以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター1を示す概略構成図である。図2は、本実施形態のプロジェクター1の一部を示す模式図である。図1に示すように、プロジェクター1は、光源2と、色分離光学系3と、光変調ユニット4Rと、光変調ユニット4Gと、光変調ユニット4Bと、光合成光学系5と、投射光学装置6と、を備える。光変調ユニット4Rは、光変調装置4RPを有する。光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを有する。光変調ユニット4Bは、光変調装置4BPを有する。
光源2は、略均一な照度分布を有するように調整された照明光WLを色分離光学系3に向けて射出する。光源2は、例えば、半導体レーザーである。色分離光学系3は、光源2からの照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7aと、第2のダイクロイックミラー7bと、第1の反射ミラー8aと、第2の反射ミラー8bと、第3の反射ミラー8cと、リレーレンズ8dと、を備える。
第1のダイクロイックミラー7aは、光源2から射出された照明光WLを、赤色光LRと、緑色光LGと青色光LBとが混合された光と、に分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを透過させるとともに、緑色光LGおよび青色光LBを反射する特性を有する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGと青色光LBとが混合された光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる特性を有する。
第1の反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1のダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4RPに向けて反射する。第2の反射ミラー8bおよび第3の反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4BPに導く。
光変調装置4RP、光変調装置4GP、および光変調装置4BPの各々は、液晶パネルから構成されている。光変調装置4RPは、光源2から射出された光のうち赤色光LRを画像信号に応じて変調する。光変調装置4GPは、光源2から射出された光のうち緑色光LGを画像信号に応じて変調する。光変調装置4BPは、光源2から射出された光のうち青色光LBを画像信号に応じて変調する。これにより、各光変調装置4RP,4GP,4BPは、各色光に対応した画像光を形成する。図示は省略するが、光変調装置4RP,4GP,4BPの各々の光入射側および光射出側には、偏光板が配置されている。
光変調装置4RPの光入射側には、光変調装置4RPに入射する赤色光LRを平行化するフィールドレンズ9Rが配置されている。光変調装置4GPの光入射側には、光変調装置4GPに入射する緑色光LGを平行化するフィールドレンズ9Gが配置されている。光変調装置4BPの光入射側には、光変調装置4BPに入射する青色光LBを平行化するフィールドレンズ9Bが配置されている。
光合成光学系5は、略立方体状のクロスダイクロイックプリズムから構成されている。光合成光学系5は、光変調装置4RP,4GP,4BPからの各色の画像光を合成する。光合成光学系5は、合成した画像光を投射光学装置6に向かって射出する。投射光学装置6は、投射レンズ群から構成されている。投射光学装置6は、光合成光学系5により合成された画像光、すなわち光変調装置4RP,4GP,4BPにより変調された光をスクリーンSCRに向かって拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー画像(映像)が表示される。
プロジェクター1は、図2に示すように、冷却装置10をさらに備える。冷却装置10は、冷媒Wが気体へ変化することで、プロジェクター1に備えられた冷却対象を冷却する。本実施形態において冷媒Wは、例えば、液体の水である。そのため、以下の説明においては、冷媒Wが気体へ変化することを単に気化と呼ぶ場合がある。本実施形態において冷却対象は、光変調ユニット4R,4G,4Bを含む。すなわち、本実施形態において冷却対象は、光変調装置4RP,4GP,4BPを含む。
冷却装置10は、冷媒生成部20と、冷媒伝送部50と、を有する。冷媒生成部20は、冷媒Wを生成する部分である。冷媒伝送部50は、生成された冷媒Wを冷却対象に向けて伝送する部分である。冷媒伝送部50によって冷却対象、すなわち本実施形態では光変調ユニット4R,4G,4Bに送られた冷媒Wが気化することで冷却対象から熱を奪うことができ、冷却装置10は、冷却対象を冷却することができる。以下、各部について詳細に説明する。
図3は、本実施形態の冷媒生成部20を模式的に示す概略構成図である。冷媒生成部20は、図3に示すように、吸放湿部材40と、モーター(駆動部)24と、第1送風装置(冷却送風装置)60と、第1熱交換部30と、第1ダクト25と、第2ダクト26と、加熱部22と、第2送風装置23と、第3送風装置61と、第2熱交換部29と、を有する。
図4は、吸放湿部材40を示す斜視図である。吸放湿部材40は、図4に示すように、回転軸Rを中心とした扁平の円柱状である。吸放湿部材40の中心には、回転軸Rを中心とする中心孔40cが形成されている。中心孔40cは、回転軸Rの軸方向に吸放湿部材40を貫通する。吸放湿部材40は、回転軸R周りに回転する。以下の説明においては、回転軸Rの軸方向を「回転軸方向DR」と呼び、適宜図においてDR軸で示す。
吸放湿部材40は、吸放湿部材40を回転軸方向DRに貫通する無数の貫通孔40bを有する。吸放湿部材40は、多孔質部材である。吸放湿部材40は、吸放湿性を有する。本実施形態において吸放湿部材40は、例えば、貫通孔40bを有する帯状の帯状部材40aを回転軸R周りに巻き、巻かれた帯状部材40aにおける外部に露出する面に吸放湿性を有する物質を塗布して作られている。なお、巻かれた帯状部材40aにおける外部に露出する面とは、吸放湿部材40の外表面、中心孔40cの内周面および貫通孔40bの内側面を含む。なお、吸放湿部材40は、全体が吸放湿性を有する物質から作られていてもよい。吸放湿性を有する物質としては、例えば、ゼオライトやシリカゲル等が挙げられる。
図3に示すモーター24の出力軸は、吸放湿部材40の中心孔40cに挿入されて固定されている。モーター24は、吸放湿部材40を回転軸R周りに回転させる。モーター24によって回転させられる吸放湿部材40の回転速度は、例えば、0.2rpm以上、5rpm以下程度である。
第1送風装置60は、例えば、プロジェクター1内に外部の空気を取り込む吸気ファンである。第1送風装置60は、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に空気AR1を送る。第1領域F1は、回転軸Rと直交する方向において、回転軸Rよりも一方側の領域である。一方、回転軸Rと直交する方向において、回転軸Rよりも他方側の領域、すなわち回転軸Rに対して第1領域F1と逆側の領域は、第2領域F2である。第1領域F1は、図3では回転軸Rよりも上側の領域である。第2領域F2は、図3では回転軸Rよりも下側の領域である。
第1送風装置60は、図2に示すように、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bにも空気AR1を送る。すなわち、本実施形態において第1送風装置60は、冷却対象に空気AR1を送る冷却送風装置である。第1送風装置60は、空気AR1を送れることができるならば、特に限定されず、例えば、軸流ファンであっても、遠心ファンであってもよい。
第1熱交換部30は、冷媒Wが生成される部分である。図5は、第1熱交換部30を示す部分断面斜視図である。図5に示すように、第1熱交換部30は、筐体31と、複数の流路部34と、流入ダクト32と、流出ダクト33と、を有する。
本実施形態において筐体31は、直方体箱状である。筐体31は、内部空間35と、流入孔部31aと、流出孔部31bと、を有する。内部空間35には、第2送風装置23によって送られる空気が流入する。流入孔部31aは、筐体31のうち回転軸方向DRの一方側(+DR側)の側壁部31cに設けられている。流出孔部31bは、筐体31のうち回転軸方向DRの他方側(−DR側)の側壁部31dに設けられている。流入孔部31aおよび流出孔部31bは、内部空間35と繋がっている。流入孔部31aおよび流出孔部31bは、例えば、矩形状である。本実施形態において流入孔部31aと流出孔部31bとは、回転軸方向DRに沿って視て互いに重なっている。
複数の流路部34は、内部空間35内に配置されている。複数の流路部34の内部には、後述する第3送風装置61によって送られる空気が流通する。本実施形態において複数の流路部34は、直線状に延びる導管である。流路部34は、例えば、円筒状である。流路部34は、延びる方向の両側に開口している。複数の流路部34は、例えば、互いに平行な方向に延びている。流路部34が延びる方向は、例えば、回転軸方向DRと直交する。以下の説明においては、流路部34が延びる方向を「延伸方向DE」と呼び、適宜図においてDE軸で示す。上述した第1領域F1と第2領域F2とは、回転軸方向DRと直交する延伸方向DEにおいて、回転軸Rを基準として分けられている。
なお、本明細書において「複数の流路部が互いに平行な方向に延びている」とは、複数の流路部が厳密に互いに平行に延びている場合に加えて、複数の流路部が互いに略平行な方向に延びている場合も含む。「複数の流路部が互いに略平行な方向に延びている」とは、例えば、流路部同士の成す角度が10°以内程度の場合を含む。
本実施形態において流路部34は、回転軸方向DRに沿って複数の流路部34が並べられて構成された列が、回転軸方向DRおよび延伸方向DEの両方と直交する方向に沿って複数列設けられている。なお、以下の説明においては、回転軸方向DRおよび延伸方向DEの両方と直交する方向を「厚さ方向DT」と呼び、適宜図においてDT軸で示す。複数の流路部34は、例えば、厚さ方向DTに並ぶ4つの列を構成している。厚さ方向DTに隣り合う列の一方の列に含まれる流路部34は、回転軸方向DRにおいて、他方の列に含まれる流路部34同士の間に位置する。すなわち、複数の流路部34は、延伸方向DEに沿って視て、千鳥状に配置されている。
流路部34は、図3に示すように、筐体31のうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の側壁部31eから、筐体31のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の側壁部31fまで延びている。流路部34のうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部は、側壁部31eにおける延伸方向DEの他方側の面に開口し、筐体31の外部に開口する流入口34aである。流路部34のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部は、側壁部31fにおける延伸方向DEの一方側の面に開口し、筐体31の外部に開口する流出口34bである。これにより、流路部34は、筐体31の延伸方向DEの両側に位置する空間同士を繋いでいる。一方で、複数の流路部34の内部は、内部空間35と繋がっていない。これにより、複数の流路部34の内部を流通する空気と内部空間35に流入された空気とは、混じり合わない。すなわち、複数の流路部34の内部は、内部空間35と隔離されている。
流入ダクト32および流出ダクト33は、延伸方向DEに延びるダクトである。本実施形態において流入ダクト32および流出ダクト33は、矩形筒状である。流入ダクト32および流出ダクト33は、筐体31を延伸方向DEに挟んで配置され、それぞれ筐体31に接続されている。流入ダクト32は、筐体31の延伸方向DEの他方側(−DE側)に位置する。流出ダクト33は、筐体31の延伸方向DEの一方側(+DE側)に位置する。
流入ダクト32のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部は、側壁部31eの外周縁部に固定され、側壁部31eによって閉塞されている。流入ダクト32の内部には、複数の流路部34の流入口34aが開口している。これにより、流入ダクト32の内部は、流入口34aを介して、複数の流路部34の内部と繋がっている。
流出ダクト33のうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部は、側壁部31fの外周縁部に固定され、側壁部31fによって閉塞されている。流出ダクト33の内部には、複数の流路部34の流出口34bが開口している。これにより、流出ダクト33の内部は、流出口34bを介して、複数の流路部34の内部と繋がっている。
本実施形態において第1ダクト25と第2ダクト26とは、回転軸方向DRに並んで配置され、吸放湿部材40および第1熱交換部30を回転軸方向DRに挟んでいる。本実施形態において第1ダクト25および第2ダクト26のそれぞれは、全体として延伸方向DEに延びている。第1ダクト25と第2ダクト26とは、例えば、回転軸方向DRに対称な形状である。第1ダクト25および第2ダクト26は、例えば、樹脂製である。
第1ダクト25は、回転軸方向DRにおいて、吸放湿部材40の一方側(+DR側)に配置されたダクトである。第1ダクト25は、吸放湿部材40の回転軸方向DRの一方側から、筐体31の回転軸方向DRの一方側まで延びている。第1ダクト25のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部25aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に向かって、回転軸方向DRの他方側(−DR側)に開口している。第1ダクト25のうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部25bは、筐体31の流入孔部31aに接続され、内部空間35に開口している。これにより、第1ダクト25の内部は、内部空間35と繋がっている。
本実施形態において第1ダクト25は、第2ダクト26に向かって張り出す第1張出部(第1接触部)25cを有する。第1張出部25cは、例えば、第1ダクト25のうち延伸方向DEの中央部分である。本実施形態において第1張出部25cは、第1ダクト25のうち第1張出部25cの延伸方向DEの両側に位置する部分が延伸方向DEに対して直角に折れ曲がることで、回転軸方向DRの他方側(−DR側)に張り出している。第1張出部25cは、延伸方向DEに延びている。第1張出部25cは、第2送風装置23が配置された第1ダクト25の部分よりも、第1ダクト25内における空気の流通方向の下流側に位置する部分である。
第1張出部25cのうち回転軸方向DRの他方側(−DR側)の壁部には、貫通孔25dが形成されている。第1張出部25cのうち回転軸方向DRの他方側の壁部は、第2ダクト26と回転軸方向DRに対向する壁部である。
第2ダクト26は、回転軸方向DRにおいて、吸放湿部材40の他方側(−DR側)に配置されたダクトである。第2ダクト26は、吸放湿部材40の回転軸方向DRの他方側から、筐体31の回転軸方向DRの他方側まで延びている。第2ダクト26のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部26aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に向かって、回転軸方向DRの一方側(+DR側)に開口している。第2ダクト26のうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部26bは、筐体31の流出孔部31bに接続され、内部空間35に開口している。これにより、第2ダクト26の内部は、内部空間35と繋がっている。
本実施形態において第2ダクト26は、第1ダクト25に向かって張り出す第2張出部(第2接触部)26cを有する。本実施形態において第2張出部26cは、第2ダクト26のうち第2張出部26cの延伸方向DEの両側に位置する部分が延伸方向DEに対して直角に折れ曲がることで、回転軸方向DRの一方側(+DR側)に張り出している。第2張出部26cは、延伸方向DEに延びている。第2張出部26cは、加熱部22の後述する加熱本体部22aが配置された第2ダクト26の部分よりも、第2ダクト26内における空気の流通方向の上流側に位置する部分である。
第2張出部26cのうち回転軸方向DRの一方側(+DR側)の壁部には、貫通孔26dが形成されている。第2張出部26cのうち回転軸方向DRの一方側の壁部は、第1ダクト25と回転軸方向DRに対向する壁部である。貫通孔26dは、第1張出部25cの貫通孔25dと対向して配置されている。
本実施形態において第1張出部25cと第2張出部26cとは、互いに接触している。すなわち、本実施形態において第1張出部25cは、第1ダクト25のうち第2ダクト26に接触する第1接触部に相当し、第2張出部26cは、第2ダクト26のうち第1接触部に接触する第2接触部に相当する。
加熱部22は、加熱本体部22aを有する。加熱本体部22aは、第2ダクト26の内部に配置されている。加熱本体部22aは、回転軸方向DRにおいて、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分の他方側(−DR側)に配置されている。加熱本体部22aは、例えば、電気ヒーターである。加熱本体部22aは、第2ダクト26の内部の雰囲気(空気)を加熱する。本実施形態において加熱部22は、第2送風装置23を有する。
第2送風装置23は、第1ダクト25の内部に配置されている。第2送風装置23は、回転軸方向DRにおいて、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分の一方側(+DR側)に配置されている。第2送風装置23は、例えば、遠心ファンである。第2送風装置23は、回転軸方向DRの他方側(−DR側)から吸気した空気を、排気口23aから延伸方向DEの他方側(−DE側)に放出する。排気口23aから放出された空気は、流入孔部31aを介して筐体31の内部空間35に流入する。すなわち、第2送風装置23は、流入孔部31aを介して内部空間35に空気を送る。なお、第2送風装置23は、例えば、軸流ファンであってもよい。
第2送風装置23から内部空間35に放出される空気は、第1ダクト25の端部25aを介して第2送風装置23の回転軸方向DRの他方側(−DR側)から吸気した空気であり、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過した空気である。すなわち、第2送風装置23は、第1領域F1と異なる第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に空気を通過させて第1熱交換部30に送る。本実施形態において第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する前の空気は、第2ダクト26の内部を流れている。そのため、加熱本体部22aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する前の空気を加熱する。
このように、本実施形態において加熱部22は、加熱本体部22aによって加熱された空気を、第2送風装置23によって第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に送ることで、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を加熱する。これにより、第2送風装置23は、吸放湿部材40における加熱部22によって加熱された部分の周囲の空気を第1熱交換部30に送る。
第2送風装置23から第1熱交換部30の内部空間35に流入した空気は、内部空間35を回転軸方向DRに通過し、流出孔部31bを介して第2ダクト26の内部に流入する。第2ダクト26の内部に流入した空気は、加熱本体部22aによって加熱され、再び第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過して第1ダクト25の内部に流入し第2送風装置23に吸気される。
以上のように、本実施形態において冷媒生成部20は、第2送風装置23から放出された空気が循環する循環経路27を有する。循環経路27は、少なくとも第1ダクト25と第2ダクト26と第1熱交換部30とによって構成されている。循環経路27は、加熱本体部22aと吸放湿部材40と内部空間35とを通る。吸放湿部材40と第1ダクト25および第2ダクト26との間には僅かに隙間が設けられているが、循環経路27は略密閉されており、循環経路27の内部に外部からの空気が流入することが抑制される。なお、以下の説明においては、第2送風装置23から放出され循環経路27内を循環する空気を空気AR2と呼ぶ。
循環経路27は、第1経路27aと、第2経路27bと、を有する。第1経路27aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過した空気AR2が第1熱交換部30に流入する経路である。本実施形態において第1経路27aは、第1ダクト25によって形成されている。すなわち、本実施形態において第1経路27aには、第2送風装置23が配置されている。第2経路27bは、第1熱交換部30から排出された空気AR2が第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に送られる経路である。本実施形態において第2経路27bは、第2ダクト26によって形成されている。すなわち、本実施形態において第2経路27bには、加熱本体部22aが配置されている。これにより、加熱本体部22aは、第2経路27bを流通する空気AR2を加熱する。
第1経路27aは、第1近接部27cを有する。第1近接部27cは、第1経路27aの一部であり、第1経路27aの他の部分よりも第2経路27bの近くに配置された部分である。本実施形態において第1近接部27cは、第1張出部25cによって形成されている。第1近接部27cは、第2送風装置23が配置された第1経路27aの部分よりも、第1経路27aにおける空気AR2の流通方向の下流側に位置する部分である。第1近接部27cには、延伸方向DEの一方側(+DE側)から他方側(−DE側)に空気AR2が流通する。
第2経路27bは、第2近接部27dを有する。第2近接部27dは、第2経路27bの一部であり、第2経路27bの他の部分よりも第1経路27aの近くに配置された部分である。本実施形態において第2近接部27dは、第2張出部26cによって形成されている。第2近接部27dは、加熱本体部22aが配置された第2経路27bの部分よりも、第2経路27bにおける空気AR2の流通方向の上流側に位置する部分である。第2近接部27dには、延伸方向DEの他方側(−DE側)から一方側(+DE側)に空気AR2が流通する。すなわち、第1近接部27cを空気AR2が流通する向きと第2近接部27dを空気AR2が流通する向きとは、互いに逆向きである。言い換えれば、第1張出部25c内を空気AR2が流通する向きと第2張出部26c内を空気AR2が流通する向きとは、互いに逆向きである。第1近接部27cと第2近接部27dとは、回転軸方向DRに隣接して配置されている。
本実施形態において第3送風装置61は、流入ダクト32の内部に配置されている。第3送風装置61は、軸流ファンであっても、遠心ファンであってもよい。第3送風装置61は、流入ダクト32内において延伸方向DEの一方側(+DE側)に冷却空気AR3を放出する。放出された冷却空気AR3は、流入口34aを介して流路部34の内部に流入する。すなわち、本実施形態において第3送風装置61は、流入ダクト32を介して流入口34aから複数の流路部34の内部に冷却空気AR3を送る。これにより、複数の流路部34の内部には、冷却空気AR3が流通する。流路部34の内部を通る冷却空気AR3は、流路部34を介して内部空間35の空気AR2を冷却する。このように、第3送風装置61は、冷却空気AR3を流路部34の内部に送ることで、流路部34を介して内部空間35に流入される空気AR2を冷却できる。流路部34の内部に送られた冷却空気AR3は、流出口34bから流出ダクト33の内部に流出する。
第2熱交換部29は、循環経路27に設けられている。第2熱交換部29においては、第1経路27aを流通する空気AR2と第2経路27bを流通する空気AR2との間で熱交換が行われる。図6は、第2熱交換部29の一部を示す部分断面斜視図である。本実施形態において第2熱交換部29は、図6に示すように、第1張出部25cによって形成された第1近接部27cと、第2張出部26cによって形成された第2近接部27dと、伝熱部材28と、を有する。
本実施形態において伝熱部材28は、第1経路27aの第1近接部27cと第2経路27bの第2近接部27dとに跨って配置されている。伝熱部材28は、例えば、ヒートシンクである。伝熱部材28は、基部28aと、基部28aから同じ向きに突出する複数のフィン28bと、を有する。本実施形態において基部28aは、板面が厚さ方向DTを向く矩形板状である。基部28aは、貫通孔25d,26dに通されて、第1近接部27cと第2近接部27dとに跨って配置されている。図示は省略するが、例えば、基部28aと貫通孔25d,26dの内周面との間には、基部28aと貫通孔25d,26dの内周面との間を封止する封止部材が設けられている。これにより、貫通孔25d,26dを介して第1経路27aと第2経路27bとの間で空気AR2が移動することを抑制できる。
複数のフィン28bは、基部28aから厚さ方向DTの一方側(+DT側)に突出している。複数のフィン28bは、板面が回転軸方向DRを向く矩形板状である。複数のフィン28bは、回転軸方向DRに等間隔に並んで配置されている。フィン28bは、例えば、6つ設けられている。6つのフィン28bのうち回転軸方向DRの一方側(+DR側)に位置する3つのフィン28bは、第1近接部27cに配置された第1フィン28cである。6つのフィン28bのうち回転軸方向DRの他方側(−DR側)に位置する3つのフィン28bは、第2近接部27dに配置された第2フィン28dである。すなわち、本実施形態においては、複数のフィン28bのうち一部のフィン28bが、第1経路27aに配置され、複数のフィン28bのうち他の一部のフィン28bが、第2経路27bに配置されている。
ここで、第1経路27aを流通する空気AR2は、加熱部22によって加熱されているため、第1熱交換部30から排出されて第2経路27bを流通する空気AR2よりも温度が高くなりやすい。そのため、第1経路27aを流通する空気AR2の熱が、伝熱部材28によって第2経路27bを流通する空気AR2に移動させられる。より詳細には、第1経路27aに配置された複数の第1フィン28cは、第1経路27aを流通する空気AR2から熱を吸収する。第1フィン28cに吸収された熱は、基部28aを通って、複数の第2フィン28dに移動し、第2フィン28dから第2経路27bを流通する空気AR2に放出される。このように、本実施形態の第2熱交換部29においては、伝熱部材28を介して第1経路27aを流通する空気AR2と第2経路27bを流通する空気AR2との間で熱交換が行われる。より詳細には、本実施形態の第2熱交換部29においては、第1経路27aを流通する空気AR2と、第2経路27bを流通する空気AR2のうち加熱本体部22aよりも上流側を流通する空気AR2と、の間で熱交換が行われる。
第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に第1送風装置60から空気AR1が送られると、空気AR1に含まれる水蒸気が、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に吸湿される。水蒸気を吸湿した吸放湿部材40の部分は、モーター24によって吸放湿部材40が回転させられることで、第1領域F1から第2領域F2に移動する。そして、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分には、加熱本体部22aによって加熱された比較的温度の高い空気AR2が通る。これにより、吸放湿部材40に吸湿された水分が、気化して空気AR2に放湿される。
吸放湿部材40を通過することで空気AR1から吸湿した水蒸気を含んだ空気AR2は、第2送風装置23によって第1熱交換部30の内部空間35へと送られる。内部空間35に送られた比較的温度の高い空気AR2は、内部空間35を複数の流路部34の延伸方向DEと交差する方向に流通し、複数の流路部34の内部を通る冷却空気AR3によって冷却される。これにより、空気AR2に含まれていた水蒸気が凝縮して液体の水、すなわち冷媒Wになる。このように、第1熱交換部30の筐体31内、すなわち内部空間35においては、複数の流路部34の内部に送られた冷却空気AR3によって内部空間35に流入した空気AR2が冷却されることで、内部空間35に流入した空気AR2から冷媒Wが生成される。
本実施形態において冷媒伝送部50は、多孔質部材製であり、毛細管現象によって冷媒Wを伝送する。冷媒伝送部50の材質としては、例えば、ポリプロピレン、コットン、ポーラス金属等が挙げられる。冷媒伝送部50の材質は、冷媒伝送部50の表面張力を比較的大きくできる材質が好ましい。
冷媒伝送部50は、筐体31に接続される接続部54を有する。接続部54は、筐体31と冷却対象とを接続する部分である。上述したように本実施形態において冷媒伝送部50は多孔質部材製であるため、接続部54は、多孔質部材製である。接続部54において筐体31に接続される端部54aは、内部空間35に露出している。接続部54は、筐体31の内部空間35から筐体31の外部に、筐体31の側壁部31dを貫通して突出している。接続部54は、薄い帯状である。図7に示すように、筐体31の外部に突出した接続部54は、冷却対象である光変調ユニット4Gまで延びている。図7は、光変調ユニット4R,4G,4Bと光合成光学系5とを示す斜視図である。
次に、本実施形態における冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bについて、より詳細に説明する。以下の説明においては、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向Zを、適宜図においてZ軸で示す。投射光学装置6における最も光射出側の投射レンズの光軸AXと平行な方向、すなわち投射光学装置6の投射方向と平行な方向を「光軸方向X」と呼び、適宜図においてX軸で示す。光軸方向Xは、上下方向Zと直交する。また、光軸方向Xおよび上下方向Zの両方と直交する方向を「幅方向Y」と呼び、適宜図においてY軸で示す。
なお、上下方向Z、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図8は、光変調ユニット4Gを光入射側から視た図である。図9は、光変調ユニット4Gを示す図であって、図8におけるIX−IX断面図である。
冷却対象である光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Gと光変調ユニット4Bとは、図7に示すように、光合成光学系5の周りを囲んで配置されている。光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Bとは、光合成光学系5を幅方向Yに挟んで互いに反対側に配置されている。光変調ユニット4Gは、光合成光学系5の光軸方向Xの光入射側(−X側)に配置されている。光変調ユニット4Rの構造と光変調ユニット4Gの構造と光変調ユニット4Bの構造とは、配置される位置および姿勢が異なる点を除いて同様であるため、以下の説明においては、代表して光変調ユニット4Gについてのみ説明する場合がある。
光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを保持する保持フレーム80を有する。保持フレーム80は、図7から図9に示すように、光変調装置4GPに光が入射する方向に扁平で上下方向Zに長い略直方体状である。光変調装置4GPの光が入射する方向は、例えば、光軸方向Xである。
保持フレーム80は、図9に示すように、保持フレーム80を光が入射する方向に貫通する貫通孔81を有する。貫通孔81の光入射側(−X側)の縁には、貫通孔81の幅が広くなる段差部83が設けられている。光変調装置4GPは、段差部83に嵌められて保持フレーム80に保持されている。図8に示すように、保持フレーム80の光入射側の面における上下方向Zの両側の部分には、挿入溝82a,82bが形成されている。
プロジェクター1は、図7から図9に示すように、冷却対象である光変調ユニット4Gに設けられた冷却促進部70をさらに備える。冷却促進部70は、冷媒保持部71と、固定部材72と、を有する。冷媒保持部71は、冷却対象である光変調ユニット4Gの保持フレーム80の面に取り付けられている。本実施形態では、冷媒保持部71は、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側(−X側)の面に設けられている。冷媒保持部71は、冷媒Wを保持する多孔質部材製である。冷媒保持部71の材質としては、例えば、ポリプロピレン、コットン、ポーラス金属等が挙げられる。冷媒保持部71の材質は、例えば、冷媒伝送部50の材質と同じにできる。冷媒保持部71の材質は、冷媒保持部71の表面張力を比較的大きくできる材質が好ましい。
図10は、冷媒保持部71を示す図である。冷媒保持部71は、図10に示すように、矩形枠状の本体部71aと、本体部71aにおける上下方向Zの両側の端部に設けられた挿入部71b,71cと、を有する。本体部71aは、図9に示すように、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側(−X側)の面の一部を覆っている。本体部71aにおける内縁側の部分は、光変調装置4GPの外縁部分を覆っている。挿入部71bは、折り曲げられて保持フレーム80の挿入溝82aに挿入されている。挿入部71cは、折り曲げられて保持フレーム80の挿入溝82bに挿入されている。
固定部材72は、冷媒保持部71を固定する部材である。固定部材72は、図7および図9に示すように、板状の部材である。固定部材72は、例えば、金属製である。固定部材72は、矩形枠状の枠部72aと、取付部72bと、挿入部72cと、を有する。枠部72aは、図8および図9に示すように、冷媒保持部71の外縁部を覆っている。保持フレーム80と冷媒保持部71と枠部72aとは、光変調ユニット4Gを通過する光の方向(光軸方向X)に重ねられている。以下の説明においては、保持フレーム80と冷媒保持部71と枠部72aとが重ねられた方向を単に「重ね方向」と呼ぶ。固定部材72は、枠部72aによって、保持フレーム80との間で冷媒保持部71を重ね方向(光軸方向X)に挟んで固定している。
枠部72aの内縁は、冷媒保持部71の内縁よりも外側に設けられている。そのため、冷媒保持部71の一部、すなわち本実施形態では枠部72aよりも内側の部分は、重ね方向の固定部材72側から視て、露出している。
取付部72bは、図7および図9に示すように、枠部72aの上下方向Zの両端部における幅方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。取付部72bは、枠部72aから保持フレーム80側(+X側)に突出している。取付部72bは、保持フレーム80の側面に設けられた突起に係合されている。これにより、固定部材72は、保持フレーム80に固定されている。
挿入部72cは、枠部72aの上下方向Zの両端部に設けられている。挿入部72cは、枠部72aから保持フレーム80側(+X側)に突出している。挿入部72cは、保持フレーム80の挿入溝82a,82bに挿入されている。挿入部72cは、挿入溝82a,82bの内部において、冷媒保持部71の挿入部71b,71cを押さえている。
冷却促進部70は、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bのそれぞれに設けられている。すなわち、冷媒保持部71と固定部材72とは、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bのそれぞれに設けられている。図10に示すように、各光変調ユニット4R,4G,4Bのうち、光変調ユニット4Gに設けられた冷媒保持部71Gは、冷媒伝送部50と接続されている。より詳細には、冷媒保持部71Gの下端部には、冷媒伝送部50の接続部54が接続されている。
光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bおよび光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71Rは、接続部54が接続されていない点を除いて、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gと同様である。
本実施形態においては、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bに設けられた冷媒保持部71同士を互いに連結する多孔質部材製の連結部73a,73bが設けられている。本実施形態では、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gの両側に、連結部73a,73bを介して、光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bと、光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71Rとが連結されている。
連結部73aは、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gと光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bとを連結している。これにより、冷媒保持部71Bは、冷媒保持部71Gを介して冷媒伝送部50の接続部54と接続されている。図7に示すように、連結部73aには、連結部73aを覆う被覆部74が設けられている。被覆部74は、例えば、樹脂製のフィルム等である。
連結部73bは、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71と光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71とを連結している。これにより、冷媒保持部71Rは、冷媒保持部71Gを介して冷媒伝送部50の接続部54と接続されている。図示は省略するが、連結部73bにも、連結部73aと同様に被覆部74が設けられている。
冷媒生成部20によって生成された冷媒Wは、冷媒伝送部50の接続部54によって、冷媒保持部71Gに伝送される。冷媒保持部71Gに伝送された冷媒Wは、連結部73aを介して冷媒保持部71Bに伝送され、かつ、連結部73bを介して冷媒保持部71Rに伝送される。このようにして、冷媒生成部20で生成された冷媒Wが、3つの光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送される。そして、伝送され冷媒保持部71に保持された冷媒Wが気化することで、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bが冷却される。より詳細には、冷媒保持部71に保持された冷媒Wが気化することで、冷媒保持部71が取り付けられた保持フレーム80が冷却され、保持フレーム80が冷却されることで、保持フレーム80が保持する光変調装置4RP,4GP,4BPが冷却される。これにより、冷却装置10によって、冷却対象である光変調装置4RP,4GP,4BPを冷却できる。
本実施形態によれば、冷却装置10は、冷媒生成部20で生成した冷媒Wを冷媒伝送部50によって冷却対象へと伝送し、吸熱反応である冷媒Wの気化を利用することで冷却対象から熱を奪って冷却対象を冷却することができる。冷媒Wの気化による冷却は、積極的に冷却対象から熱を奪えるため、空冷および液冷のように単に冷媒への伝熱によって冷却対象を冷却する場合に比べて、冷却性能に優れている。これにより、空冷および液冷と同じ冷却性能を得る場合に、空冷および液冷に比べて冷却装置10全体を小型化しやすい。
また、冷媒Wの気化による冷却の場合、気化する冷媒Wが冷却対象と接触する表面積を大きくすることで冷却性能を向上できる。そのため、冷却装置10による冷却性能を大きくしても、騒音が大きくなることを抑制できる。以上により、本実施形態によれば、冷却性能に優れ、かつ、小型で静粛性に優れた冷却装置10を備えたプロジェクター1が得られる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20において冷媒Wを生成できるため、使用者が冷媒Wを補充する手間がなく、使用者の利便性を向上できる。また、冷媒生成部20によって、冷媒Wを必要なときに必要な分だけ生成することが調整可能であるため、貯蔵タンク等に冷媒Wを溜めておかなくてもよく、プロジェクター1の重量を軽くできる。
また、本実施形態によれば、吸放湿部材40によって第1送風装置60から送られる空気AR1に含まれた水蒸気を吸湿でき、吸放湿部材40によって吸湿した水分を第2送風装置23によって送られる空気AR2内に水蒸気として放湿できる。そして、第1熱交換部30によって、空気AR2に水蒸気として放湿された水分を凝縮させて冷媒Wを生成することができる。これにより、本実施形態によれば、プロジェクター1内の雰囲気中から冷媒Wを生成することができる。
また、本実施形態によれば、筐体31の内部空間35に配置された複数の流路部34の内部には、流路部34を介して内部空間35の空気AR2を冷却する冷却空気AR3が流通する。そのため、内部空間35において、空気AR2に含まれる水蒸気を凝縮させて冷媒Wを生成できる。ここで、内部空間35の空気AR2は、複数の流路部34のうち内部空間35に露出する表面を介して冷却される。そのため、例えば、流路部34の数を多くするほど、内部空間35に露出する流路部34の表面積を大きくでき、空気AR2を冷却しやすくできる。これにより、空気AR2に含まれていた水蒸気を凝縮させて冷媒Wを生成しやすい。したがって、冷媒生成部20における冷媒生成効率を向上できる。
ここで、流路部34の外径を小さくするほど、内部空間35に配置できる流路部34の数は多くなる。一方、流路部34の外径が小さくなると、1つ当たりの流路部34の表面積は小さくなる。しかし、内部空間35に配置できる流路部34の数を多くできることで、結果として複数の流路部34の表面積の合計を大きくしやすい。これにより、冷媒生成部20における冷媒生成効率を向上できる。
また、冷媒生成部20における冷媒生成効率を向上できるため、第1熱交換部30における冷媒Wの生成量を維持しつつ、第1熱交換部30を小型化することもできる。これにより、プロジェクター1を小型化できる。
上述したようにして流路部34の数を多くするほど、流路部34同士の隙間は小さくなる。この場合、内部空間35を通る空気AR2に生じる圧力損失が大きくなる、および空気AR2の流れにムラが生じる等により、内部空間35における空気AR2の流れが阻害されることが考えられる。しかし、内部空間35においては、空気AR2の滞留時間が長いほど、空気AR2に含まれる水蒸気を凝縮させる時間を長くできる。そのため、流路部34の数を多くして内部空間35の空気AR2の流れをある程度阻害することで、空気AR2からより多くの冷媒Wを生成することができる。これにより、冷媒生成部20における冷媒生成効率をより向上できる。
また、例えば複数の流路部内に第2送風装置からの空気を流入させて複数の流路部内で冷媒Wを生成する場合、冷媒Wによって流路部が詰まる虞がある。特に、プロジェクター1が設置される環境の温度が比較的低い場合、冷媒Wが凝固して流路部が詰まる虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒Wは、流路部34ではなく、内部空間35において生成される。そのため、生成された冷媒Wによって流路部34が詰まることがない。また、複数の流路部34内で冷媒Wが生成される場合に比べて、内部空間35内において冷媒Wを1か所に集めやすい。そのため、プロジェクター1の姿勢が変化した等の場合であっても、冷媒伝送部50によって内部空間35内の冷媒Wを容易に冷却対象に送りやすい。
また、例えば複数の流路部内に第2送風装置からの空気を流入させて複数の流路部内で冷媒Wを生成する場合、複数の流路部に対して外部から空気を送ることで流路部内の空気を冷却する。この場合、複数の流路部のそれぞれにおいて、外部からの送風にバラつきが生じやすい。そのため、流路部ごとに冷媒Wの生成度合いがバラつく虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、各流路部34の内部に流れる冷却空気AR3によって内部空間35の空気AR2が冷却される。そのため、流路部34を内部空間35において均一に配置することで、内部空間35の空気AR2全体を均一に冷却しやすい。これにより、内部空間35において冷媒Wをより生成しやすくでき、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、流路部34内を流れる冷却空気AR3の流速を比較的大きくすることで、冷却空気AR3によって内部空間35の空気AR2をより冷却しやすくできる。一方、冷却空気AR3の流速を比較的大きくすると、冷却空気AR3の流れによる騒音が大きくなりやすい。しかし、本実施形態では冷却空気AR3は内部空間35に配置された流路部34の内部を通るため、冷却空気AR3の流れによる騒音が筐体31の外部に漏れにくい。したがって、冷却空気AR3の流速を比較的大きくして内部空間35の空気AR2の冷却効率を向上させつつ、プロジェクター1から生じる騒音が大きくなることを抑制できる。
また、流路部34における流路面積は、内部空間35の流路面積よりも小さい。そのため、流路部34内を流れる冷却空気AR3の流速は、内部空間35内を流れる空気AR2の流速よりも大きくなりやすい。これにより、流路部34内において冷却空気AR3の流速を比較的大きくしやすい。したがって、冷却空気AR3によって流路部34を介して内部空間35内の空気AR2を好適に冷却しやすい。そのため、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、一方で、内部空間35内を流れる空気AR2の流速を比較的小さくしやすい。そのため、内部空間35内における空気AR2の滞留時間を長くできる。これにより、内部空間35において空気AR2の水蒸気を凝縮させる時間を長くでき、空気AR2から冷媒Wをより生成しやすくできる。したがって、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、複数の流路部34の内部に冷却空気AR3を送る第3送風装置61を有する。そのため、複数の流路部34の内部に冷却空気AR3を送りやすく、流路部34を介して内部空間35内の空気AR2を冷却しやすい。
また、本実施形態によれば、第3送風装置61は、複数の流路部34の流入口34aが内部に開口する流入ダクト32を介して流入口34aから複数の流路部34の内部に冷却空気AR3を送る。そのため、流入ダクト32によって、第3送風装置61から放出された冷却空気AR3を流路部34の内部に導くことができる。したがって、流路部34の内部に冷却空気AR3を送りやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒伝送部50の接続部54の端部54aは、内部空間35に露出している。そのため、接続部54の端部54aを、内部空間35において生成された冷媒Wと接触させることができる。そして、接続部54は、多孔質部材製である。そのため、端部54aを介して冷媒Wを接続部54に吸収させて、毛細管現象によって冷却対象まで伝送することができる。これにより、冷媒伝送部50によって内部空間35において生成された冷媒Wを容易に冷却対象に伝送することができる。また、冷媒Wを伝送するためにポンプ等の動力を別途用意する必要がない。これにより、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制でき、プロジェクター1をより小型・軽量化しやすい。
また、例えば、冷媒生成部20において、第2送風装置23から第1熱交換部30に送られる空気AR2の湿度が比較的低い場合、第1熱交換部30が冷却されても、冷媒Wが生成されにくい場合がある。第1熱交換部30に送られる空気AR2の湿度は、例えば、プロジェクター1の外部の空気等が混ざり込むような場合に、低下する場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、第2送風装置23から放出された空気AR2が循環する循環経路27を有する。そのため、循環経路27を略密閉することで循環経路27内にプロジェクター1の外部の空気が入ることを抑制でき、第1熱交換部30に送られる空気AR2の湿度を比較的高い状態に維持しやすい。したがって、複数の流路部34を介して内部空間35を冷却することで、好適に冷媒Wを生成することができる。
また、本実施形態によれば、複数の流路部34は、内部空間35における空気AR2の流れる方向(回転軸方向DR)と交差する方向(延伸方向DE)に延びている。そのため、内部空間35において空気AR2を複数の流路部34の表面に接触させやすく、空気AR2を冷却しやすい。これにより、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、複数の流路部34は、直線状に延びる導管である。そのため、流路部34の内部に冷却空気AR3を流しやすい。また、流路部34を容易に作ることができ、冷媒生成部20の製造コストを低減できる。
また、本実施形態によれば、複数の流路部34は、互いに平行な方向に延びている。そのため、内部空間35において、複数の流路部34を空間効率よく配置しやすい。これにより、流路部34の数を多くしやすい。したがって、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、循環経路27には第2熱交換部29が設けられ、第2熱交換部29においては、第1経路27aを流通する空気AR2と第2経路27bを流通する空気AR2との間で熱交換が行われる。そのため、上述したように、第2熱交換部29において、第1経路27aを流通する空気AR2の温度を低下させつつ、第2経路27bを流通する空気AR2の温度を上昇させることができる。これにより、第1経路27aから第1熱交換部30に流入する空気AR2の温度を低下させることができる。したがって、第1熱交換部30内において空気AR2に含まれる水蒸気をより凝縮させやすくできる。そのため、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、第2熱交換部29において第2経路27bの空気AR2の温度を上昇させることができるため、加熱部22によって吸放湿部材40を加熱する度合いを小さくしても、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する空気AR2に対して好適に水分を放湿しやすい。これにより、加熱部22によって吸放湿部材40を加熱するエネルギーを少なくできる。したがって、冷媒Wを生成するために必要なエネルギーを少なくでき、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、加熱部22は、第2経路27bにおいて空気AR2を加熱する加熱本体部22aを有し、第2熱交換部29においては、第1経路27aを流通する空気AR2と、第2経路27bを流通する空気AR2のうち加熱本体部22aよりも上流側を流通する空気AR2と、の間で熱交換が行われる。そのため、第2熱交換部29においては、加熱本体部22aによって加熱される前の比較的温度の低い空気AR2に、第1経路27aの空気AR2の熱が伝えられる。すなわち、第2熱交換部29において熱交換される空気AR2同士の温度差を大きくできる。これにより、第1経路27aの空気AR2から第2経路27bの空気AR2に熱を移動させやすくできる。したがって、第1経路27aの空気AR2の温度を好適に低下させつつ、第2経路27bの空気AR2の温度を好適に上昇できる。そのため、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第2熱交換部29においては、伝熱部材28を介して、第1経路を27a流通する空気AR2と第2経路27bを流通する空気AR2との間で熱交換が行われる。そのため、伝熱部材28によって、容易かつ好適に熱を移動させることができる。したがって、第2熱交換部29の熱交換効率を向上でき、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、伝熱部材28は、基部28aから同じ向きに突出する複数のフィン28bを有する。そして、複数のフィン28bのうち一部のフィン28bが、第1経路27aに配置され、複数のフィン28bのうち他の一部のフィン28bが、第2経路27bに配置されている。そのため、1つの伝熱部材28を第1経路27aと第2経路27bとに跨らせて配置することで、第2熱交換部29において熱交換を行うことができる。これにより、別々の伝熱部材を第1経路27aと第2経路27bとに配置する場合に比べて、冷媒生成部20の部品点数を少なくでき、冷媒生成部20を作りやすくできる。
また、本実施形態によれば、第2熱交換部29は、第1経路27aの他の部分よりも第2経路27bの近くに配置された第1近接部27cと、第2経路27bの他の部分よりも第1経路27aの近くに配置された第2近接部27dと、を有する。そのため、第2熱交換部29において第1経路27aと第2経路27bとを近づけることができる。これにより、第1経路27aを形成する壁部と第2経路27bを形成する壁部とを介して、第1経路27aを流通する空気AR2と第2経路27bを流通する空気AR2との間で熱交換を行いやすくできる。したがって、第1経路27aの空気AR2から第2経路27bの空気AR2に熱をより移動させやすくでき、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。また、第2熱交換部29において第1経路27aと第2経路27bとが近づくため、第1経路27aと第2経路27bとに跨って伝熱部材28を配置しやすい。これにより、第2熱交換部29を容易に作ることができる。
また、本実施形態によれば、第1近接部27cは、第2ダクト26に接触する第1接触部としての第1張出部25cによって形成され、第2近接部27dは、第1接触部に接触する第2接触部としての第2張出部26cによって形成されている。そのため、互いに接触する第1張出部25cと第2張出部26cとを介して、第1張出部25c内を流通する空気AR2と第2張出部26c内を流通する空気AR2との間でより熱交換を行いやすくできる。これにより、第2熱交換部29の熱交換効率をより向上でき、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1近接部27cを空気AR2が流通する向きと第2近接部27dを空気AR2が流通する向きとは、互いに逆向きである。ここで、隣り合う2つの流れの間における熱交換は、2つの流れの向きが同じ向きであるよりも、逆向きである場合の方が、効率が高いことが知られている。そのため、第1近接部27cを空気AR2が流通する向きと第2近接部27dを空気AR2が流通する向きとが互いに逆向きであることで、第1近接部27cの空気AR2と第2近接部27dの空気AR2との間の熱交換効率を向上できる。したがって、冷媒生成部20の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1送風装置60は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに空気AR1を送る冷却送風装置である。そのため、空気AR1によって光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送された冷媒Wを気化させやすく、光変調ユニット4R,4G,4Bをより冷却することができる。また、冷却対象を冷却する冷却送風装置を、第1送風装置60の他に別途設ける必要がないため、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制でき、騒音が大きくなることを抑制できる。
また、上述したように、本実施形態では、プロジェクター1の内部に外部の空気を取り込む吸気ファンである第1送風装置60を利用して、冷却対象に送られた冷媒Wの気化を促進させる。そのため、第1送風装置60の出力を低くしても、冷却装置10が設けられていないときと同等の冷却性能を得ることが可能である。したがって、吸気ファンである第1送風装置60の出力を低くして、第1送風装置60から生じる騒音を低減することができ、プロジェクター1の静粛性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、加熱部22は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する前の空気を加熱する加熱本体部22aと、第2送風装置23と、を有する。そのため、加熱部22は、第2送風装置23によって吸放湿部材40に空気AR2を送ることで、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を加熱することができる。これにより、加熱本体部22aを吸放湿部材40から離れた位置に配置しても、加熱部22によって吸放湿部材40を加熱することができる。したがって、加熱部22の構成の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、吸放湿部材40を回転させるモーター24を有する。そのため、吸放湿部材40を一定の速度で安定して回転させることができる。これにより、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に空気AR1から好適に水蒸気を吸湿させることができ、かつ、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分から空気AR2へと好適に水分を放湿させることができる。したがって、効率的に冷媒Wを生成できる。
また、本実施形態によれば、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに設けられ、冷媒Wを保持する冷媒保持部71が設けられる。そのため、光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送された冷媒Wを、冷媒Wが気化するまで冷媒保持部71によって光変調ユニット4R,4G,4Bに対して保持しておくことができる。これにより、生成した冷媒Wを無駄なく利用しやすく、冷却装置10の冷却性能をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bの面に取り付けられ、かつ、多孔質部材製である。そして、冷媒保持部71の少なくとも一部は、重ね方向の冷媒保持部71側から視て、露出している。そのため、冷媒保持部71の露出した部分から冷媒Wを気化させやすく、冷却装置10の冷却性能をより向上させることができる。また、冷媒保持部71が多孔質部材製であるため、毛細管現象によって、冷媒保持部71が設けられた冷却対象の面上に均一に冷媒Wを行き渡らせやすく、より冷却対象を冷却しやすい。
また、例えば、接着剤によって冷媒保持部71を保持フレーム80に固定する場合、接着剤が冷媒保持部71に吸収されて、多孔質部材製である冷媒保持部71の孔が塞がれる場合がある。そのため、冷媒保持部71に冷媒Wが吸収されにくくなり、冷媒保持部71によって冷媒Wを保持しにくくなる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒保持部71を保持フレーム80との間で挟んで固定する固定部材72が設けられている。そのため、接着剤を使用することなく、冷媒保持部71を保持フレーム80に対して固定することができる。これにより、冷媒保持部71によって冷媒Wを保持しにくくなることを抑制できる。また、本実施形態では、固定部材72は金属製である。そのため、固定部材72は、熱伝導率が比較的高く、冷却されやすい。したがって、第1送風装置60からの空気AR1および冷媒Wの気化によって固定部材72の温度が低下しやすく、固定部材72と接触する冷却対象をより冷却しやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側の面に設けられている。そのため、冷媒保持部71から気化した冷媒Wの水蒸気が、光変調装置4GPから光合成光学系5に射出される光に影響を与えることを抑制できる。これにより、プロジェクター1から投射される画像にノイズが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、複数設けられた光変調ユニット4R,4G,4Bにそれぞれ設けられ、複数の冷媒保持部71同士を互いに連結する連結部73a,73bが設けられている。そのため、冷媒伝送部50を1つの冷媒保持部71に接続させることで、他の冷媒保持部71にも冷媒Wを伝送することができる。これにより、プロジェクター1の内部における冷媒伝送部50の引き回しを簡単化できる。
また、本実施形態によれば、連結部73a,73bには、連結部73a,73bをそれぞれ覆う被覆部74が設けられている。そのため、連結部73a,73bを伝って移動する冷媒Wが連結部73a,73bにおいて気化することを抑制できる。これにより、冷媒Wが冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bの冷却に寄与せずに気化することを抑制でき、生成した冷媒Wが無駄になることを抑制できる。
なお、本実施形態においては、連結部73a,73bと同様に、接続部54が被覆されていてもよい。この構成によれば、冷却対象に伝送する間に冷媒Wが気化することを抑制できる。そのため、冷却対象に効率よく冷媒Wを伝送でき、かつ、生成した冷媒Wが無駄になることをより抑制できる。接続部54および連結部73a,73bは、例えば、チューブ等によって周囲を被覆されてもよい。また、接続部54および連結部73a,73bは、表面に気化を抑制するコーティング処理が施されてもよい。
(変形例)
本変形例は、上述した冷媒生成部20に対して、第2熱交換部129の構成が異なる。なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。図11は、本変形例の冷媒生成部120の一部を示す図である。
本変形例の冷媒生成部120において、第1ダクト125の第1張出部125cと第2ダクト126の第2張出部126cとは、回転軸方向DRに隙間Gを空けて配置されている。すなわち、本変形例において第1張出部125cと第2張出部126cとは、互いに接触していない。第1張出部125cは、上述した第1張出部25cと異なり、貫通孔25dを有しない。第2張出部126cは、上述した第2張出部26cと異なり、貫通孔26dを有しない。
第1張出部125cは、循環経路127の第1近接部127cを形成する。第2張出部126cは、循環経路127の第2近接部127dを形成する。第1張出部125cおよび第2張出部126cは、金属製である。すなわち、第1近接部127cを形成する壁部、および第2近接部127dを形成する壁部は、金属製である。第1張出部125cおよび第2張出部126cを形成する金属は、特に限定されないが、熱伝導率が比較的高い銅およびアルミニウム等が好ましい。本変形例において第1ダクト125のうち第1張出部125c以外の部分は、樹脂製である。本変形例において第2ダクト126のうち第2張出部126c以外の部分は、樹脂製である。
本変形例において第2熱交換部129は、上述した第2熱交換部29と異なり、伝熱部材28を有していない。第2熱交換部129は、第1経路127aの少なくとも一部と第2経路127bの少なくとも一部とを囲む断熱部材128を有する。本変形において断熱部材128は、第1経路127aの第1近接部127cを形成する第1張出部125cと、第2経路127bの第2近接部127dを形成する第2張出部126cと、をまとめて包み込んでいる。断熱部材128は、第1張出部125cと第2張出部126cとの間に設けられた隙間Gも包み込んでおり、隙間Gを密閉している。断熱部材128は、例えば、断熱シートである。
本変形例の第2熱交換部129においては、第1近接部127cを流通する空気AR2の熱が、第1近接部127cを形成する壁部と、隙間Gと、第2近接部127dを形成する壁部と、を介して、第2近接部127dを流通する空気AR2に移動する。これにより、第2熱交換部129においては、第1経路127aを流通する空気AR2と第2経路127bを流通する空気AR2との間で熱交換が行われる。
本変形例によれば、第1近接部127cを形成する壁部、および第2近接部127dを形成する壁部は、金属製である。そのため、第1近接部127cを流通する空気AR2の熱が第1近接部127cを形成する壁部、すなわち第1張出部125cの壁部に伝わりやすい。また、第1張出部125cに伝わった熱が、第2近接部127dを形成する壁部、すなわち第2張出部126cの壁部に伝わりやすく、第2張出部126cの壁部から第2近接部127dを流通する空気AR2に伝わりやすい。これにより、第1近接部127cを流通する空気AR2の熱を、第2近接部127dを流通する空気AR2に伝えやすい。したがって、例えば、本変形例のように第1近接部127cと第2近接部127dとの間に隙間Gが設けられている場合であっても、第1近接部127cと第2近接部127dとの間で熱交換が行われやすい。そのため、冷媒生成部120の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本変形例によれば、第2熱交換部129は、第1経路127aの少なくとも一部と第2経路127bの少なくとも一部とを囲む断熱部材128を有する。そのため、断熱部材128によって、第1経路127aを流通する空気AR2から第2経路127bを流通する空気AR2に移動する熱が第2熱交換部129の外部に漏れることを抑制できる。これにより、第1経路127aを流通する空気AR2から第2経路127bを流通する空気AR2へと好適に熱を移動させやすくでき、第2熱交換部129の熱交換効率を向上できる。したがって、冷媒生成部120の冷媒生成効率をより向上できる。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、第2熱交換部229の構成が異なる。なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。図12は、本実施形態の冷媒生成部220を模式的に示す概略構成図である。
本実施形態の第2熱交換部229は、図12に示すように、筐体229aと、複数の流路部229bと、第1蓋部229cと、第2蓋部229dと、を有する。筐体229aは、例えば、直方体箱状である。筐体229aは、内部空間229mと、流入孔部229fと、流出孔部229gと、を有する。内部空間229mには、第1熱交換部30から排出された空気AR2が流入する。流入孔部229fおよび流出孔部229gは、筐体229aのうち回転軸方向DRの他方側(−DR側)の側壁部に設けられている。流出孔部229gは、流入孔部229fの延伸方向DEの一方側(+DE側)に位置する。流入孔部229fおよび流出孔部229gは、筐体229aの内部空間229mと繋がっている。
複数の流路部229bは、筐体229aの内部空間229m内に配置されている。本実施形態において複数の流路部229bは、延伸方向DEに沿って直線状に延びる導管である。流路部229bは、例えば、円筒状である。流路部229bは、延伸方向DEの両側に開口している。複数の流路部229bは、例えば、互いに平行な方向に延びている。図示は省略するが、本実施形態において流路部229bは、回転軸方向DRに沿って流路部229bが複数並べられて構成される列が、厚さ方向DTに沿って複数列設けられている。筐体229a内における複数の流路部229bの配置は、例えば、第1熱交換部30の筐体31内における複数の流路部34の配置と同様である。
流路部229bは、筐体229aのうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の側壁部から、筐体229aのうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の側壁部まで延びている。流路部229bのうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部は、筐体229aの延伸方向DEの一方側の面に開口し、筐体229aの外部に開口する流入口229hである。流路部229bのうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部は、筐体229aの延伸方向DEの他方側の面に開口し、筐体229aの外部に開口する流出口229iである。これにより、流路部229bは、筐体229aの延伸方向DEの両側に位置する空間同士を繋いでいる。一方で、複数の流路部229bの内部は、筐体229aの内部と繋がっていない。これにより、複数の流路部229bの内部を流通する空気と筐体229aの内部空間229mに流入された空気とは、混じり合わない。すなわち、複数の流路部229bの内部は、筐体229aの内部空間229mと隔離されている。
第1蓋部229cおよび第2蓋部229dは、筐体229aを延伸方向DEに挟んで配置され、それぞれ筐体229aに接続されている。第1蓋部229cは、筐体229aの延伸方向DEの一方側(+DE側)に位置する。第2蓋部229dは、筐体229aの延伸方向DEの他方側(−DE側)に位置する。
第1蓋部229cは、延伸方向DEの他方側(−DE側)に開口する箱状である。第1蓋部229cのうち延伸方向DEの他方側の開口は、筐体229aのうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の側壁部によって閉塞されている。第1蓋部229cの内部には、複数の流路部229bの流入口229hが開口している。これにより、第1蓋部229cの内部は、流入口229hを介して、複数の流路部229bの内部と繋がっている。第1蓋部229cのうち延伸方向DEの一方側の壁部には、接続孔部229jが形成されている。
第2蓋部229dは、延伸方向DEの一方側(+DE側)に開口する箱状である。第2蓋部229dのうち延伸方向DEの一方側の開口は、筐体229aのうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の側壁部によって閉塞されている。第2蓋部229dの内部には、複数の流路部229bの流出口229iが開口している。これにより、第2蓋部229dの内部は、流出口229iを介して、複数の流路部229bの内部と繋がっている。第2蓋部229dのうち延伸方向DEの他方側の壁部には、接続孔部229kが形成されている。
本実施形態において第1ダクト225は、第1上流側ダクト225Aと、第1下流側ダクト225Bと、を有する。第1上流側ダクト225Aは、吸放湿部材40の回転軸方向DRの一方側(+DR側)の領域から第2熱交換部229の第1蓋部229cまで延びている。第1上流側ダクト225Aの一端部は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に向かって、回転軸方向DRの他方側(−DR側)に開口している。第1上流側ダクト225Aの他端部は、第1蓋部229cの接続孔部229jに接続され、第1蓋部229cの内部に開口している。これにより、第1上流側ダクト225Aの内部は、第1蓋部229cの内部と繋がっている。
第1下流側ダクト225Bは、第2熱交換部229の第2蓋部229dから第1熱交換部30の筐体31まで延びている。第1下流側ダクト225Bの一端部は、接続孔部229kに接続され、第2蓋部229dの内部に開口している。これにより、第1下流側ダクト225Bの内部は、第2蓋部229dの内部と繋がっている。第1下流側ダクト225Bの他端部は、流入孔部31aに接続され、筐体31の内部空間35に開口している。これにより、第1下流側ダクト225Bの内部は、内部空間35と繋がっている。
本実施形態において第2ダクト226は、第2上流側ダクト226Aと、第2下流側ダクト226Bと、を有する。第2上流側ダクト226Aは、第1熱交換部30の筐体31から第2熱交換部229の筐体229aまで延びている。第2上流側ダクト226Aの一端部は、流出孔部31bに接続され、筐体31の内部空間35に開口している。これにより、第2上流側ダクト226Aの内部は、内部空間35と繋がっている。第2上流側ダクト226Aの他端部は、流入孔部229fに接続され、筐体229aの内部空間229mに開口している。これにより、第2上流側ダクト226Aの内部は、筐体229aの内部空間229mと繋がっている。
第2下流側ダクト226Bは、第2熱交換部229の筐体229aから吸放湿部材40の回転軸方向DRの他方側(−DR側)の領域まで延びている。第2下流側ダクト226Bの一端部は、流出孔部229gに接続され、筐体229aの内部空間229mに開口している。これにより、第2下流側ダクト226Bの内部は、筐体229aの内部空間229mと繋がっている。第2下流側ダクト226Bの他端部は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に向かって、回転軸方向DRの一方側(+DR側)に開口している。
本実施形態において循環経路227の第1経路227aは、第1上流側ダクト225Aと、第1蓋部229cと、複数の流路部229bと、第2蓋部229dと、第1下流側ダクト225Bと、によって形成されている。第1経路227aを流通する空気AR2は、第1上流側ダクト225Aの内部と、第1蓋部229cの内部と、複数の流路部229bの内部と、第2蓋部229dの内部と、第1下流側ダクト225Bの内部と、をこの順に流れる。
本実施形態において循環経路227の第2経路227bは、第2上流側ダクト226Aと、筐体229aと、第2下流側ダクト226Bと、によって形成されている。第2経路227bを流通する空気AR2は、第2上流側ダクト226Aの内部と、筐体229aの内部空間229mと、第2下流側ダクト226Bの内部と、をこの順に流れる。
本実施形態によれば、第2熱交換部229は、第1経路227aのうち複数の流路部229bによって形成された第1部分227cと、第2経路227bのうち筐体229aの内部空間229mによって形成された第2部分227dと、を有する。第1部分227cは、第2熱交換部229において、第2部分227dと隔離された状態で、第2部分227dを通る。そのため、第1部分227cを流通する空気AR2と第2部分227dを流通する空気AR2との間で熱交換を容易に行うことができる。具体的には、複数の流路部229b内を流通する空気AR2の熱が、筐体229aの内部空間229mを流通する空気AR2に移動する。これにより、第2熱交換部229において、第1経路227aを流通する空気AR2と第2経路227bを流通する空気AR2との間で熱交換が好適に行われる。したがって、冷媒生成部220の冷媒生成効率を向上できる。
また、本実施形態によれば、第2熱交換部229は、第2部分227dを形成する内部空間229mを有する筐体229aと、筐体229aの内部空間229mに配置され、第1部分227cを形成する複数の流路部229bと、を有する。そのため、筐体229aの内部空間229mを流通する空気AR2には、複数の流路部229bの表面を介して、複数の流路部229bの内部を流通する空気AR2の熱が伝わる。これにより、第1経路227aから第2経路227bへと熱が移動する部分の面積を大きくできる。したがって、第2熱交換部229の熱交換効率を向上でき、冷媒生成部220の冷媒生成効率をより向上できる。
また、第1熱交換部30から排出されて第2経路227bに流入する空気AR2は、第1熱交換部30において冷却されて一部の水蒸気が冷媒Wとして凝縮した後の空気であるため、比較的温度が低く、かつ、湿度が100%または100%に近い状態となっている。そのため、第2経路227bを流通する空気AR2は、第1経路227aを流通する空気AR2に比べて水蒸気が凝縮して冷媒Wとなりやすい状態となっている。したがって、例えば、第2経路227bの一部を複数の流路部によって形成する場合には、複数の流路部内で水蒸気が凝縮し、冷媒Wによって流路部が詰まる虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、複数の流路部229bは、第1経路227aの一部である第1部分227cを形成する部分であり、筐体229aの内部空間229mは、第2経路227bの一部である第2部分227dを形成する部分である。そのため、第2経路227bを流通する空気AR2の水蒸気が凝縮されて冷媒Wが生成された場合であっても、冷媒Wによって流路部229bが詰まることがない。
また、本実施形態によれば、流入孔部229fと流出孔部229gとは、筐体229aにおける同一の側壁部に設けられている。そのため、流入孔部229fから筐体229aの内部に流入した空気AR2が流出孔部229gから排出されるまでの時間を長くしやすい。これにより、第2熱交換部229において、第1経路227aを流通する空気AR2と第2経路227bを流通する空気AR2との間で熱交換される時間を長くできる。したがって、冷媒生成部220の冷媒生成効率をより向上できる。
なお、本発明の実施形態は上述した実施形態に限られず、下記の構成を採用することもできる。
第2熱交換部の構成は、第1経路を流通する空気と第2経路を流通する空気との間で熱交換が可能であれば、特に限定されない。第1近接部および第2近接部は、第1張出部および第2張出部によって形成されなくてもよい。第1近接部および第2近接部は、互いに近づく向きに延びる第1ダクトと第2ダクトとが互いに最も近づく部分によって形成されてもよい。第1近接部を形成する壁部の少なくとも一部、および第2近接部を形成する壁部の少なくとも一部が金属製である構成であってもよい。すなわち、第1近接部を形成する壁部の一部のみ、および第2近接部を形成する壁部の一部のみが金属製であってもよい。第2熱交換部は、第1近接部および第2近接部を有しなくてもよい。この場合、伝熱部材の長さを大きくして、第1経路と第2経路とを繋いでもよい。
伝熱部材の形状および材料は、特に限定されない。伝熱部材は、複数設けられてもよい。伝熱部材としてのヒートシンクを複数設ける場合には、第1経路と第2経路とのそれぞれにヒートシンクを配置して、各ヒートシンク同士を直接的または間接的に繋いでもよい。
第1経路および第2経路は、ダクトによって形成されなくてもよい。第1経路および第2経路は、或る部材に設けられた孔によって形成されてもよい。第1経路および第2経路は、一部がダクトによって形成され、他の一部が或る部材に設けられた孔によって形成されてもよい。第1ダクトは、全体が金属製であってもよい。第2ダクトは、全体が金属製であってもよい。第1ダクトは、第1張出部を有しなくてもよい。第2ダクトは、第2張出部を有しなくてもよい。
上述した第1実施形態の変形例においては、第1張出部125cと第2張出部126cとが接触していてもよい。この場合、隙間Gが設けられない分、第2熱交換部129において第1経路127aを流通する空気AR2から第2経路127bを流通する空気AR2へと、より熱を伝えやすくできる。したがって、冷媒生成部120の冷媒生成効率をより向上できる。
また、上述した第1実施形態の変形例においては、上述した冷媒生成部20と同様に、伝熱部材28が設けられてもよい。この場合、伝熱部材28によっても、第1経路127aを流通する空気AR2から第2経路127bを流通する空気AR2へと熱を移動させることができるため、第2熱交換部129の熱交換効率をより向上できる。したがって、冷媒生成部120の冷媒生成効率をより向上できる。
第1経路の一部である第1部分と第2経路の一部である第2部分とのうちの一方は、第1部分と第2部分とのうちの他方と隔離された状態で、第1部分と第2部分とのうちの他方を通ってもよい。具体的には、上述した第2実施形態において、第1経路227aの一部が筐体229aの内部空間229mによって形成され、第2経路227bの一部が複数の流路部229bによって形成されてもよい。すなわち、第2経路の一部である第2部分が、複数の流路部によって形成され、第1経路の一部であり筐体によって形成された第1部分を通ってもよい。
第2熱交換部の流路部の構成は、筐体の内部空間に配置され、流路部の内部が筐体の内部空間と隔離されているならば、特に限定されない。流路部は、曲線状に延びていてもよい。流路部は、導管でなくてもよく、例えば、筐体の内部空間に配置された柱状の柱部等の内部に冷却空気が通る孔が形成されて構成されてもよい。複数の流路部は、互いに異なる方向に延びていてもよい。流路部の数は、2つ以上であれば、特に限定されない。
第2熱交換部の筐体に設けられた流入孔部の位置、および筐体に設けられた流出孔部の位置は、特に限定されない。例えば、上述した第2実施形態において、流入孔部229fと流出孔部229gとは、筐体229aのうち回転軸方向DRの両側の側壁部にそれぞれ設けられてもよい。この場合、流入孔部229fと流出孔部229gとは、回転軸方向DRに沿って視て互いに重なってもよいし、互いに重ならなくてもよい。
第1熱交換部において、複数の流路部の内部に冷却空気を流す方法は、特に限定されない。例えば、上述した実施形態において、第1送風装置60から放出された空気AR1を、冷却空気として流路部34の内部に流入させてもよい。この構成によれば、第3送風装置61を別途設ける必要がなく、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制できる。また、第3送風装置61を別途設けるような場合に比べて、プロジェクター1から生じる騒音が大きくなることを抑制できる。この構成においては、例えば、流入ダクト32を吸放湿部材40の回転軸方向DRの一方側(+DR側)まで延ばして、吸放湿部材40を通過した空気AR1が流入ダクト32に流入される構成としてもよい。
第1熱交換部の流路部の構成は、内部空間内に配置され、内部が内部空間と隔離されているならば、特に限定されない。流路部は、曲線状に延びていてもよい。流路部は、導管でなくてもよく、例えば、内部空間内に配置された柱状の柱部等の内部に冷却空気が通る孔が形成されて構成されてもよい。複数の流路部は、互いに異なる方向に延びていてもよい。流路部の数は、2つ以上であれば、特に限定されない。
第1熱交換部の筐体に設けられた流入孔部の位置、および筐体に設けられた流出孔部の位置は、特に限定されない。例えば、上述した実施形態において、流入孔部31aと流出孔部31bとは、回転軸方向DRに沿って視て互いに重ならない位置に配置されてもよい。また、流入孔部31aと流出孔部31bとは、筐体31における同一の側壁部に設けられてもよい。この場合、内部空間35において空気AR2を滞留させやすくでき、冷媒生成効率を向上させやすい。
冷媒生成部は、第1熱交換部の筐体の外部から筐体に空気を送る外部送風装置を有してもよい。外部送風装置としては、例えば、図5に二点鎖線で示す外部送風装置160のような構成を採用できる。外部送風装置160は、筐体31の厚さ方向の他方側(−DT側)に位置する。外部送風装置160は、例えば、軸流ファンである。外部送風装置160は、筐体31の外部から筐体31に空気AR4を送る。より詳細には、外部送風装置160は、厚さ方向DTにおいて筐体31の他方側(−DT側)から一方側(+DT側)に空気AR4を送る。外部送風装置160によって空気AR4を送ることで、筐体31の外部から内部空間35の空気AR2を冷却することができる。これにより、空気AR2に含まれる水蒸気をより凝縮させやすくでき、冷媒生成効率をより向上できる。なお、外部送風装置160は、遠心ファンであってもよい。
第1熱交換部の筐体の内壁面、すなわち内部空間を構成する内側面には、複数のフィンが設けられてもよい。この場合、内部空間の内側面の面積を大きくでき、内部空間の内側面において空気に含まれる水蒸気を凝縮させやすくできる。そのため、冷媒生成効率を向上させることができる。特に上述した外部送風装置が設けられる場合、筐体が冷却されて内部空間の内側面を介して内部空間の空気が冷却されるため、より内部空間の内側面において水蒸気を凝縮させやすい。
第1熱交換部の筐体の外壁面には、複数のフィンが設けられてもよい。この構成によれば、筐体の内部から外部に熱を放出させやすい。そのため、内部空間の空気をより冷却しやすい。特に上述した外部送風装置によって、筐体の外壁面に設けられた複数のフィンに送風することで、内部空間の空気をより冷却しやすい。したがって、冷媒生成効率をより向上できる。
冷媒伝送部は、内部空間に配置される多孔質部材製の捕捉部を有してもよい。捕捉部を接続部と繋げることで、内部空間において生じた冷媒を捕捉部で吸収して接続部に伝送することができる。これにより、生成した冷媒を無駄なく冷却対象へと送りやすい。
加熱部は、上述した実施形態に限られない。加熱部は、吸放湿部材に接触して吸放湿部材を加熱する構成であってもよい。この場合、加熱部は、吸放湿部材を通過する前の空気を加熱しなくてもよい。
上述した実施形態において冷却対象に空気を送る冷却送風装置は、冷媒生成部20に設けられた第1送風装置60としたが、これに限られない。冷却送風装置は、冷媒生成部20に設けられる送風装置の他に別途設けられていてもよい。冷媒は、冷却対象を冷却できるならば、特に限定されず、水以外であってもよい。
また、上述した実施形態において冷却対象は、光変調ユニットとしたが、これに限られない。冷却対象は、光変調装置と、光変調ユニットと、光源装置と、光源装置から射出された光の波長を変換する波長変換素子と、光源装置から射出された光を拡散する拡散素子と、光源装置から射出された光の偏光方向を変換する偏光変換素子とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。この構成によれば、プロジェクターの各部を上述したのと同様に、冷却することができる。
また、上記実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む光変調装置が光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、光変調装置が光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記実施形態において、3つの光変調装置を用いたプロジェクターの例を挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクター、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。