JP2015048543A - 繊維基材及び該繊維基材を用いた断熱マット - Google Patents

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望 井上
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Abstract

【課題】 本発明は、熱伝導率が低く、経時劣化の小さい粒子状断熱材料が、バインダー樹脂などを用いずとも脱落しないように繊維材料に保持された繊維基材、及びその繊維基材を用いた柔軟で断熱性能に優れる断熱マットを提供することを課題とする。【解決手段】 粒子状断熱材料を含む繊維基材であって、前記粒子状断熱材料の平均粒子径が0.1〜10mmで、充填量が100〜600g/m2であり、前記繊維基材は、繊維の機械的交絡によって前記粒子状断熱材料が保持されていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、熱伝導率の低い粒子状断熱材料を含有する繊維基材、及びその繊維基材を用いた柔軟で断熱性能の高い断熱マットに関する。
従来から、住宅や配管などに、断熱材が使用されている。断熱材の種類としては、ガラスウールやロックウールなどの無機繊維材料や、硬質ポリウレタンフォームやポリスチレンフォームなどの独立気泡構造を有する合成樹脂発泡体(硬質発泡体)などが知られている。
また、断熱性能の評価として、下記式(1)で算出される熱抵抗値が用いられる。

熱抵抗値[m・K/W]=断熱材厚み[m]/熱伝導率[W/(mK)] (1)

すなわち、断熱性能を良くするためには、熱抵抗値を大きくすればよく、断熱材厚みを大きくするか、或いは熱伝導率を小さくする必要がある。
無機繊維材料は、柔軟性があるため、例えば、住宅の柱や根太などの枠間に充填したり、配管の周囲に巻きつけたりして使用することができる。
しかしながら、無機繊維材料は熱伝導率が比較的高いため(グラスウールで0.035〜0.050W/(mK))、目的とする断熱性能を得るためには、断熱材の厚みを厚くする必要があり、重量が大きく取り扱いが困難であった。特に、住宅に用いる場合は、断熱材を配置する場所によっては、厚みが制限されてしまうため、十分な断熱性能を与えることが難しいものであった。
また、硬質発泡体の熱伝導率は、無機繊維材料よりも低いため(硬質ポリウレタンフォームで0.024W/(mK))、断熱材の厚みを薄くでき、軽量化が可能である。
しかしながら、硬質発泡体は柔軟性がなく、また、長期使用している間に発泡剤が抜けてしまう傾向にあることから、経時劣化を抑える必要があった。
一方、熱伝導率が低く、経時劣化の小さい材料として、粒子状断熱材料が知られている。
粒子状断熱材料として、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、カーボンなどの無機系エアロゲルや、イソシアネート系化合物、レゾールホルムアルデヒド、フェノールフルフラール、メラミンホルムアルデヒド、ポリイミドなどの有機系エアロゲル、フュームドシリカ、沈降シリカ、乾式シリカ、ゲル法シリカなどの多孔質体のほか、シラスバルーン、ガラスバルーン等の中空粒子などがある。
このような粒子状断熱材料は、通常は他の素材と複合化して使用されている。
例えば、特許文献1には、水性バインダー樹脂にエアロゲル粒子を添加した組成物が開示されている。このようなエアロゲル粒子を含む組成物は、塗膜を形成したり、繊維材料と複合化させて成形体を形成したりできるが、エアロゲル粒子よりもバインダー樹脂の熱伝導率が高いことから、粒子の添加量を増大させる必要があり、成形性に劣る。また、液状のバインダー樹脂が多孔質体の構造内部に入り込み、粒子の性能を悪化させて良好な断熱性能が得られ難い。
また、他の複合化の方法として、エアロゲルを不織布などの繊維材料に保持する方法が知られている。例えば、特許文献2には、ゾル状態の溶液を繊維材料に塗布或いは含浸した後、ゲル化・乾燥を行い、繊維材料中にエアロゲルを形成する方法が開示されている。 また、特許文献3には、熱可塑性繊維材料にエアロゲル粒子を散布し、熱を加えることで繊維が接着剤として働き、エアロゲル粒子を固定する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2のように、繊維材料中でゲル化させる方法だと、乾燥工程に時間がかかって煩雑となり、ゲル化した後の繊維体から、粒子が脱落してしまう問題があった。また、特許文献3のように、接着剤などでエアロゲルを固定する方法においても、エアロゲル粒子の表面が、接着剤で被覆された状態となり、断熱性能が劣るものであった。
特表平10−508049号公報 特表2007−524528号公報 特表2000−506570号公報
本発明は、熱伝導率が低く、経時劣化の小さい粒子状断熱材料を、バインダー樹脂などを用いずとも脱落しないように繊維材料に保持した繊維基材、及びその繊維基材を用いた柔軟で断熱性能に優れる断熱マットを提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、鋭意研究の結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、粒子状断熱材料を含む繊維基材であって、前記粒子状断熱材料の平均粒子径が0.1〜10mmで、充填量が100〜600g/mであり、前記繊維基材は、繊維の機械的交絡によって前記粒子状断熱材料が保持されていることを特徴とする。
本発明は、特定の平均粒子径を有し、かつ特定の充填量の粒子状断熱材料が、繊維同士の機械的交絡によって繊維基材に保持されているため、粒子状断熱材料の良好な断熱性能を保持したまま、熱伝導率が比較的高いバインダー樹脂を使用しなくとも粒子状断熱材料が脱落することもない、柔軟で熱伝導率の低い繊維基材を得ることができる。
また、本発明では、粒子状断熱材料が、シリカエアロゲル又はフュームドシリカであることが好ましい。
粒子状断熱材料の中でも、特にシリカエアロゲル又はフュームドシリカは、熱伝導率が0.030W/(mK)以下であり、繊維基材に断熱性能を効率よく付与することができる。また、シリカエアロゲル又はフュームドシリカは、多孔質構造を有するが、本発明では、バインダー樹脂を用いずに繊維基材に保持できるため、多孔質構造の内部にバインダー樹脂が入り込み、粒子の性能を悪化させることがない。
また、本発明の繊維基材の表裏面に、被覆層を積層させれば、断熱マットとして幅広い用途で使用することができる。
例えば、柔軟で断熱性能に優れるため、住宅や配管の断熱材として使用できる他、テントの床に敷設するシート材、自動車や鉄道、航空機の天井材に用いられる断熱材などに使用できる。
本発明は、粒子状断熱材料を含む繊維基材であって、当該繊維基材は、バインダー樹脂を用いずとも、繊維同士の機械的交絡によって粒子状断熱材料が保持されているため、粒子状断熱材料が脱落することなく、柔軟で熱伝導率の低い繊維基材を得ることができる。
そして、本発明の繊維基材の表裏面に被覆層を積層させることで、断熱マットとして幅広い用途で使用することができる。
本発明の繊維基材の一例を示す断面図である。 本発明の繊維基材の別の実施態様であって、(a)は繊維を機械的に交絡する前、(b)は繊維を機械的に交絡した後の状態を説明する断面図である。 本発明の断熱マットの一例を示す断面図である。
本発明の実施態様について、図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明は、粒子状断熱材料2を含む繊維基材1,1´であって、当該繊維基材1,1´には、繊維を機械的に交絡させることで、粒子状断熱材料2が保持されていることを特徴とする。
本発明で使用できる粒子状断熱材料2は、平均粒子径が0.1〜10mmのものである。平均粒子径が0.1mm未満だと、粒子の重量が軽くなるため、繊維を機械的に交絡させて保持する際に飛散が激しくなる。また、平均粒子径が10mmを超えると、繊維との交絡がし難いばかりか、粒子が保持されずに脱落しやすくなり、繊維基材に断熱性能を付与することができなくなる。
また、平均粒子径が0.1mm未満の材料を用いる場合は、平均粒子径が0.1〜10mmの範囲内となるように造粒することによって、使用可能である。
造粒の方法としては、水または結合剤を溶解した溶液を粉末に滴下、もしくはスプレー噴霧し湿潤させその水分を乾燥し粒を造る湿式法や、水や結合剤を使わず,材料の凝集力を高めて造粒する乾式法とが知られている。本発明においては、粒子状断熱材料の多孔質構造を損なわない乾式造粒が好ましい。
なお、本発明において、平均粒子径は、レーザー回析・散乱方式の粒度分布測定装置によって測定された値である。
本発明の粒子状断熱材料2としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、カーボンなどの無機系エアロゲルや、イソシアネート系化合物、レゾールホルムアルデヒド、フェノールフルフラール、メラミンホルムアルデヒド、ポリイミドなどの有機系エアロゲル、フュームドシリカ、沈降シリカ、乾式シリカ、ゲル法シリカなどの多孔質体、シラスバルーン、ガラスバルーン等の中空粒子などが挙げられる。
特に、熱伝導率が0.030W/(mK)以下の材料で、個々の粒子間に存在する空間を含めて測定した嵩比重が0.03g/cm〜0.5g/cmであるものが好ましい。嵩比重が0.03g/cm未満であると、繊維への投入時や機械的に交絡して保持する工程において、飛散しやすく、操作が困難となる。また、嵩比重が0.5g/cmを超えると、粒子状断熱材料2の熱伝導率が高くなる。
このような粒子状断熱材料2としては、シリカエアロゲル又はフュームドシリカが挙げられる。
なお、粉体の熱伝導率は、所定の形状の袋体に粉体を充填し加圧した状態での測定値とする。
ここで、エアロゲルとは、ゾルーゲル法による加水分解、縮重合によって得られた湿潤ゲル体を超臨界流体或いは臨界未満で乾燥させて得られる。そして、得られたシリカエアロゲルは、平均粒子径が20nmの粒子が数珠状に連結した、細孔径5〜30nmの多孔質構造を有しており、見かけ比重0.03〜0.3g/cm、比表面積500〜900m/gであって、固形分が5%以下で残りの95%以上が空気層で囲まれている。なお、エアロゲルは超臨界流体で乾燥させて得られたもの、キセロゲルは、臨界未満で乾燥して得られたもので区別されることもあるが、本発明においてエアロゲルはキセロゲルを含む。
このようなエアロゲルは、強度が弱く、指に触れただけで壊れてしまうほど脆いものである。そのため、平均粒子径を大きくして粒子の飛散を抑えても、ニードルパンチなどの機械的に交絡するのを阻害することはない。
ここで、比表面積は単位重量当たりの表面積のことである。
また、フュームドシリカとは、四塩化ケイ素などのハロゲン化シランを酸水素炎中で加水分解する方法(所謂、乾式法)により得られるものである。得られたフュームドシリカは、粒子径が10〜30nmの真球状の粒子が数珠状に凝集・融着した、細孔径10nm〜100nmの多孔質構造を有しており、見かけ比重0.03〜0.1g/cm、比表面積40〜400m/gであって、粒子径100〜400nmの凝集体である。
なお、シリカゲルは見かけ比重0.7〜1.3g/cm、比表面積300〜800m/g、平均細孔径1nm〜10nmの構造を有するものであり、シリカエアロゲルとフュームドシリカは一般的なシリカゲルと異なり見かけ比重が軽いものである。
本発明において、粒子状断熱材料2の充填量は、100g/m〜600g/mである。充填量が100g/m未満だと、得られる繊維基材に占める粒子状断熱材料の割合が小さくなるため、繊維基材単独よりも熱伝導率を低下させる効果が得られない。また、充填量が600g/mを超えると、機械的交絡時に繊維が絡みにくく、粒子が保持できず脱落してしまう。
本発明の繊維基材1,1´は、粒子状断熱材料2がバインダー樹脂を用いずに、繊維の機械的交絡によって保持されている。
本発明の繊維基材1,1´を形成する繊維3としては、ガラスファイバー、セラミックファイバー、ロックファイバーなどの無機系繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、セルロースなどの有機系繊維が挙げられるが、耐熱性、不燃性に優れる無機系繊維が好ましい。
本発明において、繊維を機械的に交絡する方法としては、ニードルパンチ法、水流交絡法などが挙げられる。
ここで、ニードルパンチ法とは、繊維ウェブの上下方向に、先端に返しを備えたニードル針を繰り返し突き刺すことで、繊維同士を交絡させて繊維ウェブを圧縮しフェルト化させる方法である。
また、水流交絡法とは、繊維ウェブの上下方向に多数のノズルから高圧のジェット水流を噴射させ、繊維を交絡させてフェルト化する方法である。
本発明の繊維基材を得る方法としては、例えば、図1に示す繊維基材1は、繊維3に粒子状断熱材料2を含ませた状態で、繊維3を機械的に交絡させてフェルト化したものである。この方法であれば、繊維3のフェルト化と粒子状断熱材料2の保持が一度に行えるため、効率的である。
その他の方法として、図2に示す繊維基材1´は、予め織布、編布、不織布などの繊維体4を形成し、当該繊維体4,4で粒子状断熱材料3を挟んだ状態で、上下の繊維体4,4を機械的に交絡して、繊維体4,4と粒子状断熱材料3を一体化したものである。この方法であれば、粒子状断熱材料2が当該繊維体4,4の間に保持されるため、粒子状断熱材料2の飛散を抑えることができる。
繊維体4としては、不織布を使用することが好ましい。
不織布には、例えば、カード法やエアレイ法などで短繊維をウェブ化し、ニードルパンチ法により交絡したり、接着成分を混合し加熱成形して得られるもの、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法など公知の手法で形成されたものがある。
特に、ニードルパンチ法などで繊維を機械的に交絡した不織布であれば、熱伝導率が比較的高いバインダー樹脂を含まないため、断熱性能が良好となり、より好ましい。
また、繊維体4,4の厚みが厚すぎると、繊維基材中に占める粒子状断熱材料の含有割合が小さく、断熱性能が付与しにくくなるため、繊維体4,4の厚みは薄いほうがよく、それぞれ5mm以下、又は3mm以下が好ましい。
このように、本発明の繊維基材1,1´には、経時劣化が少なく、熱伝導率の低い粒子状断熱材料が、熱伝導率が比較的高いバインダー樹脂を使用しなくとも、繊維の機械的交絡によって保持されているため、粒子状断熱材料の良好な断熱性能を維持したまま、粒子状断熱材料が脱落することもない、柔軟で熱伝導率の低い繊維基材を得ることができる。
本発明の別の実施態様として、図3に示す断熱マット5は、繊維基材1,1´の表裏面に被覆層6,6を積層させたものである。
本発明で使用できる被覆層6としては、粒子状断熱材料3が外部に出ることを防ぐとともに、繊維基材1,1´の柔軟性を阻害しないものであればよく、例えば、織布や編布などの布帛、不織布、紙、金属箔、合成樹脂フィルムなどを単独、又はそれらを複数積層したものが挙げられる。
素材としては、無機系、有機系のいずれであってもよく、用途によって適宜選択すればよい。
また、図示しないが、断熱マット5の総厚みが10mm以上必要な場合は、本発明の繊維基材を複数積層し、その最表面及び最裏面に被覆層を積層すればよい。
被覆層6を積層する方法としては、接着剤層を介して積層するなど従来の方法を用いればよい。
このように、本発明の断熱マット5は、柔軟で断熱性能に優れるため、断熱材として使用できる。
例えば、住宅や配管の断熱材として使用できる他、テントの床に敷設するシート材、自動車や鉄道、航空機の天井材に用いられる断熱材などに使用できる。
また、本発明の断熱マット5は、粒子状断熱材料を含まない繊維系断熱材よりも熱伝導率を低くすることができるため、厚さを繊維系断熱材よりも薄くしても、断熱性能に優れるものとなり、断熱材の軽量化が可能となる。
〔実施例1〕
厚さ3mmの裏面繊維層の上に、粒子状断熱材料として、平均粒子径1mmであって、嵩比重0.08g/cmのシリカエアロゲル粒子(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製、製品名「Enova IC3120」)を200g/m散布し、その上から厚さ3mmの表面繊維層を被覆し挟んだ状態で、上下方向にニードルパンチ機で複数回パンチングし、繊維同士を機械的に交絡させ、厚み6mmの繊維基材を得た。
なお、表面繊維層及び裏面繊維層として、ポリエステル繊維の不織布(目付35g/m)を使用した。
〔実施例2〕
表面繊維層及び裏面繊維層として、ガラス長繊維からなる厚み3mmのフェルト材(目付250g/m)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔実施例3〕
シリカエアロゲルの充填量を100g/mとしたこと以外は実施例2と同様にして、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔実施例4〕
シリカエアロゲルの充填量を600g/mとしたこと以外は実施例2と同様にして、厚み6.5mmの繊維基材を得た。
〔実施例5〕
粒子状断熱材料として、平均粒子径0.1mm、嵩比重0.1g/cmのフュームドシリカ(株式会社トクヤマ製、製品名「レオロシール MT−10C」)としたこと以外は実施例2と同様にして、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔実施例6〕
粒子状断熱材料として、平均粒子径10mm、嵩比重0.2g/cmのフュームドシリカ造粒物としたこと以外は実施例5と同様にして、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔比較例1〕
シリカエアロゲルの充填量を50g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔比較例2〕
シリカエアロゲルの充填量を800g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、厚み7mmの繊維基材を得た。
〔比較例3〕
粒子状断熱材料として、平均粒子径0.01mm、嵩比重0.04g/cmのシリカエアロゲル(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製、製品名「Enova IC3100」)としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔比較例4〕
厚さ3mmのポリエステル繊維の不織布(目付35g/m)を2枚重ね、上下方向にニードルパンチ機で複数回パンチングし、繊維同士を機械的に交絡させ、厚み6mmの繊維基材を得た。
〔比較例5〕
厚み3mmのガラス長繊維からなるフェルト材(目付250g/m)を2枚重ね、上下方向にニードルパンチ機で複数回パンチングし、繊維同士を機械的に交絡させ、厚み6mmの繊維基材を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた各繊維基材について、熱伝導率を測定し、表1及び表2に結果を示す。なお、熱伝導率は、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製、製品名「オートΛ180」)で測定した値である。また、平均粒子径は、レーザー回析・散乱方式の粒度分布測定装置(日機装株式会社製、製品名「MT3000」)で測定した値である。
また、ニードルパンチ機でパンチングを施したときの粒子状断熱材料の飛散状態を以下の基準に基づき、評価した。結果を表1及び表2に示す。
〔評価基準〕
○ 飛散無し
△ 飛散がやや起こる
× 飛散が激しい
実施例1〜6では、粒子状断熱材料を含まない比較例4,5と比較して、熱伝導率が低くなっており、本発明の繊維基材の断熱性能が向上したことがわかる。
一方、比較例1では、粒子状断熱材料の充填量が少なく、粒子状断熱材料を含まない比較例4の熱伝導率と同程度の結果であった。また、比較例2では、粒子状断熱材料の充填量が多すぎて、粒子の飛散が激しく操作が困難であり、また得られた繊維基材は繊維が交絡していない状態であったため、粒子の脱落が発生した。そのため、熱伝導率が測定できなかった。
比較例3のように、平均粒子径が0.01mmの粒子を用いる場合、繊維層への投入時またはニードルパンチを施す際に、粒子の飛散が激しく、作業性に著しく劣るものであった。また、比較例3の熱伝導率は、粒子状断熱材料を含まない比較例4の熱伝導率よりも多少小さい値となったが、実施例1には及ばない結果であった。これは、粒子の飛散が激しかったため、充填できた粒子状断熱材料の量が少なくなってしまったためである。
一方、実施例5では、平均粒子径が0.1mmの粒子状断熱材料を使用しているが、飛散はやや起こるものの、問題にはならない程度であった。また、実施例6のように、平均粒子径が10mmになるように造粒した場合であっても、粒子の飛散はなく、繊維基材への保持は良好であった。
以上のことから、本発明において、本発明の粒子状断熱材料の平均粒子径が0.1〜10mm、充填量が100g/m〜600g/mの範囲であれば、繊維基材に断熱性能を付与できるとともに、繊維の機械的な交絡によって粒子状断熱材料が脱落することなく保持できる。
本発明は、柔軟で断熱性能に優れるため、例えば、住宅や配管の断熱材として使用できる他、テントの床に敷設するシート材、自動車や鉄道、航空機の天井材に用いられる断熱材などに使用できる。
1,1´ 繊維基材
2 粒子状断熱材料
3 繊維
4 繊維体
5 断熱マット
6 被覆層

Claims (3)

  1. 粒子状断熱材料を含む繊維基材であって、
    前記粒子状断熱材料の平均粒子径が0.1〜10mmで、充填量が100〜600g/mであり、
    前記繊維基材は、繊維の機械的交絡によって前記粒子状断熱材料が保持されていることを特徴とする繊維基材。
  2. 前記粒子状断熱材料が、シリカエアロゲル又はフュームドシリカであることを特徴とする請求項1記載の繊維基材。
  3. 請求項1又は2に記載の前記繊維基材の表裏面に、被覆層を積層させてなることを特徴とする断熱マット。


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