JP2014004535A - 中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空糸膜束と筐体との接着性、及び、成型性に優れた中空糸膜モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸膜束の末端にて、エポキシ系接着剤を硬化させて各中空糸膜を固着し、末端保護中空糸膜束を得る工程1、上記末端保護中空糸膜束を筐体に挿入した後、ウレタン系接着剤を上記末端保護中空糸膜束の末端と筐体との間に充填し、上記末端保護中空糸膜束の末端と筐体とを接着する工程2とを有し、上記エポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂、及び、硬化剤を含有し、上記ウレタン系接着剤は、イソシアネート基を有する化合物、及び、水酸基を有する化合物を含有し、かつ、イソシアネート基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度と、水酸基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度の重量平均が0.617〜14.93Pa・sである中空糸膜モジュールの製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、中空糸膜束と筐体との接着性、及び、成型性に優れた中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
近年、中空糸を分離膜とした中空糸膜モジュールは、水処理膜等の産業分野、血液処理等の医療分野などに多岐にわたって用いられている。特に家庭用浄水器、工業用浄水器、人工肝臓、人工肺などの用途にあっては、その需要が極めて増大している。
従来、特許文献1〜3に開示されているように、中空糸膜モジュールを製造する際、中空糸膜の末端接着方法として、粘度が低いポリウレタン系接着剤を用いて封入した後、モジュール断面を切断する手法が用いられていた。しかし、切断時において図1に示したように、中空糸膜の断面が潰れたり、中空糸膜中にポリウレタン系接着剤が入り込む事により、分離能が低下する等の問題があった。また、特許文献4には、中空糸膜の末端と筐体とを接着する方法として、エポキシ系接着剤を用いる方法が開示されているが、中空糸膜と筐体との間に接着剤が浸透せず、中空糸膜と筐体とを充分に接着できないという問題があった。
国際公開第07/074597号パンフレット 国際公開第09/037826号パンフレット 特開2009−270053号公報 国際公開第98/28065号パンフレット
本発明は、中空糸膜束と筐体との接着性、及び、成型性に優れた中空糸膜モジュールの製造方法を提供する。
本発明は、複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸膜束の末端にて、エポキシ系接着剤を硬化させて各中空糸膜を固着し、末端保護中空糸膜束を得る工程1、上記末端保護中空糸膜束を筐体に挿入した後、ウレタン系接着剤を上記末端保護中空糸膜束の末端と筐体との間に充填し、上記末端保護中空糸膜束の末端と筐体とを接着する工程2とを有し、上記エポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂、及び、硬化剤を含有し、上記ウレタン系接着剤は、イソシアネート基を有する化合物、及び、水酸基を有する化合物を含有し、かつ、イソシアネート基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度と、水酸基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度の重量平均が0.617〜14.93Pa・sであることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、あらかじめ、中空糸膜束の末端にて、エポキシ系接着剤を硬化させて各中空糸膜を固着しておくことにより、中空糸膜モジュールの切断時の中空糸膜断面の潰れを防止し、その後ウレタン系接着剤を用いて、上記中空糸膜束と筐体とを接着することにより、筐体と中空糸膜束とを充分に接着できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸膜束の末端にて、エポキシ系接着剤を硬化させて各中空糸膜を固着し、末端保護中空糸膜束を得る工程1を有する。
以下、上記工程1について詳述する。
上記工程1で用いるエポキシ系接着剤は、エポキシ系樹脂、及び、硬化剤を含有する。
上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。なかでも、成型上の粘度が適した範囲にあることからビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤としては、例えば、鎖状脂肪族ポリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロプレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、変性脂肪族ポリアミン、アミンアダクト、ケトイミン、環状脂肪族ポリアミン、N−アミノエチルピベラジン、メンセンジアミン、イソフオロンジアミン、脂肪芳香族アミン、m−キシレンジアミン、芳香族アミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ポリアミドアミン、三級アミン、二級アミン、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、エポキシ−イミダゾールアダクト、ポリチオール、ポリメルカプタン、ポリスルフィド、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、三フッ化ホウ素−アミン錯体、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジット等が挙げられる。なかでも、成型上の粘度が適した範囲にあり、かつ硬化時間が短く常温で効率よく中空糸膜末端の固着ができる事から、ポリチオールと三級アミンの混合物が好ましい。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ系樹脂と上記硬化剤との混合比率は、エポキシ系樹脂の当量や硬化剤のアミン価等により決定されるが、上記硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限が75重量部、好ましい上限が125重量部である。上記硬化剤の含有量が75重量部未満であると、エポキシ系接着剤の硬化が不充分となることがある。上記硬化剤の含有量が125重量部を超えると、硬化剤が残存する事による硬度不足が起こることがある。上記硬化剤の含有量のより好ましい下限は85重量部、より好ましい上限は115重量部である。
エポキシ系接着剤について、エポキシ樹脂のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度と、硬化剤のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度の重量平均の好ましい下限は40Pa・s、好ましい上限は275Pa・sである。上記粘度の重量平均値が40Pa・s未満であると、粘度低下による接着剤流出などの問題から、中空糸膜束を充分に固着できなくなる等の問題が発生する事がある。また、上記粘度の重量平均値が275Pa・sを超えると、接着剤の流動性が悪くなり中空糸膜束の均一な固着が困難になる等の問題が発生する事がある。上記粘度の重量平均値のより好ましい下限は100Pa・s、より好ましい上限は230Pa・sである。
上記エポキシ系接着剤は、硬化物の硬度がJIS K7215デュロメータ硬さTYPE−Dにて測定される値で70以上であることが好ましい。上記エポキシ系接着剤の硬化物の硬度が70未満であると、モジュール断面を切断する際の中空糸膜の潰れを防止できないことがある。上記エポキシ系接着剤の硬化物の硬度のより好ましい下限は、80である。なお、本明細書において、上記「硬化物の硬度」は、JIS K7215デュロメータ硬さTYPE−Dにて測定される値である。
上記中空糸膜は特に限定されず、ガス分離膜、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等に従来から用いられているものが使用でき、材質としては、例えば、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、スルホン化ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテン、ポリオルガノシロキサン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。なお、本明細書において、上記塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルと共重合可能なモノマーとの共重合体、ゴム成分をグラフト重合したもの、塩化ビニル樹脂を塩素化したものや塩化ビニル樹脂の特性を損なわない程度に他の成分をブレンドしたものを含み、塩化ビニル樹脂が主成分であるものをいう。
上記中空糸膜の直径や筒状体の内部に挿入される中空糸膜の本数は特に限定されないが、中空糸膜モジュールの用途に応じて適宜決定される。
工程1において、上記エポキシ系接着剤を用いて上記中空糸膜束の末端を固着する方法としては、例えば、中空糸膜束を垂直に保持しながら、中空糸膜束の下部周囲を、筐体内径より小さな内径を有するシリコンゴムなどの離けい性の高い材料からなる接着剤用容器内に設置する方法等が挙げられる。本明細書では、上記中空糸膜束を固着する方法によって得られた中空糸膜束を、末端保護中空糸膜束と呼称する。
図2中、dで示した末端保護中空糸膜束の直径は、後述する筐体の内径に対して好ましい下限が50%、好ましい上限が95%である。50%未満であると、分離膜としての機能が低下することがある。95%を超えると、中空糸膜束を充分に固着できなくなる等の問題が発生することがある。
図2は、上記工程1によって得られた末端保護中空糸膜束の一例を示す模式図である。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、上記末端保護中空糸膜束を筐体に挿入した後、ウレタン系接着剤を上記末端保護中空糸膜束の末端と筐体との間に充填し、上記末端保護中空糸膜束の末端と筐体とを接着する工程2を有する。
以下、上記工程2について詳述する。
上記筐体に用いられる材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、セルロース類、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、スルホン化ポリフェニレンエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルペンテン、ポリオルガノシロキサン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。なかでも、長期実使用環境下において耐候性、耐薬品性に優れることから、塩化ビニル系樹脂が好ましい。
上記筐体の大きさとしては特に限定されないが、中空糸膜モジュールの用途に応じて適宜決定される。
上記筐体は、分離前の一次側の流体と、分離後の二次側の流体とが混合しないように、流入口、及び、流出口が設けられていることが好ましい。
上記工程2で用いるウレタン系接着剤は、イソシアネート基を含有する化合物、及び、水酸基を有する化合物を含有する。
上記イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、2,2−ジフェニルメタンジイシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイシアネート、ジフェニルメタンジイシアネートの液状変性物、ポリメリックMDI(メタンジイソシアネート)、トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、メタクリル酸2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。なかでも反応性に富み、かつ揮発性が小さいなど作業時における毒性が小さいことから、4,4−ジフェニルメタンジイシアネートが好ましい。これらのイソシアネート基を有する化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記水酸基を有する化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステル系ウレタン溶液、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ヒマシ油系ポリオール等が挙げられ、例えば、ポリエステルポリオールとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸 2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸等の多価カルボン酸と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等のポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールやε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオール等が挙げられる。なかでも、成型上の粘度が適した範囲にあり、かつ環境負荷が低い点を有することから、ヒマシ油系ポリオールが好ましい。これらの水酸基を有する化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記イソシアネート基を有する化合物と、上記水酸基を有する化合物とを混合する際の混合比率は、上記イソシアネート基を有する化合物の当量やイソシアネート価等により決定されるが、上記イソシアネート基を有する化合物の含有量は、上記水酸基を有する化合物100重量部に対して、好ましい下限は95重量部、好ましい上限は130重量部である。上記イソシアネート基を有する化合物の含有量が95重量部未満であると、エポキシ系接着剤で固着した中空糸膜束と筐体とを充分に接着できないことがある。また、上記イソシアネート基を有する化合物の含有量が130重量部を超えると、上記同様エポキシ系接着剤で固着した中空糸膜束と筐体とを充分に接着できないことがある。上記イソシアネート基を有する化合物の含有量のより好ましい下限は100重量部、より好ましい上限は125重量部である。
ウレタン系接着剤について、上記イソシアネート基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度と、上記水酸基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度の重量平均の下限は0.617Pa・s、上限は14.93Pa・sである。上記粘度の重量平均値が0.617Pa・s未満であると、工程2において、同接着剤が筐体内から外部へ流出し、中空糸膜束を筐体に対して充分に固着できなくなる。また、上記粘度の重量平均値が14.93Pa・sを超えると、接着剤の流動性が悪くなり、筐体との界面に気泡が残存する事により、中空糸膜束の筐体への接着性が弱まる。
上記工程2における末端保護中空糸膜束の筐体への接着方法は特に限定されないが、例えば、上記末端保護中空糸膜束を筐体内に挿入した後、ウレタン系接着剤を筐体内に注入し、遠心法や静置注入法により末端保護中空糸膜束の末端と筐体との間にウレタン系接着剤を充填する方法等が挙げられる。
中空糸膜の端部が、エポキシ系接着剤、又はウレタン系接着剤に覆われて閉塞したり、筐体の端部からはみ出したりするため、中空糸膜の端部を揃えるために、上記工程2を行った後、中空糸膜束が接着された筐体を切断することが好ましい。本発明の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、中空糸膜束を筐体と接着させる前に、中空糸膜束の末端にて、エポキシ系接着剤を硬化させて各中空糸膜が固着されているため、中空糸膜束が接着された筐体を切断した際の中空糸膜の断面の潰れを防止できる。
図3(a)は、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法によって得られた中空糸膜モジュールの一例を示す断面図である。
図3(a)において、中空糸膜モジュール1は、側面に液入、流出口を備えた筐体4、中空糸膜束2、筐体4の両端に設けられた封止部3により構成されている。
図3(b)は、図3(a)の中空糸膜モジュール1の封止部の拡大図である。
図3(b)において、封止部3は、中空糸膜2を固着するのに用いたエポキシ系接着剤6、及び、中空糸膜2を筐体4に接着するのに用いたウレタン系接着剤7により構成されている。このように本発明の中空糸膜モジュールの製造方法で製造された中空糸膜モジュール1は、中空糸膜束がエポキシ系接着剤6で充分に硬化させて固着され、末端保護中空糸膜束5と筐体4とがウレタン系接着剤7により充分に接着される。
本発明によれば、中空糸膜束と筐体との接着性、及び、成型性に優れた中空糸膜モジュールの製造方法を提供できる。
ポリウレタン系接着剤のみを用いて、中空糸膜束と筐体とを接着した場合のモジュール断面切断時の断面図である。 工程1によって得られた末端保護中空糸膜束の一例を示す模式図である。 (a)は、本発明の中空糸膜モジュールの一例を示す断面図であり、(b)は、本発明の中空糸膜モジュールの封止部の拡大図である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(エポキシ系接着剤Aの調製)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(コニシ社製、「クイックメンダーA剤」、粘度170〜270Pa・s)及び、硬化剤としてポリチオールと三級アミンの混合物(コニシ社製、「クイックメンダーB剤」、粘度150〜250Pa・s)を重量比にして、1:1で混合し、エポキシ系接着剤Aを得た。この時の23℃におけるエポキシ樹脂粘度と硬化剤粘度の重量平均は210Pa・sであった。また、23℃で7日間硬化させた後の接着剤硬度は、JIS K7215デュロメータ硬さTYPE−Dにて測定した値で80であった。
(エポキシ系接着剤Bの調製)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(コニシ社製、「クイックセットA剤」、粘度40Pa・s)及び、硬化剤としてポリチオールとポリアミドアミンと三級アミンの混合物(コニシ社製、「クイックセットB剤」、粘度40Pa・s)を重量比にして、1:1で混合し、両者の23℃における粘度の重量平均が40(発明の効果が得られる粘度の下限)Pa・sのエポキシ系樹脂Bを得た。この時の23℃で7日間硬化させた後の接着剤硬度はJIS K7215デュロメータ硬さTYPE−Dにて測定した値で82であった。
(エポキシ系接着剤Cの調製)
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物(コニシ社製、「クイックメンダー30A剤」、粘度270Pa・s)及び、硬化剤としてポリチオールと三級アミンの混合物(コニシ社製、「クイックメンダー30B剤」、粘度280Pa・s)を重量比にして、1:1で混合し、両者の23℃における粘度の重量平均が275Pa・s(発明の効果が得られる粘度の上限)のエポキシ系樹脂Cを得た。この時の23℃で7日間硬化させた後の接着剤硬度は、JIS K7215デュロメータ硬さTYPE−Dにて測定した値で80であった。
(ウレタン系接着剤Aの調製)
イソシアネート基を有する化合物として4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、コロネート4414、粘度0.55Pa・s)及び、水酸基を有する化合物としてヒマシ油系ポリオール(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン4221、粘度1.03Pa・s)を45℃で1時間加熱した後、重量比にして、53:47(上記イソシアネート基を有する化合物の含有量が、上記水酸基を有する化合物100重量部に対して113重量部になる割合)で混合し1分間撹拌した。その後、真空状態で5分間静置して揮発成分を除去し、ウレタン系接着剤Aを得た。この時の23℃におけるイソシアネート基を有する化合物の粘度と水酸基を有する化合物の粘度の重量平均は0.776Pa・sであった。また、この時の23℃で7日間硬化させた後の接着剤硬度はJIS K7215デュロメータ硬さTYPE−Dにて測定した値で11であった。
(ウレタン系接着剤Bの調製)
イソシアネート基を有する化合物として4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、「ウッドキュア300」、粘度0.25Pa・s)及び、水酸基を有する化合物としてヒマシ油系ポリオール(日本ポリウレタン工業社製、「ニッポラン4221」、粘度1.03Pa・s)を45℃で1時間加熱した後、重量比にして、53:47(上記イソシアネート基を有する化合物の含有量が、上記水酸基を有する化合物100重量部に対して113重量部になる割合)で混合し混合し1分間撹拌した。その後、真空状態で5分間静置して揮発成分を除去し、ウレタン系接着剤Bを得た。この時の23℃におけるイソシアネート基を有する化合物の粘度と水酸基を有する化合物の粘度の重量平均は0.617Pa・sであった。
(ウレタン系接着剤Cの調製)
イソシアネート基を有する化合物として4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、「コロネート3060」、粘度6.0Pa・s)及び、水酸基を有する化合物としてポリエステル系ポリウレタン溶液(日本ポリウレタン工業社製、「ニッポラン3113」、粘度25.0Pa・s)を45℃で1時間加熱した後、重量比にして、53:47(上記イソシアネート基を有する化合物の含有量が、上記水酸基を有する化合物100重量部に対して113重量部になる割合)で混合し混合し1分間撹拌した。その後、真空状態で5分間静置して揮発成分を除去し、ウレタン系接着剤Cを得た。この時の23℃におけるイソシアネート基を有する化合物の粘度と水酸基を有する化合物の粘度の重量平均は14.93Pa・sであった。
(ウレタン系接着剤Dの調製)
イソシアネート基を有する化合物として4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート (日本ポリウレタン工業社製、「コロネート3060」、粘度6.0Pa・s)及び、水酸基を有する化合物としてポリエステル系ポリウレタン溶液(日本ポリウレタン工業社製、「ニッポラン2301」、粘度45.0Pa・s)を45℃で1時間加熱した後、重量比にして、53:47(上記イソシアネート基を有する化合物の含有量が、上記水酸基を有する化合物100重量部に対して113重量部になる割合)で混合し混合し1分間撹拌した。その後、真空状態で5分間静置して揮発成分を除去し、ウレタン系接着剤Dを得た。この時の23℃におけるイソシアネート基を有する化合物の粘度と水酸基を有する化合物の粘度の重量平均は24.33Pa・sであった。
(実施例1)
(中空糸膜の製造)
ポリアミド系樹脂を、20重量%の割合でジメチルアセトアミドに溶解させ、中空糸ノズルより連続的に吐出させ、水浴層にて相分離させた後、300℃でのイミド化処理を行うことによって多孔質の中空糸膜を得た。得られた中空糸膜の外径は0.5mm、内径は0.3mmであった。
(工程1)
得られた中空糸膜を垂直に保持しながら、中空糸膜の下部周囲を、筐体内径より小さな内径を有するシリコンゴムなどの離けい性の高い材料からなる接着剤用容器内に設置し、糸膜束の片側の末端から約2cm分に、エポキシ系接着剤Aを注入して23℃で30分間放置した。中空糸膜束の反対側の末端についても同様の操作を行い、中空糸膜束の両端をエポキシ系接着剤Aで固着し、直径の大きさが1.7cmの末端保護中空糸膜束を得た。
(工程2)
工程1で得られた末端保護中空糸膜束を内径2.0cmの筐体に挿入し、筐体内の中空糸膜束端部近傍(筐体の末端から約4cm分)にウレタン系接着剤Aを注入した後、23℃で24時間放置した。
筐体の両端部について、クラフトソーを用いて筐体末端から約1cmの部分を切断し、中空糸膜モジュールを製造した。
(実施例2)
工程1でエポキシ系接着剤Aの代わりにエポキシ系接着剤Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
(実施例3)
工程1でエポキシ系接着剤Aの代わりにエポキシ系接着剤Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
(実施例4)
工程2でウレタン系接着剤Aの代わりにウレタン系接着剤Bを用いた以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
(実施例5)
工程2でウレタン系接着剤Aの代わりにウレタン系接着剤Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
(実施例6)
直径が1.9cmの末端保護中空糸膜束を用いた以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
(比較例1)
工程2でウレタン系接着剤Aの代わりにウレタン系接着剤Dを用いた以外は、実施例1と同様の方法により製造した。
(比較例2)
(工程1)得られた中空糸膜束を垂直に保持しながら、中空糸膜束の下部周囲を、筐体内径より小さな内径を有するシリコンゴムなどの離けい性の高い材料からなる接着剤用容器内に設置し、中空糸膜束の片側の末端から約2cm分に、ウレタン系接着剤Aを注入して23℃で24時間放置した。中空糸膜束の反対側の末端についても同様にしてウレタン系接着剤Aで固着し、直径が2.0cmの末端保護中空糸膜束を得た。
(工程2)
上記工程1で得られた末端保護中空糸膜束を内径2.0cmの筐体に挿入し、筐体内の中空糸膜束端部近傍(筐体の末端から約4cm分)にエポキシ系接着剤Aで接着した後、23℃で15分間放置した。
筐体の両端部について、クラフトソーを用いて筐体末端から約1cmの部分を切断し、中空糸膜モジュールを製造した。
(比較例3)
得られた中空糸膜束を内径2.0cmの筐体に挿入し、筐体内の中空糸膜束端部近傍に(筐体の末端から約4cm分)にエポキシ系接着剤Aを注入した後、23℃で15分間放置した。
筐体の両端部について、クラフトソーを用いて筐体末端から約1cmの部分を切断し、中空糸膜モジュールを製造した。
(比較例4)
得られた中空糸膜束を内径2.0cmの筐体に挿入し、筐体内の中空糸膜束端部近傍に(筐体の末端から約4cm分)にウレタン系接着剤Aを注入した後、23℃で24時間放置した。
筐体の両端部について、クラフトソーを用いて筐体末端から約1cmの部分を切断し、中空糸膜モジュールを製造した。
<評価>
各実施例、及び、各比較例で製造した中空糸膜モジュールについて以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(中空糸膜断面の成型性)
各実施例、及び、各比較例で製造した中空糸膜モジュールの切断面を目視で観察し、中空糸膜の断面が潰れなかったものを「○」、潰れがあったものを「×」として評価した。
(界面接着性)
各実施例、及び、各比較例で製造した中空糸膜モジュールの中空糸膜束と筐体との接着性について、筐体との界面に目視で気泡が確認されなかったものを「○」とし、筐体との界面に目視で気泡が確認されたものを「×」として評価した。
Figure 2014004535
本発明によれば、中空糸膜束と筐体との接着性、及び、成型性に優れた中空糸膜モジュールの製造方法を提供できる。
1 中空糸膜モジュール
2 中空糸膜
3 封止部
4 筐体
5 末端保護中空糸膜束
6 エポキシ系接着剤
7 ウレタン系接着剤

Claims (2)

  1. 複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸膜束の末端にて、エポキシ系接着剤を硬化させて各中空糸膜を固着し、末端保護中空糸膜束を得る工程1、
    前記末端保護中空糸膜束を筐体に挿入した後、ウレタン系接着剤を前記末端保護中空糸膜束の末端と筐体との間に充填し、前記末端保護中空糸膜束の末端と筐体とを接着する工程2とを有し、
    前記エポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂、及び、硬化剤を含有し、
    前記ウレタン系接着剤は、イソシアネート基を有する化合物、及び、水酸基を有する化合物を含有し、かつ、イソシアネート基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度と、水酸基を有する化合物のJIS K6833−1に準拠した測定での23℃における粘度の重量平均が0.617〜14.93Pa・sであることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
  2. 末端保護中空糸膜束は、硬化させたエポキシ系接着剤を含む末端の直径が、筐体の内径に対して50〜95%であることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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