JP6950279B2 - 焼結体の製造方法及び焼結体 - Google Patents

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Description

本発明は、無機粉末を含む粉体を焼成することにより焼結体を得る、焼結体の製造方法及び焼結体に関する。
従来より、セラミック粉末、ガラス粉末等の無機粉末を含む粉体を所望の形状の成形物に成形し、前記成形物を焼成することで焼結体を製造することが行われている。
前記成形物を焼成する際には、粉体の粒界面に存在する空隙に起因する気泡が発生するが、得られた焼結体の内部に気泡が存在すると、焼結体の強度が低下するといった問題が生じる。
また、無機粉末として、ガラス粉末と蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより得られ、照射された所定の波長の光を前記所定の波長とは異なる波長の光に変換する焼結体の場合、内部に気泡が存在すると、強度低下に加えて光の変換効率が低下するといった問題が生じる。
従って、従来においては、例えば特許文献1に記載されるように、ガラス粉末と蛍光体粉末との混合物を減圧雰囲気下にて焼成することにより、焼成時に発生する気泡を焼結体の内部から除去することが行われている。
特開2008−143978号公報
しかし、前述のように、ガラス粉末と蛍光体粉末との混合物を減圧雰囲気下にて焼成した場合においても気泡を完全に除去することはできず、焼結体の内部にある程度の気泡が残存した状態となる。このように、焼結体の内部に気泡が残存した状態では、焼結体の強度を十分に高めることが困難であった。また、透明度の高い焼結体を得ることができず、焼結体における光の変換効率を十分に高めることが困難であった。
そこで、本発明においては、無機粉末を含む粉体を焼成することによって焼結体を得る際に、焼結体内部に残存する気泡の、焼結体に対して占める割合を十分に小さくすることができる焼結体の製造方法及び焼結体を提供するものである。
上記課題を解決する焼結体の製造方法及び焼結体は、以下の特徴を有する。
即ち、本発明に係る焼結体の製造方法は、請求項1記載の如く、無機粉末を含む粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程と、前記成形物を焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼成工程の後に、前記成形物を冷却する冷却工程とを備え、前記焼成工程は、前記成形物を1気圧未満の圧力である第1圧力の雰囲気下で焼成する第1焼成工程と、前記第1焼成工程中に焼成雰囲気の真空破壊を行って、前記成形物を前記第1圧力よりも高い圧力である第2圧力の雰囲気下で焼成する第2焼成工程とを備える。
また、請求項2記載の如く、前記無機粉末が、ガラス粉末である。
また、請求項3記載の如く、前記第1焼成工程において、前記成形物を、前記ガラス粉末の屈伏点以下の温度から、前記ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度まで昇温する。
また、請求項4記載の如く、前記真空破壊は、前記ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度にて行う。
また、請求項5記載の如く、前記第1圧力は、500Pa以下である。
また、請求項6記載の如く、前記第2圧力は、0.8気圧以上である。
また、請求項7記載の如く、前記焼成工程の前に、前記成形物を加熱して前記成形物から水分を除去する乾燥工程を有する。
また、請求項8記載の如く、前記粉体は、さらにセラミック粉末を含む。
また、請求項9記載の如く、前記粉体は、さらに蛍光体粉末を含む。
また、請求項10記載の如く、前記粉体は、さらにセラミック粉末及び蛍光体粉末を含む。
また、請求項11記載の如く、前記粉体は、平均粒子径(D50)が100μm以下である粒度を有する。
また、本発明に係る焼結体は、請求項12記載の如く、気泡の数が、2ケ/mm以下である。
本発明によれば、焼結体内部に残存する気泡の、焼結体に対して占める割合が十分に小さい焼結体を得ることができる。
ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより焼結体を製造する際のフローを示す図である。 粉体を焼成することにより焼結体を製造する際の、加熱炉の制御温度プロファイル、加熱炉内の温度プロファイル、及び雰囲気圧力のプロファイルを示す図である。
次に、本発明に係る焼結体の製造方法を実施するための形態について説明する。
本発明に係る焼結体の製造方法は、無機粉末を含む粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程と、前記成形物を焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼成工程の後に、前記成形物を冷却する冷却工程とを備え、前記焼成工程は、前記成形物を1気圧未満の圧力である第1圧力の雰囲気下で焼成する第1焼成工程と、前記第1焼成工程中に焼成雰囲気の真空破壊を行って、前記成形物を前記第1圧力よりも高い圧力である第2圧力の雰囲気下で焼成する第2焼成工程とを備えるものである。
前記粉体に含まれる無機粉末としては、ガラス粉末を用いることができる。なお、ガラス粉末のガラス組成は特に限定されるものではないが、例えば、SiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−ZnO系、SiO−B−TiO−ZnO−Nb系、及びSnO−P−B系等の組成系を有するガラス粉末を用いることができる。
前記粉体は、ガラス粉末に加えて、アルミナ(Al)等のセラミック粉末を含んでいてもよい。
また、前記粉体は、ガラス粉末に加えて、蛍光体粉末を含んでいてもよい。
さらに、前記粉体は、ガラス粉末に加えて、セラミック粉末及び蛍光体粉末を含んでいてもよい。
なお、前記粉体は、平均粒子径(D50)が100μm以下である粒度を有することが好ましい。より好ましくは平均粒子径(D50)が80μm以下であり、さらに好ましくは平均粒子径(D50)が60μm以下であり、最も好ましくは平均粒子径(D50)が50μm以下である。平均粒子径(D50)が上記上限を超えると、所望する粉体形状への成形が困難になるおそれがある。平均粒子径(D50)の下限は特に限定されないが、生産性の観点から0.5μm程度とすることができる。
蛍光体粉末を構成する蛍光体は、ある波長の光を吸収し、吸収した光の波長とは異なる波長の光(即ち蛍光)を放出する物質であり、例えば250nm〜500nmの波長の領域に発光ピークを有する光を照射すると、波長が380nm〜780nmの可視光域に蛍光を発する。
蛍光体粉末としては、例えば可視光域に発光ピークを有する無機蛍光体粉末を用いることができる。無機蛍光体粉末としては、例えば酸化物、窒化物、酸窒化物、塩化物、酸塩化物、硫化物、酸硫化物、ハロゲン化物、カルコゲン化物、アルミン酸塩、ハロリン酸塩化物、YAG系化合物等からなるものがある。
ガラス粉末及び蛍光体粉末を含んだ粉体、並びにガラス粉末、セラミック粉末及び蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより得られる焼結体は、例えば紫外(250nm〜400nmの波長)や青色(400nm〜500nmの波長)の励起光を照射すると、少なくともその一部を吸収して可視光域の蛍光に変換する発光色変換部材として用いることができる。このような発光色変換部材は、例えば、板状、柱状、筒状、半球状等のそれ自身が特定の形状を有する部材、及び基材表面に形成された被膜として構成することができる。
次に、少なくともガラス粉末を含んだ粉体の一例である、ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより焼結体を製造する際のフローについて説明する。
図1に示すように、まず、ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末を混合して(S01)、ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末を含んだ粉体を得る。
次に、前記粉体を所望の形状に成形して、成形物を形成する(S02)。つまり、粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程を実施する。なお、成形物の成形方法には、粉体のままプレスする成形方法や、粉体、有機溶剤、樹脂バインダー等からなるスラリーをシート状に成形する方法を用いることができる。
成形工程の後に、得られた成形物を加熱して、成形物から水分や有機溶剤、樹脂バインダー等を除去する乾燥工程を実施する(S03)。乾燥工程においては、炉内温度が所定の温度になるように制御した加熱炉に成形物を入れることにより、成形物を加熱する。
乾燥工程において成形物が加熱されると、成形物に付着している水分が蒸発して水蒸気となり、成形物から除去される。
図2には、加熱炉の制御温度プロファイルが2点鎖線で示されており、加熱炉における実際の炉内温度のプロファイルが実線で示されており、加熱炉における炉内雰囲気の圧力プロファイルが鎖線にて示されている。
本実施形態の乾燥工程においては、加熱炉の制御温度は200℃に設定されている。加熱炉における実際の炉内温度は、乾燥工程が開始された時刻T0から上昇し、少なくとも乾燥工程が終了する時刻T1においては、炉内温度は200℃に達する。また、乾燥工程は、炉内雰囲気が大気圧となる大気圧雰囲気下にて行われる。
乾燥工程が終了する時刻T1になると、加熱炉の炉内雰囲気を昇温させるとともに減圧して(S04)、成形物を1気圧(1.013×10Pa)未満の圧力である第1圧力の雰囲気下で焼成する(S05)。加熱炉の炉内雰囲気の昇温は、加熱炉内に設置されたヒータにより行い、加熱炉の炉内雰囲気の減圧は、加熱炉に接続された減圧ポンプにより行う。
成形物を第1圧力の雰囲気下で焼成する工程は第1焼成工程であり、第1焼成工程においては、成形物を、ガラス粉末の屈伏点以下の温度から、ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度まで昇温される。
第1焼成工程においては、焼成雰囲気が1気圧未満の第1圧力に減圧されているため、成形物がガラス粉末の屈伏点以下の温度にあるときに、ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末の粒界面に存在する空隙に含まれる大気成分が成形物内から容易に脱気される。
成形物に含まれる大気成分を脱気するといった観点からは、第1圧力は小さい方が有利である。従って、第1圧力は500Pa以下の圧力であることが好ましく、20Pa以下の圧力であるとより好ましく、10Pa以下の圧力であるとさらに好ましい。
このように、成形物を1気圧未満となる第1圧力の雰囲気下にて焼成し、成形物に含まれる大気成分を脱気することにより、成形物がガラス粉末の屈伏点よりも高い温度に加熱されて軟化流動した際に、成形物内に残存する気泡を削減することが可能となっている。
この場合、第1圧力を500Pa以下の低い圧力とすることで、成形物内の大気成分を効果的に脱気して、残存する気泡を大きく削減することが可能となる。
また、第1焼成工程においては、成形物はガラス粉末の屈伏点以下の温度から加熱されるため、成形物が軟化流動する前に大気成分を脱気することができ、成形物内に残存する気泡の削減を効率的に行うことが可能となっている。
但し、ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度に加熱されて軟化流動すると、成形物から完全に気泡を除去することは困難であり、多少の気泡が成形物内に残存することとなる。
本実施形態においては、加熱炉内における焼成雰囲気の圧力は、第1焼成工程の開始時刻となる時刻T1を経過した後、大気圧から40Pa程度まで一気に低下する。その後、一旦100Pa程度まで上昇した後、再度低下して10Pa以下の圧力に達する。
第1焼成工程において、加熱炉内の焼成雰囲気が40Pa程度まで低下した後に100Pa程度まで上昇するのは、以下の理由による。つまり、成形物には乾燥工程で除去しきれなかった水分が残存しており、その残存している水分が、焼成雰囲気が減圧されることにより蒸発して水蒸気になる。これにより、40Pa程度まで低下した焼成雰囲気の圧力が100Pa程度まで上昇する。
但し、成形物に付着している水分の多くは、第1焼成工程の前に行われる乾燥工程にて除去されているため、第1焼成工程において成形物に残存している水分は僅かであり、減圧能力が小さな減圧ポンプを用いた場合でも、第1焼成工程における焼成雰囲気の圧力を所望の第1圧力にまで到達させることが可能となっている。
第1焼成工程においては、成形物の昇温速度が時刻T1から時刻T2までの間と、時刻T2から時刻T3までの間とで異なっている。具体的には、第1焼成工程が開始した直後の時刻T1から時刻T2までの間よりも、その後の時刻T2から時刻T3までの間の方が、昇温速度が小さくなっている。
これは、第1焼成工程に要する時間を短くするためには、成形物の昇温速度を大きくした方が有利ではあるが、昇温速度を大きくし過ぎると、加熱される成形物のガラス粉末の屈伏点よりも高い温度への到達時刻が早くなって第1焼成工程の時間が短くなるため、焼成雰囲気の減圧速度が間に合わなくなり、所望の圧力まで減圧することが困難になるためである。
従って、時刻T2から時刻T3までの間の昇温速度を小さくして、第1焼成工程に要する時間を適度に確保し、第1焼成工程における焼成雰囲気を所望の圧力まで減圧することを可能としている。
なお、本実施形態では、昇温速度が切り替えられる時刻T2は、成形物がガラス粉末のガラス転位点となる温度まで加熱される時刻に設定されている。
第1焼成工程においては、成形物は、ガラス粉末の屈伏点以下の温度からガラス粉末の屈伏点よりも高い温度まで昇温され、さらにガラス粉末の軟化点よりも高い温度まで加熱される。
例えば成形物に含まれるガラス粉末の軟化点が835℃である場合、時刻T1において200℃に加熱されている成形物は、時刻T3において880℃まで加熱される。
第1焼成工程は、時刻T1から時刻T3まで行われる。
時刻がT3に達すると、加熱炉における焼成雰囲気の真空破壊を行って、焼成雰囲気の圧力を第1圧力よりも高い圧力である第2圧力まで上昇させる(S06)。焼成雰囲気の真空破壊は、例えば減圧状態にある加熱炉内を大気に開放して、加熱炉内に大気を流入させることにより行われる。
その後、成形物を第2圧力の雰囲気下で焼成する(S07)。第2圧力は、0.8気圧以上の圧力であることが好ましく、本実施形態においては、大気圧としている。
成形物を第2圧力の雰囲気下で焼成する工程は第2焼成工程であり、第2焼成工程は時刻T3から時刻T4まで行われる。第2焼成工程においては、成形物は第1焼成工程における加熱温度よりも高い温度に加熱され、例えば時刻T4において930℃程度まで加熱される。
第2焼成工程においては、成形物は、ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度(本実施形態においては880℃)に加熱されて軟化した状態で、第1圧力よりも高い圧力である第2圧力にて焼成されるため、成形物内に残留している気泡が焼成雰囲気の圧力により圧縮されて、第1焼成工程におけるサイズよりも小さなサイズの気泡となる。
特に、第2圧力を0.8気圧以上の高い圧力とすることで、第1圧力と第2圧力との圧力差を大きくすることができ、成形物内に残留している気泡の圧縮度合を高めることができる。
第2焼成工程では、第1焼成工程において第1圧力にて焼成された際に成形物内に残留した気泡を、第2圧力にて焼成することで圧縮させるため、第1圧力と第2圧力との圧力差は大きい方が好ましい。
具体的には、第1圧力が500Pa以下、且つ第2圧力が0.8気圧以上であることが好ましく、第1圧力が20Pa以下、且つ第2圧力が0.8気圧以上であることがより好ましく、第1圧力が10Pa以下、且つ第2圧力が0.8気圧以上であることがなお好ましい。
さらには、第1圧力が500Pa以下、且つ第2圧力が1気圧であることが好ましく、第1圧力が20Pa以下、且つ第2圧力が1気圧であることがより好ましく、第1圧力が10Pa以下、且つ第2圧力が1気圧であることが特に好ましい。
第1焼成工程の後に行われる焼成雰囲気の真空破壊は、ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度にて行われるが、その温度はガラス粉末の軟化点よりも100℃程度高い温度以下であることが好ましい。
これは、焼成雰囲気の真空破壊を行って成形物を第1圧力よりも高い第2圧力にて加圧して焼成する際に、成形物内の気泡を効果的に圧縮するためには成形物をガラス粉末の屈伏点よりも高い温度に加熱して軟化流動させることが好ましいが、成形物の温度がガラス粉末の軟化点よりも100℃程度高い温度を超えると、成形物の流動度合が高くなり過ぎて、成形物の形状を保持できなくなるおそれがあるためである。また、成形物に含まれる蛍光体が熱により劣化するおそれがあるためである。
時刻T4の経過後は、炉内雰囲気の温度を降温させて成形物を冷却する(S08)。冷却された成形物は固化し、焼結体が得られる。時刻T4以降の、成形物を冷却して固化させる工程は冷却工程である。
本実施形態においては、冷却工程は、炉内雰囲気の圧力を、第2焼成工程と同じ大気圧に保持したままの状態で行われる。成形物は、炉内雰囲気を大気圧に保持した状態で冷却、固化されるため、残留している気泡が圧縮されて小さなサイズとなったままの状態で焼結体を得ることができる。
得られた焼結体は、残存する気泡が圧縮されて小さなサイズとなっているため、焼結体に対する気泡の占める割合が十分に小さくなっており、高い強度を有するとともに、透明度が高く光の変換効率に優れた焼結体となる。
本実施形態では、冷却工程における炉内雰囲気の圧力は、第2焼成工程における第2圧力と同じ大気圧に設定しているが、これに限るものではない。
つまり、冷却工程における圧力は、第1焼成工程における第1圧力よりも高い圧力であれば、第2焼成工程における第2圧力と異なる圧力に設定することも可能である。
但し、冷却工程においては、第2焼成工程で圧縮されて小さくなった気泡のサイズを保持したまま成形物を固化させるために、0.8気圧以上の圧力であることが好ましく、1気圧であることがより好ましい。
上述のように、本実施形態においては、ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより焼結体を製造する際のフローについて説明したが、当該フローは、ガラス粉末及び蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより焼結体を製造する際にも適用することができる。
この場合においても、得られた焼結体は、焼結体に対する気泡の占める割合が十分に小さくなっており、高い強度を有するとともに、透明度が高く光の変換効率に優れた焼結体となる。
さらに、当該フローは、ガラス粉末及びセラミック粉末を含んだ粉体を焼成することにより焼結体を製造する際にも適用することができる。
この場合、得られた焼結体は、焼結体に対する気泡の占める割合が十分に小さくなっており、高い強度を有する焼結体となる。
なお、高い強度を有し、蛍光体粉末を含む場合には、高い強度を有すると共に、透明度が高く光の変換効率に優れた焼結体とするには、焼結体に残存する気泡の数が、2ケ/mm以下とする必要がある。好ましくは1ケ/mm以下であり、より好ましくは0.5ケ/mm以下であり、さらに好ましくは0.1ケ/mm以下である。気泡の数が大きくなると、焼結体の強度が低下したり、蛍光体粉末を含む場合には、透明度が高く光の変換効率に優れた焼結体が得にくくなる。
また、気泡の大きさは直径で10μm以下であることが好ましい。より好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下であり、最も好ましくは1μm以下である。気泡が大きくなりすぎると、焼結体の強度が低下したり、蛍光体粉末を含む場合には、透明度が高く光の変換効率に優れた焼結体が得にくくなる。

Claims (9)

  1. ガラス粉末を含む粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程と、
    前記成形物を焼成して焼結体を得る焼成工程と、
    前記焼成工程の後に、前記成形物を冷却する冷却工程とを備え、
    前記焼成工程は、
    前記成形物を500Pa以下の第1圧力の雰囲気下で、前記ガラス粉末の屈伏点以下の温度にて焼成する第1焼成工程と、
    前記第1焼成工程中に焼成雰囲気の真空破壊を行って、前記成形物を前記第1圧力よりも高い圧力である第2圧力の雰囲気下で焼成する第2焼成工程とを備える、
    ことを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 前記第1焼成工程において、前記成形物を、前記ガラス粉末の屈伏点以下の温度から、前記ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度まで昇温する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記真空破壊は、前記ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度にて行う、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記第2圧力は、0.8気圧以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
  5. 前記焼成工程の前に、前記成形物を加熱して前記成形物から水分を除去する乾燥工程を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
  6. 前記粉体は、さらにセラミック粉末を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
  7. 前記粉体は、さらに蛍光体粉末を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
  8. 前記粉体は、さらにセラミック粉末及び蛍光体粉末を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
  9. 前記粉体は、平均粒子径(D50)が100μm以下である粒度を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
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