JP6960590B2 - 複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の複合材料の概略断面図である。図1の概略断面図を用いて全体構造を説明する。図1において、複合材料10は3層構造である。
図2は本発明の実施の形態1の複合材料10の製造方法の工程図である。図2に沿って工程を説明する。
まず、エアロゲル前駆体(ゾル溶液)に分散させる繊維の分散効率を上げるために、物理的に繊維の小片化を行なう必要がある。実施の形態1で用いた繊維は、一般的に極短繊維と呼ばれており、繊維長は0.1〜10mm、好ましくは1〜5mmであり、線径は直径0.2〜6μm、好ましくは1〜3μmのものを用いている。
シリカエアロゲルを製造する際の出発原料として、水ガラス(珪酸ソーダ水溶液)を用い、調製は水ガラスの珪酸濃度、またゲル化時に使用する酸の種類と濃度、ゲル化条件(温度、時間、pH)を調整することで制御できる。
工程(1)で小片状に解繊した繊維を、工程(2)で調整したシリカゾル溶液と混合、攪拌し、所望のスラリーを得るために行なう。回転翼を有する攪拌槽に、上記小片状に解繊した繊維と上記シリカゾル溶液を投入し、攪拌させ、均一なスラリーを得る。
ここでは、工程(3)で得られたスラリーを型に注液し、所望の第1の層1を形成する。上記シリカゾル溶液Aと上記シリカゾル溶液Bを予め混合させ、型へ注液する。この工程では、完全にゲル化を完了させず次工程へ移行する方が好ましいが、生産性を考慮するとゲル化をある程度促進させるために、型温度を30〜70℃で加熱しても良い。30℃未満ではゲル化が促進され難く、生産性を損なう場合がある。70℃を超えるとシリカゾル溶液中の水分が揮発し、ゲル化反応の途中で揮発水分が分離して、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
本工程は、工程(4)にてゲル化過程にあるシリカゾル溶液に、第2の層2の基材を積層させる工程である。第2の層2の基材は、布状の繊維基材である。第1の層1で注液されたシリカゾル溶液は、第2の層2の基材が積層されるタイミングでは比較的低粘度(好ましくは100mPa・s以下の)状態であり、毛管力により第2の層2の基材の界面へ浸透する。
前工程で積層された第2の層2の基材に、工程(2)で調整されたシリカゾル溶液を、新に注液し、前記第2の層2の基材の空隙部にシリカゾル溶液を満遍なく含浸させる工程である。この工程では、完全にゲル化を完了させず次工程へ移行する方が好ましいが、生産性を考慮するとゲル化をある程度促進させるために、型温度を30〜70℃で加熱しても良い。30℃未満ではゲル化が促進され難く、生産性を損なう場合がある。70℃を超えるとシリカゾル溶液中の水分が揮発し、ゲル化反応の途中で揮発水分が分離して、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
本工程は、工程(6)にてゲル化過程にあるシリカゾル溶液に、第3の層3の基材を積層させる工程である。第3の層3の基材は、布状の繊維基材である。第2の層2で注液されたシリカゾル溶液は、第3の層3の基材が積層されるタイミングでは比較的低粘度(好ましくは100mPa・s以下の)状態であり、毛管力により第3の層3の基材の界面へ浸透する。
本工程は、工程(4)、(6)で注液したシリカゾル溶液を、次工程へハンドリング可能な状態の粘度までゲル化させる工程である。具体的な粘度としては、400mPa・s以上、好ましくは500mPa・s以上である。500mPa・s未満の粘度状態では、非常に脆く、崩れ易いため、次工程への移行が難しく、生産性を損なう場合がある。生産性を考慮するとゲル化をある程度促進させるために、型温度を30〜70℃で加熱しても良い。30℃未満ではゲル化が促進され難く、生産性を損なう場合がある。70℃を超えるとシリカゾル溶液中の水分が揮発し、ゲル化反応の途中で揮発水分が分離して、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
ゲル化した複合材料10を、乾燥時にかかる毛管力に耐えうるだけの強度にするために、シリカ粒子の重縮合、および、二次粒子の成長を促す必要がある。ゲル化後、成形体の水分が揮発しない0〜100℃で、好ましくは60〜90℃、で加熱養生し、シリカ粒子の重縮合と二次粒子の成長を促進させる。養生温度が60℃未満であると珪酸に必要な熱が伝わらず、シリカ粒子の成長が促進されず、養生が十分に進行するまでに時間を要する上に、ゲル強度が低く、乾燥時に大きく収縮する場合があり、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。また、養生温度が90℃を超え100℃に近づくほど、成形体の水分が揮発してゲルと分離する現象がみられ、これにより得られるゲルの体積が減少して、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
疎水化工程は、親水性のヒドロゲルを疎水化剤と反応させて、疎水性のゲルとする工程である。この疎水化工程は主に2つのステップに分かれている。
疎水化の第2ステップ(シリル化処理)は、ヒドロゲルの細孔に浸透させた塩酸と疎水化剤の反応により生成した活性種とシリカ表面のシラノールを反応させる工程である。上記塩酸と上記疎水化剤の反応が完了していないと、疎水化処理が完了しないため、一部親水性のエアロゲルとなる。エアロゲルの表面から内部まで疎水化が完了しないと、上記親水性のエアロゲルに水分が吸着する場合がある。エアロゲルの表面から内部に渡り、上記水分が担持されると、上記水分が熱パスとなることで、所望の断熱性能が得られない場合がある。所望の断熱性能が得られない。
乾燥工程は、前工程で得られた疎水化ゲル中の液体溶媒を揮発させる工程である。乾燥手法は公知の乾燥方法であれば、超臨界乾燥法、および非超臨界乾燥法(常圧乾燥法、凍結乾燥法)のどちらでも良く、特に制限はない。非超臨界乾燥法として常圧乾燥を用いることが、量産性、安全性、経済性の観点から好ましい。ゲルが耐え得る乾燥温度であれば、乾燥時間に制限はないが、急激な加熱では、ヒドロゲル中の溶媒が突沸して、シリカエアロゲル中に大きな亀裂が生じる場合がある。シリカエアロゲルに亀裂が生じると、亀裂の大きさによるが、空気の対流による伝熱を生じさせ、断熱性を損なわせたり、粉状となり取扱性が著しく損なわれたりする場合がある。
本実施の形態1の効果について、図を交えながら説明する。図3は、ゲル率と熱伝導率の相関を示している。このグラフは、繊維重量とエアロゲル重量を切り分けて比較できるように、単層の繊維基材にエアロゲルを複合化させた評価サンプルの熱伝導率と、繊維基材のみ(ゲル率0重量%)の熱伝導率の結果である。
本実施の形態1における第1の層1は、シリカゾル溶液と繊維をスラリー化し、シート状に形成することで、シリカエアロゲルと繊維の複合断熱材の製造が可能であり、複合断熱材のシリカエアロゲルの重量比率を70〜95重量%、好ましくは85〜95重量%とすることが可能である。熱伝導率18mW/mK以下の高い断熱性能を得ることができる。図3において、シリカエアロゲルの重量比率が72重量%で、17.7mW/mKを示している。
本実施の形態1における第2の層2は、シリカゾル溶液を繊維基材に含浸することで、繊維基材の空隙部分に満遍なくエアロゲルを複合化した複合断熱材の製造が可能であり、複合断熱材のシリカエアロゲルの重量比率を40〜60重量%とすることが可能であり、熱伝導率24mW/mK以下の高い断熱性能を得ることができる。図3において、シリカエアロゲルの重量比率が56重量%で、19.8mW/mKを示している。
本実施の形態1における第3の層3は、繊維基材の片方の面に、隣接するシリカゾル溶液を含有する層から、毛管力により、シリカゾル溶液を浸透させ、ゲル化し、このエアロゲルを介して結合されることで、シリカエアロゲルの重量比率が5重量%以下の複合材料10を得ることができる。図3において、本実施の形態1で用いた繊維基材の熱伝導率は37mW/mKである。
本実施の形態1における吸音率の評価結果は、図4に示すとおりである。複合材料10(3層)を、繊維基材単体と本発明品を比較すると、低周波数側は複合材料10の方がより高い吸音性能を示している。また、繊維とエアロゲルの複合体だけでは、吸音率0.2程度を示しており、エアロゲルは吸音性能に乏しいことが伺える。
(全体を通して)
なお、第2の層2は、第1の層1と第3の層3と連続して積層されているのが好ましい。連続でなくともよい。それぞれの界面は、エアロゲルで結合させているのが好ましいが、結合されなくともよい。
2 第2の層
3 第3の層
10 複合材料
Claims (6)
- 繊維とエアロゲルの2成分から成る積層構造であり、
前記積層構造が3層を形成し、
前記積層構造の各層はそれぞれ前記エアロゲルの含有割合が異なり、
前記積層構造は、第1の層、第2の層、第3の層がこの順番で積層された3層であり、
前記エアロゲルの各層での含有割合は、
前記第1の層は70重量%以上95重量%以下、
前記第2の層は40重量%以上60重量%以下、
前記第3の層は5重量%以下である複合材料。 - 前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層と連続して積層されている請求項1に記載の複合材料。
- 前記第3の層は、前記第2の層側の面に、前記エアロゲルが偏在している請求項1または2に記載の複合材料。
- 各層間の界面は、前記エアロゲルにより結合されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合材料。
- 前記複合材料は、その表面およびその内部が疎水性である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合材料を製造する製造方法であり、
繊維原綿とエアロゲル前駆体をスラリーとする工程と、
前記スラリーを前記第1の層とする工程と、
前記第1の層に第1繊維基材を積層させ、エアロゲル前駆体で前記第2の層とする工程と、
前記第2の層に第2繊維基材を積層させ、エアロゲル前駆体で前記第3の層とする工程と、
を含む複合材料の製造方法。
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