JP4311916B2 - 耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシート - Google Patents

耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な合成樹脂を使用した各種プラスチック製品の廃棄にあたっては、焼却処分による有害ガスの発生問題があり、また、投棄された場合に長時間にわたって分解されないため、この廃棄物によって自然環境が破壊されるという問題が年々深刻化してきている。そこで近年においては、土壌中や、河川、海中に存在する微生物の作用によって、短時間で容易に分解される種々の生分解性樹脂が提案され、それらを用いた各種製品が開発され、実用化されてきている。
【0003】
農業用マルチングフィルムは、畑等の土壌の表面を覆い、野菜等の植物の生育を促進させ、また雑草の防除等に使用される農業用フィルムである。このような農業用フィルムは、野菜等が生育したり、収穫されたりすると、取除かれ破棄される。しかしながら、この破棄されたフィルムを回収するのにも多大な労力と時間とを要するため、作物等の生産コストの上昇につながり問題がある。また回収されたフィルムを処理する方法としては、焼却処分が一般的であったが、有害物質の発生による環境問題となる。そのため、回収等の労力を要さずに、使用したその場で、土に鋤込むことができ、時間と共に分解される生分解性樹脂シートを使用する必要性が生じてきている。
【0004】
また、各種大型製品等の輸出入の運搬に際して、フォークリフト等による運搬では木材パレットが使用されている。この木材パレット中には有害な害虫が潜んでいる場合が多く、そのまま木材パレットを諸外国へ搬送すると、かかる害虫を諸外国へ移住させる結果となり、その国の自然環境の破壊につながる問題を抱えている。特に、マツキボシゾウムシ、マツノキクイムシ、マツノマダラカミキリ等の甲虫である松喰い虫は、松の生育に対して多大な被害を与えるものであり、殊に日本およびアメリカから搬送される輸入製品用の木材パレットにはこのような松喰い虫が混在していることが多いと、世界各国から問題提起されており、その木材の消毒が望まれている。
【0005】
かかる害虫の駆除は、多くの場合、切出した直後の木材を野外に積み上げ、樹脂シートを被せて密閉包囲し、殺虫剤を燻蒸することにより行われている。その害虫の燻蒸は1ヶ月間以上とある程度長期間にわたるが、薬剤燻蒸処理が終了した時点で、燻蒸用シートは廃棄処分される。薬剤燻蒸は、多くの場合木材を伐採した山林等で行われることより、焼却処分されているが、今日の環境問題の要請を考慮すると、焼却処分は好ましいものではなく、したがって生分解性樹脂を用いた燻蒸用シートが採用されつつある。
【0006】
そのような農業用マルチングフィルムあるいは薬剤燻蒸シート用の生分解性樹脂として今日使用されているものは、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルおよびその誘導体である。しかしながら、脂肪族ポリエステル系の樹脂から製造された生分解性樹脂製フィルムまたはシートは、耐加水分解性が弱く、高温高湿条件下においては、フィルムまたはシートの物性が、加水分解により大幅に低下することが認められる。
【0007】
このため、長期にわたる保管が難しいものとなり、各メーカーでは生分解性樹脂フィルムまたはシートを生産した後に、即納品を行うことを原則としており、また一方、購入者に対しては、購入後なるべく早く使用するように薦めているのが現状である。したがって、生分解性樹脂製フィルムまたはシートの生産は、基本的には受注生産にならざるを得ず、即納対応が難しいほか、小ロット生産のため、生産効率が悪いものでもある。
【0008】
このような問題点を解消するために、生分解性樹脂製フィルムまたはシートをアルミ袋などにより防湿包装するなどして加水分解を押さえる試みもなされているが、コスト高になり、また余分な廃棄物を出す結果ともなる。さらに、農業用マルチングフィルムや燻蒸用シートなどは、密閉する用途においては、被覆内部が高温高湿になるため、加水分解が通常よりも早く進行し、長期にわたって密閉生を保つことは困難なものとなっている。特に薬剤燻蒸において密閉性の確保が不可欠であるが、シートの加水分解に伴う密閉効果の欠如は、燻蒸効果の低下をきたし、好ましいものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、上記の問題点に鑑み、加水分解性を押さえた生分解性樹脂製フィルムまたはシート、すなわち耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、生分解性樹脂に、分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上を有し、かつ分子量が300以上であるエポキシ化合物を、0.1〜10重量部配合したことを特徴とする耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートである。
【0011】
すなわち本発明は、生分解樹脂に対して、特定のエポキシ化合物を特定量配合することにより、生分解性樹脂製フィルムまたはシートに疎水性をもたせ、それにより耐加水分解性を向上させた点にひとつの特徴を有するものである。
【0012】
その場合に配合されるエポキシ化合物としては、特にエステル系エポキシ化合物またはエーテル系エポキシ化合物がよいことが判明した。したがって、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、配合するエポキシ化合物が、エステル系エポキシ化合物またはエーテル系エポキシ化合物である耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートである。
【0013】
さらに請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の発明において、配合されるエポキシ化合物が、グリシジルエステル化合物またはグリシジルエーテル化合物である耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートであり、より具体的な請求項4に記載の本発明は、配合されるエポキシ化合物が、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの単独重合体、またはそれらとメチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートから選択されるアクリル酸の一種以上のモノマーとの共重合体である耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートである。
【0014】
また、別の具体的な請求項5に記載の本発明は、配合するエポキシ化合物が、エポキシ化油脂類(例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油など)、エポキシ化脂肪酸エステル(例えば、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸オクチル、エポキシ化ステアリン酸エチルヘキシルなど)、エポキシ化脂肪族ポリエーテル(例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなど)から選択される1種または2種以上のエポキシ化合物である耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムまたはシートである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明で使用される生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステルおよびその誘導体を使用することができる。例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレートなどが挙げられる。これらの生分解性樹脂は、土壌中等の微生物により、一定の時間で生分解され、最終的には炭酸ガスと水とに分解される。この生分解される時間は、樹脂の分子構造等により差があり、一般的には、直鎖構造の分子の方が、短時間で分解され、側鎖構造が多くなれば生分解に要する時間が長くなる傾向にあり、成形された生分解性樹脂シートの用途を考慮して適宜設定される。
【0016】
一方、上記の生分解性樹脂に対して耐加水分解性を向上させるために配合されるエポキシ化合物は、分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有し、かつ分子量が300以上を有するエポキシ化合物である。そのようなエポキシ化合物としては、具体的には、エステル系またはエーテル系のエポキシ化合物であり、なかでも、グリシジルエステルまたはグリシジルエーテル系化合物である。より具体的には、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの単独重合体、またはそれらとメチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートから選択されるアクリル酸の一種以上のモノマーとの共重合体を挙げることができる。
【0017】
また、別の具体的エポキシ化合物としては、エポキシ化油脂類(例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油など)、エポキシ化脂肪酸エステル(例えば、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸オクチル、エポキシ化ステアリン酸エチルヘキシルなど)、エポキシ化脂肪族ポリエーテル(例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなど)を挙げることができる。
【0018】
これらのエポキシ化合物は、単独でも複数種混合して使用することもできる。これらのエポキシ化合物の配合量は、0.1〜10重量部であり、これより少ないと目的とする耐加水分解性を得ることができず、またこれより多く配合しても、耐加水分解性の更なる向上は期待できず、逆にコスト高になり好ましいものではない。
【0019】
本発明においては、生分解性樹脂に配合するエポキシ化合物として、その分子量が300以上であることが必要である。分子量が300未満であるとエポキシ化合物がフィルムまたはシートからブリードして好ましいものではない。
【0020】
本発明が提供する生分解性樹脂製フィルムまたはシートにおいては、種々の添加物を適宜配合することができる。そのような添加物としては、可塑剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、無機充填剤、有機充填剤、防曇剤、防霧剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、目的とする樹脂フィルムまたはシートの生分解性ならびに耐加水分解性を損なわない範囲内で、その種類、配合量を適宜選択、決定することができる。
【0021】
特に、本発明が提供する生分解性樹脂製フィルムまたはシートは、農業用マルチングフィルムあるいは燻蒸用シートとして野外で使用されることが多いものであることより、紫外線による分解を防止するために、紫外線吸収剤を添加しておくことが好ましい。そのような紫外線吸収剤としては、一般的に農業用樹脂フィルムまたはシートに添加される紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0022】
また、樹脂成分に配合される無機充填剤は、樹脂成分に対する熔融張力をアップさせ、フィルムまたはシートに硬さを持たせて、加工性を良好ならしめるために添加されるものである。そのような無機充填剤としては、樹脂添加物として公知のものが挙げられ、具体的には、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、長石、石英、クレー、シリカ、ハイドロタルサイトなどを挙げることができる。これらの無機充填剤は、単独でもまた2種以上を混合して使用することもできる。添加量としては、0.1〜10部程度であり、多すぎると得られるフィルムまたはシートの透明性が損なわれ、また、樹脂の溶融時の伸びが小さくなり、かえって延伸ができなくなるおそれがある。また、添加量が少ない場合には、目的とする効果を得ることができない。
【0023】
酸化防止剤は、成形加工時に熱がかかるため、その際の樹脂の分解を防止するために添加される。すなわち、加工中に熱により樹脂成分の分子切断が生じ、低分子成分が生成し、ロールへの付着するのを防止するために添加される。そのような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤などの一般的な酸化防止剤を使用することができる。酸化防止剤の添加量は、0.01〜3部程度である。添加量が多いと製品がブルームし、また少ないと効果が得られない。
【0024】
また、金属ロールとの樹脂シートとの離型性を向上するために、さらに一般的な滑剤を添加することもできる。そのような滑剤としては、樹脂組成物配合用として使用されているものであればいずれも使用することができ、例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸金属塩(金属石鹸)、リン酸エステル、ポリエチレンワックス、モンタン酸ワックス等のワックス、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等の脂肪酸エステルなどをあげることができる。これらの滑剤は2種以上を併用してもよい。
【0025】
本発明が提供する生分解性樹脂製フィルムまたはシートは、単層のフィルムまたはシート、あるいは異なる生分解性樹脂を用いた複数層の積層フィルムまたはシートとして成形することができる。例えば、薬剤燻蒸用あるいは土壌燻蒸用の生分解性樹脂製シートにあっては、該シートのバリヤー性を確保するために、少なくとも1層をガスバリヤー性に優れた生分解性樹脂層として積層させたシートが提案されている。これらの積層シートにあっては、それぞれの層を構成する生分解樹脂に耐加水分解性をもたせればよい。
【0026】
本発明が提供する生分解性樹脂製フィルムまたはシートの成形にあたっては、例えば単層のフィルムまたはシートにあっては、カレンダー法、Tダイ法等により成形することができる。また複数層のフィルムまたはシートにあっては、例えば、Tダイ共押出法およびインフレーション法等積層樹脂シートを製造する場合に採用される一般的な製造方法を使用して、製造することができる。
【0027】
かくして得られる本発明の生分解性樹脂製シートは、所望の厚みとして0.01〜0.5mm程度の厚みを有し、農業用のマルチングフィルム、あるいは土壌燻蒸用さらには木材燻蒸用のシートとして、優れた耐加水分解性と品質を有すると共に、土壌中に存在する微生物等により短期間のうちに分解されるため、そのまま自然投棄等の廃棄処分をしたとしても、自然環境に害を与えないという優れた特性を有するものである。
【0028】
特に農業用マルチングフィルムに適用するにあたっては、複数の野菜の生育が完了した時点で、フィルムの生分解が行われるようその特性を確保することも可能であり、また燻蒸用シートとしてはある程度の厚みをもったシートとして成形してこくことが好ましい。特に木材の燻蒸は、野外で1ヶ月程度をかけて燻蒸を行うことより、それに耐え得る耐加水分解性を有し、また強度的に優れたものである。なお野外で使用のため、紫外線による分解を防止しておくことも重要なことである。
【0029】
【実施例】
以下に本発明を実験例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例1〜6/比較例1〜5
下記表1中に示した樹脂配合成分を、Tダイ成形機により厚み0.1mmのシートに加工した。
得られたシートについて耐加水分解性を評価した。
その結果をまとめて表1中に示した。
【0031】
【表1】
Figure 0004311916
Figure 0004311916
【0032】
*1:ポリブチレンサクシネート:ビオノーレ#1001(昭和高分子社製)
*2:ポリブチレンサクシネートアジペート:ビオノーレ#3001(昭和高分子社製)
*3:ポリカプロラクトン:セルグリーンPH7(ダイセル化学社製)
*4:ポリブチレンアジペートテレフタレート:エコフレックス(BASF社製)
*5:グリシジルメタクリレートのホモポリマー
【0033】
*6:耐加水分解性は、シートを温度70℃/湿度95%の恒温恒湿オーブンにて2週間処理後の引張伸びを測定した(JIS K7127)
その評価基準は以下のとおりである。
◎・・・引張伸びが処理前の50%以上
○・・・引張伸びが処理前の30%以上50%未満
△・・・引張伸びが処理前の10%以上30%未満
×・・・引張伸びが処理前の10%未満
【0034】
表中に示した結果からも判明するように、本発明の生分解性樹脂製シート(実施例1〜6)は、エポキシ化合物を配合することにより、耐加水分解性が優れたものであることが理解される。これに対して比較例の生分解性樹脂製シートにあっては、エポキシ化合物を配合しないもの(比較例1〜4)では耐加水分解性が悪く、加水分解された結果、シートの物性(引張伸び)が低下していた。また、エポキシ化合物を配合してものであっても、その配合率が低いもの(比較例5)にあっても、シートの物性(引張伸び)が低下していた。
【0035】
実施例7〜10/比較例6〜7
下記表2中に示した樹脂配合成分を用い、インフレーション成形機により、外層/内層/外層からなる3層構造の厚みが0.1mmを有する生分解性樹脂シートを得た。
得られた各シートについて、耐加水分解性を評価した。それらの結果をまとめて表2中に示した。
【0036】
【表2】
Figure 0004311916
Figure 0004311916
【0037】
*1〜*6:表1と同様である。
*7:ポリビニルアルコール:ゴーセノール(日本合成化学社製)
【0038】
表2に示した結果からも判明するように、外層/内層/外層の3層の積層構造からなる本発明の生分解性樹脂製シート(ガスバリヤー性を有するシート)にあっても、エポキシ化合物を配合することにより、耐加水分解性が向上していることが理解される。
【0039】
【発明の効果】
以上記載のように、本発明により、耐加水分解性が弱い生分解性樹脂製フィルムまたはシートについて、特定のエポキシ化合物を配合することにより耐加水分解性を向上させることができる。したがって、これまで長期保存が不可能であった生分解性樹脂製フィルムまたはシートを、長期保存し得ることが可能となる利点を有する。
【0040】
長期保存が可能になることより、生分解性樹脂製フィルムまたはシートについて受注生産を行う必要はなく、必要な範囲で在庫を確保することができるため、生産効率の向上が望める利点を有する。さらに、防湿包装をする必要がないことより、製品の価格を安価に設定することもできる利点を有する。また、農業用マルチングフィルム、土壌あるいは薬剤燻蒸用のシートとして使用する場合にも、高温高湿の条件下でも長期にわたる被覆が可能となるものである。

Claims (2)

  1. 脂肪族ポリエステル系の生分解性樹脂100重量部に対して、分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有し、かつ分子量が300以上であるエポキシ化合物を0.1〜10重量部配合し、エポキシ化合物が、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートの単独重合体、またはそれらとメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートから選択される一種以上のモノマーとの共重合体であることを特徴とする耐加水分解性に優れた生分解性樹脂製フィルムに、ポリビニルアルコールからなる樹脂層を少なくとも一層積層させたことを特徴とする薬剤燻蒸用シート
  2. ポリビニルアルコールからなる樹脂層にエポキシ化合物を添加していることを特徴とする請求項1に記載の薬剤燻蒸用シート
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