以下、実施形態に係る制御装置、電力変換システム及びプログラムについて、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
なお、図1、6は電力変換システム1、1Aを簡略化して示した図であり、必ずしも電力変換システム1、1Aの実際の回路構成を正確に示しているとは限らない。
(1)概要
本実施形態の電力変換システム1は、集合住宅の各住戸、戸建て住宅、工場、事務所等の各需要家において用いられる。
電力変換システム1は、図1に示すように、制御装置2と、インバータ回路3と、第1コンバータ回路4(コンバータ回路)と、中間バスW1と、電流検出回路6と、を備えている。電力変換システム1は、第2コンバータ回路5を更に備えている。
電力変換システム1には、太陽電池を含む分散型電源PV1と、蓄電池SB1と、複数(図1では2つ)の負荷71、72と、電力系統と、が接続される。電力系統と電力変換システム1とは、単相3線式の電路W2において互いに接続している。蓄電池SB1は、電力系統の系統電源PS1及び分散型電源PV1から電力が供給されて充電される。複数の負荷71、72は、例えば、電気機器である。複数の負荷71、72には、電力系統の系統電源PS1及びインバータ回路3から電力が供給される。電力系統には、インバータ回路3から電力が逆潮流することがある。蓄電池SB1が放電しているときに、インバータ回路3から電力系統へ所定の電流値Ic1(図4参照)よりも大きい電流に対応した電力が逆潮流しないように、インバータ回路3及び第1コンバータ回路4が制御装置2により制御される。
(2)構成の詳細
中間バスW1は、第2コンバータ回路5を介して、分散型電源PV1に接続されている。また、中間バスW1は、第1コンバータ回路4及びインバータ回路3に接続されている。つまり、中間バスW1は、分散型電源PV1、第1コンバータ回路4及びインバータ回路3を相互に接続している。
第1コンバータ回路4は、中間バスW1に加えて、蓄電池SB1にも接続されている。第1コンバータ回路4は、双方向DC/DCコンバータ回路である。
蓄電池SB1は、第1コンバータ回路4から直流電力の供給を受けて充電される。また、蓄電池SB1は、蓄電した電力を直流電力として第1コンバータ回路4に出力する。
第1コンバータ回路4は、充電動作と、放電動作と、を行う。第1コンバータ回路4は、充電動作において、中間バスW1からの直流電力を電力変換(例えば、昇圧又は降圧)して蓄電池SB1に出力する。第1コンバータ回路4は、放電動作において、蓄電池SB1からの直流電力を電力変換(例えば、昇圧又は降圧)して中間バスW1に出力する。第1コンバータ回路4は、充電動作と放電動作とのうちいずれも行わないとき停止する。
分散型電源PV1は、発電により生じた直流電力を第2コンバータ回路5に出力する。
第2コンバータ回路5は、分散型電源PV1からの直流電力を電力変換(例えば、昇圧又は降圧)して中間バスW1に出力する。すなわち、分散型電源PV1からの直流電力が、第2コンバータ回路5を介して、中間バスW1に供給される。
インバータ回路3は、中間バスW1を介して第1コンバータ回路4及び分散型電源PV1に接続されている。また、インバータ回路3は、複数の負荷71、72及び電力系統に接続されている。
インバータ回路3は、双方向DC/ACインバータ回路である。インバータ回路3は、中間バスW1からの直流電力を交流電力に変換して複数の負荷71、72又は電力系統に出力する。より詳細には、インバータ回路3は、分散型電源PV1及び蓄電池SB1から出力されて中間バスW1を介して供給される直流電力を、交流電力に変換して複数の負荷71、72又は電力系統に出力する。さらに、インバータ回路3は、電力系統(系統電源PS1)からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池SB1に出力する。
本明細書では、電力系統の単相3線式の電路と、電力変換システム1の単相3線式の電路とを合わせて、電路W2とする。電力系統の単相3線式の電路は、電力変換システム1の単相3線式の電路につながっている。つまり、電力系統と電力変換システム1とは、単相3線式の電路W2において互いに接続されている。単相3線式の電路W2は、L1相の配線W21、L2相の配線W22及びN相の配線W23を含む。N相の配線W23は、中性線であり、接地されている。L1相の配線W21とL2相の配線W22とに電流が流れる。L1相の配線W21とN相の配線W23との間の電圧及び、L2相の配線W22とN相の配線W23との間の電圧は、100Vである。
電力変換システム1は、2つのコンデンサC1、C2を更に含む。電力変換システム1において、L1相の配線W21とN相の配線W23との間には、負荷71とコンデンサC1とが並列に接続されている。電力変換システム1において、L2相の配線W22とN相の配線W23との間には、負荷72とコンデンサC2とが並列に接続されている。インバータ回路3は、L1相の配線W21とL2相の配線W22とに接続されている。
電流検出回路6は、第1電流センサCT1と、第2電流センサCT2と、を含む。第1電流センサCT1と第2電流センサCT2とはそれぞれ、例えば、カレントトランスである。電力変換システム1において、第1電流センサCT1には、L1相の配線W21が通されている。電力変換システム1において、第2電流センサCT2には、L2相の配線W22が通されている。第1電流センサCT1は、L1相の配線W21に流れる電流を検出する。第2電流センサCT2は、L2相の配線W22に流れる電流を検出する。これにより、電流検出回路6は、電力変換システム1と電力系統との間に流れる電流を検出する。
電流検出回路6は、配線W31、W32を更に含む。第1電流センサCT1は、配線W31を介して制御装置2と接続されている。第2電流センサCT2は、配線W32を介して制御装置2と接続されている。電流検出回路6は、制御装置2の内部の回路のうち、配線W31及び配線W32につながっている回路を更に含む。
電流検出回路6は、検出した検出電流値を、制御装置2の第1制御部211及び検知部22に出力する。電流検出回路6が検出した検出電流値とは、第1電流センサCT1が検出した第1検出電流値I1(図4参照)と、第2電流センサCT2が検出した第2検出電流値I2(図4参照)とである。第1、第2検出電流値I1、I2は、例えば、配線W21、W22に流れる電流の実効値である。
電流検出回路6は、電力変換システム1から電力系統に流れる電流と、電力系統から電力変換システム1に流れる電流とを互いに極性が異なる電流として検出する。つまり、電流検出回路6は、配線W21、W22に流れる電流の大きさ(実効値)と向きとを検出する。以下の説明では、電力変換システム1から電力系統へ電流が流れる場合に、第1、第2検出電流値I1、I2を正の数で表し、電力系統から電力変換システム1へ電流が流れる場合に、第1、第2検出電流値I1、I2を負の数で表す。
制御装置2は、制御部21と、検知部22と、を有している。制御装置2は、報知部23を更に有している。制御部21は、第1制御部211と、第2制御部212とを含む。
本開示における制御装置2の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、コンピュータを有している。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御装置2の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ(磁気ディスク)等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。コンピュータシステムは、複数のコンピュータを有していてもよい。
制御装置2において、単一の構成(例えば、単一のプロセッサ)により、第1制御部211及び第2制御部212としての機能が実現される。制御部21(第1制御部211及び第2制御部212)は、例えば、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3の各々が有するスイッチング素子に対して制御信号を出力し、当該スイッチング素子を駆動する。これにより、制御部21は、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を制御する。制御部21は、第1コンバータ回路4を動作させて第2コンバータ回路5を停止させることもできるし、第1コンバータ回路4を停止させて第2コンバータ回路5を動作させることもできる。
第1制御部211は、電流検出回路6が検出した検出電流値(第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2)に応じて第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を制御する。
より詳細には、第1制御部211は、検出電流値に応じて、第1コンバータ回路4に充電動作と放電動作とを行わせる。第1制御部211は、第1、第2検出電流値I1、I2の合計が所定の電流値Ic1(図4参照)を上回った場合に、第1コンバータ回路4が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようにする。つまり、このとき、第1コンバータ回路4は、制御部21の制御に応じて、充電動作を行うこともできるし、充電動作と放電動作とのいずれも行わないこともできる。所定の電流値Ic1は、例えば、2.75Aである。法律等の規制により、蓄電池SB1の放電時に電力変換システム1から電力系統へ流れる逆潮流電力の上限値が決まっている場合、所定の電流値Ic1は、逆潮流電力が当該上限値を超えないような値に決定される。
また、第1制御部211は、検出電流値に応じて第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を制御して、インバータ回路3から複数の負荷71、72又は電力系統に出力される電力を変化させる。例えば、第1制御部211は、第1、第2検出電流値I1、I2が小さいほど、インバータ回路3から複数の負荷71、72又は電力系統に出力される電力を増加させる。
検知部22は、電流検出回路6が検出した検出電流値に応じて電流検出回路6の異常の有無を検知する。具体的には、検知部22は、検出電流値(第1、第2検出電流値I1、I2のうち少なくとも一方)が所定範囲RA1(図4参照)内である状態が所定の検知時間T1(図4参照)継続すると、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。検知部22は、第1コンバータ回路4が充電動作を行っているときと放電動作を行っているときとに、電流検出回路6の異常の有無を検知する。電流検出回路6の異常とは、例えば、電流検出回路6の配線の断線、劣化等の異常、又は、電流検出回路6の配線への異物の付着により電流検出回路6の配線の抵抗値が増加する等の異常である。検知部22が電流検出回路6の異常の有無をどのように検知するかについて、詳細は後述する。
第2制御部212は、検知部22の検知結果に応じて第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を制御する。
より詳細には、第2制御部212は、検知部22の検知結果に応じて、第1コンバータ回路4に充電動作と放電動作とを行わせる。電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知しているとき、第2制御部212は、第1コンバータ回路4が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようにする。つまり、このとき、第1コンバータ回路4は、制御部21の制御に応じて、充電動作を行うこともできるし、充電動作と放電動作とのいずれも行わないこともできる。また、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2(図3参照)継続すると、第2制御部212は、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を停止させる。このとき、報知部23は、エラーの発生を報知する。報知部23は、例えば、ディスプレイを含み、エラーが発生していることを示す情報をディスプレイに表示する。第2制御部212による制御の詳細は後述する。
また、制御部21は、制御装置2に対するユーザの操作及び検知部22の検出結果に応じて、放電上限値(単位はワット)を設定する。第1コンバータ回路4は、放電上限値よりも大きい出力電力を蓄電池SB1が第1コンバータ回路4に出力しないように、制御部21に制御される。例えば、電路W2に接続されている複数の負荷71、72の消費電力が所定の消費電力よりも大きい場合等に、制御部21の制御により第1コンバータ回路4が放電動作を行うと、蓄電池SB1は放電上限値に等しい出力電力を第1コンバータ回路4に出力する。電路W2に接続されている複数の負荷71、72の消費電力が上記所定の消費電力よりも小さい場合等に、制御部21の制御により第1コンバータ回路4が放電動作を行うと、蓄電池SB1は放電上限値よりも小さい出力電力を第1コンバータ回路4に出力する。
蓄電池SB1の充電レベルが所定レベル以下になると、第1コンバータ回路4は、制御部21の制御により、充電動作を行う。実際には、制御装置2は、蓄電池SB1の出力電圧を示す情報を蓄電池SB1から取得し、蓄電池SB1の出力電圧が、所定レベルに対応する所定の電圧以下になると、制御部21は第1コンバータ回路4に充電動作を行わせる。
所定時間T2(図3参照)は、蓄電池SB1が満充電状態から自己放電して充電レベルが所定レベル以下になるのに要する時間よりも長い。つまり、第1コンバータ回路4が充電動作を行わない状態が所定時間T2継続する前に、蓄電池SB1の充電レベルが所定レベル以下になる。
制御装置2は、カウンタ24と、タイマ25と、提示部26と、を更に有している。
カウンタ24は、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知した回数(以下、異常検知回数と称す)をカウントする。
タイマ25は、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知すると、時間の計測を開始する。タイマ25は、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態になってからの経過時間(以下、計測時間と称す)を計測する。タイマ25が計測時間を計測することにより、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2(図3参照)継続したか否かを検知できる。
電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が継続しているとき、制御装置2は、所定時間T2(図3参照)からタイマ25が計測中の計測時間を引いた値を算出し、算出した値を提示部26に提示させる。すなわち、提示部26は、現時点と、計測時間が所定時間T2に達する時点との間の時間の長さ(以下、残り時間と称す)を表す情報を提示する。提示部26は、例えば、ディスプレイを含み、ディスプレイに残り時間を表示する。
(3)電力変換システムの動作フロー
次に、電力変換システム1の動作フローについて、図2、3を参照して説明する。
電力変換システム1の電源スイッチがONされると(ステップS1)、制御装置2は、放電上限値、カウンタ24及びタイマ25をリセットする(ステップS2)。すなわち、制御装置2は、放電上限値を3000Wにし、カウンタ24がカウントする異常検知回数を0にし、タイマ25が計測する計測時間を0にする。
次に、検知部22は、第1電流センサCT1が検出した第1検出電流値I1と、第2電流センサCT2が検出した第2検出電流値I2とに応じて、電流検出回路6の異常の有無を検知する(ステップS3)。より詳細には、検知部22は、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とのうち少なくとも一方が所定範囲RA1(図4参照)内の状態が所定の検知時間T1(例えば、2秒)継続すると、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。検知部22は、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とのうち少なくとも一方が所定範囲RA1内の状態が所定の検知時間T1継続しないとき、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。所定範囲RA1とは、例えば、−0.15A以上、+0.15A以下の範囲である。つまり、検知部22は、第1検出電流値I1と、第2検出電流値I2とのうち少なくとも一方の絶対値が、所定値(0.15A)以下の状態が所定の検知時間T1継続すると、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。
所定範囲RA1の中心は0と一致する。これは、電流検出回路6に断線等の異常があると、第1、第2検出電流値I1、I2が0に近い値になることがあるので、このような場合に、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知できるようにするためである。
ステップS3において、電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知すると(ステップS3:No)、検知部22は、後述のステップS12を経て、ステップS3に戻り、電流検出回路6の異常の有無の検知を繰り返す。
ステップS3において、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知すると(ステップS3:Yes)、ステップS4において制御部21は、放電上限値を徐々に減少させる。すると、制御部21の制御により、第1コンバータ回路4は、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4に出力される直流電力(以下、蓄電池SB1の出力電力BO1と称す:図4参照)を徐々に減少させる。より詳細には、放電上限値及び蓄電池SB1の出力電力BO1は、時間に比例して減少し、最終的に0Wになる。放電上限値が0Wになることにより、第1コンバータ回路4は、充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようになる。
また、ステップS4において制御装置2は、異常検知回数に1を加える。さらに、ステップS4においてタイマ25は、計測時間の計測を開始する。
次に、検知部22は、電流検出回路6に異常が有る状態が継続しているか否かを検知する(ステップS5)。すなわち、検知部22は、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とのうち少なくとも一方が所定範囲RA1内であれば、電流検出回路6に異常が有る状態が継続していることを検知する。第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが所定範囲RA1から外れるか(ステップS5:No)、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2(例えば、20日間)継続するまで(ステップS6の結果が「No」になるまで)、検知部22は、電流検出回路6に異常が有る状態が継続しているか否かを検知し続ける。つまり、電力変換システム1では、ステップS5、S6が繰り返される。さらに、ステップS5、S6において提示部26は、残り時間を表す情報を提示する。つまり、提示部26は、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2継続して、残り時間が0になるまで、残り時間を表す情報を提示する。
電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2継続すると(ステップS6:No)、第2制御部212は、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を停止させ、報知部23は、エラーの発生を報知する(ステップS7)。
第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3が停止した後、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に規定の範囲RA2(図4参照)から外れた状態が、規定の検知時間T3(例えば、5秒)継続すると(ステップS8:Yes)、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。規定の範囲RA2とは、例えば、−0.3A以上+0.3A以下の範囲である。つまり、検知部22は、第1検出電流値I1の絶対値と第2検出電流値I2の絶対値とが、規定の値(0.3A)よりも大きい状態が規定の検知時間T3継続すると、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。
規定の範囲RA2の中心は0と一致する。規定の範囲RA2の上限値UP2は、所定範囲RA1の上限値UP1よりも大きく、規定の範囲RA2の下限値LO2は、所定範囲RA1の下限値LO1よりも小さい(図4参照)。
電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知すると(ステップS8:Yes)、ステップS2において、制御装置2は、放電上限値を3000Wにし、異常検知回数を0にし、計測時間を0にする。放電上限値が0Wよりも大きい値になることにより、第1コンバータ回路4は、制御部21の制御により、放電動作を行えるようになる。
電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態になってからの経過時間が所定時間T2に達する前に、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが所定範囲RA1から外れると(ステップS5:No)、制御装置2は、異常検知回数を所定回数(4回)と比較する(ステップS9)。異常検知回数が所定回数(4回)未満の場合は(ステップS9:Yes)、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。さらに、制御装置2は、放電上限値を徐々に増加させて3000Wにし、異常検知回数を0にし、計測時間を0にし、タイマ25は、計測時間の計測を停止する(ステップS10)。放電上限値が0Wよりも大きい値になることにより、第1コンバータ回路4は、制御部21の制御により、放電動作を行えるようになる。その後、ステップS3に戻り、検知部22は、第1、第2検出電流値I1、I2に応じて、電流検出回路6の異常の有無を検知する。
ステップS9において、異常検知回数が所定回数(4回)以上の場合は(ステップS9:No)、検知部22は、ステップS8と同じ条件で、第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2が規定の範囲RA2内か否かを検知する(ステップS11)。第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に、規定の範囲RA2から外れた状態が規定の検知時間T3継続すると(ステップS11:Yes)、ステップS2において、制御装置2は、放電上限値を0Wから徐々に増加させて3000Wにし、異常検知回数を0にし、計測時間を0にし、タイマ25は、計測時間の計測を停止する。
すなわち、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が、所定時間T2継続する前に(言い換えると、ステップS6の結果が「No」となる前に)、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に、規定の範囲RA2から外れた状態が規定の検知時間T3継続すると、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。
ステップS11において、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に、規定の範囲RA2から外れた状態が規定の検知時間T3継続しなかった場合(ステップS11:No)、ステップS5に戻り、検知部22は、電流検出回路6の異常の有無を検知し続ける。この場合、放電上限値は0Wのままなので、第1コンバータ回路4が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行える状態が制御部21により維持される。また、この場合、タイマ25は、計測時間の計測を、ステップS5において電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知する(ステップS5:No)前から継続している。
ところで、ステップS3において、第1、第2検出電流値I1、I2に応じて、電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知すると(ステップS3:No)、検知部22は、第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2が規定の範囲RA2内か否かを検知する(ステップS12)。第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に、規定の範囲RA2から外れた状態が規定の検知時間T3継続した場合(ステップS12:Yes)、制御装置2は、異常検知回数を0にする(ステップS13)。
ユーザの操作等により、電力変換システム1が再起動すると、制御装置2は、ステップS1から動作を再開する。
(4)蓄電池の出力電力の時間的変化
以下では、第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2が時間的に変化するときの、蓄電池SB1の出力電力BO1の時間的な変化の例について、図4、5のグラフを参照して説明する。図4、5において、横軸は時間を表し、縦軸は、第1、第2検出電流値I1、I2及び、蓄電池SB1の出力電力BO1を示す。説明を簡単にするため、第1、第2検出電流値I1、I2は互いに等しいとする。また、図4、5では、各時点において、第1、第2検出電流値I1、I2の合計は、所定の電流値Ic1以下である。また、図4、5では、各時点において、第1コンバータ回路4は充電動作を行わないとする。
(4.1)第1例
まず、図4を参照して、蓄電池SB1の出力電力BO1の時間的な変化の一例を説明する。
時点t0では、ステップS3(図2参照)において検知部22は電流検出回路6の異常の有無を検知している。時点t0では、第1、第2検出電流値I1、I2は規定の範囲RA2の上限値UP2よりも大きい値である。すなわち、第1、第2検出電流値I1、I2は規定の範囲RA2から外れている。
時点t1において、第1、第2検出電流値I1、I2が減少して、第1、第2検出電流値I1、I2が所定範囲RA1内の値になる。第1、第2検出電流値I1、I2が所定範囲RA1内の状態が所定の検知時間T1継続すると(時点t2)、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。したがって、ステップS4(図2参照)において、制御装置2は、放電制限値を徐々に減少させて0Wにし、異常検知回数に1を加え、タイマ25は計測時間の計測を開始する。時点t2から時点t3までの間、放電制限値が徐々に減少することで、蓄電池SB1の出力電力BO1が徐々に減少する。時点t3において、放電上限値が0Wになり、蓄電池SB1の出力電力BO1が0Wになる。これにより、第1コンバータ回路4は放電動作を行うことができなくなる。
第1例では、電流検出回路6の異常が原因で、時点t1において、第1、第2検出電流値I1、I2が減少している。電流検出回路6の異常により、時点t1以降、電流検出回路6は電路W2に流れる電流を正常に検出することができない。したがって、蓄電池SB1の出力電力BO1が時点t2から時点t3までの間に減少しても、第1、第2検出電流値I1、I2は所定範囲RA1内のままである。つまり、時点t1以降、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が維持される。その結果、時点t3以降、第1コンバータ回路4は放電動作を行うことができず、蓄電池SB1の出力電力BO1は0Wのままとなる。
(4.2)第2例
次に、図5を参照して、蓄電池SB1の出力電力BO1の時間的な変化の別の一例を説明する。時点t0から時点t2までの第1、第2検出電流値I1、I2及び蓄電池SB1の出力電力BO1の時間的な変化は、図4に示した第1例と同じである。
時点t2以降、制御部21が放電上限値を徐々に減少させることで、蓄電池SB1の出力電力BO1が徐々に減少する。第2例では、電流検出回路6の異常ではなく、例えば、電路W2に接続されている複数の負荷71、72の消費電力の増加、又は、分散型電源PV1の出力の低下が原因で、時点t1において、第1、第2検出電流値I1、I2が減少している。時点t1以降も、電流検出回路6は電路W2に流れる電流を正常に検出することができる。したがって、蓄電池SB1の出力電力BO1が時点t2以降に徐々に減少すると、第1、第2検出電流値I1、I2も徐々に減少する。
時点t4において、第1、第2検出電流値I1、I2は、所定範囲RA1の下限値LO1よりも小さい値になる。つまり、時点t4において、第1、第2検出電流値I1、I2は、所定範囲RA1から外れる(ステップS5:No)。したがって、例えば、ステップS10(図3参照)において、制御部21は、放電上限値を徐々に増加させる。すると、制御部21は第1コンバータ回路4に放電動作を開始させ、蓄電池SB1の出力電力BO1が徐々に増加する。これにより、第1、第2検出電流値I1、I2も徐々に増加する。
時点t5において、第1、第2検出電流値I1、I2は所定範囲RA1の上限値UP1を上回る。すなわち、第1、第2検出電流値I1、I2が所定範囲RA1から外れる。時点t4から時点t5までの時間間隔T4は、所定の検知時間T1よりも短い。したがって、時点t4から時点t5までの間に第1、第2検出電流値I1、I2が所定範囲RA1内となるにも関わらず、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ることを検知しない。
時点t6以後、蓄電池SB1の出力電力BO1が、例えば略一定に推移する。なお、その後、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知すると、制御部21が放電上限値を徐々に減少させるので、蓄電池SB1の出力電力BO1が徐々に減少する。
ところで、時点t4から時点t6までの間、制御部21は、放電上限値を徐々に増加させ、第1コンバータ回路4に放電動作を開始させ、蓄電池SB1の出力電力BO1は徐々に増加する。このとき、放電上限値の増加速度は、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4に出力される直流電流が、所定の検知時間T1の間に、所定範囲RA1の上限値UP1と下限値LO1との差(0.3A)よりも大きい値だけ増加するような増加速度である。したがって、制御部21は、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4に出力される直流電流を、所定範囲RA1の上限値UP1と下限値LO1との差よりも大きい値だけ、所定の検知時間T1の間に増加させる。
より詳細には、時点t4から時点t6までの間、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4に出力される直流電流は、時間に比例して増加する。したがって、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4に出力される直流電流の、1秒(単位時間)あたりの増加量は、所定範囲RA1の上限値UP1と下限値LO1との差(0.3A)を、所定の検知時間T1(2秒)で除した値である、0.15A/秒よりも大きい。
また、制御部21が放電上限値を徐々に減少させるときの放電上限値の減少速度の絶対値は、制御部21が放電上限値を徐々に増加させるときの放電上限値の増加速度の絶対値と等しい。したがって、図5のグラフにおいて、時点t2と時点t4との間の、蓄電池SB1の出力電力BO1の単位時間当たりの変化量の絶対値は、時点t4と時点t6との間の、蓄電池SB1の出力電力BO1の単位時間当たりの変化量の絶対値と等しい。
(変形例1)
次に、実施形態の変形例1に係る電力変換システム1について、図1を参照して説明する。本変形例では、検知部22は、電流検出回路6の異常の有無を、実施形態とは異なる態様により検知する。
制御装置2は、複数の負荷71、72が動作しているか否かを検知する。電力変換システム1は、例えば、負荷71に流れる電流を検出する第1負荷電流センサと、負荷72に流れる電流を検出する第2負荷電流センサと、を更に備えている。第1、第2負荷電流センサはそれぞれ、例えば、カレントトランスである。第1、第2負荷電流センサの検出電流値は、例えば、負荷71、72に流れる電流の実効値である。制御装置2は、第1、第2負荷電流センサの検出電流値に基づいて、複数の負荷71、72が動作しているか否かを検知する。
また、制御装置2は、第1負荷電流センサの検出電流値に基づいて、負荷71が動作しているときに負荷71に供給される電流と、負荷71が動作していないときに負荷71に供給される電流との差(以下、負荷71の差分電流と称す)を示す情報を取得する。制御装置2は、第2負荷電流センサの検出電流値に基づいて、負荷72が動作しているときに負荷72に供給される電流と、負荷72が動作していないときに負荷72に供給される電流との差(以下、負荷72の差分電流と称す)を示す情報を取得する。
検知部22は、負荷71が動作を開始又は停止したときに、第1電流センサCT1の第1検出電流値I1の変化量を検知する。検知部22は、負荷72が動作を開始又は停止したときに、第2電流センサCT2の第2検出電流値I2の変化量を検知する。検知部22は、負荷71の差分電流と第1検出電流値I1の変化量との差、及び、負荷72の差分電流と第2検出電流値I2の変化量との差が、予め決められた範囲内であれば、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。また、検知部22は、負荷71の差分電流と第1検出電流値I1の変化量との差、及び、負荷72の差分電流と第2検出電流値I2の変化量との差のうち少なくとも一方が、上記の予め決められた範囲外であれば、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。
上記の予め決められた範囲とは、当該範囲内の値を実質的に0Aと見做せる値の範囲である。例えば、予め決められた範囲とは、負荷71、72が動作しているときの第1、第2負荷電流センサの検出電流値の±1%の範囲であることが好ましく、±0.5%の範囲であることがより好ましく、±0.1%の範囲であることが更に好ましい。
つまり、検知部22は、第1検出電流値I1が負荷71に流れる電流の変化に追随して変化するか否か、及び、第2検出電流値I2が負荷72に流れる電流の変化に追随して変化するか否かに応じて、電流検出回路6の異常の有無を検知する。
変形例1では、実施形態の電力変換システム1と同様に、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2継続すると、第2制御部212は、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3を停止させる。
変形例1において、制御装置2は、負荷71が動作しているときに負荷71に供給される電流と、負荷71が動作していないときに負荷71に供給される電流との差(すなわち、負荷71の差分電流)を、予め記憶していてもよい。また、制御装置2は、負荷72が動作しているときに負荷72に供給される電流と、負荷72が動作していないときに負荷72に供給される電流との差(すなわち、負荷72の差分電流)を、予め記憶していてもよい。検知部22は、制御装置2が記憶している負荷71の差分電流及び負荷72の差分電流を用いて、電流検出回路6の異常の有無を検知してもよい。
また、変形例1において、複数の負荷71、72と電路W2との間に複数のリレーが設けられていてもよい。複数のリレーは、例えば、制御装置2の制御により開閉されてもよい。検知部22は、複数のリレーが開閉するときの第1検出電流値I1の変化量と負荷71の差分電流との差、及び、複数のリレーが開閉するときの第2検出電流値I2の変化量と負荷72の差分電流との差が、予め決められた範囲内であれば、電流検出回路6に異常が無いことを検知してもよい。
また、変形例1において、第1、第2負荷電流センサは、カレントトランスに限定されない。例えば、第1、第2負荷電流センサとしてそれぞれ、ホール素子型電流センサを用いてもよい。
(変形例2)
次に、実施形態の変形例2に係る電力変換システム1について、図1を参照して説明する。本変形例では、検知部22は、電流検出回路6の異常の有無を、実施形態とは異なる態様により検知する。
電流検出回路6は、第1電流センサCT1を含む回路により、L1相の配線W21に流れる電流の実効値である第1検出電流値I1と、L1相の配線W21に流れる電流の半サイクルの平均値(以下、第1平均値と称す)とを検出する。電流検出回路6は、第2電流センサCT2を含む回路により、L2相の配線W22に流れる電流の実効値である第2検出電流値I2と、L2相の配線W22に流れる電流の半サイクルの平均値(以下、第2平均値と称す)とを検出する。
第1検出電流値I1と第1平均値との差、及び、第2検出電流値I2と第2平均値との差が、予め決められた範囲内になると、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。また、検知部22は、第1検出電流値I1と第1平均値との差、及び、第2検出電流値I2と第2平均値との差のうち少なくとも一方が、上記の予め決められた範囲から外れると、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。上記の予め決められた範囲は、当該範囲内の値を実質的に0と見做せる範囲である。例えば、上記の予め決められた範囲は、±10mAの範囲であることが好ましく、±5mAの範囲であることがより好ましく、±1mAの範囲であることが更に好ましい。
電流検出回路6に断線等の異常が有って、L1相の配線W21に流れる電流の振幅が0に近い値になると、第1検出電流値I1と第1平均値との差が実質的に0と見做せる値になる。また、電流検出回路6に断線等の異常が有って、L2相の配線W22に流れる電流の振幅が0に近い値になると、第2検出電流値I2と第2平均値との差が実質的に0と見做せる値になる。したがって、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ることを検知することができる。
(変形例3)
次に、実施形態の変形例3に係る電力変換システム1Aについて、図6を参照して説明する。実施形態の電力変換システム1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
電力変換システム1Aは、第3電流センサCT3を更に備えている点で、実施形態の電力変換システム1と異なる。第3電流センサCT3は、例えば、カレントトランスである。第3電流センサCT3には、分散型電源PV1と第2コンバータ回路5との間の配線W4が通されている。第3電流センサCT3は、配線W4に流れる電流を検出する。
電力変換システム1Aは、第3電流センサCT3と制御装置2とを互いに接続する配線W5を更に備えている。第3電流センサCT3は、検出した第3検出電流値を、制御装置2の検知部22に出力する。第3検出電流値は、例えば、配線W4に流れる電流の実効値である。
第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2の和と、第3検出電流値との差が、ある範囲内になると、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。また、検知部22は、第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2の和と、第3検出電流値との差が、上記のある範囲から外れると、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。上記のある範囲は、例えば、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4への出力電流、第1コンバータ回路4から蓄電池SB1への入力電流、負荷71、72の動作状況並びに、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3での電力損失等に応じて、制御装置2により決められる。
変形例3において、第3電流センサCT3は、カレントトランスに限定されない。例えば、第3電流センサCT3として、ホール素子型電流センサを用いてもよい。
また、変形例3において、第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2の和が、第3検出電流値の時間的な変化に追随している場合に、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いと検知してもよい。第1検出電流値I1及び第2検出電流値I2の和が、第3検出電流値の時間的な変化に追随していない場合に、検知部22は、電流検出回路6に異常が有ると検知してもよい。
(実施形態のその他の変形例)
以下に、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、変形例1〜3と適宜組み合わせて実現されてもよい。
実施形態において、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知しているとき、第1コンバータ回路4は、充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行える。その後、電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知したとき、制御部21は、異常検知回数に関わらず、第1コンバータ回路4が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行える状態を維持してもよい。例えば、ステップS5(図3参照)において、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが所定範囲RA1から外れた場合(ステップS5:No)、制御装置2は、放電上限値が0Wの状態を維持し、計測時間を0にし、タイマ25は、計測時間の計測を停止してもよい。これにより、第1コンバータ回路4が放電動作を行えない状態が維持される。この場合は、ユーザの操作等により電力変換システム1が再起動すると、ステップS2において制御装置2は放電上限値を3000Wに設定し、第1コンバータ回路4が放電動作を行えるようになる。
あるいは、電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知したとき、制御部21は、異常検知回数に関わらず、第1コンバータ回路4が放電動作を行えるようにしてもよい。例えば、ステップS5において、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが所定範囲RA1から外れた場合(ステップS5:No)、異常検知回数を所定回数(4回)と比較するためのステップS9を経ずに、ステップS10において、制御装置2は放電上限値を3000Wに設定し、第1コンバータ回路4が放電動作を行えるようになってもよい。
また、計測時間が所定時間T2に達して、ステップS7において第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3が停止した後、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3は、電力変換システム1が再起動するまで動作を停止してもよい。つまり、検知部22は、ステップS8において、電流検出回路6の異常の有無を検知しなくてもよい。
また、電力変換システム1における個々の構成要素が1つの筐体内に集約されていてもよいし、個々の構成要素が複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、制御装置2とインバータ回路3とが第1筐体内に集約され、第1コンバータ回路4が第2筐体に収容され、第2コンバータ回路5が第3筐体に収容されていてもよい。あるいは、制御装置2とインバータ回路3と第2コンバータ回路5とが第1筐体内に集約され、第1コンバータ回路4が第2筐体に収容されていてもよい。あるいは、制御装置2とインバータ回路3と第1コンバータ回路4と第2コンバータ回路5とが1つの筐体内に集約されていてもよい。
また、分散型電源PV1は、太陽電池に限定されず、例えば、風力、水力又はバイオマスのエネルギーを用いる発電装置を用いてもよい。また、分散型電源PV1として、液体燃料又は気体燃料を燃焼させる内燃機関を備えた発電装置を用いてもよい。また、分散型電源PV1として、燃料電池を用いてもよい。
また、第1電流センサCT1及び第2電流センサCT2は、カレントトランスに限定されない。例えば、第1電流センサCT1及び第2電流センサCT2としてそれぞれ、ホール素子型電流センサを用いてもよい。
また、インバータ回路3は、双方向DC/ACインバータ回路に限定されない。インバータ回路3は、中間バスW1からの直流電力を交流電力に変換する動作のみを行うインバータ回路であってもよい。
また、制御装置2において、単一の構成(例えば、単一のプロセッサ)により、第1制御部211及び第2制御部212としての機能が実現されることは、必須ではない。すなわち、第1制御部211としての機能を実現する構成と、第2制御部212としての機能を実現する構成とが、個別に設けられていてもよい。また、第1コンバータ回路4、第2コンバータ回路5及びインバータ回路3の制御を、第1制御部211と第2制御部212とが個別に行ってもよい。
また、提示部26は、ディスプレイに残り時間を表示する構成に限定されない。例えば、提示部26は、スピーカを含み、スピーカから出力される音声により残り時間をユーザに知らせてもよい。あるいは、提示部26は、制御装置2の外部のディスプレイ又はスピーカ等の構成であってもよい。このとき、提示部26は、残り時間を表す情報(例えば、文字データ又は音声データ)を、有線通信又は無線通信により制御装置2から受け取り、残り時間を文字として表示又は音声として出力してもよい。
また、第2コンバータ回路5は、電力変換システム1に必須の構成ではなく、適宜省略されてもよいし、電力変換システム1の外部の構成として設けられてもよい。
また、電力変換システム1は、少なくとも制御装置2とインバータ回路3とを備えていればよい。例えば、第1コンバータ回路4、中間バスW1及び電流検出回路6は、電力変換システム1の外部の構成として設けられてもよい。
また、複数の負荷71、72は、電力変換システム1の外部の構成として設けられてもよいし、電力変換システム1の構成として設けられてもよい。
また、負荷71は、互いに直列、並列又は直並列に接続された複数の負荷を含む回路であってもよい。同様に、負荷72は、互いに直列、並列又は直並列に接続された複数の負荷を含む回路であってもよい。
また、実施形態の電流検出回路6は、制御装置2の内部の回路のうち、配線W31及び配線W32につながっている回路を含む。電流検出回路6は、制御装置2の内部の回路のうち、配線W31又は配線W32につながっている回路を含んでいてもよい。
また、検知部22は、第1コンバータ回路4が放電動作を行っているときのみ電流検出回路6の異常の有無を検知してもよい。
また、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2継続したとき、第2制御部212は、第1コンバータ回路4のみを停止させてもよい。
また、実施形態の規定の範囲RA2の上限値UP2は、所定範囲RA1の上限値UP1よりも大きく、規定の範囲RA2の下限値LO2は、所定範囲RA1の下限値LO1よりも小さい。規定の範囲RA2と所定範囲RA1との関係は、これに限定されず、規定の範囲RA2が所定範囲RA1を包含していればよい。例えば、規定の範囲RA2の上限値UP2が所定範囲RA1の上限値UP1と等しく、かつ、規定の範囲RA2の下限値LO2が所定範囲RA1の下限値LO1よりも小さくてもよい。あるいは、規定の範囲RA2の上限値UP2が所定範囲RA1の上限値UP1よりも大きく、かつ、規定の範囲RA2の下限値LO2が所定範囲RA1の下限値LO1と等しくてもよい。
また、所定範囲RA1の中心及び規定の範囲RA2の中心は、0と一致しなくてもよい。
また、ステップS2、S10において制御部21は、放電上限値を3000Wに設定するが、3000Wは一例であって、0Wよりも大きい適宜の値であってよい。また、ステップS2、S10において放電上限値として設定される適宜の値は、制御装置2に対するユーザの操作により設定されてもよい。
また、第1コンバータ回路4は、蓄電池SB1から第1コンバータ回路4に出力される直流電力(蓄電池SB1の出力電力BO1)を徐々に減少させる。ここで、「徐々に」とは、蓄電池SB1の出力電力BO1を段階的に減少させることも、時間に比例して減少させることも含む。また、蓄電池SB1の出力電力BO1の減少速度は、例えば、出力電力BO1が最大値から0Wに減少するのに要する時間が5秒以上であることが好ましく、当該時間が10秒以上であることがより好ましく、当該時間が20秒以上であることが更に好ましい。
また、検知部22は、第1電流センサCT1を含む回路の異常の有無を検知することと、第2電流センサCT2を含む回路との異常の有無を検知することとを個別に行ってもよい。例えば、第1検出電流値I1が所定範囲RA1内である状態が所定の検知時間T1継続したときに、検知部22は、第1電流センサCT1を含む回路に異常が有ることを検知してもよい。また、第2検出電流値I2が所定範囲RA1内である状態が所定の検知時間T1継続したときに、検知部22は、第2電流センサCT2を含む回路に異常が有ることを検知してもよい。また、電流検出回路6は、第1、第2電流センサCT1、CT2のうち一方のみを含んでいてもよい。
また、電力変換システム1の配電方式は、単相3線式に限定されず、単相2線式又は三相3線式等の、別の配電方式であってもよい。電力変換システム1の配電方式が単相2線式の場合は、第1、第2電流センサCT1、CT2のうち、1つのみを設ければよい。電力変換システム1の配電方式が三相3線式の場合は、3つの相の3つの配線に1つずつ電流センサを設けてもよい。電流センサの個数は、特に限定されない。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る制御装置2は、電力変換システム1(又は1A)に備えられる。電力変換システム1(又は1A)は、中間バスW1と、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)と、インバータ回路3と、電流検出回路6と、を備える。中間バスW1は、分散型電源PV1に接続され、分散型電源PV1から直流電力が供給される。コンバータ回路は、蓄電池SB1及び中間バスW1に接続される。コンバータ回路は、充電動作と、放電動作と、を行う。コンバータ回路は、充電動作において、中間バスW1からの直流電力を蓄電池SB1に出力する。コンバータ回路は、放電動作において、蓄電池SB1からの直流電力を中間バスW1に出力する。インバータ回路3は、負荷71(又は72)及び電力系統に接続される。インバータ回路3は、中間バスW1を介してコンバータ回路及び分散型電源PV1に接続される。インバータ回路3は、中間バスW1からの直流電力を交流電力に変換して負荷71(若しくは72)又は電力系統に出力する。電流検出回路6は、電力変換システム1(又は1A)と電力系統との間に流れる電流を検出する。制御装置2は、第1制御部211と、検知部22と、第2制御部212と、を有する。第1制御部211は、電流検出回路6が検出した検出電流値に応じてコンバータ回路及びインバータ回路3を制御する。検知部22は、検出電流値に応じて電流検出回路6の異常の有無を検知する。第2制御部212は、検知部22の検知結果に応じてコンバータ回路を制御する。電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知しているとき、第2制御部212は、コンバータ回路が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようにする。電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2継続すると、第2制御部212は、コンバータ回路を停止させる。
上記の構成によれば、電流検出回路6は、電力変換システム1(又は1A)と電力系統との間に流れる電流を検出する。電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知しているとき、第2制御部212は、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようにする。したがって、電流検出回路6に異常が有って、電流検出回路6の検出電流値が誤った値であるときに、誤った検出電流値に応じて第1制御部211がコンバータ回路に放電動作を行わせる可能性を低減できる。例えば、電力系統へ逆潮流する電流が有るときに、第1制御部211がコンバータ回路に放電動作を行わせる可能性を低減できる。さらに、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が所定時間T2継続すると、第2制御部212は、コンバータ回路を停止させる。したがって、電流検出回路6に異常が有る状態で所定時間T2よりも長時間、第1制御部211が検出電流値に応じてコンバータ回路を制御し続ける可能性を低減できる。つまり、上記の構成によれば、コンバータ回路に誤った制御が為される可能性を低減できる。
また、第2の態様に係る制御装置2では、第1の態様において、電力系統と電力変換システム1(又は1A)とは、L1相の配線W21、L2相の配線W22及びN相の配線W23を含む単相3線式の電路W2において互いに接続される。電流検出回路6は、第1電流センサCT1と、第2電流センサCT2と、を含む。第1電流センサCT1は、L1相の配線W21に流れる電流を検出する。第2電流センサCT2は、L2相の配線W22に流れる電流を検出する。検知部22は、第1電流センサCT1が検出した第1検出電流値I1と、第2電流センサCT2が検出した第2検出電流値I2とのうち少なくとも一方が、所定範囲RA1内の場合に、電流検出回路6に異常が有ることを検知する。
上記の構成によれば、単相3線式の電路W2において電力系統と電力変換システム1(又は1A)との間に流れる電流を、電流検出回路6の第1電流センサCT1と第2電流センサCT2とにより検出できる。また、単相3線式の電路W2において電力系統と電力変換システム1(又は1A)との間に流れる電流を検出する電流検出回路6の異常の有無を、検知部22が検知できる。
また、第3の態様に係る制御装置2では、第2の態様において、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が、所定時間T2継続する前に、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に、規定の範囲RA2から外れると、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。規定の範囲RA2は、所定範囲RA1を包含する。
まず、第1の態様において、電流検出回路6に異常が無いときであっても、電流検出回路6で検出される第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とのうち少なくとも一方が一時的に所定範囲RA1内の値となり、電流検出回路6に異常が有ると検知部22が誤検知する可能性がある。電流検出回路6に異常が有ると検知部22が誤検知しているとき、第2制御部212は、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようにする。このような場合に、第3の態様によれば、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが規定の範囲RA2から外れることで、検知部22は、電流検出回路6に異常が無いことを検知する。これにより、第2制御部212は、コンバータ回路に放電動作を行わせることができる。つまり、検知部22の誤検知が原因でコンバータ回路が放電動作を行えなくなっても、コンバータ回路は、再び放電動作を行えるようになる。
また、第4の態様に係る制御装置2では、第3の態様において、蓄電池SB1の充電レベルが所定レベル以下になると、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)は充電動作を行う。所定時間T2は、蓄電池SB1が満充電状態から自己放電して充電レベルが所定レベル以下になるのに要する時間よりも長い。
上述の通り、第1の態様において、電流検出回路6に異常が無いにも関わらず電流検出回路6に異常が有ると検知部22が誤検知する可能性がある。第4の態様によれば、蓄電池SB1の充電レベルが所定レベル以下になると、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)は充電動作を行い、蓄電池SB1が充電される。これにより、電力系統と電力変換システム1(又は1A)との間に流れる電流が変動するので、第1検出電流値I1と第2検出電流値I2とが共に、規定の範囲RA2から外れ、電流検出回路6に異常が無いことを検知部22が検知することがある。すると、コンバータ回路は、再び放電動作を行えるようになる。さらに、所定時間T2は、蓄電池SB1が満充電状態から自己放電して充電レベルが所定レベル以下になるのに要する期間よりも長い。つまり、所定時間T2が経過して第2制御部212がコンバータ回路を停止させる前に、蓄電池SB1の充電レベルが所定レベル以下になる。したがって、検知部22の誤検知が原因でコンバータ回路が放電動作を行えなくなった場合に、コンバータ回路が再び放電動作を行えるようになる可能性が高まる。
また、第5の態様に係る制御装置2では、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、検知部22は、少なくともコンバータ回路(第1コンバータ回路4)が放電動作を行っているときに、電流検出回路6の異常の有無を検知する。
上記の構成によれば、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)が放電動作を行っていないときにのみ、検知部22が電流検出回路6の異常の有無を検知する場合と比較して、第1制御部211がコンバータ回路に誤って充電動作又は放電動作を行わせる可能性を低減できる。つまり、電流検出回路6に異常が有って、検出電流値が誤った値であるときに、誤った検出電流値に応じて第1制御部211がコンバータ回路に充電動作又は放電動作を行わせる可能性を低減できる。
また、第6の態様に係る制御装置2は、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、提示部26を更に有する。提示部26は、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態が継続しているとき、現時点と、電流検出回路6に異常が有ることを検知部22が検知している状態になってからの経過時間が所定時間T2に達する時点との間の時間の長さを表す情報を提示する。
上記の構成によれば、ユーザは、現時点から、第2制御部212がコンバータ回路(第1コンバータ回路4)を停止させるまでの時間の長さを知ることができる。
また、第7の態様に係る電力変換システム1(又は1A)は、第1〜6の態様のいずれか1つに係る制御装置2と、インバータ回路3と、を備える。
上記の構成によれば、電力変換システム1(又は1A)の制御装置2によりコンバータ回路(第1コンバータ回路4)に誤った制御が為される可能性を低減できる。
また、第8の態様に係る電力変換システム1(又は1A)は、第7の態様において、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)を更に備える。
上記の構成によれば、電力変換システム1(又は1A)の制御装置2によりコンバータ回路(第1コンバータ回路4)に誤った制御が為される可能性を低減できる。
また、第9の態様に係る電力変換システム1(又は1A)は、第8の態様において、中間バスW1と、電流検出回路6と、を更に備える。
上記の構成によれば、電力変換システム1(又は1A)の制御装置2によりコンバータ回路(第1コンバータ回路4)に誤った制御が為される可能性を低減できる。
また、第10の態様に係るプログラムは、コンピュータを、電力変換システム1(又は1A)に備えられる制御装置2として機能させる。電力変換システム1(又は1A)は、中間バスW1と、コンバータ回路(第1コンバータ回路4)と、インバータ回路3と、電流検出回路6と、を備える。中間バスW1は、分散型電源PV1に接続され、分散型電源PV1から直流電力が供給される。コンバータ回路は、蓄電池SB1及び中間バスW1に接続される。コンバータ回路は、充電動作と、放電動作と、を行う。コンバータ回路は、充電動作において、中間バスW1からの直流電力を蓄電池SB1に出力する。コンバータ回路は、放電動作において、蓄電池SB1からの直流電力を中間バスW1に出力する。インバータ回路3は、負荷71(又は72)及び電力系統に接続される。インバータ回路3は、中間バスW1を介してコンバータ回路及び分散型電源PV1に接続される。インバータ回路3は、中間バスW1からの直流電力を交流電力に変換して負荷71(若しくは72)又は電力系統に出力する。電流検出回路6は、電力変換システム1(又は1A)と電力系統との間に流れる電流を検出する。制御装置2は、電流検出回路6が検出した検出電流値に応じてコンバータ回路及びインバータ回路3を制御する。制御装置2は、検出電流値に応じて電流検出回路6の異常の有無を検知する。制御装置2は、電流検出回路6に異常が有ることを検知しているとき、コンバータ回路が充電動作と放電動作とのうち充電動作のみを行えるようにする。制御装置2は、電流検出回路6に異常が有ることを検知している状態が所定時間T2継続すると、コンバータ回路を停止させる。
上記の構成によれば、制御装置2によりコンバータ回路(第1コンバータ回路4)に誤った制御が為される可能性を低減できる。
第2〜6の態様に係る構成については、制御装置2に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。