JP6954030B2 - 正極および非水電解質二次電池 - Google Patents

正極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本開示は、二次電池用正極導電材に関する。
特開2015−176671号公報(特許文献1)には、正極活物質と導電材とバインダとを含む正極と、負極と、電流遮断機構(CID)と、所定の電圧以上の電圧で反応し、ガスを発生させるガス発生剤(いわゆる過充電添加剤)を含む電解液と、を含む非水電解質二次電池が開示されている。
特開2015−176671号公報
特許文献1に記載されるように、電解液中にガス発生剤を含ませることにより、CIDを適切に作動させうると考えられる。
しかしながら、電解液中にガス発生剤を含ませると、充電時にガス発生剤が正極活物質表面で分解し、正極活物質表面に抵抗被膜が形成されるものと考えられる。正極活物質表面における抵抗被膜の形成に伴い、電池抵抗が増加するおそれがある。したがって、特許文献1において開示される非水電解二次電池は、充電時における電池抵抗の増加の抑制において、改善の余地が存在すると考えられる。
本開示の目的は、電解液中にガス発生剤を含ませた場合において、充電時における電池抵抗の増加を抑制し得る、二次電池用正極導電材を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
[1]本開示の二次電池用正極導電材は、炭素を含む。X線光電子分光法(XPS)により求められる二次電池用正極導電材表面上のC−C結合の強度およびC=C結合の強度の合計aと、C=O結合の強度およびC(=O)O結合の強度の合計bとの比b/aは、0.003以上3.2以下である。
ガス発生剤を含む二次電池の充電時において、ガス発生剤に起因する抵抗被膜が正極導電材表面に選択的に形成されるものと考えられる。これは、二次電池用正極導電材表面に形成されているC=O結合およびC(=O)O結合による電解質に対する濡れ性向上と、電解質に対する静電引力作用に起因するものと考えられる。そのため、正極活物質表面における抵抗被膜の形成が抑制されるものと考えられる。結果として、充電時における電池抵抗の増加が抑制されるものと期待される。
図1は、本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 図2は、本実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<二次電池>
本明細書の「二次電池」とは、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)、金属リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などのいわゆる蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する概念である。以下、二次電池として、非水電解液二次電池を例に説明する。本明細書の「非水電解質二次電池」は、本開示に係る正極導電材を含む正極、負極、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極群、および電解液を備えていれば特に制限はなく、その他の構成、構造については従来公知の構成、構造が採用できる。以下、非水電解質二次電池は単に「電池」とも記される。
図1は、本実施形態の電池の構成の一例を示す第1概略図である。電池100は外装材50を含む。外装材50はアルミラミネートフィルム製である。すなわち電池100はラミネート型電池である。ただし本実施形態において、電池100の型式および形式は特に限定されるべきではない。電池100は、たとえば角形電池であってもよいし、円筒形電池であってもよい。正極タブ51および負極タブ52は、それぞれ外装材50の内外を連通している。正極タブ51は、たとえばアルミニウム(Al)薄板である。負極タブ52は、たとえば銅(Cu)薄板である。外装材50は、CID、ガス排出弁、注液孔等を備えていてもよい(いずれも、図示せず)。
図2は、本実施形態の電池の構成の一例を示す第2概略図である。外装材50は、電極群40および電解質を収納している。電極群40は積層(スタック)型である。ただし電極群40は巻回型であってもよい。電極群40は、正極10、負極20およびセパレータ30を含む。すなわち電池100は、正極10、負極20およびセパレータ30を少なくとも含む。
<正極>
正極10はシート状である。正極10は、たとえば正極集電体11および正極合材層12を含む。正極集電体11は、たとえばAl箔等であってもよい。正極集電体11は、たとえば10μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。
《正極合材層》
正極合材層12は正極集電体11の表面に形成されている。正極合材層12は正極集電体11の表裏両面に形成されていてもよい。正極合材層12は、たとえば、10μm以上200μm以下の厚さを有してもよい。正極合材層12は、たとえば、1質量%以上15質量%以下の正極導電材と、80質量%以上98質量%以下の正極活物質と、その残部のバインダとを含み得る。
《正極導電材》
正極導電材は、炭素を含む。正極導電材はたとえばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、カーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。X線光電子分光法(XPS)により求められる正極導電材表面上のC−C結合の強度およびC=C結合の強度の合計aと、C=O結合の強度およびC(=O)O結合の強度の合計bとの比b/aは、0.003以上3.2以下である。b/aが0.003未満の場合、該正極導電材を含む正極を、ガス発生剤を含む電解液を備える電池の製造に用いた場合、C=O結合およびC(=O)O結合による濡れ性向上や静電引力作用が十分に得られないものと考えられる。そのため、二次電池の充電時において、正極活物質表面における抵抗被膜の形成の抑制に改善の余地が生じるものと考えられる。また、最大の処理条件(親水化処理条件)においても、b/aが3.2を超えることはなかった。この結果から、処理条件に比例してb/aが増加するのではなく、b/aは飽和傾向を示すものと考えられる。
ここで、XPSは、試料表面にX線を照射し、試料表面から放出された光電子のエネルギーを測定することで、試料表面の構成元素とその電子状態を分析する方法である。XPSで得られるスペクトルは、物質固有のパターンと物質量とに比例したピーク強度を示すため、物質の定性および定量的な分析が可能である。かかるXPSを用いて正極導電材のC−C結合、C=C結合、C=O結合およびC(=O)O結合の総量を定量的に分析することにより、上記b/aを算出することができる。なお、XPSの測定方法は、たとえば後述する実施例の項の記載に従ってもよい。
上述の通り、正極導電材に形成されたC=O結合およびC(=O)O結合による濡れ性向上により、二次電池の充電時において、ガス発生剤に起因する抵抗被膜が正極導電材表面に選択的に形成されるものと考えられる。具体的には、上記b/aが0.003以上3.2以下である場合、該正極導電材は60°以下の水接触角を有するものと考えられる。なお、「水接触角」とは、表面の水ぬれ性の指標であり、その値が小さいほど表面は水に濡れやすく、高いほど水をはじく性質である。正極導電材が60°以下の水接触角を有することにより、二次電池の充電時において、抵抗被膜が正極導電材表面に選択的に形成され、正極活物質表面における抵抗被膜の形成がより抑制されるものと考えられる。水接触角は、たとえば下記(1)のLucas−Washburn式に基づいて算出することができる。
l=(rγcosθ・t/2η)1/2 ・・・(1)
上記(1)において、lは液体の浸透高さ、tは時間、rは正極導電材の毛管半径(細孔径)、γは水の表面張力、ηは水の粘度、θは接触角をそれぞれ表す。
正極活物質粒子は、電荷担体(本実施形態ではリチウムイオン)を電気化学的に吸蔵し、放出する。正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえばLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)、LiNi0.8Co0.15Al0.05(NCA)、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。
バインダも特に限定されるべきはない。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
<正極導電材の親水化>
上記特性を有する正極導電材(すなわち、親水化された正極導電材)の製造方法は特に限定されるべきではないが、たとえば以下の方法により製造することができる。まず、炭素を含む導電材が準備される。係る導電材にプラズマを照射し、親水化することにより、親水化された正極導電材を得ることができる。また、炭素を含む導電材にUVを照射することによっても、親水化された正極導電材を得ることができる。親水化された正極導電材の製造方法は、たとえば後述する実施例の項の記載に従ってもよい。
<負極>
負極20はシート状である。負極20は、たとえば負極合材層22および負極集電体21を含む。負極集電体21は、たとえばCu箔等であってもよい。負極集電体21は、たとえば5μm以上20μm以下の厚さを有してもよい。
《負極合材層》
負極合材層22は負極集電体21の表面に形成されている。負極合材層22は負極集電体21の表裏両面に形成されていてもよい。負極合材層22は、たとえば、50μm以上150μm以下の厚さを有してもよい。負極合材層22は、たとえば95質量%以上99質量%以下の負極活物質、および1質量%以上5質量%以下のバインダを含んでもよい。
(負極活物質およびバインダ)
負極活物質およびバインダは特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえばアモルファスコートグラファイト(黒鉛粒子の表面にアモルファスカーボンがコートされた形態のもの)、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。
<セパレータ>
セパレータ30は多孔質フィルムである。セパレータ30は、たとえば10μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。セパレータ30は、たとえばポリオレフィン製であってもよい。セパレータ30は単層構造を有してもよい。セパレータ30は多層構造を有してもよい。
<電解質>
電解質は典型的には液体電解質である。液体電解質は、電解液、イオン液体等であってもよい。電解液はLi塩および溶媒を含む。Li塩は、たとえばLiPF、LiBF4、LiN(SOF)等であってもよい。電解液は、たとえば0.5mоl/l以上2mоl/l以下のLi塩を含んでもよい。電解液は、たとえば3mоl/l以上5mоl/l以下のLi塩を含んでもよい。
溶媒は、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等であってもよい。1種の溶媒が単独で使用されてもよい。2種以上の溶媒が組み合わされて使用されてもよい。
(添加剤)
電解液は、溶媒および支持塩に加えて、たとえば0.005mоl/l以上0.5mоl/l以下のガス発生剤を含む。また、ガス発生剤に加えて、各種の添加剤をさらに含んでもよい。添加剤としては、たとえば、SEI(solid electrolyte interface)膜形成剤等が挙げられる。
ガス発生剤は、たとえば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)等であってもよい。SEI膜形成剤は、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、LiB(C、LiBF2(C)、LiPF(C、LiPO、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等であってもよい。1種の添加剤が単独で使用されてもよい。2種以上の添加剤が組み合わされて使用されてもよい。
《フーリエ変換赤外分光分析》
本開示の正極導電材を含む電池100は、たとえばフル充電された後、電池100に含まれる正極10を取り出し、該正極10を電解液等で洗浄した後、正極10のフーリエ変換赤外分光分析(FT−IR測定)を行った場合、671cm−1付近のピーク強度が、ベース強度の1.2倍以上10倍以下であることが望ましい。FT−IRにおける671cm−1付近のピーク強度が、ベース強度に対し1.2倍以下の場合、正極10の表面にC=O結合、C(=O)O結合が少ないことを示しており、過充電添加剤が導電材表面に選択的に吸着せず所望の抵抗が得られないと考えられる。今回の処理法においては、671cm−1付近のピーク強度は、最大条件でベース強度の10倍であり、それを超えることはなかった。この結果から、処理条件に比例して671cm−1付近のピーク強度が増加するのではなく、671cm−1付近のピーク強度(すなわち、導電材表面のC=O結合、C(=O)O結合の量)は飽和傾向を示すものと考えられる。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
1.導電材の親水化処理(正極導電材の作製)
以下の材料が準備された。
導電材:AB〔商品名:「Li−100」(電気化学工業(株)より入手)、粒子径:35nm、バルク密度:0.04g/cc、比表面積:68m2/g、DBP給油量:228ml/100g、結晶子サイズ:35Å〕
ABに以下の条件でマイクロプラズマ照射を行い、導電材を親水化処理し、正極導電材を得た。
出力:10W
照射距離:50mm
照射時間:0.5min
2.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi0.815Co0.15Al0.035
導電材:上記正極導電材
結着材:PVdF(クレハ(株)より入手)
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
集電箔:アルミニウム(Al)箔(厚さ=15μm)
プラネタリミキサにより、正極活物質92重量部、正極導電材5重量部、結着材3重量部および溶媒が混合された。これによりペースト状の正極合材(以下、「正極合材ペースト」と記載する)が調製された。正極合材ペーストの固形分は65%であった。ダイコータにより、正極合材ペーストが集電箔11の表面(表裏両面)に塗布され(膜厚200μm)、乾燥された。これにより正極合材層12が形成された。ロール圧延機により、正極合材層12が3.3g/ccまで圧縮された。これにより正極10が製造された。
3.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:非晶質コート黒鉛
バインダ:CMC、SBR
溶媒:水(イオン交換水)
負極集電体:Cu箔(厚さ:10μm)
非晶質コート黒鉛、CMC、SBRおよび水を投入し、攪拌することにより、ペースト状の負極合材(以下、「負極合材ペースト」と記載する)が調製された。負極合材ペーストにおいて固形分の配合は、質量比で「非晶質コート黒鉛:CMC:SBR=98:1:1」とされた。負極合材層用ペーストが、負極集電体21の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより負極合材層22が形成された。以上により、負極が形成された。負極は圧延され、帯状に裁断された。負極合材層22の厚さは80μmとされた。
4.組み立て
負極20、セパレータ30および正極10がこの順序で積層された。これにより電極群40が形成された。セパレータ30はポリエチレン製の多孔質フィルムである。
電極群40がアルミラミネートフィルム製の外装材50に収納された。外装材50に電解液が注入された。電解液は以下の成分を含む。外装材50が密封された。以上より実施例1に係るラミネート型電池100が組み立てられた。
Li塩:LiPF(1mоl/l)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
ガス発生剤:CHB4質量%およびBP1質量%
<実施例2〜実施例4>
下記表1に示されるように、導電材の親水化処理条件(処理時間)が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<実施例5>
下記表1に示されるように、導電材の親水化処理のため、マイクロプラズマ照射ではなくUV照射を行ったこと、および照射距離が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。なお、UV照射は以下の条件で行った。
中心波長:365nm
出力:1000W
<実施例6〜実施例8>
下記表1に示されるように、導電材の親水化処理のため、マイクロプラズマ照射ではなくUV照射を行ったこと、照射距離、および処理時間が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。なお、UV照射の中心波長および出力は実施例5と同様である。
<実施例9>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名:「Li−400」(電気化学工業(株)より入手)、粒子径:48nm、バルク密度:0.15g/cc、比表面積:39m2/g、DBP給油量:177ml/100g、結晶子サイズ:29Å〕を除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<実施例10〜実施例12>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名「Li−400」〕、および導電材の親水化処理条件(処理時間)が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<実施例13>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名「Li−400」(電気化学工業(株)より入手)〕、導電材の親水化処理のため、マイクロプラズマ照射ではなくUV照射を行ったこと、および照射距離が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。なお、UV照射の中心波長および出力は実施例5と同様である。
<実施例14〜実施例16>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名「Li−400」(電気化学工業(株)より入手)〕、導電材の親水化処理のため、マイクロプラズマ照射ではなくUV照射を行ったこと、照射距離、および処理時間が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。なお、UV照射の中心波長および出力は実施例5と同様である。
<実施例17>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名:「Li−435」(電気化学工業(株)より入手)、粒子径:23nm、バルク密度:0.05g/cc、比表面積:133m2/g、DBP給油量:267ml/100g、結晶子サイズ:25Å〕を除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<実施例18〜実施例20>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名「Li−435」(電気化学工業(株)より入手)〕、および導電材の親水化処理条件(処理時間)が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<実施例21>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名「Li−435」(電気化学工業(株)より入手)〕、導電材の親水化処理のため、マイクロプラズマ照射ではなくUV照射を行ったこと、および照射距離が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。なお、UV照射の中心波長および出力は実施例5と同様である。
<実施例22〜実施例24>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと〔商品名「Li−435」(電気化学工業(株)より入手)〕、導電材の親水化処理のため、マイクロプラズマ照射ではなくUV照射を行ったこと、照射距離、および処理時間が変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。なお、UV照射の中心波長および出力は実施例5と同様である。
<比較例1>
下記表1に示されるように、導電材の親水化処理を行わなかったことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<比較例2および比較例3>
下記表1に示されるように、正極導電材を製造するためのABが変更されたこと、および導電材の親水化処理を行わなかったことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<正極導電材の物性>
《XPS測定》
各実施例および各比較例の正極導電材の表面をXPSにて測定し、正極導電材上のC−C結合、C=C結合、C=O結合およびC(=O)O結合を定量分析し、C−C結合の強度およびC=C結合の強度の合計aと、C=O結合の強度およびC(=O)O結合の強度の合計bとの比b/aを算出した。結果は表1の「XPS」の「b/a」の欄に示されている。ピーク情報の帰属は、Handbook of XPS(ULVSC−PHI)により判断した。なお、測定装置およびXPSの測定条件は以下の通りである。
測定装置:PHI 5000 VersaProbeII(アルバック・ファイ(株)より入手)
使用X線源:AlKα単色光
X線ビーム径:200μm
パスエネルギー :187.85eV(ワイド)、46.95eV(ナロー)
《水接触角測定》
各実施例および各比較例の正極導電材の水接触角を、粉体湿潤解析装置PW−500(共和界面化学(株)より入手)を用いて測定し、Lucas−Washburn式に当てはめて水接触角を得た。結果は表1の「圧粉水接触角」の欄に示されている。
《FT−IR測定》
各実施例および各比較例の電池100が、定電流−定電圧方式充電(CCCV充電)により、満充電にされた。次いで、各実施例および各比較例の電池100を解体し、正極10を取り出し電解液で洗浄した後、正極10のFT−IR測定を行い、671cm−1付近のピーク強度と、ベース強度との比を算出した。結果は表1の「IRピーク強度」の「c/d」の欄に示されている。なお、CCCV充電の条件およびFT−IRの測定装置は以下の通りである。
CCCV充電:CC電流=0.2C、終止電圧=4.1V
測定装置:FT−IR4000型(日本分光(株)より入手)
<評価>
《IV抵抗の測定》
上記実施例および比較例の各電池をSOCが50%となるまで以下の定電流−定電圧方式充電(CCCV充電)にて充電した後、1Cの電流レートで5秒間放電し、このときの放電パルス(電圧降下量と電流レートとの関係)から電池の抵抗(IV抵抗)を求めた。測定結果は表1の「IV抵抗」の欄に示されている。
測定温度 :25℃
CCCV充電:CC電流=0.2C、終止電圧=4.1V
Figure 0006954030
<結果>
表1の「IV抵抗」の欄に示されるように、実施例1〜実施例24は、比較例1〜比較例3と比較して、充電後のIV抵抗の増加が抑制されていた。この結果から、X線光電子分光法により求められる二次電池用正極導電材表面上のC−C結合の強度およびC=C結合の強度の合計aと、C=O結合の強度およびC(=O)O結合の強度の合計bとの比b/aが0.003以上3.2である炭素を含む正極導電材を用いて、電解液中にガス発生剤を含む電池を製造した場合、該電池は充電時における電池抵抗の増加が抑制されることが示された。
比較例1〜比較例3に関しては、充電時における電池抵抗の増加に改善の余地があった。b/aが0.003未満であるため、C=O結合およびC(=O)O結合による濡れ性向上や静電引力作用が十分では無かったためであると考えられる。そのため、二次電池の充電時において、正極活物質表面における抵抗被膜の形成の抑制に改善の余地が生じたものと考えられる。
表1の「圧粉水接触角」の欄に示されるように、実施例1〜実施例24に係る正極導電材の水接触角は、全て60°以下であり、良好な濡れ性を有していた。対して、導電材に親水化処理が行われなかった比較例1〜比較例3に係る正極導電材の水接触角は、全て60°を超えており、濡れ性が不十分であることが示された。この結果から、b/aが0.003以上3.2である実施例1〜実施例24に係る正極導電材は、C=O結合およびC(=O)O結合によって濡れ性が向上されていることが示された。加えて、水接触角が60°以下の正極導電材を用い、電解液中にガス発生剤を含む電池を製造した場合、該電池は充電時における電池抵抗の増加が抑制されることが示された。
表1の「IRピーク強度」の欄に示されるように、実施例1〜実施例24に係る正極は、671cm−1付近のピーク強度cと、ベース強度dと比c/dが、1.2以上10以下であった。対して、導電材に親水化処理が行われなかった比較例1〜比較例3においては、c/dは1.2未満であった。この結果から、c/dが、1.2以上10以下である電池は、電解液中にガス発生剤を含む場合において、充電時における電池抵抗の増加が抑制されることが示された。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、30 セパレータ、40 電極群、50 外装材、51 正極タブ、52 負極タブ、100 電池(二次電池)。

Claims (2)

  1. 非水電解質二次電池用の正極であって、
    正極集電体と正極合材層とを含み、
    前記正極合材層は正極導電材を含み、
    前記正極導電材は炭素を含み、
    X線光電子分光法により求められる前記正極導電材表面上のC−C結合の強度およびC=C結合の強度の合計aと、C=O結合の強度およびC(=O)O結合の強度の合計bとの比b/aが、0.003以上3.2以下であり、
    前記正極合材層のフーリエ変換赤外分光分析において、波数671cm −1 のピーク強度が、ベース強度の1.2倍以上10倍以下である、
    正極。
  2. 請求項1に記載の前記正極、
    負極、セパレータ、および
    電解液、を含み、
    前記電解液は、ガス発生剤を含み、
    前記ガス発生剤は、シクロへキシルベンゼンおよびビフェニルである、
    非水電解質二次電池。
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