JP3951065B2 - ジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法 - Google Patents

ジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シクロヘキシルイソシアネート(CHI)の脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を製造する方法に関し、更に詳述するとDCCを半連続的にサイクル合成することを可能にしたDCCの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
DCCは脱水縮合剤、反応試剤などとして近年重要性を増しつつあり、その合成には色々な方法が提案されている。例えばジシクロヘキシルチオ尿素を塩化シアヌルとアルカリで処理する方法(特公昭50−13248号公報)、ジシクロヘキシル尿素をオキシ塩化リンとピリジン塩基で処理する方法(特開昭60−166652号公報)、ジシクロヘキシル尿素をp−トルエンスルホニルクロライドとピリジンで処理する方法(米国特許第2,797,240号)が報告されているが、これらの方法はいずれもチオ尿素あるいは尿素を脱水もしくは脱硫してジシクロヘキシルカルボジイミドを得るため、反応が数段階必要であり、また合成終了時には未反応のそれぞれの原料と、製品のDCCの他に副生成物が生成する。例えば特開昭60−166652号公報の方法ではオキシ塩化リン由来のリン酸もしくは縮合リン酸の誘導体や、ピリジンが副生した塩化水素と造塩して塩酸塩になったものが生成する。このためサイクル的に合成を行う場合には複雑な工程を経なければならず、また、オキシ塩化リン、ピリジンなどは元の原料や製品以外のものに変化して消費されてしまうため、更に続けて合成するには新たなオキシ塩化リンとピリジンが必要になってくる。
【0003】
また、従来より、シクロヘキシルイソシアネート(CHI)の脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりDCCを得る方法も知られている(特開昭54−66656号公報など)。しかし、このような縮合反応後の反応混合物からDCCを蒸留分離する場合、この反応混合物中には未反応のCHI等が含まれているため、DCCの蒸留の前にCHIが蒸留されるので、DCCを蒸留単離するのに時間を要し、効率的でない。
【0004】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、シクロヘキシルイソシアネートを出発原料として、ジシクロヘキシルカルボジイミドを半連続的にサイクル合成することが可能なジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、下記反応式に示すように、シクロヘキシルイソシアネート(CHI)の脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を製造する場合、縮合反応後の反応混合物中の未反応CHIをブロッキング剤でブロック化してDCCの沸点よりも上昇させることにより、反応混合物中の生成DCCを蒸留分離する際、未反応CHIを残してDCCのみを蒸留分離することができること、そしてこのようにDCCを分離した後、未反応CHIのブロック化を解消し、必要に応じて不足分のCHIを新たに加えれば、CHIの縮合を繰り返してDCCを製造することができ、かかる方法によればDCCを半連続的にサイクル合成できることを知見した。
【0006】
【化2】
Figure 0003951065
【0007】
またこの場合、カルボジイミド化触媒としてフォスフォレンオキシド誘導体、特に下記一般式(1)で示されるものを用いることにより、この触媒はCHIに任意の割合で溶解するため、均一系となり、触媒の添加量に制限がなくなる上、カルボジイミド化の活性が高く、また副反応は生じないので、DCCを副生成物の副生なく、高収率で合成し得ること、そしてこのように副反応は起きず、上記反応式以外の反応は起きないため、上述したようにして得られたDCCを系外に取り出せば、系には理論量の触媒が残るので、触媒を新たに加えなくとも原料のCHIを加えさえすれば何回でも簡便にサイクル合成ができることを知見したものである。
【0008】
【化3】
Figure 0003951065
(式中、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は水素原子又はメチル基である。)
【0009】
従って、本発明はシクロヘキシルイソシアネートを縮合してジシクロヘキシルカルボジイミドを得た後、上記縮合反応の温度より低温において反応混合物中の未反応シクロヘキシルイソシアネートをブロッキング剤によりブロック化し、次いで上記反応混合物中の生成ジシクロヘキシルカルボジイミドを蒸留回収することを特徴とするジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法、及び上記のジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法において、ジシクロヘキシルカルボジイミドの蒸留回収後、上記ブロッキング剤でブロック化されたシクロヘキシルイソシアネートを解離し、次いで新たなシクロヘキシルイソシアネートを補充し、シクロヘキシルイソシアネートの縮合を行うことを特徴とするジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法を提供する。この場合、上記ブロッキング剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミドと反応せず、かつジシクロヘキシルカルボジイミドの蒸留温度より低温でシクロヘキシルイソシアネートと反応すると共に、シクロヘキシルイソシアネートの縮合反応温度で解離する化合物が好適に用いられる。また、上記縮合反応における触媒としてはフォスフォレンオキシド誘導体が好適に用いられる。
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の製造方法は、シクロヘキシルイソシアネート(CHI)を触媒の存在下で縮合させるもので、これによりCHIの脱二酸化炭素によりDCCが得られるものである。
【0011】
ここで、触媒としては従来の公知の触媒が使用されるが、特にフォスフォレンオキシド誘導体、とりわけ下記一般式(1)で示される化合物及びその二重結合異性体が好適に用いられる。
【0012】
【化4】
Figure 0003951065
【0013】
式(1)において、R1は置換又は非置換の好ましくは炭素数1〜15、特に1〜10の一価炭化水素基で、特にアルキル基やフェニル基等のアリール基が好ましい。また、R2は水素原子又はメチル基である。
【0014】
上記フォスフォレンオキシド誘導体としては、活性及び工業的入手の点から特開平7−17990号公報に記載された方法で得ることができる3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1,3−ジメチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−フォスフォレン−1−オキシド、及びこれらの二重結合異性体などを具体的に挙げることができる。特に沸点の面から3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシドが好ましい。
【0015】
フォスフォレンオキシド誘導体の使用量は、原料CHIに対して0.1〜50重量%、特に0.1〜20重量%であることが好ましい。
【0016】
上記CHIの縮合反応は通常無溶媒で行うことが好ましいが、必要によっては沸点が縮合反応温度以上であり、イソシアネート基及びカルボジイミド基と反応することのない溶媒、例えば3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、メトキシブチルアセテート等の溶媒を用いることができる。
【0017】
縮合反応条件は適宜選定されるが、100〜170℃が好ましく、特に好ましくは150〜170℃である。また、反応時間は通常3〜10時間である。
【0018】
本発明においては、上記縮合反応後の反応混合物から生成DCCを蒸留分離するに際し、予め反応混合物中の未反応CHIをブロッキング剤によりブロッキングしておくことにより、実質的にDCCのみを反応混合物から蒸留分離するものである。この場合、反応混合物中に残ったCHIのブロック化物は、そのブロック化を解消することにより、新たなDCC製造原料としてそのまま使用することができる。また、上記縮合反応をフォスフォレンオキシド誘導体触媒の存在下で無溶媒で行った場合、反応混合物中には実質的に生成したDCCと、未反応CHIと、触媒のフォスフォレンオキシド誘導体を含んでいるだけであるので、DCCを反応混合物から分離した後、これにCHIの必要量を加えれば、フォスフォレンオキシド誘導体を必ずしも新たに補充しなくとも、再びCHIの縮合反応を効果的に行うことができる。
【0019】
ここで、上記ブロッキング剤としては、DCCと反応せず、かつDCCの蒸留温度より低温でCHIと反応すると共に、CHIの縮合反応温度で解離する化合物が有効に用いられる。
【0020】
具体的には、ブロッキング剤としてDCCが用いられ、上記反応混合物の生成DCCの一部がこのブロッキング剤として使用される。即ち、CHIはDCCとウレトイミン結合を生成し、この生成したウレトイミンはDCCの沸点である122℃/6mmHgの条件下でも留去することがなく、しかもCHIの縮合反応温度、特に100〜170℃において上記ウレトイミンはCHIとDCCに解離する。
【0021】
このようにDCCをブロッキング剤として使用する場合は、上記縮合反応後、その反応温度より下げ、DCCとCHIとがウレトイミン結合を効率よく生成する温度、通常50〜90℃、より好ましくは65〜75℃の温度で未反応CHIを生成したDCCの一部と反応させてウレトイミンを生成させ、このウレトイミンの沸点より低温で減圧蒸留することにより、反応混合物からDCCのみを蒸留分離することができる。なお、このウレトイミンを得るための反応時間は3〜10時間、特に3〜7時間であることが好ましい。この場合、反応混合物中には上記ウレトイミンが残存しているが、この反応混合物をCHIの縮合反応温度まで加熱することにより、ウレトイミンをCHIとDCCに解離させることができ、従って、必要により新たな原料CHIを加えてそのまま再度の縮合反応を行うことができる。
【0022】
なお、未反応のCHIを完全にウレトイミン化しなくても、一部CHIの形で減圧蒸留によりDCCより前の留分として取り出しても、ウレトイミン化した分、CHIの留分が減るので全くウレトイミン化しない時よりも有利である。より有利にDCCを合成するにはより多くウレトイミン量を増やした方がよい。
【0023】
また、ブロッキング剤としては、DCC以外に、DCCと反応を起さず、DCCの合成反応温度においてCHIと解離するが、DCCの蒸留温度以下でCHIと反応してこれをブロック化する官能基を分子中に1個以上有する化合物、例えば、各種オキシム、フェノール類の如きアルコール、ε−カプロラクタム、イミダゾールの如きアミンの他、ジエチルマロネート、エチルアセトアセテート等のジカルボニル化合物などを用いることができる。その中で特に好ましくは、DCCの沸点の122℃/6mmHgよりも高い沸点を持つ化合物で、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルインドール、ジブチルマロネート、2,4−ジクロロベンジルアルコール、シクロヘキサノンオキシム、クロロフェニルケトンオキシム等が挙げられる。
【0024】
このようなブロッキング剤を用いる場合も、DCCの蒸留分離に先立ち、反応混合物をCHIの縮合反応温度より所定の温度(この温度はブロッキング剤の種類により選定され、またその反応時間は通常0.5〜5時間、特に1〜3時間である)に下げ、この温度で未反応CHIをブロッキング剤と反応させてブロック化する。これにより、CHIはブロックドCHIとなり、分子量が大きくなることでDCCより沸点が上昇するので、DCCの蒸留時に未反応のCHIが反応混合物からなくなるためDCCのみを蒸留分離することができる。DCCを蒸留で取り出した後の反応混合物には、フォスフォレンオキシド誘導体等の触媒とCHIのブロック化物と、過剰にブロッキング剤を加えた場合にはこのブロッキング剤が残留物として残る。これに新たな原料CHIを加え、CHIの縮合反応温度まで加熱することにより、CHIのブロック化物がCHIとブロッキング剤に解離して、再度のDCCの合成を行うことができる。このように、上記ブロッキング剤を加えると、ウレトイミンを作るよりも短時間に未反応CHIをブロック化でき、連続合成には更に効率が良い。
【0025】
なお、かかるブロッキング剤は、最初の縮合反応時に原料CHI及び触媒のフォスフォレンオキシド誘導体と同時に加えておくことができ、かかるブロッキング剤が存在しても実質的に縮合反応に影響を与えることはない。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、CHIの縮合によりDCCを製造する際、半連続的にDCCをサイクル合成することが可能である。また特に、触媒としてフォスフォレンオキシド誘導体を用いた場合、副生成物の副生を実質的に伴うことなくDCCを高収率で製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0028】
〔実施例1〕
冷却管及び撹拌器を備えた500ml四つ口フラスコにシクロヘキシルイソシアネート(CHI)125.2gとカルボジイミド化触媒の3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.5gを加え、170℃に加熱撹拌し、カルボジイミド化反応を5時間行った。その後温度を70℃に下げ、更に5時間反応し、その温度で0.2mmHgで減圧蒸留し、DCCを167.1g(収率81%)得た。その際、減圧蒸留による留分はDCCのみであった。減圧蒸留後の残留物にウレトイミン解離後の系内のCHIを含む全CHI量が125.2gになるように新たなCHIを101.4g加え、170℃で撹拌しながら5時間反応させた。再び上記と同様に操作したところ、減圧蒸留により165.0g(収率80%)のDCCが得られた。
【0029】
〔実施例2〕
冷却管及び撹拌器を備えた500ml四つ口フラスコにシクロヘキシルイソシアネート(CHI)125.2gとカルボジイミド化触媒の3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.5gとシクロへキサノンオキシム22.7gを加え、170℃に加熱撹拌し、カルボジイミド化反応を5時間行った。その後温度を70℃に下げ、未反応CHIをブロック化するため更に1時間反応し、その温度で0.2〜0.3mmHgで減圧蒸留し、収率80%でDCCを得た。その際、減圧蒸留による留分は99%以上がDCCであった。減圧蒸留後の残留物にブロック化物解離後のCHIを含む全CHI量が125.2gになるように新たなCHIを100.2g加え、170℃で撹拌しながら5時間反応させた。再び温度を70℃に下げ、上記と同様に操作後、減圧蒸留を行ったところ、165.0g(収率80%)のDCCが得られた。
【0030】
〔実施例3〕
冷却管及び撹拌器を備えた500ml四つ口フラスコにシクロヘキシルイソシアネート(CHI)125.2gとカルボジイミド化触媒の3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.5gと2−エチル−4−メチルイミダゾール22.0gを加え、170℃に加熱撹拌し、カルボジイミド化反応を5時間行った。その後温度を70℃に下げ、未反応CHIをブロック化するため更に0.5時間反応し、その温度で0.2〜0.3mmHgで減圧蒸留し、収率81%でDCCを得た。その際、減圧蒸留による留分は99%以上がDCCであった。減圧蒸留後の残留物にブロック化物解離後のCHIを含む全CHI量が125.2gになるように新たなCHIを100.2g加え、170℃で撹拌しながら5時間反応させた。再び温度を70℃に下げ、上記と同様に操作後、減圧蒸留を行ったところ、165.0g(収率80%)のDCCが得られた。
【0031】
〔実施例4〕
冷却管及び撹拌器を備えた500ml四つ口フラスコにシクロヘキシルイソシアネート(CHI)125.2gとカルボジイミド化触媒の3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.5gとジ−tert−ブチルマロネート43.3gを加え、170℃に加熱撹拌し、カルボジイミド化反応を5時間行った。その後温度を100℃に下げ、未反応CHIをブロック化するため更に1時間反応し、70℃で0.2〜0.3mmHgで減圧蒸留し、収率80%でDCCを得た。その際、減圧蒸留による留分は99%以上がDCCであった。減圧蒸留後の残留物にブロック化物解離後のCHIを含む全CHI量が125.2gになるように新たなCHIを100.2g加え、170℃で撹拌しながら5時間反応させた。再び温度を70℃に下げ、上記と同様に操作後、減圧蒸留を行ったところ、165.0g(収率80%)のDCCが得られた。
【0032】
〔実施例5〕
冷却管及び撹拌器を備えた500ml四つ口フラスコにシクロヘキシルイソシアネート(CHI)125.2gとカルボジイミド化触媒の3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.5gと2,4−ジクロロベンジルアルコール35.4gを加え、170℃に加熱撹拌し、カルボジイミド化反応を5時間行った。その後温度を100℃に下げ、未反応CHIをブロック化するため更に2時間反応し、その温度で0.2〜0.3mmHgで減圧蒸留し、収率80%でDCCを得た。その際、減圧蒸留による留分は99%以上がDCCであった。減圧蒸留後の残留物にブロック化物解離後のCHIを含む全CHI量が125.2gになるように新たなCHIを100.2g加え、170℃で撹拌しながら5時間反応させた。再び温度を70℃に下げ、上記と同様に操作後、減圧蒸留を行ったところ、165.0g(収率80%)のDCCが得られた。
【0033】
〔実施例6〕
冷却管及び撹拌器を備えた500ml四つ口フラスコにシクロヘキシルイソシアネート(CHI)125.2gとカルボジイミド化触媒の3−メチル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド2.5gとp−クロロフェニルケトンオキシム46.5gを加え、170℃に加熱撹拌し、カルボジイミド化反応を5時間行った。その後温度を70℃に下げ、未反応CHIをブロック化するため更に1時間反応し、その温度で0.2〜0.3mmHgで減圧蒸留し、収率80%でDCCを得た。その際、減圧蒸留による留分は99%以上がDCCであった。減圧蒸留後の残留物にブロック化物解離後のCHIを含む全CHI量が125.2gになるように新たなCHIを100.2g加え、170℃で撹拌しながら5時間反応させた。再び温度を70℃に下げ、上記と同様に操作後、減圧蒸留を行ったところ、165.0g(収率80%)のDCCが得られた。

Claims (8)

  1. シクロヘキシルイソシアネートを縮合してジシクロヘキシルカルボジイミドを得た後、上記縮合反応の温度より低温において反応混合物中の未反応シクロヘキシルイソシアネートをブロッキング剤によりブロック化し、次いで上記反応混合物中の生成ジシクロヘキシルカルボジイミドを蒸留回収することを特徴とするジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法。
  2. 請求項1に記載のジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法において、ジシクロヘキシルカルボジイミドの蒸留回収後、上記ブロッキング剤でブロック化されたシクロヘキシルイソシアネートを解離し、次いで新たなシクロヘキシルイソシアネートを補充し、シクロヘキシルイソシアネートの縮合を行うことを特徴とするジシクロヘキシルカルボジイミドの製造方法。
  3. ブロッキング剤がジシクロヘキシルカルボジイミドと反応せず、かつジシクロヘキシルカルボジイミドの蒸留温度より低温でシクロヘキシルイソシアネートと反応すると共に、シクロヘキシルイソシアネートの縮合反応温度で解離する化合物である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. ブロッキング剤がシクロヘキシルイソシアネートの縮合で生成したジシクロヘキシルカルボジイミドである請求項3記載の製造方法。
  5. 上記縮合反応温度が100〜170℃であり、ジシクロヘキシルカルボジイミドによるブロッキング条件が50〜90℃で3〜10時間である請求項4記載の製造方法。
  6. ブロッキング剤が2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルインドール、ジブチルマロネート、2,4−ジクロロベンジルアルコール、シクロヘキサノンオキシム及びクロロフェニルケトンオキシムから選ばれるものである請求項記載の製造方法。
  7. シクロヘキシルイソシアネートを縮合する際に、フォスフォレンオキシド誘導体を触媒として使用した請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
  8. フォスフォレンオキシド誘導体が下記一般式(1)
    Figure 0003951065
    (式中、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は水素原子又はメチル基である。)
    で示される化合物又はその二重結合異性体である請求項記載の製造方法。
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