JP6958834B2 - 状態評価装置用の標準試験体 - Google Patents
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Description
特許文献1には、検査対象物の表面をハンマーで打撃した際に発生する打音をマイクを用いて検出し、マイクからの信号に基づいて打音検出波形を生成し、打音検出波形に発生する1周期分の波形の振幅に基づいて検査対象物の状態を評価する検査対象物の状態評価装置が提案されている。
打音検出波形の振幅がばらつくと、同一の検査対象物であっても、状態評価装置によって状態の評価結果にばらつきが生じる不利がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上で有利な状態評価装置用の標準試験体を提供することにある。
本発明は、前記保持部は、貫通孔を有する筒状の本体部材で形成され、前記被打撃板の周囲全周は前記本体部で保持されて前記貫通孔は前記被打撃板で閉塞され、前記空間は、前記貫通孔で形成されていることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板は、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部に取り付けられ、前記被打撃板の裏面が前記本体部材の端部に合わされる面または前記被打撃板に合わされる前記本体部材の端部の面の少なくとも一方は、平坦面で形成されていることを特徴とする。
本発明は、前記貫通孔の内周面で前記貫通孔の軸心方向における端部寄りの箇所に、前記内周面の全周に延在するフランジが設けられ、前記被打撃板は、その外周部が前記フランジに保持されて前記貫通孔の内部に配置され、前記被打撃板の前記被打撃面と、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部の面とは、同一面上に位置していることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板は、その外周部が前記貫通孔の内周面に埋め込まれて配置され、前記被打撃面は、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部の面よりも窪んだ箇所に位置していることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板は、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部に位置し、前記被打撃板と前記本体部材とは一体成形されていることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板は、前記保持部に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板はガラスで構成されていることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板は金属材料で構成されていることを特徴とする。
本発明は、前記被打撃板は合成樹脂で構成されていることを特徴とする。
そのため、標準試験体を打撃した際の打音検出波形を利用して状態評価装置による検査対象物の評価を行なうことにより、状態評価装置毎のばらつきの影響を抑制できるため、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上で有利となる。
本発明によれば、保持部を簡単に構成できコストの低減を図る上で有利となる。
本発明によれば、被打撃板と筒状部材との間に隙間が生じにくく、被打撃板と筒状部材との取り付けを強固に行なう上で有利となるため、ハンマーで打撃目標を打撃した際に発生する打音のばらつきが抑制されるため、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上でより有利となる。
本発明によれば、標準試験体のコンパクト化、ハンマーを打撃目標に位置決めする操作を円滑に行なう上で有利となる。
本発明によれば、被打撃板の保護を図る上で有利となる。
本発明によれば、コスト低減を図る上で有利となる。
本発明によれば、検査対象物の材料あるいは厚さに対応した被打撃板を選択して本体部に取り付けることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の標準試験体が適用される検査対象物の状態評価装置(以下、状態評価装置という)について説明する。
本実施の形態では、状態評価装置が、検査対象物である建物外面部の状態、すなわち、タイルなどの外装材の浮きや剥がれなどの接着状態を評価する場合について説明する。
なお、本明細書において、検査対象物とは建物や構造物であり、検査対象物が建物であった場合、検査対象物は、建物外面部の他、例えば、室内の床、天井、壁面、室内のコンクリート躯体などを広く含むものである。
また、本明細書において建物外面とは、建物の最も外側に位置する建物の外面をいい、建物外面部とは、タイルやモルタルなどの外装材が設けられていない場合には、建物外面に加え、この建物外面近くの内部の状態を含むものとする。また、建物外面部とは、タイルやモルタルなどの外装材が設けられている場合には、外装材の表面に加え、外装材の表面の内側の外装材部分や外装材の内側の建物躯体の表面や表面近くの内部を含むものとする。
検出ユニット12は、作業者が把持して状態を評価すべき外装材2の表面に当て付けて使用されるものであり、本体ユニット14は、検出ユニット12で検出された打音や振動を表す信号に基づいて外装材2の状態を評価するものである。
検出ユニット12と本体ユニット14とは、前記の信号を伝送する不図示のケーブルによって接続されている。
筐体16は、矩形状の底壁1602と、底壁1602の四辺から起立する4つの側壁1604、1606、1608、1610と、4つの側壁1604、1606、1608、1610の上部を接続する上壁1612とを備えている。
底壁1602には後述するハンマー20が出没する開口1620が設けられている。
3個のローラ18A、18B、18Cのうち、2個のローラ18A、18Bは、底壁1602の対向する一対の端面に回転可能に取着され、同軸上に配置されている。
残りの1個のローラ18Cは、側壁1608の下部に金具17を介して回転可能に取着され、平面視したときにローラ18Cは、2個のローラ18A、18Bの軸線と平行する軸線上に配置されている。
そして、3個のローラ18A、18B、18Cは、それら3個のローラ18A、18B、18Cの外周面が外装材2の表面に当接された状態で底壁1602の下面と外装材2の表面とが一定の間隔をおいて互いに平行するように設けられている。
本実施の形態では、アクチュエータ22としてソレノイド22Aを用いている。
ソレノイド22Aは、筐体16の内部に配置され1つの側壁1606に取着されている。
ソレノイド22Aは、コイルを備えるソレノイド本体2202、3個のローラ18A、18B、18Cが外装材2の表面に当接された状態で外装材2の表面と直交する方向に移動可能に設けられたプランジャ2204とを備えている。
プランジャ2204は、コイルに駆動電力が供給されることでソレノイド本体2202から突出する突出位置に移動され、駆動電力の供給が停止されることでソレノイド本体2202に没入する没入位置に移動されるように構成されている。
図3、図4に示すように、ハンマー20は、プランジャ2204の下端に設けられ、プランジャ2204の移動により底壁1602の開口1620を介して出没する。
3個のローラ18A、18B、18Cの外周面が外装材2の表面に当接された状態で、プランジャ2204が突出位置に移動することでハンマー20が外装材2の表面を打撃し、プランジャ2204が没入位置に移動することでハンマー20が外装材2の表面から離間する。
図2、図3、図4に示すように、第1マイク24Aは、底壁1602の下面に取着され、第2マイク24Bは、側壁1610の外面の下部に防振ゴム23を介して取着されている。
本実施の形態では、第1マイク24A、第2マイク24Bの2つのマイクを備える場合について説明するがマイクの数は1つでも3つ以上であってもよい。
打撃力センサ26は、ハンマー20に取着され、ハンマー20の外装材2への打撃によって発生するハンマー20の振動を検出して振動に対応する検出信号を生成するものである。このような打撃力センサ26として圧電センサなど従来公知の様々なセンサが使用可能である。
操作部32は、作業者によって操作されることで駆動部30に対してコイルへの駆動電力の供給を指示するものであり、押しボタンスイッチなどにより構成されている。
調整部34は、駆動部30を制御してハンマー20に与える駆動力を調節するものである。
本実施の形態では、調整部34は、作業者によって操作されることでソレノイド本体2202のコイルに供給する駆動電力の電圧を増減するものであり、例えば、回転ボリューム(可変抵抗器)などにより構成されている。
このようにハンマー20に与える駆動力を調節可能とすることで、検査対象物の状態や材料に応じて適切な音圧の打音が得られるようにハンマー20の打撃力を調整でき、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上で有利となるように図られている。
なお、本実施の形態では、検出回路36が第1マイク24Aおよび第2マイク24Bで検出された検出信号によって打音検出波形を生成する場合について説明するが、第1マイク24Aおよび第2マイク24Bの何れか一方のみを用いてもよい。しかしながら、本実施の形態のように2つのマイクを用いて検出信号を生成すると打音を確実に検出する上で有利となる。
また、マイクの数は1つであっても3つ以上であってもよい。
なお、第1の波形は、その振幅が大きいほど、振幅の値、あるいは、波長の値を正確に計測する上で有利となる。したがって、本実施の形態では、打音検出波形のうち最初に発生する1周期分の波形が2番目以降の波形に比較して振幅が大きく、そのため、打音検出波形のうち最初に発生する1周期分の波形を第1の波形とした場合について説明する。
しかしながら、第1マイク24A、第2マイク24B、検出回路36の特性、検出時の環境、あるいは、検査対象物の状態などの諸条件によっては、打音検出波形のうち2番目以降に発生する波形が最も振幅が大きなものとなる場合がある。
したがって、その場合は、2番目以降に発生する振幅が最も大きくなる波形を第1の波形とすればよい。
なお、本実施の形態では、第1の波形の振幅は、第1の波形の最大値と最小値との差分の絶対値とした。しかしながら、第1の波形の振幅は、振幅の基準値(0V)を基準として第1の波形の1周期のうち前半の波形のピーク値(極値)の絶対値としてもよく、あるいは、第1の波形の1周期のうち後半の波形のピーク値(極値)の絶対値としてもよい。
本実施の形態では、打撃力検出波形のうち最初に発生する1周期分の波形を第2の波形とする。
振幅値検出部44は、打撃力波形サンプリング部42から供給される打撃力検出波形に基づいて前記の基準時刻を決定する。
振幅値検出部44による第1の波形の振幅値の検出は、サンプリング部40によりサンプリングされた波形データのうち基準時刻よりも前の時点からサンプリングされた波形データに基づいてなされる。
このようにすることで、第1の波形を正確に得ることができ、外装材2の状態の診断を正確に行なう上で有利となるように図られている。
すなわち、作業者が状態評価装置10を用いて標準試験体54Aの打撃目標5408をハンマー20で打撃して振幅値検出部44で振幅値を検出する操作を複数回繰り返することで、複数の振幅値を得られる。
基準振幅値決定部48は、得られた複数の振幅値の平均値を算出し、平均値を基準振幅値として決定する。
このようにハンマー20により標準試験体54Aを打撃して振幅値の検出を複数回行なうことで得られた複数の振幅値の平均値を基準振幅値として決定するようにしたので、基準振幅値の精度の向上を図れることから、正規化振幅値をより正確に得ることができ、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上でより有利となるように図られている。
正規化振幅値を用いる理由は以下の通りである。
状態評価装置10を構成するマイクは、感度に個体差があり、同一音圧の打音を検出しても出力する検出信号の大きさにばらつきがある。
そこで、振幅値検出部44で検出された振幅値を、基準振幅値で除した正規化振幅値を求めると、マイクの感度のばらつきの影響を受けることなく、同一音圧の打音を検出すると同一の正規化振幅値を得ることができる。
詳細に説明すると、評価部50は、正規化振幅値と予め定められた第1のしきい値との比較結果に基づいて検査対象物すなわち外装材2の内側の剥離の有無を判定する。
したがって、外装材2の剥離の有無を簡単かつ確実に判定する上で有利となっている。
図5は、外装材2の状態と外装材2の打音の音圧との関係を示す線図であり、言い換えると打音検出波形を示す。図5において、横軸は外装材2をハンマー20で打撃してからの経過時間(μs)を示し、縦軸は打音の音圧(Pa)を示す。
ハンマー20で打撃する外装材2の箇所として以下の4箇所を選んでいる。
なお、本明細書において、外装材2の健全部とは建物躯体に対する外装材2の接着状態が良好で剥離が無い部分を示し、外装材2の剥離部とは外装材2が部分的に建物躯体から剥離した部分を示す。
a:健全部
b:健全部きわ(健全部のうち外装材2が建物躯体から剥離した剥離部に近接した部分)
c:剥離部きわ(剥離部のうち健全部に近接した部分)
d:剥離部
図5から明らかなように、a健全部、b健全部きわの打音検出波形の振幅に対して、c剥離部きわ、d剥離部の打音検出波形の振幅が大きな値となっていることがわかる。
このような知見から第1の波形の振幅に対応する正規化振幅値と予め定められた第1のしきい値との比較結果に基づいて外装材2の剥離の有無を判定することが可能となる。
なお、第1のしきい値は、図5のように、外装材2の接着状態、言い換えると、外装材2の剥離の有無のそれぞれに対応した正規化振幅値を求め、外装材2の剥離を確実に判定するに足る第1のしきい値を設定すればよい。
あるいは、外装材2の健全部において正規化振幅値を求め、その正規化振幅値に予め定められた定数を乗算しあるいは定数を加算するなどして第1のしきい値を設定すればよい。
すなわち、何らかの原因によってハンマー20による外装材2の表面に対する打撃がなされなかった場合(空打ち)か、打撃が不十分であった場合には、外装材2の状態の評価を中止することで、外装材2の状態の評価を正確に行なう上で有利となる。
なお、第2のしきい値は、ハンマー20により外装材2の表面を打撃した場合と、空打ちした場合とのそれぞれで検出された打撃力検出波形の振幅を実測し、外装材2に対して正確に打撃がなされた状態と、空打ちあるいは不十分な打撃がなされた状態とを確実に判定するに足る第2のしきい値を設定すればよい。
出力部52として以下のものが例示される。
判定結果を表示するディスプレイ装置。
判定結果を印刷媒体に印刷するプリンタ装置。
判定結果を記録媒体に記録する記録装置。
判定結果を回線を介して各種端末装置やデータロガーに送信する通信装置。
コンピュータは、CPU、ROM、RAM、ハードディスク装置、キーボード、マウス、ディスプレイ装置、入出力インターフェースなどを有している。
ROMは所定の制御プログラムなどを格納し、RAMはワーキングエリアを提供するものである。
ハードディスク装置は、振幅値検出部44、正規化振幅値算出部46、基準振幅値決定部48、評価部50を実現するための制御プログラムを格納している。
キーボードおよびマウスは、操作者による操作入力を受け付けるものである。
ディスプレイ装置は、画像を表示するものであり、例えば、液晶表示装置などで構成される。ディスプレイ装置は出力部52として機能させることができる。
図6(A)、(B)に示すように、標準試験体54Aは、保持部55と、被打撃板58とを備えている。
被打撃板58は、ハンマー20で打撃される被打撃面5802とその反対に位置する裏面5804とを有している。
保持部55は、被打撃板58の周囲全周を保持すると共に、被打撃板58を保持した状態で、裏面5804で被打撃板58の周囲の内側部分の全域に対向する空間Sを確保するものである。
本実施の形態では、保持部55は、孔60を有する筒状の本体部材56で形成されている。
被打撃板58は、孔60の軸心方向における本体部材56の上端に取り付けられている。
被打撃板58の周囲全周は、本体部材56の上面で保持され、孔60の上部は被打撃板58で閉塞され、空間Sは、孔60で形成されている。
被打撃板58の裏面が本体部材56の端部に合わされる面または被打撃板58に合わされる本体部材56の端部の面の少なくとも一方は、平坦面で形成されている。
本実施の形態では、本体部材56は円筒状を呈し、孔60は均一内径の内周面で形成され、本体部材56の外周面の軸心と孔60の軸心とが一致している。
また、本体部材56の軸心方向の一方の端部である上面5602は平坦面で形成されている。
本実施の形態では、本体部材56は、外径が300mm、軸心方向に沿った厚さが60mmであり、孔60の直径は160mmである。
本実施の形態では、本体部材56の材料としてコンクリートを用いたが、本体部材56の材料として金属材料、合成樹脂材料など従来公知の様々なソリッドな材料(固体材料)が使用可能である。
本実施の形態では、被打撃板58は、本体部材56と同一の外径で厚さが10mmの円板状を呈している。
被打撃板58の被打撃面5802および裏面5804の双方は平坦面で形成されている。
本実施の形態では、被打撃板58は、被打撃面5802の中心と孔60の軸心とを一致させた状態で、裏面5804が接着剤によって上面5602に接着されることで本体部材56に取り付けられている。
なお、裏面5804のうち孔60に対面する部分を除く全域が隙間なく上面5602に接着剤で接着され被打撃板58と上面5602との取り付けが強固になされていることが、ハンマー20の打撃によって発生する打音のばらつきを抑制する上で好ましい。
また、接着剤としてエポキシ系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、変成シリコーン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ゴム系接着剤など従来公知の様々な接着剤が使用可能である。
孔60の中心軸と被打撃面5802とが交差する点がハンマー20の打撃目標62とされ、打撃目標62と被打撃板58の中心点とが一致している。
本実施の形態では、被打撃面5802に互いに直交する直線CL1、CL2が表示され、直線CL1、CL2の交点によって打撃目標62が示されている。
なお、被打撃板58の厚さは、検査対象物であるタイルの厚さと同一寸法かほぼ同じ寸法であることがハンマー20で被打撃板58を打撃することで生じる打音から検出される打音検出波形を、ハンマー20で検査対象物を打撃することで生じる打音から検出される打音検出波形と近づけることができるので、検査対象物の材料に対応した基準振幅値を決定する上で有利となる。
一般的なタイルの厚さは7〜20mm程度である。
また、被打撃板58の材料を、検査対象物と同一あるいは類似した材料とすると、ハンマー20で被打撃板58を打撃することで生じる打音から検出される打音検出波形を、ハンマー20で検査対象物を打撃することで生じる打音から検出される打音検出波形と近づけることができるので、検査対象物の材料に対応した基準振幅値を決定する上で有利となる。
本実施の形態のように、検査対象物がタイルであり、状態評価装置10がタイルの剥離部の有無を評価する目的で使用される場合、被打撃板58の材料としてタイルと類似した材料であるガラスを用いると、検査対象物の材料に対応した基準振幅値を決定する上で有利となる。
また、検査対象物がコンクリート充填鋼管構造(CFT; Concrete Filled Steel Tube)であり、状態評価装置10が鋼管の背面側の空隙の有無を評価する目的で使用される場合、被打撃板58の材料として鋼板を用いると、鋼管と鋼板がほぼ同じ材料であるため、検査対象物の材料に対応した基準振幅値を決定する上で有利となる。
まず、標準試験体54Aを用いた基準振幅値の決定について図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、状態評価装置10の検出ユニット12を標準試験体54Aの被打撃板58の上に載置し、ハンマー20が打撃目標62の直上に位置するように位置決めする(ステップS10)。
次に、作業者は、操作部32を操作し(ステップS12)、これによりハンマー20が被打撃板58の打撃目標62を打撃する(ステップS14)。
ハンマー20が被打撃板58の打撃目標62を打撃することで発生した打音は、第1マイク24A、第2マイク24Bによって検出され、それら2つのマイクから生成された検出信号に基づいて検出回路36により打音検出波形が生成され、生成された打音検出波形はサンプリング部40によってサンプリングされ、サンプリングされた波形データは振幅値検出部44に供給される(ステップS16)。
振幅値検出部44は、供給された波形データに基づいて第1の波形の振幅値を検出する(ステップS18)。
基準振幅値決定部48は、基準振幅値を決定するための振幅値検出部44による第1の振幅値の検出動作が所定回数なされたか否かを判定する(ステップS20)。
判定結果が否定であれば、基準振幅値決定部48は、操作部32の操作が必要である旨をディスプレイ装置に表示させ、これにより制御はステップS12に戻る。
判定結果が肯定であれば、基準振幅値決定部48は、振幅値の平均値を算出し基準振幅値を決定し、基準振幅値を正規化振幅値算出部46に供給する(ステップS22)。
以上で基準振幅値の決定動作が終了する。
このように、ハンマー20により標準試験体54Aを打撃して振幅値の検出を複数回行なうことで得られた複数の振幅値の平均値を基準振幅値として決定するようにしたので、基準振幅値の精度の向上を図れることから、正規化振幅値をより正確に得ることができ、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上でより有利となる。
まず、作業者は、検出ユニット12の3個のローラ18A、18B、18Cを診断対象となる外装材2の表面に当接させる(ステップS30)。
次に、作業者は、操作部32を操作し(ステップS32)、これにより打撃部20が外装材2の表面を打撃する(ステップS34)。
打撃部20が外装材2の表面を打撃することで発生した打音は、第1マイク24A、第2マイク24Bによって検出され、それら2つのマイクから生成された検出信号に基づいて検出回路36により打音検出波形が生成され、生成された打音検出波形はサンプリング部40によってサンプリングされ振幅値検出部44に供給される(ステップS36)。
また、打撃部20が外装材2の表面を打撃することでハンマー20で発生した打撃力は、打撃力センサ26によって検出され、打撃力センサ26から生成された検出信号に基づいて打撃力波形検出回路38により打撃力検出波形が生成され、打撃力検出波形は、打撃力波形サンプリング部42によってサンプリングされ、サンプリングされた波形データは振幅値検出部44に供給され、これにより振幅値検出部44は基準時刻を決定する(ステップS38)。
正規化振幅値算出部46は、振幅値検出部44で検出された振幅値、すなわち、サンプリング部40によってサンプリングされた波形データを、基準振幅値で除した正規化振幅値を算出し評価部50に供給する(ステップS42)。
打撃力検出波形の振幅が予め定められた第2のしきい値未満であると判定された場合には、評価部50は、外装材2の状態の評価を中止し、出力部52から測定のやり直しを促す旨の報知を行なう(ステップS50)。このような報知は例えばディスプレイ装置により所定のやり直しを促す旨のコメントを表示することでなされる。
そして、ステップS30に移行する。
一方、ステップS44で打撃力検出波形の振幅が予め定められた第2のしきい値未満でないと判定された場合には、評価部50は、正規化振幅値と第1のしきい値との比較に基づいて外装材2の剥離の有無の判定を行なう(ステップS46)。
出力部52は、評価部50から供給された外装材2の剥離の有無の判定結果を出力し(ステップS48)、一連の動作を終了する。これ以降、次の診断対象となる外装材2について上記と同様の処理を繰り返して行なう。
本実施の形態では、基準振幅値を得るための標準試験体54Aを、ハンマー20で打撃される被打撃面5802とその反対に位置する裏面5804とを有する被打撃板58と、被打撃板58の周囲全周を保持すると共に、被打撃板58を保持した状態で、裏面5804で被打撃板58の周囲の内側部分の全域に対向する空間Sを確保する保持部55とで構成し、被打撃板58を平面視した状態で空間Sの中心と被打撃面5802とが交差する箇所にハンマー20の打撃目標62を設けた。
したがって、ハンマー20により打撃目標62を打撃したときに、被打撃板58の裏面5804に空間Sを確保することで打音を確実に発生させることができ、また、被打撃板58の周囲全周を保持することで打音のばらつきを抑制でき、したがって、打音検出波形の振幅のばらつきが抑制されたものとなり、基準振幅値が安定されたものとなる。
そのため、状態評価装置10毎のばらつき、例えば、マイクの感度の個体差、ハンマー20を駆動するアクチュエータ22の個体差などの影響を受けて、生成された打音検出波形の振幅がばらついたとしても、安定した基準振幅値に基づいて得られた正規化振幅値は、ばらつきの影響を受けないので、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上で有利となる。
したがって、標準試験体54Aを簡単な構成で実現でき、コストの抑制を図る上で有利となる。
そのため、ハンマー20で打撃目標62を打撃した際に発生する打音のばらつきが抑制され、基準振幅値が安定されたものとなり、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上でより有利となる。
なお、被打撃板58が本体部材56の端部に合わされる面(裏面5804)と、被打撃板58に合わされる本体部材56の上端面5602との少なくとも一方が平坦面で形成されていれば、被打撃板58と本体部材56との間に隙間が生じにくく、被打撃板58と本体部材56との取り付けを強固に行なう上で有利となるが、本実施の形態のようにすると、被打撃板58と本体部材56との間に隙間がより生じにくく、被打撃板58と本体部材56との取り付けを強固に行なう上でより有利となる。
しかしながら、本実施の形態のようにすると、平面視した状態で打撃目標62と孔60の内面との距離が孔60の周方向にわたって変化しないため、孔60の形状が打音に与える影響を抑制する上で有利となる。
また、本実施の形態では、本体部材56が円筒状であり、被打撃板58が円板状であり、孔60の軸心と被打撃面5802の中心とが一致する場合について説明したが、本体部材56が三角形の筒状あるいは多角形の筒状であり、被打撃板58が三角形の板状、あるいは、多角形の板状であり、孔60の軸心と被打撃面5802の中心とが一致するように構成してもよい。
しかしながら、本実施の形態のようにすると、被打撃板58の裏面5804が上端面5602に取り付けられている部分が均一な幅の円環状となる。
そのため、被打撃板58の上端面5602に対する取り付け強度が本体部材56の周方向に沿って変化しないため、被打撃板58が上端面5602に対する取り付け強度が周方向に沿って変化する場合に比較して打音に与える影響を抑制する上で有利となる。
しかしながら、マイクからの検出信号の増幅を行なう増幅部と、増幅部の増幅率を調整する調整部とを検出回路36に設け、標準試験体54Aを用いて検出した打音検出波形から得た振幅値が予め定められた規定値となるように、調整部を操作して増幅部の増幅率を調整するようにしてもよい。
この場合は、状態評価装置10毎のばらつき、例えば、マイクの感度の個体差、ハンマー20を駆動するアクチュエータ22の個体差などの影響を増幅部の増幅率を調整することで抑制できるため、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上で有利となる。
すなわち、標準試験体54Aを用いて検出した打音検出波形をどのように利用するかは任意である。
したがって、検査対象物をハンマー20で打撃することで発生する打音をマイクを用いて検出し、マイクからの信号に基づいて打音検出波形を生成し、打音検出波形に基づいて検査対象物の状態を評価する検査対象物の状態評価装置であれば、本発明の標準試験体54Aは広く適用可能である。
つまり、検査対象物の状態を評価する評価方法の如何に拘わらず、ハンマー20で標準試験体54Aを打撃した際の打音検出波形を利用して検査対象物の評価を行なうことができるのであれば、本発明の標準試験体54Aを適用することができる。
次に第2の実施の形態について図9(A)、(B)を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について重点的に説明する。
第2の実施の形態の標準試験体54Bでは、被打撃板58は保持部55(本体部材56)に対して着脱可能に取り付けられている。
具体的に説明すると、本体部材56の上端面5602にその周方向に沿って間隔をおいて複数の雌ねじ5604が設けられている。
被打撃板58には、各雌ねじ5604に対応する箇所にボルト挿通孔5810が形成されている。
被打撃板58は、複数のボルト64がワッシャ65、ボルト挿通孔5810を介して雌ねじ5604にそれぞれ締結されることで、保持部55に着脱可能に取り付けられている。
したがって、検査対象物と同一または類似の材料から形成されたあるいは検査対象物と同じ厚さで形成された複数の被打撃板58を用意しておくことにより、検査対象物に対応した被打撃板58を選択して本体部材56に取り付けることができる。
したがって、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることに加え、検査対象物の材料や厚さに対応した被打撃板58を用いることで検査対象物の材料や厚さに対応した基準振幅値を決定する上で有利となる。
また、第1の実施の形態では、検査対象物の材料に合わせた数の標準試験体54Aを用意しなくてはならないが、第2の実施の形態では、検査対象物の材料に合わせた数の被打撃板58を用意しておけば、本体部材56は1つで足りるため、標準試験体54Bのコストの低減を図る上で有利となる。
次に第3の実施の形態について図10(A)、(B)を参照して説明する。
第3の実施の形態の標準試験体54Cでは、孔60の内周面で孔60の軸心方向における端部寄りの箇所に、内周面の全周に延在するフランジ66が設けられている。
被打撃板58は、その外周部がフランジ66に保持されて孔60の内部に配置されている。
被打撃板58の被打撃面5802と、孔60の軸心方向における本体部材56の上端面5602とは、同一面上に位置している。
また、被打撃板58の裏面5804とフランジ66の上面6602との間、および、被打撃板58の外周面と孔60の内周面との間は接着剤により接着され、被打撃板58と本体部材56との取り付けが強固になされているため、ハンマー20の打撃によって発生する打音のばらつきを抑制する上で有利となっている。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることに加え、被打撃板58が孔60の内部に配置されているので、標準試験体54Cのコンパクト化を図る上で有利となる。
また、被打撃面5802と上端面5602とが同一面上に位置しているので、状態評価装置10の検出ユニット12を被打撃面5802上に載置してハンマー20を打撃目標62に位置決めする操作を円滑に行なう上で有利となる。
次に第4の実施の形態について図11(A)、(B)を参照して説明する。
第4の実施の形態の標準試験体54Dは、第3の実施の形態の変形例であり、被打撃板58は、その外周部が孔60の内周面に埋め込まれて配置され、被打撃面5802は、孔60の軸心方向における本体部材56の端部の面である上端面5602よりも窪んだ箇所に位置している。
このような標準試験体54Dは、内部に被打撃板58を配置した金型に、コンクリートや溶融した合成樹脂を流しこんで硬化させることによって製作することができる。
第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることに加えて、第3の実施の形態と同様に、被打撃板58が孔60の内部に配置されているので、標準試験体54Cのコンパクト化を図る上で有利となる。
また、被打撃板58が上端面5602より凹んだ箇所に位置しているため、標準試験体54Dの移動時などに被打撃板58が物にぶつかって損傷することを抑制でき、被打撃板58の保護を図る上で有利となる。
次に第5の実施の形態について図12(A)、(B)を参照して説明する。
第5の実施の形態の標準試験体54Eでは、被打撃板58は、孔60の軸心方向における本体部材56の端部に位置し、被打撃板58と本体部材56とは一体成形されている。
このような標準試験体54Eは、金型に、コンクリートや溶融した合成樹脂を流しこんで硬化させることによって成形することができる。
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、接着剤やボルトが不要となるため、標準試験体54Eのコストを低減する上で有利となる。
次に第6の実施の形態について図13(A)、(B)を参照して説明する。
第6の実施の形態の標準試験体54Fでは、保持部55は、台座部68と、中央に孔70を有するスペーサ部材72とを含んで構成されている。
台座部68とスペーサ部材72と被打撃板58とは、等しい外径で形成されている。
台座部68は、円柱状を呈し、平坦面からなる円形の上面6802と、平坦面からなる円形の底面とを有している。
スペーサ部材72は、均一の厚さを有し、台座部68の上面6802に載置され、取着されている。
被打撃板58は、裏面5804の周囲全周がスペーサ部材72に載置され、取着されている。
台座部68とスペーサ部材72と被打撃板58とは、同軸上に配置されている。
空間Sは、孔70の内周面と上面6802との間に形成されている。
第6の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、スペーサ部材72を用いることにより台座部68の構成を簡単化でき、言い換えると、保持部55の構成を簡単化しコストを低減する上で有利となる。
次に第7の実施の形態について図14(A)、(B)を参照して説明する。
第7の実施の形態の標準試験体54Gは、第6の実施の形態の変形例であり、被打撃板58は保持部55に対して着脱可能に取り付けられている。
すなわち、台座部68の上面6802にその周方向に沿って間隔をおいて複数の雌ねじ6804が設けられている。
スペーサ部材72には、各雌ねじ6804に対応する箇所にボルト挿通孔7202が設けられている。
被打撃板58には、各雌ねじ6804に対応する箇所にボルト挿通孔5810が形成されている。
被打撃板58は、複数のボルト64がワッシャ65、ボルト挿通孔7202、5810を介して雌ねじ6804にそれぞれ締結されることで、保持部55に対して着脱可能に取り付けられている。
したがって、検査対象物と同一または類似の材料から形成されたあるいは検査対象物と同じ厚さで形成された複数の被打撃板58を用意しておくことにより、検査対象物に対応した被打撃板58を選択して本体部材56に取り付けることができる。
したがって、第7の実施の形態によれば、第6の実施の形態と同様の効果が奏されることに加え、検査対象物の材料や厚さに合わせた数の被打撃板58を用意しておけば、本体部材56は1つで足りるため、第2の実施の形態と同様な効果が奏される。
次に第8の実施の形態について図15(A)、(B)を参照して説明する。
第8の実施の形態の標準試験体54Hでは、被打撃板58と保持部55とは保持部材74として一体に形成されている。
保持部材74の軸方向の一端に被打撃板58が位置している。
空間Sは、被打撃板58の裏面5804で被打撃板58の周囲の内側部分の全域に対向して設けられ、空間Sは、高さが小さい円柱状を呈している。
空間Sに、保持部材74を構成する材料よりも強度、剛性の小さい材料76が充填され、ハンマー20が被打撃板58を打撃することで打音を確実に発生させ、打音を第1マイク24A、第2マイク24Bにより支障なく検出できるように図られている。
例えば、本体部材74をコンクリートで形成した場合には、強度、剛性の小さい材料76として、発泡スチロール樹脂など従来公知の様々な材料が使用可能である。
したがって、第8の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることに加え、被打撃板58と保持部55とは保持部材74として一体に形成されているので、標準試験体54Hのコスト低減を図る上で有利となる。
次に第9、第10の実施の形態について図16(A)、(B)、図17(A)、(B)を参照して説明する。
第9、第10の実施の形態は共に第1の実施の形態の変形例である。
図16(A)、(B)に示すように、第9の実施の形態の標準試験体54Iは、保持部55を形成する筒状の本体部材56が平面視矩形状を呈しており、打撃板58が本体部材56の輪郭と同形同大の矩形板状を呈している点が第1の実施の形態と異なっており、それ以外は第1の実施の形態と同様である。
また、図17(A)、(B)に示すように、第10の実施の形態の標準試験体54Jは、保持部55を形成する筒状の本体部材56が平面視矩形状を呈している、本実施の形態では、正方形を呈している点が第1の実施の形態と異なっている。
平面視した場合、本体部材56の輪郭を構成する正方形の四辺に、被打撃板58の輪郭を構成する円形の輪郭線が接している。
このような第9、第10の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
しかしながら、タイル206やモルタルなどの外装材2が設けられていない場合には、建物外面に加え、この建物外面近くの内部の状態を状態評価装置10が評価する場合、また、タイル206やモルタルなどの外装材2が設けられている場合には、外装材2の表面に加え、外装材2の表面の内側の外装材2部分や外装材2の内側の建物躯体の表面や表面近くの内部を状態評価装置10が評価する場合に、標準試験体54A〜54Eを適用することが可能である。
さらに、本発明の標準試験体54A〜54Eは、建物の室内の床、天井、壁面、室内のコンクリート躯体などを評価する状態評価装置10に場合に広く適用可能である。
また、本発明の標準試験体54A〜54Eは、状態評価装置10の検査対象物が建物に限定されず、高架橋やダムなどの構造物などを評価する場合に広く適用可能である。
この場合には、検査対象物の状態評価装置は、検査対象物をハンマーで打撃する打撃部と、打音を検出するマイクと、前記マイクからの信号に基づいて打音検出波形を生成する波形生成部と、前記ハンマーによる打撃時に前記ハンマーに生じる打撃力の最大値である最大打撃力を検出する最大打撃力検出部と、前記打音検出波形を構成する複数の1周期の波形のうちN番目(Nは1以上の自然数)の波形を第1の波形としたとき、前記第1の波形の振幅値を検出する振幅値検出部と、前記検出された振幅値を前記最大打撃力で除すことで1次正規化振幅値を算出する1次正規化振幅値算出部と、予め定められた標準試験体を検査対象物としたときに前記1次正規化振幅値算出部で算出された前記1次正規化振幅値を基準振幅値としたとき、前記1次正規化振幅値算出部で算出された前記1次正規化振幅値を前記基準振幅値で除すことで2次正規化振幅値を算出する2次正規化振幅値算出部と、前記2次正規化振幅値に基づいて検査対象物の状態を評価する評価部とを備えることになる。
また、2次正規化振幅値は、1次正規化振幅値を、標準試験体に基づいて求めた基準振幅値で除すことによって正規化されている。そのため、2次正規化振幅値は、状態評価装置毎のばらつきの影響を受けて、生成された打音検出波形の振幅が状態評価装置毎にばらついたとしても、2次正規化振幅値は、状態評価装置毎のばらつきの影響を受けない。
したがって、1台の状態評価装置による検査対象物の状態の評価を行なう毎に生じるハンマーの打撃力のばらつき、および、状態評価装置毎のばらつきの双方の影響を受けること無く、検査対象物の状態の評価を正確に行なう上で有利となる。
10 状態評価装置
20 ハンマー
24A、24B 第1、第2マイク
54A〜54J 標準試験体
55 保持部
56 本体部材
5602 上端面
5604 雌ねじ
58 被打撃板
5802 被打撃面
5804 裏面
60 孔
62 打撃目標
66 フランジ
68 台座部
70 孔
72 スペーサ部材
74 保持部材
76 強度、剛性の小さい材料
S 空間
Claims (10)
- 検査対象物をハンマーで打撃することで発生する打音をマイクを用いて検出し、マイクからの信号に基づいて打音検出波形を生成し、前記打音検出波形に基づいて前記検査対象物の状態を評価する検査対象物の状態評価装置用の標準試験体であって、
前記ハンマーで打撃される被打撃面とその反対に位置する裏面とを有する被打撃板と、
前記被打撃板の周囲全周を保持すると共に、前記被打撃板を保持した状態で、前記裏面で前記被打撃板の周囲全周の内側部分の全域に対向する空間を確保する保持部とを備え、
前記被打撃板を平面視した状態で前記空間の中心と前記被打撃面とが交差する箇所に前記ハンマーの打撃目標が設けられ、
前記空間は下方に開放されている、
ことを特徴とする標準試験体。 - 前記保持部は、貫通孔を有する筒状の本体部材で形成され、
前記被打撃板の周囲全周は前記本体部で保持されて前記貫通孔は前記被打撃板で閉塞され、
前記空間は、前記貫通孔で形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の標準試験体。 - 前記被打撃板は、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部に取り付けられ、
前記被打撃板の裏面が前記本体部材の端部に合わされる面または前記被打撃板に合わされる前記本体部材の端部の面の少なくとも一方は、平坦面で形成されている、
ことを特徴とする請求項2記載の標準試験体。 - 前記貫通孔の内周面で前記貫通孔の軸心方向における端部寄りの箇所に、前記内周面の全周に延在するフランジが設けられ、
前記被打撃板は、その外周部が前記フランジに保持されて前記貫通孔の内部に配置され、
前記被打撃板の前記被打撃面と、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部の面とは、同一面上に位置している、
ことを特徴とする請求項2記載の標準試験体。 - 前記被打撃板は、その外周部が前記貫通孔の内周面に埋め込まれて配置され、
前記被打撃面は、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部の面よりも窪んだ箇所に位置している、
ことを特徴とする請求項2記載の標準試験体。 - 前記被打撃板は、前記貫通孔の軸心方向における前記本体部材の端部に位置し、
前記被打撃板と前記本体部材とは一体成形されている、
ことを特徴とする請求項2記載の標準試験体。 - 前記被打撃板は、前記保持部に対して着脱可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の標準試験体。 - 前記被打撃板はガラスで構成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5または7のいずれか1項記載の標準試験体。 - 前記被打撃板は金属材料で構成されている、
ことを特徴とする請求項1〜5または7のいずれか1項記載の標準試験体。 - 前記被打撃板は合成樹脂で構成されている、
ことを特徴とする請求項1から5または7のいずれか1項記載の標準試験体。
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