JP6965069B2 - ポリウレタン接着剤組成物、及びこれを用いて製作される中空糸膜モジュール - Google Patents

ポリウレタン接着剤組成物、及びこれを用いて製作される中空糸膜モジュール Download PDF

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Description

本発明は、蒸気滅菌や熱水殺菌洗浄を実施される医療用中空糸膜モジュールに好適に用いられるポリウレタン接着剤組成物、及びこれを用いて製作される中空糸膜モジュールに関する。
近年、中空糸を分離膜とした中空糸膜モジュールは、水処理膜などの産業分野、血液処
理などの医療分野などに多岐にわたって用いられている。特に家庭用浄水器、工業用浄水
器、人工腎臓、人工肺などの用途にあっては、その需要が極めて増大している。その中で
も、中空糸膜を集束した端部を接着固定する膜シール材として、常温での可撓性、接着性
、及び耐薬品性に優れているポリウレタン接着剤を用いることが、広く知られている。
非特許文献1には、医療用中空糸膜モジュールに用いられるポリウレタン接着剤の要求性能として、(1)基本的なシール性能を有すること、(2)最終硬化物の毒性が低いこと、(3)滅菌が可能なこと、(4)血栓形成を誘起しないこと、(5)溶出物質が無いこと、及び(6)中空糸膜モジュール製作加工性に優れていることであると記載されている。
非特許文献2には、医療分野において、透析液清浄化のために、エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)が設置されること、生菌やエンドトキシンなどの微生物学的汚染物質に関する透析用水や透析液の水質基準が定められていること、透析用水装置の保守管理のため定期的に装置やラインの熱水消毒が実施される場合があることが記載されている。
特許文献1には、ポリオール成分として、分子量が200以上、かつ、水酸基を含まないカルボン酸(b1)と、ヒマシ油及び/又はヒマシ油系変性ポリオール(b2)が含有されている硬化剤を用い、イソシアネート成分としてジフェニルメタンジイソシアネート及び/又はカルボジイミド変性体含有ジフェニルメタンジイソシアネートからなる主剤を使用することによって成型加工性を維持したまま、生産性を向上することが可能なポリウレタン系結束材組成物と、これを医療用中空糸膜モジュールのシール材に用いることが記載されている。
特許第5288324号公報
ポリウレタン応用技術(1993年11月30日初版発行)222頁(株式会社シーエムシー) 透析用水ガイドブック(2014年3月15日初版発行)(一般社団法人 膜分離技術振興協会)
本発明は、加水分解への耐久性に優れ、硬化反応時における接着剤組成物の流動可能時間(低粘度状態の時間)が十分に長い、ポリウレタン接着剤組成物、及びこれを用いて製作される中空糸膜モジュールを提供することを課題とする。
本発明は、(A)芳香族ポリイソシアネート及びその変性体から選ばれる1種以上(以下、(A)成分という)、及び(B)硬化剤(以下、(B)成分という)を含むポリウレタン接着剤組成物であって、
(B)成分中、(B1)2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8以上のポリオール化合物(以下、(B1)成分という)を50質量%以上含有し、
(A)成分と(B)成分との反応によって得られるポリウレタン接着剤硬化物の顕微フーリエ変換型赤外分光光度計(顕微FT−IR)測定において、1708〜1712cm−1の吸収ピークの透過率(Tu)に対する、1720〜1730cm−1の吸収ピークの透過率(Te)の比(Te/Tu)が0.9未満である、ポリウレタン接着剤組成物に関する。
また本発明は、ケースハウジング内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであって、
前記中空糸膜束の少なくとも一端部側と前記ケースハウジングの内壁面が、前記ポリウレタン接着剤組成物の硬化物で一体化されている中空糸膜モジュールに関する。
また本発明は、ケースハウジング内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記中空糸膜束の少なくとも一端部側と前記ケースハウジングの内壁面を、前記ポリウレタン接着剤組成物を使用して、接着して一体化する、中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
本発明によれば、加水分解への耐久性に優れ、硬化反応時における接着剤組成物の流動可能時間(低粘度状態の時間)が十分に長い、ポリウレタン接着剤組成物、及びこれを用いて製作される医療用中空糸膜モジュールが提供できる。
本発明のポリウレタン接着剤組成物は、(B)成分中、2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8以上のポリオール化合物である(B1)成分の割合が高いため、(A)成分との反応速度を抑制でき、(A)成分と(B)成分との硬化反応時おける接着剤組成物の流動可能時間(低粘度状態の時間)が十分に長く、中空糸膜を集束した膜モジュール接着硬化部において、全ての中空糸膜の接着部の厚みが均一でシール性が高く接着固定でき、中空糸膜の隅々まで接着剤組成物が行き渡らせることができるため、中空糸膜モジュールの蒸気滅菌や熱水殺菌洗浄におけるリーク頻度を大幅に低減できる。
また(B)成分中、2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8以上のポリオール化合物である(B1)成分の割合が高いことから疎水性が高く、またポリウレタン接着剤組成物中のエステル基(−C(=O)−O−)を有する化合物の含有量が少ないため、これを用いて製作された中空糸膜モジュールの接着硬化部の加水分解への耐久性が優れており、中空糸膜モジュール接着部のシール性を保持できるため、蒸気滅菌や熱水殺菌洗浄を長期間にわたり繰返し実施する、エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)などの医療用中空糸膜モジュール用として好適である。
<ポリウレタン接着剤組成物>
本発明の(A)成分は、芳香族ポリイソシアネート及びその変性体から選ばれる1種以上である。(A)成分は、特許3205977号公報などに記載されている公知の室温で液状である芳香族ポリイソシアネート変性体を用いることができる。芳香族ポリイソシアネートの変性体としては、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。
(A)成分は、成分全体として室温で液状であるように、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、及びこれらの変性体から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の(B)成分は、硬化剤である。(B)成分は、(B)成分中、(B1)2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8以上のポリオール化合物(以下、(B1)成分という)を50質量%以上含有する。
(B1)成分は、加水分解への耐久性の観点から、エステル基(−C(=O)−O−)を有せず、且つ2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8以上のポリオール化合物が好ましい。
本発明において、2級水酸基とは、水酸基が結合している炭素原子に2個の炭素原子が結合しているものをいう。また3級水酸基とは、水酸基が結合している炭素原子に3個の炭素原子が結合しているものをいう。
(B1)成分は、加水分解への耐久性の観点から、2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8〜22の脂肪族ポリオール化合物、及び2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数12〜22の脂肪酸と多官能アミン化合物の縮合反応物から選択される1種以上が好ましい。
2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8〜22の脂肪族ポリオール化合物としては、12−ヒドロキシステアリルアルコール(1,12−オクタデカンジオール)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、及び2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオールから選ばれる1種以上が挙げられる。
2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数12〜22の脂肪酸と多官能アミン化合物の縮合反応物としては、リシノール酸と多官能アミン化合物との多官能アミド縮合反応物が挙げられる。
(B1)成分は、12−ヒドロキシステアリルアルコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオール、及びリシノール酸と多官能アミン化合物との多官能アミド縮合反応物から選択される1種以上が好ましい。
また(B1)成分は、疎水性の観点から、12−ヒドロキシステアリルアルコールを含むことが好ましいが、B成分全体が室温で液状であるには、12−ヒドロキシステアリルアルコールへ2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどの他の(B1)成分を併用することがより好ましい。
本発明における(B)成分中の(B1)成分の割合は50質量%以上であり、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上がより更に好ましい。また(B)成分中の(B1)成分の割合は、100質量%であってもよい。
(B)成分中の(B1)成分の割合が50質量%を下回る場合は、本発明のポリウレタン接着剤組成物を使用して中空糸膜モジュールの接着硬化する際の流動可能時間が短くなったり、さらに接着硬化部の加水分解への耐久性が低下したりするなどの不具合が生じる。
(B)成分は、本発明の効果を損なわない範囲内において、(B2)成分として、(B1)成分以外の硬化剤を含有してもよい。
(B2)成分としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、1,10−デカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどの2官能アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3官能アルコール、ペンタエリスリトールなどの4官能アルコール、ダイマー酸ジオール、ひまし油系ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、液状ゴム系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミン化合物、アミノプロパノールなどのヒドロキシアミン化合物などが例示できる。
本発明のポリウレタン接着剤組成物中、(A)成分と(B)成分の合計含有量は、90〜100質量%が好ましく、95〜100質量%がより好ましく、また100質量%であってもよい。
本発明のポリウレタン接着剤組成物中、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量とのモル比(A/B)は、0.95〜1.10が好ましく、1.0〜1.05がより好ましい。
本発明のポリウレタン接着剤組成物は、優れた加水分解への耐久性を発現するために、以下の3点を留意して設計されたものである。
(1)該組成物に含まれる化合物の疎水性が高く、ポリウレタン接着剤組成物を硬化した際の硬化部物中に水分を浸透させない。
(2)該組成物中、エステル基(−C(=O)−O−)を有する化合物を含まない、もしくはその含有量が少ない。
(3)該組成物中、加水分解反応を促進する触媒成分を含まない、もしくはその含有量が少ない。
本発明のポリウレタン接着剤組成物を構成する、(B)成分は疎水性を高めることが好ましい。
(B)成分の主構成成分は、(B1)成分であり、炭素数が大きく疎水性が高いため、(B1)成分の配合割合を高めることが好ましい。
(B)成分の構成成分として、ポリエーテルポリオールなどの(B2)成分を含む場合は、(B)成分の疎水性が低下するため、使用する場合は、含有量を少なくすることが好ましい。
本発明のポリウレタン接着剤組成物において、エステル基(−C(=O)−O−)を有する化合物の含有率が小さいことが好ましい。
(A)成分の変性に用いる(B)成分に、ひまし油のようなエステル基(−C(=O)−O−)を含む化合物を余り多く用いないことが好ましい。
本発明のポリウレタン接着剤組成物は、チタン、錫、亜鉛、クロム、ニッケル、ジルコニウム、アルカリ金属などから選択される金属化合物を含んでいない方が好ましい。加水分解の触媒能があるためである。
本発明のポリウレタン接着剤組成物中、前記金属化合物の含有量は200ppm未満が好ましく、10ppm未満がより好ましい。
前記金属化合物の含有量は、ポリウレタン接着剤組成物を反応により硬化して得られるポリウレタン接着剤硬化物を分析する場合は、蛍光X線元素分析法や走査型電子顕微鏡によるエネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)によって測定できる。またポリウレタン接着剤組成物中の金属化合物の含有量を分析する場合、適正な精製溶媒を用い高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、高周波誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)によっても測定できる。
本発明のポリウレタン接着剤組成物に含まれるエステル基(−C(=O)−O−)を有する化合物の含有量は、ポリウレタン接着剤組成物を反応により硬化して得られるポリウレタン接着剤硬化物の顕微フーリエ変換型赤外分光光度計(顕微FT−IR)測定によって判断することが可能である。
本発明のポリウレタン接着剤硬化物の顕微フーリエ変換型赤外分光光度計(顕微FT−IR)測定において、ウレタン基(−O−C(=O)−NH−)の吸収ピークは、1708〜1712cm−1に、エステル基(−C(=O)−O−)の吸収ピークは、1720〜1730cm−1に現われるものと見なす。
本発明のポリウレタン接着剤組成物を反応により硬化して得られるポリウレタン接着剤硬化物において、前記ウレタン基の吸収ピークの透過率(Tu)に対するエステル基の吸収ピークの透過率(Te)の比(Te/Tu)が0.9未満であり、好ましくは0.8未満、より好ましくは0.7未満である。また1720〜1730cm−1のエステル基に由来する吸収ピークが確認できない場合、そのポリウレタン接着剤組成物中のエステル基を有する化合物の含有量が少ないことを示しているため、Te/Tuが本発明の範囲内であると見なすことができる。但し、1708〜1712cm−1のウレタン基に由来する吸収ピークの透過率が75〜90%の範囲内にあり、顕微フーリエ変換型赤外分光光度計(顕微FT−IR)測定における適正な測定条件範囲内にあることが必要である。
本発明のポリウレタン接着剤組成物は、(B)成分中、(B1)成分の含有量が多いことから、粘度の低い流動可能時間が十分に長い特徴を有する。
粘度の低い流動可能時間とは、(A)成分と(B)成分の液温を45℃に調整し、それらを接着剤組成物として適切な混合割合に均一混合した直後に、室温環境下に設置されたB型粘度計(ローターNO.1、回転数6rpm)での測定粘度(接着剤組成物の液温は45℃からは成り行き)が、均一混合後から4分間は200mPa・s以下を保ち、且つ均一混合後から8分間は400mPa・s以下を保つ状態を示す。
本発明のポリウレタン接着剤組成物を反応により硬化して得られるポリウレタン接着剤硬化物は、具体的には、(A)成分と(B)成分を混合して、本発明のポリウレタン接着剤組成物を室温化で調製し、好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは40℃〜50℃の温度条件下で、(A)成分と(B)成分とを反応・硬化させることにより好適に形成することができる。
また硬化反応後は、80℃〜120℃の温度条件下で、0.5〜5時間ポストベイクすることが好適である。
<中空糸膜モジュール及びその製造方法>
本発明の中空糸膜モジュールは、ケースハウジング内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであって、
前記中空糸膜束の少なくとも一端部側と前記ケースハウジングの内壁面が、本発明のポリウレタン接着剤組成物の硬化物で一体化されている中空糸膜モジュールである。
また本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、ケースハウジング内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記中空糸膜束の少なくとも一端部側と前記ケースハウジングの内壁面を、本発明のポリウレタン接着剤組成物を使用して、接着して一体化する、中空糸膜モジュールの製造方法である。
本発明の中空糸膜モジュールにおいて、ケースハウジング内に収容された中空糸膜束の一端部側又は両端部側とケースハウジングの内壁面を、本発明のポリウレタン接着剤組成物の硬化物で一体化させる方法としては、遠心接着法を適用できる。
遠心接着法(遠心成形法)は公知であり、特開昭52−38797号公報の第5図などにも遠心接着法(遠心成形法)の実施形態が図示されており、そのほかにも、特開昭51−93788号公報、特開昭61−171503号公報、特開昭61−171504号公報にも記載されている。
さらには、特開2011−20036号公報に記載の仮キャップを使用して遠心接着する方法、実開平5−51430号公報および特開平4−256422号公報に記載の方法も適用することができる。
本発明の中空糸膜モジュール(中空糸膜型濾過装置)の具体的構造としては、特開昭61−013965号公報や特開2004−82073号公報に記載の構造を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の中空糸膜モジュールは、接着硬化部の加水分解への耐久性が優れており、中空糸膜モジュール接着部のシール性を保持できるため、蒸気滅菌や熱水殺菌洗浄を長期間にわたり繰返し実施する、エンドトキシン捕捉フィルター(ETRF)用の中空糸膜モジュールとして好適である。
(1)ポリウレタン接着剤硬化物の調製
実施例1
(a)(B)成分の調製
ガラス製容器に、12−ヒドロキシステアリルアルコール(商品名「ソバモール912」、コグニスジャパン株式会社製、水酸基価:345〜365KOH mg/g)240gと2,2,4,−トリメチル−1,3−ペンタンジオール60gを加え、90℃で溶融混合後、45℃まで冷却し、45℃で保管した。
混合ポリオールの水酸基価は、437 KOH mg/gであった。
(b)ポリウレタン接着剤硬化物の調製
ガラス製容器に、(A)成分として、特許3205977公報の段落0037に記載の方法と同様の方法で調製したMDIのウレトンイミン及びカルボジイミド変性体(NCO=27.8質量%)の45℃保管品300gと、(a)で調製した(B)成分の45℃保管品250gを均一混合((A)/(B)(モル比):1.02)し、その一部をポリシリコン製型容器に流し込み、45℃の恒温乾燥機中で30分反応させ、その後、徐々に90℃まで昇温させ、1時間ポストベイクした。
室温まで冷却し、直径4cm、厚み2cmの円柱状接着剤硬化物を5つ取り出した。
(A)成分と(B)成分を均一混合したものの残部を用いて、室温環境化に設置されているB型粘度計で粘度測定を実施し、均一混合後から4分間は200mPa・s以下であり、均一混合後から8分間は400mPa・s以下であることを確認した。
比較例1
ガラス製容器に、芳香族ポリイソシアネートとして、実施例1で用いたMDIのウレトンイミン及びカルボジイミド変性体(NCO=27.8質量%)の45℃保管品150gと、硬化剤としてひまし油(伊藤製油製、ひまし油カクトクA、水酸基価156〜165 KOH mg/g)の45℃保管品341gを均一混合((芳香族イソシアネート)/(硬化剤)(モル比):1.02)し、その一部をポリシリコン製型容器に流し込み、45℃の恒温乾燥機中で30分反応させ、その後、徐々に90℃まで昇温させ、1時間ポストベイクした。
室温まで冷却し、直径4cm、厚み2cmの円柱状接着剤硬化物を5つ取り出した。
芳香族ポリイソシアネートと硬化剤とを均一混合したものの残部を用いて、室温環境化に設置されているB型粘度計で粘度測定を実施し、均一混合後4分以内に200mPa・sを上回り、均一混合後8分以内に400mPa・sを上回ったことを確認した。
実施例1のポリウレタン接着剤組成物は、比較例1のポリウレタン接着剤組成物と比較して、均一混合した後の粘度が低い状態を維持しており、本発明のポリウレタン接着剤組成物が、粘度の低い流動可能時間が長いことが分かる。
(2)ポリウレタン接着剤硬化物の加水分解への耐久性評価
実施例1および比較例1で得た円柱状接着剤硬化物の各3つを、加水分解への耐久性を評価するために、同じ2%のクエン酸水溶液の入った2つの耐圧金属製容器に分けて沈めて、80℃に温度制御したオーブンの中にいれ、105時間加熱を継続した。残りの円柱状接着剤硬化物の各2つは、実験室に保管した。
室温まで冷却後、円柱状接着剤硬化物を取り出し、水洗いした物を、実験室の中に保管していた残りの物と目視およびニッパで切り裂く際の感触を比較した。実施例1のものは外観、ニッパで切り裂く感触共に2者に大きな違いは無かったが、比較例1の冷却後水洗いした円柱状接着剤硬化物は、部屋の中に保管していた物と比べ明らかに艶がなくなり、表面が粉落ちしそうな状態であった。また、ニッパで切り裂く際、刃によって直ぐに切断するほど脆くなっていた。以上の結果から、実施例1のポリウレタン接着剤硬化物は、比較例1のものに比べて、加水分解への耐久性に優れていることが分かる。
(3)FT−IR測定
実施例1および比較例1で得た円柱状接着剤硬化物の顕微FT−IR測定を実施し、また市販されている2社のETRF用の中空糸膜モジュールについて、中空糸膜束の接着硬化部を取り出し、顕微FT−IR測定を実施した。各測定において、ウレタン基に由来する1708〜1712cm−1の吸収ピークの透過率(Tu)、及びエステル基に由来する1720〜1730cm−1の吸収ピークの透過率(Te)を計測した。
測定装置:アジレント社製UMA−600
測定条件:顕微全反射測定法(顕微ATR法)
分解能:4cm−1
測定波数領域:680〜4000cm−1
積算回数:64回
結果、実施例1の円柱状接着硬化物のFT−IRスペクトルで、エステル基に由来する1720〜1730cm−1の吸収ピークは確認できなかった。これは、ポリウレタン接着剤硬化物中のエステル基を有する化合物の含有量が少ないことを示しており、Te/Tuが本発明の範囲内であると見なすことができる。
比較例1の円柱状接着硬化物のFT−IRスペクトルで、(Te/Tu)は1.03であり、またETRFとして現在市販されている2社の製品のウレタン接着剤を同様に測定した結果、それぞれの(Te/Tu)は、0.99と0.98であった。

Claims (7)

  1. (A)芳香族ポリイソシアネートのウレトンイミン変性体、及びカルボジイミド変性体から選ばれる1種以上(以下、(A)成分という)、及び(B)硬化剤(以下、(B)成分という)を含むポリウレタン接着剤組成物であって、
    (B)成分中、(B1)2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8以上のポリオール化合物(以下、(B1)成分という)を50質量%以上含有し、
    (A)成分と(B)成分との反応によって得られるポリウレタン接着剤硬化物の顕微フーリエ変換型赤外分光光度計(顕微FT−IR)測定において、1708〜1712cm−1の吸収ピークの透過率(Tu)に対する、1720〜1730cm−1の吸収ピークの透過率(Te)の比(Te/Tu)が0.9未満である、ポリウレタン接着剤組成物。
  2. (B1)成分が、2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数8〜22の脂肪族ポリオール化合物、及び2級又は3級水酸基を1つ以上有する炭素数12〜22の脂肪酸とジアミン化合物との縮合反応物から選択される1種以上である、請求項1に記載のポリウレタン接着剤組成物。
  3. (B1)成分が、12−ヒドロキシステアリルアルコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオール、及びリシノール酸と多官能アミン化合物との多官能アミド縮合反応物から選択される1種以上である、請求項1又は2に記載のポリウレタン接着剤組成物。
  4. ケースハウジング内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールであって、
    前記中空糸膜束の少なくとも一端部側と前記ケースハウジングの内壁面が、請求項1〜3の何れか1項に記載のポリウレタン接着剤組成物の硬化物で一体化されている中空糸膜モジュール。
  5. 前記中空糸膜モジュールが医療用である、請求項4に記載の中空糸膜モジュール。
  6. 前記中空糸膜モジュールがエンドトキシン捕捉フィルター用である、請求項4に記載の中空糸膜モジュール。
  7. ケースハウジング内に中空糸膜束が収容された中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    前記中空糸膜束の少なくとも一端部側と前記ケースハウジングの内壁面を、請求項1〜3の何れか1項に記載のポリウレタン接着剤組成物を使用して、接着して一体化する、中空糸膜モジュールの製造方法。
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