JP6954136B2 - タイヤの減圧の検出装置 - Google Patents

タイヤの減圧の検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6954136B2
JP6954136B2 JP2018003960A JP2018003960A JP6954136B2 JP 6954136 B2 JP6954136 B2 JP 6954136B2 JP 2018003960 A JP2018003960 A JP 2018003960A JP 2018003960 A JP2018003960 A JP 2018003960A JP 6954136 B2 JP6954136 B2 JP 6954136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decompression
index value
lateral acceleration
tire
tires
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018003960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019123294A (ja
Inventor
悠輔 前田
悠輔 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2018003960A priority Critical patent/JP6954136B2/ja
Publication of JP2019123294A publication Critical patent/JP2019123294A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6954136B2 publication Critical patent/JP6954136B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Description

本発明は、車両に装着されたタイヤの減圧を検出する検出装置、方法及びプログラムに関する。
車両を快適に走行させるためには、タイヤの空気圧が調整されていることが重要である。空気圧が適正値を下回ると、乗り心地や燃費が悪くなるという問題が生じ得るからである。このため、従来より、タイヤの減圧を自動的に検出するシステム(Tire Pressure Monitoring System;TPMS)が研究されている。タイヤが減圧しているという情報は、例えば、運転者への警報に用いることができる。
タイヤの減圧を検出する方式には、タイヤに圧力センサを取り付ける等して、タイヤの空気圧を直接的に計測する方式の他、他の指標値を用いてタイヤの減圧を間接的に評価する方式がある。このような間接的な評価方式の1つとして、動荷重半径(Dynamic Loaded Radius;DLR)方式が知られている。DLR方式は、減圧タイヤは走行時につぶれることで動荷重半径が小さくなり、より高速に回転するようになるという現象を利用するものであり、タイヤの回転速度からタイヤの減圧を推定する。
特許文献1は、DLR方式の検出装置を開示している。特許文献1は、DLR方式において減圧を評価するための減圧指標値として、以下の3つの指標値DEL1〜DEL3を定義している。ただし、V1〜V4は、それぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪タイヤの回転速度である。DEL1は対角に位置するタイヤ同士の回転速度を比較し、DEL2は前後のタイヤ同士の回転速度を比較し、DEL3は左右のタイヤ同士の回転速度を比較する指標値である。
DEL1=[(V1+V4)/2-(V2+V3)/2]/[(V1+V2+V3+V4)/4]×100(%)
DEL2=[(V1+V2)/2-(V3+V4)/2]/[(V1+V2+V3+V4)/4]×100(%)
DEL3=[(V1+V3)/2-(V2+V4)/2]/[(V1+V2+V3+V4)/4]×100(%)
以上のDEL1〜DEL3は、タイヤの空気圧だけでなく、タイヤにかかる荷重の大きさに応じても変化する。ここで、車両の旋回に伴って横方向加速度が発生すると、旋回外側に荷重が移動する。そのため、左右のタイヤ同士の車輪速を比較する指標値であるDEL3は、タイヤの減圧のみならず、横方向加速度の影響を受けて変化する。よって、タイヤの減圧を正しく判定するためには、横方向加速度の影響をキャンセルすることが重要である。この点、特許文献2は、DEL3から横方向加速度の影響を排除する方法を開示している。具体的には、DEL3から横方向加速度の影響をキャンセルしたDEL3_Rを減圧の判定に用いており、DEL3_Rは、次のように定義されている。
DEL3_R=DEL3−COR3×LatG(%)
ここで、LatGは横方向加速度である。また、COR3は、DEL3とLatGの関係から車両の出荷前に予め学習した係数であり、一定値である。
特開2005−053263号公報 特開2008−249523号公報
しかしながら、上述のように予め学習した係数によってDEL3から横方向加速度の影響をキャンセルする手法は、積載荷重が変化すると有効でない場合がある。図5は、本発明者らが行った実験の結果を示すグラフである。同グラフは、積載荷重のより小さい軽積条件及び積載荷重のより大きい定積条件の下でのDEL3と横方向加速度との関係を示すグラフである。同グラフが示すように、積載荷重が小さければ、横方向加速度の変化に対するDEL3の変化量は大きいが、積載荷重が大きければ、横方向加速度の変化に対するDEL3の変化量は小さくなる。これは、タイヤの撓みと荷重の関係が線形ではなく、非線形であるために、より荷重が作用している定積条件の方が荷重変化に対する撓みしろ(変化しろ)が少ないためである。従って、特許文献2の態様では、積載荷重が変化するとDEL3の補正が不十分になったり、逆に過剰となったりして、タイヤの減圧を正しく検出できない場合がある。
本発明は、積載荷重条件に応じて変化する横方向加速度の影響を排除でき、タイヤの減圧を精度よく検出する検出装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る検出装置は、車両に装着された複数のタイヤのうちの少なくとも1つの所定のタイヤの減圧を検出する検出装置であって、回転速度取得部と、指標値算出部と、横方向加速度取得部と、補正部と、減圧検出部とを備える。前記回転速度取得部は、前記複数のタイヤの回転速度を取得する。前記指標値算出部は、前記回転速度に基づいて、前記複数のタイヤのうち、左輪タイヤの回転速度と右輪タイヤの回転速度との比較値である減圧指標値を算出する。前記横方向加速度取得部は、車両の横方向加速度を取得する。前記補正部は、前記減圧指標値及び前記横方向加速度に基づいて、前記減圧指標値と前記横方向加速度との現在の荷重条件下での線形関係を特定し、前記線形関係に基づいて、前記減圧指標値から前記横方向加速度の影響がキャンセルされた前記減圧指標値である補正指標値を算出する。前記減圧検出部は、前記補正指標値に基づいて、前記所定のタイヤの減圧を検出する。前記補正指標値は、前記横方向加速度に対する前記減圧指標値が荷重条件によらず収束する又は概ね収束するときの前記減圧指標値である。
本発明の第2観点に係る検出装置は、第1観点に係る検出装置であって、前記線形関係は、前記車両の走行中に逐次的に、又は走行開始時に特定される。
本発明の第3観点に係る検出装置は、第1観点又は第2観点に係る検出装置であって、前記所定のタイヤの減圧が検出された場合に、減圧警報を発生させる減圧警報部をさらに備える。
本発明の第4観点に係る検出方法は、車両に装着された複数のタイヤのうちの少なくとも1つの所定のタイヤの減圧を検出する検出方法であって、以下の(1)〜(5)のステップを含む。
(1)前記複数のタイヤの回転速度を取得するステップ。
(2)前記回転速度に基づいて、前記複数のタイヤのうち、左輪タイヤの回転速度と右輪タイヤの回転速度との比較値である減圧指標値を算出するステップ。
(3)車両の横方向加速度を取得するステップ。
(4)前記減圧指標値及び前記横方向加速度に基づいて、前記減圧指標値と前記横方向加速度との現在の荷重条件下での線形関係を特定し、前記線形関係に基づいて、前記減圧指標値から前記横方向加速度の影響がキャンセルされた前記減圧指標値である補正指標値を算出するステップ。
(5)前記補正指標値に基づいて、前記所定のタイヤの減圧を検出するステップ。
なお、前記補正指標値は、前記横方向加速度に対する前記減圧指標値が荷重条件によらず収束する又は概ね収束するときの前記減圧指標値である。
本発明の第5観点に係る検出プログラムは、車両に装着された複数のタイヤのうちの少なくとも1つの所定のタイヤの減圧を検出する検出方法であって、以下の(1)〜(5)のステップをコンピュータに実行させる。
(1)前記複数のタイヤの回転速度を取得するステップ。
(2)前記回転速度に基づいて、前記複数のタイヤのうち、左輪タイヤの回転速度と右輪タイヤの回転速度との比較値である減圧指標値を算出するステップ。
(3)車両の横方向加速度を取得するステップ。
(4)前記減圧指標値及び前記横方向加速度に基づいて、前記減圧指標値と前記横方向加速度との現在の荷重条件下での線形関係を特定し、前記線形関係に基づいて、前記減圧指標値から前記横方向加速度の影響がキャンセルされた前記減圧指標値である補正指標値を算出するステップ。
(5)前記補正指標値に基づいて、前記所定のタイヤの減圧を検出するステップ。
なお、前記補正指標値は、前記横方向加速度に対する前記減圧指標値が荷重条件によらず収束する又は概ね収束するときの前記減圧指標値である。
本発明の第1観点によれば、積載荷重条件に応じて変化する横方向加速度の影響を排除でき、タイヤの減圧を精度よく検出することができる。
本発明の一実施形態に係るタイヤの減圧の検出装置が車両に搭載された様子を示す模式図。 タイヤの減圧の検出装置の電気的構成を示すブロック図。 減圧検出処理の流れを示すフローチャート。 横方向加速度−DEL3直線の荷重依存性を示すグラフ。 本発明者らが行った実験による、2つの積載荷重条件(軽積条件及び定積条件)下での横方向加速度とDEL3との関係を示すグラフ。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るタイヤの減圧の検出装置、方法及びプログラムについて説明する。
<1.タイヤの減圧の検出装置の構成>
図1は、タイヤの減圧の検出装置2が車両1に搭載された様子を示す模式図である。検出装置2は、車両1に搭載される制御ユニットとして実現される。車両1は、4輪車両であり、左前輪タイヤFL、右前輪タイヤFR、左後輪タイヤRL及び右後輪タイヤRRを備えている。検出装置2は、これらのタイヤFL,FR,RL,RRの減圧を検出する機能を備えており、タイヤFL,FR,RL,RRの減圧が検出されると、車両1に搭載されている警報表示器3を介してその旨の警報を行う。このような減圧検出処理の流れの詳細については、後述する。
タイヤFL,FR,RL,RRの減圧状態は、左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪の車輪速(タイヤFL,FR,RL,RRの回転速度)に基づいて検出される。タイヤFL,FR,RL,RR(より正確には、タイヤFL,FR,RL,RRが取り付けられている車輪)には、各々、車輪速センサ6が取り付けられており、車輪速センサ6は、各々、自身の取り付けられた車輪の車輪速を表す信号(タイヤFL,FR,RL,RRの回転速度を表すため、以下、回転速度信号ということがある)を検出する。また、車両1には、車両1に作用する横方向加速度を表す信号(以下、横方向加速度信号ということがある)を検出する横方向加速度センサ7が取り付けられている。車輪速センサ6及び横方向加速度センサ7は、検出装置2に通信線5を介して接続されている。車輪速センサ6で検出された回転速度信号及び横方向加速度センサ7で検出された横方向加速度信号は、通信線5を介してリアルタイムに検出装置2に送信される。
車輪速センサ6としては、走行中のタイヤFL,FR,RL,RRの回転速度を検出できるものであれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、電磁ピックアップの出力信号から回転速度を測定するタイプのセンサを用いることもできるし、ダイナモのように回転を利用して発電を行い、このときの電圧から回転速度を測定するタイプのセンサを用いることもできる。車輪速センサ6の取り付け位置も、特に限定されず、回転速度の検出が可能である限り、センサの種類に応じて、適宜、選択することができる。
図2は、検出装置2の電気的構成を示すブロック図である。検出装置2は、ハードウェアとしては、車両1に搭載されている制御ユニットであり、図2に示されるとおり、I/Oインターフェース11、CPU12、ROM13、RAM14、及び不揮発性で書き換え可能な記憶装置15を備えている。I/Oインターフェース11は、車輪速センサ6、横方向加速度センサ7及び警報表示器3等の外部装置との通信を実現する通信装置である。ROM13には、車両1の各部の動作を制御するためのプログラム16が格納されている。プログラム16は、CD−ROM等の記憶媒体17からROM13へと書き込まれる。CPU12は、ROM13からプログラム16を読み出して実行することにより、仮想的に速度取得部20、DEL算出部21、横方向加速度取得部22、DEL3補正部23、減圧検出部24及び減圧警報部25として動作する。各部20〜25の動作の詳細は、後述する。記憶装置15は、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成される。なお、プログラム16の格納場所は、ROM13ではなく、記憶装置15であってもよい。RAM14及び記憶装置15は、CPU12の演算に適宜使用される。
警報表示器3は、減圧が起きている旨をユーザに伝えることができる限り、例えば、液晶表示素子や液晶モニター等、任意の態様で実現することができる。例えば、警報表示器3は、四輪タイヤFL,FR,RL,RRにそれぞれに対応する4つのランプを、タイヤの実際の配列に併せて配置したものとすることができる。また、ランプは1つだけであってもよく、いずれかのタイヤで減圧が検出された場合に点灯するように構成することもできる。警報表示器3の取り付け位置も、適宜選択することができるが、例えば、インストルメントパネル上等、ドライバーに分かりやすい位置に設けることが好ましい。制御ユニット(検出装置2)がカーナビゲーションシステムに接続される場合には、カーナビゲーション用のモニターを警報表示器3として使用することも可能である。カーナビゲーション用のモニターに限らないが、警報表示器3としてモニターが使用される場合、警報はモニター上に表示されるアイコンや文字情報とすることができる。
<2.減圧検出処理>
以下、図3を参照しつつ、タイヤFL,FR,RL,RRの減圧を検出するための減圧検出処理について説明する。図3に示す減圧検出処理は、タイヤの減圧に伴ってタイヤの動荷重半径が変化することを原理とする動荷重半径(DLR)方式に従うものであり、動荷重半径に依存するタイヤFL,FR,RL,RRの回転速度に基づく減圧指標値DEL1〜DEL3に従って、減圧が検出される。また、図3に示す減圧検出処理は、例えば、車両1の走行が開始したときに開始し、走行が停止したときに終了する。
まず、ステップS1では、速度取得部20が、車輪速センサ6から時々刻々送信されてくるタイヤFL,FR,RL,RRの回転速度信号を取得する。回転速度信号は、I/Oインターフェース11を介して受信され、速度取得部20は、これをタイヤFL,FR,RL,RRの回転速度V1〜V4に変換する。回転速度V1〜V4は、記憶装置15又はRAM14に格納される。
続くステップS2では、横方向加速度取得部22が、横方向加速度センサ7から時々刻々送信されてくる車両1の横方向加速度信号を取得する。横方向加速度信号は、I/Oインターフェース11を介して受信され、横方向加速度取得部22は、これを車両1の進行方向と垂直な方向の加速度である横方向加速度γに変換する。横方向加速度γは、記憶装置15又はRAM14に格納される。
なお、タイヤの動荷重半径は、タイヤの空気圧状態によってのみならず、車両1の走行条件によっても変化する。従って、車両1の走行条件が定常である場合の回転速度V1〜V4及び横方向加速度γのデータのみをタイヤの減圧検出処理に使用すべく、後の解析に適さないデータはリジェクトする(つまり、後の解析に使用しない)のが好ましい(ステップS21)。リジェクトされるべきデータとは、例えば極端な旋回時、極端な加減速時、傾斜路走行時等の回転速度V1〜V4及び横方向加速度γのデータである。
続くステップS3では、DEL算出部21が、減圧指標値DEL1〜DEL3を算出する。DEL1は対角に位置するタイヤ同士の回転速度を比較し、DEL2は前後のタイヤ同士の回転速度を比較し、DEL3は左右のタイヤ同士の回転速度を比較する指標値である。DEL1〜DEL3は様々な方法で定義することができるが、本実施形態では、DEL1〜DEL3は、以下の式に従って算出される。
DEL1={(V1+V4)/(V2+V3)−1}×100(%)
DEL2={(V1+V2)/(V3+V4)−1}×100(%)
DEL3={(V1+V3)/(V2+V4)−1}×100(%)
言い換えると、DEL1〜DEL3は、それぞれ、以下に示す特徴を有する減圧指標値である。
DEL1:回転速度V1,V4が大きい程大きくなり且つ回転速度V2,V3が大きい程小さくなる、或いは、回転速度V2,V3が大きい程大きくなり且つ回転速度V1,V4が大きい程小さくなる指標値
DEL2:回転速度V1,V2が大きい程大きくなり且つ回転速度V3,V4が大きい程小さくなる、或いは、回転速度V3,V4が大きい程大きくなり且つ回転速度V1,V2が大きい程小さくなる指標値
DEL3:回転速度V1,V3が大きい程大きくなり且つ回転速度V2,V4が大きい程小さくなる、或いは、回転速度V2,V4が大きい程大きくなり且つ回転速度V1,V3が大きい程小さくなる指標値
また、別の言い方をすると、DEL1は、4輪のうち、一方の対角線上に存在する二輪の車輪速が大きい程大きくなり、且つ、他方の対角線上に存在する二輪の車輪速が大きい程小さくなる指標値である。また、DEL2は、4輪のうち、前輪又は後輪の二輪の車輪速が大きい程大きくなり、且つ、残りの二輪の車輪速が大きい程小さくなる指標値である。一方、DEL3は、4輪のうち、左側又は右側の二輪の車輪速が大きい程大きくなり、且つ、残りの二輪の車輪速が大きい程小さくなる指標値である。
続くステップS4では、DEL3補正部23は、DEL3から旋回の影響を排除するためのトレッド幅補正を行う。特許文献2にも記載されているとおり、DEL3に対する旋回による影響は、(Wf+Wr)/2/Rで表すことができる。ただし、Wfは前輪のトレッド幅、Wrは後輪のトレッド幅、Rは旋回半径である。DEL3補正部23は、以下の式に従って、トレッド幅補正後のDEL3′を算出する。
DEL3′=DEL3+(Wf+Wr)/2/R
なお、トレッド幅Wf,Wrは、あらかじめ記憶装置15に格納されているものとする。また、旋回半径Rは、旋回速度をVrとするとき、R=Vr2*γの式に従って算出される。ただし、旋回半径Rの算出方法はこれに限られず、例えば、R=Vr/ヨーレート値の式に従って算出することもできる。このときのヨーレート値は、車両1に取り付けられているヨーレートセンサーにより取得することができる。
ところで、車両1の旋回時には、車両1に横方向加速度が作用するため、車両1の左右で荷重移動が起こり、これを原因としてタイヤの動荷重半径が変化する。すなわち、旋回軌道の内側のタイヤの荷重が減少し、タイヤの動荷重半径が大きくなる一方、旋回軌道の外側のタイヤの荷重はその分増加し、タイヤの動荷重半径が小さくなる。そのため、左折時であれば、左輪タイヤFL,RLの回転速度V1,V3が減少する一方、右輪タイヤFR,RRの回転速度V2,V4が増大する。また、右折時であれば、右輪タイヤFR,RRの回転速度V2,V4が減少する一方、左輪タイヤFL,RLの回転速度V1,V3が増大する。従って、左右輪のタイヤの回転速度を比較する減圧指標値DEL3に生じる減圧の影響をより正しく評価するためには、DEL3から横方向加速度の影響をキャンセルするように補正することが重要である。また、図5の実験結果が示すとおり、DEL3への横方向加速度の影響は車両1の積載荷重に依存し、積載荷重条件が一定であれば、DEL3と横方向加速度との間には線形関係が成立する。また、積載荷重が小さい程、横方向加速度の変化に対するDEL3の変化量が大きくなる。言うならば、積載荷重が小さい程、横方向加速度に対するDEL3の回帰式の傾きの大きさが大きくなる。本実施形態では、続くステップS5において、現在の積載荷重条件下でのDEL3′と横方向加速度γとの線形関係を表す回帰式を求めることで、横方向加速度γの影響を排除したDEL3であるDEL3′′を導出する。以下、詳しい処理について説明する。
ステップS5では、DEL3補正部23が、ステップS2で取得された横方向加速度γのデータと、ステップS4で算出されたトレッド幅補正後のDEL3′のデータとに基づいて、トレッド幅補正後のDEL3′と横方向加速度γとの線形関係を特定する。より具体的には、この線形関係を表す以下の回帰直線の係数p,qが算出される(ただし、本実施形態では、後述する理由から、qだけ算出されば足りる)。
DEL3′=p×γ+q
なお、回帰直線を特定するには(γ,DEL3′)のデータセットが少なくとも2つ必要となる。従って、本実施形態では、ステップS1〜S4,S21は、データセットが所定の量蓄積されるまで繰り返し実行される(ステップS22)。そして、ひとたびデータセットが所定の量を超えた後は、新しいデータセットが1点得られるたびに、最新の所定量のデータセットを用いて逐次的に線形関係が特定される。なお、回帰直線の特定方法は特に限定されず、例えば、最小二乗法を用いることができ、演算の効率化のために、逐次最小二乗法を用いることもできる。
図5に示すように、傾きpは荷重により変化するパラメータであり、γ―DEL3回帰直線は、積載荷重条件に関わらずある1点Xを通ることが実験によって分かった。図4は、このことを分かり易く説明する図である。点Xは、横方向加速度γに対するDEL3が積載荷重条件によらず収束する又は概ね収束する点である。つまり、点XにおけるDEL3は、積載荷重の影響を受けない。点Xは、通常、横方向加速度γ=0となる点又はその近傍に表れ、原点O付近に表れる。
以上より、点XにおけるDEL3の値が、横方向加速度γによる影響がキャンセルされたDEL3の値DEL3′′となる。よって、続くステップS6では、DEL3補正部23は、ステップS5で算出されたγとDEL3′との線形関係を表す係数p,qに基づいて、DEL3′′を算出する。本実施形態では、点Xは、横方向加速度γ=0となる点と定められる。その結果、点X=(0,q)となるため、DEL3′′=qとなる。
続くステップS7では、減圧検出部24が減圧指標値DEL1、DEL2及びDEL3′′に基づいて、タイヤFL,FR,RL,RRの減圧を検出する。より具体的には、DEL1、DEL2及びDEL3′′とあらかじめ定められた閾値とを比較し、これらの比較結果に基づいて、四輪のタイヤFL,FR,RL,RRのうちのどのタイヤが減圧しているかを特定する。より具体的には、各タイヤの減圧条件は、以下の表1のとおり定められており、各タイヤに対し、DEL1、DEL2及びDEL3′′と閾値とが表1に定められる関係を満たす場合に、当該タイヤが減圧していると判定される。なお、THFは前輪警報閾値(>0)であり、THRは後輪警報閾値(>0)である。例えば、DEL1>THF,DEL2>THF,かつDEL3′′>THF,となる場合に、左前輪タイヤFLが減圧していると判定される。
Figure 0006954136
ステップS7でタイヤFL,FR,RL,RRのうち少なくとも1つの指標値が閾値を超えていると判定された場合(ステップS23)、処理はステップS8に進む。ステップS8では、減圧警報部25が減圧警報を発生させる。本実施形態では、警報表示器3に減圧を知らせる警報を出力する。このとき、警報表示器3は、どのタイヤが減圧しているかを区別して警報することもできるし、いずれかのタイヤが減圧していることのみを示すように警報することもできる。また、減圧警報は、音声出力の態様で実行することもできる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<3−1>
上記実施形態では、横方向加速度γは、車両1に搭載されている横方向加速度センサ7から取得されたが、横方向加速度γを取得する方法はこれに限られない。例えば、横方向加速度センサ7ではなく、車両1に搭載されているヨーレートセンサーの計測値等から横方向加速度γを算出することとしてもよい。この場合、例えば、ヨーレートセンサーによる検出値を演算するタイミングで、横方向加速度γを計算することができる。
<3−2>
上記実施形態では、ステップS4及びステップS6におけるDEL3の補正処理は、車両1が旋回中であるか否かに関わらず取得されたデータに基づいて行われたが、これらの少なくとも一方のステップの処理を車両1の旋回中に取得されたデータのみに基づいて行うことも可能である。なお、車両1が旋回中であるか否かは、車両1に取り付けられ、検出装置2に接続されたステアリングアングルセンサー等から出力される、ハンドルが一方向に切られたことを示す信号に基づいて、判定することができる。
1 車両
2 検出装置(コンピュータ)
7 プログラム
20 速度取得部(回転速度取得部)
21 DEL算出部(指標値算出部)
22 横方向加速度取得部(横方向加速度取得部)
23 DEL3補正部(補正部)
24 減圧検出部
25 減圧警報部

Claims (5)

  1. 車両に装着された複数のタイヤのうちの少なくとも1つの所定のタイヤの減圧を検出する検出装置であって、
    前記複数のタイヤの回転速度を取得する回転速度取得部と、
    前記回転速度に基づいて、前記複数のタイヤのうち、左輪タイヤの回転速度と右輪タイヤの回転速度との比較値である減圧指標値を算出する指標値算出部と、
    車両の横方向加速度を取得する横方向加速度取得部と、
    前記減圧指標値及び前記横方向加速度に基づいて、前記減圧指標値と前記横方向加速度との現在の荷重条件下での線形関係を特定し、前記線形関係に基づいて、前記減圧指標値から前記横方向加速度の影響がキャンセルされた前記減圧指標値である補正指標値を算出する補正部と、
    前記補正指標値に基づいて、前記所定のタイヤの減圧を検出する減圧検出部と
    を備え、
    前記補正指標値は、前記横方向加速度に対する前記減圧指標値が荷重条件によらず収束する又は概ね収束するときの前記減圧指標値である、
    る、検出装置。
  2. 前記線形関係は、前記車両の走行中に逐次的に、又は走行開始時に特定される、
    請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記所定のタイヤの減圧が検出された場合に、減圧警報を発生させる減圧警報部
    をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の検出装置。
  4. 車両に装着された複数のタイヤのうちの少なくとも1つの所定のタイヤの減圧を検出する検出方法であって、
    前記複数のタイヤの回転速度を取得するステップと、
    前記回転速度に基づいて、前記複数のタイヤのうち、左輪タイヤの回転速度と右輪タイヤの回転速度との比較値である減圧指標値を算出するステップと、
    車両の横方向加速度を取得するステップと、
    前記減圧指標値及び前記横方向加速度に基づいて、前記減圧指標値と前記横方向加速度との現在の荷重条件下での線形関係を特定し、前記線形関係に基づいて、前記減圧指標値から前記横方向加速度の影響がキャンセルされた前記減圧指標値である補正指標値を算出するステップと、
    前記補正指標値に基づいて、前記所定のタイヤの減圧を検出するステップと
    を含み、
    前記補正指標値は、前記横方向加速度に対する前記減圧指標値が荷重条件によらず収束する又は概ね収束するときの前記減圧指標値である、
    を含む、検出方法。
  5. 車両に装着された複数のタイヤのうちの少なくとも1つの所定のタイヤの減圧を検出する検出プログラムであって、
    前記複数のタイヤの回転速度を取得するステップと、
    前記回転速度に基づいて、前記複数のタイヤのうち、左輪タイヤの回転速度と右輪タイヤの回転速度との比較値である減圧指標値を算出するステップと、
    車両の横方向加速度を取得するステップと、
    前記減圧指標値及び前記横方向加速度に基づいて、前記減圧指標値と前記横方向加速度との現在の荷重条件下での線形関係を特定し、前記線形関係に基づいて、前記減圧指標値から前記横方向加速度の影響がキャンセルされた前記減圧指標値である補正指標値を算出するステップと、
    前記補正指標値に基づいて、前記所定のタイヤの減圧を検出するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記補正指標値は、前記横方向加速度に対する前記減圧指標値が荷重条件によらず収束する又は概ね収束するときの前記減圧指標値である、
    検出プログラム。
JP2018003960A 2018-01-15 2018-01-15 タイヤの減圧の検出装置 Active JP6954136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018003960A JP6954136B2 (ja) 2018-01-15 2018-01-15 タイヤの減圧の検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018003960A JP6954136B2 (ja) 2018-01-15 2018-01-15 タイヤの減圧の検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019123294A JP2019123294A (ja) 2019-07-25
JP6954136B2 true JP6954136B2 (ja) 2021-10-27

Family

ID=67397532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018003960A Active JP6954136B2 (ja) 2018-01-15 2018-01-15 タイヤの減圧の検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6954136B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008249523A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ空気圧低下異常警報方法および装置ならびにプログラム
JP6318117B2 (ja) * 2015-06-01 2018-04-25 住友ゴム工業株式会社 タイヤの減圧状態の検出装置
JP6863101B2 (ja) * 2016-06-06 2021-04-21 住友ゴム工業株式会社 タイヤの減圧の検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019123294A (ja) 2019-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4463311B2 (ja) タイヤ空気圧低下検出方法及び装置、並びにタイヤ減圧判定のプログラム
US10336142B2 (en) Device for detecting low-pressure state of tire
US20190195679A1 (en) Wheel load estimation device
JP2008249523A (ja) タイヤ空気圧低下異常警報方法および装置ならびにプログラム
JP6863101B2 (ja) タイヤの減圧の検出装置
JP2019184412A (ja) 車両の質量推定装置、方法及びプログラム
US9387736B2 (en) System, method, and program for detecting deflated tires
JP7005979B2 (ja) タイヤの回転速度補正装置
JP6954136B2 (ja) タイヤの減圧の検出装置
JP2021092431A (ja) 車両の質量推定装置
JP7063162B2 (ja) タイヤの回転速度補正装置、方法及びプログラム
JP3929962B2 (ja) タイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラム
JP3929965B2 (ja) タイヤの動荷重半径の荷重感度算出方法および装置、ならびにタイヤの荷重感度算出のプログラム
JP6693170B2 (ja) タイヤの減圧の検出装置
JP7103010B2 (ja) 路面状態の判定装置、方法及びプログラム
JP3929961B2 (ja) タイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラム
JP6460891B2 (ja) タイヤの空気圧状態の検出装置
JP7091907B2 (ja) タイヤの回転速度補正装置、方法及びプログラム
JP4693814B2 (ja) タイヤ空気圧異常警報方法、装置およびプログラム
JP2010111246A (ja) 路面摩擦係数推定装置
JP6969363B2 (ja) タイヤの減圧の検出装置
JP4459030B2 (ja) 車両のアンダステア警報装置
JP3605006B2 (ja) タイヤ空気圧低下警報装置および方法
CN114604043A (zh) 用于监控车辆加载的方法、装置、车辆和存储介质
JP2024012862A (ja) タイヤの回転速度補正装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201117

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6954136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150