JP3039518B2 - 除湿装置 - Google Patents

除湿装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通気流中の水分を取
り除く除湿装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来より
除湿を行うものとして、エアコンの室外機に組み込まれ
る凝縮器等があるが、室内機に組み込まれる蒸発器との
間で冷媒をやりとりするための冷媒配管等が必要で構造
が複雑であった。
【0003】また、冷媒を圧縮するための圧縮機等が必
要で高価であると共に重量も重くなる。
【0004】さらに、除湿は空気を露点温度以下の蒸発
器に接触させて行われるので、除湿とともに空気の温度
が低くなるという問題もある。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、安価、軽量で室内温度を低下させずに除湿が行え
る除湿装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の課題解決手段として、請求項1記載の発明の第1の特
は、室内空気を第1および第2の熱交換器を介して室
内に循環させる第1の通気経路と、第1の熱交換器、加
熱手段および第2の熱交換器に順次に循環する閉じた空
気の経路とを備え、第2の熱交換器で第1の通気経路を
流れる室内空気に含まれる水蒸気を第2の通気経路を流
れる空気に移動させると共に、第1の熱交換器で第2の
通気経路を流れる空気を室内空気で冷却して第2の通気
経路を流れる空気に含まれる水蒸気を凝縮させるもので
ある。
【0007】上記第1の特徴を有する本発明では、第1
の通気経路を流れる室内空気に含まれる水蒸気は、第2
の熱交換器で第2の通気経路を流れる空気に移動する。
これにより水蒸気を含むことになった第2の通気経路を
流れる空気は、第1の熱交換器において第1の通気経路
を流れる室内空気によって冷却され、凝縮水を生ずる。
【0008】第1の通気経路に関していうと、室内空気
はまず第1の熱交換器を通過するときに第2の通気経路
の空気を冷却して結露を生じさせると共に温度上昇し、
次いで、第2の熱交換器を通過するときに、第2の通気
経路を流れる空気から顕熱を受け取ると共に第2の通気
経路を流れる空気に水分を与えることによって除湿され
た後、室内に戻されることになる。
【0009】一方、第2の通気経路に関していうと、加
熱手段で加熱されて温度上昇した空気は、第2の熱交換
器において、第1の通気経路を流れる室内空気に顕熱を
与えると共に水分を受け取り、次いで、第1の熱交換器
で冷却されて凝縮水を生ずることになる。
【0010】第2の通気経路を流れる空気は、第2の熱
交換器に到達する前に加熱手段で加熱されるので、第2
の熱交換器において、室内空気を十分に温度上昇させる
ことができる。
【0011】第1および第2の熱交換器の形式として
は、特に限定されない。すなわち、双方とも直交形であ
っても良いし、双方とも回転形であっても良いし、或い
は一方が直交形で他方が回転形であっても良い。なお、
凝縮水を生じさせる第1の熱交換器としては、温度(顕
熱)交換のみを行う顕熱交換器であることが必要であ
り、水分移動を許容する第2の熱交換器としては、温度
(温度)および湿度(潜熱)の双方の交換を行う全熱交
換器であることが必要である。また、本除湿装置をエア
コンやクーラ内に組み込んで用いても良いし、単独の除
湿装置として用いても良い。
【0012】
【0013】また、請求項1記載の発明の第2の特徴は
下記である。すなわち、上記第2の熱交換器は、回転軸
線の回りに回転駆動されると共に回転軸線に平行な多数
の内部流路を区画する円柱状のロータを含む回転形の熱
交換器からなり、上記ロータの第1および第2の通気経
路に含まれる領域は、ロータの回転に伴って連続的に変
遷され、上記ロータの内部流路を区画する部分には、光
の照射を受けて空気を浄化する光触媒が担持され、上
ロータに光を照射する光源ランプがロータの径方向に沿
って配置されている
【0014】上記第2の特徴を有する本発明では、室内
空気が第2の熱交換器を通過する間に光触媒によって浄
化される。光源ランプに対してロータが相対変位するの
で、小型の光源ランプを用いてもロータに担持された光
触媒にまんべんなく光を照射することができる。
【0015】一般に、光触媒は光を吸収し、そのエネル
ギを反応物質に与えて化学反応を起こさせる物質を意味
する。この光触媒が有する主な機能としては、臭い成
分の除去による脱臭機能や、臭い成分でない汚染物質
を分解する機能や、微生物の殺菌やウィルスの不活化
を行う機能(いわゆる殺菌・抗菌機能)の少なくとも一
つを達成するものであれば良い。これらの機能は光触媒
の有する酸化分解機能に起因するものと考えられてい
る。この酸化分解機能を有する光触媒としては、アナタ
ース型の結晶構造を持つ酸化チタン(例えばTiO2
を例示することができる。このアナタース型の結晶構造
を持つ酸化チタンであれば、弱い光でも高い浄化能力を
発揮できる点で好ましい。また、酸化亜鉛(ZnO)お
よび酸化タングステン(例えばWO3 )等を用いても良
い。
【0016】光源ランプとしては、可視光線を発するも
のも使用できるが、紫外線を含む光を発するものを使用
することが光触媒を励起させるうえで好ましい。光源ラ
ンプとしては冷陰極型蛍光ランプを例示することができ
る。ブラックライトランプであっても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を添
付図面を参照しつつ説明する。
【0018】図1は本発明の一実施の形態としての除湿
装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、
本除湿装置は、第1および第2の通気経路1,2を備え
ている。第1の通気経路1は、導入される室内空気RA
が除湿されつつ加熱されて室内に循環される経路であ
る。この第1の通気経路1は、第1の熱交換器3、第2
の熱交換器4および室内空気用の循環ファン5を順次に
介して室内に戻る経路である。第2の通気経路2は各熱
交換器3,4において室内空気RAとの間で熱交換を行
わせるための空気が循環される閉鎖された経路である。
この第2の通気経路2は、第1の熱交換器3、熱交換用
空気循環ファン6、例えば電気ヒータからなる加熱部材
7、および第2の熱交換器4を順次に循環する経路であ
る。
【0019】各熱交換器3,4は、従来より公知の直交
型、回転型の何れの形式のものでも良いが、本実施の形
態では、第1の熱交換器3を直交型、第2の熱交換器を
回転型としてある。
【0020】第1の熱交換器3は、顕熱のみを交換する
顕熱交換器からなり、例えば伝熱板と波板からなる間隔
規制板を交互に向きを代えて積層したものを例示するこ
とができる。上記の伝熱板としては、例えば透湿性を有
さないアルミニウム等が用いられる。第1の熱交換器3
の下方には、この第1の熱交換器3で第2の通気経路2
を流れる空気が冷やされて生ずる水分を受けるドレンパ
ン8が設けられている。
【0021】一方、第2の熱交換器4は、顕熱および潜
熱を交換する全熱交換器からなり、回転軸線9の回りに
回転駆動される円柱状のロータ10を有している。この
ロータ10は、回転軸線9に平行な多数の内部流路11
を有している。ロータ10は、例えば長尺の伝熱板と波
板とを積層したものを渦巻き状に巻いて形成される。ロ
ータ10が回転軸線9の回りに所定の回転方向Xに回転
することにより、ロータ10の第1の通気経路1に含ま
れる第1の領域10aと、ロータ10の第2の通気経路
2に含まれる第2の領域10bが連続的に変遷していく
ようになっている。
【0022】なお、両各通気経路1,2には、ロータ1
0の端面の一部を相対回転自在に覆う扇形のじゃま板1
2,13が配置されている。各じゃま板12,13は、
回転軸線9を中心として、両通気経路1,2間を仕切る
仕切り線14からロータ10の回転方向X側へ延びるよ
うに配置されている。ロータ10は図示しないモータに
よってゆっくりとした回転速度で回転駆動される。これ
は、両通気経路1,2の空気が、ロータ10の内部流路
11を通過する時間内では、じゃま板12,13を超え
られないようにして互いに混ざり合わないようにするた
めである。
【0023】このようにして、回転形の第2の熱交換器
4では、両通気経路1,2を流れる空気同士が互いに混
ざり合うことなく、回転するロータ10を介して熱交換
を行う。ロータ10を形成する部材は、透湿性を有する
紙や合成紙からなっているので、温度と湿度の双方が交
換される全熱交換が行われる。
【0024】本実施の形態によれば、第1の通気経路1
を流れる室内空気RAは、第1の熱交換器3において、
第2の通気経路2を流れる空気を冷却してこの空気に含
まれる水蒸気を凝縮させる。第1の通気経路1を流れる
室内空気RAは、第1の熱交換器3を通過することによ
って温度上昇し、ファン5を介して第2の熱交換器4へ
送られる。この第2の熱交換器4において、第1の通気
経路1を流れる室内空気RAは、第2の通気経路2を流
れる空気と全熱交換し、自身の温度が上昇すると共に、
第2の通気経路2を流れる空気に水分を与えて除湿さ
れ、その後、ファン6を介して室内へ戻される。
【0025】一方、第2の通気経路2を流れる空気は、
加熱部材7によって加熱された後、第2の熱交換器4に
おいて全熱交換して、温度低下すると共に、第1の通気
経路1を流れる室内空気RAから水分を受け取り、次い
で、第1の熱交換器2へ送られる。この第1の熱交換器
1において、第2の通気経路2を流れる空気は、第1の
通気経路1を流れる室内空気RAによって冷却され、第
2の通気経路2を流れる空気に含まれている水蒸気は凝
縮して、凝縮水となる。
【0026】第1の熱交換器3において、閉じた経路で
ある第2の通気経路2を流れる空気を冷却するのに、第
1の通気経路1を流れる室内空気RAを用いる。また、
第1の熱交換器3を通過して温度が上昇した室内空気R
Aを第2の熱交換器4で温めるのには、閉じた経路であ
る第2の通気経路2を流れる空気を用いる。
【0027】第2の通気経路2を流れる空気は、第2の
熱交換器4に到達する前に加熱部材7で加熱されるの
で、この空気は、第2の熱交換器4において室内空気R
Aを十分に温度上昇させることができる。したがって、
室内空気RAの温度を低下させることなく、除湿が行え
る。
【0028】また、閉じた系の空気を循環させて、除
湿、加熱に用いるので、従来のような冷媒用の圧縮機や
複雑な冷媒配管が不要となり、安価で重量も軽くするこ
とができる。
【0029】次いで、図2は本発明の他の実施の形態と
しての除湿装置の要部の概略斜視図であり、図3はその
ローラ周辺の拡大断面図である。これらの図を参照し
て、本実施の形態が図1の実施の形態と異なるのは、第
2の熱交換器4のロータ10の内部流路11を区画する
部分である内部流路11の内面11aに、図3に示すよ
うな光触媒20を担持させてあり、さらに、第1の通気
経路1に、上記の光触媒20に光を照射するための光源
ランプ21を配置してあることである。内部流路11は
平板22と波板23により区画されているので、これら
の表面が上記の内面11aということになる。
【0030】光源ランプ21は、例えば冷陰極型蛍光ラ
ンプからなり、ロータ10の端面に平行であり、ロータ
10の径方向に沿って配置された長尺のランプである。
このランプがブラックライトランプであっても良い。光
触媒を効率的に励起させるためには、光源ランプ21が
紫外線を含む光を照射することが好ましい。
【0031】光触媒は、含む光を吸収し、そのエネルギ
を反応物質に与えて科学反応を起こさせる物質を意味す
る。この光触媒が有する主な機能としては、臭い成分
の除去による脱臭機能や、臭い成分でない汚染物質を
分解する機能や、微生物の殺菌やウィルスの不活化を
行う機能(いわゆる殺菌・抗菌機能)等があるが、これ
らの機能の少なくとも一つに着目して用いれば良い。
【0032】これらの機能は光触媒の有する酸化分解機
能に起因するものと考えられており、この酸化分解機能
を有する光触媒としては、アナタース型の結晶構造を持
つ酸化チタン(例えばTiO2 )を例示することができ
る。このアナタース型の結晶構造を持つ酸化チタンであ
れば、弱い光でも高い浄化能力を発揮できる点で好まし
い。また、酸化亜鉛(ZnO)および酸化タングステン
(例えばWO3 )等を用いても良い。
【0033】光触媒20は上記のように内部流路11の
内面11aに塗布して用いても良いし、また、ロータ1
0を構成する材料、例えば平板22や波板23に素材段
階で混入して用いても良い。光源ランプ21はロータ1
0の軸方向の両側に設けるようにしても良い。また、光
源ランプ21は、用途に応じて両通気経路1,2の少な
くとも一方に配置すれば良い。
【0034】本実施の形態では、図1の実施の形態と同
様の作用効果を奏することに加えて、室内空気RAが第
2の熱交換器4を通過する間に光触媒20によって、脱
臭等の浄化を施される。また、光源ランプ21に対して
ロータ4が相対変位するので、ロータ10の大きさの割
りには小型の光源ランプ21を用いて、ロータ10に担
持した光触媒20の全域に光を照射することができる。
【0035】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、ロータ10をハニカム構造体で構成
しても良い。また、加熱部材として例えば熱交換コイル
やヒートパイプ等を用いることができる。さらに、本発
明の除湿装置をエアコンやクーラ等の空気調和装置に組
み込んで実施することもできる。その他、本発明の範囲
で種々の変更を施すことができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、第1の通気経
路を流れる室内空気が第2の熱交換器において、第2の
通気経路を流れる空気に水分を与えて除湿され、一方、
水分を与えられた第2の通気経路を流れる空気は、第1
の熱交換器において、室内空気によって冷却されて凝縮
水を生ずることにより、水分が取り除かれる。室内空気
は、加熱手段で加熱された第2の通気経路の空気に水分
を与えつつ温度上昇するので、室内空気の温度を低下さ
せることなく、除湿が行える。
【0037】また、閉じた系の空気を各熱交換器および
加熱部材に循環させて、除湿、加熱に用いるので、従来
のような冷媒用の圧縮機や複雑な冷媒配管が不要とな
り、安価で重量も軽くすることができる。
【0038】
【0039】さらに、室内空気が第2の熱交換器を通過
する間に光触媒によって浄化される。光源ランプに対し
てロータが相対変位するので、小型の光源ランプを用い
てもロータに担持された光触媒にまんべんなく光を照射
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としての除湿装置の概略
構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態としての除湿装置の要
部の斜視図である。
【図3】ロータの要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
RA 室内空気 1 第1の通気経路 2 第2の通気経路 3 第1の熱交換器 4 第2の熱交換器 5,6 循環ファン(送風手段) 7 加熱部材 9 回転軸線 10 ロータ 10a 第1の領域 10b 第2の領域 11 内部流路 11a 内面(内部流路を区画する部分) 12,13 じゃま板 20 光触媒 21 光源ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−47705(JP,A) 特開 平10−227484(JP,A) 特開 平10−128035(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 3/14 F24F 1/00 451

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室内空気(RA)を第1および第2の熱交換器
    (3)(4)を介して室内に循環させる第1の通気経路(1)
    と、 第1の熱交換器(3) 、加熱手段(7) および第2の熱交換
    器(4) に順次に循環する閉じた空気の経路からなる第2
    の通気経路(2) とを備え、 第2の熱交換器(4) で第1の通気経路(1) を流れる室内
    空気に含まれる水蒸気を第2の通気経路(2) を流れる空
    気に移動させると共に、第1の熱交換器(3) で第2の通
    気経路(2) を流れる空気を室内空気で冷却して第2の通
    気経路(2) を流れる空気に含まれる水蒸気を凝縮させる
    除湿装置であって、 上記第2の熱交換器(4) は、回転軸線(9) の回りに回転
    駆動されると共に回転軸線(9) に平行な多数の内部流路
    (11)を区画する円柱状のロータ(10)を含む回転形の熱交
    換器(4) からなり、 上記ロータ(10)の第1および第2の通気経路(1) (2) に
    含まれる領域(10a)(10b)は、ロータ(10)の回転に伴って
    連続的に変遷され、 上記ロータ(10)の内部流路(11)を区画する部分(11a) に
    は、光の照射を受けて空気を浄化する光触媒(20)が担持
    され、 上記ロータ(10)に光を照射する光源ランプ(21)がロータ
    (10)の径方向に沿って配置されている ことを特徴とする
    除湿装置。
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