JP2022148079A - プロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒生成部を有する冷却装置を備えるプロジェクターにおいて、毛細管現象を利用して冷却対象に冷媒を伝送する構成では、冷却対象に冷媒を十分に伝送できない恐れがあった。【解決手段】本発明のプロジェクターの一つの態様は、冷却対象を備えるプロジェクターであって、光源から射出された光を変調する光変調装置と、冷媒が気体へ変化することで冷却対象を冷却する冷却装置と、を備え、冷却装置は、熱交換部を有し冷媒を生成する冷媒生成部と、生成された冷媒を冷却対象に向けて伝送する冷媒伝送部と、を有し、熱交換部は、生成された冷媒が貯留される内部空間を有する貯留部を有し、冷媒伝送部は、内部空間に開口する送出口を有する伝送流路部を有し、冷媒生成部は、内部空間における内圧を上昇させることが可能な内圧上昇機構を有することを特徴とする。【選択図】図6
Description
本発明は、プロジェクターに関する。
特許文献1には、冷媒を生成する冷媒生成部を備えるプロジェクターが記載されている。特許文献1のプロジェクターでは、冷媒生成部において生成された冷媒が気体へ変化することでプロジェクターの冷却対象を冷却する。
特許文献1のプロジェクターには、生成された冷媒を、毛細管現象を利用して冷却対象に伝送する構成が記載されている。この構成では、冷却対象に冷媒を十分に伝送できない恐れがあった。
本発明のプロジェクターの一つの態様は、冷却対象を備えるプロジェクターであって、光源から射出された光を変調する光変調装置と、冷媒が気体へ変化することで前記冷却対象を冷却する冷却装置と、を備え、前記冷却装置は、熱交換部を有し前記冷媒を生成する冷媒生成部と、生成された前記冷媒を前記冷却対象に向けて伝送する冷媒伝送部と、を有し、前記熱交換部は、生成された前記冷媒が貯留される内部空間を有する貯留部を有し、前記冷媒伝送部は、前記内部空間に開口する送出口を有する伝送流路部を有し、前記冷媒生成部は、前記内部空間における内圧を上昇させることが可能な内圧上昇機構を有することを特徴とする。
前記冷媒生成部は、回転する吸放湿部材と、第1領域に位置する前記吸放湿部材の第1部分に空気を送る第1送風装置と、前記第1領域と異なる第2領域に位置する前記吸放湿部材の第2部分を加熱する加熱部と、前記第2部分の周囲の空気を前記内部空間に送る第2送風装置と、を有し、前記貯留部は、前記内部空間に流入した空気が流出する流出口を有し、前記内圧上昇機構は、前記流出口を開閉可能な流出側弁部を有する構成としてもよい。
前記貯留部は、前記第2送風装置からの空気が流入する流入口を有し、前記貯留部を構成する壁部は、可撓性を有する可撓性壁部を有し、前記内圧上昇機構は、前記流入口を開閉可能な流入側弁部と、前記可撓性壁部を前記貯留部の外部から押圧可能な押圧機構と、を有し、前記押圧機構は、前記流入側弁部と前記流出側弁部とが閉じられた状態で前記可撓性壁部を前記貯留部の外部から押圧する構成としてもよい。
前記押圧機構は、前記吸放湿部材に取り付けられ、前記吸放湿部材の回転に連動して前記可撓性壁部を押圧する構成としてもよい。
前記伝送流路部は、前記内部空間に位置する内側流路部を有し、前記内側流路部は、前記送出口を有し、かつ、可撓性を有する管であり、前記内側流路部のうち前記送出口が設けられた側の端部には、重り部材が取り付けられている構成としてもよい。
前記内側流路部は、蛇腹状の蛇腹部を有する構成としてもよい。
前記冷却対象は、前記光変調装置を含む構成としてもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター1を示す概略構成図である。図2は、本実施形態のプロジェクター1の一部を示す模式図である。図1に示すように、プロジェクター1は、光源2と、色分離光学系3と、光変調ユニット4Rと、光変調ユニット4Gと、光変調ユニット4Bと、光合成光学系5と、投射光学装置6と、を備える。光変調ユニット4Rは、光変調装置4RPを有する。光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを有する。光変調ユニット4Bは、光変調装置4BPを有する。
図1は、本実施形態のプロジェクター1を示す概略構成図である。図2は、本実施形態のプロジェクター1の一部を示す模式図である。図1に示すように、プロジェクター1は、光源2と、色分離光学系3と、光変調ユニット4Rと、光変調ユニット4Gと、光変調ユニット4Bと、光合成光学系5と、投射光学装置6と、を備える。光変調ユニット4Rは、光変調装置4RPを有する。光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを有する。光変調ユニット4Bは、光変調装置4BPを有する。
光源2は、略均一な照度分布を有するように調整された照明光WLを色分離光学系3に向けて射出する。光源2は、例えば、半導体レーザーである。色分離光学系3は、光源2からの照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7aと、第2のダイクロイックミラー7bと、第1の反射ミラー8aと、第2の反射ミラー8bと、第3の反射ミラー8cと、リレーレンズ8dと、を備える。
第1のダイクロイックミラー7aは、光源2から射出された照明光WLを、赤色光LRと、緑色光LGと青色光LBとが混合された光と、に分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを透過させるとともに、緑色光LGおよび青色光LBを反射する特性を有する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGと青色光LBとが混合された光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる特性を有する。
第1の反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1のダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4RPに向けて反射する。第2の反射ミラー8bおよび第3の反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4BPに導く。
光変調装置4RP、光変調装置4GP、および光変調装置4BPの各々は、液晶パネルから構成されている。光変調装置4RPは、光源2から射出された光のうち赤色光LRを画像信号に応じて変調する。光変調装置4GPは、光源2から射出された光のうち緑色光LGを画像信号に応じて変調する。光変調装置4BPは、光源2から射出された光のうち青色光LBを画像信号に応じて変調する。これにより、各光変調装置4RP,4GP,4BPは、各色光に対応した画像光を形成する。図示は省略するが、光変調装置4RP,4GP,4BPの各々の光入射側および光射出側には、偏光板が配置されている。
光変調装置4RPの光入射側には、光変調装置4RPに入射する赤色光LRを平行化するフィールドレンズ9Rが配置されている。光変調装置4GPの光入射側には、光変調装置4GPに入射する緑色光LGを平行化するフィールドレンズ9Gが配置されている。光変調装置4BPの光入射側には、光変調装置4BPに入射する青色光LBを平行化するフィールドレンズ9Bが配置されている。
光合成光学系5は、略立方体状のクロスダイクロイックプリズムから構成されている。光合成光学系5は、光変調装置4RP,4GP,4BPからの各色の画像光を合成する。光合成光学系5は、合成した画像光を投射光学装置6に向かって射出する。投射光学装置6は、投射レンズ群から構成されている。投射光学装置6は、光合成光学系5により合成された画像光、すなわち光変調装置4RP,4GP,4BPにより変調された光をスクリーンSCRに向かって拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー画像(映像)が表示される。
プロジェクター1は、図2に示すように、冷却装置10と、冷却装置10を制御する制御装置100と、をさらに備える。冷却装置10は、冷媒Wが気体へ変化することで、プロジェクター1に備えられた冷却対象を冷却する。本実施形態において冷媒Wは、例えば、液体の水である。そのため、以下の説明においては、冷媒Wが気体へ変化することを単に気化と呼ぶ場合がある。本実施形態において冷却対象は、光変調ユニット4R,4G,4Bを含む。すなわち、本実施形態において冷却対象は、光変調装置4RP,4GP,4BPを含む。
冷却装置10は、冷媒生成部20と、冷媒伝送部50と、を有する。冷媒生成部20は、冷媒Wを生成する部分である。冷媒伝送部50は、生成された冷媒Wを冷却対象に向けて伝送する部分である。冷媒伝送部50によって冷却対象、すなわち本実施形態では光変調ユニット4R,4G,4Bに送られた冷媒Wが気化することで冷却対象から熱を奪うことができ、冷却装置10は、冷却対象を冷却することができる。以下、各部について詳細に説明する。
図3は、本実施形態の冷媒生成部20を模式的に示す概略構成図である。冷媒生成部20は、図3に示すように、吸放湿部材40と、モーター(駆動部)24と、第1送風装置60と、熱交換部30と、循環ダクト25と、循環ダクト26と、加熱部22と、第2送風装置23と、第3送風装置61と、を有する。
図4は、吸放湿部材40を示す斜視図である。吸放湿部材40は、図4に示すように、回転軸Rを中心とした扁平の円柱状である。吸放湿部材40の中心には、回転軸Rを中心とする中心孔40cが形成されている。中心孔40cは、回転軸Rの軸方向に吸放湿部材40を貫通する。吸放湿部材40は、回転軸R回りに回転する。以下の説明においては、回転軸Rの軸方向を「回転軸方向DR」と呼び、適宜図においてDR軸で示す。
吸放湿部材40は、吸放湿部材40を回転軸方向DRに貫通する無数の貫通孔40bを有する。吸放湿部材40は、多孔質部材である。吸放湿部材40は、吸放湿性を有する。本実施形態において吸放湿部材40は、例えば、貫通孔40bを有する帯状の帯状部材40aを回転軸R回りに巻き、巻かれた帯状部材40aにおける外部に露出する面に吸放湿性を有する物質を塗布して作られている。なお、巻かれた帯状部材40aにおける外部に露出する面とは、吸放湿部材40の外表面、中心孔40cの内周面および貫通孔40bの内側面を含む。なお、吸放湿部材40は、全体が吸放湿性を有する物質から作られていてもよい。吸放湿性を有する物質としては、例えば、ゼオライトやシリカゲル等が挙げられる。
図3に示すモーター24の出力軸は、吸放湿部材40の中心孔40cに挿入されて固定されている。モーター24は、吸放湿部材40を回転軸R回りに回転させる。モーター24によって回転させられる吸放湿部材40の回転速度は、例えば、0.2rpm以上、5rpm以下程度である。
第1送風装置60は、例えば、プロジェクター1内に外部の空気を取り込む吸気ファンである。第1送風装置60は、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の第1部分に空気AR1を送る。第1領域F1は、回転軸Rと直交する方向において、回転軸Rよりも一方側の領域である。一方、回転軸Rと直交する方向において、回転軸Rよりも他方側の領域、すなわち回転軸Rに対して第1領域F1と逆側の領域は、第2領域F2である。第1領域F1は、図3では回転軸Rよりも上側の領域である。第2領域F2は、図3では回転軸Rよりも下側の領域である。
第1送風装置60は、図2に示すように、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bにも空気AR1を送る。すなわち、本実施形態において第1送風装置60は、冷却対象に空気AR1を送る冷却送風装置である。第1送風装置60は、空気AR1を送れることができるならば、特に限定されず、例えば、軸流ファンであっても、遠心ファンであってもよい。
熱交換部30は、冷媒Wが生成される部分である。図5は、熱交換部30を示す部分断面斜視図である。図6は、熱交換部30の一部を示す断面図であって、図5におけるVI-VI断面図である。図5に示すように、熱交換部30は、貯留部31と、複数の流路部34と、流入ダクト32と、流出ダクト33と、を有する。なお、図6では、流路部34、流入ダクト32、および流出ダクト33の図示を省略している。
貯留部31は、生成された冷媒Wが貯留される部分である。図5に示すように、本実施形態において貯留部31は、直方体箱状である。貯留部31は、生成された冷媒Wが貯留される内部空間35と、流入口31aと、流出口31bと、取付筒部36と、を有する。内部空間35には、第2送風装置23によって送られる空気が流入する。流入口31aは、貯留部31のうち回転軸方向DRの一方側(+DR側)の側壁部31cに設けられている。流出口31bは、貯留部31のうち回転軸方向DRの他方側(-DR側)の側壁部31dに設けられている。流入口31aおよび流出口31bは、内部空間35と繋がっている。流入口31aおよび流出口31bは、例えば、矩形状である。本実施形態において流入口31aと流出口31bとは、回転軸方向DRに沿って見て互いに重なっている。流入口31aには、第2送風装置23からの空気が流入する。流出口31bからは、流入口31aを介して内部空間35に流入した空気が流出する。
本実施形態において取付筒部36は、回転軸方向DRと直交する厚さ方向DTに突出する筒状である。厚さ方向DTは、図においてDT軸で示される方向である。取付筒部36は、貯留部31の内部空間35と繋がっている。取付筒部36は、貯留部31のうち厚さ方向DTの一方側(+DT側)の壁部31gに設けられている。取付筒部36は、壁部31gから厚さ方向DTの一方側に突出する円筒状である。取付筒部36は、貯留部31の外部に向けて厚さ方向DTの一方側向きに開口している。本実施形態において取付筒部36は、壁部31gの中央部に設けられている。図6に示すように、取付筒部36には、後述する伝送流路部51が通されている。
なお、図6においては、DT軸と共に、鉛直方向VDを示すVD軸を示している。図6において鉛直方向VDは、厚さ方向DTと平行な方向である。VD軸の矢印が向く側(+VD側)を鉛直方向上側とし、VD軸の矢印が向く側と逆側(-VD側)を鉛直方向下側とする。図6において、鉛直方向上側は、厚さ方向DTの一方側(+DT側)であり、鉛直方向下側は、厚さ方向DTの他方側(-DT側)である。
図5に示すように、複数の流路部34は、内部空間35内に配置されている。複数の流路部34の内部には、第3送風装置61によって送られる空気が流通する。本実施形態において複数の流路部34は、直線状に延びる導管である。流路部34は、例えば、円筒状である。流路部34は、延びる方向の両側に開口している。複数の流路部34は、例えば、互いに平行な方向に延びている。流路部34が延びる方向は、例えば、回転軸方向DRおよび厚さ方向DTと直交する。以下の説明においては、流路部34が延びる方向を「延伸方向DE」と呼び、適宜図においてDE軸で示す。上述した第1領域F1と第2領域F2とは、回転軸方向DRと直交する延伸方向DEにおいて、回転軸Rを基準として分けられている。
なお、本明細書において「複数の流路部が互いに平行な方向に延びている」とは、複数の流路部が厳密に互いに平行に延びている場合に加えて、複数の流路部が互いに略平行な方向に延びている場合も含む。「複数の流路部が互いに略平行な方向に延びている」とは、例えば、流路部同士の成す角度が10°以内程度の場合を含む。
本実施形態において流路部34は、回転軸方向DRに沿って複数並べられた列が、回転軸方向DRおよび延伸方向DEの両方と直交する厚さ方向DTに沿って複数列設けられている。複数の流路部34は、例えば、厚さ方向DTに並ぶ4つの列を構成している。厚さ方向DTに隣り合う列の一方の列に含まれる流路部34は、回転軸方向DRにおいて、他方の列に含まれる流路部34同士の間に位置する。すなわち、複数の流路部34は、延伸方向DEに沿って見て、千鳥状に配置されている。
流路部34は、図3に示すように、貯留部31のうち延伸方向DEの他方側(-DE側)の側壁部31eから、貯留部31のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の側壁部31fまで延びている。流路部34のうち延伸方向DEの他方側(-DE側)の端部は、側壁部31eにおける延伸方向DEの他方側の面に開口し、貯留部31の外部に開口する流入口34aである。流路部34のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部は、側壁部31fにおける延伸方向DEの一方側の面に開口し、貯留部31の外部に開口する流出口34bである。これにより、流路部34は、貯留部31の延伸方向DEの両側に位置する空間同士を繋いでいる。一方で、複数の流路部34の内部は、内部空間35と繋がっていない。これにより、複数の流路部34の内部を流通する空気と内部空間35に流入された空気とは、混じり合わない。すなわち、複数の流路部34の内部は、内部空間35と隔離されている。
流入ダクト32および流出ダクト33は、延伸方向DEに延びるダクトである。本実施形態において流入ダクト32および流出ダクト33は、矩形筒状である。流入ダクト32および流出ダクト33は、貯留部31を延伸方向DEに挟んで配置され、それぞれ貯留部31に接続されている。流入ダクト32は、貯留部31の延伸方向DEの他方側(-DE側)に位置する。流出ダクト33は、貯留部31の延伸方向DEの一方側(+DE側)に位置する。
流入ダクト32のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部は、側壁部31eの外周縁部に固定され、側壁部31eによって閉塞されている。流入ダクト32の内部には、複数の流路部34の流入口34aが開口している。これにより、流入ダクト32の内部は、流入口34aを介して、複数の流路部34の内部と繋がっている。
流出ダクト33のうち延伸方向DEの他方側(-DE側)の端部は、側壁部31fの外周縁部に固定され、側壁部31fによって閉塞されている。流出ダクト33の内部には、複数の流路部34の流出口34bが開口している。これにより、流出ダクト33の内部は、流出口34bを介して、複数の流路部34の内部と繋がっている。
循環ダクト26は、回転軸方向DRにおいて、吸放湿部材40の一方側(+DR側)に配置されたダクトである。循環ダクト26は、吸放湿部材40の回転軸方向DRの一方側から、貯留部31の回転軸方向DRの一方側まで延びている。循環ダクト26の一端部26aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分に向かって、回転軸方向DRの他方側(-DR側)に開口している。循環ダクト26の他端部26bは、貯留部31の流入口31aに接続され、内部空間35に開口している。これにより、循環ダクト26の内部は、内部空間35と繋がっている。
循環ダクト25は、回転軸方向DRにおいて、吸放湿部材40の他方側(-DR側)に配置されたダクトである。循環ダクト25は、吸放湿部材40の回転軸方向DRの他方側から、貯留部31の回転軸方向DRの他方側まで延びている。循環ダクト25の一端部25aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分に向かって、回転軸方向DRの一方側(+DR側)に開口している。循環ダクト25の他端部25bは、貯留部31の流出口31bに接続され、内部空間35に開口している。これにより、循環ダクト25の内部は、内部空間35と繋がっている。
加熱部22は、加熱本体部22aを有する。加熱本体部22aは、循環ダクト25の内部に配置されている。加熱本体部22aは、回転軸方向DRにおいて、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分の他方側(-DR側)に配置されている。加熱本体部22aは、例えば、電気ヒーターである。加熱本体部22aは、循環ダクト25の内部の雰囲気(空気)を加熱する。本実施形態において加熱部22は、第2送風装置23を有する。
第2送風装置23は、循環ダクト26の内部に配置されている。第2送風装置23は、回転軸方向DRにおいて、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分の一方側(+DR側)に配置されている。第2送風装置23は、例えば、遠心ファンである。第2送風装置23は、回転軸方向DRの他方側(-DR側)から吸気した空気を、排気口23aから延伸方向DEの他方側(-DE側)に放出する。排気口23aから放出された空気は、流入口31aを介して貯留部31の内部空間35に流入する。すなわち、第2送風装置23は、流入口31aを介して内部空間35に空気を送る。なお、第2送風装置23は、例えば、軸流ファンであってもよい。
第2送風装置23から内部空間35に放出される空気は、循環ダクト26の一端部26aを介して第2送風装置23の回転軸方向DRの他方側(-DR側)から吸気した空気であり、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を通過した空気である。すなわち、第2送風装置23は、第1領域F1と異なる第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分に空気を通過させて熱交換部30に送る。本実施形態において第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を通過する前の空気は、循環ダクト25の内部を流れている。そのため、加熱本体部22aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を通過する前の空気を加熱する。
このように、本実施形態において加熱部22は、加熱本体部22aによって加熱された空気を、第2送風装置23によって第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分に送ることで、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を加熱する。これにより、第2送風装置23は、吸放湿部材40における加熱部22によって加熱された第2部分の周囲の空気を熱交換部30に送る。
第2送風装置23から熱交換部30の内部空間35に流入した空気は、内部空間35を回転軸方向DRに通過し、流出口31bを介して循環ダクト25の内部に流入する。循環ダクト25の内部に流入した空気は、加熱本体部22aによって加熱され、再び第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を通過して循環ダクト26の内部に流入し第2送風装置23に吸気される。
以上のように、本実施形態において冷媒生成部20は、第2送風装置23から放出された空気が循環する循環経路27を有する。循環経路27は、少なくとも循環ダクト25,26と熱交換部30とによって構成されている。循環経路27は、加熱本体部22aと吸放湿部材40と内部空間35とを通る。吸放湿部材40と循環ダクト25,26との間には僅かに隙間が設けられているが、循環経路27は略密閉されており、循環経路27の内部に外部からの空気が流入することが抑制される。なお、以下の説明においては、第2送風装置23から放出され循環経路27内を循環する空気を空気AR2と呼ぶ。
本実施形態において第3送風装置61は、流入ダクト32の内部に配置されている。第3送風装置61は、軸流ファンであっても、遠心ファンであってもよい。第3送風装置61は、流入ダクト32内において延伸方向DEの一方側(+DE側)に冷却空気AR3を放出する。放出された冷却空気AR3は、流入口34aを介して流路部34の内部に流入する。すなわち、本実施形態において第3送風装置61は、流入ダクト32を介して流入口34aから複数の流路部34の内部に冷却空気AR3を送る。これにより、複数の流路部34の内部には、冷却空気AR3が流通する。流路部34の内部を通る冷却空気AR3は、流路部34を介して内部空間35の空気AR2を冷却する。このように、第3送風装置61は、冷却空気AR3を流路部34の内部に送ることで、流路部34を介して内部空間35に流入される空気AR2を冷却できる。流路部34の内部に送られた冷却空気AR3は、流出口34bから流出ダクト33の内部に流出する。
第1領域F1に位置する吸放湿部材40の第1部分に第1送風装置60から空気AR1が送られると、空気AR1に含まれる水蒸気が、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の第1部分に吸湿される。水蒸気を吸湿した吸放湿部材40の第1部分は、モーター24によって吸放湿部材40が回転させられることで、第1領域F1から第2領域F2に移動する。そして、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分には、加熱本体部22aによって加熱された比較的温度の高い空気AR2が通る。これにより、吸放湿部材40に吸湿された水分が、気化して空気AR2に放湿される。
吸放湿部材40を通過することで空気AR1から吸湿した水蒸気を含んだ空気AR2は、第2送風装置23によって熱交換部30の内部空間35へと送られる。内部空間35に送られた比較的温度の高い空気AR2は、内部空間35を複数の流路部34の延伸方向DEと交差する方向に流通し、複数の流路部34の内部を通る冷却空気AR3によって冷却される。これにより、空気AR2に含まれていた水蒸気が凝縮して液体の水、すなわち冷媒Wになる。このように、熱交換部30の貯留部31内、すなわち内部空間35においては、複数の流路部34の内部に送られた冷却空気AR3によって内部空間35に流入した空気AR2が冷却されることで、内部空間35に流入した空気AR2から冷媒Wが生成される。生成された冷媒Wは、貯留部31内に貯留される。
冷媒伝送部50は、図2に示すように、伝送流路部51と、多孔質部材54と、を有する。伝送流路部51は、熱交換部30の貯留部31に接続されている。図6に示すように、伝送流路部51は、外側流路部51aと、外側流路部51aに繋がる内側流路部51bと、を有する。本実施形態において外側流路部51aおよび内側流路部51bは、可撓性を有する管である。外側流路部51aの流路断面形状および内側流路部51bの流路断面形状は、例えば、円形状である。外側流路部51aは、貯留部31から冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに向かって延びている。外側流路部51aのうち貯留部31に近い側の端部は、取付筒部36内に嵌め合わされて固定されている。
内側流路部51bは、外側流路部51aのうち貯留部31に近い側の端部に繋がっている。内側流路部51bは、内部空間35に位置する。内側流路部51bは、内部空間35に開口する送出口51fを有する。送出口51fは、内側流路部51bのうち外側流路部51aから遠い側の端部に設けられている。本実施形態において内側流路部51bの長さは、内部空間35の鉛直方向VDの寸法よりも大きい。内側流路部51bは、変形可能な範囲内で、内部空間35を移動可能である。なお、内部空間35において複数の流路部34は、例えば、内側流路部51bが或る程度移動可能となるように配置される。
本実施形態において内側流路部51bは、基端部51cと、蛇腹部51dと、先端部51eと、を有する。基端部51cは、外側流路部51aに繋がる部分である。蛇腹部51dは、蛇腹状の部分である。蛇腹部51dは、基端部51cのうち外側流路部51aから遠い側の端部に繋がっている。先端部51eは、送出口51fを有する部分である。先端部51eは、蛇腹部51dのうち基端部51cから遠い側の端部に繋がっている。本実施形態において先端部51eの外径は、基端部51cの外径および蛇腹部51dの外径よりも小さい。先端部51eの内径は、基端部51cの内径および蛇腹部51dの内径よりも小さい。
先端部51eには、重り部材51gが取り付けられている。つまり、内側流路部51bのうち送出口51fが設けられた側の端部には、重り部材51gが取り付けられている。本実施形態において重り部材51gは、先端部51eを囲む円筒状の部材である。重り部材51gの内周面は、先端部51eの外周面に固定されている。重り部材51gを構成する材料の密度は、内側流路部51bを構成する材料の密度よりも大きい。重り部材51gが取り付けられていることで、先端部51eは、重力によって、貯留部31における鉛直方向下側(-VD側)の底部に位置する。先端部51eが貯留部31の底部に位置する状態において、蛇腹部51dは撓んだ状態となっている。
図2に示すように、多孔質部材54は、伝送流路部51の外側流路部51aのうち貯留部31から遠い側の端部に接続されている。多孔質部材54は、毛細管現象によって冷媒Wを伝送可能である。多孔質部材54の材質としては、例えば、ポリプロピレン、コットン、ポーラス金属等が挙げられる。多孔質部材54の材質は、多孔質部材54の表面張力を比較的大きくできる材質が好ましい。
図7は、光変調ユニット4R,4G,4Bと光合成光学系5と冷媒伝送部50の一部とを示す斜視図である。図7に示すように、多孔質部材54は、蓋部54aと、延伸部54bと、を有する。蓋部54aは、外側流路部51aのうち貯留部31から遠い側の端部に取り付けられている。蓋部54aは、外側流路部51aのうち貯留部31から遠い側の開口を塞いでいる。本実施形態において蓋部54aは、円板状である。延伸部54bは、蓋部54aから延びている。延伸部54bは、薄い帯状である。延伸部54bは、冷却対象である光変調ユニット4Gまで延びている。
図6に示すように、冷媒生成部20は、内部空間35における内圧を上昇させることが可能な内圧上昇機構90を有する。本実施形態において内圧上昇機構90は、貯留部31の流出口31bを開閉可能な流出側弁部91を有する。流出側弁部91の構成は、流出口31bを開閉可能であれば、特に限定されない。流出側弁部91は、例えば、電磁弁である。なお、「流出口31bを開閉可能である」とは、流出口31bからの空気AR2の流出が許容される状態と、流出口31bからの空気AR2の流出が阻止される状態と、を切り替えられればよい。
本実施形態において流出側弁部91は、循環ダクト25に設けられている。流出側弁部91は、循環ダクト25の一部を開閉することによって、流出口31bを開閉する。流出側弁部91が閉じた状態においては、循環ダクト25のうち流出側弁部91が設けられた部分が閉塞される。そのため、内部空間35から流出口31bを介して循環ダクト25に空気AR2が流れることが阻止される。この状態で流入口31aから内部空間35に空気AR2が流入すると内部空間35における内圧が上昇する。したがって、本実施形態において内圧上昇機構90は、第2送風装置23によって空気AR2が送られている状態において流出側弁部91を閉じることで、内部空間35における内圧を上昇させることができる。流出側弁部91が開いた状態においては、循環ダクト25のうち流出側弁部91が設けられた部分が開放される。そのため、内部空間35から流出口31bを介して循環ダクト25に空気AR2が流れることが許容される。
内圧上昇機構90によって内部空間35における内圧が上昇させられると、内部空間35における内圧によって、内部空間35に貯留された冷媒Wが貯留部31の内面に押し付けられる向きに力を受ける。これにより、内部空間35に貯留された冷媒Wの一部が送出口51fから伝送流路部51内に押し込まれる。伝送流路部51内に流入した冷媒Wは、伝送流路部51内を内側流路部51bから外側流路部51aへと流れ、伝送流路部51のうち多孔質部材54と繋がる端部まで送られる。伝送流路部51の端部まで流れた冷媒Wは、多孔質部材54に吸収され、毛細管現象によって冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bまで伝送される。
内圧上昇機構90は、制御装置100によって制御される。制御装置100は、第2送風装置23による送風を継続させたまま、内圧上昇機構90の流出側弁部91を閉じることで、内圧上昇機構90によって内部空間35における内圧を上昇させる。
次に、本実施形態における冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bについて、より詳細に説明する。以下の説明においては、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向Zを、適宜図においてZ軸で示す。投射光学装置6における最も光射出側の投射レンズの光軸AXと平行な方向、すなわち投射光学装置6の投射方向と平行な方向を「光軸方向X」と呼び、適宜図においてX軸で示す。光軸方向Xは、上下方向Zと直交する。また、光軸方向Xおよび上下方向Zの両方と直交する方向を「幅方向Y」と呼び、適宜図においてY軸で示す。
なお、上下方向Z、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。上下方向Zは、鉛直方向VDであってもよいし、鉛直方向VDと異なる方向であってもよい。
図8は、光変調ユニット4Gを光入射側から見た図である。図9は、光変調ユニット4Gを示す図であって、図8におけるIX-IX断面図である。
冷却対象である光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Gと光変調ユニット4Bとは、図7に示すように、光合成光学系5の周りを囲んで配置されている。光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Bとは、光合成光学系5を幅方向Yに挟んで互いに反対側に配置されている。光変調ユニット4Gは、光合成光学系5の光軸方向Xの光入射側(-X側)に配置されている。光変調ユニット4Rの構造と光変調ユニット4Gの構造と光変調ユニット4Bの構造とは、配置される位置および姿勢が異なる点を除いて同様であるため、以下の説明においては、代表して光変調ユニット4Gについてのみ説明する場合がある。
冷却対象である光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Gと光変調ユニット4Bとは、図7に示すように、光合成光学系5の周りを囲んで配置されている。光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Bとは、光合成光学系5を幅方向Yに挟んで互いに反対側に配置されている。光変調ユニット4Gは、光合成光学系5の光軸方向Xの光入射側(-X側)に配置されている。光変調ユニット4Rの構造と光変調ユニット4Gの構造と光変調ユニット4Bの構造とは、配置される位置および姿勢が異なる点を除いて同様であるため、以下の説明においては、代表して光変調ユニット4Gについてのみ説明する場合がある。
光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを保持する保持フレーム80を有する。保持フレーム80は、図7、図8、および図9に示すように、光変調装置4GPに光が入射する方向に扁平で上下方向Zに長い略直方体状である。光変調装置4GPの光が入射する方向は、例えば、光軸方向Xである。
保持フレーム80は、図9に示すように、保持フレーム80を光が入射する方向に貫通する貫通孔81を有する。貫通孔81の光入射側(-X側)の縁には、貫通孔81の幅が広くなる段差部83が設けられている。光変調装置4GPは、段差部83に嵌められて保持フレーム80に保持されている。図8に示すように、保持フレーム80の光入射側の面における上下方向Zの両側の部分には、挿入溝82a,82bが形成されている。
プロジェクター1は、図7、図8、および図9に示すように、冷却対象である光変調ユニット4Gに設けられた冷却促進部70をさらに備える。冷却促進部70は、冷媒保持部71と、固定部材72と、を有する。冷媒保持部71は、冷却対象である光変調ユニット4Gの保持フレーム80の面に取り付けられている。本実施形態では、冷媒保持部71は、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側(-X側)の面に設けられている。冷媒保持部71は、冷媒Wを保持する多孔質部材製である。冷媒保持部71の材質としては、例えば、ポリプロピレン、コットン、ポーラス金属等が挙げられる。冷媒保持部71の材質は、例えば、冷媒伝送部50の材質と同じにできる。冷媒保持部71の材質は、冷媒保持部71の表面張力を比較的大きくできる材質が好ましい。
図10は、冷媒保持部71を示す図である。冷媒保持部71は、図10に示すように、矩形枠状の本体部71aと、本体部71aにおける上下方向Zの両側の端部に設けられた挿入部71b,71cと、を有する。本体部71aは、図9に示すように、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側(-X側)の面の一部を覆っている。本体部71aにおける内縁側の部分は、光変調装置4GPの外縁部分を覆っている。挿入部71bは、折り曲げられて保持フレーム80の挿入溝82aに挿入されている。挿入部71cは、折り曲げられて保持フレーム80の挿入溝82bに挿入されている。
固定部材72は、冷媒保持部71を固定する部材である。固定部材72は、図7および図9に示すように、板状の部材である。固定部材72は、例えば、金属製である。固定部材72は、矩形枠状の枠部72aと、取付部72bと、挿入部72cと、を有する。枠部72aは、図8および図9に示すように、冷媒保持部71の外縁部を覆っている。保持フレーム80と冷媒保持部71と枠部72aとは、光変調ユニット4Gを通過する光の方向(光軸方向X)に重ねられている。以下の説明においては、保持フレーム80と冷媒保持部71と枠部72aとが重ねられた方向を単に「重ね方向」と呼ぶ。固定部材72は、枠部72aによって、保持フレーム80との間で冷媒保持部71を重ね方向(光軸方向X)に挟んで固定している。
枠部72aの内縁は、冷媒保持部71の内縁よりも外側に設けられている。そのため、冷媒保持部71の一部、すなわち本実施形態では枠部72aよりも内側の部分は、重ね方向の固定部材72側から見て、露出している。
取付部72bは、図7および図9に示すように、枠部72aの上下方向Zの両端部における幅方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。取付部72bは、枠部72aから保持フレーム80側(+X側)に突出している。取付部72bは、保持フレーム80の側面に設けられた突起に係合されている。これにより、固定部材72は、保持フレーム80に固定されている。
挿入部72cは、枠部72aの上下方向Zの両端部に設けられている。挿入部72cは、枠部72aから保持フレーム80側(+X側)に突出している。挿入部72cは、保持フレーム80の挿入溝82a,82bに挿入されている。挿入部72cは、挿入溝82a,82bの内部において、冷媒保持部71の挿入部71b,71cを押さえている。
冷却促進部70は、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bのそれぞれに設けられている。すなわち、冷媒保持部71と固定部材72とは、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bのそれぞれに設けられている。図10に示すように、各光変調ユニット4R,4G,4Bのうち、光変調ユニット4Gに設けられた冷媒保持部71Gは、冷媒伝送部50と接続されている。より詳細には、冷媒保持部71Gの下端部には、冷媒伝送部50の多孔質部材54が接続されている。
光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bおよび光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71Rは、多孔質部材54が接続されていない点を除いて、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gと同様である。
本実施形態においては、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bに設けられた冷媒保持部71同士を互いに連結する多孔質部材製の連結部73a,73bが設けられている。本実施形態では、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gの両側に、連結部73a,73bを介して、光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bと、光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71Rとが連結されている。
連結部73aは、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gと光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bとを連結している。これにより、冷媒保持部71Bは、冷媒保持部71Gを介して冷媒伝送部50の多孔質部材54と接続されている。図7に示すように、連結部73aには、連結部73aを覆う被覆部74が設けられている。被覆部74は、例えば、樹脂製のフィルム等である。
連結部73bは、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71と光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71とを連結している。これにより、冷媒保持部71Rは、冷媒保持部71Gを介して冷媒伝送部50の多孔質部材54と接続されている。図示は省略するが、連結部73bにも、連結部73aと同様に被覆部74が設けられている。
冷媒生成部20によって生成された冷媒Wは、内圧上昇機構90によって内部空間35の内圧が上昇させられることで、貯留部31内から、伝送流路部51を流れて多孔質部材54に伝送される。多孔質部材54に伝送された冷媒Wは、毛細管現象によって蓋部54aおよび延伸部54bをこの順に介して、冷媒保持部71Gに伝送される。冷媒保持部71Gに伝送された冷媒Wは、連結部73aを介して冷媒保持部71Bに伝送され、かつ、連結部73bを介して冷媒保持部71Rに伝送される。このようにして、冷媒生成部20で生成された冷媒Wが、3つの光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送される。そして、伝送され冷媒保持部71に保持された冷媒Wが気化することで、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bが冷却される。より詳細には、冷媒保持部71に保持された冷媒Wが気化することで、冷媒保持部71が取り付けられた保持フレーム80が冷却され、保持フレーム80が冷却されることで、保持フレーム80が保持する光変調装置4RP,4GP,4BPが冷却される。これにより、冷却装置10によって、冷却対象である光変調装置4RP,4GP,4BPを冷却できる。
本実施形態によれば、冷却装置10は、冷媒生成部20で生成した冷媒Wを冷媒伝送部50によって冷却対象へと伝送し、吸熱反応である冷媒Wの気化を利用することで冷却対象から熱を奪って冷却対象を冷却することができる。冷媒Wの気化による冷却は、積極的に冷却対象から熱を奪えるため、空冷および液冷のように単に冷媒への伝熱によって冷却対象を冷却する場合に比べて、冷却性能に優れている。これにより、空冷および液冷と同じ冷却性能を得る場合に、空冷および液冷に比べて冷却装置10全体を小型化しやすい。
また、冷媒Wの気化による冷却の場合、気化する冷媒Wが冷却対象と接触する表面積を大きくすることで冷却性能を向上できる。そのため、冷却装置10による冷却性能を大きくしても、騒音が大きくなることを抑制できる。以上により、本実施形態によれば、冷却性能に優れ、かつ、小型で静粛性に優れた冷却装置10を備えたプロジェクター1が得られる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20において冷媒Wを生成できるため、使用者が冷媒Wを補充する手間がなく、使用者の利便性を向上できる。また、冷媒生成部20によって、冷媒Wを必要なときに必要な分だけ生成することが調整可能であるため、貯蔵タンク等に冷媒Wを溜めておかなくてもよく、プロジェクター1の重量を軽くできる。
また、本実施形態によれば、吸放湿部材40によって第1送風装置60から送られる空気AR1に含まれた水蒸気を吸湿でき、吸放湿部材40によって吸湿した水分を第2送風装置23によって送られる空気AR2内に水蒸気として放湿できる。そして、熱交換部30によって、空気AR2に水蒸気として放湿された水分を凝縮させて冷媒Wを生成することができる。これにより、本実施形態によれば、プロジェクター1内の雰囲気中から冷媒Wを生成することができる。
また、例えば、冷媒生成部20において、第2送風装置23から熱交換部30に送られる空気AR2の湿度が比較的低い場合、熱交換部30が冷却されても、冷媒Wが生成されにくい場合がある。熱交換部30に送られる空気AR2の湿度は、例えば、プロジェクター1の外部の空気等が混ざり込むような場合に、低下する場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、第2送風装置23から放出された空気AR2が循環する循環経路27を有する。そのため、循環経路27を略密閉することで循環経路27内にプロジェクター1の外部の空気が入ることを抑制でき、熱交換部30に送られる空気AR2の湿度を比較的高い状態に維持しやすい。したがって、複数の流路部34を介して内部空間35を冷却することで、好適に冷媒Wを生成することができる。
また、例えば、多孔質部材54のような部材のみを用いて、冷媒Wを毛細管現象のみによって冷却対象まで伝送する場合、冷媒Wの伝送量を多くしにくく、冷却対象に冷媒Wを十分に伝送できない恐れがある。
これに対して、本実施形態によれば、内圧上昇機構90によって内部空間35における内圧を上昇させることで、内部空間35に貯留された冷媒Wを、内部空間35に開口する送出口51fから伝送流路部51内に押し込んで、伝送流路部51内に流すことができる。これにより、伝送流路部51を介して、冷媒Wを冷却対象に伝送することができる。したがって、毛細管現象のみを利用して冷媒Wを伝送する場合に比べて、冷却対象に伝送される冷媒Wの量を多くできる。そのため、冷却対象に伝送される冷媒Wが不十分になることを抑制できる。
また、例えば、冷媒Wを伝送する手段として、ポンプを用いることも考えられる。ポンプを用いる場合、例えば、ポンプが取り付けられた部分における圧力を内部空間35における内圧に比べて低くすることで、内部空間35に貯留された冷媒Wを吸引して、冷却対象へと送る。この場合、ポンプの配置などによっては、圧力差による内部空間35からの冷媒Wの吸引を上手く行いにくい場合があった。そのため、ポンプの配置を貯留部31の位置およびポンプが取り付けられる部材などに合わせて設計する必要があり、ポンプを用いた冷媒Wの伝送手段を作るための工数および時間が多くなりやすい場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、内圧上昇機構90によって内部空間35における内圧を上昇させることで、冷媒Wを伝送流路部51内に押し込んで冷却対象へと伝送できる。このように、本実施形態では冷媒Wを送るために内部空間35における内圧を上昇させればよいため、貯留部31以外の部分を負圧にして冷媒Wを吸引するポンプに比べて、内圧上昇機構90を配置するための制約が少ない。つまり、貯留部31に合わせて内圧上昇機構90を設計すれば、内部空間35に貯留された冷媒Wを容易に冷却対象に伝送することができる。したがって、冷媒Wを伝送するための手段として内圧上昇機構90を容易に設けることができる。そのため、冷媒Wの伝送手段を作るための工数および時間が多くなることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、貯留部31の内部空間35に空気AR2を送る第2送風装置23を有する。内圧上昇機構90は、貯留部31の流出口31bを開閉可能な流出側弁部91を有する。そのため、上述したように、第2送風装置23から内部空間35に空気AR2が送られる状態で流出側弁部91を閉じることで、内部空間35に流入する空気AR2によって、内部空間35における内圧を容易に上昇させることができる。また、冷媒Wを生成するための冷媒生成部20の構成に対して流出側弁部91を設けるのみで、内圧上昇機構90を構成できる。そのため、内圧上昇機構90の部品点数を少なくでき、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制できる。また、ポンプによって冷媒Wを伝送する場合などに比べて、プロジェクター1が大型化することを抑制でき、プロジェクター1の消費電力も低減させやすい。また、ポンプによって冷媒Wを伝送する場合に比べて、ポンプの作動音も生じないため、プロジェクター1から生じる騒音が大きくなることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、内部空間35に位置する内側流路部51bは、可撓性を有する管である。内側流路部51bのうち送出口51fが設けられた側の端部には、重り部材51gが取り付けられている。そのため、重り部材51gにかかる重力を利用して、内側流路部51bの送出口51fを、内部空間35のうち鉛直方向下側に位置する部分に好適に位置させることができる。これにより、図6に示すように、内部空間35に貯留された冷媒Wに送出口51fを好適に浸すことができる。したがって、内圧上昇機構90によって内部空間35における内圧を上昇させた際に、送出口51fに冷媒Wの一部を好適に押し込むことができる。そのため、伝送流路部51内に好適に冷媒Wを流すことができ、冷媒Wをより好適に冷却対象へと伝送できる。
また、例えば、プロジェクター1の姿勢が変化して貯留部31の鉛直方向VDに対する姿勢が変化した場合、内部空間35に貯留される冷媒Wは、重力に従って貯留部31内を移動する。この場合、内側流路部51bは、可撓性を有する管であるため、重り部材51gの重力に従った移動に合わせて変形する。これにより、貯留部31の姿勢変化に伴う冷媒Wの移動に追従させて、送出口51fを移動させることができる。したがって、プロジェクター1の姿勢が変化した場合であっても、送出口51fが内部空間35に貯留された冷媒Wに浸された状態を維持できる。そのため、プロジェクター1の姿勢が変化した場合であっても、送出口51fを介して伝送流路部51内に冷媒Wを流しやすくでき、冷媒Wを冷却対象に好適に伝送することができる。
また、本実施形態によれば、内側流路部51bは、蛇腹状の蛇腹部51dを有する。そのため、蛇腹部51dが変形することによって、内側流路部51bを重り部材51gの移動に合わせて変形させやすくできる。これにより、プロジェクター1の姿勢の変化に合わせて、送出口51fが冷媒Wに浸された状態をより好適に維持できる。
また、本実施形態によれば、第1送風装置60は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに空気AR1を送る冷却送風装置である。そのため、空気AR1によって光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送された冷媒Wを気化させやすく、光変調ユニット4R,4G,4Bをより冷却することができる。また、冷却対象を冷却する冷却送風装置を、第1送風装置60の他に別途設ける必要がないため、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制でき、騒音が大きくなることを抑制できる。
また、上述したように、本実施形態では、プロジェクター1の内部に外部の空気を取り込む吸気ファンである第1送風装置60を利用して、冷却対象に送られた冷媒Wの気化を促進させる。そのため、第1送風装置60の出力を低くしても、冷却装置10が設けられていないときと同等の冷却性能を得ることが可能である。したがって、吸気ファンである第1送風装置60の出力を低くして、第1送風装置60から生じる騒音を低減することができ、プロジェクター1の静粛性をより向上できる。
また、本実施形態によれば、加熱部22は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を通過する前の空気を加熱する加熱本体部22aと、第2送風装置23と、を有する。そのため、加熱部22は、第2送風装置23によって吸放湿部材40に空気AR2を送ることで、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分を加熱することができる。これにより、加熱本体部22aを吸放湿部材40から離れた位置に配置しても、加熱部22によって吸放湿部材40を加熱することができる。したがって、加熱部22の構成の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、吸放湿部材40を回転させるモーター24を有する。そのため、吸放湿部材40を一定の速度で安定して回転させることができる。これにより、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の第1部分に空気AR1から好適に水蒸気を吸湿させることができ、かつ、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の第2部分から空気AR2へと好適に水分を放湿させることができる。したがって、効率的に冷媒Wを生成できる。
また、本実施形態によれば、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに設けられ、冷媒Wを保持する冷媒保持部71が設けられる。そのため、光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送された冷媒Wを、冷媒Wが気化するまで冷媒保持部71によって光変調ユニット4R,4G,4Bに対して保持しておくことができる。これにより、生成した冷媒Wを無駄なく利用しやすく、冷却装置10の冷却性能をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bの面に取り付けられ、かつ、多孔質部材製である。そして、冷媒保持部71の少なくとも一部は、重ね方向の冷媒保持部71側から見て、露出している。そのため、冷媒保持部71の露出した部分から冷媒Wを気化させやすく、冷却装置10の冷却性能をより向上させることができる。また、冷媒保持部71が多孔質部材製であるため、毛細管現象によって、冷媒保持部71が設けられた冷却対象の面上に均一に冷媒Wを行き渡らせやすく、より冷却対象を冷却しやすい。
また、例えば、接着剤によって冷媒保持部71を保持フレーム80に固定する場合、接着剤が冷媒保持部71に吸収されて、多孔質部材製である冷媒保持部71の孔が塞がれる場合がある。そのため、冷媒保持部71に冷媒Wが吸収されにくくなり、冷媒保持部71によって冷媒Wを保持しにくくなる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒保持部71を保持フレーム80との間で挟んで固定する固定部材72が設けられている。そのため、接着剤を使用することなく、冷媒保持部71を保持フレーム80に対して固定することができる。これにより、冷媒保持部71によって冷媒Wを保持しにくくなることを抑制できる。また、本実施形態では、固定部材72は金属製である。そのため、固定部材72は、熱伝導率が比較的高く、冷却されやすい。したがって、第1送風装置60からの空気AR1および冷媒Wの気化によって固定部材72の温度が低下しやすく、固定部材72と接触する冷却対象をより冷却しやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側の面に設けられている。そのため、冷媒保持部71から気化した冷媒Wの水蒸気が、光変調装置4GPから光合成光学系5に射出される光に影響を与えることを抑制できる。これにより、プロジェクター1から投射される画像にノイズが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、複数設けられた光変調ユニット4R,4G,4Bにそれぞれ設けられ、複数の冷媒保持部71同士を互いに連結する連結部73a,73bが設けられている。そのため、冷媒伝送部50を1つの冷媒保持部71に接続させることで、他の冷媒保持部71にも冷媒Wを伝送することができる。これにより、プロジェクター1の内部における冷媒伝送部50の引き回しを簡単化できる。
また、本実施形態によれば、連結部73a,73bには、連結部73a,73bをそれぞれ覆う被覆部74が設けられている。そのため、連結部73a,73bを伝って移動する冷媒Wが連結部73a,73bにおいて気化することを抑制できる。これにより、冷媒Wが冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bの冷却に寄与せずに気化することを抑制でき、生成した冷媒Wが無駄になることを抑制できる。
なお、本実施形態においては、連結部73a,73bと同様に、多孔質部材54が被覆されていてもよい。この構成によれば、冷却対象に伝送する間に冷媒Wが気化することを抑制できる。そのため、冷却対象に効率よく冷媒Wを伝送でき、かつ、生成した冷媒Wが無駄になることをより抑制できる。多孔質部材54および連結部73a,73bは、例えば、チューブ等によって周囲を被覆されてもよい。また、多孔質部材54および連結部73a,73bは、表面に気化を抑制するコーティング処理が施されてもよい。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、内圧上昇機構290の構成が異なる。図11は、本実施形態の冷媒生成部220の一部を示す断面図であって、冷媒Wが伝送されない状態を示す図である。図12は、本実施形態の冷媒生成部220の一部を示す断面図であって、冷媒Wが伝送される状態を示す図である。図11および図12では、図6と同様に、VD軸によって鉛直方向VDを示している。なお、上述した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
本実施形態は、第1実施形態に対して、内圧上昇機構290の構成が異なる。図11は、本実施形態の冷媒生成部220の一部を示す断面図であって、冷媒Wが伝送されない状態を示す図である。図12は、本実施形態の冷媒生成部220の一部を示す断面図であって、冷媒Wが伝送される状態を示す図である。図11および図12では、図6と同様に、VD軸によって鉛直方向VDを示している。なお、上述した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図11および図12に示すように、本実施形態において熱交換部230の貯留部231を構成する壁部231gは、可撓性を有する可撓性壁部294を有する。可撓性壁部294は、壁部231gの一部を構成している。本実施形態において壁部231gは、貯留部231のうち鉛直方向上側(+VD側)に位置する壁部である。壁部231gは、一部が可撓性壁部294で構成されている点を除いて、第1実施形態の壁部31gと同様の構成である。可撓性壁部294を構成する材料は、可撓性壁部294が可撓性を有するならば、特に限定されない。可撓性壁部294を構成する材料は、例えば、ゴムなどの弾性体である。本実施形態において可撓性壁部294は、鉛直方向VDに弾性変形可能である。熱交換部230のその他の構成は、第1実施形態の熱交換部30のその他の構成と同様である。
本実施形態において内圧上昇機構290は、流出側弁部91と、流入側弁部292と、押圧機構293と、を有する。流入側弁部292は、貯留部231の流入口31aを開閉可能である。流入側弁部292の構成は、流入口31aを開閉可能であれば、特に限定されない。流入側弁部292は、例えば、電磁弁である。なお、「流入口31aを開閉可能である」とは、流入口31aから内部空間35への空気AR2の流入が許容される状態と、流入口31aから内部空間35への空気AR2の流入が阻止される状態と、を切り替えられればよい。
本実施形態において流入側弁部292は、循環ダクト26に設けられている。流入側弁部292は、循環ダクト26の一部を開閉することによって、流入口31aを開閉する。流入側弁部292が閉じた状態においては、循環ダクト26のうち流入側弁部292が設けられた部分が閉塞される。そのため、循環ダクト26から流入口31aを介して内部空間35に空気AR2が流れることが阻止される。流入側弁部292が開いた状態においては、循環ダクト26のうち流入側弁部292が設けられた部分が開放される。そのため、循環ダクト26から流入口31aを介して内部空間35に空気AR2が流れることが許容される。
押圧機構293は、可撓性壁部294を貯留部231の外部から押圧可能な機構である。押圧機構293は、スライダー部293aと、ロッド部293bと、ガイド部293cと、を有する。スライダー部293aは、ロッド部293bを介して、吸放湿部材40に連結されている。これにより、押圧機構293は、吸放湿部材40に取り付けられている。スライダー部293aは、可撓性壁部294と対向して配置されている。本実施形態においてスライダー部293aは、可撓性壁部294の鉛直方向上側(+VD側)に位置する。スライダー部293aは、鉛直方向VDに延びる柱状である。スライダー部293aのうち可撓性壁部294に近い側(-VD側)の端部は、可撓性壁部294に向かって凸となる半球状である。
本実施形態においてスライダー部293aは、鉛直方向VDに延びるガイド部293cに沿って、鉛直方向VDに移動可能である。ガイド部293cは、例えば、鉛直方向下側(-VD側)に開口する筒状である。ガイド部293cは、可撓性壁部294の鉛直方向上側(+VD側)に離れて配置されている。スライダー部293aは、ガイド部293cよりも鉛直方向下側に突出した状態で、可撓性壁部294に接触可能である。
ロッド部293bは、スライダー部293aと吸放湿部材40とを繋ぐ棒状の部材である。ロッド部293bの一端部は、スライダー部293aに対して、回転軸Rと平行な軸回りに回転可能に接続されている。ロッド部293bの他端部は、吸放湿部材40における中心孔40cの内縁部に対して、回転軸Rと平行な軸回りに回転可能に接続されている。吸放湿部材40が回転軸R回りに回転すると、ロッド部293bを介してスライダー部293aに動力が伝達され、スライダー部293aがガイド部293cに沿って鉛直方向VDに移動する。例えば、吸放湿部材40が図11に示す状態から図11に示す矢印の向きに回転すると、図12に示すように、スライダー部293aが鉛直方向下側(-VD側)に移動する。これにより、スライダー部293aによって可撓性壁部294を鉛直方向下側に押圧して変形させることができる。このように本実施形態において押圧機構293は、吸放湿部材40の回転に連動して、可撓性壁部294を貯留部231の外部から押圧する。
本実施形態において押圧機構293は、流入側弁部292と流出側弁部91とが閉じられた状態で可撓性壁部294を貯留部231の外部から押圧する。流入側弁部292と流出側弁部91とが閉じられた状態で、図12に示すように可撓性壁部294が内部空間35に向かって変形すると、内部空間35の容積が減少する。そのため、内部空間35における内圧が上昇する。このようにして、内圧上昇機構290は、内部空間35における内圧を上昇させることができる。内圧上昇機構290によって内部空間35における内圧が上昇することで、第1実施形態と同様に、内部空間35に貯留された冷媒Wが伝送流路部51を介して冷却対象へと送られる。流入側弁部292と流出側弁部91とが閉じられた状態においては、例えば、第2送風装置23の運転が停止される。
吸放湿部材40が図12に示す状態からさらに回転すると、スライダー部293aは鉛直方向上側(+VD側)に移動する。スライダー部293aの鉛直方向VDにおける位置が、図11に示すスライダー部293aの位置、または図11に示すスライダー部293aの位置よりも鉛直方向上側になると、スライダー部293aによる可撓性壁部294の押圧が解除される。これにより、上昇していた内部空間35における内圧が元に戻る。したがって、伝送流路部51を介した冷媒Wの伝送が停止される。可撓性壁部294が押圧機構293によって押圧されていない状態においては、流入側弁部292と流出側弁部91とが開かれた状態となる。
以上のように本実施形態では、押圧機構293によって可撓性壁部294が押圧された状態と、可撓性壁部294が押圧されない状態とが、吸放湿部材40の回転に伴って交互に繰り返される。つまり、本実施形態では、冷媒Wが伝送流路部51を介して冷却対象に伝送される状態と、冷媒Wが伝送流路部51を介して冷却対象に伝送されない状態とが、吸放湿部材40の回転に伴って交互に繰り返される。これにより、本実施形態では、伝送流路部51を介した冷媒Wの伝送が、一定の間隔で繰り返される。
流入側弁部292の開閉および流出側弁部91の開閉は、押圧機構293と同様に吸放湿部材40の回転に機構的に連動して行われてもよいし、制御装置100によって制御されてもよい。流入側弁部292の開閉および流出側弁部91の開閉が制御装置100によって制御される場合、制御装置100は、押圧機構293によって可撓性壁部294が押圧されている場合に流入側弁部292および流出側弁部91を閉じ、かつ、押圧機構293によって可撓性壁部294が押圧されていない場合に流入側弁部292および流出側弁部91を開く。制御装置100は、流入側弁部292および流出側弁部91を閉じると共に、第2送風装置23の運転を停止する。また、制御装置100は、流入側弁部292および流出側弁部91を開くと共に、第2送風装置23の運転を再開する。
本実施形態の冷媒生成部220のその他の構成は、第1実施形態の冷媒生成部20のその他の構成と同様にできる。
本実施形態によれば、内圧上昇機構290は、可撓性壁部294を貯留部231の外部から押圧可能な押圧機構293を有する。押圧機構293は、流入側弁部292と流出側弁部91とが閉じられた状態で可撓性壁部294を貯留部231の外部から押圧する。そのため、上述したようにして、内圧上昇機構290によって、内部空間35における内圧を上昇させることができる。この構成によれば、第2送風装置23によって内部空間35に空気AR2を送ることなく、内部空間35における内圧を上昇させることができる。そのため、内部空間35に貯留された冷媒Wを冷却対象に送る際に、第2送風装置23を停止させることができる。これにより、冷媒Wを冷却対象に送る際に生じる騒音を低減できる。また、空気AR2を送って内部空間35における内圧を上昇させる場合に比べて、内部空間35における内圧を迅速に上昇させやすい。これにより、送出口51fから伝送流路部51内に押し込まれた冷媒Wの流速を大きくしやすい。したがって、内部空間35に貯留された冷媒Wが冷却対象に伝送されるまでの時間を短くできる。
また、本実施形態によれば、押圧機構293は、吸放湿部材40に取り付けられ、吸放湿部材40の回転に連動して可撓性壁部294を押圧する。そのため、押圧機構293を駆動するための駆動部を別途設ける必要がなく、冷媒生成部220の部品点数が増加することを抑制できる。また、一定の間隔で冷媒Wを冷却対象に伝送することができ、冷却対象を冷媒Wによって好適に冷却しやすい。
なお、本発明の実施形態は上述した実施形態に限られず、以下の構成を採用することもできる。内圧上昇機構は、貯留部の内部空間における内圧を上昇させることが可能ならば、どのような構造であってもよい。内圧上昇機構は、例えば、第2送風装置とは異なる他の送風装置からの送風によって内部空間における内圧を上昇させる構成であってもよい。この場合、流入側弁部と流出側弁部とを閉じた状態において当該他の送風装置によって内部空間に空気を流入させることで、内部空間における内圧を上昇させることができる。
流入側弁部は、貯留部の流入口を閉塞可能な板部材を移動させて貯留部の流入口を開閉する構成であってもよい。流出側弁部は、貯留部の流出口を閉塞可能な板部材を移動させて貯留部の流出口を開閉する構成であってもよい。
貯留部を構成する壁部が可撓性壁部を有する場合、貯留部全体が可撓性壁部によって構成されてもよい。押圧機構は、可撓性壁部を押圧可能であれば、どのような構造であってもよい。押圧機構は、吸放湿部材以外の動力によって駆動されてもよい。押圧機構は、流入側弁部または流出側弁部の動きに機構的に連動してもよい。押圧機構を駆動する駆動部が別途設けられてもよい。
伝送流路部は、貯留部の内部空間に開口する送出口を有するならば、どのような構成であってもよい。伝送流路部は、内側流路部を有しなくてもよい。内側流路部は、蛇腹部を有しなくてもよい。内側流路部は、可撓性を有しなくてもよい。
冷媒生成部は、熱交換部の外部から熱交換部に空気を送る外部送風装置を有してもよい。外部送風装置としては、例えば、図5に二点鎖線で示す外部送風装置160のような構成を採用できる。外部送風装置160は、貯留部31の厚さ方向の他方側(-DT側)に位置する。外部送風装置160は、例えば、軸流ファンである。外部送風装置160は、貯留部31の外部から貯留部31に空気AR4を送る。より詳細には、外部送風装置160は、厚さ方向DTにおいて貯留部31の他方側(-DT側)から一方側(+DT側)に空気AR4を送る。外部送風装置160によって空気AR4を送ることで、貯留部31の外部から内部空間35の空気AR2を冷却することができる。これにより、空気AR2に含まれる水蒸気をより凝縮させやすくでき、冷媒生成効率をより向上できる。なお、外部送風装置160は、遠心ファンであってもよい。
加熱部は、上述した実施形態に限られない。加熱部は、吸放湿部材に接触して吸放湿部材を加熱する構成であってもよい。この場合、加熱部は、吸放湿部材を通過する前の空気を加熱しなくてもよい。
上述した実施形態において冷却対象に空気を送る冷却送風装置は、冷媒生成部に設けられた第1送風装置としたが、これに限られない。冷却送風装置は、冷媒生成部に設けられる送風装置の他に別途設けられていてもよい。冷媒は、冷却対象を冷却できるならば、特に限定されず、水以外であってもよい。
また、上述した実施形態において冷却対象は、光変調ユニットとしたが、これに限られない。冷却対象は、光変調装置と、光変調ユニットと、光源と、光源から射出された光の波長を変換する波長変換素子と、光源から射出された光を拡散する拡散素子と、光源から射出された光の偏光方向を変換する偏光変換素子と、電源装置とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。この構成によれば、プロジェクターの各部を上述したのと同様に、冷却することができる。冷却対象は、複数設けられてもよい。
また、上記実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む光変調装置が光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、光変調装置が光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記実施形態において、3つの光変調装置を用いたプロジェクターの例を挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクター、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
1…プロジェクター、2…光源、4B,4G,4R…光変調ユニット(冷却対象)、4BP,4GP,4RP…光変調装置(冷却対象)、10…冷却装置、20,220…冷媒生成部、22…加熱部、23…第2送風装置、30,230…熱交換部、31,231…貯留部、31a…流入口、31b…流出口、35…内部空間、40…吸放湿部材、50…冷媒伝送部、51…伝送流路部、51b…内側流路部、51d…蛇腹部、51f…送出口、51g…重り部材、60…第1送風装置、90,290…内圧上昇機構、91…流出側弁部、292…流入側弁部、293…押圧機構、294…可撓性壁部、F1…第1領域、F2…第2領域、W…冷媒
Claims (7)
- 冷却対象を備えるプロジェクターであって、
光源から射出された光を変調する光変調装置と、
冷媒が気体へ変化することで前記冷却対象を冷却する冷却装置と、
を備え、
前記冷却装置は、熱交換部を有し前記冷媒を生成する冷媒生成部と、生成された前記冷媒を前記冷却対象に向けて伝送する冷媒伝送部と、
を有し、
前記熱交換部は、生成された前記冷媒が貯留される内部空間を有する貯留部を有し、
前記冷媒伝送部は、前記内部空間に開口する送出口を有する伝送流路部を有し、
前記冷媒生成部は、前記内部空間における内圧を上昇させることが可能な内圧上昇機構を有することを特徴とするプロジェクター。 - 前記冷媒生成部は、
回転する吸放湿部材と、
第1領域に位置する前記吸放湿部材の第1部分に空気を送る第1送風装置と、
前記第1領域と異なる第2領域に位置する前記吸放湿部材の第2部分を加熱する加熱部と、
前記第2部分の周囲の空気を前記内部空間に送る第2送風装置と、
を有し、
前記貯留部は、前記内部空間に流入した空気が流出する流出口を有し、
前記内圧上昇機構は、前記流出口を開閉可能な流出側弁部を有する、請求項1に記載のプロジェクター。 - 前記貯留部は、前記第2送風装置からの空気が流入する流入口を有し、
前記貯留部を構成する壁部は、可撓性を有する可撓性壁部を有し、
前記内圧上昇機構は、
前記流入口を開閉可能な流入側弁部と、
前記可撓性壁部を前記貯留部の外部から押圧可能な押圧機構と、
を有し、
前記押圧機構は、前記流入側弁部と前記流出側弁部とが閉じられた状態で前記可撓性壁部を前記貯留部の外部から押圧する、請求項2に記載のプロジェクター。 - 前記押圧機構は、前記吸放湿部材に取り付けられ、前記吸放湿部材の回転に連動して前記可撓性壁部を押圧する、請求項3に記載のプロジェクター。
- 前記伝送流路部は、前記内部空間に位置する内側流路部を有し、
前記内側流路部は、前記送出口を有し、かつ、可撓性を有する管であり、
前記内側流路部のうち前記送出口が設けられた側の端部には、重り部材が取り付けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクター。 - 前記内側流路部は、蛇腹状の蛇腹部を有する、請求項5に記載のプロジェクター。
- 前記冷却対象は、前記光変調装置を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロジェクター。
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