JP6771195B2 - 断熱材およびそれを使用した機器と断熱材の製造方法 - Google Patents

断熱材およびそれを使用した機器と断熱材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器等で使用される断熱材の中でも、特に放熱材と積層して用いられる断熱材に関するものである。
近年、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどICT( Information and
Communication Technology )と言われる情報通信技術分野の電子機器の高性能化が進むにつれ、CPUなどの発熱部品からの発熱密度は急激に増加しており、これらの電子機器における熱拡散技術が必須となってきている。
従来、機器表面の温度上昇を低く抑えながらも機器内部の発熱部品の熱を放熱することができる断熱材として、シリカエアロゲルシートとグラファイトシートとを積層した複合シートが考えられる(特許文献1)。
グラファイトシートは、厚み方向の熱伝導率よりも面内の熱伝度率が高く、10倍以上の異方性を持つため、発熱部品からの発熱を面内に散らすことができる。また、シリカエアロゲルシートは、不織布にナノサイズの多孔質構造を有するシリカエアロゲルを坦持させたものである。
シリカエアロゲルとは、図3に示すように1nm程度の径をもつシリカ1次粒子301が集合して形成された10nm前後の径を持つシリカ2次粒子302が、10〜60nm程度の粒子間距離の空隙303をもつ網目構造の集合体である。
この粒子間距離が空気(窒素分子)の平均自由工程以下であるため、熱伝導率は0.015〜0.024W/mKと非常に低くなり、常温の静止空気の熱伝導率である0.026W/mK以下にすることができる。従って、熱伝導率の低いエアロゲルシートを積層することにより、グラファイトシートで面内に散らした熱が筐体に伝わるのを抑制することができる。
しかしながら、不織布にナノサイズの多孔質構造を有するシリカエアロゲルを坦持させたシリカエアロゲルシートは、シリカエアロゲルのシリカ2次粒子302同士の結合力が小さく極めて脆弱であるため、外部から応力が加わると、シリカエアロゲルシート表面の不織布の開口部に存在している100μm〜200μm角のシリカエアロゲル片が電子機器内に脱離する。
さらに、電子機器内に脱離したシリカエアロゲル片は、外部からの応力を緩和する不織布に坦持されていない状態となるため、粉砕されて大量のシリカ粒子の微粉となり、電子機器内に飛散し、接触不良等の不具合を引き起こす。
従って、エアロゲルシートの少なくとも片面、もしくは両面の表面において、不織布にナノサイズの多孔質構造を有するシリカエアロゲルを坦持させたものである不織布に外部応力が加わった際、シリカエアロゲルが脱離するのを抑制することが必要である。
シリカ粒子の微粉が飛散するのを防止するため、放熱材と断熱材とを特許文献2のように絶縁フィルムでラミネートした状態で配置することも考えられる。
また、特許文献3のように、断熱材をアルミナからなるコーティング層で被覆することもできる。
特開2015−84402号公報 特表平11−513431公報 特開2011−162902号公報
しかしながら、特許文献2のように断熱材表面に絶縁フィルム材料を使用すると、絶縁フィルム材料を介することにより断熱材の熱伝導率の上昇や、ラミネート材の種類により使用温度域が制限されることなどの問題がある。
また、特許文献3のように、断熱材の表面にアルミナからなるコーティング層を設けた場合には、断熱材への濡れ性改善を目的して添加した界面活性剤入りの塗布液を塗布すると、表面張力の大きい水がシリカエアロゲルの細孔内に浸透する。
その後の乾燥工程において細孔内の水を揮発させる際に、シリカエアロゲル骨格の収縮を促進する毛管力が働き、収縮してしまう。このことにより細孔を潰してしまうため、固体熱伝導率が高くなり、熱伝導率が悪化するといった課題がある。
そこで本発明では、上記課題に鑑み、シリカエアロゲルの構造を保持して熱伝導率の悪化を抑制し、断熱材表面において不織布表面に存在しているシリカエアロゲル片が脱離・破壊し、大量のシリカエアロゲル微粉が電子機器内に飛散することを抑制できる断熱材を提供することを目的とする。
本発明の断熱材は、第1繊維にシリカエアロゲルを坦持させた第1複合層と、第2繊維にシリカエアロゲルを坦持させた第2複合層との積層体であり、前記第1繊維と前記第2繊維とで、目付量が異なり、前記第2繊維の目付量が前記第1繊維よりも大きく、前記第2繊維の目付量が24g/m 以上34g/m 以下である、ことを特徴とする。
また、本発明の断熱材の製造方法は、目付量が異なる第1繊維と第2繊維のうちの第1繊維の少なくとも片面に第2繊維を積層した積層体を、ゾル液に浸漬し、前記積層体に含浸したゾル液をゲル化させた後に、ロール間に通すことで所望の厚みに成形し、前記積層体の中のシリカ粒子を成長させた多孔質構造を形成し、これにシリカエアロゾルを担持させる、ことを特徴とする。
また、本発明の断熱材の製造方法は、目付量が異なる第1繊維と第2繊維のうちの目付量が小さい方の第1繊維にゾル液を含浸させ、ゾル液のゲル化が進行中の第1繊維の少なくとも片面に、シリカエアロゾルを含まない第2繊維を重ね合わせ、ロール間に通すことで所望の厚みに成形して、第2繊維に第2繊維のゾル液を含浸させ、第2繊維と第1繊維の中のシリカ粒子を成長させた多孔質構造を形成し、これにシリカエアロゾルを担持させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、ラミネートによる熱伝導率シリカエアロゲルの構造とそれに紐づく熱伝導率を保持したまま、第1複合層の表面付近のシリカエアロゲル片が脱離・破壊するのを第2複合層によって抑制することができる。結果、熱伝導率が低くかつシリカ微粉の脱離量を大幅に抑制できる断熱材を実現できる。
本発明の実施の形態1の断熱材の拡大断面図 スマートフォンの筐体部分の断面図 シリカエアロゲルの一部を拡大した模式図 比較例の断熱材の拡大断面図 (a)〜(d)目付量の異なる繊維にシリカエアロゲルを担持させた表面状態を示す図 (a)〜(c)実施の形態の断熱材の製造方法を示す図 実施の形態の断熱材の別の製造方法を示す図 断熱材における繊維の目付量と熱伝導率の関係を示す図 断熱材における繊維の目付量とシリカエアロゲルの脱離数の関係を示す図 本発明の実施の形態2の断熱材の拡大断面図
以下、本発明の各実施の形態を図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における断熱材100の一例を示す。
断熱材100は、不織布の第1繊維101にナノサイズの多孔質構造を有するシリカエアロゲル102を坦持させた第1複合層103と、この第1複合層103の表面に設けられた第2複合層105とを合わせることで構成されている。第2複合層105は、不織布の第2繊維104にナノサイズの多孔質構造を有するシリカエアロゲル102を坦持させて構成されている。
第1複合層103を構成している第1繊維101と、第2複合層105を構成している第2繊維104とは、目付量が異なる繊維にて構成されている。目付量とは、単位面積1mあたりに占める繊維の重量である。
<断熱材100の熱伝導率>
この実施の形態では、ICTの携帯機器などのように筐体内のスペースが限られた電子機器に、断熱材100が使用されている。ここでは、一例としてスマートフォンの断面図を図2に示す。
このスマートフォンでは、上ケース201aと下ケース201bとで囲まれた筐体内部に、液晶パネル202、基板203とそれに設置された発熱部品であるCPU204およびIC部品205、CPU204に接触して配置される放熱材としてのグラファイトシート206が配置されている。この例では2枚の断熱材100が使用されている。これを断熱材100a,100bとする。
上ケース201aとグラファイトシート206との間に介装されている断熱材100aは、上ケース201aとグラファイトシート206に密着している。断熱材100aの第1複合層103はグラファイトシート206に密着している。上ケース201aとグラファイトシート206との隙間の厚みは、0.5mm以下が求められている。
下ケース201bと基板203の背面側に実装されたIC部品205との間に介装されている断熱材100bは、IC部品205と下ケース201bに密着している。断熱材100bの第1複合層103はIC部品205に密着している。下ケース201bとグラファイトシート206との隙間の厚みは、0.5mm以下が求められている。
そこで、0.5mm以下のスペースで使用するという断熱材100の条件からは、断熱材100の熱伝導率は、0.05W/m・K以下が良い。断熱材100の熱伝導率が、0.05W/m・Kより大きいと、発熱部品から発せられた熱の断熱効果が低い。
<第1複合層103の構成>
断熱材100の主体となる部分である第1複合層103は、シリカエアロゲル102の製造過程で、ゲル原料を第1繊維101に含浸させる。その後、ゲル原料を反応させて湿潤ゲルを形成する。最後に、湿潤ゲル表面を疎水化、熱風乾燥することにより得られる。
第1繊維101の繊維径は、0.1〜30μmであることが望ましい。第1繊維101の繊維径が30μmより大きくなると、第1繊維101を通じて熱が伝達しやすくなるため、熱伝導率が上昇し、断熱性が悪化してしまうためである。第1繊維101の繊維径が0.1μmより小さくなると、断熱材100に外力が付加された際に、シリカエアロゲルに応力が付加するのを緩和することが出来ず、シリカエアロゲルが破壊されやすくなる。
第1繊維101の目付量は、20〜30g/mであることが望ましい。
第1繊維101の目付量が30g/mより大きくなると、第1繊維101間に充填できるシリカエアロゲル102が少なくなるため、熱伝導率が上昇し、断熱性が悪化してしまうためである。
また、第1繊維101の目付量が20g/mより小さくなると、断熱材100に外力が付加された際に、シリカエアロゲルに応力が付加するのを緩和することが出来ず、シリカエアロゲルが破壊されやすくなる。
第1繊維101の材質としては、無機繊維系のグラスウールやロックウール、天然系の羊毛断熱材やセルロース断熱材、発泡セラミックス、炭化発泡コルク、樹脂系断熱材としてのウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォームなどを利用することができる。これらの中でも、放熱材であるグラファイトシート206との良好な接着性を考慮すれば、樹脂系断熱材がより好ましい。
<第2複合層105>
第2複合層105は、断熱性能を極力保持しつつ、第1複合層103からのシリカエアロゲル片の脱離を防止する効果がある。
第2繊維104の厚みは、0.02mm〜0.05mmが良い。厚みが0.02mmより小さい場合、繊維の目付量の確保が難しい。厚みが0.05mmより大きい場合、熱伝導率が悪化するからである。
第2繊維104の繊維径は、第1繊維101の場合と同様の理由で、0.1〜30μmであることが望ましい。
(比較例)
図1に示した実施の形態1とは構成が異なり、機器表面の温度上昇を低く抑えながらも機器内部の発熱部品の熱を放熱することができる断熱材の例を、比較例として図4に示す。この比較例は、シリカエアロゲルシートとグラファイトシートとを積層した複合シートであって、次のようにしてシリカエアロゲル片の脱離を防止している。
グラファイト層403と断熱層402の複合シートのグラファイト層403の面が、基板406に実装された発熱部品405に、両面テープ404を介して密着し、複合シートの断熱層402の面が、絶縁フィルム401を介して筐体400に当接している。
絶縁フィルム401は、シリカエアロゲル片の脱離を防止に対し効果的であるが、熱伝導率が高く断熱効果を低下させる欠点がある。たとえば、上記図2のように、上ケース201a,下ケース201bとCPU204の隙間の厚みが0.5mm以下の場合、0.05mmの絶縁フィルムを用いた場合の熱伝導率は0.08W/m・Kとなり、断熱効果が大きく低下する。
<シリカエアロゲル102>
次に、実施の形態1の第1繊維101,第2繊維104に担持させるシリカエアロゲルの構造について詳しく説明する。
シリカエアロゲル102は、図3に示したように1nm程度の径をもつシリカ1次粒子301が集合して形成された10nm前後の径を持つシリカ2次粒子302が、10〜60nm程度の粒子間距離の空隙303をもつ網目構造の集合体である。
シリカエアロゲル102は、水ガラスやテトラメトキシシランのような金属アルコキシドをゲル原料として、水やアルコールなどの溶媒と必要に応じて触媒を混合することで、溶媒中でゲル原料と反応させ湿潤ゲルを形成し、内部の溶媒を乾燥させたものである。
しかしながら、湿潤ゲルを普通に熱風乾燥させたものは、溶媒が乾燥するときの表面張力により、収縮してしまい空隙303を潰してしまい、断熱材として機能しない。従って、溶媒が乾燥するときに表面張力がほとんど働かないように、超臨界乾燥、あるいは湿潤ゲルの表面のシラノール基を、シリル化剤を用いてシリル化することにより疎水化した後に熱風乾燥することが必要になる。
<第2繊維104の目付量と熱伝導率>
第2繊維104の材質としては、第1繊維101と同じように、無機繊維系のグラスウールやロックウール、天然系の羊毛断熱材やセルロース断熱材、発泡セラミックス、炭化発泡コルク、樹脂系断熱材としてのウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォームなどを利用することができる。
第2複合層105中の第2繊維104における目付量の違いによる熱伝導率を下記の表1に示す。
図8に目付量と熱伝導率の関係を示す。目付量を20,35,40,45と変化させた場合の表面状態を図5(a)〜図5(d)に示す。図5の拡大倍率は何れも同じで20倍である。
目付量が増加するにつれ、繊維間は短く、緻密になる。結果、第2繊維104間に充填できるシリカエアロゲル102が少なくなる。このため、熱伝導率が上昇している。繊維単体での熱伝導率は0.05W/m・Kである。この結果から、繊維単体においても熱伝導率が絶縁フィルム以下であることが判る。上記にように、熱伝導率は0.05W/m・K以下ならよい。
したがって、第2複合層105は、シリカゲルを含まない繊維単体でも問題はない。つまり、熱伝導率からは、目付量に制限はない。しかし、熱伝導率が低いほど断熱性はよくなるので、第2繊維104にシリカエアロゲルを担持させることが望ましい。
図8からわかるように、目付量24〜34g/mで、熱伝導率は一定である。熱伝導率が変化しない場合、目付量を多くした方が、シリカエアロゲル片の脱離を防げる。よって、24g/m 以上34g/m 以下の目付量を使用するのが好ましい。
次に、目付量とシリカエアロゲル片の脱離との関係を示す。
<第2繊維104の目付量と発塵の抑制>
図9に目付量とシリカエアロゲル片の脱離数を示す。目付量20g/mの粉落ち数を1として各それぞれのシリカエアロゲル片の脱離数を計測した。
目付量が大きくなるにつれシリカエアロゲル片の脱離数は、減少している。
目付量の増加に伴い、シリカエアロゲル片の脱離数が減少する理由として、図5(a)〜図5(d)に示したように目付量の増加に伴い、シリカエアロゲル片のサイズも小さくなり繊維と絡み合う構造となるためである。
第1繊維101と第2繊維104の目付量を変える効果について説明する。
第1複合層103の断熱特性を向上させるには第1繊維101の目付量を少なくし、シリカエアロゲルを増加させるほど断熱特性は向上する。一方、シリカエアロゲルの増加に伴い機械的強度が低下しシリカエアロゲル片が脱離する欠点がある。そこで、第2繊維104の目付量を増加させることでシリカエアロゲルが第2繊維104に絡まりシリカエアロゲル片の脱離を抑制する効果がある。
<断熱材100の製造方法>
断熱材100の製造方法の一例を図6に示す。
はじめに、図6(a)に示すように、目付量の異なる第1繊維101(目付量12g/m、厚み0.07mm、寸法12cm□)と第2繊維104(目付量34g/m、厚み0.04mm、寸法12cm□)を合わせ、第1繊維101を下にして水槽604のゾル液602に浸漬してゾル液602を含浸させる。
ゾル液602に浸漬させる場合には、第2繊維104を下にしてゾル液602に浸漬するよりも第1繊維101を下にしてゾル液602に浸漬させた方が含浸時間を短縮できる。
または、図6(b)に示すようにディスペンサ601を用いてゾル液602を供給する場合には、第2繊維104を下にして含浸させるとよい。
図6(a)と図6(b)の何れの場合にも、ゾル液602は、高モル珪酸ソーダ(珪酸水溶液、Si濃度14%)に触媒として濃塩酸(12N)を1.4wt%添加し攪拌することにより調合する。
図6(a)と図6(b)の何れの場合にも、ゾル液602を含浸させた後に、室温23℃で約20分間放置し、ゾルをゲル化させる。このとき、ゲル化を促進し、時間短縮を行うため、ヒーターなどで約50℃〜130℃に加熱させてもよい。次に、図6(c)に示したように2軸ロール603等の間を通過させて所望の厚みに形成する。
次に、容器に、乾燥防止のために純水を注ぎ、80℃の恒温槽に12時間入れて、シラノールの脱水縮合反応を促進することにより、シリカ粒子を成長させ、多孔質構造を形成する。
次に、ゲルシートを塩酸(6〜12N)に浸漬後、常温23℃で1時間放置してゲルシートの中に塩酸を取り込む。
次に、ゲルシートを、例えばシリル化剤であるオクタメチルトリシロキサンと2−プロパノール(IPA)の混合液に浸漬させて、55℃の恒温槽に入れて2時間反応させる。トリメチルシロキサン結合が形成され始めると、ゲルシートから塩酸が排出され、上層がトリシロキサン、下層が塩酸水に2液分離する。
次に、ゲルシートを150℃の恒温槽に移して2時間乾燥させることにより、第1繊維101、第2繊維104のように、ナノサイズの多孔質構造を有する繊維にシリカエアロゲルを坦持させた第1複合層103および第2複合層105を有する断熱材100ができる。
第1複合層103と第2複合層105のシートを作製する方法として、以下の別の方法がある。
図7のように第1複合層103の第1繊維101に、第1繊維101の嵩密度以上のゾル液602を含浸させる。その後、ゲル化が進行すると同時に、この第1繊維101に、シリカエアロゲル102またはゾル液602を含まない第2繊維104を重ね合わせ、ゾルをゲル化させ、2軸ロール603の間を通過させて、所望の厚みとする。
上記により、本発明の特徴である断熱材100は、ナノサイズの多孔質構造を有する繊維にシリカエアロゲルを坦持させた第1複合層103の表面に、目付量が第1複合層103とは異なる第2複合層105を有する断熱材を製作することができる。
これにより、シリカエアロゲルの構造を保持し、熱伝導率を悪化させないまま、断熱材表面においてシリカエアロゲル片が脱離・破壊し、大量のシリカエアロゲル微粉が電子機器内に飛散することを抑制することができる。
なお、第1複合層103と第2複合層105の間の接着は、両層に位置するシリカエアロゲル102によって連結されている。
(実施の形態2)
実施の形態1では第1複合層103の片側の表面に第2複合層105が形成されていたが、図10に示すように第1複合層103の両側の表面に第2複合層105を形成することもできる。
この場合の製造方法は、目付量が異なる第1繊維101と第2繊維104のうちの第1繊維101を中央に挟んで両面に第2繊維104を積層した積層体を作成し、これをゾル液に浸漬し、前記積層体に含浸したゾル液をゲル化させた後に所望の厚みに成形し、前記積層体の中のシリカ粒子を成長させた多孔質構造を形成してシリカエアロゾルを担持させる。
または別の方法として、目付量が異なる第2繊維104と第1繊維101のうちの第1繊維101に嵩密度以上のゾル液を含浸させ、ゾル液のゲル化が進行中の第1繊維101を中央にしてその両側に、シリカエアロゾルを担持していない第2繊維104を重ね合わせ所望の厚みに成形して、第2繊維104に第1繊維101のゾル液を含浸させ、第2繊維104と第1繊維101の中のシリカ粒子を成長させた多孔質構造を形成してシリカエアロゾルを担持させて作成することもできる。
この図10の断熱材100を、図2に示したスマートフォンの断熱材100a,100bとして使用できる。
本発明の製造方法によって製造される断熱材は、熱伝導率を保持したまま表面のシリカエアロゲル片の脱離を抑制できるものであって、広く各種の電子機器に利用することができる。情報機器、携帯電話機、ディスプレイなど、発熱を伴う製品へ応用できる。
100 断熱材
101 第1繊維
102 シリカエアロゲル
103 第1複合層
104 第2繊維
105 第2複合層
201a 上ケース
201b 下ケース
202 液晶パネル
203 基板
204 CPU
205 IC部品
206 グラファイトシート
301 シリカ1次粒子
302 シリカ2次粒子
303 空隙
601 ディスペンサ
602 ゾル液
603 2軸ロール

Claims (6)

  1. 第1繊維にシリカエアロゲルを坦持させた第1複合層と、
    第2繊維にシリカエアロゲルを坦持させた第2複合層と
    の積層体であり、
    前記第1繊維と前記第2繊維とで、目付量が異なり、
    前記第2繊維の目付量が前記第1繊維よりも大きく、前記第2繊維の目付量が24g/m以上34g/m以下である、断熱材。
  2. 前記第1複合層の厚みが前記第2複合層より厚く、前記第2複合層の厚みが0.02mm〜0.05mmであることを特徴とする、請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記第1繊維と前記第2繊維は、繊維径が0.1〜30μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の断熱材。
  4. 発熱箇所と筐体の間に、放熱材と請求項1〜3のいずれか1項記載の前記断熱材が積層して配置されている、機器。
  5. 目付量が異なる第1繊維と第2繊維のうちの第1繊維の少なくとも片面に第2繊維を積層した積層体を、ゾル液に浸漬し、
    前記積層体に含浸したゾル液をゲル化させた後に、ロール間に通すことで所望の厚みに成形し、
    前記積層体の中のシリカ粒子を成長させた多孔質構造を形成し、これにシリカエアロゾルを担持させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱材の製造方法。
  6. 目付量が異なる第1繊維と第2繊維のうちの目付量が小さい方の第1繊維にゾル液を含浸させ、
    ゾル液のゲル化が進行中の第1繊維の少なくとも片面に、シリカエアロゾルを含まない第2繊維を重ね合わせ、ロール間に通すことで所望の厚みに成形して、第2繊維に第2繊維のゾル液を含浸させ、
    第2繊維と第1繊維の中のシリカ粒子を成長させた多孔質構造を形成し、これにシリカエアロゾルを担持させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱材の製造方法。
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