期間の時間が短くなり、凍結期間での氷結
晶の成長が抑制され、より小さな氷結晶が生成されると
言われている。また保存期間中も、雰囲気温度が低いほ
ど、氷結晶の成長が抑制され、冷凍保存後の食材組織に
与える損傷は小さくなると言われている。このような一
般論によれば、ある食材を例えば−20℃、−40℃、
−80℃で冷凍保存すると、前記3つの温度のうち、−
80℃で冷凍保存したときに最もよい保存状態が得られ
ることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者等
は種類が異なる食材Aと食材Bをそれぞれ−20℃(冷
凍方法1)、−40℃(冷凍方法2)、−80℃(冷凍
方法3)の温度で2週間冷凍保存し、解凍後の食材の組
織状態と成分濃度、調理後の食味、及び氷結率(%)
〔(氷結量/食材全体の含水量)×100〕について評
価したところ、表3に示す結果が得られた。
【0005】表3に示す結果から明らかなように、冷凍
方法1では、食材A、食材Bともに冷凍解凍後の組織状
態、成分濃度が悪くなり、解凍調理後の食味も、生の食
材の1.5ポイントと比べて0ポイントと悪くなってい
た。
【0006】一方、冷凍方法2では、冷凍方法1と比べ
ると、食材A、Bともに冷凍解凍後の組織状態、成分濃
度がよくなっていた。特に、食材Aは組織状態、成分濃
度ともにほとんど生に近い状態を示し、解凍調理後の食
味も1ポイントと生の食材と比べて0.5ポイント差で
あって、生の食材と比べても食味の差は明確に感じられ
なかった。しかし、食品Bでは、解凍調理後の食味が
0.5ポイントと生の食材と比べて1ポイント差があ
り、まだ生の食材と比べて食味が悪くなっていることが
明確に認識された。
【0007】冷凍方法2において、食材A、Bともに冷
凍解凍後の組織状態、成分濃度がよくなっていたのは、
食材A、食材Bともに保存温度を−40℃に下げること
により、凍結期間の時間が短くなって氷結晶の生成が抑
制され、さらに保存期間中の氷結晶の成長が抑制され、
その結果冷凍保存後の氷結晶が小さくなり、氷結晶によ
る組織破壊が冷凍方法1のそれと比較して抑制されたた
めと推定される。ただし、食材Bでは、保存温度を−4
0℃に下げても、氷結晶の成長が食材Aほど抑制され
ず、食味も食材Aほどは改善されなかった。
【0008】さらに、冷凍方法3では、保存温度を冷凍
方法2よりもさらに−40℃下げて−80℃にしたの
で、冷凍方法2と比べると、保存期間中の氷結晶の成長
速度がさらに遅くなり、氷結晶による組織破壊はさらに
抑制されるはずである。ところが、食材Aでは実際の組
織状態、成分濃度、食味ともに、冷凍方法2よりもむし
ろ悪くなっていた。これに対して、食品Bでは冷凍方法
2よりよくなり、組織状態、成分濃度ともにほとんど生
の食材に近い状態であり、解凍調理後の食味も1ポイン
トと生の食材と比べて0.5ポイント差であり、生との
食材と比べても食味の差は明確に感じられなかった。
【0009】ところで、一般に、食材の保存期間中での
保存温度が低いほど氷結晶の成長速度は遅くなり、冷凍
保存時に氷結晶が食材の組織に与える損傷は小さくなる
と言われている。また、保存期間中での保存温度が低い
ほど氷結率は高くなり、氷結率が高くなるほど氷結晶が
組織に与える損傷は大きくなると言われている。それを
グラフで表すと、図6のように表される。
【0010】これを考慮すると、食材Aの保存温度−4
0℃での氷結率は約91%と、食材Bと比べると高く、
氷結率が高い食材Aでは組織中の凍っている部分の占め
る割合が多いので、できるだけ氷結晶を生成させない方
が組織に与える損傷は小さくなると推定される。したが
って、保存温度を−80℃に下げると氷結率が上昇し、
組織に与える損傷は大きくなり、組織状態、成分濃度、
食味が悪くなったと推定される。
【0011】一方、食材Bの保存温度−40℃での氷結
率は、約59%と食材Aと比べると低く、組織中の凍っ
ている部分の占める割合は小さくなるため、生成された
氷結晶の成長を抑制することによって、組織に与える損
傷が少なくなると推定される。したがって、保存温度を
−80℃に下げることにより、氷結率が低くなり、氷結
晶の成長速度が遅くなるため、氷結率が低くなり、組織
に与える損傷は少なくなり、組織状態、成分濃度、食味
がよくなったと推定される。
【0012】以上のように、食材の種類によって各保存
温度での氷結率が異なり、食材の種類に応じて最適な保
存温度が存在するところ、従来の冷凍機では、食材の種
類に拘わらず保存期間の保存温度を低くすることにより
食材を冷凍保存するものであるから、解凍時の組織の損
傷を抑制し、食材本来の食味を変化させずに生の食材に
近い食味を実現することは困難であった。
【0013】そこで、本発明は前記問題を解決するもの
であって、食材の冷凍前の組織状態を保持できるととも
に含有成分の流出を防ぐことができて、解凍調理後に冷
凍前の食材に近い食味を実現できる冷凍食材を得ること
ができる冷凍機を提供することを課題とするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の冷凍機は、冷凍すべき食材を収容す
る冷凍室と食材を所定温度で冷凍保存するために冷凍室
内を冷却する冷却手段を備えた冷凍機であって、前記冷
凍すべき食材の脂肪率のデータを与える手段と、前記脂
肪率のデータに基づいて冷凍室内の温度を制御する温度
制御手段を備えたことを特徴とする。
【0015】前記構成によれば、冷凍すべき食材をその
脂肪率に応じて冷凍室内の温度を制御するようにしたの
で、食材がその脂肪率に応じた最適な保存温度で冷凍保
存され、食材の冷凍前の組織状態を保持できるとともに
含有成分の流出を防ぐことができて、解凍調理後に冷凍
前の食材に近い食味を実現できる冷凍食材を得ることが
できる。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、前記構成
において、脂肪率のデータを与える手段が温度制御手段
に脂肪率を入力するための脂肪率入力手段であることを
特徴とする。
【0017】前記構成によれば、脂肪率入力手段により
冷凍すべき食材の脂肪率のデータを温度制御手段に入力
することにより、食材がその脂肪率に応じた最適な保存
温度で冷凍保存される。
【0018】また、請求項3に記載の発明は、前記構成
において、脂肪率のデータを与える手段が食材の質量を
検出する質量検出器と、食材の脂肪量を検出する脂肪量
検出器と、検出された食材の質量と脂肪量のデータに基
づいて脂肪率を算出する演算手段とからなることを特徴
とする。
【0019】前記構成によれば、冷凍すべき食材の脂肪
率を予め検出することなく脂肪率のデータが得られ、食
材がその脂肪率に応じた最適な保存温度で冷凍保存され
る。さらに、本発明の第2の冷凍機は、冷凍すべき食材
を収容する冷凍室と食材を所定温度で冷凍保存するため
に冷凍室内を冷却する冷却手段を備えた冷凍機であっ
て、前記冷凍すべき食材の含水率のデータを与える手段
と、前記含水率のデータに基づいて冷凍室内の温度を制
御する温度制御手段を備えたことを特徴とする。
【0020】前記構成によれば、冷凍すべき食材をその
含水率に応じて冷凍室内の温度を制御するようにしたの
で、食材がその含水率に応じた最適な保存温度で冷凍保
存され、食材の冷凍前の組織状態を保持できるとともに
含有成分の流出を防ぐことができて、解凍調理後に冷凍
前の食材に近い食味を実現できる冷凍食材を得ることが
できる。
【0021】また、請求項5に記載の発明は、前記構成
において、含水率のデータを与える手段が温度制御手段
に含水率を入力するための含水率入力手段であることを
特徴とする。
【0022】前記構成によれば、含水率入力手段により
冷凍すべき食材の含水率のデータを温度制御手段に入力
することにより、食材がその含水率に応じた最適な保存
温度で冷凍保存される。
【0023】また、請求項6に記載の発明は、含水率の
データを与える手段が食材の含水率を検出するための含
水率検出器であることを特徴とする。前記構成によれ
ば、冷凍すべき食材の含水率を予め検出することなく含
水率のデータが得られ、食材がその含水率に応じた最適
な保存温度で冷凍保存される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る冷凍機を図面に基づいて説明する。 (実施の形態1)本発明の実施の形態1における冷凍機
について、図1、図2を参照しながら説明する。
【0025】図1は本発明の実施の形態1における冷凍
機の概略構成を示す模式断面図であって、この冷凍機
は、図1に示すように、冷凍すべき食材10を収容する
冷凍室11と冷却器12を主要構成とし、冷却器12の
上流側には図示されていない圧縮機、凝縮器及びキャピ
ラリーチューブが配置されている。そして、冷却器12
にて冷却された冷気が送風機13によって強制的に送ら
れ、吐出ダクト14、吹出口15を介して冷凍室11内
に吹き出され、それによって冷凍室11内が所定温度に
冷却されるように構成されている。そして、前記吐出ダ
クト14にはモータ16の駆動力によって開閉されて冷
凍室11内への冷気流入量を調整するためのダンパ−サ
ーモ17が設けられている。また、冷凍室11内を冷却
した冷気は吸込みダクト18から前記圧縮機等を介して
冷却器12に循環されるようになっている。さらに、冷
凍室11内には冷凍室11内の温度を検出するための室
温検出器19が設けられている。
【0026】そして、この冷凍機にはその運転を制御す
るための制御装置20が設けられ、この制御装置20に
は表1に示すような食材の脂肪率(質量%)〔(食材の
脂肪量/食材全体の質量)×100)〕とそれに対応し
た食材の最適保存温度(℃)との関係を示すデータが予
め入力されており、冷凍室11内の温度を冷凍すべき食
材の脂肪率に応じて所定温度に制御するようになってい
る。
【0027】
【表1】 なお、表1に示すデータは実験的に得られたものであっ
て、表1には食材の脂肪率と最適保存温度とともに各脂
肪率に対応する食材の氷結率(%)〔(氷結量/食材全
体の含水量)×100〕を示した。
【0028】さらに、この冷却機本体の外殻の所定部位
には、図2に示すようなコントロールパネル21が設け
られている。このコントロールパネル21には、図2に
示すように、冷凍すべき食材の脂肪率を制御装置20に
入力するための脂肪率入力キー22が設けられ、この脂
肪率入力キー22は食材の脂肪率を設定する脂肪率設定
キー23と脂肪率設定キー23で設定した脂肪率を確定
する脂肪率決定ボタン24とから構成されている。さら
に、コントロールパネル21には、脂肪率入力キー22
で入力された冷凍すべき食材の脂肪率を表示する脂肪率
表示部25、冷凍室11内の温度を表示する室内温度表
示部26が設けられ、さらに、食材を収容した冷凍機を
作動開始又は作動中止させるための作動ボタン27が設
けられている。
【0029】前記構成の冷凍機において、魚を例にとっ
て食材を冷凍させる方法を説明する。まず、コントロー
ルパネル21の脂肪率設定キー23で冷凍すべき魚につ
いて、サンプリングして公知の方法によって予め検出し
た脂肪率(又は購入した魚について表示されている脂肪
率)のデータ42質量%を制御装置20に入力し、脂肪
率決定ボタン24によりその値を確定する。次いで、冷
凍すべき魚を冷凍室11内に収容し、作動ボタン27を
押すと、冷却が開始される。そして、制御装置20に
て、入力された冷凍すべき魚の脂肪率のデータと、予め
制御装置20内に入力されている各脂肪率とその値に対
応した最適保存温度の関係を示すデータとが対比され
て、冷凍室11内を冷却すべき温度−80℃が決定さ
れ、室温検出器19が−80℃を検出するまで冷凍室1
1内が冷却され、その温度に維持されて冷凍すべき魚が
保存される。
【0030】前記冷凍すべき魚は、脂肪率が42質量%
であることから、表1における脂肪率41質量%以上に
該当し、氷結率が60%未満であるから、保存温度が下
げることにより氷結晶の成長が抑制されて魚の組織状態
が保持されるとともに含有成分が保持された冷凍魚が得
られることになる。
【0031】したがって、本実施の形態における冷凍機
において、冷凍すべき魚の脂肪率42質量%を制御装置
20に入力することにより、魚がその脂肪率の値に応じ
て冷凍室11内の保存温度を−80℃に制御して冷凍保
存されるため、解凍調理したときに最も生に近い状態の
食味が実現される。
【0032】食材が肉であるときも、その肉について脂
肪率を入力し、最適保存温度に制御することにより、魚
と同様に生に最も近い状態の食味が実現できる冷凍肉を
得ることができる。 (実施の形態2)次に、本発明の実施の形態2における
冷凍機について、図3を参照しながら説明する。
【0033】図3は本発明の実施の形態2における冷凍
機の概略構成を示す模式断面図であって、この冷凍機
は、図3に示すように、前記実施の形態1における冷凍
機において冷凍室11内に電極センサー等の食材の脂肪
量を検出するための公知の脂肪量検出器31と圧力セン
サー等の食材全体の質量を検出するための公知の質量検
出器32とが付加された構成になっている。そして、脂
肪量検出器31にて検出された食材の脂肪量についての
データと質量検出器32にて検出された食材全体の質量
についてのデータに基づいて、制御装置20内に設けた
演算回路にて食材の脂肪率が算出されるようになってい
る。
【0034】前記構成の冷凍機において、肉を例にとっ
て食材を冷凍させる方法を説明する。まず、冷凍室11
内に設けた質量検出器31上に冷凍すべき肉を載せる。
そして、質量検出器32で前記肉全体の質量を検出し、
脂肪量検出器31では肉の脂肪量を検出し、それぞれの
データに基づいて制御装置20の演算回路にて肉の脂肪
率が算出される。例えば算出された肉の脂肪率が30質
量%であるとすれば、制御装置20にて、その脂肪率の
データと、予め制御装置20内に入力されている各脂肪
率とその値に対応した最適保存温度の関係を示すデータ
とが対比されて、冷凍室11内を冷却すべき温度−60
℃が決定され、室温検出器19が−60℃を検出するま
で冷凍室11内が冷却され、その温度に維持されて冷凍
すべき肉が保存される。
【0035】本実施の形態における冷凍庫では、冷凍す
べき肉を脂肪量検出器31と質量検出器32とから検出
されたデータから冷凍すべき肉についてその脂肪率を算
出し、脂肪率の値に応じて冷凍室11内の温度を制御し
て保存温度−60℃で保存するようにしたので、組織の
損傷なども少なく、解凍調理したときに生に最も近い状
態の食味が実現できる冷凍肉が得られる。また、冷凍す
べき肉の脂肪率を算出するようにしたため、予め肉の脂
肪率を検出等しておく必要がない。
【0036】食材が魚であるときも、その魚について脂
肪率を検出し、最適保存温度に制御することにより、肉
と同様に生に最も近い状態の食味が実現できる冷凍魚を
得ることができる。 (実施の形態3)次に、本発明の実施の形態3における
冷凍機について、図4を参照しながら説明する。
【0037】本発明の実施の形態3における冷凍機は、
前記実施の形態1と同様に構成されており、図4に示す
ように、前記実施の形態1におけるコントロールパネル
21の脂肪率入力キー22、脂肪率設定キー23及び脂
肪率決定ボタン24がそれぞれ冷凍すべき食材の含水率
を入力するための含水率入力キー41、食材の含水率を
設定する含水率設定キー42及び含水率設定キー42で
設定した含水率を確定する含水率決定ボタン43に置き
換えられ、さらに、脂肪率表示部25が冷凍すべき食材
の含水率を表示する含水率表示部44に置き換えられて
いるものである。そして、制御装置20には表2に示す
ような食材の含水率(質量%)〔(食材の含水量/食材
全体の質量)×100)〕とそれに対応した食材の最適
保存温度(℃)との関係を示すデータが予め入力されて
おり、冷凍室11内の温度を食材の含水率に応じて所定
温度に制御するようになっている。
【0038】
【表2】 なお、表2に示すデータは実験的に得られたものであっ
て、表2には食材の含水率、最適保存温度とともに各含
水率における食材の氷結率を示した。
【0039】前記構成の冷凍機において、野菜を例にと
って食材を冷凍させる方法を説明する。まず、コントロ
ールパネル21の含水率設定キー42で冷凍すべき野菜
について、サンプリングして公知の方法によって予め検
出した含水率(又は購入した野菜について表示されてい
る脂肪率)のデータ92質量%を制御装置20に入力
し、含水率決定ボタン43によりその値を確定する。次
いで、冷凍すべき野菜を冷凍室11内に収容し、作動ボ
タン27を押すと、冷却が開始される。そして、制御装
置20にて、入力された冷凍すべき野菜の含水率のデー
タと、予め制御装置20内に入力されている各含水率と
その値に対応した最適保存温度の関係を示すデータとが
対比されて、冷凍室11内を冷却すべき温度−40℃が
決定され、室温検出器19が−40℃を検出するまで冷
凍室11内が冷却され、その温度に維持されて冷凍すべ
き野菜が保存される。
【0040】前記冷凍すべき野菜は、含水率が92質量
%であることから、表2における含水率81質量%以上
に該当し、氷結率が80%以上であるから、氷結率を上
げないことすなわち保存温度を下げ過ぎないことによ
り、野菜の組織状態が保持されるとともに含有成分が保
持された冷凍野菜が得られることになる。
【0041】したがって、本実施の形態における冷凍機
において、冷凍すべき野菜の含水率92質量%を入力
し、含水率の値に応じて冷凍室11内の温度を制御して
保存温度−40℃で保存することにより、解凍調理した
ときに生に最も近い状態の食味が実現できる冷凍野菜が
得られる。
【0042】食材が魚あるいは肉のときも、それぞれの
含水率を入力し、最適保存温度に制御することにより野
菜と同様の生に最も近い状態の食味を実現できる冷凍物
を得ることができる。 (実施の形態4)次に、本発明の実施の形態4における
冷凍機について、図5を参照しながら説明する。
【0043】図5は本発明の実施の形態4における冷凍
機の概略構成を示す模式断面図であって、この冷凍機
は、図5に示すように、前記実施の形態1における冷凍
機において冷凍室11内にマイクロ波センサー等の公知
の含水率検出器51が付加された構成になっている。そ
して、制御装置20には表2に示すような食材の含水率
とそれに対応した食材の最適保存温度との関係を示すデ
ータが予め入力されており、冷凍室11内の温度を食材
の含水率に応じて所定温度に制御するようになってい
る。
【0044】前記構成の冷凍機において、肉を例にとっ
て食材を冷凍させる方法を説明する。まず、冷凍室11
内に設けた含水率検出器51上に冷凍させる肉を載せ
る。そして、作動ボタン27を押して冷却を開始し、含
水率検出器51で肉の含水率を検出する。例えば検出さ
れた肉の含水率が60質量%であるとすれば、制御装置
20にて、その含水率のデータと、予め制御装置20内
に入力されている各含水率とその値に対応した最適保存
温度の関係を示すデータとが対比されて、冷凍室11内
を冷却すべき温度−80℃が決定され、室温検出器19
が−80℃を検出するまで冷凍室11内が冷却され、そ
の温度に維持されて冷凍すべき肉が保存される。
【0045】本実施の形態における冷凍庫では、冷凍す
べき肉の含水率を含水率検出器51で検出し、含水率の
値に応じて冷凍室11内の温度を制御して保存温度−8
0℃で保存するようにしたので、組織の損傷なども少な
く、解凍調理したときに生に最も近い状態の食味が実現
できる冷凍肉が得られる。また、冷凍すべき肉の含水率
を含水率検出器51で検出するようにしたため、予め肉
の含水率を検出等しておく必要がない。
【0046】食材が魚あるいは野菜のときも、各々の含
水率を検出し、最適保存温度に制御することにより肉同
様の生に最も近い状態の食味を実現できる冷凍物を得る
ことができる。
【0047】前記各実施の形態では、食材の脂肪率又は
含水率を3段階に分けて最適保存温度に制御するように
したが、さらに多くの段階に細分して制御するようにす
ることができる。また、食材の脂肪率と含水率の両者に
応じて最適保存温度に制御するようにすることもでき
る。
【0048】本発明において、保存温度を制御する方法
としては、冷凍室内の温度で制御する方法の他に、蒸発
器の冷媒の蒸発温度で制御する方法、圧縮機の能力で制
御する方法がある。また、強制対流式蒸発器で構成され
ている冷凍機の場合は、食材の冷却速度を制御する方法
として、冷凍室内部の温度で制御する方法、蒸発器によ
り冷却される冷気の温度で制御する方法、圧縮機の能力
で制御する方法、ダンパーサーモにより冷凍室内に入る
冷気の量で制御する方法及び送風機の風量で制御する方
法がある。さらに、ブラインを用いた冷凍機の場合は、
食材を直接冷却するブラインの温度及び流速で冷却速度
を制御する方法がある。
【0049】
【表3】 表3における組織状態の評価は、冷凍食材の解凍後の組
織が、冷凍前の生の食材と比較してほとんど破壊されて
いないときには○、組織の破壊が組織の面積の1/2未
満のときには×、破壊が1/2以上のときは××とし
た。また、成分濃度の評価は、冷凍食材の成分がほとん
ど流出されていないときには○、成分の流出が冷凍前の
成分の1/2未満のときには×、1/2以上のときには
××とした。
【0050】また、調理後の食味は官能評価によるもの
であって、冷凍前の生の状態を1.5ポイントとし、こ
の値に近い程冷凍前の食味に近いことを表し、1ポイン
ト違うと食味の差が明確に認識されるものである。
【0051】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明の第1の冷凍機によれば、食材がその脂肪率に応
じた最適な保存温度で冷凍保存され、食材の冷凍前の組
織状態を保持できるとともに含有成分の流出を防ぐこと
ができて、解凍調理後に冷凍前の食材に近い食味を実現
できる冷凍食材を得ることができる。
【0052】また、請求項2に記載の発明によれば、脂
肪率入力手段により冷凍すべき食材の脂肪率のデータを
温度制御手段に入力することにより、食材がその脂肪率
に応じた最適な保存温度で冷凍保存される。
【0053】また、請求項3に記載の発明によれば、冷
凍すべき食材の脂肪率を予め検出等することなく脂肪率
のデータが得られ、食材がその脂肪率に応じた最適な保
存温度で冷凍保存される。
【0054】さらに、本発明の第2の冷凍機によれば、
食材がその含水率に応じた最適な保存温度で冷凍保存さ
れ、食材の冷凍前の組織状態を保持できるとともに含有
成分の流出を防ぐことができて、解凍調理後に解凍前の
食材に近い食味を実現できる冷凍食材を得ることができ
る。
【0055】また、請求項5に記載の発明によれば、含
水率入力手段により冷凍すべき食材の含水率のデータを
温度制御手段に入力することにより、食材がその含水率
に応じた最適な保存温度で冷凍保存される。
【0056】また、請求項6に記載の発明によれば、冷
凍すべき食材の含水率を予め検出等することなく含水率
のデータが得られ、食材がその含水率に応じた最適な保
存温度で冷凍保存される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における冷凍機の概略
構成を示す模式断面図である。
【図2】 同上のコントロールパネルを示す正面図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態2における冷凍機の概略
構成を示す模式断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態3における冷凍機のコン
トロールパネルを示す正面図である。
【図5】 本発明の実施の形態4における冷凍機の概略
構成を示す模式断面図である。
【図6】 保存温度と氷結晶成長速度及び氷結率との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 食材 11 冷凍室 12 冷却器 13 送風機 14 吐出ダクト 15 吹出口 16 モータ 17 ダンパーサーモ 18 吸込みダクト 19 室温検出器 20 制御装置 21 コントロールパネル 22 脂肪率入力キー 23 脂肪率設定キー 24 脂肪率決定ボタン 25 脂肪率表示部 26 室内温度部 24 脂肪率設定キー 27 作動ボタン 31 脂肪量検出器 32 質量検出器 41 含水率入力キー 42 含水率設定キー 43 含水率決定ボタン 44 含水率表示部 51 含水率検出器
フロントページの続き (72)発明者 城野 章宏 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 3L045 AA02 LA12 MA02 NA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍すべき食材を収容する冷凍室と食材
    を所定温度で冷凍保存するために冷凍室内を冷却する冷
    却手段を備えた冷凍機であって、前記冷凍すべき食材の
    脂肪率のデータを与える手段と、前記脂肪率のデータに
    基づいて冷凍室内の温度を制御する温度制御手段を備え
    たことを特徴とする冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記脂肪率のデータを与える手段が温度
    制御手段に脂肪率を入力するための脂肪率入力手段であ
    ることを特徴とする請求項1記載の冷凍機。
  3. 【請求項3】 前記脂肪率のデータを与える手段が食材
    の質量を検出する質量検出器と、食材の脂肪量を検出す
    る脂肪量検出器と、検出された食材の質量と脂肪量のデ
    ータに基づいて脂肪率を算出する演算手段とからなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の冷凍機。
  4. 【請求項4】 冷凍すべき食材を収容する冷凍室と食材
    を所定温度で冷凍保存するために冷凍室内を冷却する冷
    却手段を備えた冷凍機であって、前記冷凍すべき食材の
    含水率のデータを与える手段と、前記含水率のデータに
    基づいて冷凍室内の温度を制御する温度制御手段を備え
    たことを特徴とする冷凍機。
  5. 【請求項5】 前記含水率のデータを与える手段が温度
    制御手段に含水率を入力するための含水率入力手段であ
    ることを特徴とする請求項4記載の冷凍機。
  6. 【請求項6】 前記含水率のデータを与える手段が食材
    の含水率を検出するための含水率検出器であることを特
    徴とする請求項4記載の冷凍機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019156009A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 パナソニックIpマネジメント株式会社 貯蔵装置および冷蔵庫
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