JP2020018108A - 蓄電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の蓄電池が設置された需要家から電力系統への総出力電力値を一定の範囲内に収める制御の精度の低下を抑制する技術を提供する。【解決手段】第1蓄電池20と第2蓄電池30は、電力系統10に対して互いに並列に接続される。第1電力変換装置22は、第1蓄電池20の充放電を制御する。第2電力変換装置32は、第2蓄電池30の充放電を制御する。第1電力変換装置22は、総出力電力値が第1目標値に近づくように、第1電力変換装置22からの第1出力電力を制御し、第2電力変換装置32は、総出力電力値が第2目標値に近づくように、第2電力変換装置32からの第2出力電力を制御する。第1電力変換装置22において、第1出力電力の変化に応じて第1目標値が変化し、第2電力変換装置32において、第2出力電力の変化に応じて第2目標値が変化する。【選択図】図1
Description
本開示は、蓄電池の充放電を制御する蓄電システムに関する。
需要家において複数の蓄電池が電力系統に対して並列に接続される場合、各蓄電池と電力系統の間には電力変換装置が配置される。電力変換装置は、蓄電池の充放電を制御する。例えば、電力変換装置は、蓄電池の出力電力を増減し、受電電力が受電電力設定値以下にならないように制御を実行する。複数の蓄電池が設置される場合、電池の劣化および効率を考慮すると、各蓄電池の電力はできるだけ均等に使用されるべきである。そのため、電力変換装置は、蓄電池の出力電力値に応じて受電電力設定値を変化させる(例えば、特許文献1参照)。
蓄電池の出力電力値に応じて受電電力設定値を変化させる場合、受電電力設定値には電力変換装置での変換効率の影響が反映されない。電力変換装置での変換効率の影響を受けた受電電力設定値を充放電の制御に使用すると、複数の蓄電池が設置された需要家から電力系統への総出力電力値を一定の範囲内に収めることが要求される場合において、制御の精度が低下する。
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、複数の蓄電池が設置された需要家から電力系統への総出力電力値を一定の範囲内に収める制御の精度の低下を抑制する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の蓄電システムは、需要家に設置され、電力系統に対して互いに並列に接続された第1蓄電池と第2蓄電池と、第1蓄電池の充放電を制御する第1電力変換装置と、第2蓄電池の充放電を制御する第2電力変換装置とを備える。第1電力変換装置は、需要家から電力系統への総出力電力値が第1目標値に近づくように、第1電力変換装置からの第1出力電力を制御し、第2電力変換装置は、総出力電力値が第2目標値に近づくように、第2電力変換装置からの第2出力電力を制御し、第1電力変換装置において、第1出力電力の変化に応じて第1目標値が変化し、第2電力変換装置において、第2出力電力の変化に応じて第2目標値が変化する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、またはコンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示によれば、複数の蓄電池が設置された需要家から電力系統への総出力電力値を一定の範囲内に収める制御の精度の低下を抑制できる。
(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の基礎となった知見を説明する。実施例は、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。需要家は、電力会社等からの電力の供給を受けている施設であり、例えば、住宅、事務所、店舗、工場、公園などである。需要家において電力系統から延びる配電線は分岐点において複数の配電線に分岐され、分岐された各配電線に蓄電池が接続される。また、複数の蓄電池のそれぞれには電力変換装置が接続されており、電力変換装置を介して複数の蓄電池は充放電を実行する。
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の基礎となった知見を説明する。実施例は、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。需要家は、電力会社等からの電力の供給を受けている施設であり、例えば、住宅、事務所、店舗、工場、公園などである。需要家において電力系統から延びる配電線は分岐点において複数の配電線に分岐され、分岐された各配電線に蓄電池が接続される。また、複数の蓄電池のそれぞれには電力変換装置が接続されており、電力変換装置を介して複数の蓄電池は充放電を実行する。
これまで、並列に接続された複数の蓄電池が放電を実行する場合、各蓄電池に対する制御が干渉することを防止するために、分岐された各配電線に負荷を接続し、1つの負荷に1つの蓄電池からの電力を供給している。このような接続形態では、複数の蓄電池の総出力電力を負荷に供給できずに、複数の蓄電池を効率的に運用できない。電力系統に並列に接続された複数の蓄電池を効率的に運用するためには、電力系統と分岐点との間の配電線に負荷を接続することが好ましい。このような接続形態では、前述のごとく、複数の蓄電池が設置された需要家から電力系統への総出力電力値を一定の範囲内に収める制御の精度の低下を抑制することが求められる。
図1は、蓄電システム100の構成を示す。蓄電システム100は、電力系統10に接続されるとともに、配電線12、分岐点14、第1配電線16、第2配電線18、第1蓄電池20、第1電力変換装置22、第2蓄電池30、第2電力変換装置32、負荷40、計測装置42と総称される第1計測装置42a、第2計測装置42bを含む。蓄電システム100は、需要家内に設置される。第1蓄電池20と第1電力変換装置22は、別の装置として構成されてもよいが、第1蓄電装置24として一体化されてもよい。第2蓄電池30と第2電力変換装置32は、別の装置として構成されてもよいが、第2蓄電装置34として一体化されてもよい。
電力系統10は、電力会社の商用電源であり、例えば単相3線式200V/100Vの商用電力である。電力系統10から需要家内に向かって配電線12が延びる。配電線12には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。配電線12は、分岐点14において第1配電線16と第2配電線18とに分岐される。第1配電線16には第1蓄電池20と第1電力変換装置22が接続され、第2配電線18には第2蓄電池30と第2電力変換装置32とが接続される。
第1蓄電池20と第2蓄電池30は、第1配電線16、分岐点14、第2配電線18を介して、電力系統10に対して互いに並列に接続される。第1蓄電池20は、電力を充放電可能であり、直列または直並列接続された複数の蓄電池セルにより構成される。蓄電池セルには、リチウムイオン蓄電池、ニッケル水素蓄電池、鉛蓄電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等が使用される。第1蓄電池20として、電気二重層コンデンサが使用されてもよい。第2蓄電池30は、第1蓄電池20と同様に構成されるが、第1蓄電池20とは異なった容量を有してもよい。
第1電力変換装置22は、第1配電線16において第1蓄電池20と分岐点14との間に配置される。第1電力変換装置22は、第1蓄電池20の充放電を制御する。第2電力変換装置32は、第2配電線18において第2蓄電池30と分岐点14との間に配置される。第2電力変換装置32は、第2蓄電池30の充放電を制御する。第1電力変換装置22と第2電力変換装置32の構成は後述する。
負荷40は、配電線12において電力系統10と分岐点14との間に配置される。負荷40は、配電線12を介して供給される電力を消費する機器である。配電線12を介して供給される電力には、電力系統10から供給される電力、第1蓄電池20から供給される電力、第2蓄電池30から供給される電力が含まれる。負荷40は、空調機器(エアコン)、テレビジョン受信装置(テレビ)、照明装置の機器を含む。ここでは、1つの負荷40が配電線12に接続されているが、複数の負荷40が配電線12に接続されてもよい。
第1計測装置42aと第2計測装置42bは、配電線12において電力系統10と負荷40との間に配置される。これらの計測装置42は、配電線12における電力量を測定する電力量計である。計測装置42の一例は、デジタル式の電力量計であるスマートメータである。計測装置42は、電力系統10から入ってくる順潮流の電力量と、電力系統10へ出て行く逆潮流の電力量とを計測可能である。計測装置42は、電力量の時間変化をもとに電力(以下、「総出力電力値」という)を導出する。本実施例では、第1蓄電池20と第2蓄電池30とに対する放電の制御に着目するので、逆潮流の電力を「+」として示し、順潮流の電力を「−」として示す。これにしたがうと、需要家から電力系統10への総出力電力値は、「+」であれば逆潮流の電力を示し、「−」であれば順潮流の電力を示す。第1計測装置42aは、計測した総出力電力値を第1電力変換装置22に出力し、第2計測装置42bは、計測した総出力電力値を第2電力変換装置32に出力する。
図2は、第1電力変換装置22の構成を示す。第1電力変換装置22は、電力変換部70、入力部72、出力制御部74、計測部76、記憶部78、目標値制御部80を含む。第2電力変換装置32も、第1電力変換装置22と同様の構成を有する。
電力変換部70は、図1の第1蓄電池20と分岐点14との間に配置される。電力変換部70は、分岐点14からの交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を第1蓄電池20に出力する。また、電力変換部70は、第1蓄電池20からの直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を分岐点14に出力する。つまり、電力変換部70によって第1蓄電池20は充放電される。このような電力変換部70の制御は出力制御部74によってなされる。
入力部72は、第1計測装置42aにおいて計測された総出力電力値を受けつける。例えば、総出力電力値は定期的に受けつけられる。入力部72は、総出力電力値を出力制御部74に出力する。出力制御部74は、入力部72から総出力電力値を受けつける。また、出力制御部74は、総出力電力値と比較すべき目標値(以下、「第1目標値」という)を目標値制御部80から受けつけている。出力制御部74は、総出力電力値が第1目標値に近づくように、電力変換部70から出力される交流電力(以下、「第1出力電力」という)を制御する。電力変換部70から出力される交流電力は、第1電力変換装置22から出力される電力に相当する。
計測部76は、電力変換部70からの第1出力電力の値を計測する。計測部76は、計測装置42と同様に構成されるが、例えば、計測部76における計測期間は計測装置42における計測期間よりも長くされる。計測部76は、計測した第1出力電力の値を目標値制御部80に出力する。
記憶部78は、第1出力電力と第1目標値との関係を第1制御ルールとして記憶する。図3は、記憶部78に記憶される制御ルールを示す。横軸が出力電力割合[%」を示し、縦軸が目標値[W]、具体的には第1目標値を示す。出力電力割合は、電力変換部70の定格出力電力に対する第1出力電力の割合を示す。第1出力電力が大きくなると、出力電力割合も大きくなるので、出力電力割合のことを第1出力電力ということもある。一例として、第1制御ルール200において、第1目標値は、出力電力割合が0%のときに−50Wになり、出力電力割合が50%のときに−75Wになり、出力電力割合が100%のときに−100Wとなるように規定される。図2に戻る。
目標値制御部80は、計測部76からの第1出力電力の値を受けつける。目標値制御部80は、記憶部78に記憶した第1制御ルール200を参照して、第1出力電力の値に対応した第1目標値を取得する。そのため、第1出力電力の変化に応じて第1目標値が変化する。図3の第1制御ルール200の場合、第1出力電力が増加すると第1目標値が下がる。目標値制御部80は、第1目標値を出力制御部74に出力する。出力制御部74は、目標値制御部80からの指示に応じて第1目標値を更新する。
第2電力変換装置32における入力部72は、第2計測装置42bから総出力電力値を受けつける。出力制御部74は、総出力電力値と比較すべき目標値(以下、「第2目標値」という)を目標値制御部80から受けつけている。出力制御部74は、総出力電力値が第2目標値に近づくように、電力変換部70から出力される交流電力(以下、「第2出力電力」という)を制御する。
計測部76は、電力変換部70からの第2出力電力の値を計測する。記憶部78は、第2出力電力と第2目標値との関係を第2制御ルールとして記憶する。例えば、第1電力変換装置22における第1制御ルール200と、第2電力変換装置32における第2制御ルールとは同一である。ここでも、出力電力割合のことを第2出力電力ということがある。目標値制御部80は、記憶部78に記憶した第2制御ルールを参照して、第2出力電力の値に対応した第2目標値を取得する。そのため、第2出力電力の変化に応じて第2目標値が変化する。図3の第2制御ルールの場合、第2出力電力が増加すると第2目標値が下がる。出力制御部74は、目標値制御部80からの指示に応じて第2目標値を更新する。
ここでは、図3を使用しながら、第1電力変換装置22と第2電力変換装置32の動作の概要を説明する。一例として、初期状態において、第1電力変換装置22では、出力電力割合「100%」となるような第1出力電力が出力されており、第2電力変換装置32では、出力電力割合が「0%」となるような第2出力電力が出力されている場合を想定する。これは、第1電力変換装置22から出力がなされているが、第2電力変換装置32から出力がなされていない場合に相当する。
第2電力変換装置32の計測部76において計測された出力電力割合が「0%」であるので、目標値制御部80は、出力電力割合「0%」に対応した第2目標値「−50W」を使用する。入力部72において受けつけた総出力電力値が「−50W」よりも小さければ、出力制御部74は、第2目標値に近づくように、電力変換部70から出力される第2出力電力を大きくさせる。その結果、電力変換部70から出力される第2出力電力は大きくなる。
一方、第1電力変換装置22の出力電力割合が「100%」であるので、目標値制御部80は、出力電力割合「100%」に対応した第2目標値「−100W」を使用している。しかしながら、第2電力変換装置32から出力される第2出力電力が大きくなることによって、第1電力変換装置22の入力部72において受けつけた総出力電力値は、それまでよりも増加する。出力制御部74は、第1目標値に近づくように、電力変換部70から出力される第1出力電力を小さくさせる。その結果、電力変換部70から出力される第1出力電力は小さくなる。
第2電力変換装置32から出力される第2出力電力が大きくなることによって、第2電力変換装置32の計測部76において計測される出力電力割合も大きくなる。目標値制御部80は、増加した出力電力割合に対応した第2目標値となるように第2目標値を更新する。これは、第2目標値を小さくすることに相当する。出力制御部74は、更新された第2目標値を使用して、前述の処理を実行する。
第1電力変換装置22から出力される第1出力電力が小さくなることによって、第1電力変換装置22の計測部76において計測される出力電力割合も小さくなる。目標値制御部80は、減少した出力電力割合に対応した第1目標値となるように第1目標値を更新する。これは、第1目標値を大きくすることに相当する。出力制御部74は、更新された第1目標値を使用して、前述の処理を実行する。
これらの処理を繰り返すことによって、第2電力変換装置32では、第2目標値が小さくなりながら、第2出力電力が大きくなる。つまり、小さくなる第2目標値に近づくように、第2出力電力が大きくなる。さらに、第2目標値と第2出力電力が合った場合に、第2目標値と第2出力電力の変化が止まる。一方、第1電力変換装置22では、第1目標値が大きくなりながら、第1出力電力が小さくなる。つまり、大きくなる第1目標値に近づくように、第1出力電力が小さくなる。さらに、第1目標値と第1出力電力が合った場合に、第1目標値と第1出力電力の変化が止まる。このような処理によって、例えば、第1電力変換装置22と第2電力変換装置32の出力電力割合は「50%」になる。つまり、図3に示した制御ルールを使用することによって、第1電力変換装置22と第2電力変換装置32では、ドループ制御がなされる。
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
本実施例によれば、第1電力変換装置22からの第1出力電力の変化に応じて第1目標値が変化し、第2電力変換装置32からの第2出力電力の変化に応じて第2目標値が変化するので、第1目標値と第2目標値との設定精度を向上できる。また、第1目標値と第2目標値との設定精度が向上するので、複数の蓄電池が設置された需要家から電力系統10への総出力電力値を一定の範囲内に収める制御の精度の低下を抑制できる。また、需要家から電力系統10への総出力電力値を計測するので、第1出力電力と第2出力電力とを制御するために総出力電力値を使用できる。
また、第1制御ルール200と第2制御ルールとは同一であるので、第1出力電力による出力電力割合と、第2出力電力による出力電力割合とを均等にできる。また、第1出力電力が増加すると第1目標値が下がり、第2出力電力が増加すると第2目標値が下がるので、第1電力変換装置22の制御と第2電力変換装置32の制御との間の干渉の発生を抑制できる。また、第1電力変換装置22の制御と第2電力変換装置32の制御との間の干渉の発生が抑制されるので、第1蓄電池20と第2蓄電池30から負荷40に電力を供給できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の蓄電システム100は、需要家に設置され、電力系統に対して互いに並列に接続された第1蓄電池20と第2蓄電池30と、第1蓄電池20の充放電を制御する第1電力変換装置22と、第2蓄電池30の充放電を制御する第2電力変換装置32とを備える。第1電力変換装置22は、需要家から電力系統10への総出力電力値が第1目標値に近づくように、第1電力変換装置22からの第1出力電力を制御し、第2電力変換装置32は、総出力電力値が第2目標値に近づくように、第2電力変換装置32からの第2出力電力を制御し、第1電力変換装置22において、第1出力電力の変化に応じて第1目標値が変化し、第2電力変換装置32において、第2出力電力の変化に応じて第2目標値が変化する。
需要家から電力系統10への総出力電力値を計測する計測装置42をさらに備えてもよい。計測装置42は、計測した総出力電力値を出力する。
第1電力変換装置22における第1出力電力と第1目標値との関係は、第2電力変換装置32における第2出力電力と第2目標値との関係と同一である。
第1電力変換装置22において、第1出力電力が増加すると第1目標値が下がり、第2電力変換装置32において、第2出力電力が増加すると第2目標値が下がる。
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。実施例2に係る電力変換装置は、実施例1と同様に、総出力電力値をもとに目標値を設定し、電力変換部からの出力電力が目標値に近づくように出力電力を制御する。一方、実施例2では、実施例1と異なり、蓄電池に並列に太陽電池が接続される。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。実施例2に係る電力変換装置は、実施例1と同様に、総出力電力値をもとに目標値を設定し、電力変換部からの出力電力が目標値に近づくように出力電力を制御する。一方、実施例2では、実施例1と異なり、蓄電池に並列に太陽電池が接続される。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
図4は、蓄電システム100の構成を示す。蓄電システム100は、図1の構成に加えて、太陽電池90、第3電力変換装置92、分岐点94、第3配電線96を含む。第1配電線16は、分岐点14と第1電力変換装置22との間に分岐点94を有する。分岐点94において第1配電線16から第3配電線96が分岐される。第3配電線96には、太陽電池90と第3電力変換装置92とが接続される。
太陽電池90は、再生可能エネルギー発電装置であり、第1蓄電池20に並列に接続される。太陽電池90は、光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接電力に変換する。太陽電池90として、シリコン太陽電池、化合物半導体などを素材にした太陽電池、色素増感型(有機太陽電池)等が使用される。太陽電池90は、発電した直流電力を第3電力変換装置92に出力する。第3電力変換装置92は、DC−ACインバータであり、太陽電池90から出力される直流電力を交流電力に変換し、交流電力を第3配電線96に出力する。
第3配電線96に出力された交流電力、つまり太陽電池90において発電された電力は、分岐点94において、第1電力変換装置22からの第1出力電力と合成される。以下では、合成された電力もまた「第1出力電力」と呼ぶ。そのため、第1電力変換装置22からの第1出力電力には、太陽電池90において発電された電力も含まれる。第1配電線16における分岐点94と分岐点14との間のポイントPにおける第1出力電力が、第1電力変換装置22の計測部76において測定される。計測部76に続く出力制御部74および目標値制御部80の処理は、これまでと同様である。また、再生可能エネルギー発電装置として、太陽電池90の代わりに、燃料電池、風力発電装置等が使用されてもよい。
本実施例によれば、第1電力変換装置22からの第1出力電力には、太陽電池90において発電された電力が含まれるので、太陽電池90が第1蓄電池20に並列に接続されていても、第1電力変換装置22の処理の変更を不要にできる。また、第1電力変換装置22の処理の変更が不要になるので、第1電力変換装置22にさまざまな再生可能エネルギー発電装置を接続することができる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。第1蓄電池20と並列に太陽電池90も接続され、第1電力変換装置22からの第1出力電力には、太陽電池90において発電された電力も含まれる。
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。これまで、総出力電力値をもとにした出力電力の制御、出力電力をもとにした目標値の制御がなされている。実施例3では、これらに加え、第1蓄電池および第2蓄電池の残量を考慮した制御が実行される。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。これまで、総出力電力値をもとにした出力電力の制御、出力電力をもとにした目標値の制御がなされている。実施例3では、これらに加え、第1蓄電池および第2蓄電池の残量を考慮した制御が実行される。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
図5は、蓄電システム100の構成を示す。蓄電システム100は、図1の構成に加えて、制御装置50を含む。第1電力変換装置22は、第1蓄電池20の残量に関する情報(以下、「第1残量」という)を取得する。残量に関する情報の一例は、SOC(State Of Charge)である。第1電力変換装置22は、第1残量を制御装置50に出力する。第2電力変換装置32は、第2蓄電池30の残量に関する情報(以下、「第2残量」という)を取得する。第2電力変換装置32は、第2残量を制御装置50に出力する。
制御装置50は、第1残量と第2残量とを受けつける。制御装置50は、第1残量と第2残量とを比較する。制御装置50は、第1残量と第2残量との差異がしきい値よりも小さい場合、図3に示した制御ルールの使用を決定する。これは、第1電力変換装置22における第1制御ルール200と、第2電力変換装置32における第2制御ルールとが同一であることに相当する。一方、制御装置50は、第1残量と第2残量との差異がしきい値以上である場合、第1残量が第2残量以上であるか否かを判定する。第1残量が第2残量以上でない場合、つまり第2残量が第1残量よりも大きい場合、制御装置50は、第1蓄電池20から出力される電力よりも第2蓄電池30から出力される電力の方が大きくなるように、第1制御ルール200と第2制御ルールを調節する。これは、残量の多い方の蓄電池から出力される電力が大きくなるように制御ルールを調節することに相当する。この調節を説明するために、ここでは図6(a)−(b)を使用する。
図6(a)−(b)は、制御装置50において調節された制御ルールを示す。図6(a)は、第2残量が第1残量よりも大きい場合の第1制御ルール200と第2制御ルール202とを示す。第1制御ルール200と第2制御ルール202とは出力電力割合「0%」のときに一致するが、第2制御ルール202の傾斜は第1制御ルール200の傾斜よりも緩くされている。そのため、出力電力割合が同一である場合に、第2目標値は第1目標値よりも大きくなるので、第2出力電力は第1出力電力よりも大きくなりやすくなる。ここでは、第1制御ルール200と第2制御ルール202との傾斜を異なるようにしているが、両者の傾斜は同じで、第2制御ルール202は第1制御ルール200に対して上方にシフトされてもよい。図5に戻る。
第1残量が第2残量以上である場合、制御装置50は、第2蓄電池30から出力される電力よりも第1蓄電池20から出力される電力の方が大きくなるように、第1制御ルール200と第2制御ルール202を調節する。図6(b)は、第1残量が第2残量以上である場合の第1制御ルール200と第2制御ルール202とを示す。第1制御ルール200と第2制御ルール202との傾斜は同じであるが、第2制御ルール202は第1制御ルール200に対して下方にシフトされる。そのため、出力電力割合が同一である場合に、第1目標値は第2目標値よりも大きくなるので、第1出力電力は第2出力電力よりも大きくなりやすくなる。ここでは、第1制御ルール200と第2制御ルール202との傾斜を同一にしているが、第2制御ルール202の傾斜は第1制御ルール200の傾斜よりも急にされてもよい。図5に戻る。
以上の説明において、制御装置50は、傾斜あるいはシフトを調節することにより、第2制御ルール202を調節している。しかしながら、制御装置50は、傾斜あるいはシフトを調節することにより、第1制御ルール200を調節してもよい。さらに、制御装置50は、第1制御ルール200と第2制御ルール202をともに調節してもよい。つまり、制御装置50は、第1蓄電池20の状態および第2蓄電池30の状態を取得し、第1蓄電池20の状態および第2蓄電池30の状態をもとに、第1制御ルール200と第2制御ルール202を調節する。制御装置50は、第1制御ルール200を第1電力変換装置22に出力し、第2制御ルール202を第2電力変換装置32に出力する。第1電力変換装置22は、第1制御ルール200を使用してこれまでと同様の処理を実行し、第2電力変換装置32は、第2制御ルール202を使用してこれまでと同様の処理を実行する。ここで、第1電力変換装置22における第1制御ルール200と、第2電力変換装置32における第2制御ルール202とは異なる。
本実施例によれば、第1蓄電池20の残量および第2蓄電池30の残量をもとに、第1制御ルール200と第2制御ルール202を調節するので、第1蓄電池20の残量および第2蓄電池30の残量に適した第1制御ルール200と第2制御ルール202を使用できる。また、第1電力変換装置22における第1制御ルール200は、第2電力変換装置32における第2制御ルール202と異なるので、第1蓄電池20および第2蓄電池30の残量を考慮した制御を実行できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。第1電力変換装置22における第1出力電力と第1目標値との関係は、第2電力変換装置32における第2出力電力と第2目標値との関係と異なる。
第1蓄電池20の状態および第2蓄電池30の状態を取得し、第1蓄電池20の状態および第2蓄電池30の状態をもとに、第1出力電力と第1目標値との関係と、第2出力電力と第2目標値との関係を調節する制御装置50をさらに備えてもよい。制御装置50は、第1出力電力と第1目標値との関係を第1電力変換装置22に出力し、第2出力電力と第2目標値との関係を第2電力変換装置32に出力する。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。実施例3では、第1制御ルールと第2制御ルールの調節がなされている。実施例4では、需要家外に設置されたサーバから第1制御ルールと第2制御ルールとを調節する。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
次に、実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、需要家において複数の蓄電池が電力系統に並列に接続された蓄電システムに関する。実施例3では、第1制御ルールと第2制御ルールの調節がなされている。実施例4では、需要家外に設置されたサーバから第1制御ルールと第2制御ルールとを調節する。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
図7は、蓄電システム100の構成を示す。蓄電システム100は、図1の構成に加えて、ネットワーク60、サーバ62を含む。第1電力変換装置22と第2電力変換装置32は、通信機能を有し、ネットワーク60を介してサーバ62に接続される。サーバ62は、需要家外に設置される。サーバ62は、さまざまなパターンの第1制御ルール200と第2制御ルール202とを記憶しており、選択した第1制御ルール200と第2制御ルール202を送信する。第1制御ルール200と第2制御ルール202の選択は任意の方法でなされればよく、実施例3と同じでもよい。第1電力変換装置22は、第1制御ルール200をサーバ62から受信し、第2電力変換装置32は、第2制御ルール202をサーバ62から受信する。つまり、第1制御ルール200と第2制御ルール202は遠隔から変更される。第1電力変換装置22は、第1制御ルール200を使用してこれまでと同様の処理を実行し、第2電力変換装置32は、第2制御ルール202を使用してこれまでと同様の処理を実行する。
本実施例によれば、サーバ62が第1制御ルール200と第2制御ルール202とを送信するので、第1電力変換装置22と第2電力変換装置32における制御ルールの変更を容易にできる。また、第1電力変換装置22と第2電力変換装置32における制御ルールの変更が容易になされるので、第1電力変換装置22と第2電力変換装置32は、さまざまな状態に適した制御を実行できる。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。第1電力変換装置22と第2電力変換装置32は、ネットワーク60を介してサーバ62に接続され、第1電力変換装置22は、第1出力電力と第1目標値との関係をサーバ62から受けつけ、第2電力変換装置32は、第2出力電力と第2目標値との関係をサーバ62から受けつける。
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施例1乃至4において、第1制御ルール200は、出力電力割合と第1目標値との関係で規定され、第2制御ルール202は、出力電力割合と第2目標値との関係で規定される。しかしながらこれに限らず例えば、第1制御ルール200は、第1出力電力と第1目標値との関係で規定され、第2制御ルール202は、第2出力電力と第2目標値との関係で規定されてもよい。本変形例によれば、第1出力電力と第2出力電力とが近くなるように制御できる。
本実施例3において、第1蓄電池20の状態として第1蓄電池20の残量が使用され、第2蓄電池30の状態として第2蓄電池30の残量が使用される。しかしながらこれに限らず例えば、第1蓄電池20の状態として第1蓄電池20の劣化度が使用され、第2蓄電池30の状態として第2蓄電池30の劣化度が使用されてもよい。劣化度は、例えば、SOH(State Of Health)である。この場合、これまでの残量の代わりに劣化度が使用され、劣化度が小さい方の蓄電池から出力される電力が大きくなるように制御ルールが調節される。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
本実施例3において、計測装置42と制御装置50とが別々に配置される。しかしながらこれに限らず例えば、計測装置42と制御装置50は一体的に構成されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
10 電力系統、 12 配電線、 14 分岐点、 16 第1配電線、 18 第2配電線、 20 第1蓄電池、 22 第1電力変換装置、 24 第1蓄電装置、 30 第2蓄電池、 32 第2電力変換装置、 34 第2蓄電装置、 40 負荷、 42 計測装置、 70 電力変換部、 72 入力部、 74 出力制御部、 76 計測部、 78 記憶部、 80 目標値制御部、 100 蓄電システム。
Claims (8)
- 需要家に設置され、電力系統に対して互いに並列に接続された第1蓄電池と第2蓄電池と、
前記第1蓄電池の充放電を制御する第1電力変換装置と、
前記第2蓄電池の充放電を制御する第2電力変換装置とを備え、
前記第1電力変換装置は、前記需要家から前記電力系統への総出力電力値が第1目標値に近づくように、前記第1電力変換装置からの第1出力電力を制御し、
前記第2電力変換装置は、前記総出力電力値が第2目標値に近づくように、前記第2電力変換装置からの第2出力電力を制御し、
前記第1電力変換装置において、前記第1出力電力の変化に応じて前記第1目標値が変化し、
前記第2電力変換装置において、前記第2出力電力の変化に応じて前記第2目標値が変化する、
蓄電システム。 - 前記需要家から前記電力系統への前記総出力電力値を計測する計測装置をさらに備え、
前記計測装置は、計測した前記総出力電力値を出力する、
請求項1に記載の蓄電システム。 - 前記第1電力変換装置における前記第1出力電力と前記第1目標値との関係は、前記第2電力変換装置における前記第2出力電力と前記第2目標値との関係と同一である、
請求項1または2に記載の蓄電システム。 - 前記第1電力変換装置における前記第1出力電力と前記第1目標値との関係は、前記第2電力変換装置における前記第2出力電力と前記第2目標値との関係と異なる、
請求項1または2に記載の蓄電システム。 - 前記第1蓄電池の状態および前記第2蓄電池の状態を取得し、前記第1蓄電池の状態および前記第2蓄電池の状態をもとに、前記第1出力電力と前記第1目標値との関係と、前記第2出力電力と前記第2目標値との関係を調節する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1出力電力と前記第1目標値との関係を前記第1電力変換装置に出力し、前記第2出力電力と前記第2目標値との関係を前記第2電力変換装置に出力する、
請求項1または2に記載の蓄電システム。 - 前記第1電力変換装置と前記第2電力変換装置は、ネットワークを介してサーバに接続され、
前記第1電力変換装置は、前記第1出力電力と前記第1目標値との関係を前記サーバから受けつけ、
前記第2電力変換装置は、前記第2出力電力と前記第2目標値との関係を前記サーバから受けつける、
請求項1または2に記載の蓄電システム。 - 前記第1電力変換装置において、前記第1出力電力が増加すると前記第1目標値が下がり、
前記第2電力変換装置において、前記第2出力電力が増加すると前記第2目標値が下がる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の蓄電システム。 - 前記第1蓄電池と並列に再生可能エネルギー発電装置も接続され、
前記第1電力変換装置からの前記第1出力電力には、前記再生可能エネルギー発電装置において発電された電力も含まれる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の蓄電システム。
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