JP2003320620A - 生分解性樹脂製シート - Google Patents

生分解性樹脂製シート

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JP2003320620A
JP2003320620A JP2002131246A JP2002131246A JP2003320620A JP 2003320620 A JP2003320620 A JP 2003320620A JP 2002131246 A JP2002131246 A JP 2002131246A JP 2002131246 A JP2002131246 A JP 2002131246A JP 2003320620 A JP2003320620 A JP 2003320620A
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Shuhei Fukuda
周平 福田
Minoru Murata
稔 村田
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Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農業用マルチフィルム、あるいは
木材燻蒸用、土壌燻蒸用等の生分解性樹脂シートであ
り、ガスバリヤー性に優れた生分解性樹脂製フィルムま
たはシートを提供すること。 【解決手段】 2層以上の積層構造を有する
生分解性樹脂性フィルムまたはシートにおいて、少なく
とも1層が酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂か
らなり、少なくとも1層が生分解性樹脂層が酸素ガス透
過係数が5より大きい生分解性樹脂からなる、ガスバリ
ヤー性を有することを特徴とする生分解性樹脂製フィル
ムまたはシートであり、酸素ガス透過係数が5以上の生
分解性樹脂層の総厚Aと他の生分解性樹脂層の総厚Bと
の比が、1/25≦A/B≦1である生分解性樹脂製フ
ィルムまたはシートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性の樹脂を
使用したシート、殊に木材の害虫燻蒸用のカバーシート
として好ましく使用されるガスバリヤー性を有する生分
解性樹脂製シートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な合成樹脂を使用した各種プラス
チック製品の廃棄にあたっては、焼却処分による有害ガ
スの発生問題があり、また、投棄された場合に長時間に
わたって分解されないため、この廃棄物によって自然環
境が破壊されるという問題が年々深刻化してきている。
そこで近年においては、土壌中や水中に存在する微生物
の作用によって、短時間で容易に分解される種々の生分
解性樹脂が提案され、それらを用いた各種製品が開発さ
れ、実用化されつつある。
【0003】農業用マルチングフィルムは、畑等の土壌
の表面を覆い、植物の発育を促進させたり、雑草の防除
等に使用されたり、また土壌燻蒸用に使用される農業用
フィルムである。このようなフィルムは、野菜等が発育
され、収穫された後、取除かれ破棄される。しかし、こ
の破棄されたフィルムを回収するのに多大な労力と時間
を要するので、作物等の生産コストの上昇にもつなが
り、問題がある。また、回収されたフィルムを処理する
方法としては、焼却処分が一般的であったが、ダイオキ
シン等の発生の環境問題となる。そのため、回収等の労
力を要さず、使用したその場で土に鍬込むことができ
て、時間と共に分解される生分解性樹脂シート(フィル
ム)を使用することが検討されてきている。
【0004】また、各種大型製品等の輸出入の運搬に際
して、フォークリフトによる運搬では木材パレットが使
用されている。この木材パレット中に有害な害虫が潜ん
でいる場合が多く、そのまま木材パレットを諸外国へ搬
送すると、かかる害虫を諸外国へ移住させる結果とな
り、その国の自然環境の破壊につながる問題を抱えてい
る。特に、マツキボシゾウムシ、マツノキクイムシ、マ
ツノマダラカミキリ等の甲虫である松喰い虫は、松の生
育に対して多大な被害を与えるものであり、殊に日本お
よびアメリカから搬送される輸入製品用の木材パレット
にこのような松喰い虫が混在していることが多いと、世
界各国から問題提起されており、その木材の消毒が望ま
れている。
【0005】かかる害虫の駆除は、多くの場合、切出し
た直後の木材を野外に積み上げ、樹脂シートを被せて密
閉包囲し、殺虫剤を燻蒸することにより行われている。
その害虫の燻蒸は、1ヶ月間以上とある程度長期間にわ
たるが、薬剤燻蒸が終了した時点で、燻蒸用シートは廃
棄処分される。薬剤燻蒸は多くの場合材木を伐採した山
林等で行われることより、焼却処分されているが、今日
の環境問題の要請を考慮すると、焼却処分は好ましいも
のではなく、したがって生分解性樹脂を用いた燻蒸用シ
ートが採用されつつある。
【0006】しかしながら、これまで提案されている農
業用マルチングフィルム、薬剤燻蒸用あるいは土壌燻蒸
用等の生分解性樹脂シートは、ガスバリヤー性に乏しい
ものであり、保温効果が劣り植物成育に支障をきたした
り、長期間にわたる燻蒸中に薬剤が容易に揮散したりし
てしまうなど、目的とする燻蒸効果が得られていないの
が現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
上記の問題を解決するものであり、農業用マルチフィル
ム、あるいは木材燻蒸用、土壌燻蒸用の生分解性樹脂シ
ートでありながら、ガスバリヤー性を有する生分解性樹
脂製シートを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者らは鋭意検討を行った結果、従来のガス
バリヤー性に乏しい生分解性樹脂層に加え、ガスバリヤ
ー性に優れた生分解性樹脂層を積層させて複合化した場
合には、得られた複合化した樹脂シートは生分解性を損
なわないものであり、さらに、樹脂シートのガスバリヤ
ー性が著しく改善されることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0009】したがって、上記の課題を解決するため
の、請求項1に記載の本発明は、2層以上の積層構造を
有する生分解性樹脂性フィルムまたはシートにおいて、
少なくとも1層が酸素ガス透過係数が5以下の生分解性
樹脂からなり、少なくとも1層が生分解性樹脂層が酸素
ガス透過係数が5より大きい生分解性樹脂からなる、ガ
スバリヤー性を有することを特徴とする生分解性樹脂製
フィルムまたはシートである。
【0010】また、請求項2に記載の本発明は、請求項
1に記載の発明において、酸素ガス透過係数が5以下の
生分解性樹脂層の総厚Aと他の生分解性樹脂層の総厚B
との比が、1/25≦A/B≦1であるガスバリヤー性
を有する生分解性樹脂製フィルムまたはシートである。
【0011】すなわち、本発明が提供する生分解性樹脂
製フィルムまたはシートは、例えば、酸素ガス透過係数
が5より大きい生分解性樹脂層の少なくとも片面に酸素
ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂層を積層した2層
構造、または3層構造の生分解性樹脂製フィルムまたは
シートや、酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂層
の両面に、酸素ガス透過係数が5より大きい生分解性樹
脂層を設ける等の層構造の生分解性樹脂製フィルムやシ
ート等である。
【0012】したがって、本発明の生分解性樹脂製フィ
ルムやシートにおいては、多層構造であり、その層のう
ち少なくとも1層が酸素ガス透過係数が5以下の生分解
性樹脂層からなり、他の層は、酸素ガス透過係数が5よ
り大きい生分解性樹脂層である。
【0013】酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂
層のみからなるフィルムやシートは、全体的に堅くなっ
てしまい、農業用マルチングフィルムや、燻蒸用のシー
トとして使用できないものとなってしまうため、本発明
においては、酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂
層と、酸素ガス透過係数が5より大きい生分解性樹脂層
を少なくとも1層ずつ有する必要がある。
【0014】フィルムまたはシートの使用目的にあった
柔軟性を考慮すると、シートまたはフィルム全体の厚み
において、酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂層
の層厚Aと、酸素ガス透過係数が5より大きい生分解性
樹脂層の層厚Bとの比が、1/25≦A/B≦1である
ことが好ましい。
【0015】さらに、請求項3に記載の本発明は、請求
項1または2に記載の発明において、酸素ガス透過係数
が5以下の生分解性樹脂層が、ポリビニルアルコール、
ポリヒドロキシブチレートまたはポリブチレンサクシネ
ートテレフタレートからなるものであるガスバリヤー性
を有する生分解性樹脂製シートである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用している酸素ガス透
過係数とは、JIS−K−7126のA法によりシート
を測定し、1mm換算値により酸素ガス透過係数(cc
・mm/m/24h・atm)を得たものである。
【0017】本発明で使用される酸素ガス透過係数が5
より大きい生分解性樹脂層として使用される生分解性樹
脂としては、従来から一般的に使用されている生分解性
樹脂を使用することができる。これらの樹脂からなるシ
ートは生分解性には優れるが、ガスバリヤー性に乏しい
ものであり、脂肪族ポリエステルおよびその誘導体を使
用することができ、例えば、1,4−ブタンジオールと
コハク酸の共重合体であるポリブチレンサクシネート
(例えば、ビオノーレ#1001:昭和高分子社製)、
1,4−ブタンジオールとアジピン酸とテレフタル酸の
共重合体であるポリブチレンアジペートテレフタレート
(例えば、エコフレックス:BASF社製)、1,4−
ブタンジオールとコハク酸とアジピン酸の共重合体であ
るポリブチレンサクシネートアジペート(例えば、ビオ
ノーレ#3001:昭和高分子社製)、ε−カプロラク
トンの開環重合体であるポリカプロラクトン(例えば、
セルグリーンPH7:ダイセル化学工業社製)、ポリ乳
酸、ポリヒドロキシ酪酸等が挙げられる。これらの生分
解性樹脂は、土壌中等の微生物により、一定の時間で生
分解され、最終的には炭酸ガスと水に分解される。この
生分解される時間は、樹脂の分子構造等により差があ
り、一般的には直鎖構造の分子の方が短時間で分解さ
れ、側鎖構造が多くなれば生分解に要する時間が長くな
る傾向にあり、成形された生分解性樹脂製シートの用途
等を考慮して適宜選択される。
【0018】本発明における酸素ガス透過係数が5以下
の生分解性樹脂層を形成する生分解性樹脂としては、具
体的には、ポリ酢酸ビニルのケン化物であるポリビニル
アルコール(例えば、ゴーセノール:日本合成化学社
製)、ポリヒドロキシブチレート(例えば、ビオグリー
ン:三菱ガス化学社製)または1,4−ブタンジオール
とコハク酸とテレフタル酸の共重合体であるポリブチレ
ンサクシネートテレフタレート(例えば、バイオマック
ス:デュポン社製)等を挙げることができる。また、酸
素ガス透過係数が5を超える樹脂と、前記の生分解性樹
脂との混合等により、酸素ガス透過係数が5以下の生分
解性樹脂としてもよい。
【0019】本発明が提供する生分解性樹脂フィルムま
たはシートにおいては、少なくとも1層の酸素ガス透過
係数が5以下の生分解性樹脂層を設けることにより、ガ
スバリヤー性に優れたものとなる。この酸素ガス透過係
数が5を超えた生分解性樹脂層のみでシートを構成して
しまうと、得られた生分解性樹脂製フィルムまたはシー
トは、ガスバリヤー性に乏しく、農業用として使用した
場合には保湿性等に問題が生じ、植物の生育に障害があ
るものとなってしまい、また、燻蒸用として使用した場
合には、薬剤等がシートを通して外部に逃散してしまい
好もしくない。
【0020】また、酸素ガス透過係数が5以下の生分解
性樹脂は、酸素ガス透過係数が5を越える生分解性樹脂
に比較して硬いため、生分解性樹脂製フィルムまたはシ
ートの用途や成形性を考慮すると、シートまたはフィル
ム全体の厚みにおいて、酸素ガス透過係数が5以下の生
分解性樹脂の層厚Aと、酸素ガス透過係数が5より大き
い生分解性樹脂層の層厚Bとの比が、1/25≦A/B
≦1であることが好ましい。
【0021】A/Bが1/25未満であると、酸素ガス
透過係数が5以下の生分解性樹脂層がシート全体に占め
る割合が薄くなり、ガスバリヤー性に問題が生じる。ま
た、2層構造や3層構造の外層として酸素ガス透過係数
が5以下の生分解性樹脂層を使用した場合には、使用時
の表面の傷等により、ガスバリヤー性が損なわれる可能
性があり好ましくない。また、A/Bが1/1より大き
くなってしまうと、シートの成形性が低下すると共に、
使用時に破損等が発生する可能性が大きくなり好ましく
ない。
【0022】本発明が提供する生分解性樹脂製シートに
おいては、その生分解性を損なわない範囲で種々の添加
物を適宜配合することができる。そのような添加物とし
ては、無機充填剤、有機充填剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、防曇剤、帯電防止剤、光
安定剤等をあげることができる。これらの添加剤は、目
的とする樹脂シートの生分解性を損なわない範囲内で、
その種類、配合量を適宜選択することができる。
【0023】特に、本発明が提供する生分解性樹脂製シ
ートは農業用マルチングフィルムあるいは燻蒸用シート
として野外で使用されることが多いものであることよ
り、紫外線による分解を防止するために、紫外線吸収剤
を添加しておくことが好ましい。そのような紫外線吸収
剤は、一般的に農業用樹脂シートとして添加される紫外
線吸収剤をあげることができる。
【0024】また樹脂成分に配合される無機充填剤は、
樹脂成分に対する溶融張力をアップさせ、シートに固さ
を持たせて加工性を良好ならしめるために添加されるも
のである。そのような無機充填剤としては、樹脂添加物
として公知のものがあげられ、具体的には、炭酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、マイカ、タルク、カオリン、長石、石英、ク
レー、シリカ、ハイドロタルサイトなどをあげることが
できる。これらの無機充填剤は、単独でもまた2種以上
を混合して使用することもできる。添加量としては、
0.1〜10部程度であり、多すぎると得られるシート
の透明性が損なわれ、また、樹脂の溶融時の伸びが小さ
くなり、かえって延伸ができなくなる恐れがある。ま
た、添加量が少ない場合には、目的とする効果を得るこ
とができない。
【0025】酸化防止剤は、加工時に熱がかかるため、
その際の樹脂の分解を防止するために添加される。すな
わち、加工中に熱により樹脂成分の分子切断が生じ、低
分子成分が生成し、ロールへの付着するのを防止するた
めに添加される。そのような酸化防止剤としては、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化
防止剤などの一般的な酸化防止剤を使用することができ
る。酸化防止剤の添加量は、0.01〜3部程度であ
る。添加量が多いと製品がブルームし、また少ないと効
果が得られない。
【0026】また、金属ロールとの樹脂シートとの離型
性を向上するために、さらに一般的な滑剤を添加するこ
ともできる。そのような滑剤としては、樹脂組成物配合
用として使用されているものであればいずれも使用する
ことができ、例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸ナ
トリウムなどの脂肪酸金属塩(金属石鹸)、リン酸エス
テル、ポリエチレンワックス、モンタン酸ワックス等の
ワックス、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸
アミド等の脂肪酸アミド、グリセリンモノステアレー
ト、ソルビタンモノオレート等の脂肪酸エステルなどを
あげることができる。これらの滑剤は2種以上を併用し
てもよい。
【0027】本発明が提供する生分解性樹脂製シートを
成形するにあたっては、例えば、共押出法およびインフ
レーション法等、積層樹脂シートを製造する場合に採用
される一般的な製造方法を使用して、製造することがで
きる。
【0028】かくして得られる本発明の生分解性樹脂製
シートは、所望の厚みとして0.01〜0.5mm程度
の厚みを有し、農業用のマルチフィルム、あるいは土壌
燻蒸用さらには木材燻蒸用のシートとして、優れたガス
バリヤー性と品質を有すると共に、土壌中に存在する微
生物等により短期間のうちに分解されるため、そのまま
自然投棄等の廃棄処分をしたとしても、自然環境に害を
与えないという優れた特性を有するものである。
【0029】特に農業用マルチングフィルムに適用する
にあたっては、複数の野菜の生育が完了した時点で、フ
ィルムの生分解が行われるようその特性を確保すること
も可能であり、また燻蒸用シートとしてはある程度の厚
みをもったシートとして成形してこくことが好ましい。
特に木材の燻蒸は、野外で1ヶ月程度をかけて燻蒸を行
うことより、それに耐え得る強度と共に、野外で使用の
ため紫外線による分解を防止しておくことも重要なこと
である。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実験例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら例に限定されるものではな
い。
【0031】実験例1〜5 下記表1中に示した樹脂配合成分を用い、インフレーシ
ョン成形機により、外層/内層/外層からなる3層構造
の厚みが0.1mmを有する生分解性樹脂シートを得
た。得られた各シートについて、ガス透過性試験および
生分解性を評価した。それらの結果をまとめて表1中に
示した。
【0032】
【表1】
【0033】*1:ポリビニルアルコール:ゴーセノー
ル(日本合成化学社製) *2:ナイロン−6:UBEナイロン1022(宇部興
産社製) *3:ポリブチレンサクシネート:ビオノーレ#100
1(昭和高分子社製) *4:ポリカプロラクトン:セルグリーンPH7(ダイ
セル化学工業社製) *5:ポリブチレンアジペートテレフタレート:エコフ
レックス(BASF社製)
【0034】*6:ガス透過性試験 酸素ガス透過係数(cc・mm/m/24h・at
m)をJIS−K−7126のA法により評価した。 ○:酸素ガス透過度 5以下 ×:酸素ガス透過度 5を超える
【0035】*7:生分解性試験 10cm×10cmの試料シートを土中に埋設し、試料
シートの重量の減少を評価した。 ○:1年埋設後、重量減少が50%以上 ×:1年埋設後、重量減少が50%未満
【0036】実験例6〜13 下記表2中に示した樹脂配合成分を、実験例1〜5と同
様にして、0.1mm厚のフィルムに成形した。なお、
実験例6〜10は、従来の生分解性樹脂からなる単層シ
ートであり、実験例11、12は外層/内層/外層から
なる3層構造の厚みを変化させたものであり、また実験
例13は外層としてナイロン樹脂層を積層させたもので
ある。得られた各シートについて、ガス透過性試験およ
び生分解性を評価した。それらの結果をまとめて表2中
に示した。
【0037】
【表2】
【0038】*1〜*7:表1と同様である。
【0039】表1および表2に示した結果からも判明す
るように、本発明の生分解性樹脂シートは、良好なガス
バリヤー性と生分解性を示しているのが理解される。こ
れに対し、実験例6〜10の従来の生分解性樹脂シート
では、生分解性はあるものの、ガスバリヤー性が欠如し
た。また、外層/内層/外層の層厚比が1/1/1であ
る実験例11では、目的とする樹脂シートの成形ができ
ないものであり、外層/内層/外層の層厚比が1/80
/1である実験例12では、生分解性については問題な
かったが、ガスバリヤー性については、実験例6〜10
と比較して優れたものであったが、シートとしての酸素
ガス透過係数が5を超えるものとなっており、多少問題
があった。また、表面を布で擦って小さな傷を付けると
さらにガスバリヤー性が低下してしまった。さらに、外
層としてナイロン層を積層させた実験例13の樹脂シー
トは、ガスバリヤー性はあるものの、生分解性を示さな
かった。
【0040】実施例14〜18 下記表3中に示した樹脂配合成分を用い、インフレーシ
ョン成形機により、外層/内層からなる2層構造の厚み
が0.1mmを有する生分解性樹脂シートを得た。得ら
れた各シートについて、実験例1〜5と同様に、ガス透
過性試験および生分解性を評価した。それらの結果をま
とめて表3中に示した。
【0041】
【表3】表3
【0042】*1〜*7:表1と同様である。
【0043】表3中の結果からも判明するうに、外層/
内層の2層構造を有する本発明の樹脂シートにあって
も、良好なガスバリヤー性と生分解性が得られているこ
とが理解される。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明が提供する生分解
性樹脂フィルムまたはシートは、従来のガスバリヤー性
に乏しい生分解性樹脂層に加え、ガスバリヤー性に優れ
た生分解性樹脂層を積層させて複合化した生分解性樹脂
フィルムまたはシートであり、これまでの生分解性樹脂
フィルムまたはシートでは得られないガスバリヤー性が
確保されている。
【0045】したがって、農業用マルチフィルムとし
て、あるいは木材燻蒸用、土壌燻蒸用の生分解性樹脂シ
ートとして、木材燻蒸時あるいは土壌燻蒸時において薬
剤の昇華、逃散を防止し得る点で、極めて優れた効果を
発揮する。さらに、その生分解性も良好なものであり、
焼却処分による有害ガスの発生がない、地球環境に優し
い樹脂フィルムまたはシートが提供される利点を有して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B024 DB01 2B121 CA13 EA25 EA30 FA16 4F100 AK01A AK01B AK21A AK41A AK48 BA02 BA07 JC00A JC00B JD02 JD03A JD03B JL00 YY00A YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層以上の積層構造を有する生分解性樹
    脂性フィルムまたはシートにおいて、少なくとも1層が
    酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹脂からなり、少
    なくとも1層が生分解性樹脂層が酸素ガス透過係数が5
    より大きい生分解性樹脂からなる、ガスバリヤー性を有
    することを特徴とする生分解性樹脂製フィルムまたはシ
    ート。
  2. 【請求項2】 酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹
    脂層の総厚Aと他の生分解性樹脂層の総厚Bとの比が、
    1/25≦A/B≦1であることを特徴とする請求項1
    記載の生分解性樹脂製フィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】 酸素ガス透過係数が5以下の生分解性樹
    脂が、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシブチレー
    トまたはポリプチレンサクシネートテレフタレートであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の生分解性樹
    脂製フィルムまたはシート。
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