JP6960290B2 - 生分解性樹脂フィルム - Google Patents
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Description
特に、反射層を備えたマルチフィルム、いわゆる白黒マルチフィルムは、黒色フィルムの表面に白層を設けることで、太陽光の日射(波長300〜2500nmの放射)を反射して夏場の過度な地温上昇を抑制しつつ、雑草抑制などのマルチフィルムの特性を備えたものである。
一般的に、生分解性樹脂フィルムは、塩化ビニル系樹脂フィルムやオレフィン系樹脂フィルムと比較して、引裂強度や引張強度など物性面で劣るものである。
また、脂肪酸モノアミドを含有すればフィルムの保湿性が向上するため、土壌の過度な乾燥を防ぐことができ、マルチフィルムとしてより好ましいものである。
ここで、本願発明でいう樹脂組成物とは、生分解性の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂などの樹脂成分、酸化チタン、及びその他の添加剤の混合物であって、当該樹脂組成物をフィルムに成形して反射層を形成するものである。
当該含有量が90重量%未満の場合、他の生分解性樹脂と併用することとなるが、その他の生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル系樹脂の含有量が多いと、フィルムとしたときの引張強度が劣るものとなる。特に、後述する酸化チタンを樹脂組成物中に多量に含む場合には、その傾向が強く現れる。
ここで、日射反射率とは、太陽から放射されたエネルギーのうち、波長300〜2500nmの放射である日射をどれくらい反射するかを示す値であり、JIS A 5759に準拠して求めることができる。
本願発明では、日射反射率を地温上昇の指標として使用している。本出願人によれば、反射層側から照射したときの日射反射率が45%以上であれば、ポリエチレン樹脂製の黒色マルチフィルム(日射反射率4.5%)と比較して、地温上昇が3〜8℃程度抑えられることがわかっている。
なお、酸化チタンを30重量%以上添加する場合には、反射層を構成する樹脂組成物中の樹脂成分が脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂であって、脂肪族ポリエステル系樹脂を含まないものが好ましい。30重量%以上の酸化チタンを添加した場合に、脂肪族ポリエステル系樹脂を含むとフィルムにしたときの引張強度に劣る傾向にある。
なお、着色層を構成する樹脂成分は、反射層と同一の樹脂成分であってもよく、或いは異なる樹脂成分であってもよい。また、反射層と同様、着色層を構成する樹脂組成物中の樹脂成分を100重量%としたとき、脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂の含有量を90重量%以上であってもよい。
また、反射層、着色層両方に脂肪酸モノアミドを含有することが好ましく、この場合の含有量は、各層で樹脂組成物を100重量%としたとき、0.5〜0.95重量%であればよい。
例えば、酸化チタンの含有量が反射層を構成する樹脂組成物を100重量%としたとき、30重量%である場合、反射層の厚みを全厚みの60%〜90%とすると、日射反射率が45%以上となり、さらに厚みを66%以上とすると、日射反射率が50%以上となる。
脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂;PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート、BASF社製、商品名「エコフレックス」)
脂肪族ポリエステル系樹脂;PBS(ポリブチレンサクシネート、PTTMCCバイオケム社製、商品名「BioPBS FZ91」)
〔顔料〕
酸化チタン (東京インキ社製、商品名「TEP−BP−WHITE1」、ベース樹脂がPBATの含有量60質量%のマスターバッチ)
カーボンブラック (東京インキ社製、商品名「TEP−BP−BLACK1」、ベース樹脂がPBATの含有量35質量%のマスターバッチ)
なお、表1,2の配合量は、顔料のみの値に変換しており、ベース樹脂分は樹脂成分の配合量に加えている。
〔添加剤〕
脂肪酸モノアミド;
・ステアリン酸アミド(日本化成社製、商品名「アマイドAP−1」)
表1、2に示す通り、反射層、及び着色層を構成する各樹脂組成物を溶融混合してペレット化した後、インフレーション成形によって2層構造の厚み0.02mmのフィルムを成形した。
反射層及び着色層の樹脂成分として、実施例10は、各層の樹脂成分を100重量%としたとき、両層ともPBAT90重量%、PBS10重量%を含有し、比較例2は、両層ともPBAT85重量%、PBS15重量%を含有したものであり、それ以外は、PBAT100重量%とした。
また、参考例とは、着色層のみからなるフィルムである。
なお、表1,2に示す樹脂組成物の配合比は、反射層及び着色層の各層の樹脂組成物を100重量%としたときの重量%である。
太陽から放射されたエネルギーのうち、波長300〜2500nmの放射である日射をどれくらい反射するかを示す値である。JIS A 5759に準拠し、分光光度計(島津製製作所社製、商品名「UV−3600」)を用いて、反射層側から照射したときの300〜2500nmの各波長の分光反射率(%)を測定し、日射反射率(%)を求めた。
JIS K 6732に準拠して測定した引張試験において、引張速度500mm/minとしたときの引張伸度(%)を求めた。
JIS Z 0208(A法)に準拠し、高温高湿装置の温室度条件を温度25±0.5℃、相対湿度90±2%とし、吸湿剤を入れたカップに試験片をかぶせた状態で当該高温高湿装置中に入れ、適当な時間間隔でカップを取り出して秤量する操作を72時間繰り返し、その際の吸湿剤の質量増加から透湿度を求めた。
室温にて1週間放置後のフィルム表面を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○ 変化なし
× 粉が表面に吹き出している
特に、実施例10及び比較例2は、脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂であるPBATと脂肪族ポリエステル系樹脂であるPBSを併用したものであるが、PBATが90重量%以上であると、酸化チタンの含有量が多くても、引張強度に優れるフィルムが得られることを示している。
Claims (3)
- 反射層と着色層を備える生分解性樹脂フィルムであって、
前記反射層は、生分解性の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂及び酸化チタンを含む樹脂組成物からなり、かつ前記樹脂組成物中の樹脂成分を100重量%としたとき、前記脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂の含有量は90重量%以上とし、さらに前記樹脂組成物を100重量%としたとき、前記酸化チタンの含有量は20〜50重量%とし、
前記着色層は、生分解性の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂及びカーボンブラックを含む樹脂組成物からなり、
前記反射層及び前記着色層は、脂肪酸モノアミドを含み、かつ含有量は各層で樹脂組成物100重量%としたとき、0.5〜0.95重量%であり、
前記反射層側から照射したときの日射反射率が45%以上であることを特徴とする生分解性樹脂フィルム。 - 前記反射層を構成する樹脂組成物中の樹脂成分が生分解性の脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂からなり、かつ前記樹脂組成物を100重量%としたときの前記酸化チタンの含有量は30〜50重量%とし、
反射層側から照射したときの日射反射率が50%以上であることを特徴とする請求項1記載の生分解性樹脂フィルム。 - 請求項1又は2に記載の生分解性樹脂フィルムからなる農業用マルチフィルム。
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JP2017179530A JP6960290B2 (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 生分解性樹脂フィルム |
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JP2017179530A JP6960290B2 (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 生分解性樹脂フィルム |
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JP2019055485A JP2019055485A (ja) | 2019-04-11 |
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