JP2013059851A - 被研磨物保持材、被研磨物保持材の製造方法、および研磨方法。 - Google Patents

被研磨物保持材、被研磨物保持材の製造方法、および研磨方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】被研磨物のスクラッチ傷の発生を防止し、耐摩耗性を有する被研磨物保持材を提供すること。また、化学的機械研磨加工に使用されて使用済みとなった被研磨物保持材を使用前の形態に復元してリサイクルすることが可能な被研磨物保持材を提供すること。
【解決手段】上記課題は、本発明の繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に樹脂層とを有する被研磨物保持材であって、
前記樹脂層が、以下の(A)〜(F)の条件における研磨速度が50μm/h以下であることを特徴とする被研磨物保持材により達成される。
(A)面圧:700gf/cm2(B)テーブル回転数:40rpm(C)チャック回転数:40rpm(D)研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ(E)研磨液流量:150ml/min(F)研磨時間:60min。
【選択図】図1

Description

本発明は、被研磨物を保持するための被研磨物保持材、被研磨物保持材の製造方法、および研磨方法に関する。
研磨液の化学的な溶去作用と研磨液中の砥粒による機械的な除去作用を複合させた研磨である化学的機械研磨による加工を行う際に、半導体ウエハ、ハードディスク用アルミディスクやガラスディスク、液晶表示用ガラス基板等の被研磨物を保持するために被研磨物保持材が使用される。この被研磨物保持材は、被研磨物を保持するための保持穴を有し、装着する研磨機に合わせた形状に加工されたものであり、例えば、両面研磨加工機に装着する被研磨物保持材の場合、被研磨物を保持するための保持穴の他に、サンギアおよびインターナルギアと噛み合わせるギアが外周に備えられた形状に加工されていることが多い。
従来、被研磨物保持材として、ガラス繊維織布基材エポキシ樹脂積層板が使用されている。しかしガラス繊維織布基材エポキシ樹脂積層板を使用した場合、ガラスの摩耗粉が被研磨物表面にスクラッチ傷を発生させる恐れがある。また、被研磨物に要求される平坦性等の品質は時代とともに非常に高精度になってきているものの、被研磨物保持材の耐摩耗性が十分でないため、被研磨物保持材としての使用寿命が短くなってきている。使用済みとなった被研磨物保持材は、研磨分を復元することが困難であるために被研磨物保持材としてリサイクルすることは難しく、廃棄物として多く排出されており、省資源化に有用なものが求められている。
ガラスの摩耗粉の発生がなく、耐摩耗性の向上により使用寿命を長くする被研磨物保持材として、表層または全体に有機繊維基材を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)が、材質、構成等を変更して耐摩耗性を向上させるには限界があり、ガラス繊維織布基材エポキシ樹脂積層板と同様に、研磨分を復元することが困難であるため、使用済みとなったものは廃棄物として排出されている。
特開2004−114208 特開2009−61531 特許4429936
本発明の目的は、被研磨物のスクラッチ傷の発生を防止し、耐摩耗性を有する被研磨物保持材を提供することにある。また、もう一つの目的として、化学的機械研磨加工に使用されて使用済みとなった被研磨物保持材を使用前の形態に復元してリサイクルすることが可能な被研磨物保持材を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(8)に記載される本発明により達成される。
(1)繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に樹脂層とを有する被研磨物保持材であって、
前記樹脂層が、以下の(A)〜(F)の条件における研磨速度が50μm/h以下であることを特徴とする被研磨物保持材。
(A)面圧:700gf/cm2
(B)テーブル回転数:40rpm
(C)チャック回転数:40rpm
(D)研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ
(E)研磨液流量:150ml/min
(F)研磨時間:60min
(2)前記樹脂層が熱可塑性樹脂から構成される(1)に記載の被研磨物保持材。
(3)前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂およびポリウレタン系樹脂の群からなる少なくとも一つ以上の樹脂を含むものである(1)または(2)に記載の被研磨物保持材。
(4)前記樹脂層の厚みが10μm以上100μm以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
(5)前記繊維強化樹脂層が、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むものである(1)〜(4)のいずれかに1項記載の被研磨物保持材。
(6)前記繊維強化樹脂層が、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むシート状複合材を一枚以上積層したものである(1)〜(5)のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
(7)前記繊維強化樹脂層が、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むスラリーを漉き込むことにより得られたシート状複合材を、少なくとも一枚以上積層し、さらに熱処理して得られたものである(1)〜(6)のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
(8)前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に、樹脂を積層する工程を含む、(1)〜(7)のいずれか1項に記載された被研磨物保持材の製造方法。
(9)(1)〜(7)に記載の被研磨物保持材により被研磨物を保持し、被研磨物を研磨する方法。
本発明によれば、被研磨物のスクラッチ傷の発生を防止し、耐摩耗性を有する被研磨物保持材を提供することができる。その上、化学的機械研磨加工に使用されて使用済みとなった被研磨物保持材を使用前の形態に復元してリサイクルすることが可能であり、省資源化が求められる被研磨物保持材に好適である。
本発明の被研磨物保持材の第一実施形態の模式図である。 本発明の被研磨物保持材の第二実施形態の模式図である。
以下、本発明の被研磨物保持材、被研磨物保持材の製造方法、および研磨方法について、具体的な実施形態に基いて詳細に説明する。
本発明の被研磨物保持材は、繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に樹脂層とを有する被研磨物保持材であって、
前記樹脂層が、以下の(A)〜(F)の条件における研磨速度が50μm/h以下であることを特徴とする被研磨物保持材である。
(A)面圧:700gf/cm2
(B)テーブル回転数:40rpm
(C)チャック回転数:40rpm
(D)研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ
(E)研磨液流量:150ml/min
(F)研磨時間:60min
本発明の被研磨物保持材の製造方法は、前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に、樹脂を積層する工程を含む、被研磨物保持材の製造方法である。
本発明の研磨方法は、前記被研磨物保持材により被研磨物を保持し、被研磨物を研磨する方法である。
<第1実施形態>
まず、本発明の被研磨物保持材の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る被研磨物保持材を説明するための図(縦断面図)である。第1実施形態における被研磨物保持材10は、第一樹脂層1と、繊維強化樹脂層2と、第二樹脂層3とがこの順に積層されている被研磨物保持材10である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1の上側を「上」、下側を「下」という。
被研磨物保持材10は、以下の(A)〜(F)の条件における第一樹脂層1の研磨速度が50μm/h以下であることを特徴とする被研磨物保持材である。
(A)面圧:700gf/cm2
(B)テーブル回転数:40rpm
(C)チャック回転数:40rpm
(D)研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ
(E)研磨液流量:150ml/min
(F)研磨時間:60min
ここで、前記研磨速度は、例えばModel 6EC、STRASBAUGH社製片面研磨装置等を用いて求めることができる。また、片面研磨装置に限定されず、例えば、DSM9B−V、スピードファム社製両面研磨装置等の両面研磨装置を用いて求めることもでき、前記(A)〜(F)の条件で行われれば特に装置を限定するものではない。また、前記研磨速度は、50μm/h以下であれば特に限定されないが、好ましくは42μm/h以下であり、より好ましくは36μm/h以下である。前記好ましい範囲であることにより、耐摩耗性がさらに良好となる。
ここで、前記面圧とは、被研磨物の保持圧力であり、前記テーブル回転数とは、研磨パッドの回転数であり、前記チャック回転数とは、被研磨物及び被研磨物保持材10の回転数である。前記研磨液は、粒径が70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカであればよく、例えば市販のNALCO2371等を使用することができる。また、前記研磨液に含まれるシリカ粒径は70nm以上であれば特に限定されないが、70nm以上、100nm以下の粒径のシリカを揃えたものでもよい。このようなシリカとして、例えば市販のNALCO2398等を使用することができる。これにより、研磨速度のバラつきを抑えることができる。また、前記研磨液流量は、前記研磨液を装置内に送液する時間あたりの量であって、研磨時間は、被研磨物保持材10の研磨開始より、研磨終了までの時間である。
第一樹脂層1は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂であれば特に限定されず、これらを2種以上含んでもよいが、熱可塑性樹脂から構成されるものが好ましい。熱可塑性樹脂で構成されることで、硬化処理する工程を含む必要が無く、第一樹脂層1を簡便に構成することができ、被研磨物保持材の組立が簡便となり、併せて繊維強化樹脂層のリサイクルが簡便となる。
前記熱可塑性樹脂としては、被研磨物保持材としての使用寿命が長くなるよう研磨液に対する耐摩耗性が良好な樹脂が好ましく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等のポリエーテル系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられ、また、熱可塑性エラストマーであるポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、トランスポリイソプレン系エラストマー、フッ素ゴム系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系エラストマーが好ましく、これらを選択することで、より耐摩耗性が良好となる。
第一樹脂層1の厚みは、化学的機械研磨加工において被研磨物の研磨分以上の厚さがあれば特に限定されるものではないが、10μm以上、100μm以下であることが好ましく、さらに25μm以上、85μm以下であることが好ましい。前記範囲内にあることで、樹脂層の厚み精度良く積層しやすいの点で優れたものとなる。
繊維強化樹脂層2は、特に限定されないが、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むものが好ましく、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含む複合材の層で構成されるものでもよい。これにより化学的機械研磨加工において、安定した被研磨物の保持を可能とする剛性を有する。
繊維強化樹脂層2に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、研磨液に対する耐薬品性および剛性の点からエポキシ樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂が好ましい。
繊維強化樹脂層2に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等のポリエーテル系樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられる。これらの中でも、研磨液に対する耐薬品性および剛性の点から、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレンが好ましい。
繊維強化樹脂層2に用いられる繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、スチール繊維、アルミナ繊維等の無機繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、セルロース繊維等の有機繊維が挙げられる。これらの中でも、繊維強化樹脂層に必要な剛性が得られやすいことから、ガラス繊維が主に含まれることが好ましい。
繊維強化樹脂層2は、前記繊維状充填材を含む熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両方、またはいずれか一方を含むシート状複合材を一枚以上積層したものでもよい。また、繊維強化樹脂層2は、研磨機に装着する被研磨物保持材10の厚さとなるよう前記シート状複合材を一枚以上積層し、加熱加圧成形することにより得ることもできる。このとき、加熱加圧成形の条件は特に限定されないが、例えば熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合、加熱条件を130℃以上、200℃以下とすることが好ましく、前記範囲内で成形することで、繊維強化樹脂層に必要な剛性が得られる。また、加圧条件は3MPa以上、30MPa以下とすることが好ましく、前記範囲内で成形することで、十分な厚み精度を得ることができる。
前記シート状複合材の製造方法としては、例えば、繊維状充填材と、前記熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むスラリーを漉き込む方法等が用いられるが、これに限定されるわけではない。スラリーで漉き込む方法を用いることで、被研磨物保持材10として使用する部分以外の端材をリサイクルすることができるため、歩留まりを上げる効果を得ることができる。
前記スラリーは、さらに熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤、硬化促進剤、充填材、シランカップリング剤、着色剤、難燃剤および離型剤などの添加剤を特性が損なわれない範囲で含むことができる。
第二樹脂層3は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂であれば特に限定されず、これらを2種以上含んでもよいが、熱可塑性樹脂から構成されるものが好ましい。また、第二樹脂層3は、第一樹脂層1と同じ樹脂構成のものを使用しても別の樹脂構成のものを使用してもよい。研磨精度の観点から、同じ樹脂構成のものを使用するのが好ましい。
繊維強化樹脂層2の表層に第一樹脂層1を積層する方法としては、第一樹脂層1の樹脂を溶剤に溶解した溶液を繊維強化樹脂層2に塗布し、溶剤を乾燥させて樹脂を積層させる方法、または、第一樹脂層1に用いる樹脂の樹脂フィルムを繊維強化樹脂層2へ粘着剤層を介して貼り合わせることで樹脂を積層させる方法を用いることができる。
前記粘着剤層には、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の両面テープを使用することができ、不織布、発砲体、樹脂フィルム等の芯材の両面に粘着剤が積層された両面テープ、フィルム基材がなく粘着剤のみの両面テープであってもよい。ここで、研磨液に対する耐薬品性、再剥離性に優れた粘着性能を有する両面テープを用いることが好ましい。
繊維強化樹脂層2の表層に第二樹脂層3を積層する方法としては、第一樹脂層1と同様の方法で積層することができる。
被研磨物保持材10の厚みは被研磨物の研磨目標厚みの厚みであれば特に限定されないが、500μm以上、1200μm以下が好ましく、特に好ましくは600μm以上、1000μm以下である。前記範囲内であることで、被研磨物を安定的に保持することができ、精度の良い被研磨物を得ることができる。
被研磨物保持材10における第一樹脂層1と、繊維強化樹脂層2と、第二樹脂層3の厚み比率は、第一樹脂層1の厚みをA、繊維強化樹脂層2の厚みをB、第二樹脂層3の厚みをCとすると、0.8<A/C<1.2、0.01<(A+C)/B<2.0の範囲であることが好ましく、0.9<A/C<1.1、0.015<(A+C)/B<1.0であることがさらに好ましい。前記範囲内であることで、被研磨物保持材10の剛性が十分なものとなり、被研磨物保持材10のライフが十分なものとなる。
繊維強化樹脂層2の表層に第一樹脂層1および第二樹脂層3が設けられた被研磨物保持材10は、NC加工機等を用い、被研磨物を保持するための保持穴の穴空けをし、装着する研磨機に合わせた形状に合わせた加工をすることより得られる。
さらに、化学的機械研磨加工に使用されて使用済みとなった被研磨物保持材10を使用前の形態に復元させる方法として、第一樹脂層1および/または第二樹脂層3の研磨分を積層して復元させる方法、または、繊維強化樹脂層2を取り出して再利用し、第一樹脂層1および/または第二樹脂層3を新たに構成する方法とがある。
第一樹脂層1の研磨分を積層して復元させる方法としては、第一樹脂層1の樹脂を溶剤に溶解した溶液を、使用された第一樹脂層1の表面、または取り出した繊維強化樹脂層2の上面に塗布し、溶剤を乾燥させて樹脂を積層する方法がある。また、取り出した繊維強化樹脂層2の上面に第一樹脂層1を新たに構成する方法として、第一樹脂層1に用いる樹脂の樹脂フィルムを繊維強化樹脂層2の形状に加工し、繊維強化樹脂層2の上面に粘着剤層を介して貼り合わせることで樹脂を積層させる方法を用いることができる。樹脂の積層後、不要な第一樹脂層1の樹脂が残る場合は、不要な樹脂を取り除くための仕上げ加工を行い、使用前の形態に復元する。これにより、本発明の被研磨物保持材をリサイクルすることができる。
第二樹脂層3の研磨分を積層して復元させる方法としては、第一樹脂層1と同様の方法を用いることができる。つまり、第二樹脂層3の樹脂を溶剤に溶解した溶液を、使用された第二樹脂層3の表面、または取り出した繊維強化樹脂層2の下面に塗布し、溶剤を乾燥させて樹脂を積層する方法がある。また、取り出した繊維強化樹脂層2の下面に第二樹脂層3を新たに構成する方法として、第二樹脂層3に用いる樹脂の樹脂フィルムを繊維強化樹脂層2の形状に加工し、繊維強化樹脂層2の下面に粘着剤層を介して貼り合わせることで樹脂を積層させる方法を用いることができる。樹脂の積層後、不要な第二樹脂層3の樹脂が残る場合は、不要な樹脂を取り除くための仕上げ加工を行い、使用前の形態に復元する。これにより、本発明の被研磨物保持材をリサイクルすることができる。
このようにして得られた被研磨物保持材は、半導体ウエハ、ハードディスク用アルミディスクやガラスディスク、液晶表示用ガラス基板等の被研磨物を保持するための保持穴に被研磨物を保持し、市販の研磨装置に装着し、化学的機械研磨加工を行うことができる。このとき、研磨装置は片面研磨のものであっても、両面研磨のものであってもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の被研磨物保持材の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る被研磨物保持材を説明するための図(縦断面図)であって、本発明の被研磨物保持材の第2実施形態は、繊維強化樹脂層4と、繊維強化樹脂層4の一方の面に樹脂層5とを有する被研磨物保持材である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2の上側を「上」、下側を「下」という。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図2において、第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した図1と同様の符号を付している。
被研磨物保持材20は、以下の(A)〜(F)の条件における樹脂層5の研磨速度が50μm/h以下であることを特徴とする被研磨物保持材である。
(A)面圧:700gf/cm2
(B)テーブル回転数:40rpm
(C)チャック回転数:40rpm
(D)研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ
(E)研磨液流量:150ml/min
(F)研磨時間:60min
ここで、前記研磨速度は、例えば、Model 6EC、STRASBAUGH社製片面研磨装置等の片面研磨装置等を用いて求めることができる。前記(A)〜(F)の条件で行われれば特に装置を限定するものではない。また、前記研磨速度は、50μm/h以下であれば特に限定されないが、好ましくは30μm/h以下であり、より好ましくは10μm/h以下である。前記好ましい範囲であることにより、耐摩耗性がさらに良好となる。
ここで、前記面圧とは、被研磨物の保持圧力であり、前記テーブル回転数とは、研磨パッドの回転数であり、前記チャック回転数とは、被研磨物及び被研磨物保持材の回転数である。前記研磨液は、粒径が70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカであればよく、例えば市販のNALCO2371等を使用することができる。また、前記研磨液に含まれるシリカ粒径は70nm以上であれば特に限定されないが、70nm以上、100nm以下の粒径のシリカを揃えたものでもよい。このようなシリカとして、例えば市販のNALCO2398等を使用することができる。これにより、研磨速度のバラつきを抑えることができる。また、前記研磨液流量は、前記研磨液を装置内に送液する時間あたりの量であって、研磨時間は、被研磨物保持材の研磨開始より、研磨終了までの時間である。
本実施形態における、繊維強化樹脂層4は、第1実施形態の繊維強化樹脂層2と同様のものを使用することができ、樹脂層5は第1実施形態の第一樹脂層1および第二樹脂層3と同様のものである。
被研磨物保持材20の厚みは被研磨物の研磨目標厚みの厚みであれば特に限定されないが、500μm以上、1200μm以下が好ましく、特に好ましくは600μm以上、1000μm以下である。前記範囲内であることで、被研磨物を安定的に保持することができ、精度の良い被研磨物を得ることができる。
被研磨物保持材20における繊維強化樹脂層4と、樹脂層5との厚み比率は、繊維強化樹脂層4の厚みをD、樹脂層5の厚みをEとすると、0.005<E/D<1.0の範囲であることが好ましく、0.01<E/D<0.5であることがさらに好ましい。前記範囲内であることで、被研磨物保持材20の剛性が十分なものとなり、被研磨物保持材20のライフが十分なものとなる。
本実施形態の被研磨物保持材は、半導体ウエハ、ハードディスク用アルミディスクやガラスディスク、液晶表示用ガラス基板等の被研磨物を保持するための保持穴に被研磨物を保持し、市販の研磨装置に装着し、化学的機械研磨加工を行うことができる。このとき、研磨装置は片面研磨装置であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。
(実施例1)
1)繊維強化樹脂層の製造
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER1001、三菱化学製)100重量部、ノボラック型フェノール樹脂(PR−50731、住友ベークライト製)185重量部、2−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−PW、四国化成製)1重量部、ジシアンジアミド(日本カーバイド工業製)3.6重量部および、繊維状充填剤としてケブラーパルプ(1F303、東レ・デュポン製)165重量部、ガラス繊維(CS3J−888、10μm径、3mm長、日東紡製)を270重量部加え、さらに固形分の濃度が0.5質量%になるよう水に分散させてエポキシ樹脂含有スラリーを調製した。
上記スラリーに、800ppmのポリエチレンオキシド水溶液を添加し、これを抄造、脱水、80℃で2時間乾燥した後に、105℃で30分熱処理して、厚さ5mmのシート状エポキシ樹脂複合材を作製した。
上記シート状エポキシ樹脂複合材を、最上面および最下面に厚さ35μmの離型紙を重ねて、圧力10MPa、設定温度160℃で30分間加熱加圧成形を行い、厚さ720μmのガラス繊維基材エポキシ樹脂板を得た。
2)樹脂層の形成
上記ガラス繊維基材エポキシ樹脂板の両表面に、ポリエーテルイミド(Ultem1000、GEプラスチックス製)の押出成形より作製された25μm厚ポリエーテルイミドフィルムを両面粘着テープ(DF8365K、厚さ115μm、芯材25μmPET、アクリル系粘着剤、東洋インキ工業製)で貼付し、両面を2.5μmずつ研磨して、厚さ995μmの被研磨物保持材を得た。
3)研磨加工
上記被研磨物保持材用板から、被研磨物の保持穴(50mm径)7つを有する外径200mmの円形に加工した被研磨物保持材を5枚作製した。この被研磨物保持材1枚あたり1.0mm厚のアルミニウムディスク7枚を保持させ、片面研磨装置(Model 6EC、STRASBAUGH社製)を用い、以下の研磨条件で化学的機械研磨加工を施した。
(研磨加工条件)
面圧:700gf/cm2
テーブル回転数:40rpm
チャック回転数:40rpm
研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ(NALCO2371)
研磨液流量:150ml/min
研磨時間:15min
上記研磨加工を5枚の被研磨保持材について実施し、計35枚のアルミニウムディスクを研磨加工した。
研磨加工後の被研磨物保持材から取り出したアルミニウムディスクについて、表面状態を観察し、アルミニウムディスクの傷発生率を評価した。また、併せて上記条件で被研磨物保持材を研磨し、被研磨物保持材の研磨速度を確認した。
4)被研磨物保持材リサイクル
研磨加工使用後の被研磨物保持材から、研磨されたポリエーテルイミドフィルムと両面粘着テープを剥離した後、前記と同様に作製された25μm厚ポリエーテルイミドフィルムを予め被研磨物の保持穴(50mm径)等を有する形状に加工して、前記と同様に両面粘着テープ(DF8365K、厚さ115μm、芯材25μmPET、アクリル系粘着剤、東洋インキ工業製)で貼付し、研磨加工使用前の状態に復元されるよう加工した。
使用前の状態に復元した被研磨物保持材を用いて、上記と同様に、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率を評価した。さらに、被研磨物保持材の復元、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率の評価を4回繰り返し、計5回の被研磨物保持材の復元、アルミニウムディスク35枚の傷発生率を評価した。また、併せて被研磨物保持材の研磨速度を確認した。
(実施例2)
1)繊維強化樹脂層の製造
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピクロン850、DIC製)100重量部、ジシアンジアミド(日本カーバイド工業製)3.6重量部および2−メチルイミダゾール(キュアゾール2MZ、四国化成製)0.1重量部にジメチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度55重量%となるようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
上記樹脂ワニスを、ガラス繊布(WEA−116E、平織、厚さ95μm、日東紡製)100重量部に対して、固形分で80重量部含浸させて、150℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂含有量44重量%のシート状エポキシ樹脂複合材を作製した。
上記シート状エポキシ樹脂複合材を7枚重ね、最上面および最下面に厚さ35μmの離型紙を重ねて、圧力4MPa、設定温度200℃で120分間加熱加圧成形を行い、離型紙を剥がして厚さ720μmのガラス織布基材エポキシ樹脂積層板を得た。
2)樹脂層の形成
上記ガラス織布基材エポキシ樹脂積層板の両表面に、実施例1と同様に作製された25μm厚ポリエーテルイミドフィルムを両面粘着テープで貼付し、両面を2.5μmずつ研磨して、厚さ995μmの被研磨物保持材を得た。
3)研磨加工
上記被研磨物保持材用積層板を実施例1と同様に外形および被研磨物の保持穴を加工して得られた被研磨物保持材を用いて、実施例1と同様にアルミディスクの研磨加工、傷発生率、及び被研磨物保持材の研磨速度を評価した。
4)被研磨物保持材リサイクル
実施例1と同様に研磨加工使用後の被研磨物保持材を、研磨加工使用前の状態に復元されるよう加工した。使用前の状態に復元した被研磨物保持材を用いて、上記と同様に、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率を評価した。さらに、被研磨物保持材の復元、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率の評価を4回繰り返し、計5回の被研磨物保持材の復元、アルミニウムディスク35枚の傷発生率を評価した。また、併せて被研磨物保持材の研磨速度を確認した。
(実施例3)
1)繊維強化樹脂層の製造
実施例1と同様に、1.286倍量の配合で作製したシート状エポキシ樹脂複合材を、最上面および最下面に厚さ35μmの離型紙を重ねて、圧力10MPa、設定温度160℃で30分間加熱加圧成形を行い、厚さ926μmのガラス繊維基材エポキシ樹脂板を得た。
2)樹脂層の形成
ポリエーテルイミド(Ultem1000、GEプラスチックス製)25重量部を、1,3−ジオキソラン100重量部に溶解し、固形分濃度20重量%のポリエーテルイミド樹脂溶液を調製した。調整したポリエーテルイミド樹脂溶液を、上記ガラス織布基材エポキシ樹脂積層板の表面に塗工し、100℃で5分乾燥し、37μmのポリエーテルイミドを積層した。積層したガラス織布基材エポキシ樹脂積層板の裏面にも同様に塗工を行い、37μmのポリエーテルイミドを積層した。このポリエーテルイミドを積層した積層板両面を2.5μmずつ研磨して、厚さ995μmの被研磨物保持材を得た。
3)研磨加工
上記被研磨物保持材用板を実施例1と同様に外形および被研磨物の保持穴を加工して得られた被研磨物保持材を用いて、実施例1と同様にアルミディスクの研磨加工、傷発生率、及び被研磨物保持材の研磨速度を評価した。
4)被研磨物保持材リサイクル
被研磨物保持材の復元は、研磨されたポリエーテルイミド樹脂分を上塗りで塗工することにより研磨加工使用前の状態に復元されるよう加工した。
使用前の状態に復元した被研磨物保持材を用いて、上記と同様に、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率を評価した。さらに、被研磨物保持材の復元、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率の評価を4回繰り返し、計5回の被研磨物保持材の復元、アルミニウムディスク35枚の傷発生率を評価した。また、併せて被研磨物保持材の研磨速度を確認した。
(実施例4)
1)繊維強化樹脂層の製造
実施例1と同様に、1.543倍量の配合で作製したシート状エポキシ樹脂複合材を、最上面および最下面に厚さ35μmの離型紙を重ねて、圧力10MPa、設定温度160℃で30分間加熱加圧成形を行い、厚さ1112μmのガラス繊維基材エポキシ樹脂板を得た。
2)樹脂層の形成
実施例3と同様に調整したポリエーテルイミド樹脂溶液を、上記ガラス繊維基材エポキシ樹脂板の表面に1.2倍量塗工し、100℃で5分乾燥し、44μmのポリエーテルイミドを積層した。積層したガラス繊維基材エポキシ樹脂板の裏面にも同様に塗工を行い、44μmのポリエーテルイミドを積層した。このポリエーテルイミドを積層した積層板両面を3μmずつ研磨して、厚さ1194μmの被研磨物保持材を得た。
3)研磨加工
上記被研磨物保持材用板を実施例1と同様に外形および被研磨物の保持穴を加工して得られた被研磨物保持材を用いて、実施例1と同様にアルミディスクの研磨加工、傷発生率、及び被研磨物保持材の研磨速度を評価した。
4)被研磨物保持材リサイクル
実施例3と同様に研磨加工使用後の被研磨物保持材を、研磨加工使用前の状態に復元されるよう加工した。使用前の状態に復元した被研磨物保持材を用いて、アルミニウムディスクの厚みを1.2mmとした以外は、上記と同様に、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率を評価した。さらに、被研磨物保持材の復元、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率の評価を4回繰り返し、計5回の被研磨物保持材の復元、アルミニウムディスク35枚の傷発生率を評価した。また、併せて被研磨物保持材の研磨速度を確認した。
(実施例5)
1)繊維強化樹脂層の製造
実施例1と同様に作製したシート状エポキシ樹脂複合材を、最上面および最下面に厚さ35μmの離型紙を重ねて、圧力10MPa、設定温度160℃で30分間加熱加圧成形を行い、厚さ720μmのガラス繊維基材エポキシ樹脂板を得た。
2)樹脂層の形成
上記ガラス繊維基材エポキシ樹脂板の両表面に、25μm厚ポリウレタンエラストマーフィルム(U400、日本ユニポリマー社製)を両面粘着テープ(DF8365K、厚さ115μm、芯材25μmPET、アクリル系粘着剤、東洋インキ工業製)で貼付し、両面を2.5μmずつ研磨して、厚さ995μmの被研磨物保持材を得た。
3)研磨加工
上記被研磨物保持材用板を実施例1と同様に外形および被研磨物の保持穴を加工して得られた被研磨物保持材を用いて、実施例1と同様にアルミディスクの研磨加工、傷発生率、及び被研磨物保持材の研磨速度を評価した。
4)被研磨物保持材リサイクル
研磨加工使用後の被研磨物保持材から、研磨されたポリウレタンエラストマ-フィルムと両面粘着テープを剥離した後、前記と同様25μm厚ポリウレタンエラストマーフィルムを予め被研磨物の保持穴(50mm径)等を有する形状に加工して、前記と同様に両面粘着テープ(DF8365K、厚さ115μm、芯材25μmPET、アクリル系粘着剤、東洋インキ工業製)で貼付し、研磨加工使用前の状態に復元されるよう加工した。
使用前の状態に復元した被研磨物保持材を用いて、上記と同様に、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率を評価した。さらに、被研磨物保持材の復元、35枚のアルミニウムディスクを研磨加工、傷発生率の評価を4回繰り返し、計5回の被研磨物保持材の復元、アルミニウムディスク35枚の傷発生率を評価した。また、併せて被研磨物保持材の研磨速度を確認した。
(比較例1)
実施例1と同様に作製したシート状エポキシ樹脂複合材を10枚重ね、最上面および最下面に厚さ35μmの離型紙を重ねて、圧力4MPa、設定温度200℃で120分間加熱加圧成形を行い、厚さ1029μmのガラス織布基材エポキシ樹脂積層板を得た。
上記ガラス織布基材エポキシ樹脂積層板の両面を17μmずつ研磨して、厚さ995μmの被研磨物保持材用積層板を得た。
上記被研磨物保持材用積層板は、研磨加工により研磨された分を復元することが困難なため、被研磨物保持材の復元、復元した被研磨物保持材による研磨加工、アルミニウムディスクの傷発生率の評価を除き、外形および被研磨物の保持穴を加工して得られた被研磨物保持材を用いて、実施例1と同様にアルミディスクの研磨加工、傷発生率、被研磨物保持材の研磨速度を評価した。
アルミディスクの表面観察による傷発生率は、目視により評価し、以下の評価基準で評価した。評価結果を研磨速度と併せて表1に記載する。
◎:傷発生率が5%未満
○:傷発生率が5%以上、15%未満
△:傷発生率が15%以上、25%未満
×:傷発生率が25%以上
Figure 2013059851
表1の結果から明らかなように、本発明の被研磨物保持材は、化学的機械研磨加工に使用され、被研磨物のスクラッチ傷の発生を防止し、耐摩耗性を有することができる。また、使用済みとなった被研磨物保持材を復元してリサイクルすることが可能であり、復元後も被研磨物のスクラッチ傷の発生を防止できる結果が得られた。
本発明の被研磨物保持材は、被研磨物のスクラッチ傷の発生を防止し、化学的機械研磨加工に使用されて使用済みとなった被研磨物保持材を復元してリサイクルすることが可能であり、省資源化が求められている被研磨物保持材として好適である。
1 第一樹脂層
2 繊維強化樹脂層
3 第二樹脂層
4 繊維強化樹脂層
5 樹脂層
10 被研磨物保持材
20 被研磨物保持材

Claims (9)

  1. 繊維強化樹脂層と、前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に樹脂層とを有する被研磨物保持材であって、
    前記樹脂層が、以下の(A)〜(F)の条件における研磨速度が50μm/h以下であることを特徴とする被研磨物保持材。
    (A)面圧:700gf/cm2
    (B)テーブル回転数:40rpm
    (C)チャック回転数:40rpm
    (D)研磨液:粒径70nm以上、pH12、固形分濃度:5%のコロイダルシリカ
    (E)研磨液流量:150ml/min
    (F)研磨時間:60min
  2. 前記樹脂層が熱可塑性樹脂から構成される請求項1に記載の被研磨物保持材。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂およびポリウレタン系樹脂の群からなる少なくとも一つ以上の樹脂を含むものである請求項1または2に記載の被研磨物保持材。
  4. 前記樹脂層の厚みが10μm以上100μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
  5. 前記繊維強化樹脂層が、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
  6. 前記繊維強化樹脂層が、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むシート状複合材を一枚以上積層したものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
  7. 前記繊維強化樹脂層が、繊維状充填材と、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の少なくとも一方とを含むスラリーを漉き込むことにより得られたシート状複合材を、少なくとも一枚以上積層し、さらに熱処理して得られたものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の被研磨物保持材。
  8. 前記繊維強化樹脂層の少なくとも一方の面に、樹脂を積層する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載された被研磨物保持材の製造方法。
  9. 請求項1〜7に記載の被研磨物保持材により被研磨物を保持し、被研磨物を研磨する方法。
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