JP2021141688A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する場合においても、電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサの劣化を判定することが可能な電力変換装置を提供する。【解決手段】この電力変換装置100は、太陽電池101(発電電力源)からの直流電力を交流電力に変換して系統102に出力するインバータ11(電力変換部)と、インバータ11から交流電力が出力される電源ライン12に接続されたフィルタ用のコンデンサ13と、インバータ11から出力された交流電力の電流を検出する電流検出部15と、インバータ11から系統102への交流電力の出力を遮断させた状態で、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定する制御部3と、を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、電力変換装置に関し、特に、コンデンサの劣化を判定する電力変換装置に関する。
従来、コンデンサの劣化を判定する電力変換装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、電力変換装置の運転中にフィルタコンデンサの静電容量の低下を検出する交流フィルタ回路の異常検出装置が開示されている。上記特許文献1に記載の交流フィルタ回路の異常検出装置では、3相交流定電圧を出力する電力変換装置の変換部と3相負荷との間に接続された3相コンデンサ(3つのコンデンサ)によって交流フィルタ回路が形成されている。そして、上記特許文献1に記載の交流フィルタ回路の異常検出装置では、コンデンサへの3相接続線を流れる電流のベクトル和に相当する電流を検知する零相変流器が設けられている。また、コンデンサへの3相(3本)の接続線のうちのいずれか1相(1本)の接続線を流れる電流を検知する相電流検出器が設けられている。そして、上記特許文献1に記載の交流フィルタ回路の異常検出装置では、ローパスフィルタによって零相変流器および相電流検出器からの出力から高調波成分が除かれて、出力周波数成分が出力される。そして、比較回路によって、高調波成分が除かれた出力周波数成分(基本波成分)の出力と、所定の値とが比較される。比較回路の出力に基づいて、判別回路によってコンデンサの静電容量の低下異常が判別される。
特開平11−174105号公報
ここで、発電電力源からの直流電力を変換部(電力変換部)によって交流電力に変換するとともに、変換された交流電力を系統に出力する場合にも、上記特許文献1に記載されているような交流フィルタ回路の異常検出装置のように、コンデンサに流れる電流を測定することによって、電力変換部から出力された交流電力の電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサの劣化異常を検出する(劣化を判定する)ことが考えられる。
しかしながら、発電電力源からの直流電力を電力変換部によって交流電力に変換するとともに、変換された交流電力を系統に出力する場合には、出力する系統側の電圧および周波数の変化に起因して、電力変換部から出力される交流電力が不安定になる。そのため、上記特許文献1に記載されているような交流フィルタ回路の異常検出装置のように、3相交流定電圧を出力する電力変換装置の変換部と3相負荷との間の電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサに流れる電流を測定する場合には、系統側の電圧および周波数の変化に起因してコンデンサに流れる電流の値も変化する。したがって、測定された電流の変化が、コンデンサの容量の変化に起因するものであることと、系統の電圧および周波数の変化に起因するものであることとを区別することが困難である。そのため、発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する場合においても、電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサの劣化を判定することが可能な電力変換装置が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する場合においても、電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサの劣化を判定することが可能な電力変換装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による電力変換装置は、発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する電力変換部と、電力変換部から交流電力が出力される電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサと、電力変換部から出力された交流電力の電流を検出する電流検出部と、電力変換部から系統への交流電力の出力を遮断させた状態で、電流検出部によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定する制御部と、を備える。
この発明の一の局面による電力変換装置では、上記のように、電力変換部から系統への交流電力の出力を遮断させた状態で、電流検出部によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定する制御部を備える。これにより、系統への出力を遮断した状態でコンデンサに流れる電流の電流測定値を電流検出部によって検出することができる。そのため、系統側の電圧および周波数の変化に起因して電力変換部から出力される電力が不安定になることを抑制しながら、コンデンサに流れる電流の電流測定値を検出することができる。したがって、電力変換部によって出力された一定の電圧かつ一定の周波数の交流電力を用いてコンデンサに流れる電流の電流計測値を検出することができるため、コンデンサの容量の変化に起因する電流測定値の変化を精度よく検出することができる。その結果、発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する場合においても、電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサの劣化を判定することができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、制御部は、電流検出部によって検出された電流測定値に基づいて電力変換部による電力変換動作を制御するとともに、コンデンサの劣化を判定する共通の制御部を含む。このように構成すれば、共通の制御部によって、電力変換部による電力変換動作の制御と、コンデンサの劣化の判定を行うための制御とを行うことができる。そのため、電力変換部による電力変換動作の制御と、コンデンサの劣化の判定を行うための制御とを、それぞれ別個の制御部によって行う場合に比べて、装置構成の複雑化を抑制することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、起動時に、電力変換部と系統とを遮断させた状態で、電力変換動作を制御し、電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定する。このように構成すれば、毎回の起動時において、コンデンサの劣化の判定を行うことができる。そのため、コンデンサが劣化した状態のまま装置を稼働し続けることを抑制することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、コンデンサが正常と判断された場合に、電力変換部と系統とを連系させる。ここで、フィルタ用のコンデンサは、電力変換部から出力される交流電力から高調波を抑制するために用いられるものであるため、コンデンサが劣化した状態で系統と連系させた場合には、系統側に高調波が含まれた状態の交流電力を出力することとなる。そのため、上記のように、コンデンサが正常と判断された場合に、電力変換部と系統とを連系させるように構成すれば、劣化判定を行った結果コンデンサが正常であると判断された場合に電力変換部と系統との連系を行うため、コンデンサが劣化した状態で電力変換部と系統との連系を開始させることを抑制することができる。その結果、系統側に高調波が含まれた状態の交流電力を出力することを効果的に抑制することができる。なお、「連系」とは、系統の電圧および周波数に基づいて出力される交流電力の電圧および周波数を変更しながら、電力変換部から系統に交流電力を出力することである。
上記起動時に電力変換部と系統とを遮断させた状態で、コンデンサの劣化を判定する電力変換装置において、好ましくは、発電電力源は、太陽光発電装置を含み、制御部は、太陽光発電装置の起動時に出力された直流電力の電圧が所定の電圧値よりも大きい場合に、電力変換部の電力変換動作を行って電流検出部によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成されている。ここで、太陽光発電装置は、一般に、一日に一回毎朝起動する。そのため、太陽光発電装置の起動に合わせて、コンデンサの劣化の判定を行うことができるので、コンデンサが劣化した状態のまま数日間に亘って装置を稼働させ続けることを抑制することができる。また、毎朝の起動時に判定を行うことができるため、日中の日差しが強い(効率よく発電が行える)時間帯に、電力変換装置による系統に対する出力を停止させてコンデンサの劣化を判定する必要がなくなるため、太陽光発電の効率を落とすことなく、コンデンサの劣化を判定することができる。そのため、太陽光発電による発電の機会を効果的に活用することができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、制御部は、電流検出部によって検出された電流測定値に基づいてコンデンサの劣化を判定する判定動作を複数回行うように構成されている。このように構成すれば、たとえば、電力変換部に入力される電力の一時的な電圧低下などに起因して、検出された電流測定値の値が変化した場合にも、判定動作を複数回行うことによって、再度コンデンサの劣化を判定することができる。そのため、コンデンサの劣化以外の要因に起因して電流測定値が変化した場合において、コンデンサの劣化の誤判定を極力抑制することができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、電力変換部は、制御部の制御によってオンオフを切り替えるスイッチング素子を含み、制御部は、電流検出部によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて電流測定値を取得するように構成されている。ここで、スイッチング素子のオンオフを切り替えて電力変換を行う場合には、出力された交流電力の電流は、高調波成分(リプル)を含む電流となる。このような高調波成分を含む電流では、検出される電流の値が高調波成分によって変化するため、コンデンサの劣化による電流の変化を検出することが困難となる。この点を考慮して、本発明では、制御部を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいて電流をアナログデジタル変換するように構成する。これにより、スイッチング素子のオンオフの切り替えに起因する高調波成分を避けながら電流測定値を取得することができる。その結果、ローパスフィルタ回路などの新たな装置構成を設けることなく、高調波成分が抑制された電流測定値を取得することができる。これにより、高調波成分を抑制するための新たな回路を設けることによる回路構成の複雑化を抑制することができる。
この場合、好ましくは、制御部は、電流検出部によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて電流測定値を取得するように構成されている。ここで、スイッチング素子のオンオフを切り替えて電力変換を行う場合には、出力された交流電力の電流の波形は、スイッチングのオンオフを切り替えるタイミングにおいてリプル(高調波成分)が発生した状態の波形となる。そのため、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換することによって、リプルの中間において、検出された電流測定値に対してアナログデジタル変換を行うことができる。そのため、スイッチングによる高調波成分をより抑制した電流測定値を取得することができるため、コンデンサの劣化の判定をより精度よく行うことができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、制御部は、電流検出部によって検出された電流測定値を積算するとともに、積算された電流測定値と、予め設定された判定基準値とを比較することによって、コンデンサの劣化を判定するように構成されている。ここで、電力変換部から出力される交流電力は高調波成分を含む交流電力である。また、フィルタ用のコンデンサが劣化して容量が低下した場合には、コンデンサのフィルタとしての機能が低下するため、より高調波成分を多く含む電流が検出される。そのため、コンデンサの劣化による電流測定値の変化は、電流測定値そのものの瞬間値(実測値)の変化からは検出することが困難である。そこで、本発明のように、積算された電流測定値と、予め設定された判定基準値とを比較することによって、コンデンサの劣化を判定するように構成すれば、コンデンサの劣化に起因する電流測定値の変化を効果的に検出することができる。そのため、電流測定値そのものの瞬間値を判定に用いる場合に比べて、コンデンサの劣化の判定をより精度よく行うことができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、制御部は、発電電力源から電力変換部に入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて電流測定値を規格化するとともに、規格化された電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成されている。ここで、入力される直流電力の電圧値の変化に起因して、電力変換部から出力される交流電力の電流測定値が変化する場合がある。そこで、本発明のように、入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて電流測定値を規格化するように構成すれば、入力された直流電力の変化に起因する電流測定値の変化を除外してコンデンサの劣化を判定することができる。その結果、コンデンサの劣化に起因する電流測定値の変化を精度よく検出することができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、制御部は、電流検出部によって過去の起動時に検出された電流測定値と新しく検出された電流測定値とに基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成されている。このように構成すれば、過去の起動時に検出された電流測定値に比べて、新しく取得された電流測定値が大きく変化した場合に、コンデンサの劣化(異常)があると判定することができる。そのため、異常がない場合に取得された電流測定値と、異常がある場合に取得された電流測定値との変化に基づいて、コンデンサごとの容量(流れる電流の値)に個体差がある場合にも、コンデンサの劣化を判定することができる。その結果、予め定められた判定基準値に基づいて劣化の判定をする場合に比べてより精度よく劣化の判定を行うことができる。
上記一の局面による電力変換装置において、好ましくは、電力変換部、コンデンサ、および、電流検出部をそれぞれ含む複数の電力変換ユニットをさらに備え、制御部は、複数の電力変換ユニットの各々において検出された電流測定値を比較することによって、コンデンサの劣化を判定するように構成されている。このように構成すれば、予め判定基準値を設けることなく、それぞれの電力変換ユニット同士で電流測定値を比較することによって、コンデンサの劣化を判定することができる。そのため、電力変換部に入力される直流電力の変化に起因して電力変換部から出力される交流電力が不安定である場合にも、電力変換ユニット同士で電流測定値を比較することによってコンデンサの劣化を判定するため、コンデンサの劣化の判定を精度よく行うことができる。その結果、予め絶対的な判定基準値を設ける場合に比べて、コンデンサの劣化の判定を行う場合に外乱による誤判定を抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する場合においても、電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサの劣化を判定することができる。
第1実施形態による電力変換装置の構成を説明するためのブロック図である。 第1実施形態による第1電力変換ユニットの構成について説明するための図である。 第1実施形態による交流フィルタ回路の構成について説明するための図である。 第1実施形態によるインバータから出力される交流電力の電流について説明するための図である。 第1実施形態による電流測定値のアナログデジタル変換について説明するための図である。 第1実施形態による積算電流値について説明するための図である。 第1実施形態によるトレンド判定基準値について説明するための図である。 第1実施形態によるコンデンサの異常を判定した場合における表示について説明するための図である。 第1実施形態による起動シーケンスの制御処理を説明するためのフローチャート図である。 第2実施形態による電力変換装置の構成を説明するためのブロック図である。 第3実施形態による電力変換装置の構成を説明するためのブロック図である。 第1〜第3実施形態の第1変形例による第1電力変換ユニットの構成について説明するための図である。 第1〜第3実施形態の第2および第3変形例による交流フィルタ回路の構成について説明するための図であって、(A)は第2変形例による交流フィルタ回路、(B)は第3変形例による交流フィルタ回路を説明するための図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図8を参照して、第1実施形態による電力変換装置100の構成について説明する。
図1に示すように、第1実施形態による電力変換装置100は、太陽電池101からの直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナとして構成されている。電力変換装置100は、太陽電池101を系統102に連系させるように構成されている。なお、太陽電池101は、特許請求の範囲の「太陽光発電装置」および「発電電力源」の一例である。
(電力変換装置の全体構成)
第1実施形態による電力変換装置100は、複数の電力変換ユニットを備える。具体的には、電力変換装置100は、第1電力変換ユニット10と、第2電力変換ユニット20と、第3電力変換ユニット30と、第4電力変換ユニット40とを備える。複数の電力変換ユニットの各々は、太陽電池101と系統102との間に互いに並列に接続されている。複数の電力変換ユニットの各々は、共通の太陽電池101からの直流電力をそれぞれ変換することによって、交流電力を系統102に連系して出力するように構成されている。また、電力変換装置100は、入力電圧測定部1と、表示部2と、制御部3とを備える。複数の電力変換ユニットは、共通の制御部3による制御によって、太陽電池101からの直流電力を交流電力に変換する電力変換動作を行う。また、制御部3は、特許請求の範囲の「共通の制御部」の一例である。
入力電圧測定部1は、太陽電池101から入力された入力電圧を測定する。すなわち、入力電圧測定部1は、太陽電池101から出力された直流電力の電圧値を測定する。そして、入力電圧測定部1は、測定された太陽電池101からの直流電力の電圧値を制御部3に送信する。
表示部2は、制御部3による制御に基づいて、ユーザおよび検査作業者に対して、電力変換装置100についての情報を報知するための表示を行う。表示部2は、たとえば、液晶ディスプレイを含む。
制御部3は、電力変換装置100の各部の動作を制御する。制御部3は、たとえば、CPU3a(Central Processing Unit)およびフラッシュメモリ3bを有するマイコン(マイクロコントローラ)を含む。なお、制御部3による制御の詳細については、後述する。
(電力変換ユニットの構成)
複数の電力変換ユニット(第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40)は、同様の構成を有する。そのため、第1電力変換ユニット10の構成についてのみ図を用いて説明を行い、そのほかの第2電力変換ユニット20〜第4電力変換ユニット40については、構成が同様のため説明を省略する。
図2に示すように、第1電力変換ユニット10は、インバータ11、電源ライン12、コンデンサ13、リアクトル14、電流検出部15、および、電磁開閉器16を含む。なお、インバータ11は、特許請求の範囲の「電力変換部」の一例である。
インバータ11は、太陽電池101からの直流電力を交流電力に変換して系統102に出力するように構成されている。具体的には、インバータ11は、太陽電池101からの直流電力を変換して3相3線交流電力を出力することによって、系統102と連系するように構成されている。また、インバータ11は、制御部3による制御によってオンオフを切り替えるスイッチング素子を含む。スイッチング素子は、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を含む。
電源ライン12は、インバータ11によって出力された交流電力が流れる導線である。電源ライン12は、インバータ11から出力された3相交流の各々が流れる3本の導線を含む。すなわち、電源ライン12は、インバータ11から出力された3相交流のうちの第1相が流れる第1相電源ライン12aと、3相交流のうちの第2相が流れる第2相電源ライン12bと、3相交流のうちの第3相が流れる第3相電源ライン12cとを含む。
コンデンサ13は、インバータ11から交流電力が出力される電源ライン12に接続されているフィルタ用のコンデンサ13を含む。コンデンサ13は、3相交流の3つの電源ライン12の各々に接続されている。すなわち、コンデンサ13は、第1相電源ライン12aに接続されている第1相コンデンサ13aと、第2相電源ライン12bに接続されている第2相コンデンサ13bと、第3相電源ライン12cに接続されている第3相コンデンサ13cとを含む。
また、コンデンサ13は、電荷を蓄積することが可能な電子部品である。そして、コンデンサ13に一定の電圧が与えられた場合、コンデンサ13に蓄えることが可能な電荷の量である容量と、コンデンサ13に流れる電流の大きさとが、比例関係となる。すなわち、コンデンサ13の容量が低下した場合、コンデンサ13に流れる電流の大きさは、容量の低下に比例して小さくなる。そして、コンデンサ13が劣化した場合にはコンデンサ13の容量が低下するため、一定電圧における電流値が低下した場合に、コンデンサ13は、劣化していると判断される。
リアクトル14は、インバータ11から交流電力が出力される電源ライン12に直列に接続されているフィルタ用のコイル(インダクタ)である。リアクトル14は、3相交流の3つの電源ライン12の各々に直列に接続されている。すなわち、リアクトル14は、第1相電源ライン12aに直列に接続されている第1相リアクトル14aと、第2相電源ライン12bに直列に接続されている第2相リアクトル14bと、第3相電源ライン12cに直列に接続されている第3相リアクトル14cとを含む。
また、図3に示すように、コンデンサ13とリアクトル14とによって交流フィルタ回路が構成される。この交流フィルタ回路は、LCフィルタによって交流電流に含まれる高調波成分を除去するノイズ除去フィルタ(ローパスフィルタ)として機能する。すなわち、コンデンサ13とリアクトル14とによって構成された交流フィルタ回路によって、インバータ11から出力される交流電流の高調波成分が抑制される。具体的には、交流フィルタ回路は、出力された交流電力の電流うち、周波数の高い成分を吸収(除去)するように構成されている。図4に示すように、インバータ11は、スイッチング素子のオンオフを切り替えて電力変換を行うため、インバータ11によって出力される電流には、スイッチング素子のオンオフの切り替わりに起因する高調波成分(リプル)が含まれる。インバータ11から出力された交流電力の電流は、コンデンサ13とリアクトル14からなる交流フィルタ回路によって高調波成分が抑制され、滑らかな基本波成分の電流となる。
なお、LCフィルタでは、コンデンサ13の容量に応じて、高調波成分の削除される割合が変化する。具体的には、LCフィルタに用いられるコンデンサ13の容量が大きい場合には、より多くの高調波成分が除去される。すなわち、コンデンサ13の容量が大きい場合、より低い周波数まで除去される。反対に、コンデンサ13の容量が比較的小さい場合には、除去される高調波成分の割合は小さくなる。すなわち、コンデンサ13の劣化に起因して容量が少なくなった場合には、除去される高調波の割合が小さくなる。
電流検出部15は、インバータ11から出力された交流電力の電流を検出するように構成されている。電流検出部15は、たとえば、変流器を含む。そして、電流検出部15は、検出した電流をアナログ信号として制御部3に送信する。また、電流検出部15は、インバータ11から出力された3相交流の3つの電源ライン12の各々に流れる電流を検出する。すなわち、電流検出部15は、第1相電源ライン12aに流れる電流を検出する第1相電流検出部15aと、第2相電源ライン12bに流れる電流を検出する第2相電流検出部15bと、第3相電源ライン12cに流れる電流を検出する第3相電流検出部15cとを含む。
電磁開閉器16は、電源ライン12の導通を開閉するように構成されている。電磁開閉器16は、コイルを含む。そして、電磁開閉器16は、制御部3による制御に基づいて、コイルを励磁することによって電源ライン12の導通を開閉するように構成されている。すなわち、電磁開閉器16は、制御部3による制御に基づいて電源ライン12の導通を遮断する。そして、電磁開閉器16は、インバータ11からの交流電力の系統102への出力を遮断させる。
上記のように、第1電力変換ユニット10は、3相交流を出力するインバータ11と、3相の各々に対応するように、3つの電源ライン12と、3つのコンデンサ13と、3つのリアクトル14と、3つの電流検出部15と、を含む。そして、第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40の4つの電力変換ユニットは同様の構成を有しているため、電力変換装置100は、電源ライン12、コンデンサ13、リアクトル14、および、電流検出部15を、それぞれ12個ずつ備える。そして、制御部3は、12個の電流検出部15によって検出された12個の電流測定値に基づいて、電力変換装置100の各部の動作を制御するように構成されている。
(制御部による制御について)
次に、制御部3による電力変換装置100の各部の動作の制御について説明する。なお、制御部3による第1電力変換ユニット10の制御について説明し、第2電力変換ユニット20〜第4電力変換ユニット40の制御については、同様の構成であり、制御部3による同様の制御によって動作するため説明を省略する。
〈制御部による電力変換動作の制御について〉
制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、インバータ11による電力変換動作を制御するように構成されている。制御部3は、出力先の系統102の電流および電圧に応じて、インバータ11に出力させる交流電力の電流および電圧を制御する。すなわち、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、インバータ11から出力された交流電力の電流を監視しながら、インバータ11の電力変換動作をフィードバック制御する。具体的には、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、インバータ11に含まれるスイッチング素子のオンオフのタイミングを制御することによって、インバータ11の電力変換動作を制御する。
〈制御部によるコンデンサの劣化判定動作について〉
また、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。すなわち、制御部3は、インバータ11による電力変換動作の制御と、コンデンサ13の劣化の判定とを、共通の電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて行うように構成されている。また、第1実施形態では、インバータ11による電力変換動作と、コンデンサ13の劣化の判定とが共通の制御部3によって制御される。
制御部3は、複数の電力変換ユニット(第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40)に含まれるコンデンサ13の各々について、それぞれ検出された電流測定値に基づいて、劣化の判定を行う。すなわち、制御部3は、12個のコンデンサ13の各々について、対応する12個の電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて劣化の判定を行う。たとえば、制御部3は、第1相電流検出部15aによって検出された電流測定値に基づいて、第1電力変換ユニット10に含まれる第1相電源ライン12aに接続された第1相コンデンサ13aの劣化を判定する。
また、制御部3は、起動時に、インバータ11と系統102とを遮断させた状態で、電力変換動作を制御し、電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定する。具体的には、制御部3は、インバータ11から系統102への交流電力の出力を電磁開閉器16によって遮断させた状態で、コンデンサ13の劣化の判定を行う。すなわち、制御部3は、系統102への出力を遮断させた状態でインバータ11に電力変換動作を行わせることによって、インバータ11から出力された交流電力をコンデンサ13に流す。また、制御部3は、コンデンサ13の劣化の判定を行う場合に、インバータ11に一定の電圧および一定の周波数の交流電力を出力させる。たとえば、制御部3は、コンデンサ13の劣化を判定する場合には、電圧が270V、かつ、周波数が60Hzの一定の交流電力をインバータ11に出力させる。
ここで、インバータ11から出力される交流電力の電流は、基本波成分と高調波成分(リプル)とを含む。第1実施形態では、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて電流測定値を取得するように構成されている。具体的には、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて電流測定値を取得するように構成されている。
図5に示すように、インバータ11によって出力される交流電力は、インバータ11に含まれるスイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいて高調波成分(リプル)が含まれる。制御部3は、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいて、電流検出部15によって検出された電流をアナログデジタル変換する。すなわち、制御部3は、インバータ11によって出力された交流電力の電流におけるリプルの中間の値を取得するように、インバータ11に含まれるスイッチング素子のスイッチングのタイミングに合わせて、検出された電流をサンプリングする。このように、制御部3は、インバータ11によって出力された交流電力の電流において、高調波成分を含まない基本波成分を抽出するように、取得された電流測定値をアナログデジタル変換する。
また、図6に示すように、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値を積算するとともに、積算された電流測定値である積算電流値Sと、予め設定された判定基準値Pとを比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。具体的には、制御部3は、所定の期間Δtにおいて取得された電流測定値の二乗の値を積算する(時間について積分する)ことによって積算電流値Sを取得する。そして、制御部3は、積算電流値Sが、予め設定された判定基準値Pを含む判定範囲αに含まれるか否かによって、コンデンサ13の容量が正常であるか否かを判断する。そして、制御部3は、コンデンサ13の容量が正常ではないと判断された場合に、コンデンサ13が劣化していると判定する。所定の期間Δtは、電流測定値の取得を開始した時点(0秒)からt秒までの期間を表す。所定の期間Δtは、たとえば、20秒間である。なお、積算電流値Sは、取得された電流測定値の二乗の値ではなく、取得された電流測定値の絶対値を積算して取得されるようにしてもよい。
また、判定基準値Pは、たとえば、コンデンサ13が正常な場合に(正常な容量である場合に)取得される積算電流値Sである。具体的には、インバータ11によって出力される交流電力の周波数をf、電圧値をV、コンデンサ13の容量理論値をC、ゲインをKとすると、判定基準値Pは式(1)によって取得される。
Figure 2021141688
ここで、ゲインKは、演算の結果として取得される積算値の値がマイコンの表現可能範囲に収まるように(オーバーフローしないように)適宜決定される定数である。
また、判定範囲αは、たとえば、判定基準値Pに対して、75%以上125%以下の値の範囲である。
また、第1実施形態では、制御部3は、電流検出部15によって、過去の起動時に検出された電流測定値と新しく測定された電流測定値とに基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。
具体的には、図7に示すように、制御部3は、過去の起動時において取得された積算電流値Sの平均値をトレンド判定基準値Qとして、フラッシュメモリ3bに記憶する。具体的には、12個のコンデンサ13の各々について、対応するトレンド判定基準値Qがフラッシュメモリ3bに記憶される。そして、制御部3は、たとえば、トレンド判定基準値Qの90%以上110%以下の値の範囲をトレンド判定範囲βとして取得する。制御部3は、取得された積算電流値Sが、トレンド判定範囲βに含まれるか否かを判断することによって、コンデンサ13の劣化を判定する。すなわち、制御部3は、取得された積算電流値Sがトレンド判定範囲βに含まれない場合に、コンデンサ13が劣化しているとする判定結果を取得する。
また、制御部3は、新しく取得された積算電流値Sに基づいて、フラッシュメモリ3bに記憶されているトレンド判定基準値Qを更新する。具体的には、制御部3は、過去の積算電流値Sの平均値であるトレンド判定基準値Qと、過去に積算電流値Sを取得した回数(コンデンサ13の劣化判定を行った回数)をフラッシュメモリ3bに記憶する。そして、記憶されたトレンド判定基準値Qおよび判定回数と、新たに取得された積算電流値Sとに基づいて、これまでに取得された積算電流値Sの平均値を新たに算出する。そして、制御部3は、新たに算出された積算電流値Sの平均値を新たなトレンド判定基準値Qとしてフラッシュメモリ3bに記憶する。
制御部3は、取得された電流測定値の積算値である積算電流値Sが、判定範囲αに含まれていて、かつ、トレンド判定範囲βに含まれている場合には、取得された電流測定値に対応するコンデンサ13は正常であると判定する。そして、制御部3は、取得された積算電流値Sが判定範囲αに含まれていない場合、または、取得された積算電流値Sがトレンド判定範囲βに含まれない場合に、取得された電流測定値に対応するコンデンサ13が劣化していると判定する。
〈起動時における制御〉
太陽電池101は、一般に、一日のうちの日の出から日没までの間に発電量が変化する。制御部3は、入力電圧測定部1によって測定された太陽電池101からの入力電圧に基づいて、電力変換装置100の起動および停止を制御するように構成されている。
そして、制御部3は、電力変換装置100の起動時に、インバータ11と系統102とを遮断させた状態で、インバータ11による電力変換動作を制御し、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化の判定を行うように構成されている。具体的には、制御部3は、太陽電池101の起動時に出力された直流電力の電圧が予め定められた所定の起動電圧値よりも大きい場合に、電力変換装置100を起動し、インバータ11の電力変換動作を開始させるように構成されている。そして、制御部3は、電力変換装置100の起動時(インバータ11による電力変換動作の開始時)に起動シーケンスを実行するように構成されている。制御部3は、インバータ11からの交流電力を系統102に出力させる前に、起動シーケンスを実行する。そして、制御部3は、起動シーケンスにおいて、インバータ11の電力変換動作を行って、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。
制御部3は、起動シーケンスにおいて、コンデンサ13の劣化を判定する判定動作を複数回行うように構成されている。具体的には、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化の判定を行い、電力変換装置100に含まれる複数のコンデンサ13のうちの少なくとも1つのコンデンサ13が劣化していると判定された場合、再度、電流測定値を取得するとともに、再度取得された電流測定値に基づいてコンデンサ13の劣化の判定動作を行う。そして、制御部3は、3回続けてコンデンサ13が劣化しているとする判定結果を取得した場合に、コンデンサ13が劣化していると判断する。
また、図8に示すように、制御部3は、コンデンサ13の劣化を示す情報を、表示部2に表示する。具体的には、制御部3は、第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40のうちのいずれの電力変換ユニットにおける3相交流のうちいずれの相に対応するコンデンサ13が劣化していると判断されたかについての情報を表示部2に表示させる。
また、制御部3は、コンデンサ13の劣化判定を行った結果、コンデンサ13が正常である(劣化していない)とする判定結果を取得した場合に、判定結果と対応するコンデンサ13が正常であると判断する。そして、制御部3は、コンデンサ13が正常であると判断された場合に、インバータ11からの出力と系統102とを連系させる。具体的には、制御部3は、複数の電力変換ユニットに含まれる全てのコンデンサ13が正常であると判断された場合に、インバータ11と系統102とを接続する。そして、制御部3は、全てのコンデンサ13が正常であると判断された場合に、インバータ11と系統102との連系を開始させる。すなわち、制御部3は、全てのコンデンサ13が正常であると判断された場合に、インバータ11からの交流電力を系統102に出力する。
(起動シーケンスにおける制御処理)
次に、図9を参照して、第1実施形態による電力変換装置100による起動シーケンスに関する制御処理フローについて説明する。この電力変換装置100による起動シーケンスに関する制御は、制御部3により実行される。
まず、ステップ501において、入力電圧測定部1によって測定された太陽電池101からの直流電力の電圧値が、起動電圧値よりも大きいか否かが判断される。入力電圧測定部1によって測定された入力電圧が、起動電圧値よりも大きい場合は、ステップ502に進む。
ステップ502では、系統102が正常か否かが判断される。すなわち、系統102の電圧および周波数が正常な値であるか否かが判断される。系統102が正常であると判断された場合はステップ503に進む。そして、系統102が正常ではないと判断された場合は、ステップ501に戻る。
ステップ503では、故障コードが取得されているか否かが判断される。すなわち、電力変換装置100の各部の異常を示す故障コードが取得されているか否かが判断される。たとえば、インバータ11に過電流が生じている場合、または、インバータ11に入力される電圧が通常よりも大きい値である場合などに、故障コードが取得される。故障コードが取得されていないと判断された場合はステップ504に進む。故障コードが取得されていると判断された場合はステップ501に戻る。
ステップ504では、電磁開閉器16によって電源ライン12の導通が遮断された状態で、インバータ11による電力変換動作が開始される。そして、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化についての判定動作が行われる。
次に、ステップ505において、コンデンサ13が正常か否かが判断される。コンデンサ13が劣化しているとする判定結果が取得された場合は、ステップ506に進む。なお、電力変換装置100に含まれる、12個のコンデンサ13のうち、少なくとも1つのコンデンサ13について、コンデンサ13が劣化していると判定された場合には、ステップ506に進む。コンデンサ13が正常であるとする判定結果が取得された場合には、ステップ508に進む。すなわち、全てのコンデンサ13が正常であると判定された場合に、ステップ508に進む。
ステップ506では、コンデンサ13が劣化しているとする判定結果が取得されたのが3回目であるか否かが判定される。コンデンサ13が劣化しているとする判定結果が取得されたのが3回目であると判断された場合には、ステップ507に進む。コンデンサ13が劣化しているとする判定結果が取得されたのが3回目ではないと判断された場合には、ステップ501に戻る。
ステップ507では、劣化していると判定されたコンデンサ13が故障しているとする故障コードが取得される。そして、表示部2に、対応するコンデンサ13の故障を示す情報が表示される。
ステップ508では、コンデンサ13が正常であると判断された場合に、系統102と電圧および周波数を同期させて、インバータ11と系統102との連系が行われる。すなわち、太陽電池101からの直流電力を交流電力に変換させるとともに、系統102に出力する。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、インバータ11(電力変換部)から系統102への交流電力の出力を遮断させた状態で、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定する制御部3を備える。これにより、系統102への出力を遮断した状態でコンデンサ13に流れる電流の電流測定値を電流検出部15によって検出することができる。そのため、系統102側の電圧および周波数の変化に起因してインバータ11から出力される電力が不安定になることを抑制しながら、コンデンサ13に流れる電流の電流測定値を検出することができる。したがって、インバータ11によって出力された一定の電圧かつ一定の周波数の交流電力を用いてコンデンサ13に流れる電流の電流計測値を検出することができるため、コンデンサ13の容量の変化に起因する電流測定値の変化を精度よく検出することができる。その結果、太陽電池101(発電電力源)からの直流電力を交流電力に変換して系統102に出力する場合においても、電源ライン12に接続されたフィルタ用のコンデンサ13の劣化を判定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいてインバータ11(電力変換部)による電力変換動作を制御するとともに、コンデンサ13の劣化を判定する共通の制御部3を含む。このように構成すれば、共通の制御部3によって、インバータ11による電力変換動作の制御と、コンデンサ13の劣化の判定を行うための制御とを行うことができる。そのため、インバータ11による電力変換動作の制御と、コンデンサ13の劣化判定を行うための制御とを、それぞれ別個の制御部3によって行う場合に比べて、装置構成の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3は、起動時に、インバータ11(電力変換部)と系統102とを遮断させた状態で、電力変換動作を制御し、電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定する。このように構成すれば、毎回の起動時において、コンデンサ13の劣化の判定を行うことができる。そのため、コンデンサ13が劣化した状態のまま装置を稼働し続けることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、制御部3は、コンデンサ13が正常と判断された場合に、インバータ11(電力変換部)と系統102とを連系させる。ここで、フィルタ用のコンデンサ13は、インバータ11から出力される交流電力から高調波を抑制するために用いられるものであるため、コンデンサ13が劣化した状態で系統102と連系させた場合には、系統102側に高調波が含まれた状態の交流電力を出力することとなる。そのため、上記のように、コンデンサ13が正常と判断された場合に、インバータ11と系統102とを連系させるように構成すれば、劣化判定を行った結果コンデンサ13が正常であると判断された場合にインバータ11と系統102との連系を行うため、コンデンサ13が劣化した状態でインバータ11と系統102との連系を開始させることを抑制することができる。その結果、系統102側に高調波が含まれた状態の交流電力を出力することを効果的に抑制することができる。なお、「連系」とは、系統102の電圧および周波数に基づいて出力される交流電力の電圧および周波数を変更しながら、インバータ11から系統102に交流電力を出力することである。
また、第1実施形態では、上記のように、発電電力源は、太陽電池101(太陽光発電装置)を含み、制御部3は、太陽電池101の起動時に出力された直流電力の電圧が所定の電圧値よりも大きい場合に、インバータ11(電力変換部)の電力変換動作を行って電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。ここで、太陽電池101は、一般に、一日に一回毎朝起動する。そのため、太陽電池101の起動に合わせて、コンデンサ13の劣化の判定を行うことができるので、コンデンサ13が劣化した状態のまま数日間に亘って装置を稼働させ続けることを抑制することができる。また、毎朝の起動時に判定を行うことができるため、日中の日差しが強い(効率よく発電が行える)時間帯に、電力変換装置100による系統102に対する出力を停止させてコンデンサ13の劣化を判定する必要がなくなるため、太陽光発電の効率を落とすことなく、コンデンサ13の劣化を判定することができる。そのため、太陽光発電による発電の機会を効果的に活用することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値に基づいてコンデンサ13の劣化を判定する判定動作を複数回行うように構成されている。このように構成すれば、たとえば、インバータ11(電力変換部)に入力される電力の一時的な電圧低下などに起因して、検出された電流測定値の値が変化した場合にも、判定動作を複数回行うことによって、再度コンデンサ13の劣化を判定することができる。そのため、コンデンサ13の劣化以外の要因に起因して電流測定値が変化した場合における、コンデンサ13の劣化の誤判定を極力抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、インバータ11(電力変換部)は、制御部3の制御によってオンオフを切り替えるスイッチング素子を含み、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて電流測定値を取得するように構成されている。ここで、スイッチング素子のオンオフを切り替えて電力変換を行う場合には、出力された交流電力の電流は、高調波成分(リプル)を含む電流となる。このような高調波成分を含む電流では、検出される電流の値が高調波成分によって変化するため、コンデンサ13の劣化による電流の変化を検出することが困難となる。この点を考慮して、第1実施形態では、制御部3を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいて電流をアナログデジタル変換するように構成する。これにより、スイッチング素子のオンオフの切り替えに起因する高調波成分を避けながら電流測定値を取得することができる。その結果、ローパスフィルタ回路などの新たな装置構成を設けることなく、高調波成分が抑制された電流測定値を取得することができる。これにより、高調波成分を抑制するための新たな回路を設けることによる回路構成の複雑化を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて電流測定値を取得するように構成されている。ここで、スイッチング素子のオンオフを切り替えて電力変換を行う場合には、出力された交流電力の電流の波形は、スイッチングのオンオフを切り替えるタイミングにおいて、リプル(高調波成分)が発生した状態の波形となる。そのため、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換することによって、リプルの中間において、検出された電流測定値に対してアナログデジタル変換を行うことができる。そのため、スイッチングによる高調波成分をより抑制した電流測定値を取得することができるため、コンデンサ13の劣化の判定をより精度よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3は、電流検出部15によって検出された電流測定値を積算するとともに、積算された電流測定値(積算電流値S)と、予め設定された判定基準値Pとを比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。ここで、インバータ11(電力変換部)から出力される交流電力は高調波成分を含む交流電力である。また、フィルタ用のコンデンサ13が劣化して容量が低下した場合には、コンデンサ13のフィルタとしての機能が低下するため、より高調波成分を多く含む電流が検出される。そのため、コンデンサ13の劣化による電流測定値の変化は、電流測定値そのものの瞬間値(実測値)の変化からは検出することが困難である。そこで、第1実施形態のように、積算された電流測定値(積算電流値S)と、予め設定された判定基準値Pとを比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定するように構成すれば、コンデンサ13の劣化に起因する電流測定値の変化を効果的に検出することができる。そのため、電流測定値そのものの瞬間値を判定に用いる場合に比べて、コンデンサ13の劣化の判定をより精度よく行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部3は、電流検出部15によって過去の起動時に検出された電流測定値と新しく検出された電流測定値とに基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。このように構成すれば、過去の起動時に検出された電流測定値に比べて、新しく取得された電流測定値が大きく変化した場合に、コンデンサ13の劣化(異常)があると判定することができる。そのため、異常がない場合に取得された電流測定値と、異常がある場合に取得された電流測定値との変化に基づいて、コンデンサ13ごとの容量(流れる電流の値)に個体差がある場合にも、コンデンサ13の劣化を判定することができる。その結果、予め定められた判定基準値Pに基づいて劣化の判定をする場合に比べてより精度よく劣化の判定を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、図10を参照して、第2実施形態による電力変換装置200の構成について説明する。コンデンサ13の劣化を判定する場合に、取得された電流測定値の積算値に基づいてコンデンサ13の劣化を判定するように構成されていた第1実施形態による制御部3とは異なり、第2実施形態では、制御部203を、太陽電池101から入力された直流電力の電圧値に基づいて、取得された電流測定値を規格化するように構成する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
(第2実施形態による電力変換装置の構成)
図10に示すように、第2実施形態では、電力変換装置200は、制御部203を備える。
制御部203は、太陽電池101からインバータ11に入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて電流測定値を規格化するとともに、規格化された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。
ここで、コンデンサ13の劣化判定動作を行っている最中に、太陽電池101からの直流電力の電圧値が変化した場合に、インバータ11から出力される交流電力が変化することがある。それに対して、第2実施形態では、太陽電池101からの直流電力の電圧値に基づいて、取得される電流測定値を規格化(正規化)する。具体的には、制御部203は、コンデンサ13の劣化の判定を行う場合に、所定の期間Δtにおいて入力電圧測定部1によって取得された入力電圧を取得する。そして、制御部203は、所定の期間Δtにおいて取得された入力電圧の平均値を取得する。制御部203は、所定の期間Δtにおいて取得された電流測定値の二乗の値を積算することによって取得された積算電流値Sを、所定の期間Δtにおいて取得された入力電圧の平均値によって規格化する。制御部203は、たとえば、取得された入力電圧の平均値を積算電流値Sに乗算することによって、電流測定値を規格化する。そして、制御部203は、規格化された積算電流値Sに基づいて、コンデンサ13の劣化を判定する。
また、第2実施形態によるその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、制御部203は、太陽電池101(発電電力源)からインバータ11(電力変換部)に入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて電流測定値を規格化するとともに、規格化された電流測定値に基づいて、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。ここで、入力される直流電力の電圧値の変化に起因して、インバータ11から出力される交流電力の電流測定値が変化する場合がある。そこで、第2実施形態のように、入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて電流測定値を規格化するように構成すれば、入力された直流電力の変化に起因する電流測定値の変化を除外してコンデンサ13の劣化を判定することができる。その結果、コンデンサ13の劣化に起因する電流測定値の変化を精度よく検出することができる。また、第2実施形態によるその他の効果は、第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図11を参照して、第3実施形態による電力変換装置300の構成について説明する。予め設定された判定基準値Pに基づいて、コンデンサ13の劣化の判定を行った第1実施形態による制御部3とは異なり、第3実施形態では、制御部303を、複数の電流検出部15の各々によって取得された複数の電流測定値を比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定するように構成する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
(第3実施形態による電力変換装置の構成)
図11に示すように、第3実施形態では、電力変換装置300は、制御部303を備える。
制御部303は、複数の電力変換ユニット(第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40)の各々において検出された電流測定値を比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。
具体的には、第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40の4つの電力変換ユニットの各々は、各々の電力変換ユニットが出力する交流3相の各相に対応するコンデンサ13を3つずつ有する。すなわち、電力変換装置300は、第1実施形態による電力変換装置100と同様に、12個のコンデンサ13を有する。そして、制御部303は、12個のコンデンサ13の各々の劣化を判定する。
制御部303は、コンデンサ13の劣化の判定を行う場合に、複数の電力変換ユニットに含まれる複数のコンデンサ13の各々について、複数のコンデンサ13の各々に対応する電流測定値を取得する。すなわち、制御部303は、12個のコンデンサ13の各々の劣化の判定を行う場合に、12個のコンデンサ13の各々に対応する電流検出部15によって、所定の期間Δtにおいて、12個の電流測定値を取得する。そして、制御部303は、取得された12個の電流測定値の各々に基づいて、12個の積算電流値Sを取得する。制御部303は、12個のコンデンサ13の各々に対応する12個の積算電流値Sを比較することによって、12個のコンデンサ13において劣化を判定する。
たとえば、制御部303は、取得された12個の積算電流値Sの平均値を取得する。そして、制御部303は、12個の積算電流値Sの平均値の90%以上110%以下を平均判定範囲として取得する。そして、制御部303は、取得された12個の積算電流値Sが、平均判定範囲に含まれるか否かを判断することによって、取得された12個の積算電流値Sに対応するコンデンサ13の劣化を判定する。すなわち、取得された積算電流値Sが、平均判定範囲に含まれない場合には、対応するコンデンサ13が劣化していると判定される。
また、第3実施形態によるその他の構成は、第1実施形態と同様である。
[第3実施形態の効果]
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、インバータ11(電力変換部)、コンデンサ13、および、電流検出部15をそれぞれ含む複数の電力変換ユニット(第1電力変換ユニット10〜第4電力変換ユニット40)をさらに備え、制御部303は、複数の電力変換ユニットの各々において検出された電流測定値を比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定するように構成されている。このように構成すれば、予め判定基準値Pを設けることなく、それぞれの電力変換ユニット同士で電流測定値を比較することによって、コンデンサ13の劣化を判定することができる。そのため、インバータ11に入力される直流電力の変化に起因してインバータ11から出力される交流電力が不安定である場合にも、電力変換ユニット同士で電流測定値を比較することによってコンデンサ13の劣化を判定するため、コンデンサ13の劣化の判定を精度よく行うことができる。その結果、予め絶対的な判定基準値Pを設ける場合に比べて、コンデンサ13の劣化を判定する場合に外乱による誤判定を抑制することができる。また、第3実施形態によるその他の効果は、第1および第2実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
(第1変形例)
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、1相(1本)の電源ラインに対して、1つのコンデンサが接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12に示す第1変形例の第1電力変換ユニット410ように、1相(1本)の電源ラインに対して互いに並列な2つのコンデンサが接続されていてもよい。
(第2および第3変形例)
また、上記第1〜第3実施形態では、交流フィルタ回路を、1相(1本)の電源ラインに直列に接続された1つのリアクトルと、1相(1本)の電源ラインに接続された1つのコンデンサによって構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図13(A)に示す第2変形例の交流フィルタ回路のように、交流フィルタ回路を、1つのコンデンサのみによって構成するようにしてもよい。また、図13の(B)に示す第3変形例による交流フィルタ回路のように、交流フィルタ回路を、1相(1本)の電源ラインに直列に接続された2つのリアクトルと、1相(1本)の電源ラインに接続された1つのコンデンサによって構成してもよい。
(その他の変形例)
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、電流検出部によって検出された電流検出値に基づいてインバータ(電力変換部)による電力変換動作を制御するとともに、コンデンサの劣化を判定する共通の制御部を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、インバータによる電力変換動作の制御と、コンデンサの劣化の判定とを、それぞれ別個の制御部による制御によって行うようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、インバータ(電力変換部)による電力変換動作の制御と、コンデンサの劣化の判定とを、共通の電流検出部によって検出された電流測定値に基づいて行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電力変換動作の制御を行うための電流測定値と、コンデンサの劣化の判定を行うための電流測定値とを、別個の電流検出部によって検出するように構成されていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、起動時に、インバータ(電力変換部)と系統とを遮断させた状態で電力変換動作を制御し、電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部を、系統への交流電力の出力を行っている最中に、系統への交流電力の出力を一時的に中断させて、コンデンサの劣化を判定するように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、複数の電力変換ユニットに含まれる全てのコンデンサが正常であると判断された場合に、インバータ(電力変換部)から系統への出力を開始する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の電力変換ユニットのうちから、劣化していると判定されたコンデンサを含む電力変換ユニットからの出力を遮断しながら、正常であると判断されたコンデンサを含む電力変換ユニットからの出力を開始するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、発電電力源は、太陽電池(太陽光発電装置)を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、発電電力源を、風力発電装置を含むように構成してもよい。また、発電電力源を、電気自動車などの電動機または蓄電池を含むように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、電流検出部によって検出された電流測定値に基づいてコンデンサの劣化を判定する判定動作を複数回行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部を、コンデンサの劣化を判定する判定動作を1回のみ行うように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、電流検出部によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいてアナログデジタル変換するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングとは関係なく電流をアナログデジタル変換するように構成してもよい。すなわち、一定の周期(サンプリング周波数)に基づいて、電流をアナログデジタル変換するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、電流検出部によって検出された電流を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部を、スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングと同期して、アナログデジタル変換を行うようにしてもよい。その場合、制御部を、スイッチング素子がオンのタイミングに取得された電流測定値と、スイッチング素子がオフのタイミングに取得された電流測定値との中間の値に基づいてコンデンサの劣化を判定するように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、制御部は、積算された電流測定値と予め設定された判定基準値とを比較することによって、コンデンサの劣化を判定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部を、積算された電流測定値ではなく、実測された電流測定値と予め設定された判定基準値とを比較するように構成してもよい。
また、上記第2実施形態では、制御部は、太陽電池(発電電力源)からインバータ(電力変換部)に入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて電流測定値を規格化するとともに、規格化された電流測定値に基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、直流電力の電圧値の平均値ではなく、直流電力の電圧値の実測値に基づいて電流測定値を規格化するようにしてもよい。すなわち、検出された電流測定値をアナログデジタル変換するタイミングと同期して、直流電力の電圧値を測定するように構成するとともに、測定された直流電力の電圧値の実測値に基づいて、電流測定値を規格化するようにしてもよい。
また、上記第1および2実施形態では、制御部は、電流検出部によって過去の起動時に検出された電流測定値と新しく検出された電流測定値とに基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、制御部を、過去の数回(例えば10回)の起動時に検出された電流測定値の平均値と、新しく検出された電流測定値とに基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成してもよい。また、制御部を、過去の起動時に検出された電流測定値を用いずに、予め定められた判定基準値と新しく検出された電流測定値とのみに基づいて、コンデンサの劣化を判定するように構成してもよい。
また、上記第3実施形態では、制御部は、複数の電力変換ユニットの各々において検出された電流測定値を比較することによって、コンデンサの劣化を判定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電力変換装置を、1つの電力変換ユニットのみを備えるように構成してもよい。その場合には、1つの電力変換ユニットにおける3相交流のうち、それぞれの相において取得された3つの電流測定値を比較するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、インバータ(電力変換部)は、3相交流電力を出力するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、インバータを、単相交流電力を出力するように構成してもよい。
3、203、303 制御部(共通の制御部)
10、410 第1電力変換ユニット(電力変換ユニット)
11 インバータ(電力変換部)
12 電源ライン
13 コンデンサ
15 電流検出部
20 第2電力変換ユニット(電力変換ユニット)
30 第3電力変換ユニット(電力変換ユニット)
40 第4電力変換ユニット(電力変換ユニット)
100、200、300 電力変換装置
101 太陽電池(発電電力源、太陽光発電装置)
102 系統

Claims (12)

  1. 発電電力源からの直流電力を交流電力に変換して系統に出力する電力変換部と、
    前記電力変換部から交流電力が出力される電源ラインに接続されたフィルタ用のコンデンサと、
    前記電力変換部から出力された交流電力の電流を検出する電流検出部と、
    前記電力変換部から前記系統への交流電力の出力を遮断させた状態で、前記電流検出部によって検出された電流測定値に基づいて、前記コンデンサの劣化を判定する制御部と、を備える、電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記電流検出部によって検出された前記電流測定値に基づいて前記電力変換部による電力変換動作を制御するとともに、前記コンデンサの劣化を判定する共通の制御部を含む、請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、起動時に、前記電力変換部と前記系統とを遮断させた状態で、前記電力変換動作を制御し、前記電流測定値に基づいて、前記コンデンサの劣化を判定する、請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記コンデンサが正常と判断された場合に、前記電力変換部と前記系統とを連系させる、請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記発電電力源は、太陽光発電装置を含み、
    前記制御部は、前記太陽光発電装置の起動時に出力された直流電力の電圧が所定の電圧値よりも大きい場合に、前記電力変換部の前記電力変換動作を行って前記電流検出部によって検出された前記電流測定値に基づいて、前記コンデンサの劣化を判定するように構成されている、請求項3または4に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記電流検出部によって検出された前記電流測定値に基づいて前記コンデンサの劣化を判定する判定動作を複数回行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記電力変換部は、前記制御部の制御によってオンオフを切り替えるスイッチング素子を含み、
    前記制御部は、前記電流検出部によって検出された電流を、前記スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングに基づいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて前記電流測定値を取得するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記制御部は、前記電流検出部によって検出された電流を、前記スイッチング素子のオンオフを切り替えるタイミングの間の中間のタイミングにおいてアナログデジタル変換するとともに、アナログデジタル変換された電流に基づいて前記電流測定値を取得するように構成されている、請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記制御部は、前記電流検出部によって検出された前記電流測定値を積算するとともに、積算された前記電流測定値と、予め設定された判定基準値とを比較することによって、前記コンデンサの劣化を判定するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  10. 前記制御部は、前記発電電力源から前記電力変換部に入力された直流電力の電圧値の平均値に基づいて前記電流測定値を規格化するとともに、規格化された前記電流測定値に基づいて、前記コンデンサの劣化を判定するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 前記制御部は、前記電流検出部によって過去の起動時に検出された前記電流測定値と新しく検出された前記電流測定値とに基づいて、前記コンデンサの劣化を判定するように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  12. 前記電力変換部、前記コンデンサ、および、前記電流検出部をそれぞれ含む複数の電力変換ユニットをさらに備え、
    前記制御部は、複数の前記電力変換ユニットの各々において検出された前記電流測定値を比較することによって、前記コンデンサの劣化を判定するように構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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