JPWO2020158692A1 - 電磁波吸収シート - Google Patents

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Abstract

シート状の繊維状基材と、該シート状の繊維状基材に対して付着した複数本のカーボンナノチューブとを含む、電磁波吸収シートである。かかる電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量は、5質量%以上である。また、かかる電磁波吸収シートの表面抵抗は、20Ω/sq.以上である。

Description

本発明は、電磁波吸収シートに関するものである。特に、本発明は、カーボンナノチューブを含む電磁波吸収シートに関するものである。
電磁波は、通信機器をはじめとして、多岐にわたる分野にて利用されている。これらの分野においては、用途に応じて使用周波数が異なるが、往々にして、実際の使用環境においては、必要な周波数領域以外の周波数領域の電磁波はノイズとなり得る。このため、ノイズとなり得る不要な周波数領域の電磁波を遮断する目的にて、電磁波吸収シートが利用されてきた。
近年、より高周波領域の電磁波の利用が盛んに検討されている。そこで、高周波領域の電磁波に対する吸収性能の高い、電磁波吸収体が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、繊維状基材と、かかる基材に付与されたカーボンナノチューブとを有する電磁波吸収体であって、所定の目付、空隙率、伝導度、及び比誘電率等を満たす、電磁波吸収体が提案されている。
国際公開第2015/093600号
しかし、上記のような従来から提案されてきた電磁波吸収体は、高周波領域における電磁波吸収性能の点で、改善の余地があった。
そこで、本発明は、高周波領域における電磁波吸収性能に優れる電磁波吸収シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、電磁波吸収シートにおける、カーボンナノチューブ付着量が所定の値以上となるようにするとともに、シートの表面抵抗が所定の値以上となるようにすることで、高周波領域における電磁波吸収性能を優れたものとし得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の電磁波吸収シートは、シート状の繊維状基材と、該シート状の繊維状基材に対して付着した複数本のカーボンナノチューブとを含む、電磁波吸収シートであって、カーボンナノチューブ付着量が5質量%以上であると共に、表面抵抗が20Ω/sq.以上である、ことを特徴とする。このように、シート状の繊維状基材に対して、カーボンナノチューブが付着されてなる電磁波吸収シートにおいて、カーボンナノチューブの付着量が5質量%以上であると共に、表面抵抗が20Ω/sq.以上であれば、高周波領域における電磁波吸収性能に優れる。なお、電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量は、電磁波吸収シートの全質量を100質量%とした場合に、かかる電磁波吸収シートに含有されるカーボンナノチューブの占有割合(質量%)を示す値であり、実施例に記載の方法により測定することができる。また、電磁波吸収シートの表面抵抗は、JIS K 7194に従って、電磁波吸収シートの片面上にプローブを配置して行う4探針法を実施することで、測定することができる。
ここで、本発明の電磁波吸収シートは、厚みが100μm以下であることが好ましい。電磁波吸収シートの厚みが100μm以下であれば、スマートフォン及びタブレットなどのモバイル端末、並びに、省スペースが要求される各種用途に好適に用いることができる。なお、電磁波吸収シートの厚みは、実施例に記載の方法により測定することができる。
さらに、本発明の電磁波吸収シートにおいて、前記カーボンナノチューブのBET比表面積が、600m2/g以上であることが好ましい。電磁波吸収シートのBET比表面積が600m2/g以上であれば、高周波領域における電磁波吸収性能に一層優れる。なお、本明細書において、「BET比表面積」とは、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
さらにまた、本発明の電磁波吸収シートにおいて、前記シート状の繊維状基材が、目付が80g/m2以下の不織布であることが好ましい。シート状の繊維状基材が、目付が80g/m2以下の不織布であれば、高周波領域における電磁波吸収性能に一層優れる。なお、「目付」は、単位面積当たりの不織布の質量を指す。
また、本発明の電磁波吸収シートの他の例は、10GHz以上40GHz以下の範囲における伝送減衰率の値が、40dB以上であることを特徴とする。かかる属性を満たす電磁波吸収シートは、高周波領域における電磁波吸収性能に優れる。なお、10GHz以上40GHz以下の範囲における「伝送減衰率」の値は、実施例に記載した方法により測定することができる。
本発明によれば、高周波領域における電磁波吸収性能に優れる電磁波吸収シートを提供することができる。
実施例1及び比較例1〜2にてそれぞれ得た電磁波吸収シートについて、電磁波吸収性能を評価した結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の電磁波吸収シートは、高周波数ノイズを抑制するために用いる、所謂、モバイル端末及びその他の電子機器にて実装し得るノイズ抑制シートとして好適に使用することができる。
(電磁波吸収シート)
一例に係る本発明の電磁波吸収シート(以下、単に「本発明の電磁波吸収シート」とも称する。)は、シート状の繊維状基材と、該シート状の繊維状基材に対して付着した複数本のカーボンナノチューブとを含む、電磁波吸収シートである。本発明の電磁波吸収シートは、カーボンナノチューブ付着量が5質量%以上であると共に、表面抵抗が20Ω/sq.以上であることを特徴とする。そして、本発明の電磁波吸収シートは、任意で、電磁波吸収シート製造時に使用した添加剤等のその他の成分を含有していても良い。本発明の電磁波吸収シートは、高周波領域にて、優れた電磁波吸収性能を発揮することができる。
なお、通常、カーボンナノチューブは、シート状の繊維状基材を構成する繊維に対して付着している。ここで、シート状の繊維状基材を構成する繊維に対して、カーボンナノチューブが「付着」するとは、シート状の繊維状基材の構成単位である繊維上に、カーボンナノチューブが付着し、或いは絡みついて存在する状態を意味する。そして、本発明の電磁波吸収シートにおいて、通常、シート状の繊維状基材の表面に位置する繊維のみならず、シート状の繊維状基材の厚み方向内側に位置する繊維に対して、カーボンナノチューブが付着した状態となっていることが好ましい。そして、本発明の電磁波吸収シートは、特に、シート状の繊維状基材の厚み方向内側に位置する繊維に対して付着したカーボンナノチューブが、入射してきた電磁波をシート内部にて乱反射することで減衰させることにより、電磁波を吸収すると考えられる。
<シート状の繊維状基材>
電磁波吸収シートに使用し得るシート状の繊維状基材としては、繊維、中でも、有機繊維で構成されたシート状の繊維状基材を好適に用いることができる。なお、カーボンナノチューブは上述した有機繊維には含まれないものとする。
シート状の繊維状基材を構成し得る有機繊維としては、特に限定されることはなく、例えば、ポリビニルアルコール、ビニロン、ポリエチレンビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びこれら変性物等のポリマーよりなる合成繊維;綿、麻、ウール、及び絹等の天然繊維;などが挙げられる。合成繊維を形成するポリマーとしては、一種を単独で、或いは複数種を混合して用いることができる。中でも、有機繊維としては、合成繊維が好ましく、その中でも、ポリビニルアルコールのアセタール化物であるビニロンがより好ましい。そして、シート状の繊維状基材は、これらの有機繊維により構成されうる織布又は不織布でありうる。中でも、シート状の繊維状基材は不織布であることが好ましい。なお、本明細書において、「不織布」とは、JIS L 0222:2001にて定義されているように、「繊維シート、ウェブ又はバットで、繊維が一方向又はランダムに配向しており、交絡、融着、及び接着の少なくとも1つの態様によって繊維間が結合されたもの」を指す(ただし、紙、織物、編物、タフト及び縮じゅうフェルトを除く)。
また、シート状の繊維状基材の目付が、80g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以下であることがより好ましく、30g/m2以下であることがさらに好ましい。目付が上記上限値以下であれば、シート内部にカーボンナノチューブが良好に付着してなる、電磁波吸収シートを得ることができる。その結果、電磁波吸収シートの高周波領域における電磁波吸収性能を一層高めることができるからである。また、昨今の電磁波吸収シートへの軽量化への要求の観点からも、目付が上記上限値以下であることが好ましい。
なお、電磁波吸収シートの機械強度を高めると共に、高周波領域における電磁波吸収性能を一層高める観点から、シート状の繊維状基材としての不織布の目付は、2g/m2以上であることが好ましく、6g/m2以上であることがより好ましい。
なお、電磁波吸収シートの高周波領域における電磁波吸収性能を一層高める観点から、シート状の繊維状基材として、不織布を用いる場合に、かかる不織布の目付が上記好適な範囲を満たすことが特に好ましい。
<カーボンナノチューブ>
本発明の電磁波吸収シートに含まれるカーボンナノチューブ(以下、CNTとも称することがある。)は、単層カーボンナノチューブ(単層CNT)を主成分として含有することが好ましい。CNTに含まれうる単層CNT以外の成分としては、多層カーボンナノチューブ(多層CNT)が挙げられる。ここで、CNTの質量全体に占める単層CNTの比率は、50質量%超であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であっても良い。なお、CNTが多層CNTを含む場合には、多層CNTの層数が5層以下であることが好ましい。
以下、CNTの好適な属性について説明するが、かかる属性は、本発明の電磁波吸収シートを製造する際に用いる材料としてのCNT、及び本発明の電磁波吸収シートに含まれるCNTの双方について当てはまることが好ましい。より具体的には、少なくともBET比表面積及び平均直径等については、原則として、後述する電磁波吸収シートの製造方法に含まれる各種処理を経た後であっても、材料としてのCNTが呈していた値を下回ることは無い。
CNTは、特に限定されることなく、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法(CVD法)などの既知のCNTの合成方法を用いて製造することができる。具体的には、CNTは、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に原料化合物及びキャリアガスを供給し、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
また、CNTは、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示すことが好ましい。かかるCNTとしては、CNTの開口処理が施されていないものがより好ましい。
ここで、表面に細孔を有する物質では、窒素ガス吸着層の成長は、次の(1)〜(3)の過程に分類される。そして、下記の(1)〜(3)の過程によって、t−プロットの傾きに変化が生じる。
(1)全表面への窒素分子の単分子吸着層形成過程
(2)多分子吸着層形成とそれに伴う細孔内での毛管凝縮充填過程
(3)細孔が窒素によって満たされた見かけ上の非多孔性表面への多分子吸着層形成過程
そして、上に凸な形状を示すt−プロットは、窒素ガス吸着層の平均厚みtが小さい領域では、原点を通る直線上にプロットが位置するのに対し、tが大きくなると、プロットが当該直線から下にずれた位置となる。かかるt−プロットの形状を有するCNTは、CNTの全比表面積に対する内部比表面積の割合が大きく、CNTに多数の開口が形成されていることを示しており、その結果として、かかるCNTを用いて分散液を調製した場合に、分散液中においてCNTが凝集しにくくなり、均質且つ高周波領域における電磁波吸収性能に更に優れた電磁波吸収シートを得ることができる。
なお、CNTのt−プロットの屈曲点は、0.2≦t(nm)≦1.5を満たす範囲にあることが好ましく、0.45≦t(nm)≦1.5の範囲にあることがより好ましく、0.55≦t(nm)≦1.0の範囲にあることが更に好ましい。t−プロットの屈曲点がかかる範囲内にあるCNTは、かかるCNTを用いて分散液を調製した場合に、分散液中においてCNTがさらに凝集しにくくなる。その結果、一層均質且つ高周波領域における電磁波吸収性能に一層優れた電磁波吸収シートを得ることができる。
ここで、「屈曲点の位置」は、前述した(1)の過程の近似直線Aと、前述した(3)の過程の近似直線Bとの交点である。
更に、CNTは、t−プロットから得られる全比表面積S1に対する内部比表面積S2の比(S2/S1)が0.05以上0.30以下であることが好ましい。S2/S1の値がかかる範囲内であるCNTは、かかるCNTを用いて分散液を調製した場合に、分散液中においてCNTがさらに凝集しにくくなる。その結果、一層均質且つ高周波領域における電磁波吸収性能に一層優れた電磁波吸収シートを得ることができる。
ここで、CNTの全比表面積S1及び内部比表面積S2は、そのt−プロットから求めることができる。具体的には、まず、(1)の過程の近似直線の傾きから全比表面積S1を、(3)の過程の近似直線の傾きから外部比表面積S3を、それぞれ求めることができる。そして、全比表面積S1から外部比表面積S3を差し引くことにより、内部比表面積S2を算出することができる。
そして、CNTの吸着等温線の測定、t−プロットの作成、及び、t−プロットの解析に基づく全比表面積S1と内部比表面積S2との算出は、例えば、市販の測定装置である「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を用いて行うことができる。
また、CNTは、BET比表面積が、600m2/g以上であることが好ましく、800m2/g以上であることがより好ましく、2000m2/g以下であることが好ましく、1800m2/g以下であることがより好ましく、1600m2/g以下であることがさらに好ましい。BET比表面積が上記範囲内であれば、電磁波吸収シートは高周波領域にて更に優れた電磁波吸収性能を発揮することができる。
CNTの平均直径は、1nm以上であることが好ましく、60nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。
また、CNTは、平均長さが、10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、80μm以上であることがさらに好ましく、600μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、400μm以下であることがさらに好ましい。
平均直径及び/又は平均長さが上記範囲内であるCNTは、かかるCNTを用いて分散液を調製した場合に、分散液中においてCNTが凝集しにくくなり、均質且つ高周波領域における電磁波吸収性能に更に優れた電磁波吸収シートを得ることができる。
更に、CNTは、通常、アスペクト比(長さ/直径)が10超である。
なお、CNTの平均直径、平均長さ及びアスペクト比は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択したCNT100本の直径及び長さを測定することにより求めることができる。
なお、吸着等温線から得られるt−プロットが上に凸な形状を示す単層CNTは、上述のスーパーグロース法において、基材表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行うことで、効率的に製造することができる。
<カーボンナノチューブ付着量>
本発明の電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量は、5質量%以上である必要があり、7質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、70質量%未満であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましい。カーボンナノチューブ付着量が5質量%以上であれば、電磁波吸収性能を発揮するために必要充分な量のカーボンナノチューブを電磁波吸収シートが含んでいることを意味する。さらに、カーボンナノチューブ付着量が上記好適な範囲内であれば、電磁波吸収シートの高周波領域における電磁波吸収性能を一層高めることができる。
<表面抵抗>
本発明の電磁波吸収シートの表面抵抗は、20Ω/sq.以上である必要があり、100Ω/sq.以上であることが好ましい。電磁波吸収シートの表面抵抗が20Ω/sq.以上であれば、シート表面にカーボンナノチューブが集中して付着している状態とはなっていないことを意味する。カーボンナノチューブは導電性を有する材料であるため、シート表面にカーボンナノチューブが集中して付着して、あたかも「層」を形成したような態様で存在していれば、かかるシートは面方向にて導電性に優れるため、シートの表面抵抗は低くなりうる。この場合には、シート表面に入射した電磁波が、シート表面にて反射されてしまい、シート内部に侵入し難いと考えられる。ここで、上記の通り、本発明の電磁波吸収シートは、表面抵抗が20Ω/sq.以上であることを条件とする。このことは、電磁波吸収シートの表面にカーボンナノチューブが「層」を成すようには付着していないことを意味する。そして、カーボンナノチューブが電磁波吸収シートの表面にて「層」を形成しておらず、電磁波吸収シートの厚み方向内側にも存在していれば、シート内部まで侵入してきた電磁波を、シート内部にて、複数本のカーボンナノチューブ間にて相互に乱反射することができる。その結果、かかる乱反射に起因して、シート内部にて電磁波を減衰させることができる。なお、表面抵抗の上限は特に限定されないが、例えば、4000Ω/sq.以下であり得る。
<電磁波吸収性能>
本発明の電磁波吸収シートは、30GHzにおける伝送減衰率(Rtp)の値が、30dB以上であることが好ましく、40dB以上であることがより好ましい。かかる電磁波吸収性能を呈し得る電磁波吸収シートは、高周波領域における高い電磁波吸収性能が必要とされる用途において極めて良好に用いることができる。さらに、本発明の電磁波吸収シートは、10GHz以上40GHz以下の範囲における伝送減衰率の値が、40dB以上であることが好ましい。
<厚み>
本発明の電磁波吸収シートの厚みは、100μm以下であることが好ましく、68μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることが更に好ましい。電磁波吸収シートの厚みが上記上限以下であれば、かかる薄型の電磁波吸収シートを各種用途に好適に用いることができる。なお、電磁波吸収シートの厚みは、10μm以上が好ましい。電磁波吸収シートの厚みが上記下限以上であれば、電磁波吸収シートは十分な機械的強度を有し得ると共に、高周波領域にて更に優れた電磁波吸収性能を発揮することができる。
<製造方法>
電磁波吸収シートは、カーボンナノチューブの分散液に対して、繊維状基材を浸漬する工程(CNT分散液浸漬工程)、浸漬した繊維状基材を引き上げて洗浄する工程(洗浄工程)、及び洗浄した繊維状基材を乾燥する工程(乾燥工程)等を実施することにより、製造することができる。以下、一例に係る製造方法について概略を説明する。
<<CNT分散液浸漬工程>>
CNT分散液浸漬工程では、カーボンナノチューブの分散液に対して、繊維状基材を浸漬する。繊維状基材としては、<シート状の繊維状基材>の項目で上述したものを好適に用いることができる。カーボンナノチューブの分散液(CNT分散液)は、CNTを分散媒に分散することにより調製することができる。また、CNTとしては、<カーボンナノチューブ>の項目で上述したものを好適に用いることができる。分散媒としては、特に限定されることなく、水、イソプロパノール(2−プロパノール)、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、エチレングリコール、メチルイソブチルケトン及びブチルアルコールを用いることができる。中でも、分散媒としては水を用いることが好ましい。
CNT分散液を調製するに当たり、CNT分散液中におけるCNTの分散性を向上させるために、添加剤として分散剤を配合することができる。分散剤としては、特に限定されることなく、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の既知の界面活性剤、及び、分散剤として機能し得る各種の合成高分子又は天然高分子を用いることができる。なお、分散剤の添加量は一般的な範囲とすることができる。
そして、CNT分散液を調製するに当たり、上記のような界面活性剤を配合した分散媒に対してCNTを添加し、粗分散液を得てから、得られた粗分散液を国際公開第2014/115560号に開示されたような、キャビテーション効果が得られる分散方法、及び/又は、解砕効果が得られる分散方法を適用することで、CNTの分散性の良好なCNT分散液を得ることができる。なお、分散方法はかかる2つの方法に限定されるものではなく、攪拌子を用いて直接攪拌する方法を適用することももちろん可能である。
CNT分散液を調製するに当たり、任意で、カーボンナノチューブ以外の炭素材料、及び添加剤等のその他の成分をCNT分散液に配合し得る。その他の成分を添加する場合には、例えば、CNTの粗分散液に対して添加することができる。
なお、CNT分散液を調製する際の分散時間は、例えば、1分以上120分以内とすることができる。また、CNT分散液中のCNT濃度は0.01質量%以上0.3質量%以下とすることができる。
また、上記のようにして得られたCNT分散液に対して繊維状基材を浸漬する際の浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、1分以上3時間以内であり得る。また、浸漬温度についても特に限定されないが、例えば0℃以上100℃以下であり得る。
<<洗浄工程>>
洗浄工程では、上記工程で浸漬した繊維状基材を引き上げて洗浄する。洗浄方法としては、イソプロパノール(2−プロパノール)、エチルアルコール、メチルアルコール等のアルコールに浸漬してから、水に浸漬する操作を含む方法を好適に採用することができる。各溶媒への浸漬時間は特に限定されないが、例えば、1分間以上3時間以内であり得る。また、各溶媒への浸漬温度も特に限定されないが、例えば0℃以上100℃以下であり得る。
<<乾燥工程>>
乾燥工程では、上記工程で洗浄した繊維状基材を乾燥する。乾燥方法は、特に限定されることなく、熱風乾燥法、真空乾燥法、熱ロール乾燥法、赤外線照射法等が挙げられる。乾燥温度及び乾燥温度は、繊維状基材の熱耐性及び洗浄で使用する液の沸点などによって適宜変更すればよく、特に限定されないが、通常、室温〜200℃、乾燥時間は、特に限定されないが、通常、10分以上48時間以内である。
そして、電磁波吸収シートの製造にあたり上記したCNT分散液浸漬工程から乾燥工程までの流れを1サイクルとして、複数サイクル以上繰り返し実施することが好ましい。これにより、シート内部まで良好にカーボンナノチューブが担持されてなる電磁波吸収シートを得ることができる。なお、サイクル回数は、2回以上であることが好ましく、24回以下であることが好ましく、20回以下であることがより好ましい。サイクル回数が上記下限値以上であれば、電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量を十分に高めることができる。また、サイクル回数が上記上限値以下であれば、電磁波吸収シートの表面にてカーボンナノチューブが「層」状に付着することを抑制することができ、高周波領域における電磁波吸収性能を効率的に高めることができる。
本発明の他の例に係る電磁波吸収シートは、10GHz以上40GHz以下の範囲における伝送減衰率の値が、40dB以上であることを特徴とする。更に、かかる電磁波吸収シートは、シート状の繊維状基材と、該シート状の繊維状基材に対して付着した複数本のカーボンナノチューブとを含んでも良い。更にまた、かかる電磁波吸収シートは、カーボンナノチューブ付着量が5質量%以上であっても良い。かかる本発明の他の例に係る電磁波吸収シートは、高周波領域における電磁波吸収性能に優れる。
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において、カーボンナノチューブのBET比表面積、カーボンナノチューブ付着量、電磁波吸収シートの厚み、電磁波吸収シートの表面抵抗、及び電磁波吸収シートの電磁波吸収性能は、それぞれ以下の方法を使用して、測定又は算出した。
<カーボンナノチューブのBET比表面積>
「BELSORP(登録商標)−mini」(日本ベル(株)製)を用いて、BET法に従って、実施例、比較例で使用したカーボンナノチューブの窒素吸着比表面積を測定した。
<カーボンナノチューブ付着量>
実施例、比較例で作製した電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量(質量%)は、電子天秤によるカーボンナノチューブ付着前の繊維状基材の質量(W0)と、カーボンナノチューブを付着させた状態の繊維状基材(即ち、電磁波吸収シート)の質量(W1)を用いて、下式に基づいて算出した。

カーボンナノチューブ付着量(質量%)=(W1−W0)/W1×100
<電磁波吸収シートの厚み>
実施例及び比較例で製造した電磁波吸収シートの厚みは、ミツトヨ社製「デジマチック標準外側マイクロメータ」を用いて測定した。
<電磁波吸収シートの表面抵抗>
実施例、比較例で製造した電磁波吸収シートについて、低抵抗用の抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、「ロレスタ(登録商標)GX」)を用いて、JIS K 7194:1994に従って、シートの片面上にプローブを配置して行う4探針法を実施することで、表面抵抗(Ω/sq.)を算出した。
<電磁波吸収シートの電磁波吸収性能>
実施例、比較例で製造した電磁波吸収シートについて、IEC−62333に準拠したマイクロストリップライン法により、反射係数S11(dB)および透過係数S21(dB)を測定し、伝送減衰率Rtp(dB)を、下式を用いて算出した。

伝送減衰率Rtp(dB)=10log10{10S21/10/(1−10S11/10)}

なお、使用した測定機器および測定周波数範囲は以下の通りであった。表1に示すように、本評価においては、30GHzにおける伝送減衰率Rtpの数値に着目した。
測定装置:アンリツ社製、ベクトルネットワークアナライザー37169A
測定周波数:100MHz〜40GHz
(実施例1)
<カーボンナノチューブ分散液の調製>
分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)を、分散媒として水を用いて、SDBS1質量%水溶液500mLを調製した。ここに、単層CNTとしてのSGCNT(ゼオンナノテクノロジー社製、「ZEONANO(登録商標)SG101、BET比表面積:1,050m2/g、平均直径:3.3nm、平均長さ:400μm、t−プロットは上に凸(屈曲点の位置:0.6nm)、内部比表面積S2/全比表面積S1:0.24)を0.5g加え、分散剤としてSDBSを含有する粗分散液を得た。この単層CNTを含む粗分散液を、分散時に背圧を負荷する多段圧力制御装置(多段降圧器)を有する高圧ホモジナイザー(株式会社美粒製、製品名「BERYU SYSTEM PRO」)に充填し、100MPaの圧力で粗分散液の分散処理を行った。具体的には、背圧を負荷しつつ、粗分散液にせん断力を与えてCNTを分散させ、濃度0.1質量%のSGCNT分散液を得た。
<CNT分散液浸漬工程、洗浄工程、乾燥工程>
上述のようにして得られた0.1質量%SGCNT分散液500mL内に、5cm×10cmのシート状の繊維状基材としてのビニロン不織布(目付:12g/m2、厚み:40μm)を30℃条件下で10分間浸漬させた(CNT分散液浸漬工程)。その後、CNT分散液浸漬工程を経たビニロン不織布を、30℃条件下で、和光純薬製「2−プロパノール」500mL中に10分間浸漬し、次いで、500mLの蒸留水中に10分間浸漬することにより、洗浄した(洗浄工程)。そして、洗浄工程を経たCNT付着済繊維状基材を、温度60℃で3時間にわたり真空乾燥してCNT付着済繊維状基材の乾燥物を得た(乾燥工程)。
上記のような、CNT分散液浸漬工程、洗浄工程、及び乾燥工程の流れを1サイクルとして、かかるサイクルを2回繰り返して、電磁波吸収シートを得た。得られた電磁波吸収シートについて、上記に従って各種測定等を実施した。結果を表1及び図1に示す。図1に示すグラフは、縦軸に伝送減衰率を、横軸に周波数をプロットしたものであり、周波数の関数として、電磁波の減衰率を示す曲線(以下、「減衰率曲線」とも称することがある)である。図1より明らかなように、本例にて得られた電磁波吸収シートは、10GHz〜40GHzにおける伝送減衰率(Rtp)が40dB以上であった。
(実施例2〜5)
CNT分散液浸漬工程、洗浄工程、及び乾燥工程を実施するサイクル数を、それぞれ、表1に示す通りに変更して、得られる電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量、表面抵抗、厚み等を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁波吸収シートを得た。得られた電磁波吸収シートについて、上記方法に従って、各種測定及び算出を行った。結果を表1に示す。なお、これらの例における電磁波吸収性能の評価の結果として得られた減衰率曲線は、図1に示した実施例1のカーブと略同一の形状を示したため、図示の明確化の目的で、図1には示さなかった。なお、これらの例において得られた電磁波吸収シートは、全て、10GHz〜40GHzにおける伝送減衰率(Rtp)が40dB以上であった。
(比較例1〜2)
CNT分散液浸漬工程、洗浄工程、及び乾燥工程を実施するサイクル数を、それぞれ、表1に示す通りに変更して、得られる電磁波吸収シートにおけるカーボンナノチューブ付着量、表面抵抗、厚み等を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、電磁波吸収シートを得た。得られた電磁波吸収シートについて、上記方法に従って、各種測定及び算出を行った。結果を表1及び図1に示す。図1より、比較例1〜2において得られた電磁波吸収シートは、双方とも、10GHz〜40GHzにおける伝送減衰率(Rtp)が40dB未満であったことが分かる。
Figure 2020158692
表1及び図1から、カーボンナノチューブ付着量が5質量%以上であると共に、表面抵抗が20Ω/sq.以上である電磁波吸収シートは、30GHzにおける伝送減衰率(Rtp)の値が45dB以上であり、高周波領域における電磁波吸収性能に優れていたことが分かる。また、カーボンナノチューブ付着量が5質量%未満である比較例1、及び表面抵抗が20Ω/sq.未満である比較例2では、30GHzにおける伝送減衰率(Rtp)の値が26dB以下であり、高周波領域における電磁波吸収性能に劣っていたことが分かる。
特に、比較例1では、カーボンナノチューブ付着量が不十分であるため、電磁波が電磁波吸収シートを通過してしまうと考えられる。このため、比較例1に従う電磁波吸収シートでは、高周波数の電磁波を十分に吸収することができなかったと考えられる。
また、比較例2では、表面抵抗の数値の低さから、電磁波吸収シートの表面にて、カーボンナノチューブが層を形成していると考えられる。そのため、電磁波吸収シートの表面にあるカーボンナノチューブの層により電磁波が反射されてしまうために、十分な電磁波吸収性能を発揮することができないと考えられる。
なお、実施例及び比較例におけるサイクル回数とカーボンナノチューブ付着量との関係から、サイクル回数が高くなることに従って、カーボンナノチューブの付着量の増加が飽和する傾向があることが分かる。そして、CNT付着量の増加傾向に飽和が生じたサイクルにて繊維状基材に対して付着したカーボンナノチューブが、電磁波吸収シートの表面おいて層を形成し易く、これにより、得られる電磁波吸収シートの電磁波吸収性能が低下すると考えられる。
本発明によれば、高周波領域における電磁波吸収性能に優れる電磁波吸収シートを提供することができる。

Claims (5)

  1. シート状の繊維状基材と、該シート状の繊維状基材に対して付着した複数本のカーボンナノチューブとを含む、電磁波吸収シートであって、
    カーボンナノチューブ付着量が5質量%以上であると共に、
    表面抵抗が20Ω/sq.以上である、
    電磁波吸収シート。
  2. 厚みが100μm以下である、請求項1に記載の電磁波吸収シート。
  3. 前記カーボンナノチューブのBET比表面積が、600m2/g以上である、請求項1又は2に記載の電磁波吸収シート。
  4. 前記シート状の繊維状基材が、目付が80g/m2以下の不織布である、請求項1〜3の何れかに記載の電磁波吸収シート。
  5. 10GHz以上40GHz以下の範囲における伝送減衰率の値が、40dB以上である電磁波吸収シート。
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