JP6965840B2 - 含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物、該組成物の硬化物で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物、該被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物を有する電気・電子部品及び光半導体装置、並びにゴム硬化物又はゲル硬化物の表面粘着性を低減する方法 - Google Patents

含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物、該組成物の硬化物で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物、該被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物を有する電気・電子部品及び光半導体装置、並びにゴム硬化物又はゲル硬化物の表面粘着性を低減する方法 Download PDF

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本発明は、含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物及び、該組成物を硬化して得られる硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)、さらに該被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)を用いた電気・電子部品及び光半導体装置に関する。また、本発明は、ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)の表面粘着性を低減する方法に関する。
従来、含フッ素硬化性ゴム組成物(含フッ素硬化性エラストマー組成物)としては、1分子中に2個以上のアルケニル基を有しかつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金族化合物からなる組成物があり、これから、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、低温特性等の性質のバランスがよく優れた含フッ素ゴム硬化物を得られることが開示されている(特許文献1)。
また、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、1分子中に1個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物、1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する有機ケイ素化合物及びヒドロシリル化反応触媒を含有する含フッ素硬化性ゲル組成物を硬化させることで、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、耐候性等の性質がバランスよく優れた含フッ素ゲル硬化物を得ることができることが開示されている(特許文献2)。
そして、上述の特許文献1に記載の含フッ素硬化性ゴム組成物に、分子中にヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを有するオルガノポリシロキサンを接着性付与剤として添加することにより、金属やプラスチック基材に対して自己接着性を付与した含フッ素ゴム硬化物を与える含フッ素硬化性接着剤組成物が開示されている(特許文献3)。
さらに、上述の特許文献3に記載の組成物に、カルボン酸無水物を添加することにより、さらに各種の基材、特にポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)やポリアミド樹脂に対する接着性をも向上させた含フッ素ゴム硬化物を与える含フッ素硬化性接着剤組成物が開示されている(特許文献4)。
また、末端構造にケイ素原子に結合したビニル基を有し、且つ、芳香環とケイ素原子が結合した部位を有さない含フッ素ポリマーをベースポリマーとして用いた組成物が、上述の特許文献1又は2に記載の組成物より、更に耐酸性が向上した含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物を与えることが開示されている(特許文献5及び6)。
さらに、該耐酸性が向上した硬化物を与える特許文献5に記載の組成物に、分子中にヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを有するオルガノポリシロキサンを接着性付与剤として添加することにより、金属やプラスチック基材に対して自己接着性を有し、且つ耐酸性が向上した含フッ素ゴム硬化物を与える含フッ素硬化性接着剤組成物が開示されている(特許文献7)。
ところで、これらの各含フッ素硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で、光半導体素子、特に発光ダイオード(以下、「LED」という)を封止することが開示されている(特許文献8〜14)。
しかし、上記の各組成物を硬化して得られる含フッ素ゴム硬化物や、特許文献2又は6に記載の組成物を硬化して得られる含フッ素ゲル硬化物でLEDが封止された光半導体装置を、バラ積みの状態から、ボウル型振動パーツフィーダを用いて一定の方向・姿勢に整列させようとすると、該硬化物の高い粘着性によって、該光半導体装置同士がくっついてしまい、整列させることができないという問題がしばしば発生した。
特許第2990646号公報 特許第3487744号公報 特許第3239717号公報 特許第3567973号公報 特許第5246190号公報 特許第6160540号公報 特許第5459033号公報 特許第5653877号公報 特許第5735457号公報 特許第5859421号公報 特許第5869462号公報 特開2015−110730号公報 特開2016−069615号公報 特開2016−216679号公報
本発明は、低粘着性の被膜を形成する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物、及び該組成物を硬化して得られる硬化物(硬化被膜)で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)、さらに該被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)を用いた電気・電子部品及び光半導体装置を提供することを目的とする。
また更に、本発明は、ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)の表面粘着性を低減する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサンと、下記一般式(2)で表される環状オルガノポリシロキサン及び白金族金属系触媒を含有する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物が、低粘着性であり、且つ、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)との密着性に優れているため、該硬化物で該ゴム硬化物又はゲル硬化物を被覆することによって、該ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)の表面の粘着性を大きく低下させることができることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明は、下記の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物、及び該組成物を硬化して得られる硬化物で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)、さらに該ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)を用いた電気・電子部品等を提供するものである。
[1]
(A)下記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサン:100質量部
Figure 0006965840
(式中、aは1〜4の整数、bは3〜6の整数、a+bは4〜10の整数、R1は互いに独立して、置換又は非置換の1価の炭化水素基、Aは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基、Dは互いに独立して、シロキサンを構成するケイ素原子に直結した1価の脂肪族不飽和炭化水素基である。ただし、−(Si(A)(R1)O)−と−(Si(D)(R1)O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
(B)下記一般式(2)で表される環状オルガノポリシロキサン、
Figure 0006965840
(式中、cは3〜6の整数、dは1〜4の整数、c+dは4〜10の整数、R2は互いに独立して、置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。ただし、−(Si(H)(R2)O)−と−(Si(E)(R2)O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。) 及び
(C)白金族金属系触媒:組成物全体の質量に対して白金族金属原子換算で0.1〜2,000ppm、
を含有する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物であって、
かつ、前記(B)成分の配合量は、本組成物中に含まれる1価の脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して、前記(B)成分中に含まれるケイ素原子に直結した水素原子が0.75〜1.5モルとなる量であり、
該組成物を硬化して得られる2mm厚の硬化物に、23℃雰囲気下、テクスチャーアナライザーを用いて、直径6mmの円柱プローブを1.0mm/秒で下降させて硬化物に接触させた後、5.0gの荷重がかかるまで1.0mm/秒で下降させてから、さらに0.5mm侵入させ、その後該円柱プローブを10.0mm/秒で上昇させたときの粘着力が30g以下である硬化被膜を与えるものである含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
[2]
さらに、(A)成分100質量部に対して、(D)成分として、1分子中に2個以上のアルケニル基を分子鎖末端に有し、さらに主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有し、且つアルケニル基含有量が0.005〜0.3mol/100gである直鎖状ポリフルオロ化合物:0.1〜400質量部
を含有するものである[1]に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
[3]
前記(D)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(3)
−(Ce2eO)f− (3)
(式(3)中、eは1〜6の整数であり、fは1〜300の整数である。)
で表わされる構造を含むものである[2]に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
[4]
前記(D)成分が、下記一般式(4)
Figure 0006965840
(式(4)中、R3及びR4は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R3は互いに独立し、R4も互いに独立し、R3及びR4の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R5は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、g及びhはそれぞれ1〜150の整数であって、かつg+hの平均値は2〜300であり、iは1〜6の整数である。)
及び/又は下記一般式(5)
Figure 0006965840
(式(5)中、R6及びR7は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R6は互いに独立し、R7も互いに独立し、R6及びR7の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R8は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R9は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。j及びkはそれぞれ1〜150の整数であって、かつj+kの平均値は2〜300であり、lは1〜6の整数である。)
で示される直鎖状ポリフルオロ化合物である[2]又は[3]に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
[5]
前記(A)成分が下記構造から選ばれるものである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
Figure 0006965840
Figure 0006965840
[6]
前記(B)成分が下記構造から選ばれるものである[1]〜[5]のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
Figure 0006965840
Figure 0006965840
[7]
[1]〜[6]のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物。
[8]
前記被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物の硬化方式が付加硬化型である[7]に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物。
[9]
前記被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物のベースポリマーが、前記(D)成分であることを特徴とする[7]又は[8]に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物。
[10]
[7]〜[9]のいずれか1項に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物を有する電気・電子部品。
[11]
[7]〜[9]のいずれか1項に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物を有する光半導体装置。
[12]
[1]〜[6]のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を、ゴム硬化物又はゲル硬化物の表面に塗布、硬化させて、前記含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化被膜を形成する工程を有する該ゴム硬化物又はゲル硬化物の表面粘着性を低減する方法。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物は、上記(A)〜(C)成分を含有するため、加熱により、低粘着性で、且つ、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)との密着性に優れる硬化物となる。従って、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物でゴム硬化物又はゲル硬化物の表面を被覆することにより、該ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)の表面の粘着性を低下することができる。
したがって、粘着性の高い封止材であるゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)を用いた場合であっても、その表面を本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で被覆すれば、光半導体装置の製造工程の一つにあるバラ積みの状態からボウル型振動パーツフィーダを用いて一定の方向・姿勢に整列させる工程において、光半導体装置同士がくっついてしまうという問題が生じることなく、光半導体装置を整列させることができる。
テクスチャーアナライザーで測定される荷重曲線から粘着力を求める方法の説明図である。 本発明の光半導体装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1)で表される、一分子中に、ケイ素原子、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と、シロキサンを構成するケイ素原子に直結した1価の脂肪族不飽和炭化水素基とを有する環状オルガノポリシロキサンである。
Figure 0006965840
(式中、aは1〜4の整数、bは3〜6の整数、a+bは4〜10の整数、R1は互いに独立して、置換又は非置換の1価の炭化水素基、Aは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基、Dは互いに独立して、1価の脂肪族不飽和炭化水素基である。ただし、−(Si(A)(R1)O)−と−(Si(D)(R1)O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
上記一般式(1)中、aは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、bは3〜6の整数、好ましくは3〜5の整数、a+bは4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。
また、R1は、互いに独立した、置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換若しくは置換のアルキル基又はアリール基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。この中でも、メチル基が好ましい。
さらに、Aは、互いに独立した、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基であり、(B)成分との相溶性や分散性、及び硬化後の均一性、さらに、被覆するゴム硬化物又はゲル硬化物、特に、(D)成分をベースポリマーとするゴム硬化物又はゲル硬化物との濡れ性(親和性)等の観点から導入される基である。
Aが有するパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基としては、下記一般式(6)で表される1価のパーフルオロアルキル基及び一般式(7)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基が挙げられる。
m2m+1− (6)
(式中、mは1〜10の整数、好ましくは3〜7の整数である。)
Figure 0006965840
(式中、nは1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である。)
また、Aのケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、非置換若しくは置換の、炭素数2〜13、特に炭素数2〜8の炭化水素基であることが好ましい。具体的には、アルキル基、アリール基及びそれらの組み合わせ、あるいはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、及びジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基からなる群より選ばれる1種又は2種以上の構造等を介在させたものが例示できる。例えば、
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH2CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−N(CH(CH32)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−、
−CH2CH2−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−Si(CH32−Ph’−N(CH3)−CO−
(但し、Phはフェニル基、Ph’はフェニレン基である。また、両端の結合手「−」のうちの一つは、上記1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基と結合するものである。)
等の炭素数2〜13のものが挙げられる。
また、Dは、互いに独立した、1価の脂肪族不飽和炭化水素基であり、具体的には、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、デセニル基等の脂肪族不飽和鎖状炭化水素基(鎖状アルケニル基など)、特には、CH2=CH−で示される末端オレフィン構造(外部オレフィン構造)を有する鎖状アルケニル基等が挙げられる。この中でも、ビニル基又はアリル基が好ましい。
このような(A)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 0006965840
Figure 0006965840
上記(A)成分の中でも、製造の簡便さの点から、下記構造のものが好ましい。
Figure 0006965840
Figure 0006965840
尚、この(A)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
[(B)成分]
(B)下記一般式(2)で表される、一分子中に、シロキサンを構成するケイ素原子に直結した水素原子と、ケイ素原子、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでもよい2価の炭化水素基を介してシロキサンを構成するケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基とを有する環状オルガノポリシロキサンである。
Figure 0006965840
(式中、cは3〜6の整数、dは1〜4の整数、c+dは4〜10の整数、R2は互いに独立して、置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。ただし、−(Si(H)(R2)O)−と−(Si(E)(R2)O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
上記一般式(2)中、cは3〜6の整数、好ましくは3〜5の整数、dは1〜4の整数、好ましくは1〜3の整数、c+dは4〜10の整数、好ましくは4〜8の整数である。
また、R2は、互いに独立した、置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、上述したR1と同様の基が挙げられ、メチル基が好ましい。
さらに、Eは、互いに独立した、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基であり、上述したAと同様の基が挙げられる。
このような(B)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 0006965840
Figure 0006965840
上記(B)成分の中でも、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の低粘着性の点から、下記構造のものが好ましい。
Figure 0006965840
Figure 0006965840
尚、この(B)成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
また、上記(B)成分の配合量は、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物中に含まれる1価の脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して、前記(B)成分中に含まれるケイ素原子に直結した水素原子(SiH基)が0.75〜1.5モルとなる量(モル比)であり、0.80〜1.3モルとなる量(モル比)がより好ましい。この場合特に、該組成物が任意成分である後述する(D)成分や、後述する(E)成分を含有しない場合には、(B)成分の配合量は(A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基に対する(B)成分中のSiH基が0.75〜1.5となる量(モル比)が好ましく、また該組成物が(D)成分や(E)成分を含有する場合には、(B)成分の配合量は、(A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基と(D)成分のアルケニル基及び/又は(E)成分のアルケニル基の合計量に対する(B)成分中のSiH基が0.75〜1.5となる量(モル比)が好ましい。SiH基が0.75モルより少ないと、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物が十分に硬化しないおそれがある。一方1.5モルより多いと、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化させた時に発泡するおそれがある。
[(C)成分]
(C)成分である白金族金属系触媒は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物中に含まれる1価の脂肪族不飽和炭化水素基、特には(A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基及び(D)成分中のアルケニル基と、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物中に含有されるSiH基、特には(B)成分のSiH基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属又はその化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
白金化合物としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、白金とアルコール又はビニルシロキサンとの錯体、及び、シリカ、アルミナ、カーボン等に担持した金属白金等を挙げることができる。白金又はその化合物以外の白金族金属系触媒として、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物も知られており、例えば、RhCl(PPh33、RhCl(CO)(PPh32、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh32、Pd(PPh34等を例示することができる。なお、前記式中、Phはフェニル基である。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を均一に硬化させるためには、塩化白金酸や上記錯体及び上記化合物を、例えば、トルエンやエタノール等の適切な溶剤に溶解させて使用することが好ましい。また、このように溶剤に溶解させたものを、さらに(D)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物に相溶させて使用することも好ましい。
(C)成分の配合量は、ヒドロシリル化反応触媒としての有効量であり、通常、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物全体の質量に対して(即ち、本発明の組成物が(A)〜(C)成分のみからなる場合には、(A)〜(C)成分の質量の合計に対して、また、本発明の組成物が(A)〜(C)成分に、更に後述する(D)成分、(E)成分及び/又はその他の任意成分を含有する場合には、(A)〜(C)成分の質量及び任意成分の質量の合計に対して)、0.1〜2,000ppm、好ましくは1.0〜1,000ppm(白金族金属原子の質量換算)であるが、希望する硬化速度に応じて適宜増減することができる。
このような、上記(A)〜(C)成分を全て含有する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物であれば、これを硬化させて得られる硬化物は低粘着性であり、且つ、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)との密着性に優れている。従って、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物を該組成物の硬化物で被覆すれば、その表面の粘着性を大きく低下させることができる。
[(D)成分]
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物は、任意成分として下記(D)成分を含有するものであることが好ましい。
(D)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を分子鎖末端に有し、さらに主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有し、且つアルケニル基含有量が0.005〜0.3mol/100gである直鎖状ポリフルオロ化合物であり、被覆されるゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)、中でも(D)成分をベースポリマーとする含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物に対する、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の濡れ性(親和性)を向上させるものである。
上記(D)成分に含まれるアルケニル基としては、炭素数2〜8、特に炭素数2〜6で、かつ末端にCH2=CH−構造を有するものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられ、中でもビニル基やアリル基が特に好ましい。
(D)成分の直鎖状ポリフルオロ化合物のアルケニル基含有量は、0.005〜0.3mol/100gが好ましく、さらに好ましくは0.007〜0.2mol/100gである。該アルケニル基含有量が0.005mol/100g以上であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の架橋度合いが十分となり硬化不具合が生じるおそれがない。一方、該アルケニル基含有量が0.3mol/100g以下であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の機械的特性が損なわれるおそれがない。
(D)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造は、
−Co2oO− (8)
(式(8)中、oは1〜6の整数である。)
で表される繰り返し単位を多数含むものであり、例えば下記一般式(3)で表されるもの等が挙げられる。
−(Ce2eO)f− (3)
(式(3)中、eは1〜6の整数であり、fは1〜300の整数、好ましくは1〜200の整数である。)
上記−Ce2eO−で表される繰り返し単位としては、例えば下記式で表される単位等が挙げられる。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF32O−
これらの中では、特に下記式で表される繰り返し単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
なお、(D)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造は、上記繰り返し単位の1種で構成されてもよいし、2種以上の組み合わせで構成されてもよい。
(D)成分の好ましい例としては、下記一般式(4)及び下記一般式(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物が挙げられる。
Figure 0006965840
(式(4)中、R3及びR4は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R3は互いに独立し、R4も互いに独立し、R3及びR4の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R5は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、g及びhはそれぞれ1〜150の整数であって、かつg+hの平均値は2〜300であり、iは1〜6の整数である。)
Figure 0006965840
(式(5)中、R6及びR7は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R6は互いに独立し、R7も互いに独立し、R6及びR7の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R8は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R9は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。j及びkはそれぞれ1〜150の整数であって、かつj+kの平均値は2〜300であり、lは1〜6の整数である。)
上記一般式(4)において、R3及びR4に含まれるアルケニル基としては、上記(A)成分に含まれる脂肪族不飽和炭化水素基のうちアルケニル基として例示したものと同じものが挙げられ、該アルケニル基以外の非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12のものが好ましく、特に炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した1価の炭化水素基などが挙げられる。R3及びR4としては、中でもビニル基、アリル基、メチル基及びエチル基が特に好ましい。
5に含まれる非置換若しくは置換の1価の炭化水素基としては、上述したR3及びR4の非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基の例示と同様の基が挙げられる。R5としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
また、g及びhはそれぞれ1〜150の整数が好ましく、より好ましくは1〜100の整数であって、かつg+hの平均値は2〜300が好ましく、より好ましくは2〜200である。また、iは1〜6の整数が好ましく、より好ましくは1〜4の整数である。
次に、上記一般式(5)において、R6及びR7は、上述したR3及びR4と同様の基が挙げられる。
8は炭素数1〜6、好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等が挙げられ、特にエチレン基及びプロピレン基が好ましい。
9は、互いに独立に水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基であり、フッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、これらの基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基、例えばトリフルオロメチル基等が挙げられる。この中でも、水素原子が好ましい。
また、j及びkは上述したg及びhと同様であり、lは上述したiと同様である。
上記一般式(4)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。
Figure 0006965840
(式中、p及びqはそれぞれ1〜150の整数である。)
Figure 0006965840
(式中、r及びsはそれぞれ1〜150の整数である。)
Figure 0006965840
(式中、t及びuはそれぞれ1〜150の整数である。)
また、上記一般式(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006965840
(式中、v及びwはそれぞれ1〜150の整数である。)
Figure 0006965840
(式中、x及びyはそれぞれ1〜150の整数である。)
なお、本発明において、粘度は回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ等)により測定することができるが、特に、上記一般式(4)及び(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の粘度(23℃)は、JIS K7117−1に規定された粘度測定で、500〜100,000mPa・s、特に1,000〜50,000mPa・sが好ましい。該粘度が500mPa・s以上であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の保存安定性が悪くなるおそれがなく、100,000mPa・s以下であれば、得られる組成物の伸展性が悪くなるおそれがない。
また、主鎖のパーフルオロポリエーテル構造を構成するパーフルオロオキシアルキレン単位の繰り返し数などが反映される直鎖状ポリフルオロ化合物の重合度(又は分子量)は、例えば、フッ素系溶剤を展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
これらの直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。即ち、上記一般式(4)又は(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の中で、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することが可能であり、さらに上記一般式(4)及び(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物を組み合わせて使用することもできる。
上記(D)成分を本発明の組成物に配合する場合、その配合量は、好ましくは(A)成分100質量部に対して0.1〜400質量部、より好ましくは1.0〜300質量部である。0.1質量部以上の場合、被覆される各種ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)、中でも(D)成分をベースポリマーとする含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物に対する、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の濡れ性(親和性)を向上させるのに十分な効果が得られるため好ましい。一方、400質量部以下の場合、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の低粘着性を損なうことがないため好ましい。
[その他の成分]
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物には、その実用性を高めるために、上記の(A)〜(D)成分以外にも、任意成分として、ヒドロシリル化付加反応制御剤、無機質充填剤、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤((E)成分)等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で任意である。
ヒドロシリル化付加反応制御剤の例としては、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレン性アルコール;上記一般式(6)で表される1価のパーフルオロアルキル基、又は上記一般式(7)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するクロロシランとアセチレン性アルコールとの反応物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン;トリアリルイソシアヌレート;ポリビニルシロキサン;有機リン化合物等が挙げられ、その添加により硬化反応性と保存安定性を適度に保つことができる。
無機質充填剤の例としては、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ又は乾式シリカ)、沈降性シリカ(湿式シリカ)、球状シリカ(溶融シリカ)、ゾルゲル法シリカ、シリカエアロゲル等のシリカ粉末、又は該シリカ粉末の表面を各種のオルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン等で処理してなるシリカ粉末、さらに該表面処理シリカ粉末を、上記一般式(6)で表される1価のパーフルオロアルキル基、又は上記一般式(7)で表される1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するオルガノシラン又はオルガノシロキサンで再処理してなるシリカ粉末等のシリカ系補強性充填剤、石英粉末、溶融石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の補強性又は準補強性充填剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、アルミン酸コバルト等の無機顔料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン等の耐熱性向上剤、アルミナ、窒化硼素、炭化珪素、金属粉末等の熱伝導性付与剤、カーボンブラック、銀粉末、導電性亜鉛華等の導電性付与剤等が挙げられる。
可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤((E)成分)としては、下記一般式(9)、(10)で表される、分子中にアルケニル基を含有しない無官能性の、直鎖状ポリフルオロ化合物、及び/又は下記一般式(11)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物を用いることができる。
F−(CF2CF2CF2O)z−G (9)
(式(9)中、GはCa'2a'+1−(a’は1〜3の整数)で表される基であり、zは1〜500の整数であり、好ましくは2〜300の整数である。)
J−{(OCF(CF3)CF2b'−(OCF2CF2c'−(OCF2d'}−O−J (10)
(式(10)中、Jは上記Gと同じであり、b’及びc’はそれぞれ0〜300の整数であり、好ましくは0〜150の整数である。但し、b’とc’が共に0の場合は除く。また、d’は1〜300の整数であり、好ましくは1〜150の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
Rf−(L)e'−CH=CH2 (11)
[式(11)中、Rfは下記一般式(12)
F−[CF(CF3)CF2O]f'−Cg'2g'− (12)
(式(12)中、f’は1〜200の整数、好ましくは1〜150の整数であり、g’は1〜3の整数である。)
で示される基であり、
Lは−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR10−M−〔なお、これら各基は、左端がRfに、右端が炭素原子に結合される。また、R10は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基であり、Mは−CH2−、下記構造式(13)で示される基又は下記構造式(14)で示される基である。
Figure 0006965840
(o位、m位又はp位で示されるジメチルフェニルシリレン基であり、左端が窒素原子に、右端が炭素原子に結合される。)
Figure 0006965840
(左端が窒素原子に、右端が炭素原子に結合される。)〕であり、
e’は0又は1である。]
上記一般式(9)又は(10)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
F−(CF2CF2CF2O)h'−CF2CF3
(h’は1〜200の整数である。)
CF3−{(OCF(CF3)CF2i'−(OCF2j'}−O−CF3
(i’は1〜200の整数、j’は1〜200の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
CF3−{(OCF2CF2k'−(OCF2l'}−O−CF3
(k’は1〜200の整数、l’は1〜200の整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
上記一般式(9)又は(10)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
上記一般式(11)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。なお、下記式において、Meはメチル基を示す。
Figure 0006965840
(ここで、m’は1〜200の整数である。)
上記一般式(11)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)〜(C)成分、さらに(D)成分や(E)成分などの任意成分を均一に混合することによって製造することができる。その際、必要に応じて、プラネタリーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキサー等の混合装置、さらにニーダー、三本ロール等の混練装置を使用することができる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の構成に関しては、上記(A)〜(C)成分、さらに(D)成分や(E)成分などの任意成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは、2液タイプとし、使用時に両者を混合するようにしてもよい。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物は、表面粘着性の高い各種のゴム硬化物又はゲル硬化物(例えば、パーフルオロポリエーテル構造を主鎖構造に有するベースポリマーを架橋させてなるパーフルオロポリエーテル系ゴム硬化物等の含フッ素ゴム硬化物やパーフルオロポリエーテル系ゲル硬化物等の含フッ素ゲル硬化物など)の表面に塗布、硬化させて、該ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)の表面に前記含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化被膜(例えば、膜厚が1〜100μm、好ましくは2〜30μm程度の硬化被膜)を形成することによって、該ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)の表面粘着性を有効に低減することができる。
なお、本発明において「ゴム硬化物」とは、通常、JIS K 6249又はJIS K6253に準拠したA型硬度計によるゴム硬度測定において、硬さ(JIS A硬度)が1〜80、好ましくは5〜70程度のゴム状の弾性体を意味するものであり、「ゲル硬化物」とは、通常、上記のJIS A硬度計において、硬さ(即ち、ゴム硬度)が0であって、有効なゴム硬度を有さない程柔らかくかつ低弾性(低応力性)の硬化物(非弾性体)であり、好ましくは、JIS K2220(1/4コーン)による針入度が10〜100程度のものを意味する。
なお、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を各種ゴム硬化物又はゲル硬化物に塗布するに当たり、該組成物をそのまま使用してもよいが、該組成物を適当な溶剤に所望の濃度で溶解して使用してもよい。該溶剤としては、特に限定されないが、トルエン、テトラヒドロフラン、モノエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ベンゾトリフルオライド、2−フルオロベンゾトリフルオライド、3−フルオロベンゾトリフルオライド、4−フルオロベンゾトリフルオライド、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、4−(トリフルオロメチル)トルエン、パーフルオロイソプロピルベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタンなどのハイドロフルオロエーテル(HFE)系溶剤(3M社製、商品名:Novecシリーズ)、完全フッ素化された化合物で構成されているパーフルオロ系溶剤(3M社製、商品名:フロリナートシリーズ)などが挙げられる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の各種ゴム硬化物又はゲル硬化物への塗布方法としては、ディップコート、スプレーコート、刷毛塗り、ナイフコート、ロールコート、フローコータなどが挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。尚、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を各種ゴム硬化物又はゲル硬化物に塗布する前に、該ゴム硬化物又はゲル硬化物の表面の汚れ等を洗浄などにより除去することが好ましい。洗浄方法としては、水や洗剤、有機溶剤などによる洗浄の他、UV洗浄、オゾンUV洗浄、酸素プラズマ洗浄、アルゴンプラズマ洗浄などが挙げられる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物へ塗布した後、硬化させる温度は、50℃以上200℃以下、好ましくは80℃以上180℃以下である。50℃以上であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物が良好に硬化し、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)への密着性も良好となる。一方、200℃以下であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物が分解するおそれがない。また、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化時間は、硬化温度や被覆するゴム硬化物又はゲル硬化物への塗布量によって、硬化反応及び該ゴム硬化物又はゲル硬化物との密着が完了する時間を適宜選択すればよいが、一般的には、10分〜10時間が好ましく、20分〜5時間がより好ましい。10分以上であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化させ、ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)に密着させることができる。一方、10時間以下であれば、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の機械的特性が損なわれるおそれがない。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の粘着力は、テクスチャーアナライザーを用いて、次の測定条件にて測定することができる。
[測定条件]
・測定装置:Stable Micro System社製Texture Analyzer TA.XTplus
・プローブ:直径6mmの円柱プローブ(P/0.25、1/4” Cyl.Stainless)
・テストモード:Compression
・ターゲットモード:Distance
・プローブの下降スピード:1.0mm/秒
・測定を開始する荷重:5.0g
・測定試料への進入スピード:1.0mm/秒
・測定試料への進入距離:0.5mm
・測定試料へ進入後のプローブの上昇スピード:10.0mm/秒
・測定温度:23℃
・測定試料の厚さ:2mm
すなわち、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる2mm厚の硬化物に対して、23℃雰囲気下、直径6mmの円柱プローブを1.0mm/秒で下降させて硬化物に接触させた後、5.0gの荷重がかかるまで1.0mm/秒で下降させてから、さらに0.5mm侵入させ、その後該円柱プローブを10.0mm/秒で上昇させたとき、荷重0の点から負の荷重最大値となる点を「粘着力」とする。
この粘着力は、図1に示したテクスチャーアナライザーで測定される荷重曲線において、前記測定条件でプローブを本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物から引き上げたときの、負の荷重最大値(X)として示される。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の該粘着力は、30g以下(0〜30g)であることが必要であり、25g以下(0〜25g)がより好ましい。30gを超える場合、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)同士が接触すると、くっついてしまうおそれがある。
なお、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物(硬化被膜)の該粘着力を30g以下とするためには、上記(A)、(B)、(C)成分の所定量をそれぞれ所定の配合比率で併用することが必要であるが、該粘着力は、更に(A)成分の分子構造、(B)成分の分子構造、その他、任意成分として配合し得る(D)成分等の分子構造やその配合量等の因子にも複合的に依存するものであり、該粘着力が上記範囲内となる様にこれらの因子を複合的に適宜選択することにより達成することができる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で被覆されるゴム硬化物又はゲル硬化物としては、特に限定されないが、シリコーンゴム、有機変性シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、パーフルオロポリエーテル系ゴム、シリコーンゲル、有機変性シリコーンゲル、フロロシリコーンゲル、ポリエチレンゲル、アクリルゲル、ウレタンゲル、ブタジエンゲル、イソプレンゲル、ブチルゲル、スチレンブタジエンゲル、フッ素ゲル、パーフルオロポリエーテル系ゲルなどが挙げられる。
また、該ゴム硬化物又はゲル硬化物の硬化方式は、特に制限されず、例えば、従来公知の縮合硬化型、付加硬化型、有機過酸化物による硬化型、放射線硬化型等が挙げられるが、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物との密着性の点から、付加硬化型が好ましい。
さらに、該ゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)に対する本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の濡れ性(親和性)、及び該ゴム硬化物又はゲル硬化物と本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物との密着性の点から、該ゴム硬化物又はゲル硬化物のベースポリマーは前記(D)成分であることが好ましい。
このようなゴム硬化物又はゲル硬化物として、特許文献2や6に記載された含フッ素ゲル組成物を硬化して得られる含フッ素ゲル硬化物や、特許文献8〜14に記載された含フッ素ゴム組成物を硬化して得られる含フッ素ゴム硬化物を挙げることができる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物は、加熱により硬化して、低粘着性で、且つ、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物との密着性に優れた硬化物を与えるため、該硬化物で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)は、その表面の粘着性を大きく低下させることができる。従って、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物(特には、含フッ素ゴム硬化物又は含フッ素ゲル硬化物)は、粘着性が問題で使用が困難であった電気・電子部品の部材として好適である。例えば、この様なゴム硬化物又はゲル硬化物は、LED、IC、LSI及び有機EL等の光半導体素子を保護する封止材として有用である。該光半導体素子を搭載した光半導体装置には、バラ積みの状態から、ボウル型振動パーツフィーダを用いて一定の方向・姿勢に整列させる工程があり、該光半導体素子の封止材に粘着性があると、該光半導体装置同士がくっついてしまい、整列させることができないという問題が生じる。そこで、該封止材の表面を本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で被覆すれば、その様な問題を解決することができる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で被覆された封止材(ゴム硬化物又はゲル硬化物)で光半導体素子が封止された光半導体装置の構造は、特に限定されない。本発明の光半導体装置は、光半導体素子と、光半導体素子を封止する封止材、さらに該封止材の表面を被覆する本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物を有するものであり、代表的な断面構造を図2に示す。
図2は、本発明に係る光半導体装置の一例を示すLEDランプの断面図である。光半導体装置(LEDランプ)1は、光半導体素子としてのLED3と、LED3を覆う様に設けられた封止材5とを備える光半導体装置1であって、封止材5の表面に、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物2が積層されている。また基板4には、Ag電極などの金属電極6が形成されており、ボンディングワイヤ7でLED3の電極端子(図示せず)と金属電極6とが電気的に接続されている。
ここで、LED3には、特に限定なく、従来公知のLEDに用いられる発光素子を用いることができる。このような発光素子としては、例えば、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法といった各種方法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に半導体材料を積層して作製したものが挙げられる。この場合の基板としては、各種材料を用いることができるが、例えばサファイア、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。これらのうち、結晶性の良好なGaNを容易に形成でき、工業的利用価値が高いという観点からは、サファイアを用いることが好ましい。
積層される半導体材料としては、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。これらのうち、高輝度が得られるという観点からは、窒化物系化合物半導体(InxGayAlzN)が好ましい。このような材料には付活剤等が含まれていてもよい。
発光素子の構造としては、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一あるいは多重量子井戸構造とすることもできる。
発光素子にはパッシベーション層を設けてもよいし、設けなくてもよい。
発光素子の発光波長は紫外域から赤外域まで種々のものを用いることができる。
用いる発光素子は1種類で単色発光させてもよいし、複数用いて単色あるいは多色発光させてもよい。
発光素子には従来知られている方法によって電極端子を形成することができる。
発光素子上の電極端子は種々の方法で金属電極6と電気接続できる。電気接続部材としては、発光素子の電極端子とのオーミック性機械的接続性等がよいものが好ましく、例えば、図2に記載したような、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤ7が挙げられる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤等を用いることもできる。これらのうち、作業性が良好であるという観点からは、アルミニウム線あるいは金線を用いることが好ましい。
基板4は種々の材料を用いて作製することができ、例えば、ポリフタル酸アミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ABS樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。これらのうち、耐熱性、強度及びコストの観点から、特にポリフタル酸アミド(PPA)が好ましい。さらに、上記パッケージ基板8には、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料などを混合して、光の反射率を向上させることが好ましい。
封止材5は、LED3からの光を効率よく外部に透過させると共に、外力、埃などからLED3やボンディングワイヤ7などを保護するものであり、透明なものが好ましい。ただし、該透明性に影響を与えない範囲で、反応抑制剤、着色剤、難燃性付与剤、耐熱性向上剤、可塑剤、補強性シリカ、接着性付与剤等を添加してもよい。また、蛍光物質や光拡散部材などを含有してもよい。封止材5としては、従来用いられてきたものを使用することができ、シリコーンゴムや有機変性シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゲル、有機変性シリコーンゲル、フロロシリコーンゲル、フッ素ゲルなどが挙げられる。中でも、硬化方式が付加硬化型であるゴム又はゲルが、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物との密着性の点から好ましい。
封止材5の表面の粘着性を低下させる目的で、該表面に、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物2が積層されている。
光半導体装置(LEDランプ)1の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、予め、AgメッキでAg電極などの金属電極6が形成された基板4にLED3などの光半導体素子を接着剤で接合して、ワイヤボンディングによりLED3の電極端子(図示せず)と金属電極6とを電気的に接続しておき、この後、LED3が実装された基板4を必要に応じて清浄にしてから、封止材5の硬化前組成物をディスペンサー等で塗布し、加熱するなど、その硬化方式に沿った方法でゴム又はゲルに硬化させてLED3を封止する。そして、封止材5の表面に本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物をスプレーコート等で塗布し、加熱して硬化させることによって、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物2が封止材5と良好に密着し、封止材5の表面を被覆する。
このようにして得られた光半導体装置(LEDランプ)1は、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物2によって、封止材5の表面が被覆されているため、その表面の粘着性は非常に低い。従って、該光半導体装置(LEDランプ)1を、バラ積みの状態から、一定の方向・姿勢に整列させるためにボウル型振動パーツフィーダを用いても、該光半導体装置(LEDランプ)1同士がくっつくことなく、整列させることができる。
尚、上記実施形態では、光半導体素子の一例としてLEDを用いて説明したが、これ以外に、例えば、フォトトランジスタ、フォトダイオード、CCD、太陽電池モジュール、EPROM、フォトカプラなどに適用することもできる。
本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物は、加熱により硬化して、低粘着性で、且つ、各種ゴム硬化物又はゲル硬化物との密着性に優れる硬化物を与えることができるため、この硬化物により被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物は、表面の粘着性を非常に小さくすることができる。この様なゴム硬化物又はゲル硬化物は、低粘着性が要求される電気・電子部品の部材として有用であり、例えば、光半導体装置の光半導体素子を保護するための封止材として好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。尚、下記の例において、部は質量部を示し、Meはメチル基を示す。また(D)成分の粘度は、JIS K6249に準拠した23℃における測定値である。
[実施例1〜12、比較例1〜2及び参考例1〜2]
下記実施例、比較例に用いられる(A)〜(E)成分を下記に示す。
(A)成分
(A−1):下記式(15)で示される環状オルガノポリシロキサン(ビニル基含有量0.00451モル/g)
Figure 0006965840
(A−2):下記式(16)で示される環状オルガノポリシロキサン(ビニル基含有量0.00357モル/g)
Figure 0006965840
(B)成分
(B−1):下記式(17)で示される環状オルガノポリシロキサン(SiH基含有量0.00605モル/g)
Figure 0006965840
(B−2):下記式(18)で示される環状オルガノポリシロキサン(SiH基含有量0.00486モル/g)
Figure 0006965840
(C)成分
(C−1):塩化白金酸のノルマルブタノール溶液(白金原子濃度2.0質量%)
(D)成分
(D−1): 下記式(19)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度4,010mPa・s、ビニル基量0.0304モル/100g)
Figure 0006965840
(但し、n’及びo’は1以上の整数であり、n’+o’の平均値は35である。)
(D−2):下記式(20)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度4,080mPa・s、ビニル基量0.0889モル/100g)
Figure 0006965840
(但し、p’及びq’は1以上の整数であり、p’+q’の平均値は35である。)
(D−3):下記式(21)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度4,050mPa・s、ビニル基量0.0301モル/100g)
Figure 0006965840
(但し、r’及びs’は1以上の整数であり、r’+s’の平均値は35である。)
(D−4):下記式(22)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度4,100mPa・s、ビニル基量0.0901モル/100g)
Figure 0006965840
(但し、t’及びu’は1以上の整数であり、t’+u’の平均値は35である。)
(E)成分
(E−1):下記式(23)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(ビニル基量0.0230モル/100g)
Figure 0006965840
(但し、v’は1以上の整数であり、その平均値は25である。)
[実施例1〜12、比較例1〜2の組成物の調製及び硬化物の作製]
実施例1〜12及び比較例1〜2において、上記(A)〜(E)成分を表1〜4に示す所定の量を用いて、下記の様に調製して得られた組成物を、150℃にて2時間加熱することにより2mm厚の硬化物を作製した。
そして、下記方法に従って、該硬化物の粘着力を測定した。結果を表1〜4に示す。また、参考例1〜2として、後述する「封止材用ゴム硬化物1」又は「封止材用ゲル硬化物1」の粘着力も、同様の方法により測定した。結果を表5に示す。
[粘着力の測定]
上記で得た2mm厚のシート状硬化物に対して、テクスチャーアナライザー(Stable Micro System社製Texture Analyzer TA.XTplus)を用いて、次の測定条件にて荷重を測定し、荷重曲線を得た。そして、図1に示す様に、荷重曲線から粘着力を求めた。尚、測定は3回行い、表1〜5にはその平均値を示した。
・テストモード:Compression
・ターゲットモード:Distance
・プローブの下降スピード:1.0mm/秒
・測定を開始する荷重:5.0g
・測定試料への進入スピード:1.0mm/秒
・測定試料への進入距離:0.5mm
・測定試料へ進入後のプローブの上昇スピード:10.0mm/秒
・測定温度:23℃
さらに、図2の形態と同様の構成を持った光半導体装置において、上記で得た各組成物をフッ素系溶剤Novec7200(3M社製)で希釈して20質量%の濃度に調整した溶液を、下記の封止材用ゴム組成物1又は封止材用ゲル組成物1の硬化物からなる封止材5の表面にスプレー塗布し、150℃にて2時間加熱することにより、上記で得た組成物を硬化して得られた硬化物が20μmの厚さで封止材5の表面を被覆した光半導体装置を作製した。
そして、該光半導体装置10,000個をボウル型振動パーツフィーダにかけて整列させた後、該光半導体装置同士でくっついた個数を数えた。該個数が0個の場合を○、2〜9個を△、10個以上を×と評価した結果を表6〜13に示す。
なお、比較例1、2については、評価を行うに足りる硬化物が得られなかったため、光半導体装置同士の粘着性(ブロッキング性)に関する評価試験自体を行わなかった。
尚、封止材5は、下記の様に調製して得られた組成物(下記「封止材用ゴム組成物1」又は「封止材用ゲル組成物1」)を、LED3が浸漬するように、基板4の凹部に注入し、150℃にて1時間加熱することにより得られた硬化物(下記「封止材用ゴム硬化物1」又は「封止材用ゲル硬化物1」)である。また、表14の参考例1〜2は、「封止材用ゴム硬化物1」又は「封止材用ゲル硬化物1」の表面を何も被覆せずに評価したときの結果である。
[封止材用ゴム組成物1の調製]
上記(D−1)の直鎖状ポリフルオロ化合物100質量部に、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金原子濃度0.5質量%)0.05質量部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンの60%トルエン溶液0.20質量部、下記式(24)で示される含フッ素オルガノ水素ポリシロキサン(SiH基量0.000657モル/g)50.9質量部、及び下記式(25)で示される含フッ素オルガノ水素ポリシロキサン2.0質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより封止材用ゴム組成物1を調製した。該組成物1を150℃にて1時間加熱することにより得られた封止材用ゴム硬化物1の硬さは、JIS K6253−3:2012に規定されるタイプAデュロメータで32であった。また、該封止材用ゴム硬化物1の上述の粘着力は、189gであった。
Figure 0006965840
(但し、w’は1以上の整数であり、w’の平均値は25である。)
Figure 0006965840
[封止材用ゲル組成物1の調製]
下記式(26)で示される直鎖状ポリフルオロ化合物(粘度10,900mPa・s、ビニル基量0.0120モル/100g)40.0質量部に、上記(E−1)の直鎖状ポリフルオロ化合物35.0質量部、デムナムS−65(ダイキン工業社製)25.0部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.15質量部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンの60%トルエン溶液0.15質量部、及び上記式(24)で示される含フッ素オルガノ水素ポリシロキサン20.5質量部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより封止材用ゲル組成物1を調製した。該組成物1を150℃にて1時間加熱することにより得られた封止材用ゲル硬化物1の、JIS K2220に準拠した針入度は68であった。また、該封止材用ゲル硬化物1の上述の粘着力は、102gであった。
Figure 0006965840
(但し、x’及びy’は1以上の整数であり、x’+y’の平均値は90である。)
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
Figure 0006965840
表1〜5をみると、実施例1〜12の組成物を硬化して得られる硬化物は、30g以下の粘着力であり、低い粘着性を示した。一方、比較例1の組成物を硬化して得られる硬化物は油状となったため、粘着力を測定できなかった。また、比較例2の組成物は、加熱硬化中に発泡してしまい、ボイドを含んだゴム硬化物となったため、粘着力を測定できなかった。さらに、参考例1の封止材用ゴム硬化物1と参考例2の封止材用ゲル硬化物1の粘着力は100gを超える値となり、非常に高い粘着性を示した。尚、比較例1及び比較例2は(B)成分の配合量が本発明の要件を満たしていない。
次に、表14をみると、参考例1の封止材用ゴム硬化物1又は参考例2の封止材用ゲル硬化物1の表面を何も被覆していない光半導体装置は、ボウル型振動パーツフィーダにかけると、互いにくっついた個数は10個以上であった。しかし、表6〜12をみると、上記封止材用ゴム硬化物1又は封止材用ゲル硬化物1を実施例1〜12の組成物を硬化して得られる硬化物で被覆した光半導体装置は、ボウル型振動パーツフィーダにかけても、互いにくっつくことなく整列させることができた。
上記の結果から、粘着性の高いゴム硬化物又はゲル硬化物を、本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物で被覆すれば、粘着性を非常に低くできることが明らかであり、この様に表面が低粘着性となった硬化物は、光半導体素子の封止材として有効であることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 光半導体装置(LEDランプ)
2 本発明の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を硬化して得られる硬化物
3 LED
4 基板
5 封止材
6 金属電極
7 ボンディングワイヤ

Claims (17)

  1. (A)下記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサン:100質量部
    Figure 0006965840
    (式中、aは1〜4の整数、bは3〜6の整数、a+bは4〜10の整数、R1は互いに独立して、置換又は非置換の1価の炭化水素基、Aは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基、Dは互いに独立して、1価の脂肪族不飽和炭化水素基である。ただし、−(Si(A)(R1)O)−と−(Si(D)(R1)O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
    (B)下記一般式(2)で表される環状オルガノポリシロキサン、
    Figure 0006965840
    (式中、cは3〜6の整数、dは1〜4の整数、c+dは4〜10の整数、R2は互いに独立して、置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。ただし、−(Si(H)(R2)O)−と−(Si(E)(R2)O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。) 及び
    (C)白金族金属系触媒:組成物全体の質量に対して白金族金属原子換算で0.1〜2,000ppm、
    を含有する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物であって、
    前記(B)成分の配合量は、本組成物中に含まれる1価の脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して、前記(B)成分中に含まれるケイ素原子に直結した水素原子が0.75〜1.5モルとなる量であり、
    かつ、該組成物を硬化して得られる2mm厚の硬化物に、23℃雰囲気下、テクスチャーアナライザーを用いて、直径6mmの円柱プローブを1.0mm/秒で下降させて硬化物に接触させた後、5.0gの荷重がかかるまで1.0mm/秒で下降させてから、さらに0.5mm侵入させ、その後該円柱プローブを10.0mm/秒で上昇させたときの粘着力が30g以下である硬化被膜を与えるものである含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物
  2. 含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物が、さらに、(A)成分100質量部に対して、(D)成分として、1分子中に2個以上のアルケニル基を分子鎖末端に有し、さらに主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有し、且つアルケニル基含有量が0.005〜0.3mol/100gである直鎖状ポリフルオロ化合物:0.1〜400質量部
    を含有するものである請求項1に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物
  3. 前記(D)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(3)
    −(Ce2eO)f− (3)
    (式(3)中、eは1〜6の整数であり、fは1〜300の整数である。)
    で表わされる構造を含むものである請求項2に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物
  4. 前記(D)成分が、下記一般式(4)
    Figure 0006965840
    (式(4)中、R3及びR4は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R3は互いに独立し、R4も互いに独立し、R3及びR4の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R5は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、g及びhはそれぞれ1〜150の整数であって、かつg+hの平均値は2〜300であり、iは1〜6の整数である。)
    及び/又は下記一般式(5)
    Figure 0006965840
    (式(5)中、R6及びR7は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R6は互いに独立し、R7も互いに独立し、R6及びR7の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R8は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R9は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。j及びkはそれぞれ1〜150の整数であって、かつj+kの平均値は2〜300であり、lは1〜6の整数である。)
    で示される直鎖状ポリフルオロ化合物である請求項2又は3に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物
  5. 前記(A)成分が下記構造から選ばれるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物
    Figure 0006965840
    Figure 0006965840
  6. 前記(B)成分が下記構造から選ばれるものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化物で表面が被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物
    Figure 0006965840
    Figure 0006965840
  7. 前記被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物の硬化方式が付加硬化型である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物。
  8. 前記被覆されたゴム硬化物又はゲル硬化物のベースポリマーが、前記(D)成分であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物を有する電気・電子部品。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム硬化物又はゲル硬化物を有する光半導体装置。
  11. (A)下記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサン:100質量部
    Figure 0006965840
    (式中、aは1〜4の整数、bは3〜6の整数、a+bは4〜10の整数、R 1 は互いに独立して、置換又は非置換の1価の炭化水素基、Aは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基、Dは互いに独立して、1価の脂肪族不飽和炭化水素基である。ただし、−(Si(A)(R 1 )O)−と−(Si(D)(R 1 )O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
    (B)下記一般式(2)で表される環状オルガノポリシロキサン、
    Figure 0006965840
    (式中、cは3〜6の整数、dは1〜4の整数、c+dは4〜10の整数、R 2 は互いに独立して、置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。ただし、−(Si(H)(R 2 )O)−と−(Si(E)(R 2 )O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。) 及び
    (C)白金族金属系触媒:組成物全体の質量に対して白金族金属原子換算で0.1〜2,000ppm、
    を含有する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物であって、
    前記(B)成分の配合量は、本組成物中に含まれる1価の脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して、前記(B)成分中に含まれるケイ素原子に直結した水素原子が0.75〜1.5モルとなる量であり、
    かつ、該組成物を硬化して得られる2mm厚の硬化物に、23℃雰囲気下、テクスチャーアナライザーを用いて、直径6mmの円柱プローブを1.0mm/秒で下降させて硬化物に接触させた後、5.0gの荷重がかかるまで1.0mm/秒で下降させてから、さらに0.5mm侵入させ、その後該円柱プローブを10.0mm/秒で上昇させたときの粘着力が30g以下である硬化被膜を与えるものである含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物を、ゴム硬化物又はゲル硬化物の表面に塗布、硬化させて、前記含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化被膜を形成する工程を有する、該ゴム硬化物又はゲル硬化物の表面粘着性を低減する方法。
  12. (A)下記一般式(1)で表される環状オルガノポリシロキサン:100質量部
    Figure 0006965840
    (式中、aは1〜4の整数、bは3〜6の整数、a+bは4〜10の整数、R 1 は互いに独立して、置換又は非置換の1価の炭化水素基、Aは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基、Dは互いに独立して、1価の脂肪族不飽和炭化水素基である。ただし、−(Si(A)(R 1 )O)−と−(Si(D)(R 1 )O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。)
    (B)下記一般式(2)で表される環状オルガノポリシロキサン、
    Figure 0006965840
    (式中、cは3〜6の整数、dは1〜4の整数、c+dは4〜10の整数、R 2 は互いに独立して、置換又は非置換の1価炭化水素基、Eは互いに独立して、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を有し、ケイ素、酸素及び窒素から選ばれる原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。ただし、−(Si(H)(R 2 )O)−と−(Si(E)(R 2 )O)−の配列はランダムであってもブロックであってもよい。) 及び
    (C)白金族金属系触媒:組成物全体の質量に対して白金族金属原子換算で0.1〜2,000ppm、
    を含有する含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物であって、
    前記(B)成分の配合量は、本組成物中に含まれる1価の脂肪族不飽和炭化水素基1モルに対して、前記(B)成分中に含まれるケイ素原子に直結した水素原子が0.75〜1.5モルとなる量であり、
    かつ、該組成物を硬化して得られる2mm厚の硬化物に、23℃雰囲気下、テクスチャーアナライザーを用いて、直径6mmの円柱プローブを1.0mm/秒で下降させて硬化物に接触させた後、5.0gの荷重がかかるまで1.0mm/秒で下降させてから、さらに0.5mm侵入させ、その後該円柱プローブを10.0mm/秒で上昇させたときの粘着力が30g以下である硬化被膜を与えるものである含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物であって、
    該含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物をゴム硬化物又はゲル硬化物の表面に塗布、硬化させて、前記含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物の硬化被膜を形成する工程を有する、該ゴム硬化物又はゲル硬化物の表面粘着性を低減する方法に用いられるものである、含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
  13. さらに、(A)成分100質量部に対して、(D)成分として、1分子中に2個以上のアルケニル基を分子鎖末端に有し、さらに主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有し、且つアルケニル基含有量が0.005〜0.3mol/100gである直鎖状ポリフルオロ化合物:0.1〜400質量部
    を含有するものである請求項12に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
  14. 前記(D)成分が有するパーフルオロポリエーテル構造が、下記一般式(3)
    −(C e 2e O) f − (3)
    (式(3)中、eは1〜6の整数であり、fは1〜300の整数である。)
    で表わされる構造を含むものである請求項13に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
  15. 前記(D)成分が、下記一般式(4)
    Figure 0006965840
    (式(4)中、R 3 及びR 4 は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R 3 は互いに独立し、R 4 も互いに独立し、R 3 及びR 4 の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R 5 は互いに独立して、水素原子、又は非置換若しくは置換の1価の炭化水素基であり、g及びhはそれぞれ1〜150の整数であって、かつg+hの平均値は2〜300であり、iは1〜6の整数である。)
    及び/又は下記一般式(5)
    Figure 0006965840
    (式(5)中、R 6 及びR 7 は、アルケニル基、又は非置換若しくは置換の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基であり、R 6 は互いに独立し、R 7 も互いに独立し、R 6 及びR 7 の合計六つのうち二つ以上はアルケニル基である。R 8 は互いに独立して、炭素数1〜6のアルキレン基であり、R 9 は互いに独立して、水素原子又はフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。j及びkはそれぞれ1〜150の整数であって、かつj+kの平均値は2〜300であり、lは1〜6の整数である。)
    で示される直鎖状ポリフルオロ化合物である請求項13又は14に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
  16. 前記(A)成分が下記構造から選ばれるものである請求項12〜15のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
    Figure 0006965840
    Figure 0006965840
  17. 前記(B)成分が下記構造から選ばれるものである請求項12〜16のいずれか1項に記載の含フッ素ポリシロキサン硬化性組成物。
    Figure 0006965840
    Figure 0006965840
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