JP6966896B2 - 摺動部材 - Google Patents

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本発明は、ガラスレンズ、鏡、めっき、シリコンウェーハ、シリコンカーバイドウェーハ、サファイアウェーハ、化合物半導体ウェーハ(リン化ガリウムウェーハ、ヒ化ガリウムウェーハ、リン化インジウムウェーハ、窒素化ガリウムウェーハ等)等からなる基板の表面の研磨時に使用される摺動部材に関するものである。
従来、ガラスレンズ、鏡、めっき、シリコンウェーハ、SiC(シリコンカーバイド)ウェーハ、サファイアウェーハ、化合物半導体ウェーハ(リン化ガリウムウェーハ、ヒ化ガリウムウェーハ、リン化インジウムウェーハ、窒素化ガリウムウェーハ等)等を製造する場合には、これらの製品をポリッシング(機械・化学的鏡面研磨)して表面を平坦にするようにしている。
例えば、シリコンウェーハ、SiC(シリコンカーバイド)ウェーハ、化合物半導体ウェーハ等の基板を製造する場合には、育成した単結晶のインゴットを引き上げて切断し、その後、デバイス回路パターンの基板への転写精度を向上させるため、切断された基板をポリッシングして基板の表面を平坦にするようにしている(特許文献1、2参照)。
基板Wをポリッシングする場合には図3に示すように、化学機械研磨装置の回転可能な定盤16上の研磨パッド17に、切断された複数枚の基板Wを回転可能な研磨ヘッド10Aに保持して上方から摺接可能に押し付け、その後、定盤16上の研磨パッド17と複数枚の基板Wとの間にシリカ含有のアルカリ液18を上方の供給管19から供給しながら、定盤16と複数の研磨ヘッド10Aとを相互に回転させれば、各基板Wの表面を平坦に研磨することができる。
各研磨ヘッド10Aは、基板Wを包囲する複数の摺動部材1Aと、各摺動部材1Aに包囲された基板Wを保持する複数の弾性体とを備え、各摺動部材1Aが基板Wの周縁部の損傷を防いだり、基板Wの位置ずれを防止するよう機能する。摺動部材1Aは、例えば基板Wよりも拡径の金属リング6と、この金属リング6に積層して一体化される樹脂リング7とを上下二層構造に備え、下層の樹脂リング7が基板Wの損傷を防止する観点から、所定の成形材料、例えばスーパーエンジニアリングプラスチックにより射出成形されて定盤16の研磨パッド17上に摺接可能に押圧される。
特開2008‐177248号公報 特開2011‐224731号公報
従来における摺動部材(リテーナリング)1Aは、以上のように構成され、金属リング6と樹脂リング7とが接着や螺着により一体構成されるので、樹脂リング7の摩耗に伴い、樹脂リング7を新規の樹脂リング7に交換しようとしても、樹脂リング7のみを交換することができず、金属リング6を含む全体を交換しなければならない。その結果、無駄が生じ、金属リング6を効率的に使用することができないという問題が生じる。
また、従来における摺動部材1Aの樹脂リング7は、射出成形されるので、例え物性値に優れる成形材料を用いても、必ずしも、優れた物性を得ることができない場合がある。この点について説明すると、例えば樹脂リング7を機械的特性に優れるスーパーエンジニアリングプラスチック(ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等)により射出成形する場合、金型内でスーパーエンジニアリングプラスチックが急速に冷却されるが、この急速な冷却に伴い、結晶化度が低くなったり、不均一となるため、機械的特性・耐薬品性や外観に悪影響を及ぼすこととなる。
この結果、樹脂リング7に優れた機械的特性、例えば良好な引張強度や曲げ強度等を付与することが困難になることがある。また、樹脂リング7に優れた耐薬品性、例えば耐アルカリ性や耐溶剤性を付与することが困難になることがある。また、樹脂リング7に、反り、歪み等が発生し、均一に研磨することができなくなる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、交換時の無駄を省くことができ、優れた物性を得ることのできる摺動部材を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、エンドレスの基材層と、この基材層に粘着される粘着層と、この粘着層に着脱自在に粘着されて研磨される基板を包囲するポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の樹脂シート層とを備え、研磨装置の回転可能な研磨ヘッドに装着され、研磨装置の回転可能な定盤の研磨パッドに上方から対向するものであって、
樹脂シート層を、押出成形されたポリエーテルエーテルケトン樹脂製あるいはポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートとして研磨装置の定盤の研磨パッドに上方から摺接可能に対向させ、この樹脂シートの厚さを100μm以上1000μm以下とし、樹脂シートの相対結晶化度を80%以上とするとともに、樹脂シートの厚さ公差を平均値±1%以上±10%以下の範囲内としたことを特徴としている。
なお、基板を、研磨装置の定盤の研磨パッドに押し付けられる基板とし、この基板が定盤の研磨パッドに押し付けられる場合に、定盤の研磨パッドに樹脂シート層が押し付けられるようにすることができる。
また、基材層を、金属材料あるいは樹脂含有の成形材料により平面略リング形に形成し、樹脂シート層を平面略リング形に形成することもできる。
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくともガラスレンズ、鏡、めっき、シリコンウェーハ、シリコンカーバイドウェーハ、サファイアウェーハ、化合物半導体ウェーハ(例えば、リン化ガリウムウェーハ、ヒ化ガリウムウェーハ、リン化インジウムウェーハ、窒素化ガリウムウェーハ等)が含まれる。樹脂シートとしては、樹脂シートや樹脂フィルムを使用することができる。
樹脂シート層の定盤の研磨パッドに押し付けられる面には、エンボス加工等により、アルカリ液等の排水路となる凹凸模様を形成することができる。また、樹脂シートの厚さ公差は、平均値±1%以上平均値±10%以下の範囲が良い。本発明に係る摺動部材には、少なくともリテーナリング等が含まれる。
本発明によれば、基板を研磨して摺動部材の樹脂シート層が摩耗した場合には、摩耗した樹脂シート層を基材層から剥がして取り外し、新たな樹脂シート層を基材層に粘着層を介し粘着して交換すれば、基板の研磨作業を実施することができる。
本発明によれば、樹脂シート層を、押出成形されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の樹脂シートとしてその厚さを100μm以上1000μm以下とするので、摺動部材の交換時の無駄を省くことができ、しかも、摺動部材に優れた物性を付与することができるという効果がある。また、樹脂シート層がポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートあるいはポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートの場合には、入手が容易になる他、樹脂シート層に優れた機械的特性、耐薬品性や耐熱性等を付与し、損傷、破断、変形や割れを抑制することができる。
また、樹脂シートの相対性結晶化度が80%未満でなく、80%以上なので、基板研磨時の研磨部材に対する耐摩耗性、機械的強度、耐熱性を向上させることができる。さらに、樹脂シートの厚さ公差が樹脂シートの厚さの平均値±1%以上±10%以下なので、基板研磨時の研磨部材に対する樹脂シートの均一な摺接性を得ることが可能になる。
請求項2記載の発明によれば、デバイス回路パターンの基板への転写精度を向上させるため、基板を機械・化学的鏡面研磨して基板の表面を平坦化し、基板を鏡面研磨することができる。
請求項3記載の発明によれば、基材層を、金属材料あるいは樹脂含有の成形材料により平面略リング形の一枚のリング部材に形成するので、構成の簡易な基材層と樹脂シート層とを粘着して位置合わせする作業が容易になる。また、樹脂シート層を複数枚とするのではなく、平面略リング形の一枚のリング部材に形成するので、基材層に樹脂シート層を粘着して位置合わせする作業が容易になる。
本発明に係る摺動部材の実施形態における摺動部材と研磨ヘッドとを模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る摺動部材の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 基板のポリッシング作業の作業状態を模式的に示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における摺動部材1は、図1や図2、図3の一部に示すように、基板Wを研磨する場合に、基板Wの周縁部にセットされるエンドレスの治具であり、エンドレスの基材層2と、この基材層2に粘着される粘着層3と、この粘着層3に着脱自在に粘着されて基板Wを包囲するポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の樹脂シート層4とを備え、化学機械研磨装置の回転可能な研磨ヘッド10に装着され、化学機械研磨装置の回転可能な定盤16の研磨パッド17に上方から対向する。
基板Wは、図1に示すように、例えばシリコン単結晶のインゴットから内周刃ブレードでウェーハ形にスライスされたφ150mm、200mm、300mm、450mmのシリコンウェーハからなる。
摺動部材1の基材層2は、図1や図2に示すように、金属材料あるいは樹脂含有の成形材料により、平面略リング形に形成される。この基材層2の厚さは、特に限定されるものではないが、取扱性の便宜を図るため、2mm以上10mm以下、好ましくは5mm以上10mm以下、より好ましくは7mm以上10mm以下が良い。基材層2用の金属材料としては、特に限定されるものではないが、例えば環境特性、清潔性、耐食性、強度等に優れるステンレス鋼(SUS316等)や合金等があげられる。
これに対し、樹脂を含有した基材層2用の成形材料としては、限定されるものではないが、機械的強度、耐薬品性、耐熱性等に優れるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂等のポリアリーレンエーテルケトン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等があげられる。この成形材料の樹脂には、強化用のガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、セルロースナノファイバー、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム等が必要に応じて添加される。
粘着層3は、図1や図2に示すように、例えば耐久性や応力追従性等に優れるアクリル系の両面粘着テープにより、基材層2と同様、エンドレスの平面略リング形に形成される。この粘着層3は、基材層2の下面に揃えて積層粘着される。
樹脂シート層4は、同図に示すように、押出成形されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート5からなり、基材層2や粘着層3同様、基板Wを隙間を介して包囲するエンドレスの平面略リング形に形成されるとともに、粘着層3の下面に揃えて剥離可能に積層粘着されており、定盤16の研磨部材である研磨パッド17に上方から摺接する。
樹脂シート層4の厚さ、換言すれば、押出成形された樹脂シート5の冷却後の厚さは、定盤16の研磨パッド17に対する耐摩耗性、成形性や強度を確保する観点から、100μm以上1000μm以下、好ましくは150μm以上750μm以下が良い。耐摩耗性や強度の他、樹脂シート層4の生産性に配慮すると、250μm以上500μm以下が最適である。
樹脂シート層4は、耐熱性や耐薬品性等に優れるポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート5からなるが、具体的には、押出成形されたポリエーテルケトン(PEK)樹脂製の樹脂シート、押出成形されたポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シート、押出成形されたポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂製の樹脂シート、押出成形されたポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂製の樹脂シート、押出成形されたポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂製の樹脂シートからなり、これらの樹脂シートの加工により形成される。これらの中では、機械的特性、耐薬品性や耐熱性等に優れるポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シート、あるいはポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートが最適である。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートあるいはポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートは、入手が容易である。
樹脂シート5を押出成形する場合、例えばポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料を溶融混練機で混練し、この混練した成形材料をTダイスで帯形の樹脂シート5に押出成形し、この樹脂シート5を圧着ロールと冷却ロールとに挟持させて冷却した後、冷却した樹脂シート5を巻取機に巻き取れば、樹脂シート5を押出成形することができる。成形材料を溶融混練機で混練する際、成形材料には、樹脂シート5には本発明の特性を損なわない範囲で上記樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機化合物、有機化合物等を選択的に配合することができる。
樹脂シート5の相対結晶化度は、研磨パッド17に対する耐摩耗性を考慮すると、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上が最適である。この相対結晶化度は、示差走査熱量計を用い、樹脂シート5を所定の温度で加熱し、このときに得られる結晶融解ピークの熱量、及び再結晶化ピークの熱量から、以下の相対結晶化度の式で求めることができる。
相対結晶化度(%)={1−(ΔHc/ΔHm)}×100
ここで、ΔHcは樹脂シート5の再結晶化ピークの熱量(J/g)を表し、ΔHmは樹脂シート5の結晶融解ピークの熱量(J/g)を表す。
樹脂シート5の厚さ交差は、研磨パッド17に対する均一な摺接性を考慮すると、平均値±10%以下の範囲内、好ましくは平均値±5%以下の範囲内、さらに好ましくは平均値±3%の範囲内が良い。樹脂シート5の厚さは、例えばJIS K 7130:1999に基づき、求めることができる。
化学機械研磨装置の研磨ヘッド10は、図1に示すように、例えば耐熱性、寸法安定性、耐薬品性等に優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホン樹脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂等のポリアリールエーテルケトン樹脂により、摺動部材1を包囲する背の高い平面略リング形に成形される。
研磨ヘッド10は、周壁11の内周面上部に、平面略リング形の装着フランジ12が半径内方向に突出形成され、この装着フランジ12の平坦な下面には、厚さが0.10mm以上1.00mm以下、好ましくは0.15mm以上0.75mm以下、さらに好ましくは0.20mm以上0.50mm以下の可撓性を有する平面円形のメンブレンシート層13が緊張して粘着される。また、研磨ヘッド10の下面は、摺動部材1の樹脂シート層4と略面一に揃うよう平坦面に形成され、定盤16の研磨パッド17に上方から対向する。
装着フランジ12は、図1に示すエアの流通・噴射により、メンブレンシート層13を下方に付勢するエアテーブル14を区画形成する。メンブレンシート層13としては、例えば加工性等に優れるフッ素(PFA)樹脂製、耐熱性・耐薬品性・難燃性・機械強度・寸法安定性等に優れるポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂製、押出成形されたポリエーテルエーテルケトン樹脂製、押出成形されたポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂フィルムが選択的に使用される。
メンブレンシート層13として、ポリエーテルエーテルケトン樹脂あるいはポリエーテルケトンケトン樹脂の樹脂フィルムが使用される場合、メンブレンシート層13の相対結晶化度は、剛性や強度を確保する観点から、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上が最適である。
メンブレンシート層13の下面中央部には、基板Wに重なる固定シート層15がアクリル系の両面粘着テープを介し着脱自在に積層粘着される。この固定シート層15としては、特に限定されるものではないが、例えば優れた伸縮性を有する軽量のポリウレタン系のエラストマーシートが平面円形に加工して利用され、基板Wに上方から弾接して面接触する。また、メンブレンシート層13の下面周縁部寄りには、固定シート層15を隙間を介して包囲する摺動部材1の基材層2が積層接着して固定される。
上記構成において、基板Wをポリッシングする場合には、先ず、化学機械研磨装置の定盤16上の研磨パッド17に、切断された基板Wを配置してその表面を下向きとし、この基板Wに研磨ヘッド10を上方から嵌合することにより、基板Wに摺動部材1を隙間を介して遊嵌するとともに、基板Wの上面に固定シート層15を重ねて配置する。研磨パッド17は、例えばポリウレタン等により形成され、アルカリ液18用の複数の排水溝が凹み形成されており、化学機械研磨装置の定盤16上に貼着される。
こうして基板Wに固定シート層15を重ねて配置したら、研磨ヘッド10の装着フランジ12内にエアを圧送して研磨パッド17に基板Wを摺接可能に圧接し、その後、研磨ヘッド10と基板Wとの間にコロイダルシリカ含有のアルカリ液18を上方の供給管19から供給しつつ、定盤16と研磨ヘッド10とを相互に回転させれば、圧接された基板W表面の凹凸部を化学的に反応させ、かつ物理的に除去することにより、基板Wの表面を平坦に研磨することができる。
この基板Wの研磨の際、基板Wの種類に応じ、研磨パッド17と基板Wとの間に、シリカ粒子やアルミナ等の研磨材を含有する研磨用スラリー液を供給管19から適宜供給しても良い。
複数枚の基板Wの表面を順次研磨し、摺動部材1の樹脂シート層4が摩耗したら、化学機械研磨装置を停止させて基板Wの研磨作業を中断し、摩耗した樹脂シート層4を基材層2下面の粘着層3から剥離して取り外し、その後、用意した新規の樹脂シート層4を基材層2下面の粘着層3に粘着して位置決めすれば、基板Wの研磨を再開することができる。
上記構成によれば、摺動部材1の樹脂シート層4が摩耗した場合、摩耗した樹脂シート層4を粘着層3から剥離して取り外せば、樹脂シート層4のみを交換することができ、基材層2を含む摺動部材1全体を交換する必要が全くない。したがって、交換の必要のない基材層2や粘着層3を効率的に使用することができる。
また、樹脂シート層4として、押出成形されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂シート5を使用するので、樹脂シート層4に優れた物性を確実に付与することができる。この効果について説明すると、押出成形法は、射出成形法と異なり、時間をかけてゆっくりと連続的に成形する方法なので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の配向が緩和されやすく、等方性の素材に近づけることができる。
また、押出成形法によれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂がゆっくりと固化するので、相対結晶化度が高くなり、剛性と強度の増大が期待できる。したがって、射出成形法のように、金型内でポリアリーレンエーテルケトン樹脂が急速に冷却されることがないので、急速な冷却に伴い、相対結晶化度が低くなり、機械的特性に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。
以上から、例えば樹脂シート層4を、押出成形されたポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シート5とした場合、樹脂シート層4の引張強度を従来の樹脂リング7の引張強度100MPaから116MPa程度に増大させることができる。加えて、樹脂シート層4の曲げ強度を従来の樹脂リング7の曲げ強度160MPaから175MPa程度に増大させることが可能となる。また、樹脂シート層4として、押出成形されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート5を使用すれば、耐摩耗性や強度に優れる肉厚の樹脂シート層4を容易に得ることが可能となる。また、射出成形法を用いないので、樹脂シート5用の専用金型を何ら製造する必要もない。
さらに、上記構成によれば、メンブレンシート層13の下面中央部に固定シート層15を固定するのではなく、着脱自在に積層粘着するので、基板Wとの接触で固定シート層15に汚染等が生じた場合には、汚れた固定シート層15を迅速、かつ容易に交換することができ、作業性の向上が大いに期待できる。
なお、上記実施形態では摺動部材1を基板Wの製造工程で使用したが、前工程で使用して基板Wの平坦化を図るようにしても良い。また、上記実施形態では摺動部材1を平面略リング形に形成したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、基材層2と樹脂シート層4の少なくともいずれか一方の外周縁部に、手作業を容易にする平面矩形の突起を突出形成しても良い。また、基板Wの周縁部に、位置合わせ用のオリフラが直線的に形成されている場合には、摺動部材1の内周縁部の一部分を直線化し、摺動部材1の内周縁部を基板Wに対応させても良い。
また、摺動部材1の粘着層3を平面略リング形としたが、複数枚の粘着層3とし、各粘着層3を平面円弧形に形成することができる。また、樹脂シート層4が摩耗した場合、摩耗した樹脂シート層4を粘着層3と共に基材層2から剥離して取り外し、新たに用意した樹脂シート層4の粘着層3を基材層2の下面に粘着して交換することができる。また、粘着層3をアクリル系の両面粘着テープとするのではなく、アクリル系、ウレタン系、天然ゴム系の粘着剤あるいはこれら粘着剤を種類以上混合した粘着剤とし、基材層2の下面に塗布して乾燥硬化させ、弱粘着性を付与することもできる。
また、研磨ヘッド10の下面周方向に、アルカリ液18の排水路となる複数の排水溝を所定の間隔で凹み形成し、各排水溝を研磨ヘッド10の周壁11厚さ方向に指向させることが可能である。さらに、メンブレンシート層13の下面周縁部寄りに、摺動部材1の基材層2を着脱自在に粘着することも可能である。
本発明に係る摺動部材は、半導体ウェーハ等の各種基板の製造分野で使用される。
1 摺動部材
2 基材層
3 粘着層
4 樹脂シート層
5 樹脂シート
10 研磨ヘッド
12 装着フランジ
13 メンブレンシート層
15 固定シート層
16 定盤
17 研磨パッド
18 アルカリ液
W 基板

Claims (3)

  1. エンドレスの基材層と、この基材層に粘着される粘着層と、この粘着層に着脱自在に粘着されて研磨される基板を包囲するポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の樹脂シート層とを備え、研磨装置の回転可能な研磨ヘッドに装着され、研磨装置の回転可能な定盤の研磨パッドに上方から対向する摺動部材であって、
    樹脂シート層を、押出成形されたポリエーテルエーテルケトン樹脂製あるいはポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートとして研磨装置の定盤の研磨パッドに上方から摺接可能に対向させ、この樹脂シートの厚さを100μm以上1000μm以下とし、樹脂シートの相対結晶化度を80%以上とするとともに、樹脂シートの厚さ公差を平均値±1%以上±10%以下の範囲内としたことを特徴とする摺動部材。
  2. 基板を、研磨装置の定盤の研磨パッドに押し付けられる基板とし、この基板が定盤の研磨パッドに押し付けられる場合に、定盤の研磨パッドに樹脂シート層が押し付けられる請求項1記載の摺動部材。
  3. 基材層を、金属材料あるいは樹脂含有の成形材料により平面略リング形に形成し、樹脂シート層を平面略リング形に形成した請求項1又は2記載の摺動部材。
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