JP6950710B2 - 発光層形成用組成物及び該発光層形成用組成物を含有する有機電界発光素子 - Google Patents

発光層形成用組成物及び該発光層形成用組成物を含有する有機電界発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、発光層形成用組成物と、この発光層形成用組成物を含有する有機電界発光素子関するものである。
有機電界発光素子は、簡単な素子構成で様々な色に発光することができることから、近年、ディスプレイや照明等の発光装置を製造するための技術として、盛んに開発が行われている。
有機電界発光素子は、陽極及び陰極から正孔及び電子を注入し、発光層に各電荷を到達させ、この発光層で電荷再結合させることで、発光を得るものである。この原理から、通常、発光材料だけでなく、電荷輸送材料を含有する発光層形成用組成物を用いて発光層を形成し、電荷を発光層内に留めることにより、発光効率を向上させることが検討されている(特許文献1参照)。
一方で、電荷を発光層に留めることは、有機電界発光素子の電流−電圧特性を悪化させる。一つの層に電荷を留めるには、通常、膜内に電荷のトラップ準位をつくり電荷を留める方法等により行われる。これらの方法によれば、電荷を発光層に留めることにより、発光効率を上げることが可能であるが、同時に、電流−電圧特性を悪化させる、すなわち有機電界発光素子の駆動電圧の上昇につながる。駆動電圧が高くなると、消費電力が増えてしまうため、例えば、発光層形成用組成物に含有される電荷輸送材料の総数を3種類以上とすることにより駆動電圧化を低下させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、電荷輸送材料の種類を増やした場合に、有機電界発光素子の重要な特性である駆動寿命を向上させる手法や、高温における保存安定性を維持する手法については、未だ検討が不十分であると考えられる。
日本国特開2005−219513号公報 国際公開WO2013/069338号パンフレット
本発明は、駆動寿命が長くかつ保存安定性に優れた有機電界発光素子を提供することを目的とし、それに適した発光層形成用組成物を提供することを課題とする。
この課題に対し、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ガラス転移温度が、所定の温度より高い化合物と、所定の温度より低い化合物を発光層形成用組成物に用いることで、駆動寿命が長く、かつ高温保存後でも駆動寿命が低下しにくい有機電界発光素子が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1]発光材料、非発光材料、及び有機溶媒を含む、有機電界発光素子の発光層形成用組成物であって、該非発光材料は、ガラス転移温度が130℃以上である高Tg化合物及びガラス転移温度が100℃以下である低Tg化合物とを含み、全ての該非発光材料に対する該低Tg化合物の含有率が8〜70質量%であり、該非発光材料の内、少なくとも一つはピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料である、発光層形成用組成物。
[2]前記発光層形成用組成物に含まれる全ての前記非発光材料の総量に対する含有率が1.0質量%以上である全ての各非発光材料の分子量が5000以下である、[1]に記載の発光層形成用組成物。
[3]全ての前記発光材料の分子量が5000以下である、[1]又は[2]に記載の発光層形成用組成物。
[4]前記発光層形成用組成物に含まれる、ピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料が、前記高Tg化合物及び/又は前記低Tg化合物である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
[5]前記発光層形成用組成物に含まれる全ての前記非発光材料の加重平均ガラス転移温度が100℃以上である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
[6]前記低Tg化合物が、単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物である、[1]〜[5]に記載の発光層形成用組成物。
[7]前記低Tg化合物が、芳香族炭化水素単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物のみからなる、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
[8]前記低Tg化合物が、下記の構造式(A)で表される化合物である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
Figure 0006950710
[式(A)において、R〜R15は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数6〜30の、フェニル基若しくは芳香族炭化水素単環化合物が結合した一価の化合物を表す。]
[9][1]〜[8]のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物を用いて湿式成膜した発光層を有する有機電界発光素子。
本発明によれば、高温保存後において、駆動寿命が長く、かつ発光効率の高い有機電界発光素子を得ることができる。
図1は、本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。 図2は、本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の一例を示す模式的な断面図である。
以下に本発明の発光層形成用組成物、有機電界発光素子及びその製造方法の実施態様を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
[発光層形成用組成物]
本発明の発光層形成用組成物は、有機電界発光素子の発光層の形成に用いられるものであり、発光材料、非発光材料、及び有機溶媒を含み、非発光材料として、ガラス転移温度(以下、Tgと記載)が130℃以上である高Tg化合物と、Tgが100℃以下である低Tg化合物とを含む。
(発光材料)
発光材料としては、通常、有機電界発光素子の発光材料として使用されている任意の公知の材料を適用することができ、特に制限はなく、所望の発光波長で発光し、発光効率が良好である物質を用いればよい。発光材料としては、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよいが、内部量子効率及び発熱の少なさの観点から、好ましくは燐光発光材料である。
燐光発光材料としては、例えば、長周期型周期表(以下、特に断り書きの無い限り「周期表」という場合には、長周期型周期表を指すものとする。)第7〜11族から選ばれる金属を中心金属として含むウェルナー型錯体又は有機金属錯体等が挙げられる。
周期表第7〜11族から選ばれる金属として、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。周期表第7〜11族から選ばれる金属としては、イリジウム及び白金がより好ましい。
錯体の配位子としては、アリールピリジン配位子、ヘテロアリールピリジン配位子、アリールピラゾール配位子、ヘテロアリールピラゾール配位子等のアリール基、又はヘテロアリール基に、ピリジン、ピラゾール、又はフェナントロリン等が結合した配位子が好ましく、特にフェニルピリジン配位子、フェニルピラゾール配位子が好ましい。
燐光発光材料として、具体的には、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、トリス(2−フェニルピリジン)ルテニウム、トリス(2−フェニルピリジン)パラジウム、ビス(2−フェニルピリジン)白金、トリス(2−フェニルピリジン)オスミウム、トリス(2−フェニルピリジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフィリン、オクタフェニル白金ポルフィリン、オクタエチルパラジウムポルフィリン、オクタフェニルパラジウムポルフィリン等が挙げられる。
特に、燐光発光材料の有機金属錯体としては、好ましくは下記式(I)で表される化合物が挙げられる。
ML(q−j)L′ (I)
(式(I)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、L及びL′は二座配位子を表す。jは0、1又は2の数を表す。L又はL’は、それぞれが複数存在する場合、複数のL又はL’はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
式(I)中、Mは任意の金属を表す。好ましいMの具体例としては、周期表第7〜11族から選ばれる金属として前述した金属等が挙げられる。
また、式(I)中、二座配位子Lは、以下の部分構造を有する配位子を示す。
Figure 0006950710
上記Lの部分構造において、環A1は、置換基を有していてもよい、芳香環基を表す。本発明における芳香環基は、芳香族炭化水素基でも良いし、芳香族複素環基でも良い。
また、上記Lの部分構造において、環A2は、置換基を有していてもよい、含窒素芳香族複素環基を表す。
また、式(I)中、二座配位子L′としては、以下示す配位子を挙げることができる。
Figure 0006950710
本発明における燐光発光材料の有機金属錯体として、発光層中で共存する非発光材料と相互作用しやすいという観点から、分子が比較的立体的で嵩高い、二座配位子を有する上記式(I)で表される化合物が好ましい。
また、例えば、青色は蛍光発光材料、緑色及び赤色は燐光発光材料を用いる等、蛍光発光材料と燐光発光材料を組み合わせて用いてもよい。
なお、湿式成膜法により発光層を形成する際に用いられる発光層形成用組成物の調製に用いる溶剤への溶解性を向上させる目的で、発光材料の分子の対称性や剛性を低下させたり、或いはアルキル基等の親油性置換基を導入したりすることが好ましい。
発光材料は、いずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明における発光材料の分子量は、好ましくは5000以下、更に好ましくは4000以下、特に好ましくは3000以下である。また、本発明における発光材料の分子量は、通常400以上、好ましくは600以上、更に好ましくは800以上、特に好ましくは1000以上である。この分子量範囲であることによって、発光材料どうしが凝集せず非発光材料と均一に混合し、発光効率の高い発光層を得ることができると考えられる。
発光材料の分子量は、Tgや融点、分解温度等が高く、発光材料及び形成された発光層の耐熱性に優れる点、及び、ガス発生、再結晶化及び分子のマイグレーション等に起因する膜質の低下や材料の熱分解に伴う不純物濃度の上昇等が起こり難い点では大きいことが好ましい。一方、発光材料の分子量は、有機化合物の精製が容易で、溶剤に溶解させやすい点では小さいことが好ましい。
(非発光材料)
本発明における非発光材料とは、発光材料以外のすべての不揮発性材料を指すものとする。不揮発性材料とは、発光層形成用組成物における有機溶媒以外の材料であって、発光層を形成した際に発光層に含まれる材料のことを言う。非発光材料としては、後述の高Tg化合物と低Tg化合物とを少なくとも含むが、これら以外の材料を含んでもよい。
本発明においては、有機電界発光素子の電荷に対する耐久性の観点から、非発光材料の内、少なくとも一つはピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料であり、後述の高Tg化合物あるいは低Tg化合物の少なくとも一方が、ピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料であるであることが好ましい。さらに、非発光材料のいずれかがトリアジン骨格を有する材料であることがさらに好ましく、後述の高Tg化合物あるいは低Tg化合物の少なくとも一方がトリアジン骨格を有する材料であるであることが特に好ましく、後述の低Tg化合物がトリアジン骨格を有する材料であることが最も好ましい。
本発明の発光層形成用組成物においては、発光層形成用組成物に含まれる全ての非発光材料の総量に対する含有率が1.0質量%以上である全ての各非発光材料の分子量は、5000以下が好ましく、さらに好ましくは4000以下であり、特に好ましくは3000以下であり、最も好ましくは2000以下であり、通常300以上、好ましくは350以上、より好ましくは400以上である。
<高Tg化合物>
本発明の高Tg化合物は、Tgが130℃以上を示す化合物である。高Tg化合物としては、通常、有機電界発光素子の発光層の形成に用いられる化合物から、Tgが130℃以上のものを適宜選択すればよいが、高Tg化合物としては、発光層に通常含有される電荷輸送材料であることが好ましい。
Tgが130℃以上である化合物としては、電荷輸送性に優れる中心骨格に対して、3環以上の縮合環構造を結合する化合物であることが好ましい。特に、3環以上の縮合環構造を2以上有する化合物及び/又は5環以上の縮合環を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましい。これらの化合物であることで、分子の剛直性が増し、熱に応答する分子運動の程度を抑制する効果が得られ易くなる。
また、高Tg化合物が有する3環以上の縮合環及び5環以上の縮合環は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を有することが電荷輸送性及び材料の耐久性の点で好ましい。
電荷輸送性に優れる中心骨格としては、具体的には、芳香族構造、芳香族アミン構造、トリアリールアミン構造、ジベンゾフラン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、フタロシアニン構造、ポルフィリン構造、チオフェン構造、ベンジルフェニル構造、フルオレン構造、キナクリドン構造、トリフェニレン構造、カルバゾール構造、ピレン構造、アントラセン構造、フェナントロリン構造、キノリン構造、ピリジン構造、ピリミジン構造、トリアジン構造、オキサジアゾール構造又はイミダゾール構造等が挙げられる。
中でも、電子輸送性に優れ構造が比較的安定な材料である観点から、ピリジン構造、ピリミジン構造、トリアジン構造を有する化合物がより好ましく、ピリミジン構造、トリアジン構造を有する化合物であることがさらに好ましい。
本発明における高Tg化合物は、発光材料自身が電子を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くできるという点で、電子輸送性に優れた構造を有する材料であることが好ましい。
また、正孔輸送性に優れた構造を有する化合物も好ましく、前記電荷輸送性に優れた中心骨格の中でも、カルバゾール構造、ジベンゾフラン構造、トリアリールアミン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造又はピレン構造が正孔輸送性に優れた構造として好ましく、カルバゾール構造、ジベンゾフラン構造又はトリアリールアミン構造がさらに好ましい。
本発明における高Tg化合物は、発光材料自身が正孔を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くできるという点で、正孔輸送性に優れた構造を有する材料であることが好ましい。
本発明の高Tg化合物は、前述の通り、3環以上の縮合環構造を有することが好ましく、3環以上の縮合環構造を2以上有する化合物及び/又は5環以上の縮合環を少なくとも1つ有する化合物であることがさらに好ましい。
3環以上の縮合環構造としては、具体的には、アントラセン構造、フェナントレン構造、ピレン構造、クリセン構造、ナフタセン構造、トリフェニレン構造、フルオレン構造、ベンゾフルオレン構造、インデノフルオレン構造、インドロフルオレン構造、カルバゾール構造、インデノカルバゾール構造、インドロカルバゾール構造、ジベンゾフラン構造、ジベンゾチオフェン構造等が挙げられる。電荷輸送性ならびに溶解性の観点から、フェナントレン構造、フルオレン構造、インデノフルオレン構造、カルバゾール構造、インデノカルバゾール構造、インドロカルバゾール構造、ジベンゾフラン構造及びジベンゾチオフェン構造からなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、電荷に対する耐久性の観点からカルバゾール構造又はインドロカルバゾール構造がさらに好ましい。
本発明における高Tg化合物の分子量は、通常5000以下、好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、最も好ましくは2000以下である。また、本発明における高Tg化合物の分子量は、通常300以上、好ましくは350以上、更に好ましくは400以上である。
高Tg化合物の分子量は、ガス発生や再結晶化及び分子のマイグレーション等に起因する膜質の低下が起こり難い点では大きいことが好ましい。一方、高Tg化合物の分子量は、有機化合物の精製が容易で、溶剤に溶解させやすい点では小さいことが好ましい。
本発明における高Tg化合物のTgは、130℃以上であれば本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。本発明における高Tg化合物のTgは、高温保存時の膜が安定であることから、好ましくは135℃以上、更に好ましくは140℃以上である。また、本発明における高Tg化合物のTgは、有機溶剤に対する溶解性が高いことから、通常250℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは160℃以下である。
例えば、有機電界発光素子を車載用ディスプレイに用いる場合等においては、夏の炎天下で車を停めていると車内温度は80℃を超えることがあるため、車載用ディスプレイは100℃を超える高温保存試験での信頼性が要求される。そのため、有機電界発光素子の一般的な高温保存試験は通常100℃以上で行われ、高くても120℃程度であるこ。また、Tg付近での膜物性やモルフォロジーの変化は、実際にはTgの前後で徐々に起こる。以上のことから、本発明における高Tg化合物のTgは、保存試験よりも十分高い温度である130℃以上である。また、長期間の高温保存試験における膜物性やモルフォロジーの変化をより抑えられるという観点からは、より高いTgが更に好ましい。一方で、高Tg化合物のTgは、溶剤への溶解性及び膜中での結晶化の抑制による素子安定性という観点からは、低いことが好ましい。
本発明の発光層形成用組成物には、高Tg化合物が少なくとも1種類含まれていればよいが、複数含まれていてもよい。
<低Tg化合物>
本発明の低Tg化合物は、Tgが100℃以下を示す化合物である。低Tg化合物としては、単環化合物同士が、直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物であることが好ましい。該化合物は、置換基を有していてもよく、該置換基は特に限定されないが、アルキル基又はアラルキル基が溶解性及びインクの保管安定性に優れる点で好ましい。
連結基としては通常、有機電界発光素子用材料として用いられる原子、置換基であれば特に限定しないが、具体的には、二価の連結基として、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、スルホ基、カルボニル基;三価の連結基として窒素原子;四価の連結基としてケイ素原子が好ましい。ここで、連結基は、全ての結合手に単環化合物が結合することを意味する。また、これらの連結基は、単環化合物同士を連結してもよく、また、単環化合物同士が直接結合を介して結合した化合物を連結してもよい。さらに、このとき連結する単環化合物、若しくは単環化合物同士が直接結合を介して結合した化合物は、同じ構造であっても異なる構造であってもよい。例えば、窒素原子が連結基で、単環化合物同士が直接結合を介して結合した化合物がアリ―ル基の場合はトリアリールアミンの事を指し、トリアリールアミンの3つの置換基が同じであっても異なっていてもよい。連結基としては、隣接する環のねじれがより大きくなり、分子の平面性が低く分子パッキングによる結晶化を引き起こしにくいという点から、窒素原子又はアルキレン基がより好ましい。また、電荷に対する耐久性の観点から、直接結合のみからなる化合物がさらに好ましい。
低Tg化合物としては、通常、有機電界発光素子の発光層の形成に用いられる化合物から、上記条件を満たすものを適宜選択すればよいが、低Tg材料としては、具体的には、単環化合物同士が、直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物であって、芳香族構造、芳香族アミン構造、チオフェン構造、ベンジルフェニル構造、ピリジン構造、ピリミジン構造、トリアジン構造、オキサジアゾール構造及びイミダゾール構造からなる群から選択される少なくとも1つの構造を有する化合物が好ましい。芳香族炭化水素単環化合物同士が、直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物であって、芳香族構造、芳香族アミン構造又はベンジルフェニル構造を有する化合物が、より電荷輸送性に優れることからさらに好ましい。
低Tg化合物としては、分子としての平面性が低く、分子パッキングによる結晶化を引き起こしにくいという点で、単環化合物同士が、直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物が好ましい。一方、水素結合の影響が少なく結合の回転が置きやすく、より分子の平面性を低くできるという点では、芳香族炭化水素単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物がより好ましい。さらには、本発明の発光層形成用組成物に含まれる低Tg化合物が、芳香族炭化水素単環化合物同士が直接結合した化合物のみからなることが、電荷に対する耐久性が優れる点で好ましい。
特に、芳香族炭化水素単環化合物同士が直接結合した低Tg化合物として、下記式(A)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006950710
式(A)において、R〜R15は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数6〜30の、フェニル基若しくは芳香族炭化水素単環化合物が結合した一価の化合物を表す。
式 (A)の構造を有する低Tg化合物は、電荷に対する耐久性が高く、熱等による分子運動と安定性を両立しやすい構造である。また、式 (A)の構造は、芳香族炭化水素の単環のみが結合した化合物であるため、高Tg化合物同士の隙間を埋めやすく好ましい。また、式 (A)の構造は、高Tg化合物が3環以上の縮合環構造又は5環以上の縮合環構造を有する場合、該縮合環によって生じる高Tg化合物同士の隙間を埋めやすいため好ましい。
また、式 (A)の構造は、該縮合環が芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を含む場合、芳香族炭化水素化合物である式(A)との親和性が高くなり、高Tg化合物同士の隙間を埋めた状態がより安定すると考えられ、好ましい。
また、本発明における好ましい低Tg化合物は、単環化合物同士が、直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物である。これらの中でも電子輸送性に優れ構造が比較的安定な材料である、ピリジン系化合物、ピリミジン系化合物、トリアジン系化合物等であることが好ましい。これらの化合物であることで、発光材料自身が電子を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くすることが可能になる。
本発明における低Tg化合物は、発光材料自身が電子を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くできるという点で、電子輸送性に優れ構造が比較的安定な材料であることが好ましい。
一方、本発明における低Tg化合物は、発光材料自身が正孔を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くできるという点で、正孔輸送性に優れた構造を有する材料であることが好ましい。
正孔輸送性に優れた構造としては、ジシクロアルキルアリールアミン構造、シクロアルキルジアリールアミン構造、トリアリールアミン構造が好ましい。これらの中でも、耐久性の観点から、トリアリールアミン構造がさらに好ましい。
本発明における低Tg化合物の分子量は、通常5000以下、好ましくは4000以下、更に好ましくは3000以下、最も好ましくは2000以下である。また、本発明における低Tg化合物の分子量は、通常300以上、好ましくは350以上、より好ましくは400以上である。
低Tg化合物の分子量は、ガス発生や再結晶化及び分子のマイグレーション等に起因する膜質の低下が起こり難い点では大きいことが好ましい。一方、低Tg化合物の分子量は、有機化合物の精製が容易で、溶剤に溶解させやすい点では小さいことが好ましい。
本発明における低Tg化合物のTgは、100℃以下であれば本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。本発明における低Tg化合物のTgは、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下である。また、本発明における低Tg化合物のTgは、通常60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上である。
本発明における低Tg化合物のTgは、溶剤への溶解性及び膜中での結晶化の抑制による素子安定性という観点からは、低いことが好ましい。一方で、低Tg化合物のTgは、不揮発性の確保や素子作製プロセス及び素子の保存における熱安定性の観点からは、高いことが好ましい。
本発明の発光層形成用組成物には、低Tg化合物が少なくとも1種類含まれていればよいが、複数含まれていてもよい。
(有機溶媒)
本発明の発光層形成用組成物は、インクジェット法等の湿式成膜法を用いて発光層として形成することが好ましい。本発明で用いられる有機溶媒としては、発光材料及び非発光材料等の発光層材料が良好に溶解又は分散するものであれば特に限定されない。
有機溶媒の溶解性としては、25℃、1気圧下で、発光材料及び非発光材料等を、各々、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上溶解することが好ましい。以下に有機溶媒の具体例を挙げるが、本発明の効果を損なわない限り、有機溶媒はこれらに限定されるものではない。
有機溶媒としては、例えば、n−デカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラメチルシクロヘキサノン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ジフェニルエーテル等の芳香族エーテル類;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル類;シクロヘキサノン、シクロオクタノン、フェンコン等の脂環族ケトン類;シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環族アルコール類;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン類;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル類;等が挙げられる。
上記の中でも、好ましくは、アルカン類及び/又は芳香族炭化水素類、より好ましくはトルエン、キシレン及びシクロヘキシルベンゼンからなる群より選択される少なくとも1つである。これらであることで、非極性で水分の影響を受けにくく、また材料が溶解しやすくインクを安定に保存しやすい。
これらの有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、また、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
また、より均一な膜を得るためには、成膜直後の液膜から有機溶媒が適当な速度で蒸発することが好ましい。このため、有機溶媒の沸点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。また、有機溶媒の沸点は、通常270℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは沸点230℃以下である。
(発光層形成用組成物の組成比について)
本発明の発光層形成用組成物は、非発光材料として、前述の通り、少なくとも上記高Tg化合物と低Tg化合物を含有していれば、その他の成分を適宜含有していてもよい。ただし、発光層形成用組成物に含まれる全ての非発光材料に対する低Tg化合物の含有率(以下、単に低Tg化合物の含有率と記載)が8〜70質量%であることが必要であり、10〜70質量%であることがより好ましい。低Tg化合物の含有率は、8質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。また、低Tg化合物の含有率は、80質量%以下であり、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、35質量%以下が特に好ましい。
低Tg化合物の含有率は、溶剤への溶解性や溶解した後のインク保存安定性、発光層の結晶化が起こりづらく発光面が均一かつ安定となる点では、高いことが好ましい。一方、低Tg化合物の含有率は、素子の高温保存における膜のモルフォロジーの変化が起こりにくい点では、低いことが好ましい。
発光層形成用組成物に含まれる全ての非発光材料に対する高Tg化合物の含有率(以下、単に高Tg化合物の含有率と記載)は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、また、90質量%以下が好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
高Tg化合物の含有率は、低Tg化合物とは逆に、溶剤への溶解性や溶解した後の保存安定性、発光層の結晶化が起こりづらく発光面が均一かつ安定となる点では、低いことが好ましく、素子の高温保存における膜のモルフォロジーの変化が起こりにくい点では、高いことが好ましい。
また、発光層形成用組成物に含まれる全不揮発性材料における発光材料の含有率は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
(本発明の作用機構)
高Tg化合物を含むことで、膜の耐熱性が向上し、低Tg化合物を含むことで、成膜時に均一な膜が形成できると推測される。
高Tg化合物は、成膜時に結晶化しやすく、剛直な化合物であるため、高Tg化合物同士は分子レベルでは密接しにくいことから、膜の電荷輸送性を低下させる。しかし、低Tg化合物が存在すると、低Tg化合物が剛直な高Tg化合物同士の隙間を埋める形になり、高Tg化合物の結晶化を抑制し、かつ均一な膜が形成できると推測される。
さらに、低Tg化合物と高Tg化合物を含む組成物を湿式成膜すると、低Tg化合物と高Tg化合物が均一に混合した状態で乾燥する。つまり、低Tg化合物が剛直な高Tg化合物同士の隙間を埋めた膜を容易に形成でき、輸送性に優れた均一な膜が形成されやすくなると考えられる。従来の真空加熱蒸着方法では、材料がクラスターとなって蒸着されるため、高Tg化合物同士の隙間を低Tg化合物が埋めにくいと考えられる。
また、膜中では、低Tg化合物が高Tg化合物間に存在するため、高Tg化合物の結晶化が抑制された、耐熱性の高い膜となると考えられる。
また、通常、低Tg化合物のみを有機電界発光素子に用いた場合は耐熱性が不足するため、高温保存によって有機電界発光素子の劣化が促進されたり、通電駆動で劣化が早まると考えられていた。驚くべきことに、本発明では、低Tg化合物と高Tg化合物を混合することで、低Tg化合物と高Tg化合物の相互作用により有機電界発光素子の耐熱性が向上するという予期せぬ効果を見出した。これは、高温保存時の熱や通電駆動での発熱による低Tg化合物の熱運動が、低Tg化合物の近傍に存在する高Tg化合物によって抑制されているためであると推測される。
低Tg化合物を含むことで、有機溶媒への溶解性が向上して組成物の保存安定性を確保できるだけでなく、有機電界発光素子の膜中での結晶化を抑えることができ、室温における駆動寿命を長くすることができる。加えて、高Tg化合物を含むことで、低Tg化合物により懸念される100℃付近での高温保存下における膜物性やモルフォロジーの変化を抑えることができ、高温保存後でも変わらず安定した長い駆動寿命を得ることができる。
高Tg化合物のTgが130℃以上である理由は前述の通りである。
また、低Tg化合物のTgが100℃以下であることで、高Tg化合物との相互作用が抑制され、低Tg化合物の結晶化抑制の効果が発現しやすい傾向にある。本発明のように30℃以上の差がある場合には、互いのTgに由来する効果がそれぞれ十分に発現すると考えられる。
高Tg化合物と低Tg化合物のTgの差は特に限定されないが、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。また、70℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましい。上記下限値以上であることで、Tg差がある程度大きくなり、高Tg化合物が低Tg化合物の分子運動の影響を受けにくくなるため、高温においても膜のモルフォロジーが変化しにくくなる。また上記上限値以下であることで、高Tg化合物と低Tg化合物がより均一に膜中で混ざり易くなる。
低Tg化合物の含有率は、前述の通り8〜70質量%である。8質量%以上であることで、高Tg化合物の分子間相互作用に与える影響があり、膜及び有機溶媒中での結晶化を抑制しやすい。また、70質量%以下であることで、低Tg化合物に起因する高温保存時の結晶性の変化を、残り30質量%未満の他の材料により吸収することができ、膜全体のモルフォロジー変化を抑制できる傾向にある。
高Tg化合物及び低Tg化合物のいずれかが、電子輸送性が高く、構造安定性に優れたピリミジン骨格又はトリアジン骨格であることで、発光材料上に電子が局在化する確率が下がり、安定した発光を得ることができる。従って、上記長寿命化の効果を十分に得ることができる。
さらに低Tg化合物が、単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物であると、分子としての平面性がより低くなり、分子パッキングによる結晶化をより引き起こしにくくなる。従って、上記結晶化抑制の効果をより一層得ることができる。
本発明の発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する含有率が1.0質量%以上である各非発光材料の分子量は5000以下が好ましい。上記分子量がこの範囲であることで、ほとんどの非発光材料が均一に混合した状態で成膜されて好ましい。
高分子量の化合物が膜中に少ないと、3次元的な分子の絡まりが抑制され、高Tg化合物と低Tg化合物とが均一に混合されやすくなる。その結果、低Tg化合物同士が集まった微小な領域の生成が抑制され、高温保存時の安定性が得られ易くなる。また、成膜時に高Tg化合物同士が集まった微小な領域が生成して成膜時に結晶化することを抑制し、均一な膜が得られ易くなり、有機電界発光素子の特性が向上する。
また、上記分子量の上限以下であることで、化合物の溶媒への溶解性が改善したり、溶媒中での分子鎖の絡まりが抑制され、不純物(すなわち劣化原因物質)の除去が行いやすくなる。
本発明において、発光層形成用組成物に含まれる全ての非発光材料の加重平均ガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましい。また加重平均ガラス転移温度は、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは145℃以下である。加重平均ガラス転移温度が100℃以上であることで、高温保存時の熱や、通電時に有機電界発光素子内で発生する熱の影響を受けて膜のモルフォロジーが変化しにくく、すなわち駆動寿命がより長くなる。また、加重平均ガラス転移温度が150℃以下であることで、分子同士の隙間が埋まりやすくなり、膜中の電荷輸送性しいては駆動寿命が改善する。
(その他の非発光材料)
本発明の発光層形成用組成物が、上記高Tg化合物及び低Tg化合物以外に含んでいてもよい非発光材料としては、電荷輸送材料及び酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
<第3の電荷輸送材料>
本発明の発光層形成用組成物には、前記高Tg化合物又は前記低Tg化合物のいずれにも属さない電荷輸送材料が含まれていてもよい。便宜上、これを第3の電荷輸送材料と呼ぶ。第3の電荷輸送材料としては、電荷輸送性に優れる骨格を有する材料が好ましい。
電荷輸送性に優れる骨格としては、具体的には、芳香族構造、芳香族アミン構造、トリアリールアミン構造、ジベンゾフラン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、フタロシアニン構造、ポルフィリン構造、チオフェン構造、ベンジルフェニル構造、フルオレン構造、キナクリドン構造、トリフェニレン構造、カルバゾール構造、ピレン構造、アントラセン構造、フェナントロリン構造、キノリン構造、ピリジン構造、ピリミジン構造、トリアジン構造、オキサジアゾール構造、イミダゾール構造等が挙げられる。
中でも、電子輸送特性に優れ構造が比較的安定な材料である観点から、ピリジン構造、ピリミジン構造及びトリアジン構造を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1つがより好ましく、ピリミジン構造、及び/又はトリアジン構造を有する化合物であることがさらに好ましい。
本発明における第3の電荷輸送材料は、発光材料自身が電子を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くできるという点で、電子輸送性に優れた構造を有する材料であることが好ましい。
また、正孔輸送性に優れた構造を有する化合物も好ましく、前記電荷輸送性に優れた中心骨格の中でも、カルバゾール構造、ジベンゾフラン構造、トリアリールアミン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造又はピレン構造が正孔輸送性に優れた構造として好ましく、カルバゾール構造、ジベンゾフラン構造又はトリアリールアミン構造がさらに好ましい。
本発明における第3の電荷輸送材料は、発光材料自身が正孔を輸送することによる発光材料の劣化を抑え駆動寿命をより長くできるという点で、正孔輸送性に優れた構造を有する材料であることが好ましい。
本発明における第3の電荷輸送材料の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。本発明における第3の電荷輸送材料の分子量は、通常5000以下、好ましくは4000以下、さらに好ましくは3000以下、最も好ましくは2000以下である。また、本発明における第3の電荷輸送材料の分子量は、通常300以上、好ましくは350以上、更に好ましくは400以上である。
第3の電荷輸送材料の分子量は、ガス発生や再結晶化及び分子のマイグレーション等に起因する膜質の低下が起こり難い点では大きいことが好ましい。一方、第3の電荷輸送材料の分子量は、有機化合物の精製が容易で、溶剤に溶解させやすい点では小さいことが好ましい。
本発明の発光層形成用組成物には、前記高Tg化合物又は前記低Tg化合物のいずれにも属さない第3の電荷輸送材料が含まれていることが好ましい。また、第3の電荷輸送材料は2種以上であってもかまわない。
[発光層の形成方法]
本発明に係る発光層は、上述の本発明の発光層形成用組成物を用いて湿式成膜法で形成される。
(湿式成膜による発光層の形成方法)
本発明において湿式成膜法とは、成膜方法、即ち、塗布方法として湿式で成膜させる方法を採用し、この塗布膜を乾燥させて膜形成を行う方法をいう。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法、ノズルプリンティング法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。これらの成膜方法の中でも、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ノズルプリンティング法等が好ましい。
湿式成膜法により発光層を形成する場合は、通常、上述の発光材料、高Tg化合物、低Tg化合物、及び必要に応じて用いられるその他の材料を適切な有機溶媒に溶解させることにより調製した発光層形成用組成物を用いて成膜し、加熱、減圧等により有機溶媒を除去することにより形成する。
有機溶媒の除去方法としては、加熱又は減圧を用いることができる。加熱方法において使用する加熱手段としては、膜全体に均等に熱を与えることから、クリーンオーブン、ホットプレート等が好ましい。
加熱工程における加熱温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、乾燥時間を短くする点では温度が高いほうが好ましく、材料へのダメージが少ない点では低い方が好ましい。
上限は通常250℃以下であり、好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。下限は通常30℃以上であり、好ましくは50℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。上限以下の温度であることで、通常用いられる電荷輸送材料又は燐光発光材料の分解や結晶化を抑制できる。また、上記下限以上であることで、溶媒の除去時間を短縮することができる。加熱工程における加熱時間は、発光層形成用組成物中の溶媒の沸点や蒸気圧、材料の耐熱性、及び加熱条件によって適切に決定される。
[ガラス転移温度(Tg)の測定方法]
本発明におけるTgの測定方法は以下の通りである。
示差走査熱量計を用いて、室温(25℃)から300℃まで10℃/minの昇温速度で測定し、それによって得られたDSCカーブにおけるガラス転移を示す変曲点の中心の温度をTgとした。測定条件を下記に示す。
<ガラス転移点温度測定条件>
示差走査熱量計(DSC):島津 DTA−50
試料量:約4mg
試料容器:アルミパン
雰囲気:大気
温度範囲:室温(25℃)〜300℃
昇温速度:10℃/min
加重平均ガラス転移温度は、全非発光材料について、上記方法により求めた各非発光材料のTgに各非発光材料の重量比率を乗じたものの総和である。
[有機電界発光素子の層構成と製造方法]
以下に、本発明に係る有機電界発光素子の一般的層構成及びその製造方法等の実施の形態の一例を、図1を参照して説明する。
図1は本発明に係る有機電界発光素子10の構造例を示す断面の模式図であり、図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は正孔阻止層、7は電子輸送層、8は電子注入層、9は陰極を各々表す。
これらの構造に適用する材料は、公知の材料を適用することができ、特に制限はないが、各層に関しての代表的な材料や製法を一例として以下に記載する。また、公報や論文等を引用している場合、該当内容を当業者の常識の範囲で適宜、適用、応用することができるものとする。
(基板1)
基板1は、有機電界発光素子の支持体となるものであり、通常、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。これらのうち、ガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。基板1は、外気による有機電界発光素子の劣化が起こり難いことからガスバリア性の高い材質とするのが好ましい。このため、特に合成樹脂製の基板等のようにガスバリア性の低い材質を用いる場合は、基板1の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を上げるのが好ましい。
(陽極2)
陽極2は、発光層側の層に正孔を注入する機能を担う。陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属;インジウム及び/又はスズの酸化物等の金属酸化物;ヨウ化銅等のハロゲン化金属;カーボンブラック及びポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。陽極2の形成は、通常、スパッタリング法、真空蒸着法等の乾式法により行われることが多い。また、銀等の金属微粒子、ヨウ化銅等の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末等を用いて陽極2を形成する場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散させて、基板上に塗布することにより形成することもできる。また、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。
陽極2は、通常、単層構造であるが、適宜、積層構造としてもよい。陽極2が積層構造である場合、1層目の陽極上に異なる導電材料を積層してもよい。 陽極2の厚みは、必要とされる透明性と材質等に応じて、決めればよい。特に高い透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率が60%以上となる厚みが好ましく、80%以上となる厚みが更に好ましい。陽極2の厚みは、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下とするのが好ましい。一方、透明性が不要な場合は、陽極2の厚みは必要な強度等に応じて任意に厚みとすればよく、この場合、陽極2は基板1と同一の厚みでもよい。
陽極2の表面に成膜を行う場合は、成膜前に、紫外線+オゾン、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ等の処理を施すことにより、陽極上の不純物を除去すると共に、そのイオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させておくのが好ましい。
(正孔注入層3)
陽極側から発光層側に正孔を輸送する機能を担う層は、通常、正孔注入輸送層又は正孔輸送層と呼ばれる。そして、陽極側から発光層側に正孔を輸送する機能を担う層が2層以上ある場合に、より陽極側に近い方の層を正孔注入層3と呼ぶことがある。正孔注入層3は、陽極から発光層側に正孔を輸送する機能を強化する点で、用いることが好ましい。正孔注入層3を用いる場合、通常、正孔注入層3は、陽極上に形成される。
正孔注入層3の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下である。
正孔注入層3の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよい。成膜性が優れる点では、湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔注入層3は、正孔輸送性化合物を含むことが好ましく、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含むことがより好ましい。更には、正孔注入層中にカチオンラジカル化合物を含むことが好ましく、カチオンラジカル化合物と正孔輸送性化合物とを含むことが特に好ましい。
<正孔輸送性化合物>
正孔注入層形成用組成物は、通常、正孔注入層3となる正孔輸送性化合物を含有する。また、湿式成膜法の場合は、通常、更に溶剤も含有する。正孔注入層形成用組成物は、正孔輸送性が高く、注入された正孔を効率よく輸送できるのが好ましい。このため、正孔移動度が大きく、トラップとなる不純物が製造時や使用時等に発生し難いのが好ましい。また、安定性に優れ、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光に対する透明性が高いことが好ましい。特に、正孔注入層3が発光層5と接する場合は、発光層5からの発光を消光しないものや発光層5とエキサイプレックスを形成して、発光効率を低下させないものが好ましい。
正孔輸送性化合物としては、陽極2から正孔注入層3への電荷注入障壁の観点から、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、オリゴチオフェン系化合物、ポリチオフェン系化合物、ベンジルフェニル系化合物、フルオレン基で3級アミンを連結した化合物、ヒドラゾン系化合物、シラザン系化合物系化合物、キナクリドン系化合物等が挙げられる。
上述の例示化合物のうち、非晶質性及び可視光透過性の点から、芳香族アミン化合物が好ましく、芳香族三級アミン化合物が特に好ましい。ここで、芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物の種類は、特に制限されないが、表面平滑化効果により均一な発光を得やすい点から、重量平均分子量が1000以上1000000以下の高分子化合物(繰り返し単位が連なる重合型化合物)を用いるのが好ましい。芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例としては、下記式(II)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物等が挙げられる。
Figure 0006950710
(式(II)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよい複素芳香族基を表す。Ar〜Arは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよい複素芳香族基を表す。Yは、下記の連結基群の中から選ばれる連結基を表す。また、Ar〜Arのうち、同一のN原子に結合する二つの基は互いに結合して環を形成してもよい。
下記に連結基を示す。
Figure 0006950710
(上記各式中、Ar〜Ar16は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよい複素芳香族基を表す。R105及びR106は、それぞれ独立して、水素原子又は任意の置換基を表す。)
Ar〜Ar16の芳香族基及び複素芳香族基としては、高分子化合物の溶解性、耐熱性、正孔注入輸送性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、チオフェン環、又はピリジン環由来の基が好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環由来の基がさらに好ましい。
式(II)で表される繰り返し単位を有する芳香族三級アミン高分子化合物の具体例としては、国際公開第2005/089024号パンフレットに記載のもの等が挙げられる。
<電子受容性化合物>
正孔注入層3には、正孔輸送性化合物の酸化により、正孔注入層3の導電率を向上させることができるため、電子受容性化合物を含有していることが好ましい。
電子受容性化合物としては、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、電子親和力が5eV以上である化合物が更に好ましい。
このような電子受容性化合物としては、例えば、トリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、オニウム塩、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸との塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物等が挙げられる。具体的には、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等の有機基の置換したオニウム塩(国際公開2005/089024号パンフレット);塩化鉄(III)(特開平11−251067号公報)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物;テトラシアノエチレン等のシアノ化合物;トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365号公報)等の芳香族ホウ素化合物;フラーレン誘導体及びヨウ素等が挙げられる。
<カチオンラジカル化合物>
カチオンラジカル化合物としては、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンとからなるイオン化合物が好ましい。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
カチオンラジカルとしては、正孔輸送性化合物として前述した化合物から一電子取り除いた化学種であることが好ましい。正孔輸送性化合物として好ましい化合物から一電子取り除いた化学種であることが、非晶質性、可視光の透過率、耐熱性及び溶解性等の点から好適である。
ここで、カチオンラジカル化合物は、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を混合することにより生成させることができる。即ち、前述の正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを混合することにより、正孔輸送性化合物から電子受容性化合物へと電子移動が起こり、正孔輸送性化合物のカチオンラジカルと対アニオンとからなるカチオンイオン化合物が生成する。
PEDOT/PSS(Adv.Mater.,2000年,12巻,481頁)やエメラルジン塩酸塩(J.Phys.Chem.,1990年,94巻,7716頁)等の高分子化合物由来のカチオンラジカル化合物は、酸化重合(脱水素重合)することによっても生成する。
ここでいう酸化重合は、モノマーを酸性溶液中で、ペルオキソ二硫酸塩等を用いて化学的に、又は、電気化学的に酸化するものである。この酸化重合(脱水素重合)の場合、モノマーが酸化されることにより高分子化されるとともに、酸性溶液由来のアニオンを対アニオンとする、高分子の繰り返し単位から一電子取り除かれたカチオンラジカルが生成する。
<湿式成膜法による正孔注入層3の形成>
湿式成膜法により正孔注入層3を形成する場合、通常、正孔注入層3となる材料を可溶な溶剤(正孔注入層用溶剤)と混合して成膜用の組成物(正孔注入層形成用組成物)を調製し、この正孔注入層形成用組成物を正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布して成膜し、乾燥させることにより形成させる。
正孔注入層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜厚の均一性の点では、低い方が好ましく、また、一方、正孔注入層3に欠陥が生じ難い点では、高い方が好ましい。具体的には、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.1質量%以上であるのが更に好ましく、0.5質量%以上であるのが特に好ましく、また、一方、70質量%以下であるのが好ましく、60質量%以下であるのが更に好ましく、50質量%以下であるのが特に好ましい。
溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤等が挙げられる。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル及び1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イソプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
これらの他、ジメチルスルホキシド等も用いることができる。
正孔注入層3の湿式成膜法による形成は、通常、正孔注入層形成用組成物を調製後に、これを、正孔注入層3の下層に該当する層(通常は、陽極2)上に塗布成膜し、乾燥することにより行われる。正孔注入層3は、通常、成膜後に、加熱や減圧乾燥等により塗布膜を乾燥させる。
<真空蒸着法による正孔注入層3の形成>
真空蒸着法により正孔注入層3を形成する場合には、通常、正孔注入層3の構成材料(前述の正孔輸送性化合物、電子受容性化合物等)の1種類又は2種類以上を真空容器内に設置された坩堝に入れ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々を別々の坩堝に入れ)、真空容器内を真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、坩堝を加熱して(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々の坩堝を加熱して)、坩堝内の材料の蒸発量を制御しながら蒸発させ(2種類以上の材料を用いる場合は、通常各々独立に蒸発量を制御しながら蒸発させ)、坩堝に向き合って置かれた基板上の陽極上に正孔注入層3を形成させる。なお、2種類以上の材料を用いる場合は、それらの混合物を坩堝に入れ、加熱、蒸発させて正孔注入層3を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、9.0×10−6Torr(12.0×10−4Pa)以下である。蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上、50℃以下で行われる。
(正孔輸送層4)
正孔輸送層4は、陽極側から発光層側に正孔を輸送する機能を担う層である。正孔輸送層4は、本発明の有機電界発光素子では、必須の層では無いが、陽極2から発光層5に正孔を輸送する機能を強化する点では、この層を用いるのが好ましい。正孔輸送層4を用いる場合、通常、正孔輸送層4は、陽極2と発光層5の間に形成される。また、上述の正孔注入層3がある場合は、正孔注入層3と発光層5の間に形成される。
正孔輸送層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上であり、また、一方、通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
正孔輸送層4の形成方法は、真空蒸着法でも、湿式成膜法でもよい。成膜性が優れる点では、湿式成膜法により形成することが好ましい。
正孔輸送層4は、通常、正孔輸送層4となる正孔輸送性化合物を含有する。正孔輸送層4に含まれる正孔輸送性化合物としては、特に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4’,4’’−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J.Lumin.,72−74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun.,2175頁、1996年)、2,2’,7,7’−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth.Metals,91巻、209頁、1997年)、4,4’−N,N’−ジカルバゾールビフェニル等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。また、例えばポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym.Adv.Tech.,7巻、33頁、1996年)等も好ましく使用できる。
<湿式成膜法による正孔輸送層4の形成>
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、通常、上述の正孔注入層3を湿式成膜法で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに正孔輸送層形成用組成物を用いて形成させる。
湿式成膜法で正孔輸送層4を形成する場合は、通常、正孔輸送層形成用組成物は、更に溶剤を含有する。正孔輸送層形成用組成物に用いる溶剤は、上述の正孔注入層形成用組成物で用いる溶剤と同様の溶剤を使用することができる。
正孔輸送層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度は、正孔注入層形成用組成物中における正孔輸送性化合物の濃度と同様の範囲とすることができる。
正孔輸送層4の湿式成膜法による形成は、前述の正孔注入層3の成膜法と同様に行うことができる。
<真空蒸着法による正孔輸送層4の形成>
真空蒸着法で正孔輸送層4を形成する場合についても、通常、上述の正孔注入層3を真空蒸着法で形成する場合と同様にして、正孔注入層形成用組成物の代わりに正孔輸送層形成用組成物を用いて形成させることができる。蒸着時の真空度、蒸着速度及び温度等の成膜条件等は、前記正孔注入層3の真空蒸着時と同様の条件で成膜することができる。
(発光層5)
発光層5は、一対の電極間に電界が与えられた時に、陽極2から注入される正孔と陰極9から注入される電子が再結合することにより励起され、発光する機能を担う層である。発光層5は、陽極2と陰極9の間に形成される層であり、発光層5は、陽極2の上に正孔注入層3がある場合は、正孔注入層3と陰極9の間に形成され、陽極2の上に正孔輸送層4がある場合は、正孔輸送層4と陰極9との間に形成される。
発光層5の膜厚は本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、膜に欠陥が生じ難い点では厚いことが好ましいが、また、一方で、駆動電圧が低くなりやすい点では薄いことが好ましい。具体的には、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲であるのがよい。
なお、有機電界発光素子には、発光層は2層以上設けてもかまわない。
発光層5の詳細については、前述の通りである。
本発明に係る発光層以外の発光層を真空蒸着法で形成する場合は次のように形成する。
<真空蒸着法による発光層の形成方法>
真空蒸着法により発光層を形成する場合には、通常、発光層の構成材料(前述の発光材料、非発光材料等)を、各々真空容器内に設置された別々の坩堝に入れ、真空容器内を真空ポンプで10−4Pa程度まで排気した後、各坩堝を加熱して、各坩堝内の材料の蒸発量を独立に制御しながら蒸発させ、各坩堝に向き合って置かれた基板等の上に発光層を形成させる。なお、構成材料の混合物を1つの坩堝に入れ、加熱、蒸発させて発光層を形成することもできる。
蒸着時の真空度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1×10−6Torr(0.13×10−4Pa)以上、9.0×10−6Torr(12.0×10−4Pa)以下である。蒸着速度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、通常0.1Å/秒以上、5.0Å/秒以下である。蒸着時の成膜温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り限定されないが、好ましくは10℃以上、50℃以下で行われる。
(正孔阻止層6)
発光層5と後述の電子注入層8との間に、正孔阻止層6を設けてもよい。正孔阻止層6は、発光層5の上に、発光層5の陰極側の界面に接するように積層される層である。
この正孔阻止層6は、陽極2から移動してくる正孔を陰極9に到達するのを阻止する役割と、陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割とを有する。正孔阻止層6を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止層6の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)等が挙げられる。更に、国際公開第2005/022962号パンフレットに記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止層6の材料として好ましい。
正孔阻止層6の形成方法に制限はなく、前述の発光層5の形成方法と同様にして形成することができる。
正孔阻止層6の膜厚は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.3nm以上、好ましくは0.5nm以上であり、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
(電子輸送層7)
電子輸送層7は素子の電流効率をさらに向上させることを目的として、発光層5と電子注入層8との間に設けられる。
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において、陰極9又は電子注入層8から電子を効率よく注入し、発光層5の方向に電子を効率よく輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、通常、陰極9又は電子注入層8からの電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送できる化合物が好ましい。電子輸送性化合物としては、具体的には、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層7の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上であり、また、一方、通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層7は、前記と同様にして湿式成膜法、或いは真空蒸着法により正孔阻止層6上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
(電子注入層8)
陰極9と電子輸送層7又は発光層5の間に電子注入層8を設けてもよい。電子注入層8は、陰極9から注入された電子を効率よく、電子輸送層7又は発光層5へ注入する役割を果たす。
電子注入を効率よく行うには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属等が用いられる。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、バソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報等に記載)ことも、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。
膜厚は通常、5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層8は、湿式成膜法或いは真空蒸着法により、発光層5又はその上の正孔阻止層上に積層することにより形成される。
湿式成膜法の場合の詳細は、前述の発光層5の場合と同様である。
(陰極9)
陰極9は、発光層側の層(電子注入層8又は発光層5等)に電子を注入する役割を果たす。陰極9の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なう上では、仕事関数の低い金属を用いることが好ましく、例えば、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属又はそれらの合金等が用いられる。具体例としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数の合金電極等が挙げられる。
素子の安定性の点では、陰極9の上に、仕事関数が高く、大気に対して安定な金属層を積層して、低仕事関数の金属からなる陰極9を保護するのが好ましい。積層する金属としては、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が挙げられる。
陰極の膜厚は通常、陽極2と同様である。
(その他の層)
本発明の有機電界発光素子は、本発明の効果を著しく損なわなければ、更に他の層を有していてもよい。すなわち、陽極2と陰極9との間に、上述の他の任意の層を有していてもよい。
<その他の素子構成>
上述の説明とは逆の構造、即ち、基板上に陰極、電子注入層、発光層、正孔注入層、陽極の順に積層することも可能である。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す構成の有機電界発光素子を作製した。
<陽極>
ガラス製の基板1上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を厚さ70nmに成膜したもの(スパッタ成膜品、シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術により2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。陽極2を形成した基板1(ITO基板)を、純水による超音波洗浄、純水による水洗の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄の処理を行った。
<正孔注入層>
次いで、正孔注入層3を以下のように湿式成膜法によって形成した。
正孔輸送性化合物として、下記式(P1)で表される繰り返し構造を有する高分子化合物(重量平均分子量 52000)を2.0質量%、電子受容性化合物として4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートを0.4質量%、安息香酸エチルに溶解させた正孔注入層形成用組成物を調製し、この正孔注入層形成用組成物を、前記ITO基板上にスピンコート法により成膜し、さらに加熱乾燥することにより、膜厚32nmの正孔注入層3を形成した。成膜条件は以下の通りであった。
<成膜条件>
スピンコート条件:スピナ回転数500rpm/2秒 →2100rpm/30秒
加熱乾燥条件:230℃のクリーンオーブン内に1時間放置
Figure 0006950710
<正孔輸送層>
次いで、形成された正孔注入層3上に、以下の通り、湿式成膜法によって正孔輸送層4を形成した。
架橋性化合物として、以下に示す繰り返し構造の高分子化合物(HT−1)(重量平均分子量:53000)を溶剤としてシクロヘキシルベンゼンに溶解させて正孔輸送層形成用組成物を調製した。該正孔輸送層形成用組成物における、該高分子化合物(HT−1)の濃度は2.0質量%であった。
Figure 0006950710
該正孔輸送層形成用組成物を、正孔注入層3上にスピンコート法により成膜し、さらに加熱乾燥することにより、該高分子化合物(HT−1)を架橋反応させて硬化させ、膜厚21nmの正孔輸送層4を形成した。成膜条件は以下の通りであった。
<成膜条件>
スピンコート条件:スピナ回転数500rpm/2秒 →2900rpm/120秒
加熱乾燥条件:230℃のホットプレート上に1時間放置
<発光層>
次いで、形成された正孔輸送層4上に、以下の通り、発光層5を形成した。 以下に示す化合物(HH−1)、(HH−2)、(H−1)、(LH−1)及び(D−1)を、35:20:35:10:15の質量比で混合し、この混合物が3.45質量%となるようキシレンに溶解させた発光層形成用組成物を調製し、この発光層形成用組成物を窒素雰囲気下で、前記正孔輸送層4上にスピンコート法により成膜し、さらに加熱乾燥することにより、膜厚59nmの発光層5を形成した。成膜条件は以下の通りであった。
<成膜条件>
スピンコート条件:スピナ回転数500rpm/2秒 →1700rpm/120秒
加熱乾燥条件:120℃のホットプレート上に20分放置
Figure 0006950710
Figure 0006950710
Figure 0006950710
Figure 0006950710
Figure 0006950710
なお、上記化合物(HH−1)、(HH−2)、(H−1)及び(LH−1)のTgは、それぞれ159℃、142℃、113℃及び90℃であり、かつ非発光材料であることから、(HH−1)と(HH−2)が本発明の高Tg化合物に相当し、(LH−1)が本発明の低Tg化合物に相当する。低Tg化合物である(LH−1)がピリミジン骨格を有し、かつ単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して、結合した化合物となっている。
各化合物の分子量は、(HH−1)、(HH−2)、(H−1)、(LH−1)及び(D−1)がそれぞれ968.4、866.3、636.3、841.4及び1363.9であり、いずれも分子量5000以下であった。また、発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は10質量%で、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は133℃であった。
<正孔阻止層>
次いで、形成された発光層5上に、真空蒸着法により正孔阻止層6として以下に示す化合物(HB−1)を膜厚10nmとなるように形成した。
Figure 0006950710
<電子輸送層>
次いで、形成された正孔阻止層6上に、真空蒸着法により電子輸送層7として以下に示す化合物(ET−1)を膜厚20nmとなるように形成した。
Figure 0006950710
<電子注入層・陰極>
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を、一度、前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして、陽極であるITOストライプと直交する形状の2mm幅のストライプ状シャドーマスクを素子に密着させ、別の真空蒸着装置内に設置して、電子輸送層7と同様の真空蒸着法により、電子注入層8としてフッ化リチウム(LiF)を膜厚0.5nm、次いで陰極9としてアルミニウムを膜厚80.0nmとなるようにそれぞれ積層した。
<封止>
引き続き、素子が保存中に大気中の水分等で劣化することを防ぐため、以下に記載の方法で封止処理を行った。
真空蒸着装置に連結された窒素グローブボックス中で、23mm×23mmサイズのガラス板の外周部に、約1mmの幅で光硬化性樹脂を塗布し、中央部に水分ゲッターシートを設置した。この上に、陰極形成を終了した基板を、蒸着された面が乾燥剤シートと対向するように貼り合わせた。その後、光硬化性樹脂が塗布された領域のみに紫外光を照射し、樹脂を硬化させた。これにより、2mm×2mmサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。
(実施例2)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、化合物(HH−2)、(LH−1)、(LH−2)、(H−1)及び(D−1)を、15:15:15:55:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。なお、化合物(LH−2)は以下に示す構造を有する化合物であり、Tgは87℃であり、分子量は762.3であった。また、発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は110℃であった。
Figure 0006950710
(実施例3)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、化合物(HH−1)、(H−2)、(H−3)、(LH−1)及び(D−1)を、35:15:35:15:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。なお、化合物(H−2)及び(H−3)は以下に示す構造を有する化合物であり、Tgはそれぞれ129℃、109℃であり、分子量はそれぞれ791.3及び1157.5及びであった。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は15質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は127℃であった。
Figure 0006950710
Figure 0006950710
(実施例4)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、化合物(HH−1)、(LH−1)及び(D−1)を、70:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は138℃であった。
(実施例5)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、(HH−1)、(H−2)、(LH−1)及び(D−1)を、70:15:15:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は15質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は144℃であった。
あった。
(実施例6)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、(HH−1)、(H−3)、(LH−1)、及び(D−1)を、35:35:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%で、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は121℃であった。
あった。
(比較例1)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、(LH−1)、(LH−2)、(H−3)及び(D−1)を、30:35:35:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は96℃であった。
(比較例2)
実施例1において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、(HH−1)、(HH−2)、及び(D−1)を、70:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は154℃であった。
及び及び作製
<有機電界発光素子の駆動寿命の評価>
実施例1〜6並びに比較例1及び2において得られた各有機電界発光素子を100℃の恒温槽内で72時間保存した後に、15mA/cmで駆動させ、輝度7000cd/mで換算したときの15%減衰寿命(LT85)を算出した。そして、比較例のうち、LT85の長かった比較例2のLT85を1とした場合の相対値(以下「加熱後LT85」と称す。)を求めた。各実施例及び比較例の発光層形成用組成物の組成比と、駆動寿命の評価結果を表1に示す。
Figure 0006950710
(実施例7)
図2に示す構成の有機電界発光素子を作製した。
<発光層>
実施例1と同様に陽極から正孔輸送層4まで形成し、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として、(HH−3)、(H−1)、(LH−2)及び(D−1)を、35:35:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例1と同様に発光層を形成した。なお、化合物(HH−3)は以下に示す構造を有する化合物であり、Tgは132℃であり、分子量は868.1であった。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は112℃であった。
Figure 0006950710
<電子輸送層>
次いで、形成された発光層5上に、真空蒸着法により電子輸送層7として以下に示す化合物ET−2と化合物1を、2:3の質量比で混合した混合物を膜厚20nmとなるように形成した。なお、実施例1とは異なり正孔阻止層6は形成しなかった。
Figure 0006950710
Figure 0006950710
<陰極・封止>
次いで陰極9としてアルミニウムを膜厚80.0nmとなるように積層した後、。実施例1と同様に封止処理を行った。なお、実施例1とは異なり、電子注入層8は形成しなかった。
(実施例8)
実施例7において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として化合物(HH−1)、(LH−3)及び(D−1)を、70:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例7と同様に有機電界発光素子を作製した。なお、化合物(LH−3)は以下に示す構造を有する化合物であり、Tgは95℃であり、分子量は586.2であった。また、発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は140℃であった。
Figure 0006950710
(実施例9)
実施例7において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として化合物(HH−1)、(LH−1)、(LH−3)及び(D−1)を、70:15:15:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例7と同様に有機電界発光素子を作製した。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は139℃であった。
(実施例10)
実施例7において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として化合物(HH−1)、(LH−1)及び(D−1)を、70:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例7と同様に有機電界発光素子を作製した。発光層形成用組成物に含まれる全非発光材料の総量に対する低Tg化合物の含有率は30質量%であり、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は138℃であった。
(比較例3)
実施例7において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として化合物(HH−1)、(LH−4)及び(D−1)を、70:30:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例7と同様に有機電界発光素子を作製した。なお、化合物(LH−4)は以下に示す構造を有する化合物であり、Tgは95℃であり、分子量は930.2であった。また、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は140℃であった。
Figure 0006950710
(比較例4)
実施例7において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として化合物(HH−1)、(LH−5)及び(D−1)を、70:30:15の重量比で混合したものに変更したこと以外は実施例7と同様に有機電界発光素子を作製した。なお、化合物(LH−5)は以下に示す構造を有する化合物であり、Tgは86℃であり、分子量は612.8であった。また、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は137℃であった。
Figure 0006950710
(比較例5)
実施例7において、発光層形成用組成物に含まれる非発光材料及び発光材料として化合物(HH−1)、(LH−1)及び(D−1)を、95:5:15の質量比で混合したものに変更したこと以外は実施例7と同様に有機電界発光素子を作製した。なお、全非発光材料の加重平均ガラス転移温度は156℃であった。
<有機電界発光素子の駆動寿命の評価>
実施例7〜10及び比較例3〜5において得られた各有機電界発光素子を100℃の恒温槽内で72時間保存した後に、15mA/cmで駆動させ、輝度7000cd/mで換算したときの15%減衰寿命(LT85)を算出した。そして、比較例のうち、LT85が最も長かった比較例5のLT85を1とした場合の相対値として「加熱後LT85」を求めた。各実施例及び比較例の発光層形成用組成物の組成比と、駆動寿命の評価結果を表2に示す。
Figure 0006950710
表1において、非発光材料として高Tg化合物及び低Tg化合物を含む実施例1〜6では、非発光材料として高Tg化合物又は低Tg化合物のいずれか一方のみを含む比較例1及び比較例2に対して、加熱後においてもLT85が大きく、電圧も低いことが示されている。
表2において、非発光材料としてピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料を含み、かつ低Tg化合物の含有率が特定範囲である実施例7〜10は、LT85が大きくなっている。一方、非発光材料としてピリミジン骨格を有する材料及びトリアジン骨格を有する材料のいずれもを含まない比較例3及び4は、加熱後のLT85が小さくなっている。また、非発光材料としてピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料を含むが、低Tg化合物の含有率が特定範囲から外れる比較例5は、加熱後の電圧が高くなっている。
以上より、実施例1〜10は加熱後でも高い特性が得られており、加熱後であっても優れた有機電界発光素子であることがわかる。
本発明は、有機電界発光素子の発光層形成用組成物として、有機電界発光素子が使用される各種の分野、例えば、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯、照明装置等の分野において、好適に使用することが出来る。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 正孔阻止層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
10 有機電界発光素子

Claims (9)

  1. 発光材料、非発光材料、及び有機溶媒を含む、有機電界発光素子の発光層形成用組成物であって、
    該非発光材料は、ガラス転移温度が130℃以上である高Tg化合物及びガラス転移温度が100℃以下である低Tg化合物とを含み、
    全ての該非発光材料に対する該低Tg化合物の含有率が8〜35質量%であり、
    該非発光材料の内、少なくとも一つはピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料である、発光層形成用組成物。
  2. 前記発光層形成用組成物に含まれる全ての前記非発光材料の総量に対する含有率が1.0質量%以上である全ての各非発光材料の分子量が5000以下である、請求項1に記載の発光層形成用組成物。
  3. 全ての前記発光材料の分子量が5000以下である、請求項1又は2に記載の発光層形成用組成物。
  4. 前記発光層形成用組成物に含まれる、ピリミジン骨格又はトリアジン骨格を有する材料が、前記高Tg化合物及び/又は前記低Tg化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
  5. 前記発光層形成用組成物に含まれる全ての前記非発光材料の加重平均ガラス転移温度が100℃以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
  6. 前記低Tg化合物が、単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
  7. 前記低Tg化合物が、芳香族炭化水素単環化合物同士が直接結合及び/又は連結基を介して結合した化合物のみからなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
  8. 前記低Tg化合物が、下記の構造式(A)で表される化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物。
    Figure 0006950710
    [式(A)において、R1〜R15は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数6〜30の、フェニル基若しくは芳香族炭化水素単環化合物が結合した一価の化合物を表す。]
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光層形成用組成物を用いて湿式成膜した発光層を有する有機電界発光素子。
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