JP2021092431A - 車両の質量推定装置 - Google Patents
車両の質量推定装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021092431A JP2021092431A JP2019222821A JP2019222821A JP2021092431A JP 2021092431 A JP2021092431 A JP 2021092431A JP 2019222821 A JP2019222821 A JP 2019222821A JP 2019222821 A JP2019222821 A JP 2019222821A JP 2021092431 A JP2021092431 A JP 2021092431A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- mass
- driving force
- slope
- acceleration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W40/00—Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models
- B60W40/12—Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models related to parameters of the vehicle itself, e.g. tyre models
- B60W40/13—Load or weight
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W40/00—Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models
- B60W40/12—Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models related to parameters of the vehicle itself, e.g. tyre models
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2510/00—Input parameters relating to a particular sub-units
- B60W2510/06—Combustion engines, Gas turbines
- B60W2510/0638—Engine speed
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2510/00—Input parameters relating to a particular sub-units
- B60W2510/06—Combustion engines, Gas turbines
- B60W2510/0657—Engine torque
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2520/00—Input parameters relating to overall vehicle dynamics
- B60W2520/10—Longitudinal speed
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2520/00—Input parameters relating to overall vehicle dynamics
- B60W2520/10—Longitudinal speed
- B60W2520/105—Longitudinal acceleration
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2520/00—Input parameters relating to overall vehicle dynamics
- B60W2520/26—Wheel slip
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60W—CONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
- B60W2520/00—Input parameters relating to overall vehicle dynamics
- B60W2520/28—Wheel speed
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Automation & Control Theory (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Transportation (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
Abstract
【課題】精度よく車両の質量を推定することができる車両の質量推定装置を提供する。【解決手段】質量推定装置は、データ取得部と、質量推定部とを備える。データ取得部は、車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、加速度及び駆動力のデータセットを順次取得する。質量推定部は、前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定し、前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定する。前記質量推定部は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定する。【選択図】図2
Description
本発明は、車両の質量を推定する質量推定装置に関する。
車両には、快適な走行を補助するための様々なシステムが搭載されている。例えば、車両の燃費測定システム、ブレーキ制御システム、及びタイヤの減圧検出システム(Tire Pressure Monitoring System;TPMS)等である。これらのシステムは、車両の質量を制御のパラメータとして用いることがある。しかしながら、車両の質量は、乗員の人数や荷物等の積載量によって変化する。各種システムが適切な制御を行うためには、このような変化が反映された車両の質量を精度よく推定することが望まれる。
特許文献1は、走行中の車両に係る運動方程式に基づく車両の質量推定方法を開示している。
こうした運動方程式に基づく質量推定では、車両の走行状況を示す計測データ及び車両が走行する路面の傾斜や路面の状態を示すパラメータに基づいて車両の質量を推定する。しかしながら、車両が走行する路面の傾斜や路面の状態を示すパラメータを実際に取得するのは容易ではなく、現実的に車両が取得可能なデータに基づいて行われる車両の質量の推定精度は、必ずしも高いとは言えなかった。
本発明は、精度よく車両の質量を推定することができる車両の質量推定装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る質量推定装置は、データ取得部と、質量推定部とを備える。データ取得部は、車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、加速度及び駆動力のデータセットを順次取得する。質量推定部は、前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定し、前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定する。前記質量推定部は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定する。
上記態様によれば、加速度と駆動力との関係を表す回帰直線の傾きが車両の質量を推定するために使用される。第1期間から第2期間にかけて、駆動力に依存する指標が第1範囲内に収束しており、かつ、加速度と駆動力との関係を表す回帰直線の傾きが、駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる範囲を超えて変動している場合、新たに算出された第2傾きがリジェクトされ、質量推定に使用されない。それ以外に該当する場合は、第2傾きに基づいて車両の質量が推定される。これにより、新たに特定された傾きのうち、信頼性の高いものを選別して車両の質量を推定することができ、車両の質量推定精度が向上する。
上記質量推定装置において、前記質量推定部は、前記第2傾きをリジェクトした場合に、前記第1傾きに基づいて前記車両の質量を推定してもよい。
本態様によれば、第2傾きより信頼性が高いと判断された第1傾きに基づいて車両の質量を推定するため、車両の質量推定精度が向上する。
本態様によれば、第2傾きより信頼性が高いと判断された第1傾きに基づいて車両の質量を推定するため、車両の質量推定精度が向上する。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両のエンジンの駆動状態を示すエンジン情報を取得し、前記エンジン情報に基づいて前記駆動力を取得してもよい。
上記質量推定装置において、前記エンジン情報は、エンジントルク及び前記エンジンの回転数に関する情報を含んでもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つのタイヤの回転速度を示すタイヤ回転速度情報を取得し、前記エンジン情報及び前記タイヤ回転速度情報に基づいて前記駆動力を取得してもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つのタイヤの回転速度を示すタイヤ回転速度情報を取得し、前記タイヤ回転速度情報に基づいて、前記加速度を取得してもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と、少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報を取得してもよい。前記駆動力に依存する指標は、前記タイヤ回転速度情報から取得されたスリップ率と前記加速度との関係を表す回帰直線の傾きであってもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と、少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報を取得してもよい。前記駆動力に依存する指標は、前記タイヤ回転速度情報から取得されたスリップ率と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きであってもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両の位置情報を示すデータを取得してもよい。前記駆動力に依存する指標は、前記位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度であってもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両の位置情報を示すデータ及び前記車両に装着された少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と、少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報を取得してもよい。前記駆動力に依存する指標は、前記位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度と前記タイヤ回転速度情報から取得されたスリップ率との関係を表す回帰直線の傾きであってもよい。
上記質量推定装置において、前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両の位置情報を示すデータを取得してもよい。前記駆動力に依存する指標は、前記位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きであってもよい。
本発明の一態様に係る質量推定方法は、車両の質量を推定する方法であって、以下のステップを備える。
(1)前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するステップ
(2)前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定するステップ
(3)前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定するステップ
なお、前記質量を推定するステップ(3)は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に、前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定するステップである。
(1)前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するステップ
(2)前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定するステップ
(3)前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定するステップ
なお、前記質量を推定するステップ(3)は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に、前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定するステップである。
本発明の一態様に係る質量推定プログラムは、車両の質量を推定するプログラムであって、以下のステップをコンピュータに実行させる。
(1)前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するステップ
(2)前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定するステップ
(3)前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定するステップ
なお、前記質量を推定するステップ(3)は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に、前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定するステップである。
(1)前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するステップ
(2)前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定するステップ
(3)前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定するステップ
なお、前記質量を推定するステップ(3)は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に、前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定するステップである。
本発明の質量推定装置によれば、車両の質量を精度よく推定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る質量推定装置、方法及びプログラムについて説明する。以下の各実施形態では、走行中の車両に係る運動方程式に基づいて車両の質量が推定される。ここで、車両の質量には車両それ自体の車体質量に加え、乗員や荷物等の積載物の質量が含まれる。質量推定処理の流れの詳細については、後述する。なお、以下の各実施形態では、同一又は対応する構成については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。
[1.第1実施形態]
以下、第1実施形態に係る質量推定装置2の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る質量推定装置2が車両1に搭載された様子を示す模式図である。車両1は、四輪車両であり、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRを備えている。車輪FL,FR,RL,RRには、各々、タイヤが装着されている。車両1の前輪二輪(FL及びFR)及び後輪二輪(RL及びRR)のうち一方は駆動輪であり、他方は従動輪である。質量推定装置2は、乗員や荷物等の積載荷重によって変化する車両1の質量Mを推定する機能を備える。
以下、第1実施形態に係る質量推定装置2の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る質量推定装置2が車両1に搭載された様子を示す模式図である。車両1は、四輪車両であり、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRを備えている。車輪FL,FR,RL,RRには、各々、タイヤが装着されている。車両1の前輪二輪(FL及びFR)及び後輪二輪(RL及びRR)のうち一方は駆動輪であり、他方は従動輪である。質量推定装置2は、乗員や荷物等の積載荷重によって変化する車両1の質量Mを推定する機能を備える。
車輪FL,FR,RL,RRには、各々、車輪速センサ6が装備されており、車輪速センサ6は、所定のサンプリング周期ΔTで自身の取り付けられた車輪の車輪速情報(すなわち、車輪に装着されたタイヤの回転速度情報)を検出する。車輪速センサ6は、質量推定装置2に通信線5を介して接続されており、各車輪速センサ6で検出されたタイヤ回転速度情報は、リアルタイムに質量推定装置2に送信される。
車輪速センサ6としては、走行中の車輪FL,FR,RL,RRの車輪速を検出できるものであれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、電磁ピックアップの出力信号から車輪速を測定するタイプのセンサを用いることもできるし、ダイナモのように回転を利用して発電を行い、このときの電圧から車輪速を測定するタイプのセンサを用いることもできる。車輪速センサ6の取り付け位置も特に限定されず、車輪速の検出が可能である限り、センサの種類に応じて適宜選択することができる。
車両1は、表示器3をさらに備えていてもよい。表示器3は、例えば、液晶表示素子や液晶モニター等、任意の態様で実現することができる。表示器3の取り付け位置は、適宜選択することができるが、例えば、インストルメントパネル上等、ドライバーに分かりやすい位置に設けることが好ましい。質量推定装置2がカーナビゲーションシステムに接続される場合には、カーナビゲーション用のモニターを表示器3として使用することも可能である。
<1.質量推定装置の構成>
図2は、本実施形態に係る質量推定装置2の電気的構成を示すブロック図である。図2に示されるとおり、質量推定装置2は、ハードウェアとしては車両1に搭載されている制御ユニットであり、プロセッサー11、インターフェース12、ストレージ13及びメインメモリ14を備えている。インターフェース12は、車輪速センサ6及び表示器3等の外部装置並びに他の制御ユニット9との通信を行うための通信装置である。他の制御ユニット9の例としては、エンジンの動作を制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)等が挙げられる。ストレージ13には、車両1の各部の動作を制御するためのプログラム10が格納されている。プログラム10は、CD−ROM等の記憶媒体や、専用の書き込み機等からストレージ13へと書き込まれる。ストレージ13の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が挙げられる。
図2は、本実施形態に係る質量推定装置2の電気的構成を示すブロック図である。図2に示されるとおり、質量推定装置2は、ハードウェアとしては車両1に搭載されている制御ユニットであり、プロセッサー11、インターフェース12、ストレージ13及びメインメモリ14を備えている。インターフェース12は、車輪速センサ6及び表示器3等の外部装置並びに他の制御ユニット9との通信を行うための通信装置である。他の制御ユニット9の例としては、エンジンの動作を制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)等が挙げられる。ストレージ13には、車両1の各部の動作を制御するためのプログラム10が格納されている。プログラム10は、CD−ROM等の記憶媒体や、専用の書き込み機等からストレージ13へと書き込まれる。ストレージ13の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が挙げられる。
プロセッサー11は、ストレージ13からプログラム10を読み出してメインメモリ14に展開し、プログラム10に従って処理を実行する。プロセッサー11は、プログラム10の実行により、仮想的にデータ取得部21及び質量推定部27として動作する。データ取得部21は、回転速度取得部22、車両速度取得部23、加速度取得部24、駆動力取得部25、及び指標用データ取得部26を含む。各部21〜27の動作の詳細は、後述する。
<2−1.質量推定の原理>
以下、車両1の質量M[kg]を推定するための原理について説明する。車両1に係る運動方程式は、以下の式(1)に基づいて表すことができる。
Mα=Fe−Fa−Fr−Fg (1)
ここで、α[m/s2]は車両1の加速度である。Fe[N]は車両1のエンジンが出力する駆動力(以下、エンジン駆動力と称する)である。Fa[N]は車両1に係る空気抵抗である。Fr[N]は転がり抵抗である。Fg[N]は、路面の傾斜により車両1に作用する重力である。
以下、車両1の質量M[kg]を推定するための原理について説明する。車両1に係る運動方程式は、以下の式(1)に基づいて表すことができる。
Mα=Fe−Fa−Fr−Fg (1)
ここで、α[m/s2]は車両1の加速度である。Fe[N]は車両1のエンジンが出力する駆動力(以下、エンジン駆動力と称する)である。Fa[N]は車両1に係る空気抵抗である。Fr[N]は転がり抵抗である。Fg[N]は、路面の傾斜により車両1に作用する重力である。
式(1)を変形すると、
F=Mα+f (1′)
となる。ただし、F=Fe−Fa、f=Fr+Fgである。以下、Fを駆動力、fを走行抵抗と称する。
F=Mα+f (1′)
となる。ただし、F=Fe−Fa、f=Fr+Fgである。以下、Fを駆動力、fを走行抵抗と称する。
式(1′)は、傾きをM、切片をfとする加速度αと駆動力Fとの直線の式を表す。従って、加速度αと駆動力FのデータセットによりαとFとの関係を表す回帰直線Lの傾きM1を特定すれば、傾きM1に基づいて車両1の質量Mを推定することができる。Lの切片をf1とすると、Lの式は以下のようになる。
L:F=M1α+f1
L:F=M1α+f1
ここで、加速度α及び車両1の車両速度V[m/s]は、例えば車両1の少なくとも1つのタイヤの回転速度を示すタイヤ回転速度情報に基づいて算出することができる。
エンジン駆動力Fe及び空気抵抗Faは、例えばエンジンECUから出力されるエンジン情報に基づいて、それぞれ以下の式(2)及び(3)に従って算出される。
Fe=η・(n/V)・2πt (2)
Fa=kV2 (3)
ただし、nはエンジンの回転数[rps]、tはエンジントルク[Nm]である。また、η及びkは、車両1に固有の定数である。定数η、kは、例えば予め実験又はシミュレーションにより特定され、質量推定装置2のストレージ13に格納されている。
Fe=η・(n/V)・2πt (2)
Fa=kV2 (3)
ただし、nはエンジンの回転数[rps]、tはエンジントルク[Nm]である。また、η及びkは、車両1に固有の定数である。定数η、kは、例えば予め実験又はシミュレーションにより特定され、質量推定装置2のストレージ13に格納されている。
転がり抵抗Frは、車両1の走行時に発生する抵抗であり、主として車両1のタイヤの変形によるエネルギー損失及びタイヤと車両1が走行する路面との摩擦によるエネルギー損失を示す。Frは、転がり抵抗係数μ、路面の傾斜角θ及び重力加速度gを用いて以下の式(4)に従って算出される。なお、μは車両1が走行する路面がアスファルト面であるか砂利道であるか雪道であるかや、濡れているか乾いているか等、タイヤの転がり易さに影響を与える路面の状態に依存する係数である。
Fr=μMgcosθ (4)
Fr=μMgcosθ (4)
路面の傾斜方向の重力Fgは、以下の式(5)に従って算出される。傾斜方向の重力Fgの符号は、車両1が路面を上るときは正となり、路面を下るときは負となる。
Fg=Mgsinθ (5)
Fg=Mgsinθ (5)
ここで、転がり抵抗係数μは、路面の状態にもよるが一般的には1よりもはるかに小さい係数である。このため、走行抵抗fにおいては、転がり抵抗Frよりも傾斜方向の重力Fgによる影響が支配的なことが多い。
式(1′)から分かるように、車両1の質量Mを推定するためには走行抵抗fを考慮する必要がある。ただし、式(4)及び(5)が示すように、fは車両が走行する路面の状態や傾斜角θ等の路面条件の影響を受けて変化する。しかし、傾斜角θのデータを取得するにはしばしば車両1に特別な設備を備えることが必要である。また、路面の状態ごとに適した転がり抵抗係数μを使用する必要があるが、路面の状態は天気によっても変化する。このように、車両1が走行する路面の路面条件を取得することには種々の制約があり、走行抵抗fを考慮しながら車両1の質量を高い精度で推定することは容易ではない。
ここで、図3を参照されたい。図3は、本発明者らが行った実験1により得られたグラフであり、横軸が加速度α、縦軸が駆動力Fである。グラフには質量Mの車両1が走行したときのαとFがプロットされている。ただし、ギアチェンジ中やブレーキ中に取得されたαとFのデータは除いてあるため、グラフにプロットされるデータは車両1の1回の加速ごとに対応するまとまったサブセット1〜4(図3参照)に分けられる。サブセット1〜4に含まれる(α、F)のデータには、様々な路面条件下のデータが含まれており、走行抵抗fのばらつきが大きいと考えられる。このため、サブセット1〜4に含まれる全てのデータを一度に使用して回帰直線を特定すると、回帰の相関係数が低下し、結果的に質量推定の精度を低下させてしまうと考えられる。
本発明者らは、サブセット1〜4に含まれるデータセットの中から路面条件の変化が少ない場合のデータセット、つまり走行抵抗fを一定とみなせる場合のデータセットを選別することを考えた。つまり、路面条件が実質的に一定であり、駆動力Fのみが実質的に加速度αに影響を与えているときの(α、F)のデータセットを選別すれば、選別されたデータセットの回帰直線Lの傾きM1に基づいて推定される車両1の質量の精度が向上すると考えられる。
ところで、現実的に車両1の質量Mが取り得る値には一定の範囲がある。本発明者らは、この範囲を利用して路面条件が実質的に一定のデータセットを選別できることに注目した。具体的には、質量Mは、空車状態の車両1の質量m1未満になることがなく、また、最大積載状態の質量m2を超過することはないと言ってよい。空車状態とは、車両1自体の質量に標準的な体重のドライバーによる積載荷重のみが加えられている状態(すなわち、ドライバーを除いて積載荷重が加えられていない状態)か、ドライバーを含めて積載荷重が加えられていない状態である。最大積載状態とは、車両1に許容される最大限の積載荷重が車両1に加えられた状態である。
上述した質量Mの範囲は、加速度αと駆動力Fの回帰直線Lの傾きM1の範囲にも対応する。従って、質量m1及び質量m2をそれぞれ傾きM1の下限値及び上限値として定め、m1及びm2で決定される範囲を傾きM1の傾き条件とする(図4参照)。そして、サブセットに含まれる(α、F)ごとに回帰直線Lを特定し、特定されたLの傾きM1が傾き条件m1≦M1≦m2を満たす場合にのみ、その(α、F)のデータセットを質量推定処理に採用する。一方、傾きM1が傾き条件を満たさない場合は、その(α、F)のデータセットをリジェクトし、質量推定処理に用いないようにする。
再び図3を参照すると、サブセット1〜4のうち、サブセット2に属する加速度αと駆動力Fの回帰直線L2の傾きは、上述のように設定された傾き条件を満たした。また、サブセット4に属する加速度αと駆動力Fの回帰直線L4の傾きも同様の傾き条件を満たした。従って、サブセット2及びサブセット4に属する(α、F)のデータセットはそれぞれ路面条件が実質的に一定である場合に取得されたものとして車両1の質量推定処理に採用することができる。
一方、サブセット1に属するαとFの回帰直線L1、及びサブセット3に属するαとFの回帰直線L3の傾きは、上述の傾き条件を満たさなかった。つまり、サブセット1及びサブセット3の(α、F)のデータセットは、いずれも実質的に一定とは言えない路面条件下で取得されたと考えられる。従って、サブセット1及びサブセット3に属する(α、F)のデータセットを車両1の質量推定処理に採用しないことで、路面条件のばらつきの影響を抑制し、質量推定の精度を向上させることができる。
傾き条件を満たす傾きM1に基づいて算出された値を、車両1の質量の推定値Msとする。推定値Msは、例えば最新の傾きM1とすることができる。また、例えばカルマンフィルタ等を用いた逐次計算により傾き条件を満たす傾きM1が1つ得られる度にMsを更新することができる。しかしながら、この方法では新たに得られた傾きM1が前回の値から一定の範囲を超えて変動した場合において、新たな傾きM1の信頼性を検証することがないため、信頼性の低い傾きM1の値を質量推定処理に採用してしまう場合がある。
<2−2.質量推定の原理>
図5は、本発明者らが上述の原理に基づく質量推定処理を実際の車両を使用して行った実験2の結果を示すグラフである。グラフの横軸は車両において上述の質量推定処理を開始してから経過した時間[s]であり、縦軸は算出された推定値Ms[kg]である。実験の間、車両1の現実の質量Mは変動しておらず一定であった。図5に示すように、推定値Msは時間の経過とともに一定の範囲内に収束するかに見えたが、800s付近(図中、破線で示す)で急激に増加した。
図5は、本発明者らが上述の原理に基づく質量推定処理を実際の車両を使用して行った実験2の結果を示すグラフである。グラフの横軸は車両において上述の質量推定処理を開始してから経過した時間[s]であり、縦軸は算出された推定値Ms[kg]である。実験の間、車両1の現実の質量Mは変動しておらず一定であった。図5に示すように、推定値Msは時間の経過とともに一定の範囲内に収束するかに見えたが、800s付近(図中、破線で示す)で急激に増加した。
図6は同実験2により得られた加速度αと駆動力Fのグラフである。グラフの横軸はα[m/s2]、縦軸はF[N]である。図6に示す(α、F)について、サブセットごとに特定された回帰直線の傾きM1は、いずれも上述の傾き条件を満たした。そうであるにも関わらず、何らかの要因で推定値Ms或いは傾きM1の変動が発生し、一定の範囲内に収束しないことが実験2の結果により確認された。このような場合、上述の質量推定処理では変動前の推定値と変動後の推定値とで、いずれの推定値の誤差が少ないかを判定することが困難である。
傾きM1が一定の範囲を超えて変動したとき、その変動が妥当であるか否かを判定することができれば、変動前の傾きM1と変動後の傾きM1のうち、より信頼性の高い方を質量推定に採用することができる。そこで、本発明者らは駆動力Fに依存する指標Pを別途設定し、傾きM1の変化率に対する指標Pの変化率を評価することを考えた。このようにすることで、傾きM1が一定の範囲を超えて変動した場合でも、変動後の傾きM1を質量推定処理に採用すべきか否かを判定することができる。つまり、ある期間において指標Pが一定の範囲内に収束したと言ってよい場合に、同じ期間における傾きM1が指標Pの変動を基準として急激に変動したと言えるのであれば、傾きM1の変動が何らかのノイズ等によって生じており、妥当でないと考えられるため、新たに得られた傾きM1を質量推定処理に採用しないことで質量推定の精度を維持することができる。一方、指標Pが一定の範囲を超えて変動し、かつ傾きM1もその変動量に相応して変動していたような場合は、新たに得られた傾きM1を一定の信頼性を有する値として質量推定処理に採用し、より質量推定の精度を高めることができる。
具体的には、指標Pが第1期間からそれ以降の第2期間にわたって第1範囲を超えて変動せず、かつ、第1期間に取得された時系列的に連続したひとまとまりの(α、F)のデータセット(以下、第1データセットと称する)から特定された回帰直線の第1傾きN1から、第2期間に取得されたひとまとまりの(α、F)のデータセット(以下、第2データセットと称する)から特定された回帰直線の第2傾きN2への変動が、指標Pの変動に基づいて定められる第2範囲を超えていると判定されれば、第2傾きN2をリジェクトして、質量推定処理に採用しない。
指標Pは、駆動力Fに依存して変化するパラメータである限り、適宜選択することができる。第1実施形態では、指標Pは加速度αと車両1に係るスリップ率λ[%]との関係を表す回帰直線の傾きOである。スリップ率λは、例えば以下の式(6)に従って算出される。
λ=(vk−vj)/vj×100 (6)
λ=(vk−vj)/vj×100 (6)
ここで、vkは駆動輪の代表的な車輪速、vjは従動輪の代表的な車輪速である。車輪速vk及びvjは、例えば車輪速センサ6から取得される、少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報から算出することができる。スリップ率λは、車両1の走行に対して、駆動輪タイヤがどれだけスリップしているかを表す。車両1の速度は、本実施形態のように、従動輪の代表的な車輪速で代用することができる。
ここで、車両のスリップ率と駆動力(又は駆動力係数等)との関係を路面ごとに示した曲線が一般に知られている。図7はその一例であり、それぞれ異なる路面1〜6についてのスリップ率λと駆動力Fとの関係が示されている。図7に示すように、スリップ率λが約10%以下の範囲においては、スリップ率λが増加するにつれて駆動力Fが増加する。本発明者らによれば、スリップ率λが約10%以下の領域においては、スリップ率λと駆動力Fとは近似的な比例関係を有すると言ってよい。つまり、スリップ率λが約10%以下の領域について、車両1の加速度とスリップ率λとの間に比例関係が成り立つと言うことができる。以上のことから、計測された加速度αとスリップ率λとから特定される回帰直線の傾きOは、加速度αと駆動力Fとから特定される回帰直線Lの傾きM1に対応する指標Pとして用いることができる。
ここで、図8を参照されたい。図8は、上述の実験2により得られた(α、λ)をプロットしたグラフであり、横軸が加速度α[m/s2]、縦軸がスリップ率λ[%]である。プロットされた加速度αとスリップ率λのデータセットは、図6に示す加速度αと駆動力Fのデータセットに対応する。すなわち、図8の加速度αは、図6に示す加速度αと共通であり、スリップ率λは、加速度αと対応する時刻のタイヤ回転速度情報から式(6)に基づいて算出されている。
図8に示す加速度αとスリップ率λについて、加速度αと駆動力Fと同様に路面条件が実質的に一定のサブセットごとに回帰直線を特定した。その結果、回帰直線の傾きOは一定の範囲内に収束した。つまり、(α,F)の回帰直線Lの傾きM1が一定以上変動していても(α,λ)の回帰直線の傾きOは傾きM1と比較して変動しないことがある。このことを利用して、傾きM1が質量推定処理に採用できるほどに信頼性を有するか否かを判定することができる。
傾きM1の変動は、例えば変化率ΔM1によって表すことができる。変化率ΔM1は、第1データセットから特定された第1傾きN1と、第2データセットから特定された第2傾きN2とを用い、以下の式(7)に従って算出される。
ΔM1=(N2−N1)/N1 (7)
ΔM1=(N2−N1)/N1 (7)
第1期間から第2期間における指標Pの変動ΔPとしては、第1期間に取得された(α,λ)のデータセットから特定される回帰直線の傾きO1に対する、第2期間に取得された(α,λ)のデータセットから特定される回帰直線の傾きO2の変化率ΔOを用いることができる。変化率ΔOは、例えば以下の式(8)に従って算出される。
ΔO=(O2−O1)/O1 (8)
ΔO=(O2−O1)/O1 (8)
第1範囲は、例えば正の第1定数Th1によって下限値を−Th1、上限値をTh1とする範囲と定めることができる。第1定数Th1は、予め設定された定数であり、例えばストレージ13に予め保存される。
傾きOの変動の大きさが第1範囲を超えていない場合、すなわち|ΔO|≦Th1の場合に、変化率ΔMが変化率ΔOに基づいて定められる第2範囲を超えていれば、新しく算出された第2傾きN2がリジェクトされ、それ以前に算出された第1傾きN1が質量推定処理に採用される。傾きOの変動が第1範囲を超えている場合、すなわち|ΔO|>Th1の場合には、変化率ΔMが第2範囲を超えているか否かに関わらず、新しく算出された第2傾きN2をリジェクトせず、質量推定処理に採用する。
本実施形態では、変化率ΔOを基準とする変化率ΔM1の相対的な大きさ(以下、相対変化量と称する)と、第2定数Th2によって上限値と下限値とを定められる範囲とを照合することにより傾きM1の変動を評価する。第2定数Th2は、予め設定された正の定数であり、例えばストレージ13に予め保存される。相対変化量は、例えば(ΔM1−ΔO)で定義される。|ΔO|≦Th1の場合において、相対変化量(ΔM1−ΔO)の大きさが第2定数Th2を超えているとき、つまり|ΔM1−ΔO|>Th2であるとき、変化率ΔMが変化率ΔOに基づいて定められる第2範囲を超えていると言えるため、第2傾きN2はリジェクトされる。
<3.質量推定処理>
以下、図9を参照しつつ、これらの知見に基づく車両1の質量を推定するための質量推定処理について説明する。図9に示す質量推定処理は、例えば、エンジンのスイッチがONにされたときにスタートし、車両1の停車後一定時間が経過すると終了する。
以下、図9を参照しつつ、これらの知見に基づく車両1の質量を推定するための質量推定処理について説明する。図9に示す質量推定処理は、例えば、エンジンのスイッチがONにされたときにスタートし、車両1の停車後一定時間が経過すると終了する。
ステップS1〜S4では、データ取得部21により、後の解析に必要なデータが取得される。まず、ステップS1では回転速度取得部22が各車輪速センサ6から時々刻々送信されてくるタイヤ回転速度情報を取得し、これに基づいてタイヤの回転速度v1〜v4[s-1]を算出する。なお、回転速度v1〜v4はそれぞれ車輪FL,FR,RL,RRに装着されたタイヤの回転速度である。算出された回転速度v1〜v4は、ストレージ13又はメインメモリ14に記憶される。
続くステップS2では、ステップS1で取得されたタイヤの回転速度(本実施形態ではvj)に基づいて、車両速度取得部23が車両速度Vを算出する。算出された車両速度Vは、ストレージ13又はメインメモリ14に記憶される。
続くステップS3では、加速度取得部24が車両1の加速度αを算出する。本実施形態では、加速度αは従動輪のタイヤ回転速度情報から算出される。算出された加速度αは、ストレージ13又はメインメモリ14に記憶される。
続くステップS4では、駆動力取得部25が式(2)及び(3)に基づいて車両1の駆動力Fを算出する。算出された駆動力Fは、直前のステップS3で取得された加速度αに組み合わされて、(α,F)のセットとしてストレージ13又はメインメモリ14に記憶される。
続くステップS5では、指標用データ取得部26が上述の式(6)に従ってスリップ率λを算出する。ただし、本実施形態ではvkは駆動輪タイヤの平均回転速度、vjは従動輪タイヤの平均回転速度である。算出されたλは、ステップS3で取得された加速度αに組み合わされてストレージ13又はメインメモリ14に記憶される。すなわち、ステップS4及びS5が終了すると、(α,F,λ)のセットがストレージ13又はメインメモリ14に記憶されている。
続くステップS6では、ステップS1〜S5で得られた最新の加速度α及び駆動力Fのデータが有効であるか否かをデータ取得部21が判定する。データが有効であるとは、(α,F)のデータの精度が、質量推定処理に使用できる程度に高いことをいう。すなわち、ギアチェンジ中やブレーキ中に取得された(α,F)のデータはばらつきが大きく質量推定の精度に悪影響を及ぼすため、そのようなときに得られたデータセットは有効でないと判定する。なお、本実施形態では、ギアチェンジやブレーキ操作が行われたか否かの判定は、エンジン情報に含まれるエンジンの回転数nや、ブレーキ制御用のECU等から取得されるブレーキ圧等の情報に基づいて行われる。
データ取得部21が最新の(α,F)のデータが有効であると判定した場合、処理はステップS7に進む。一方、データ取得部21が(α,F)のデータセットが有効でないと判定した場合には、処理はステップS15に進み、最新の(α,F,λ)のデータセットがストレージ13又はメインメモリ14内から消去される。その後、処理はステップS1に戻り、データ取得部21が以降の(α,F,λ)のデータを取得する。
ステップS7では、ストレージ13又はメインメモリ14に蓄積されている(α,F,λ)のデータが所定数K(Kは、2以上の整数)以上であるかをデータ取得部21が判定する。データ数がK以上であるとデータ取得部21が判定した場合には、処理はステップS8に進む。一方、データ数がK未満であるとデータ取得部21が判定した場合には、処理はステップS1に戻り、以降の(α,F,λ)のデータを取得する。すなわち、有効で連続したK個以上の(α,F,λ)のデータが取得された場合に、そのようなデータを含むデータセットに対してステップS8が実行される。
続くステップS8では、質量推定部27がストレージ13又はメインメモリ14内に蓄積されているデータセットに基づいて、加速度αと駆動力Fの回帰直線Lと、加速度αとスリップ率λの回帰直線とを特定する。つまり、ステップS8では質量推定部27が傾きM1(第2傾きN2)及び傾きM1に対応する指標Pとしての傾きO2を算出する。第2傾きN2及び傾きO2の算出方法は、特に限定されず、例えば最小二乗法を用いることができる。また、演算の効率化のために逐次最小二乗法を用いることもできる。この場合、ステップS6で新たに有効なデータが取得されるたびに、傾きM1が更新されながら算出される。
続くステップS9では、質量推定部27がストレージ13又はメインメモリ14内に予め記憶された傾き条件(m1≦M1≦m2)に基づいて、ステップS8で算出された第2傾きN2が傾き条件を満たしているか否かを判定する。質量推定部27は、第2傾きN2が傾き条件を満たさないと判定した場合、この第2傾きN2をリジェクトするとともに、第2傾きN2を算出する元データとなった加速度α、駆動力F及びスリップ率λのデータセットをストレージ13又はメインメモリ14内から消去する(ステップS15)。その後、処理はステップS1に戻る。一方、第2傾きN2が傾き条件を満たしていると質量推定部27が判定した場合は、処理はステップS10に進む。ステップS9は、続くステップS10で質量Mの推定に使用されるべき傾きM1を選別するステップである。言い換えると、ステップS9は路面条件が実質的に一定である加速度αと駆動力Fのデータセットを選別するステップである。
ステップS10では、質量推定部27が第2傾きN2に基づいて車両の質量を推定した仮推定値Mtを算出し、算出した仮推定値Mtをメインメモリ14内に一時保存する。この時点で、傾きM1(第2傾きN2)は傾き条件により選別されているが、前回算出された傾き(第1傾きN1)に対してどれだけ変動しているかは不明である。従って、ステップS10では、第2傾きN2に基づいて質量が仮推定されるが、後述するステップS12の判定の結果によって、第2傾きN2や仮推定値Mtがストレージ13又はメインメモリ14から消去され、仮推定がキャンセル(ステップS13)される場合がある。
なお、傾きM1に基づいた質量の仮推定は、単に傾きM1をそのまま仮推定値Mtとしてもよいが、これに限定されない。本実施形態では、推定の精度を向上させるべく、カルマンフィルタを用いた逐次計算により仮推定値Mtが算出される。逐次計算では、最新の回帰直線の傾きM1、切片及び推定値の分散を表す共分散行列(2×2行列)の4つの成分がストレージ13又はメインメモリ14に保存される。なお、逐次計算のための初期値は予め設定され、ストレージ13に格納されている。このようにして、逐次計算により仮推定値Mtが算出される場合には、過去の多量のデータに基づいて精度よく質量Mを仮推定することができる一方、記憶しておくべきデータは最新の6変数の値のみで足りる。従って、必要となるメモリの容量が少なくて済み、さらに演算負荷も低減される。
ステップS11では、質量推定部27が変化率ΔM1、変化率ΔO、及び相対変化量(ΔM1−ΔO)を算出する。ΔM1及びΔOは、上述の式(7)及び(8)に従って算出される。なお、式(8)の指標O2は最新の傾きM1(第2傾きN2)に時系列的に対応する。
ステップS12では、変化率ΔOが第1範囲内であり(つまり、|ΔO|≦Th1)、かつ相対変化量(ΔM1−ΔO)の大きさが第2定数を超えているか(|ΔM1−ΔO|>Th2)を質量推定部27が判定する。なお、第1定数Th1及び第2定数Th2は、例えば実験又はシミュレーションにより予め定められ、ストレージ13内に予め保存されている。
|ΔO|≦Th1であり、かつ|ΔM1−ΔO|>Th2であると質量推定部27が判定すると、処理はステップS13へと続く。ステップS13では、ステップS10で一時保存された第2傾きN2、傾きO2及び第2傾きN2に基づいて算出された仮推定値Mtがストレージ13又はメインメモリ14内から消去され、仮推定がキャンセルされる。続くステップS15では、ストレージ13又はメインメモリ14内から第2傾きN2を算出するのに使用されたデータセットが消去される。つまり、第2傾きN2がリジェクトされる。なお、ステップS13で仮推定がキャンセルされると、最新の推定値Msは前回保存されたM1(第1傾きN1)に基づいて算出された推定値Msとなる。その後、処理はステップS1に戻り、再び同様の手順を繰り返す。
一方、ステップS12で質量推定部27が|ΔO|>Th1であると判定した場合、処理はステップS14へと続く。ステップS14では、ステップS10でメインメモリ14内に一時保存された仮推定値Mtが推定値Msとして採用される。つまり、前回ストレージ13又はメインメモリ14に保存された傾きM1(第1傾きN1)及び第1傾きN1に基づいて算出された推定値Msが最新のM1(第2傾きN2)及び第2傾きN2に基づいて算出された推定値Msに上書き保存される。その後、処理はステップS1に戻り、再び同様の手順を繰り返す。
[2.第2実施形態]
以下、第2実施形態に係る質量推定装置200を説明する。上記実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとしてスリップ率λと駆動力Fとの関係を表す回帰直線の傾きを用いる。
以下、第2実施形態に係る質量推定装置200を説明する。上記実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとしてスリップ率λと駆動力Fとの関係を表す回帰直線の傾きを用いる。
上述したように、車両が通常走行する限りにおいて、スリップ率λと駆動力Fとの間には実質的な比例関係が成立する。従って、(α,F)の回帰直線Lの傾きM1の変動に対する(λ,F)の回帰直線の傾きの変動を検証することにより、第2傾きN2を質量推定処理に採用するか否かを判定することができる。なお、質量推定装置200の電気的構成は図2に示す第1実施形態に係る質量推定装置2と共通である。また、質量推定処理の流れも図9に示す第1実施形態に係る処理の流れと概ね共通であるが、ステップS8で算出される指標P1が(λ,F)の回帰直線の傾きである点で相違する。なお、第1定数Th1及び第2定数Th2は上記実施形態と同じでなくとも良く、適宜設定することができる。
[3.第3実施形態]
以下、第3実施形態に係る質量推定装置210を説明する。第1実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとして車両1の位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度βを用いる。運動方程式から分かるように、加速度βは駆動力Fに依存する指標である。
以下、第3実施形態に係る質量推定装置210を説明する。第1実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとして車両1の位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度βを用いる。運動方程式から分かるように、加速度βは駆動力Fに依存する指標である。
質量推定装置210の電気的構成は図2に示す第1実施形態に係る質量推定装置2と共通である。ただし、本実施形態では指標用データ取得部26がスリップ率λの代わりに車両1の位置情報を示すデータを取得する。より具体的には、図9に示すフローチャートのステップS5において、指標用データ取得部26が例えば全球測位衛星システム(Global navigation Satellite System;GNSS)の測位信号を定期的に取得する。質量推定装置210は、取得した測位信号に基づいて車両1の加速度βを算出することができる。加速度βは、ステップS5において指標用データ取得部26により算出されてもよいし、ステップS8において、質量推定部27により算出されてもよい。
加速度βの値は、本来は同時刻の加速度αの値と概ね一致するか、同時刻の加速度αの値に対して一定のオフセットを有すると考えられる。このことから、加速度βが第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動していない場合に、回帰直線Lの傾きM1が第2範囲を超えて変動したとすれば、何らかの要因によって駆動力F及び加速度αの少なくとも一方の値にずれが生じていると考えられる。従って、質量推定部27は、このような場合における第2傾きN2をリジェクトする。なお、第1定数Th1及び第2定数Th2は上記実施形態と同じでなくとも良く、適宜設定することができる。
加速度βは、ステップS10で仮推定値Mtを算出する以前の段階で、それまでのデータセットを質量推定処理に採用するか否かの判定に利用されてもよい。例えば、質量推定部27が、加速度αに対して加速度βがずれている程度を表すずれ量Rを算出し、所定の閾値とずれ量とを比較してもよい。ずれ量Rは、加速度αに対する加速度βのずれの量を評価できる限り、どのような式でも定義することができる。ずれ量Rは、例えば以下のように定義される。
R=β/α
R=β/α
或いは、以下のように定義することもできる。
R=α/β
R=α/β
或いは、以下のように定義することもできる。
R=|β−α|
R=|β−α|
ここで、第1期間に対するずれ量R1及び第2期間に対するずれ量R2は適宜設定することができる。例えば、ずれ量R1は第1期間に取得された(α,β)から取得されたずれ量Rの平均値又は最大値とすることができる。同様に、ずれ量R2は第2期間に取得された(α,β)から取得されたずれ量Rの平均値又は最大値とすることができる。また、ずれ量Rが一定の範囲を超えたことが質量推定部27によって判定されたような場合は、加速度α及び加速度βのうち少なくとも一方の値に何らかの異常が生じていると考えられるため、その時点でステップS15に進むような構成としてもよい。
[4.第4実施形態]
以下、第4実施形態に係る質量推定装置220を説明する。第1実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとして加速度βと駆動力Fとの関係を表す回帰直線の傾きを用いる。加速度βは、第3実施形態で説明した加速度βと共通である。
以下、第4実施形態に係る質量推定装置220を説明する。第1実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとして加速度βと駆動力Fとの関係を表す回帰直線の傾きを用いる。加速度βは、第3実施形態で説明した加速度βと共通である。
質量推定装置220の電気的構成は図2に示す第1実施形態に係る質量推定装置2と共通である。質量推定処理の流れも図9に示す第1実施形態に係る処理の流れと概ね共通であるが、本実施形態では、図9に示すフローチャートのステップS5において、指標用データ取得部26が加速度βを算出する。また、質量推定部27がステップS8において(β,F)の回帰直線の傾きを指標Pとして算出する。なお、第1定数Th1及び第2定数Th2は上記実施形態と同じでなくとも良く、適宜設定することができる。
[5.第5実施形態]
以下、第5実施形態に係る質量推定装置230を説明する。第1実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとして加速度βとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きを用いる。スリップ率λは第1実施形態で説明したスリップ率λと共通であり、加速度βは第3実施形態で説明した加速度βと共通である。
以下、第5実施形態に係る質量推定装置230を説明する。第1実施形態では駆動力Fに依存する指標Pとして加速度αとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きOを用いたが、本実施形態では、指標Pとして加速度βとスリップ率λとの関係を表す回帰直線の傾きを用いる。スリップ率λは第1実施形態で説明したスリップ率λと共通であり、加速度βは第3実施形態で説明した加速度βと共通である。
質量推定装置230の電気的構成は図2に示す第1実施形態に係る質量推定装置2と共通である。質量推定処理の流れも図9に示す第1実施形態に係る処理の流れと概ね共通であるが、本実施形態では、図9に示すフローチャートのステップS5において、指標用データ取得部26が加速度β及びスリップ率λを算出する。また、質量推定部27がステップS8において(β,λ)の回帰直線の傾きを指標Pとして算出する。なお、第1定数Th1及び第2定数Th2は上記実施形態と同じでなくとも良く、適宜設定することができる。
以上の各実施形態に係る質量推定装置によれば、路面条件が不明であっても、車両1に搭載された車輪速センサ6やエンジンの制御装置からの情報に基づいて、車両1の質量を精度よく推定することができる。また、車輪速の周波数スペクトルの変化に基づいて質量を推定する方法とは異なり、車輪速センサ6のS/N比が小さい場合にも質量を精度よく推定することができる。さらに、指標Pを導入し質量推定に使用するデータの信頼性を検証するため、質量の推定値が変動したとしても、その推定値を採用すべきか否かを判定することができ、質量推定の精度をより高めることができる。
<4.適用例>
上記各実施形態に係る質量推定装置により算出された推定値Msは、例えばDLR方式動荷重半径(Dynamic Loaded Radius;DLR)のタイヤ空気圧監視システムに利用することができる。DLR方式の減圧検出処理では、減圧タイヤは走行時につぶれることで動荷重半径(DLR)が小さくなり、より高速に回転するようになる現象を利用している。そして、減圧を評価するための減圧指標値として、所定のタイヤ同士の回転速度v1〜v4を比較する3つの指標値DEL1〜DEL3を用いる。指標値DEL1〜DEL3は、例えば、以下の式に従って算出される。
DEL1={(v1+v4)/(v2+v3)−1}×100(%)
DEL2={(v1+v2)/(v3+v4)−1}×100(%)
DEL3={(v1+v3)/(v2+v4)−1}×100(%)
上記各実施形態に係る質量推定装置により算出された推定値Msは、例えばDLR方式動荷重半径(Dynamic Loaded Radius;DLR)のタイヤ空気圧監視システムに利用することができる。DLR方式の減圧検出処理では、減圧タイヤは走行時につぶれることで動荷重半径(DLR)が小さくなり、より高速に回転するようになる現象を利用している。そして、減圧を評価するための減圧指標値として、所定のタイヤ同士の回転速度v1〜v4を比較する3つの指標値DEL1〜DEL3を用いる。指標値DEL1〜DEL3は、例えば、以下の式に従って算出される。
DEL1={(v1+v4)/(v2+v3)−1}×100(%)
DEL2={(v1+v2)/(v3+v4)−1}×100(%)
DEL3={(v1+v3)/(v2+v4)−1}×100(%)
上記の指標値のうち、DEL1は対角に位置するタイヤ同士の回転速度v1〜v4を比較し、DEL2は前後のタイヤ同士の回転速度v1〜v4を比較し、DEL3は左右のタイヤ同士の回転速度v1〜v4を比較する指標値である。また、DEL1は、回転速度v1,v4が大きい程大きくなり且つ回転速度v2,v3が大きい程小さくなる、或いは、回転速度v2,v3が大きい程大きくなり且つ回転速度v1,v4が大きい程小さくなる。DEL2は、回転速度v1,v2が大きい程大きくなり且つ回転速度v3,v4が大きい程小さくなる、或いは、回転速度v3,v4が大きい程大きくなり且つ回転速度v1,v2が大きい程小さくなる。DEL3は、回転速度v1,v3が大きい程大きくなり且つ回転速度v2,v4が大きい程小さくなる、或いは、回転速度v2,v4が大きい程大きくなり且つ回転速度v1,v3が大きい程小さくなる。
ところで、タイヤの動荷重半径は、減圧によって小さくなるが、積載荷重が加わることによっても小さくなる。図10は、タイヤが減圧していない正常内圧時(NP時)と20%減圧時の2つの場合について、車両1の積載荷重(Load[kN])に対するタイヤの動荷重半径(DLR[mm])をプロットしたグラフである。グラフから分かるように、タイヤが正常内圧で積載荷重が約5(kN)である場合、及びタイヤが20%減圧しており積載荷重が約3.5(kN)である場合で、共にタイヤの動荷重半径が約347(mm)である。従って、単に積載荷重が加わってタイヤがつぶれている場合と、減圧によってタイヤがつぶれている場合とを識別できない。その結果として、実際には正常な内圧であるにもかかわらず、減圧指標値DELが閾値を超えてしまい、システムの誤警報を引き起こしやすくなる。あるいは、実際には異常な内圧であるにもかかわらず、DELが閾値を超えない事態も生じ得る。
上述した3つの指標値のうち、前後のタイヤ同士の回転速度を比較するDEL2は特に車両1の荷重変化の影響を受けやすい。積載荷重は、主として乗員の質量やトランクに積載される荷物によるものであるから、車両1がフロントエンジン・フロントドライブ車である場合は特に積載荷重の増減の影響が主として後輪タイヤの動荷重半径に及ぶためである。従って、車両1の荷重変化がDEL2に及ぼす影響をキャンセルするように補正することで、減圧検出の精度を向上させることができる。この補正処理に、上述の処理によって算出された推定値Msを利用することができる。
図11は、減圧検出機能が追加された質量推定装置2の電気的構成を示す図である。この例では、プログラム10の実行によりプロセッサー11がさらに減圧検出部28及び減圧警報部29として動作する。減圧検出部28は、指標値DEL1〜DEL3を算出し、予め定められた閾値と比較して、各タイヤの減圧条件を満たすか否かを判定する。減圧警報部29は、タイヤが減圧していると判定された場合に、警報を発生させ、減圧が起きている旨をユーザに伝える。
以下、図12を参照しつつ、FL,FR,RL,RRに装着されたタイヤの減圧を検出するための減圧検出処理について説明する。以下の処理は上述した質量推定処理と並行して実行される。ステップS21では、減圧検出部28が、回転速度取得部22により取得されたタイヤの回転速度v1〜v4に基づいて、上述の式に従って指標値DEL1〜DEL3をそれぞれ算出する。
ステップS22では、減圧検出部28が、ストレージ13又はメインメモリ14に格納されている最新の推定値Msのデータを取得して、DEL2の荷重補正を行う。DEL2の荷重補正の方法は、例えば、特開2012−202836号公報に記載されている手法を用いることができる。具体的には、下式に従って補正することができる。ただし、下式において、DEL2′とは補正後のDEL2であり、C1は補正係数であり、DifLは標準内圧で学習したときの車両1の質量と現在(走行時)の推定値Msとの差分である。C1は、標準内圧において複数の積載条件で実験走行を行うことにより、車両毎に事前に求めておくことができる。
DEL2′=DEL2−C1×DifL
DEL2′=DEL2−C1×DifL
ステップS23では、減圧検出部28が、予めストレージ13に格納されている閾値と、算出されたDEL1、DEL2′及びDEL3とを比較して、タイヤが減圧しているか否かの判定を行う。その結果、いずれのタイヤも減圧していると判定されなければ、処理はS21に戻る。いずれかのタイヤが減圧していると判定されれば、処理はステップS24に進む。
ステップS24では、減圧警報部29が表示器3を介して警報を出力する。このとき、表示器3は、どのタイヤが減圧しているかを区別して警報することもできるし、いずれかのタイヤが減圧していることのみを示すように警報することもできる。また、減圧警報は、音声出力の態様で実行することもできる。
<5.変形例>
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<5−1>
車両1の加速度α及び駆動力Fのデータの取得方法は、上記各実施形態で説明されたものに限定されない。例えば、上記各実施形態において、加速度αは車両1に装備された加速度センサによって取得されてもよい。また、駆動力Fは、車両1に装備されたホイールトルクセンサの出力値に基づいて取得されてもよい。車両速度V及びタイヤの回転速度情報の取得方法も、上記各実施形態で説明されたものに限定されない。車両速度V及びタイヤの回転速度情報は、例えば全球測位衛星システムの測位信号から算出されてもよい。
車両1の加速度α及び駆動力Fのデータの取得方法は、上記各実施形態で説明されたものに限定されない。例えば、上記各実施形態において、加速度αは車両1に装備された加速度センサによって取得されてもよい。また、駆動力Fは、車両1に装備されたホイールトルクセンサの出力値に基づいて取得されてもよい。車両速度V及びタイヤの回転速度情報の取得方法も、上記各実施形態で説明されたものに限定されない。車両速度V及びタイヤの回転速度情報は、例えば全球測位衛星システムの測位信号から算出されてもよい。
<5−2>
上記第3〜第5実施形態では、質量推定装置がGNSSの測位信号を受信したが、GNSSの測位信号を当該システムから直接受信するのは質量推定装置とは別体として構成される装置や、車両1の他の制御ユニット9であってもよい。
上記第3〜第5実施形態では、質量推定装置がGNSSの測位信号を受信したが、GNSSの測位信号を当該システムから直接受信するのは質量推定装置とは別体として構成される装置や、車両1の他の制御ユニット9であってもよい。
<5−3>
上記実施形態に係る質量推定処理では、車両の質量Mの推定値Msが繰り返し算出され、カルマンフィルタを用いることにより更新される。しかしながら、1回の走行につき、ステップS14で採用された推定値Msを前回の値から1回更新するだけでもよい。
上記実施形態に係る質量推定処理では、車両の質量Mの推定値Msが繰り返し算出され、カルマンフィルタを用いることにより更新される。しかしながら、1回の走行につき、ステップS14で採用された推定値Msを前回の値から1回更新するだけでもよい。
<5−4>
図9に示す質量推定処理において、ステップS3,S4,S5が実行される順序は上述の順序に限られない。例えば、ステップS3,S4,S5とを同時に並行して実行することも可能である。また、加速度αが車両速度Vによらないで算出される場合、ステップS3が実行されるタイミングは適宜変更することができる。さらに、ステップS6でデータが有効と判定された後にステップS5が実行されてもよい。
図9に示す質量推定処理において、ステップS3,S4,S5が実行される順序は上述の順序に限られない。例えば、ステップS3,S4,S5とを同時に並行して実行することも可能である。また、加速度αが車両速度Vによらないで算出される場合、ステップS3が実行されるタイミングは適宜変更することができる。さらに、ステップS6でデータが有効と判定された後にステップS5が実行されてもよい。
<5−5>
上記実施形態に係る車両の質量推定装置は、四輪車両において駆動方式に限られることはなく、FF車両、FR車両、MR車両、4WD車両のいずれにも適用することができる。
上記実施形態に係る車両の質量推定装置は、四輪車両において駆動方式に限られることはなく、FF車両、FR車両、MR車両、4WD車両のいずれにも適用することができる。
1 車両
2 質量推定装置
3 表示器
6 車輪速センサ
9 他の制御ユニット
21 データ取得部
22 回転速度取得部
23 車両速度取得部
24 加速度取得部
25 駆動力取得部
26 指標用データ取得部
27 質量推定部
28 減圧検出部
29 減圧警報部
FL 左前輪
FR 右前輪
RL 左後輪
RR 右後輪
v1〜v4 車輪速
V 車両速度
α 加速度
M 車両1の質量
F 駆動力
Fe エンジン駆動力
Fa 空気抵抗
n エンジンの回転数
t エンジントルク
DEL2 減圧指標値
O 回帰直線の傾き
P 指標
Th1 第1定数
Th2 第2定数
2 質量推定装置
3 表示器
6 車輪速センサ
9 他の制御ユニット
21 データ取得部
22 回転速度取得部
23 車両速度取得部
24 加速度取得部
25 駆動力取得部
26 指標用データ取得部
27 質量推定部
28 減圧検出部
29 減圧警報部
FL 左前輪
FR 右前輪
RL 左後輪
RR 右後輪
v1〜v4 車輪速
V 車両速度
α 加速度
M 車両1の質量
F 駆動力
Fe エンジン駆動力
Fa 空気抵抗
n エンジンの回転数
t エンジントルク
DEL2 減圧指標値
O 回帰直線の傾き
P 指標
Th1 第1定数
Th2 第2定数
Claims (13)
- 車両の質量を推定する質量推定装置であって、
前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するデータ取得部と、
前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定し、前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定する質量推定部と、
を備え、
前記質量推定部は、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定する、
質量推定装置。 - 前記質量推定部は、前記第2傾きをリジェクトした場合に、前記第1傾きに基づいて前記車両の質量を推定する、
請求項1に記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両のエンジンの駆動状態を示すエンジン情報を取得し、前記エンジン情報に基づいて前記駆動力を取得する、
請求項1又は2に記載の質量推定装置。 - 前記エンジン情報は、エンジントルク及び前記エンジンの回転数に関する情報を含む、
請求項3に記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つのタイヤの回転速度を示すタイヤ回転速度情報を取得し、前記エンジン情報及び前記タイヤ回転速度情報に基づいて前記駆動力を取得する、
請求項3又は4に記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つのタイヤの回転速度を示すタイヤ回転速度情報を取得し、前記タイヤ回転速度情報に基づいて、前記加速度を取得する、
請求項1から5のいずれかに記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と、少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報を取得し、
前記駆動力に依存する指標は、前記タイヤ回転速度情報から取得されたスリップ率と前記加速度との関係を表す回帰直線の傾きである、
請求項1から6のいずれかに記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両に装着された少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と、少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報を取得し、
前記駆動力に依存する指標は、前記タイヤ回転速度情報から取得されたスリップ率と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きである、
請求項1から6のいずれかに記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両の位置情報を示すデータを取得し、
前記駆動力に依存する指標は、前記位置情報を示すデータに基づいて算出された加速度である、
請求項1から6のいずれかに記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両の位置情報を示すデータ及び前記車両に装着された少なくとも1つの前輪タイヤの回転速度と、少なくとも1つの後輪タイヤの回転速度とを示すタイヤ回転速度情報を取得し、
前記駆動力に依存する指標は、前記位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度と前記タイヤ回転速度情報から取得されたスリップ率との関係を表す回帰直線の傾きである、
請求項1から6のいずれかに記載の質量推定装置。 - 前記データ取得部は、前記計測データとして前記車両の位置情報を示すデータを取得し、
前記駆動力に依存する指標は、前記位置情報を示すデータに基づいて取得された加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きである、
請求項1から6のいずれかに記載の質量推定装置。 - 車両の質量を推定する質量推定方法であって、
前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するステップと、
前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定するステップと、
前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定するステップと、
を備え、
前記質量を推定するステップは、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから、前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に、前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定するステップである、
質量推定方法。 - 車両の質量を推定する質量推定プログラムであって、
前記車両の走行中に順次取得される計測データに基づいて、前記車両の加速度及び駆動力のデータセットを順次取得するステップと、
前記順次取得されるデータセットから、前記加速度と前記駆動力との関係を表す回帰直線の傾きを特定するステップと、
前記傾きに基づいて、前記車両の質量を推定するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記質量を推定するステップは、前記駆動力に依存する指標が第1期間から第2期間にかけて第1範囲を超えて変動しておらず、かつ、前記第1期間に取得された第1データセットから特定された前記回帰直線の第1傾きから、前記第2期間に取得された第2データセットから特定された前記回帰直線の第2傾きへの変動が、前記駆動力に依存する指標の変動に基づいて定められる第2範囲を超えている場合に前記第2傾きをリジェクトし、それ以外の場合には、前記第2傾きに基づいて前記車両の質量を推定するステップである、
質量推定プログラム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019222821A JP2021092431A (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 車両の質量推定装置 |
EP20210863.5A EP3835161B1 (en) | 2019-12-10 | 2020-12-01 | Vehicle mass estimation device |
CN202011432792.1A CN112937595A (zh) | 2019-12-10 | 2020-12-09 | 车辆的质量推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019222821A JP2021092431A (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 車両の質量推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021092431A true JP2021092431A (ja) | 2021-06-17 |
Family
ID=73654645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019222821A Pending JP2021092431A (ja) | 2019-12-10 | 2019-12-10 | 車両の質量推定装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP3835161B1 (ja) |
JP (1) | JP2021092431A (ja) |
CN (1) | CN112937595A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113581192B (zh) * | 2021-08-05 | 2023-10-03 | 东风汽车集团股份有限公司 | 一种基于车辆质量识别坡道坡度的车辆质量修正方法 |
CN115649183B (zh) * | 2022-12-27 | 2023-04-18 | 天津所托瑞安汽车科技有限公司 | 车辆质量估计方法、装置、电子设备及存储介质 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5214738B2 (ja) | 1972-12-07 | 1977-04-23 | ||
DE19728867A1 (de) * | 1997-07-05 | 1999-01-07 | Bosch Gmbh Robert | Verfahren und Vorrichtung zur Ermittlung der Fahrzeugmasse |
DE10344210B4 (de) * | 2003-09-24 | 2015-03-19 | Robert Bosch Gmbh | Verfahren zur Ermittlung eines Schätzwerts der Masse eines Kraftfahrzeugs |
JP5538279B2 (ja) | 2011-03-25 | 2014-07-02 | 住友ゴム工業株式会社 | 車両質量推定装置、方法及びプログラム、並びに、タイヤ空気圧低下検出装置、方法及びプログラム |
JP2019184412A (ja) * | 2018-04-09 | 2019-10-24 | 住友ゴム工業株式会社 | 車両の質量推定装置、方法及びプログラム |
-
2019
- 2019-12-10 JP JP2019222821A patent/JP2021092431A/ja active Pending
-
2020
- 2020-12-01 EP EP20210863.5A patent/EP3835161B1/en active Active
- 2020-12-09 CN CN202011432792.1A patent/CN112937595A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP3835161A1 (en) | 2021-06-16 |
EP3835161B1 (en) | 2022-10-05 |
CN112937595A (zh) | 2021-06-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101797939B1 (ko) | 타이어 분류 | |
EP2813378B1 (en) | Tire wear state estimation system and method | |
CN111247010B (zh) | 确定车辆中的轮胎改变状态 | |
JP5027260B2 (ja) | タイヤ空気圧分類ベースのタイヤ空気圧監視 | |
JP4764933B2 (ja) | タイヤ空気圧低下検出装置及び方法、並びにタイヤ空気圧低下検出プログラム | |
US8299909B2 (en) | Apparatus, method and program for detecting decrease in tire air pressure including means to reject data | |
EP3501924B1 (en) | Wheel load estimation device | |
KR20120109984A (ko) | 차량 질량 추정 장치, 방법 및 프로그램을 기록한 컴퓨터 판독 가능한 기록 매체와, 타이어 공기압 저하 검출 장치, 방법 및 프로그램을 기록한 판독 가능한 기록 매체 | |
JP2019184412A (ja) | 車両の質量推定装置、方法及びプログラム | |
CN106347044B (zh) | 考虑低压状况的胎压监测装置及其方法 | |
US20110098882A1 (en) | Vehicle speed estimation device, method and device for detecting decreased tire pressure using the same | |
US20220299405A1 (en) | Enhanced method and system to estimate the tire operating efficiency and range of an electric vehicle | |
JP2022515779A (ja) | 車両のタイヤの圧力を評価する方法 | |
JP2021092431A (ja) | 車両の質量推定装置 | |
EP2583843B1 (en) | Method, apparatus, and program for detecting tire having decreased air pressure | |
US20090204318A1 (en) | Method for checking the plausibility of an ascertained vehicle mass | |
JP5074533B2 (ja) | タイヤ空気圧偏差を検出する方法、システム、およびコンピュータ・プログラム | |
JP2003276627A (ja) | 車両制御装置 | |
JP5126048B2 (ja) | タイヤ空気圧監視装置 | |
JP7063162B2 (ja) | タイヤの回転速度補正装置、方法及びプログラム | |
JP2019099058A (ja) | μ勾配検出装置、装着タイヤ判定装置、路面状態判定装置、装着タイヤ及び路面状態判定装置 | |
JP6969363B2 (ja) | タイヤの減圧の検出装置 | |
JP6954136B2 (ja) | タイヤの減圧の検出装置 | |
JP5464580B2 (ja) | タイヤの共振周波数の減圧感度推定装置及び方法、並びにタイヤの共振周波数の減圧感度推定プログラム | |
JP3952927B2 (ja) | 外気温推定装置およびタイヤ空気圧検知装置 |