JP7080072B2 - 電子機器冷却装置およびコジェネレーション型空調システム - Google Patents
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Description
たとえば、特許文献1に記載の冷却装置は,冷却液を貯留する液浸槽を備え、液浸槽内の冷却液中に情報処理装置(サーバ装置)を浸漬している。サーバ装置の熱が冷却液と熱交換することにより、サーバ装置が冷却される。
これに対して、複数のサーバ装置が設置されたデータセンターにおいて、それぞれのサーバ装置に冷却気体を吹き付けることにより、サーバ装置を冷却する冷却装置も知られている。
しかしながら、このような冷却装置では、外部から供給しても、循環させる場合であっても、冷却空気中に水分を含むことがある。
冷却中に電子機器に結露が生じた場合、電子機器に錆等が発生したり、電子部品の回路がショートしたりする可能性があり、電子機器が正常に機能しなくなる可能性がある。
[1]データセンター1の全体構成
[1-1]データセンター1の概略構成
図1は、本実施形態の電子機器冷却装置10を備えたデータセンター1の概略構成を示す平面図である。また、図2は、本実施形態の電子機器冷却装置10の概略を説明するためのデータセンター1の概略断面図である。
床部21は、図2に示すように、床面部24と、床面部24の下方(鉛直下側)に配置された循環室25とを備える。
床面部24は、壁部23B、23Cに連続する水平な第一床241と、第一床241に連続する機器配置部242を有する。
本実施の形態では、ラック26は、図1に示すように、一方向(例えばX方向)に沿って複数のラック26が配置されることで1つのラック列26Aが構成され、当該ラック列26AがX方向に交差する方向(X方向)に沿って複数配置される。
そして、本実施の形態では、サーバ室20の排熱孔231に隣接してデシカント空調機30が設けられている。詳しくは後述するが、デシカント空調機30は、サーバ室20から回収室11側に抜け、冷却気体となるエアを除湿する装置である。
循環室25は、床面部24の下方に配置されて、機器配置部242の連通床242Aから流れ落ちる冷却油(冷却液)を回収室11の貯油槽14に流す。
具体的には、循環室25は、貯油槽14に向かって斜め下方向に傾斜し、貯油槽14に接続される傾斜面111を有する。床面部24から流れ落ちた冷却油は、循環室25の傾斜面111に沿って流されることで、貯油槽14に送られる。
貯油槽14には、熱交換器141が設けられ、熱交換器141の配管内に冷水を流すことにより、貯油槽14内の冷却油が冷却される。
なお、サーバ室20の熱仕切243より+X側では、循環室25から熱せられたエアの一部が、排気空間A2側に移動し、排気空間A2から排熱孔231を通って回収室11に流れる。
天井部22には、機器配置部242の上方で、各ラック26のサーバ装置27が露出する開口に向かって、冷却油供給部12およびエア供給部13が設けられている。また、天井部22には、冷却油供給部12に冷却油を送る液輸送部17、およびエア供給部13にエアを送るエア輸送部18が設けられている。
冷却油供給部12は、電子機器冷却装置10を構成する本発明の冷却液体供給部であり、冷却液である冷却油をサーバ装置27に流下する。この冷却油供給部12は、冷却油を流下させるノズル121と、当該ノズル121の角度や冷却油の供給を制御するノズル制御機構122と、を備える。冷却油供給部12は、液輸送部17によって貯油槽14に接続され、貯油槽14に貯留される冷却油が供給される。
次に、冷却油供給部12から供給される冷却油について説明する。
冷却油は、サーバ装置27等の電子機器を冷却する冷却液であり、冷却対象としての電子機器(サーバ装置27等)に直接触れることで、サーバ装置27の熱を奪って冷却する。このため、電子機器のショートを防止する必要から、冷却油として、絶縁性を有し、かつ熱交換率が高い液体が選択される。具体的には、JISC2101の電気絶縁油試験方法にクリアし、JISC2320、IEC60296、およびIEEE基準を満たし、かつ、引火点および発火点が90℃より高い電気絶縁油を用いる。このような電気絶縁油として、たとえば、フロリナート(3M社の登録商標)等を挙げることができる。
エア供給部13およびエア輸送部18は、電子機器冷却装置10を構成する本発明の冷却気体供給部であり、冷却気体であるエア(空気)を、サーバ装置27が収容されたサーバ室空間A1内に供給する。
エア供給部13は、ラック26に向かってエアを吹き付ける冷却ファン131と、冷却ファン131の駆動を制御するファン制御部132と、を備える。
また、エア輸送部18は、エア供給部13とエア回収部15とを接続し、エア回収部15のエアをエア供給部13に送り出すダクトである。このエア輸送部18は、たとえばエアフィルター等を備え、エアに含まれる粉塵等の異物を除去可能な構成とすることがより好ましい。
冷却ファン131は、エアの導入方向(吹き付け方向)を制御可能な角度変更機構を有していてもよい。この場合、ターゲットとなるサーバ装置27に対してエアを直接吹き付けることが可能となる。
回収室11のうち、貯油槽14の上方に形成される空間であるエア回収部15は、サーバ室20から送られるエアを滞留させる空間となる。このエア回収部15には、熱せられたエアを冷却するエア冷却部16が設けられている。
具体的には、本発明の冷却気体冷却部となるエア冷却部16は、図2に示すように、回収室11内に配置された複数の冷却油充填板161と、冷却油充填板161の上方に設けられた第二冷却油供給部162と、を備える。
冷却油充填板161としては、たとえば、冷却油を保持する吸収材により構成されていてもよく、表面に複数のフィン部材等が突出して、表面形状が凹凸となり、凹部に冷却油が保持される構成としてもよい。フィン部材を形成する場合、冷却油とエアとの接触面積が増大し、より効果的にエアを冷却することができる。
なお、ここでは、ポンプ172により汲み出された冷却液を第二冷却油供給部162から流下させる例を示すが、冷却油供給部12とは別の循環経路にて、貯油槽14の冷却液が第二冷却油供給部162に送られる構成としてもよい。
また、回収室11の天井には、回収室11と連通するエア輸送部18が設けられる。また、回収室11のエア輸送部18との接続位置に、エアを送り出すファン181が設けられてもよい。
そして、エア供給部13、エア輸送部18、およびエア回収部15によって、冷却気体の循環流路が構成される。
デシカント空調機30は、前述したようにサーバ室20の排熱孔231に接続され、排熱孔231からの冷却後の空気中の湿度制御を行う。デシカント空調機30は、図3に示すように、ケーシング内に収容されるデシカントロータ31および再生用加熱器32を備える。
デシカントロータ31に湿分Mを含む空気Ainが通過すると、図4(A)に示すように、高分子吸着剤Paが水分H2Oを吸着して、膨潤する。一方、デシカントロータ31に熱が加えられると、デシカントロータ31は、水分H2Oを脱離して元の水分吸着可能な状態に復元される。
再生用加熱器32は、デシカントロータ31を加熱して、デシカントロータ31の水分吸着能力を再生する。本実施の形態における再生用加熱器32は、外部から供給される温水、蒸気等と熱交換を行うことにより、デシカントロータ31の再生加熱を行っている。
図5には、本発明の実施の形態に係るコジェネレーション型空調システムが示されている。コジェネレーション型空調システムは、デシカント空調機30に、余剰蒸気および余剰温水により発電を行うコジェネレーション装置4が接続されて構成される。なお、図5において、▽の記号は電力系統の流れ、C、CRは冷水系統の流れ、CD、CDRは冷却水系統の流れ、Sは蒸気系統の流れ、Hは温水系統の流れを表している。
コジェネレーション制御装置5は、コジェネレーション装置4の全体を制御する制御手段として機能する。また、コジェネレーション制御装置5は、コジェネレーション装置4の発電状況、電力使用状況に応じて、製鉄所、工場等で発生した余剰蒸気、余剰温水のコジェネレーション装置4への取り込みを制御する。
蒸気発電管理装置61は、蒸気発電装置6を駆動制御するコントローラとして機能する。蒸気発電蓄電装置62は、蒸気タービンおよび蓄電器を備え、余剰蒸気によりタービンを回転させて発電を行い、発電された電力は蓄電器に蓄電される。
減圧弁制御装置63は、蒸気発電蓄電装置62に供給される余剰蒸気の圧力を制御する。蒸気発電装置6により発電された電力は、電力供給装置8に供給される。
温水発電管理装置71は、温水発電装置7を駆動制御するコントローラとして機能する。温水発電蓄電装置72は、ペルチェ素子等の熱電変換モジュールおよび蓄電器を備え、余剰温水の熱を熱電変換モジュールの一方の面に与え、他方を常温に維持、または冷却することにより、熱電変換モジュールに温度勾配が生じて発電を行い、発電された電力は蓄電器に蓄電される。温水発電装置7により発電された電力は、電力供給装置8に供給される。
分電盤81は、蒸気発電装置6および温水発電装置7から供給された電力を、空調機器電力系統供給手段82および情報処理装置電力系統供給手段83に分配する。また、分電盤81には、常用電力供給手段8Aおよび非常用電力供給手段8Bが接続されている。
常用電力供給手段8Aは、電力会社等から供給される外部商用電源から分電盤81に電力を供給する。非常用電力供給手段8Bは、発電装置またはUPS(Uninterruptible Power Supply)等から構成され、外部商用電源からの電力供給が遮断された場合に、非常用電源として、分電盤81に電力を供給する。
蒸気発電装置6および温水発電装置7で使用された蒸気、温水は、蒸気減圧/高温水装置90に供給される。蒸気減圧/高温水装置90は、供給された蒸気、温水を冷凍機91に供給する。
冷凍機91によって冷却された冷水の一部は、貯油槽14に設けられた熱交換器141に供給され、冷却油との間で熱交換を行うことにより、冷却油が冷却される。
蓄熱手段93に供給された冷水は、デシカント空調機30に供給され、熱交換に用いられてデシカント空調機30の再生用加熱器32の熱源として用いられる。
冷却塔92は、冷凍機91の熱交換により暖められた冷却水を大気に接触させて冷却する。
[4-1]電力系統の流れ
蒸気発電装置6および温水発電装置7により発電された電力は、電力供給装置8に供給される。電力供給装置8の分電盤81は、電力を空調機器電力系統供給手段82および情報処理装置電力系統供給手段83に分配する。
情報処理装置電力系統供給手段83は、分配されたさらに電力を、データセンター1のサーバ装置27、デシカント空調機30のコントローラに供給する。
空調機器電力系統供給手段82は、分配された電力を、冷却装置9に供給する。
冷却装置9の冷凍機91は、供給された電力を動力源とするだけでなく、蒸気発電装置6から排出された蒸気、および温水発電装置7から排出された温水を動力源として利用することができる。
このような本実施の形態によれば、以下のような効果がある。
デシカント空調機30が、データセンター1のサーバ室空間A1に設置されることにより、データセンター1内を循環する冷却空気の湿度を制御することができる。したがって、サーバ室20内のサーバ装置27に結露等が生じ、サーバ装置27に錆やカビなどが発生したり、ショートなどによるサーバ装置27の故障が生じたりすることを防止できる。
冷却油充填板161が、第二冷却油供給部162からかけ流される冷却油によって冷却される。したがって、エアの冷却機構を別途設ける必要がない。また、エアを循環させて冷却するので、エアに異物、水分が混入することを防止できる
また、コジェネレーション装置4により発電を行っているため、データセンター1、コジェネレーション型空調システムを、外部商用電源を利用することなく、稼働することができるため、データセンター1の稼働コストを低減することができる。
冷却装置9で冷却された冷水は、貯油槽14の熱交換器141に供給される。したがって、熱交換器141により貯油槽14内の冷却油と冷水が熱交換を行って、冷却油を効率的に冷却することができる。
一方、常用電力供給手段8Aからの電力供給が滞った場合は、蒸気発電蓄電装置62、温水発電蓄電装置72で発電された電力を利用して、データセンター1を稼働させ、デシカント空調機30を稼働させることができる。したがって、コジェネレーション型空調システムのエネルギ源によらずに、データセンター1を稼働させることができるため、長期に亘り24時間休みなくデータセンター1を稼働させることができる。
本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前述した実施の形態では、サーバ装置27に冷却油を流下するとともに、冷却空気を循環させる冷却装置であったが、本発明はこれに限られない。たとえば、サーバ室のサーバを冷却空気のみで冷却する冷却装置に本発明を適用してもよい。
前述した実施の形態では、冷却気体をサーバ室20内で循環させる構成であったが、本発明はこれに限られない。すなわち、冷却空気をサーバ室20の外部から供給し、冷却後の冷却空気を外部に排出する構成であってもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等については、本発明の目的を達成出来る範囲で他の構造等としてもよい。
Claims (5)
- 複数の電子機器を冷却する電子機器冷却装置であって、
前記複数の電子機器を密閉した状態で収容する電子機器収容部と、
前記電子機器収容部内に、前記電子機器を冷却する冷却気体を供給する冷却気体供給部と、
前記電子機器収容部内に供給された冷却気体の湿度制御を行うデシカント空調機と、
前記電子機器に対して、前記電子機器を冷却する冷却液体を供給する冷却液体吹付部と、
前記冷却液体吹付部により、前記電子機器に吹き付けられた冷却後の冷却液体を回収する液回収槽と、
前記液回収槽内の冷却液体と熱交換を行うことにより、前記冷却液体を冷却する熱交換器と、
前記冷却気体の循環流路中に設けられ、前記熱交換器により冷却された冷却液体を、前記循環流路中で熱交換させて前記冷却気体を冷却する冷却気体冷却部と、
を備えることを特徴とする電子機器冷却装置。 - 請求項1に記載の電子機器冷却装置において、
前記冷却気体冷却部は、
前記冷却気体の循環流路中で前記冷却気体と熱交換を行う熱交換板と、
前記熱交換板に冷却された冷却液体を流下する冷却液体流下部と、
を備えることを特徴とする電子機器冷却装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電子機器冷却装置と、
前記電子機器冷却装置に接続されるコジェネレーション装置と、
を備え、
前記コジェネレーション装置は、蒸気および温水の少なくともいずれかの熱を利用して発電する発電装置を備え、
前記電子機器冷却装置を構成するデシカント空調機は、前記発電装置に使用された蒸気および温水の少なくともいずれかを利用して、湿度制御を行うことを特徴とするコジェネレーション型空調システム。 - 請求項3に記載のコジェネレーション型空調システムにおいて、
前記発電装置により発電された電気エネルギは、前記デシカント空調機に供給されることを特徴とするコジェネレーション型空調システム。 - 請求項3または請求項4に記載のコジェネレーション型空調システムにおいて、
前記発電装置により発電された電気エネルギは、前記電子機器に供給されることを特徴とするコジェネレーション型空調システム。
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