JP6962857B2 - 二室式容器兼用注射器 - Google Patents
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Description
二室式容器兼用注射器は、外筒の先端側にフロントストッパーが嵌入されており、外筒内の中央部に嵌入されたミドルストッパーによって該外筒内部が前後二室に分割されている。外筒におけるミドルストッパーよりも先端側の部分には、外筒の一部が径方向外側に膨出することで形成されたバイパス部が形成されている。ミドルストッパーの先端側の前室には、粉末状の製剤が封入されており、その先端はフロントストッパーで封止されている。ミドルストッパーの後端側の後室には液剤が封入されており、その後端はエンドストッパーによって封止されている。エンドストッパーの後端にはプランジャーロッドが接続されている。
二室式容器兼用注射器の取り扱いの観点からは、外筒が一様な外径であることが好ましい。一方でバイパス溝の形成部分が十分な強度を保持するためには、外筒から膨出する部分があっても良いが、当該部分が大きく膨出していれば取り扱い性を阻害する。そのため、適度な膨出量であることが好ましい。
即ち、本発明の第一態様に係る二室式容器兼用注射器は、軸線を中心として延びる円筒状をなして外径及び内径が該軸線方向にわたって一様とされた円筒形状をなす外筒本体、及び、該外筒本体の前記軸線方向の一部から前記外筒本体の外周面及び内周面が径方向外側に膨出するようにして形成されたバイパス部を有し、ガラスから成型された外筒と、該外筒の先端に設けられたフロントアセンブリと、前記外筒の後端に設けられたフィンガーグリップと、前記外筒内における前記バイパス部の先端側に嵌入されたフロントストッパーと、前記外筒内における前記バイパス部の後端側に嵌入され、前記フロントストッパーとともに製剤を封止するミドルストッパーと、前記外筒内における前記ミドルストッパーの後端側に嵌入されて前記ミドルストッパーとともに液剤を封止するエンドストッパーと、前記フィンガーグリップを挿通して前記エンドストッパーに後端側から接続されるプランジャーロッドとを備え、前記バイパス部の径方向の厚さが前記外筒本体の径方向の厚さよりも小さく、かつ、前記外筒本体の径方向の厚さに対する前記バイパス部の径方向の厚さの比が、0.8以上とされ、前記バイパス部の外面の径方向位置が、前記外筒本体の外周面よりも径方向外側とされ、前記バイパス部の内面の径方向位置が、前記外筒本体の内周面と外周面との間とされており、前記外筒本体の内径が、10.0〜15.0mmとされ、前記バイパス部は、周方向に間隔をあけて4つのみが設けられており、各前記バイパス部内の空間の前記軸線に直交する断面積が0.25〜0.80mm 2 とされ、前記4つのみのバイパス部の前記断面積の合計が、1.00〜3.20mm 2 とされている。
また、本発明の他の態様に係る二室式容器兼用注射器は、軸線を中心として延びる円筒状をなして外径及び内径が該軸線方向にわたって一様とされた円筒形状をなす外筒本体、及び、該外筒本体の前記軸線方向の一部から前記外筒本体の外周面及び内周面が径方向外側に膨出するようにして形成されたバイパス部を有し、ガラスから成型された外筒と、該外筒の先端に設けられたフロントアセンブリと、前記外筒の後端に設けられたフィンガーグリップと、前記外筒内における前記バイパス部の先端側に嵌入されたフロントストッパーと、前記外筒内における前記バイパス部の後端側に嵌入され、前記フロントストッパーとともに製剤を封止するミドルストッパーと、前記外筒内における前記ミドルストッパーの後端側に嵌入されて前記ミドルストッパーとともに液剤を封止するエンドストッパーと、前記フィンガーグリップを挿通して前記エンドストッパーに後端側から接続されるプランジャーロッドと、を備え、前記バイパス部の径方向の厚さが前記外筒本体の径方向の厚さよりも小さく、かつ、前記外筒本体の径方向の厚さに対する前記バイパス部の径方向の厚さの比が、0.8以上とされ、前記バイパス部の外面の径方向位置が、前記外筒本体の外周面よりも径方向外側とされ、前記バイパス部の内面の径方向位置が、前記外筒本体の内周面と外周面との間とされており、前記外筒本体の内径が、10.0〜15.0mmとされ、前記バイパス部は、周方向に間隔をあけて3つのみが設けられており、各前記バイパス部内の空間の前記軸線に直交する断面積が0.25〜0.80mm 2 とされ、前記3つのみのバイパス部の前記断面積の合計が、0.75〜2.40mm 2 とされている。
図1及び図2に示すように、二室式容器兼用注射器1は、外筒本体110と、ハブルアーロック20と、フロントストッパー30と、ミドルストッパー40と、エンドストッパー50と、フィンガーグリップ60と、プランジャーロッド70とを備えている。この二室式容器兼用注射器1には、混合されることで注射薬が調製される製剤及び液剤が分離した状態で充填されている。
直線溝26aは、バイパスチャンバー25の内壁面において軸線Oと平行に延びるように周方向に等間隔を空けて複数が成型されている。直線溝26aの先端側は、バイパスチャンバー25の内壁面から前端面25aに延びてルアー先23の内部に成型された導入孔23aにそれぞれ接続されている。
ミドルストッパー40は、外筒本体110におけるバイパス部120の後端側に嵌入されている。ミドルストッパー40は、外筒本体110内においてフロントストッパー30とミドルストッパー40とに挟み込まれるようにして粉末状の製剤Sが封止されている。即ち、外筒本体110の内周面、フロントストッパー30の後端面及びミドルストッパー40の先端面によって画成された前室F内に製剤Sが充填されている。
このように、二室式容器兼用注射器1においては、ミドルストッパー40によって仕切られた前室F及び後室B内に、製剤及び液剤が分離して封止されている。
嵌着部61は、軸線Oを中心とした略円筒形状をなしており、その内周側が外筒本体110の後端が嵌め込まれる嵌着孔61aとされている。
フランジ部62は、嵌着部61の後端から軸線Oを中心とした直径方向に張り出しており、軸線O方向矢視において略矩形状をなしている。このフランジ部62は、二室式容器兼用注射器1の使用時に医療従事者の指を支持することにより、該医療従事者の二室式容器兼用注射器1の取り扱いを容易にする役割を有している。
本実施形態のバイパス部120は、周方向に間隔をあけて複数が形成されている。各バイパス部120の軸線O方向の寸法及び軸線O方向の位置は互いに同一とされている。バイパス部120は、外筒100の成型時に筒状の外筒本体110の内側から型を押し当てて径方向外側に膨出させることによって形成される。これによって、バイパス部120は、直線部121、後側傾斜部122及び前側傾斜部123を有している。
0の厚さT1とする。バイパス部120における外面121aと内面121bとの径の差をバイパス部120の厚さT2とする。なお、バイパス部120の厚さT2は、バイパス部120の直線部121における外面121aの頂部と内面121bの底部との径方向の寸法差である。本実施形態では、0.8×T1≦T2の関係が成立している。バイパス部120の厚さT2は、外筒本体110の厚さT1よりも僅かに小さい値に設定されている。
一方、液剤をゆっくりと全周から流入させる構成として、流路断面積の小さな多数(5〜17)のバイパス部120を設けた場合、各バイパス部120の流路断面積は小さくなるため、速い流入操作には不向きである。
これにより、3〜4つのバイパス部120が外筒本体110の周方向全域に均等に配置されることによって、後室Bからの液剤流入が前室Fの製剤を多方向から湿潤・溶解することができる。また、急激な溶解液流入による「だま」の発生を防ぎ、安定して素早い溶解を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、バイパス空間Pの断面積は、例えば0.30〜0.70mm2に設定されていてもよい。これによりバイパス部120が4つの場合には、バイパス部120の断面積の合計は1.20mm2〜2.80mm2となる。また、バイパス部120が3つの場合には、バイパス部120の断面積の合計は0.90mm2〜2.10mm2となる。
20 ハブルアーロック
21 基端部
22 円筒部
23 ルアー先
23a 導入孔
24 嵌着孔
25 バイパスチャンバー
25a 前端面
26 溝部
26a 直線溝
26b 環状溝
28 キャップ
30 フロントストッパー
40 ミドルストッパー
50 エンドストッパー
60 フィンガーグリップ
61 嵌着部
61a 嵌着孔
62 フランジ部
70 プランジャーロッド
O 軸線
F 前室
B 後室
P バイパス空間
100 外筒
110 外筒本体
110a 外周面
110b 内周面
120 バイパス部
121 直線部
121a 外面
121b 内面
122 後側傾斜部
123 前側傾斜部
Claims (3)
- 軸線を中心として延びる円筒状をなして外径及び内径が該軸線方向にわたって一様とされた円筒形状をなす外筒本体、及び、該外筒本体の前記軸線方向の一部から前記外筒本体の外周面及び内周面が径方向外側に膨出するようにして形成されたバイパス部を有し、ガラスから成型された外筒と、
該外筒の先端に設けられたフロントアセンブリと、
前記外筒の後端に設けられたフィンガーグリップと、
前記外筒内における前記バイパス部の先端側に嵌入されたフロントストッパーと、
前記外筒内における前記バイパス部の後端側に嵌入され、前記フロントストッパーとともに製剤を封止するミドルストッパーと、
前記外筒内における前記ミドルストッパーの後端側に嵌入されて前記ミドルストッパーとともに液剤を封止するエンドストッパーと、
前記フィンガーグリップを挿通して前記エンドストッパーに後端側から接続されるプランジャーロッドと、
を備え、
前記バイパス部の径方向の厚さが前記外筒本体の径方向の厚さよりも小さく、かつ、前記外筒本体の径方向の厚さに対する前記バイパス部の径方向の厚さの比が、0.8以上とされ、
前記バイパス部の外面の径方向位置が、前記外筒本体の外周面よりも径方向外側とされ、
前記バイパス部の内面の径方向位置が、前記外筒本体の内周面と外周面との間とされており、
前記外筒本体の内径が、10.0〜15.0mmとされ、
前記バイパス部は、周方向に間隔をあけて4つのみが設けられており、
各前記バイパス部内の空間の前記軸線に直交する断面積が0.25〜0.80mm 2 とされ、
前記4つのみのバイパス部の前記断面積の合計が、1.00〜3.20mm 2 とされている二室式容器兼用注射器。 - 軸線を中心として延びる円筒状をなして外径及び内径が該軸線方向にわたって一様とされた円筒形状をなす外筒本体、及び、該外筒本体の前記軸線方向の一部から前記外筒本体の外周面及び内周面が径方向外側に膨出するようにして形成されたバイパス部を有し、ガラスから成型された外筒と、
該外筒の先端に設けられたフロントアセンブリと、
前記外筒の後端に設けられたフィンガーグリップと、
前記外筒内における前記バイパス部の先端側に嵌入されたフロントストッパーと、
前記外筒内における前記バイパス部の後端側に嵌入され、前記フロントストッパーとともに製剤を封止するミドルストッパーと、
前記外筒内における前記ミドルストッパーの後端側に嵌入されて前記ミドルストッパーとともに液剤を封止するエンドストッパーと、
前記フィンガーグリップを挿通して前記エンドストッパーに後端側から接続されるプランジャーロッドと、
を備え、
前記バイパス部の径方向の厚さが前記外筒本体の径方向の厚さよりも小さく、かつ、前記外筒本体の径方向の厚さに対する前記バイパス部の径方向の厚さの比が、0.8以上とされ、
前記バイパス部の外面の径方向位置が、前記外筒本体の外周面よりも径方向外側とされ、
前記バイパス部の内面の径方向位置が、前記外筒本体の内周面と外周面との間とされており、
前記外筒本体の内径が、10.0〜15.0mmとされ、
前記バイパス部は、周方向に間隔をあけて3つのみが設けられており、
各前記バイパス部内の空間の前記軸線に直交する断面積が0.25〜0.80mm 2 とされ、
前記3つのみのバイパス部の前記断面積の合計が、0.75〜2.40mm 2 とされている二室式容器兼用注射器。 - 前記外筒本体の外周面からの前記バイパス部の膨出高さが、0.4〜0.8mmとされている請求項1に記載の二室式容器兼用注射器。
Priority Applications (1)
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JP2018087481A JP6962857B2 (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 二室式容器兼用注射器 |
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