JP6950279B2 - 焼結体の製造方法及び焼結体 - Google Patents
焼結体の製造方法及び焼結体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6950279B2 JP6950279B2 JP2017102978A JP2017102978A JP6950279B2 JP 6950279 B2 JP6950279 B2 JP 6950279B2 JP 2017102978 A JP2017102978 A JP 2017102978A JP 2017102978 A JP2017102978 A JP 2017102978A JP 6950279 B2 JP6950279 B2 JP 6950279B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sintered body
- powder
- molded product
- pressure
- firing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
Description
また、無機粉末として、ガラス粉末と蛍光体粉末を含んだ粉体を焼成することにより得られ、照射された所定の波長の光を前記所定の波長とは異なる波長の光に変換する焼結体の場合、内部に気泡が存在すると、強度低下に加えて光の変換効率が低下するといった問題が生じる。
即ち、本発明に係る焼結体の製造方法は、請求項1記載の如く、無機粉末を含む粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程と、前記成形物を焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼成工程の後に、前記成形物を冷却する冷却工程とを備え、前記焼成工程は、前記成形物を1気圧未満の圧力である第1圧力の雰囲気下で焼成する第1焼成工程と、前記第1焼成工程中に焼成雰囲気の真空破壊を行って、前記成形物を前記第1圧力よりも高い圧力である第2圧力の雰囲気下で焼成する第2焼成工程とを備える。
また、前記粉体は、ガラス粉末に加えて、蛍光体粉末を含んでいてもよい。
さらに、前記粉体は、ガラス粉末に加えて、セラミック粉末及び蛍光体粉末を含んでいてもよい。
次に、前記粉体を所望の形状に成形して、成形物を形成する(S02)。つまり、粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程を実施する。なお、成形物の成形方法には、粉体のままプレスする成形方法や、粉体、有機溶剤、樹脂バインダー等からなるスラリーをシート状に成形する方法を用いることができる。
乾燥工程において成形物が加熱されると、成形物に付着している水分が蒸発して水蒸気となり、成形物から除去される。
本実施形態の乾燥工程においては、加熱炉の制御温度は200℃に設定されている。加熱炉における実際の炉内温度は、乾燥工程が開始された時刻T0から上昇し、少なくとも乾燥工程が終了する時刻T1においては、炉内温度は200℃に達する。また、乾燥工程は、炉内雰囲気が大気圧となる大気圧雰囲気下にて行われる。
第1焼成工程においては、焼成雰囲気が1気圧未満の第1圧力に減圧されているため、成形物がガラス粉末の屈伏点以下の温度にあるときに、ガラス粉末、セラミック粉末、及び蛍光体粉末の粒界面に存在する空隙に含まれる大気成分が成形物内から容易に脱気される。
この場合、第1圧力を500Pa以下の低い圧力とすることで、成形物内の大気成分を効果的に脱気して、残存する気泡を大きく削減することが可能となる。
但し、ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度に加熱されて軟化流動すると、成形物から完全に気泡を除去することは困難であり、多少の気泡が成形物内に残存することとなる。
第1焼成工程において、加熱炉内の焼成雰囲気が40Pa程度まで低下した後に100Pa程度まで上昇するのは、以下の理由による。つまり、成形物には乾燥工程で除去しきれなかった水分が残存しており、その残存している水分が、焼成雰囲気が減圧されることにより蒸発して水蒸気になる。これにより、40Pa程度まで低下した焼成雰囲気の圧力が100Pa程度まで上昇する。
従って、時刻T2から時刻T3までの間の昇温速度を小さくして、第1焼成工程に要する時間を適度に確保し、第1焼成工程における焼成雰囲気を所望の圧力まで減圧することを可能としている。
なお、本実施形態では、昇温速度が切り替えられる時刻T2は、成形物がガラス粉末のガラス転位点となる温度まで加熱される時刻に設定されている。
例えば成形物に含まれるガラス粉末の軟化点が835℃である場合、時刻T1において200℃に加熱されている成形物は、時刻T3において880℃まで加熱される。
第1焼成工程は、時刻T1から時刻T3まで行われる。
その後、成形物を第2圧力の雰囲気下で焼成する(S07)。第2圧力は、0.8気圧以上の圧力であることが好ましく、本実施形態においては、大気圧としている。
特に、第2圧力を0.8気圧以上の高い圧力とすることで、第1圧力と第2圧力との圧力差を大きくすることができ、成形物内に残留している気泡の圧縮度合を高めることができる。
さらには、第1圧力が500Pa以下、且つ第2圧力が1気圧であることが好ましく、第1圧力が20Pa以下、且つ第2圧力が1気圧であることがより好ましく、第1圧力が10Pa以下、且つ第2圧力が1気圧であることが特に好ましい。
これは、焼成雰囲気の真空破壊を行って成形物を第1圧力よりも高い第2圧力にて加圧して焼成する際に、成形物内の気泡を効果的に圧縮するためには成形物をガラス粉末の屈伏点よりも高い温度に加熱して軟化流動させることが好ましいが、成形物の温度がガラス粉末の軟化点よりも100℃程度高い温度を超えると、成形物の流動度合が高くなり過ぎて、成形物の形状を保持できなくなるおそれがあるためである。また、成形物に含まれる蛍光体が熱により劣化するおそれがあるためである。
本実施形態においては、冷却工程は、炉内雰囲気の圧力を、第2焼成工程と同じ大気圧に保持したままの状態で行われる。成形物は、炉内雰囲気を大気圧に保持した状態で冷却、固化されるため、残留している気泡が圧縮されて小さなサイズとなったままの状態で焼結体を得ることができる。
つまり、冷却工程における圧力は、第1焼成工程における第1圧力よりも高い圧力であれば、第2焼成工程における第2圧力と異なる圧力に設定することも可能である。
但し、冷却工程においては、第2焼成工程で圧縮されて小さくなった気泡のサイズを保持したまま成形物を固化させるために、0.8気圧以上の圧力であることが好ましく、1気圧であることがより好ましい。
この場合においても、得られた焼結体は、焼結体に対する気泡の占める割合が十分に小さくなっており、高い強度を有するとともに、透明度が高く光の変換効率に優れた焼結体となる。
この場合、得られた焼結体は、焼結体に対する気泡の占める割合が十分に小さくなっており、高い強度を有する焼結体となる。
Claims (9)
- ガラス粉末を含む粉体を所望の形状に成形することにより成形物を得る成形工程と、
前記成形物を焼成して焼結体を得る焼成工程と、
前記焼成工程の後に、前記成形物を冷却する冷却工程とを備え、
前記焼成工程は、
前記成形物を500Pa以下の第1圧力の雰囲気下で、前記ガラス粉末の屈伏点以下の温度にて焼成する第1焼成工程と、
前記第1焼成工程中に焼成雰囲気の真空破壊を行って、前記成形物を前記第1圧力よりも高い圧力である第2圧力の雰囲気下で焼成する第2焼成工程とを備える、
ことを特徴とする焼結体の製造方法。 - 前記第1焼成工程において、前記成形物を、前記ガラス粉末の屈伏点以下の温度から、前記ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度まで昇温する、
ことを特徴とする請求項1に記載の焼結体の製造方法。 - 前記真空破壊は、前記ガラス粉末の屈伏点よりも高い温度にて行う、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼結体の製造方法。 - 前記第2圧力は、0.8気圧以上である、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。 - 前記焼成工程の前に、前記成形物を加熱して前記成形物から水分を除去する乾燥工程を有する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。 - 前記粉体は、さらにセラミック粉末を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。 - 前記粉体は、さらに蛍光体粉末を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。 - 前記粉体は、さらにセラミック粉末及び蛍光体粉末を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。 - 前記粉体は、平均粒子径(D50)が100μm以下である粒度を有する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017102978A JP6950279B2 (ja) | 2017-05-24 | 2017-05-24 | 焼結体の製造方法及び焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017102978A JP6950279B2 (ja) | 2017-05-24 | 2017-05-24 | 焼結体の製造方法及び焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018197180A JP2018197180A (ja) | 2018-12-13 |
JP6950279B2 true JP6950279B2 (ja) | 2021-10-13 |
Family
ID=64663528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017102978A Active JP6950279B2 (ja) | 2017-05-24 | 2017-05-24 | 焼結体の製造方法及び焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6950279B2 (ja) |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5035209A (ja) * | 1973-07-02 | 1975-04-03 | ||
JP3158523B2 (ja) * | 1991-08-09 | 2001-04-23 | 東ソー株式会社 | オキシナイトライドガラスの製造方法 |
JP2003031117A (ja) * | 2001-07-10 | 2003-01-31 | Nec Corp | 誘電体層の製造方法及び製造装置 |
JP5068924B2 (ja) * | 2004-02-20 | 2012-11-07 | 中外炉工業株式会社 | ガラスパネル組立体の連続封着処理炉および封着処理方法 |
JP2009096653A (ja) * | 2007-10-15 | 2009-05-07 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 色変換部材の製造方法 |
JP5963345B2 (ja) * | 2012-02-24 | 2016-08-03 | 学校法人上智学院 | 焼結体の製造方法 |
JP6037217B2 (ja) * | 2012-10-05 | 2016-12-07 | 日立金属株式会社 | 窒化珪素質焼結体の製造方法 |
JP6425001B2 (ja) * | 2013-10-03 | 2018-11-21 | 日本電気硝子株式会社 | 波長変換材料、波長変換部材及び発光デバイス |
-
2017
- 2017-05-24 JP JP2017102978A patent/JP6950279B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018197180A (ja) | 2018-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4747587B2 (ja) | フッ化カルシウム焼結体の製造方法 | |
US20180180975A1 (en) | Wavelength conversion member and light-emitting device | |
TWI654078B (zh) | 陶瓷磷光板及包括其之照明裝置 | |
JP2007123261A (ja) | ステレオリソグラフィーを用いたセラミック製放電容器の製造方法 | |
WO2010140417A1 (ja) | 波長変換用ガラス部材の製造方法 | |
CN104061531B (zh) | 一种波长转换装置的制作方法 | |
JP2020095233A (ja) | 波長変換部材及び波長変換素子、並びにそれらの製造方法、並びに発光装置 | |
JP2012503553A (ja) | 金属溶融体で鋳造するための鋳型を製造する方法 | |
JP6950279B2 (ja) | 焼結体の製造方法及び焼結体 | |
US20110203760A1 (en) | Method for making a mold for casting highly reactive molten masses | |
JP2008095196A (ja) | 通電焼結装置 | |
JP2009113477A (ja) | セラミックス成形体とその製造方法 | |
CN112775392A (zh) | 模具粘接剂的制造方法、模具的制造方法及模具 | |
KR20150109636A (ko) | 벽돌 제조방법 | |
JP2005097078A (ja) | 三次元構造体の製造方法およびそれを用いたセラミック焼結体並びにこれを用いた半導体・液晶製造装置用部材 | |
JP2005523872A (ja) | 反応結合炭化ケイ素の製造方法 | |
KR20200131588A (ko) | 친환경 파티클보드 제조 방법 및 그 제조 방법으로 제조된 파티클보드 | |
JPH04370644A (ja) | 高輝度放電灯用発光管とその製造方法 | |
JP5963345B2 (ja) | 焼結体の製造方法 | |
JP2010280537A (ja) | 波長変換用ガラス部材の製造方法 | |
KR20200052841A (ko) | 탄소 분말을 갖는 MoCu 방열 소재 및 이의 제조 방법 | |
TWI729330B (zh) | 玻璃中螢光體顏色轉換元件的製造方法 | |
KR101047142B1 (ko) | 와이어 본딩용 캐필러리 제조 방법 및 이에 의한 와이어 본딩용 캐필러리 | |
JP2010283191A (ja) | 波長変換用ガラス部材の製造方法 | |
TWI689474B (zh) | 玻璃中螢光體顏色轉換元件的製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200217 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210312 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210511 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210713 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210720 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210824 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210906 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6950279 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |