(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、例えばインターネットバンキングやモバイルネットワーキング(以下では、「オンラインバンキング」と呼ぶ。)などを利用して、予約登録した取引内容をコード化し、現金処理装置がコード情報を読み取って現金取引を行なうシステムに、本発明を適用する場合を例示する。
なお、特許請求の範囲に記載の「取引実行装置」は、以下の第1〜第10の実施形態で説明する携帯端末を含む概念である。同様に、特許請求の範囲に記載の「取引実行プログラム」は、以下の第1〜第10の実施形態で説明する携帯端末に搭載される取引処理部210を含む概念である。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図1は、第1の実施形態に係る取引処理システム(情報通信システム)の全体構成を示す全体構成図である。
図1において、第1の実施形態に係る取引処理システム9は、現金処理装置1、携帯端末2、連携サーバ3、インターネットバンキングサーバ(以下、「IBサーバ」とも呼ぶ。)4、ホストサーバ5を有する。図1に示すネットワーク7は、例えば無線通信網であり、携帯端末2と連携サーバ3との間で情報を授受する通信網である。
現金処理装置1は、少なくともホストサーバ5との間で取引に係る電文を授受できない状態(すなわち、オフライン状態)にある装置である。ここで、オフライン状態とは、ホストサーバ5に対して通信できない状態を意味する。オフライン状態は、リアルタイムにより若しくはバッチ処理等のように所定時間ごとに、現金処理装置1がホストサーバ5と直接通信できない状態だけを意図するのではなく、図1の連携サーバ3等を通じて間接的にホストサーバ5と通信できない状態も含むことを意図する。
現金処理装置1は、外観構成として、現金の挿入または排出を行なう入出金部11と、コード読取部12とを有する。コード読取部12に携帯端末2がかざされ、コード読取部12が携帯端末2に表示されるコード情報を読み取り、現金処理装置1はコード情報に基づいて復元した取引データに基づいて取引処理を実施する。また、現金処理装置1は、取引した取引データを記録する。
ここで、第1の実施形態では、現金処理装置1が、タッチパネルディスプレイ等の操作表示部を備えていないモニターレスATMである場合を例示する。操作表示部を備えていないため小型にすることができ、例えば現金処理装置1を車両等に搭載することができ移動型店舗として活用することができる。
なお、第1の実施形態では、現金処理装置1がモニターレスATMである場合を例示するが、これに限定されるものではない。例えば、タッチパネルディスプレイ等の操作表示部を備えたものや、通帳やカード等を挿入・排出する媒体処理部を備えたものであってもよい。また、現金処理装置1自体が、操作表示部や媒体処理部を搭載せず、操作表示部や媒体処理部等をそれぞれ別個のモジュールとし、現金処理装置1がこれらモジュールの一部又は全部と接続可能なものであってもよい。
携帯端末2は、ネットワーク7を通じて、連携サーバ3と接続可能であり、連携サーバ3を介して、インターネットバンキングにより、取引内容を予約登録し、その取引内容を示すコード情報(例えば、二次元コード等)を取得し、このコード情報(例えば、二次元コード)を記憶する。
また、携帯端末2は、コード情報を表示画面に表示することができる。上述したように、取引を行なう際、顧客が、現金処理装置1のコード読取部12に、コード情報を表示している携帯端末2をかざして、予約登録した取引内容の取引を実施する。
携帯端末2は、通信機能、操作表示部を有する端末であれば、様々な端末を適用することができ、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、ゲーム端末、電子書籍端末、ウェラブル端末等を適用できる。携帯端末2は、インターネットバンキングを利用したアプリケーションソフトウェアをインストールして実施することにより取引処理を実施することができる。
連携サーバ3は、インターネットバンキングの仕組みと連携をとるため、IBサーバ4及びホストサーバ5と接続可能であり、IBサーバ4との間で取引に関する情報を授受するものである。また、連携サーバ3は、ネットワーク7を通じて、携帯端末2との間で情報の授受を行なう。
連携サーバ3は、携帯端末2から取引内容の予約登録要求を受けて、携帯端末2から受信した取引内容を含む取引実行の許可要求信号を、IBサーバ4及びホストサーバ5に送信する。また、IBサーバ4及びホストサーバ5により取引実行が許可されると、連携サーバ3は、取引実行の許可応答信号を携帯端末2に送信すると共に、予約登録のため、許可された取引データをデータベース31に記憶する。
また、連携サーバ3は、取引終了した携帯端末2から取引終了通知を受けると、予約登録された取引であるか否かを確認するために、当該取引終了通知のデータと、データベース31に記憶されている取引データとを照合し、その後、取引終了通知をIBサーバ4及びホストサーバ5に送信する。
IBサーバ4は、インターネットバンキングシステムを実行するサーバである。IBサーバ4によるインターネットバンキングの詳細な仕組みは、既存技術を広く適用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。IBサーバ4は、連携サーバ3を通じて、携帯端末2から予約登録する取引内容を含む取引実行の許可要求信号を受信し、この取引実行の許可要求信号をホストサーバ5に送信して、当該取引実行の許可要求信号を送信する。また、IBサーバ4は、ホストサーバ5により取引実行の許可応答を取得すると、その取引実行の許可応答を連携サーバ3に送信する。
ホストサーバ5は、IBサーバ4から受信した携帯端末2からの取引に関するデータに基づいて取引実行を許可するか否かを判断し、許可する場合、取引実行の許可応答をIBサーバ4に送信する。
(A−1−2)携帯端末2の詳細な構成
図2は、第1の実施形態に係る携帯端末2の内部構成を示す内部構成図である。
図2に示すように、携帯端末2は、制御部21、近距離無線通信部22、無線通信部23、表示部24、操作部25を有する。
近距離無線通信部22は、近距離無線通信を行なうものであり、現金処理装置1との間で情報を授受するものである。近距離無線通信部22が、現金処理装置1の近距離無線通信部17(図3参照)に対応する通信規格技術を適用することができ、例えば、NFC規格化技術やBluetooth規格化技術等を適用することができる。
無線通信部23は、ネットワーク7を通じて、連携サーバ3との間で情報の授受を行なうものである。
表示部24は、制御部21の制御により、携帯端末2の状態や取引に必要な画面を表示するディスプレイであり、例えば、インターネットバンキングで登録した取引内容のデータを含むコード情報を表示する。操作部25は、顧客操作を受け付けるものである。表示部24と操作部25は、タッチパネル型ディスプレイであってもよいし、それぞれ別の構成要素であってもよい。
制御部21は、携帯端末2の各種機能を司るものである。制御部21のハードウェア構成は、図示しないが、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有し、CPUが、ROMに記憶されるアプリケーションソフトウェア(プログラム)を実行することにより、携帯端末2の各種機能を実現する。なお、アプリケーションソフトウェアをインストールすることにより携帯端末2の各機能を構築するようにしてもよく、その場合でもプログラムは図1に例示する各ブロックの構成要素として示すことができる。
制御部21は、少なくとも、登録部211、取引実行部212、情報設定部213としての機能を有する取引処理部210を有する。取引処理部210は、アプリケーションソフトウェアとすることができ、制御部21にインストールされることで実行されるようにしてもよい。
登録部211は、インターネットバンキングにより、顧客が希望する取引内容を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に登録する。例えば、顧客操作により取引処理部210が起動し、取引内容が入力されると、登録部211は、無線通信部23を通じて連携サーバ3にアクセスして、事前に取引内容を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に登録する。また、登録部211は、取引の実施に必要な暗証番号の入力を促す暗証番号の入力画面を表示する。
連携サーバ3に登録する内容は、そのインターネットバンキングの態様により、特に限定されないが、取引種別(科目)、金融機関名、店番号、口座番号、口座名義人、取引額(金種枚数を含むようにしてもよい。)、暗証番号、有効期限、取引日時等の全て又は一部を含む情報とすることができる。
取引実行部212は、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に事前登録した取引を実行する。例えば、取引実行部212は、操作部25からコード情報の表示指示(「取引実行指示」とも呼ぶ。)が入力されると、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に対して実行電文(「取引実行電文」とも呼ぶ。)を送信する。
そして、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)から実行許可(「取引実行許可」とも呼ぶ。)を受信すると、取引実行部212は、事前登録した取引のコード情報を、表示部24に表示する。
ここで、実行許可の電文には、事前登録した取引内容が含まれるようにしてもよく、例えば、インターネットバンキングにおける予約登録番号、取引種別、科目、金融機関名、店番号、口座番号、口座名義人、取引額(金種枚数を含むようにしてもよい。)、暗証番号、有効期限、取引日時等の全て又は一部を含む情報とすることができる。
取引実行部212は、上記のような実行許可の電文に含まれる登録情報を、コード化して得たコード情報を、表示部24に表示する。
情報設定部213は、メニュー画面を通じて、端末情報や引継情報等を設定するものである。
(A−1−3)現金処理装置1の詳細な構成
図3は、第1の実施形態に係る現金処理装置1の内部構成を示す内部構成図である。
図3において、現金処理装置1は、制御部10、入出金部11、コード読取部12、複数のカセット13−1〜13−n(nは整数)、リジェクトカセット14、鑑別部15、一時保管部16、近距離無線通信部17、記憶部18、搬送路19を有する。
搬送路19は、入出金部11、各カセット13−1〜13−n、リジェクトカセット14、一時保管部16と接続されており、入金又は出金される紙幣を搬送するものである。搬送路19は、搬送ベルトや搬送ローラ等で構成されており、正逆方向に紙幣を搬送することができる。また、搬送路19の分岐点には切り替えブレードが設けられており、切り替えブレードが搬送路19を切り替えることにより、紙幣の搬送先を切り替えることができる。また、搬送路19には、紙幣の走行状態を監視するため、複数のセンサが配置されている。
入出金部11は、紙幣を排出したり、紙幣を挿入したりするものである。
各カセット13−1〜13−nは、紙幣を収納する紙幣収納部である。各カセット13−1〜13−nは、筐体の内部に、上下方向に可動して紙幣を載置するステージや、各ローラ等により構成される。各カセット13−1〜13−nは、入金された紙幣を収納する入金専用カセット、予め収納されている紙幣を搬送路19に繰り出す出金用カセット、入金時には紙幣を収納すると共に、出金時には収納されている紙幣を搬送路19に繰り出す入出金用カセット(いわゆるリサイクル型カセット)等を適用することができる。各カセット13−1〜13−nの機能は運用に応じて適宜決めることができ、例えば全てのカセット13−1〜13−nを入出金用カセットとする等のように一律ではなく、一部が入金専用カセットであり、その他が入出金カセット等のように組み合わせて利用してもよい。また、各カセット13−1〜13−nの用途についても使用することができ、例えば、金種毎に紙幣を収納するようにしてもよいし、又例えば、複数のカセットのうち一部が、金種に限らず複数の金種の紙幣を収納できるようにしてもよい。
リジェクトカセット14は、鑑別部15により正常でないと判定された紙幣を収納するものである。
鑑別部15は、通過する媒体(紙幣)の真偽判定、正損判定、金種判定、枚数計数等を行なうものである。鑑別部15は、例えば、光学センサやカメラ等を有しており、撮像された画像の特徴と、図示しない紙幣鑑別データベースに登録されている画像とを照合して、通過する紙幣が正常であるか否かを判定する。
一時保管部16は、入出金部11に投入された紙幣を一時的に保管する収納部である。
近距離無線通信部17は、近距離無線通信部17は、例えば、NFC(Near Field Communication)規格化技術やBluetooth(登録商標)規格化技術等を適用することができる。近距離無線通信部17は、近距離無線通信により携帯端末2との間で情報を授受する。
コード読取部12は、例えばバーコード等の一次元コードや、QRコード等の二次元コード等の様々なコード情報を読み取るものである。コード読取部12は、携帯端末2の表示画面に表示されているコード情報を読み取り、コード情報に基づいて取引データに復元し、その取引データを制御部10に与える。コード情報が二次元コードである場合、コード読取部12は、例えば二次元コードを撮像し、データ(取引データ)を復元して制御部10に与える。
制御部10は、コード読取部12により読み取られた取引データに基づいて、取引処理を行なう。また、制御部10は、取引結果を履歴として記憶部18に記憶する。
記憶部18は、取引結果としての取引情報や、制御部10に実行される処理プログラム等を記憶するものである。
記憶部18に記憶される取引情報は、例えば、インターネットバンキングにおける予約登録番号、取引種別(科目)、金融機関名、店番号、口座番号、口座名義人、取引額(金種枚数を含むようにしてもよい。)、暗証番号、有効期限、取引日時等の全て又は一部を含む情報である。また必要に応じて、振込先や振替先に関する情報を含むようにしてもよい。さらに、取引情報は、正常に取引が終了したか、又は、異常終了したかの別を含むようにしてもよい。
図4は、第1の実施形態に係る現金処理装置1の制御系の構成を示す構成図である。
制御部10は、現金処理装置1の各種機能を司るものである。制御部10のハードウェア構成は、図示しないが、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有し、CPUが、ROMに記憶される処理プログラムを実行することにより、現金処理装置1の各種機能を実現する。なお、処理プログラムをインストールすることにより各処理を構築するようにしてもよく、その場合でも処理プログラムは図4に例示する各ブロックの構成要素として示すことができる。
図4に示すように、制御部10は、主制御部100、搬送モータ制御部110、カセット制御部120、入出金部制御部130を有する。
主制御部100は、取引情報読取部101、取引処理部102を有する。
取引情報読取部101は、コード読取部12から取引データ(取引情報)を取得するものである。取引情報読取部101は、コード読取部12により復元されたコード情報(取引データ)を解析して、安全な取引を行なうため(セキュリティを保持するため)、セキュリティ確認処理を行なう。
取引処理部102は、現金処理装置1が実施可能な取引処理を行なうものである。現金処理装置1において実施可能な取引種類は、特に限定されるものではなく、例えば、引き出し等の出金取引、預け入れ等の入金取引、現金を用いた振り込みや振替等がある。
搬送モータ制御部110は、搬送路19に配置されている搬送ベルトやローラなどを駆動する搬送モータ(図示しない)に対して駆動制御するものである。
カセット制御部120は、各カセット13−1〜13−n、リジェクトカセット14の動作を制御するものである。
入出金部制御部130は、入出金部11に設けられている機構駆動部(図示しない)の動作を制御するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図5は、第1の実施形態に係る取引処理の動作を示すフローチャートである。
図6は、第1の実施形態に係る携帯端末2の表示画面の構成を示す構成図である。
携帯端末2には、インターネットバンキングを利用した取引処理を行なう取引処理部210(アプリケーションソフトウェア)がインストールされており、顧客操作により、当該アプケーションソフトウェアを起動する。
図6(A)〜図6(C)に示すように、携帯端末2では、メニュー画面が表示され(S101)、顧客により「新規取引登録」ボタン502を選択し(S102)、希望取引である「支払(お引き出し)」を選択し、「金額」を選択する(S103)。なお、ここでは、金融機関名、店番号、口座番号、口座名義人等の設定登録の詳細な設定方法については説明していないが、予め登録されているものとする。
ここで、実際の現金処理を実施する際のセキュリティを上げるために、図6(D)に示すように、携帯端末2の表示部24には、暗証番号の入力画面が表示され、顧客操作により暗証番号(以下、「取引時暗証情報」とも呼ぶ。)が入力される(S104)。
ここでの暗証番号の入力は、後述するように、実際の現金処理を実施する際に暗証番号の照合をするために登録する。この暗証番号は、実際の取引を実行する際に必要な情報であり、金融機関での口座開設時に登録する暗証番号とは意図が異なる。なお、ここでは、暗証番号が数字である場合を例示するが、アルファベット、ひらがなやカタカナ等の文字列を含むものであってもよい。また、暗証番号の桁数も、4桁程度のものであってもよいし、取引実施時のセキュリティを上げるために10桁以上のものであってもよい。
携帯端末2において新規の取引内容の選択及び暗証番号の入力が行われると、入力された取引内容を示す取引データが連携サーバ3に送信される(S105)。連携サーバ3では取引データを受信し(S106)、IBサーバ4に取引データを送信して、取引の予約登録を行なう。
連携サーバ3は、予約登録された取引データと暗証番号をデータベース31に登録し(S107)、予約登録した内容を含むコード情報を携帯端末2に送信する(S108)。なお、ここでは、連携サーバ3が、暗証番号を登録する場合を例示する。しかし、暗証番号の登録は、連携サーバ3、IBサーバ4、ホストサーバ5のいずれか又は全てで実施するようにしてもよい。
取引データを予約登録した旨の応答が携帯端末2に受信されると(S109)、携帯端末2の表示画面はメニュー画面に戻る。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客は、操作部25を操作して、アプリケーションソフトとして取引処理部210を起動する。そして、携帯端末2のメニュー画面が表示されると、そのメニュー画面において「登録QR表示」ボタン501を選択する(S110)。
このとき、図6(E)に示すように、携帯端末の表示部24には登録した暗証番号の入力画面が表示される。そして、顧客操作により暗証番号が入力され(S111)、暗証番号を含む取引実行電文が連携サーバ3に送信され(S112)、連携サーバ3は取引実行電文を受信する(S110)。
この暗証番号の入力は、事前に取引内容を連携サーバ3に登録する際に、暗証番号の照合をするためである。連携サーバ3(若しくは、IBサーバ4、ホストサーバ5)では、取引実行電文に含まれる暗証番号と、事前登録の際に登録した暗証番号の照合を行なう。この暗証照合が正当であれば、取引実行を許可し、暗証照合が正当でない場合には、取引実行を許可しない。
このようにすることで、顧客の携帯端末2が紛失した場合や、例えばQRコード等のコード情報の画像が流出した場合でも、暗証照合が正当でないときには、実際の取引ができないようにすることができる。
なお、連携サーバ3は取引実行電文をIBサーバ4に送信して、インターネットバンキングの仕組みにより、取引実行の許可をIBサーバ4及びホストサーバ5に要求する。このインターネットバンキングの仕組みは、既存技術により、種々の方法を適用することができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
IBサーバ4及びホストサーバ5により取引実行の許可が得られると、連携サーバ3は、取引実行の許可を示す実行許可応答を携帯端末2に送信する(S114)。
携帯端末2が実行許可応答を受信すると(S115)、図6(F)に示すように、取引データをコード化したコード情報(ここでは、二次元コードであるQRコードとする。)が表示画面に表示される(S116)。なお、暗証照合が正当でないときには、実行許可応答が送信されないので、取引データを表すコード情報は表示されず、取引を実施することができない。
そして、顧客が、二次元コードが表示されている携帯端末2を、現金処理装置1のコード読取部12にかざす(S117)。
現金処理装置1では、コード読取部12が二次元コードを読み取り(S118)、コード読取部12が二次元コードに基づいて取引データを復元する。そして、制御部10の取引処理部102が、取引データに基づいて、予約された取引処理を行なう。この例の場合、「3万円の引き出し」取引が予約されたので、対応するカセット13から1万円紙幣が1枚ずつ、搬送路19に繰り出され、鑑別部15が紙幣計数を行ない(S119)、各紙幣が入出金部11に排出(放出)される(S120)。
顧客は放出された紙幣を抜取る(S121)。現金処理装置1では、図示しないセンサ等により紙幣抜き取りを確認して、取引結果を記憶部18に記憶し、取引を終了する(S122)。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、「新規取引登録」の際に、取引実施の際に必要な暗証番号の入力を促して連携サーバ等に登録する。又取引を実施する「登録QR表示」の際、登録した暗証番号の入力を促して、暗証番号の照合を行なう。その照合が正当であるときに取引データを表すコード情報が表示され、そうでないときにはコード情報が表示されない。このようにすることで、顧客がスマホ紛失した場合や、QRコード等のコード情報の画像が流出した場合でも、第三者による不正利用を防止することができる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第1の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第2の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第2の実施形態は、携帯端末2における制御部21の取引処理部210の機能が、第1の実施形態と異なる。
取引実行部212は、新規取引登録後からコード情報表示指示(すなわち、登録QR表示指示)までの経過時間を監視して記憶している。また、取引実行部212は、新規取引登録後からコード情報表示指示までの設定時間が設定されている。
取引実行部212は、コード情報表示指示の際に、新規取引登録後からコード情報表示指示までの経過時間が、設定時間を超えているか否かを判定する。
そして、上記経過時間が設定時間内であるときには、取引実行部212は、暗証番号の入力を要求せずに、取引実行電文を連携サーバ3に送信する。
一方、経過時間が設定時間を超えているときには、取引実行部212は、暗証番号の入力画面を表示部24に表示する。そして、暗証番号が入力されると、取引実行部212は取引実行電文を連携サーバ3に送信する。
第1の実施形態で説明した暗証照合は、基本的には、連携サーバ3側で実施し、暗証照合が不当であるときには、連携サーバ3側が取引の実施を規制する。
これに対して、第2の実施形態では、新規取引登録後の経過時間に基づいて、携帯端末2の取引処理部210が取引の実施を規制することができる。すなわち、携帯端末2側が暗証番号の入力が必要か否かを判断する。また、携帯端末2側でも取引の実施を規制できる。携帯端末2の紛失等が生じた場合には、新規取引登録後の経過時間が長くなる傾向があるので、より効果的に第三者による不正利用を防止できる。
なお、新規取引登録後からコード情報表示指示までの設定時間は、例えば、数分、30分、1時間、2時間、5時間、1日(24時間)等のように設定することができる。また、顧客により、設定時間を選択することができるようにしてもよい。さらに、新規取引登録する取引ごとに、設定時間を選択又は指定するようにしてもよいし、全ての新規取引登録の取引について、デフォルト値として設定時間を選択又は指定できるようにしてもよい。
(B−2)第2の実施形態の動作
図7は、第2の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図7において、第1の実施形態の図5の処理と同一又は対応する処理には、図5における番号と同一の番号を付している。
図7において、S101〜S110の処理は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により、アプリケーションソフトとして取引処理部210を起動する。そして、携帯端末2の表示部24に表示されるメニュー画面において、「登録QR表示」ボタン501を選択する(S110)。
そうすると、携帯端末2では、取引処理部210の取引実行部212が、新規取引登録後からコード情報表示指示までの経過時間が、設定時間(例えばn分)を超えているか否かを判定する(S201)。
そして、上記経過時間が設定時間内であるときには、取引実行部212は、暗証番号の入力を要求せずに、取引実行電文を連携サーバ3に送信する(S112)。
一方、経過時間が設定時間を超えているときには、取引実行部212は、暗証番号の入力画面を表示部24に表示し、暗証番号が入力されると(S111)、取引実行部212は取引実行電文を連携サーバ3に送信する(S112)。
S113〜S122の処理は、基本的には、第1の実施形態の図5の処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
連携サーバ3は、受信した取引実行電文に暗証番号が含まれている場合には、その暗証番号と登録されている暗証番号の照合を行なう。一方、取引実行電文に暗証番号が含まれていない場合、連携サーバ3は暗証番号の照合を行なわない。
なお、新規取引登録後の経過時間が設定時間内であるか又は設定時間を超えているか示すフラグ情報を取引実行電文に付与するようにして、連携サーバ3に暗証照合が必要であるか否かを認識させるようにしてもよい。
さらに、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した、暗証照合のため、「新規取引登録」での暗証番号の登録(入力)及び「登録QR表示」での暗証番号の入力を行なうことを前提としている。
しかし、取引実行部212は暗証番号の入力を行なわないようにしてもよい。つまり、取引実行部212は、単に、新規取引登録後の経過時間を監視して記憶し、その経過時間が設定時間を経過している場合に、取引実行電文を連携サーバ3に送信しないようにしても良い。これによっても、取引実行電文の送信前に、取引の実施を規制することができる。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した効果に加えて、新規取引登録後の経過時間が設定時間内であるか否かを判定し、警戒時間が設定時間を超過している場合は、暗証番号を入力して暗証照合する。これにより、携帯端末が紛失した場合やQRコード等のコード情報の画像が流出した場合でも、第三者による不正利用を防止することができる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第1の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第3の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
現金処理装置1では取引情報読取部101の処理と、携帯端末2では取引処理部210の取引実行部212の処理とが、第2の実施形態と異なる。
現金処理装置1の取引情報読取部101は、コード読取部12により復元されたコード情報(取引データ)を解析する。
そして、そのコード情報に暗証番号が含まれていない場合、取引情報読取部101は、暗証照合が必要であると判定し、近距離無線通信で、携帯端末2に対して暗証番号の入力を要求する。
一方、コード情報に暗証番号が含まれている場合、取引情報読取部101は、暗証照合が不要であると判定し、近距離無線通信で、携帯端末2に対してその旨を通知する。
携帯端末2では、取引実行部212は、近距離無線通信で、現金処理装置1から暗証番号の入力が要求されると、暗証番号の入力画面を表示部24に表示する。そして、暗証番号が入力されると、取引実行部212は、暗証番号を含む取引事項電文を連携サーバ3に送信する。
また、取引実行部212は、近距離無線通信で、現金処理装置1から暗証番号の入力が不要である旨を受信すると、暗証番号の入力を顧客に要求せず、取引実行電文を連携サーバ3に送信する。
第3の実施形態では、暗証照合が必要か否かについて、現金処理装置1側が、コード情報に基づいて判断することができる。つまり、現金が実際に収納されている現金処理装置1が暗証照合が必要な否かを判断することにより、第三者による不正取引を防止できる。
(C−2)第3の実施形態の動作
図8は、第3の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図8において、第1の実施形態の図5の処理と同一又は対応する処理には、図5における番号と同一の番号を付している。
図8において、S101〜S110の処理は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により、アプリケーションソフトとして取引処理部210を起動する。そして、携帯端末2の表示部24に表示されるメニュー画面において、「登録QR表示」ボタン501を選択する(S110)。
携帯端末2では、取引実行部212が、取引データのコード情報を表示部24に表示する(S300)。そして、顧客が、二次元コードが表示されている携帯端末2を、現金処理装置1のコード読取部12にかざす(S301)。
現金処理装置1では、コード読取部12がコード情報(二次元コード)を読み取り(S302)、取引情報読取部101がコード情報を解析して、暗証番号の入力か否かを判定する(S303)。
図9は、第3の実施形態に係る取引情報読取部101における処理を説明する説明図である。
図9に示すように、取引データのフォーマットは、「項目」、「金融機関」、「支店」、「科目」、「口座番号」、「取引種別」、「金額」、「暗証番号」、「予備」等の項目を有する。
図9(A)、図9(B)に示すような取引データがコード化された二次元コードが表示部24に表示される。現金処理装置1では、携帯端末2の表示部24に表示される二次元コードを読み取り、図9(A)、図9(B)に示すような取引データが復元される。
取引情報読取部101は、取引データのフォーマットのうち、項目「暗証番号」に記載されているデータに基づいて、暗証番号が設定されていないことを示すデータ(例えば、「暗証番号:00000000」)のときには、暗証番号の入力が不要と判断する。一方、取引情報読取部101は、暗証番号が設定されている(例えば、「暗証番号:12345678」)ときには、暗証番号の入力が必要と判断する。
暗証番号が必要である場合、取引情報読取部101は、近距離無線通信で、携帯端末2に対して暗証番号の入力要である旨を送信する(S303)。携帯端末2では、取引実行部212が、近距離無線通信で、現金処理装置1から暗証番号の入力要を受信すると、暗証番号の入力画面を表示部24に表示する(S304)。そして、暗証番号が入力されると、取引実行部212は、暗証番号を含む取引事項電文を連携サーバ3に送信する(S305)。
一方、暗証番号が不要の場合、取引情報読取部101は、近距離無線通信で、携帯端末2に対して暗証番号の不要である旨を送信する(S303)。携帯端末2では、取引実行部212が、近距離無線通信で、現金処理装置1から暗証番号の入力が不要である旨を受信すると、暗証番号の入力を顧客に要求せず、取引実行電文を連携サーバ3に送信する(S307)。
連携サーバ3に取引実行電文が受信され(S306)、IBサーバ4及びホストサーバ5により取引実行の許可が得られると、連携サーバ3は、取引実行の許可を示す実行許可応答を携帯端末2に送信する(S307)。
携帯端末2が実行許可応答を受信すると(S308)、取引実行部212は、近距離無線通信で、実行許可応答の電文を、現金処理装置1に送信する(S308)。
そして、現金処理装置1では、取引処理部102が、携帯端末2から取得した取引データに基づいて、予約された取引処理を行なう。つまり、鑑別部15が紙幣計数を行ない(S309)、各紙幣が入出金部11に排出(放出)される(S310)。顧客は放出された紙幣を抜取り(S121)、取引を終了する(S122)。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、現金処理装置は、読み取ったコード情報の内容を確認して、暗証番号の入力要否を判断する。現金処理装置は、近距離無線通信で携帯端末に判定結果を送信する。携帯端末は、暗証番号の入力が必要な場合に、暗証番号の入力画面を表示部に表示し、暗証入力を要求して、取引実行電文を連携サーバに送信する。現金処理装置は、携帯端末を介して、取引実行許可の応答を受信することで、現金処理を行なう。その結果、携帯端末が紛失した場合や二次元コードの画像が流出した場合、第三者による不正利用を防止することができる。
(D)第4の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(D−1)第4の実施形態の構成
第4の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第1の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第4の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第4の実施形態は、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)が登録取引の有効期限を管理し、登録取引を実行する際に、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)が有効期限か否かを判定する。また、携帯端末2における制御部21の取引処理部210の機能が、第1の実施形態と異なる。
登録部211は、新規取引登録の際に、当該取引を実施できる期限(以下、「有効期限」)を表示する。ここで、有効期限については、例えば、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)が設定する。
取引実行部212は、コード情報表示指示(すなわち、登録QR表示指示)の際に、コード情報表示指示を含む情報を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する。すなわち、取引実行部212は、登録取引が実施される旨を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する。
これにより、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に対して、事前登録した取引が有効期限内か否かを判定させることができる。登録取引の有効期限を超えている場合、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、この有効期限が切れている取引登録のデータを削除することができる。
そして、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、有効期限の判定結果を含む応答電文を携帯端末2に対して送信する。このとき、取引実施日が有効期限内の場合、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、実行許可を示す情報を応答電文を携帯端末2に送信する。
また、取引実行部212は、連携サーバ3からの応答電文を解析して、有効期限を超えている場合には、当該取引は有効期限が切れていることを示す画面を表示する。有効期限の場合、取引実行部212は、実行許可に基づいてコード情報を表示部24に表示する。
(D−2)第4の実施形態の動作
図10は、第4の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図10において、第4の実施形態の図5の処理と同一又は対応する処理には、図5における番号と同一の番号を付している。
また、図11及び図12は、第4の実施形態に係る携帯端末2の表示画面の構成を示す構成図である。
携帯端末2では、メニュー画面が表示され(S101)、顧客により「新規取引登録」ボタン502が選択され(S102)、希望取引である「支払(お引き出し)」が選択され「金額」が入力される(S103)。また、携帯端末2において新規取引登録の内容が入力されると、その取引データが連携サーバ3に送信される(S401)。
連携サーバ3では取引データを受信し(S402)、IBサーバ4に取引データを送信して、取引の予約登録を行なう。また、連携サーバ3は、予約登録された取引データをデータベース31に登録し(S403)、予約登録されたことを示す情報を携帯端末2に送信する(S404)。
携帯端末2が予約登録されたことを示す情報を受信すると(S405)、登録部211は、例えば、図11(D)に示すように、登録した取引の有効期限を表示部24に表示する(S406)。このような表示をすることにより、顧客に対して有効期限を注意喚起させることができる。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により「登録QR表示」ボタン501が選択されると(S407)、コード情報表示指示があった旨を含む情報が、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信される(S408)。
連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)では、コード情報表示指示があった旨の情報が受信されると(S409)、当該取引が有効期限内であるか否かが判定される(S410)。このコード情報表示指示があった旨を含む情報には、少なくとも、予約登録番号が含まれている。従って、連携サーバ3は、データベース31から、予約登録番号に基づいて対応する取引の有効期限を検索することようにしてもよい。
そして、有効期限を超えている場合、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、登録されている取引データを削除する(S411)。これにより、取引データが連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に残ってしまうことを回避できる。また、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、有効期限を超えている旨を含む情報を携帯端末2に送信する(S412)。
また、有効期限内である場合、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、有効期限内である旨と、取引実行許可とを含む情報を携帯端末2に送信する(S412)。
携帯端末2では、取引実行部212が連携サーバ3からの情報に基づいて、当該登録した取引が有効期限内であるか否かを判定する(S414)。そして、有効期限切れである場合、取引実行部212は、図12に例示するような、登録取引が有効期限切れであることを示す表示画面を表示部24に表示する(S415)。この場合、登録取引は有効期限であるため、処理は終了する。
一方、登録した取引が有効期限内である場合(S414)、取引実行部212は、取引データをコード化してコード情報(二次元コード)を、表示部24に表示する(S116)。
これ以降のS116〜S122の処理は、第1の実施形態の図5の処理と同一又は対応するため、ここでの詳細な説明は省略する。
(D−3)第4の実施形態の効果
以上のように、第4の実施形態によれば、登録された取引に有効期限を設定し、連携サーバ(IBサーバ、ホストサーバ)で有効期限内か否かを確認することで、特定の期限内でしか取引が実施できないことになり、顧客がスマホ紛失した場合やQRコードの画像が流出した場合、第三者による不正利用を防止することができる。
(E)第5の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第5の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(E−1)第5の実施形態の構成
第5の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第1の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第5の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第5の実施形態は、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)が登録取引の有効期限を管理し、登録取引を実行する際に、携帯端末2の取引処理部210が有効期限か否かを判定する。
(E−2)第5の実施形態の動作
図13は、第5の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図13において、第4の実施形態の図10の処理と同一又は対応する処理には、図10における番号と同一の番号を付している。
図13において、S101〜S103、S401〜S406は、図10のS101〜S103、S401〜S406と同一であるため、これらの詳細な説明は省略する。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により「登録QR表示」ボタン501が選択されると(S407)、取引実行部212は、登録取引の期限が有効期限内であるか否かを判定する(S501)。
図14は、第5の実施形態に係る登録取引の有効期限の判定処理を説明する説明図である。
図14に示すように、取引データのフォーマットは、「項目」、「金融機関」、「支店」、「科目」、「口座番号」、「取引種別」、「金額」、「有効期限」、「予備」等の項目を有する。
図14に示すような取引データがコード化された二次元コードが携帯端末2に記憶される。携帯端末2では、取引実行部212が二次元コードを解析して、図14に示すような取引データを復元する。
取引実行部212は、取引データのフォーマットのうち、項目「有効期限」に記載されているデータに基づいて、有効期限を取得する。取引実行部212は、この有効期限を用いて、自装置内部の時計機能を照らして、有効期限内であるか否かを判定する。
そして、有効期限を超えている場合、取引実行部212は、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に登録されている登録取引の内容を削除させるために、登録取引の削除要求を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する(S502)。この削除要求には、少なくとも登録取引の予約登録番号が含まれており、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、この予約登録番号に基づいて、データベース31等に登録されている取引データを削除する(S504)。そして、取引データが削除されると、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、取引データを削除した旨を送信する(S505)。
携帯端末2では、取引データを削除した旨を受信すると(S506)、図12に例示するような、登録取引が有効期限切れであることを示す表示画面を表示部24に表示する(S507)。この場合、登録取引は有効期限であるため、処理は終了する。
一方、S501において、有効期限内である場合、取引実行部212は、取引実行電文を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する(S112)。この場合、通常の登録取引処理が行なわれる。これ以降のS112〜S122の処理は、第1の実施形態の図5の処理と同一又は対応するため、ここでの詳細な説明は省略する。
(E−3)第5の実施形態の効果
以上のように、第5の実施形態によれば、登録された取引に有効期限を設定し、携帯端末が有効期限を確認することで、特定の期限内でしか取引が実施できないことになり、顧客がスマホ紛失した場合やQRコードの画像が流出した場合、第三者による不正利用を防止することができる。
(F)第6の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第6の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(F−1)第6の実施形態の構成
第6の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第1の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第6の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第6の実施形態は、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)が登録取引の有効期限を管理し、登録取引を実行する際に、現金処理装置1がが有効期限か否かを判定する。
(F−2)第6の実施形態の動作
図15は、第6の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図15において、第3の実施形態の図8の処理と、第4の実施形態の図10の処理と同一又は対応する処理には、図8及び図10における番号と同一の番号を付している。
図15において、S101〜S103、S401〜S406は、図10のS101〜S103、S401〜S406と同一であるため、これらの詳細な説明は省略する。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により「登録QR表示」ボタン501が選択されると(S407)、取引実行部212は、登録取引のコード情報を表示部24に表示する(S601)。そして、二次元コードが表示されている携帯端末2を、現金処理装置1のコード読取部12にかざす(S602)。
現金処理装置1では、コード読取部12がコード情報(二次元コード)を読み取り(S602)、取引情報読取部101がコード情報を解析して、登録取引が有効期限内か否かを判定する(S303)。
取引情報読取部101による有効期限の判定処理は、第5の実施形態で、取引実行部212の判定処理と同様の方法を適用できる。つまり、取引情報読取部101は、コード情報を解析して、図14に例示するような取引データを復元する。そして、取引データに含まれる「有効期限」の欄に含まれるデータを取得する。このとき、現金処理装置1内の時計機能から現在日時情報と、取得した有効期限とに基づいて、取引情報読取部101は、当該登録取引が有効期限内か否かを判定する。
そして、有効期限を超えている場合、取引情報読取部101は、近距離無線通信で、携帯端末2に対して取引データの削除要求を送信する(S605)。このとき、携帯端末2では、取引実行部212が、近距離無線通信で、現金処理装置1から受信した取引データの削除要求を、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する(S605)。この削除要求には、少なくとも登録取引の予約登録番号が含まれている。
連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、この予約登録番号に基づいて、データベース31等に登録されている取引データを削除する(S607)。そして、取引データが削除されると、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、取引データを削除した旨を送信する(S608)。
携帯端末2では、取引データを削除した旨を受信すると(S609)、図12に例示するような、登録取引が有効期限切れであることを示す表示画面を表示部24に表示する(S610)。この場合、登録取引は有効期限であるため、処理は終了する。
一方、S604において、有効期限内である場合、取引情報読取部101は、近距離無線通信で、携帯端末2に対して有効期限内である旨を送信する。
携帯端末2では、取引実行部212が、近距離無線通信で、現金処理装置1から取引実行電文を受信すると、取引実行電文を連携サーバ3に送信する(S305)。
そして、連携サーバ3に取引実行電文が受信され(S306)、IBサーバ4及びホストサーバ5により取引実行の許可が得られると、連携サーバ3は、取引実行の許可を示す実行許可応答を携帯端末2に送信する(S307)。
携帯端末2が実行許可応答を受信すると(S308)、取引実行部212は、近距離無線通信で、実行許可応答の電文を、現金処理装置1に送信する(S308)。
そして、現金処理装置1では、取引処理部102が、携帯端末2から取得した取引データ取引データに基づいて、予約された取引処理を行なう。つまり、鑑別部15が紙幣計数を行ない(S309)、各紙幣が入出金部11に排出(放出)される(S310)。顧客は放出された紙幣を抜取り(S121)、取引を終了する(S122)。
(F−3)第6の実施形態の効果
以上のように、第6の実施形態によれば、登録された取引に有効期限を設定し、現金処理装置が有効期限を確認することで、特定の期限内でしか取引が実施できないことになり、顧客がスマホ紛失した場合やQRコードの画像が流出した場合、第三者による不正利用を防止することができる。
(G)第7の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第7の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(G−1)第7の実施形態の構成
第7の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第7の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第7の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第7の実施形態は、新規取引登録の際に口座の残高があり、予約登録をすることができたが、取引実行の際に、残高不足が生じたときに、携帯端末2が、借り入れ取引(いわゆるキャッシング)をするか否かを顧客に確認する。
(G−2)第7の実施形態の動作
図16は、第7の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図17は、第7の実施形態に係る携帯端末2の表示画面の構成を示す構成図である。
携帯端末2では、メニュー画面が表示され(S101)、顧客により「新規取引登録」ボタン502が選択され(S102)、希望取引である「支払(お引き出し)」が選択され「金額」が入力される(S103)。また、携帯端末2において新規取引登録の内容が入力されると、その取引データが連携サーバ3に送信される(S701)。
連携サーバ3では取引データを受信し(S702)、IBサーバ4に取引データを送信して、取引の予約登録を行なう。また、連携サーバ3は、予約登録された取引データをデータベース31に登録し(S703)、予約登録されたことを示す情報を携帯端末2に送信する(S704)。
予約登録(ここでは、引き出し取引の登録を例示する)の際、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、新規取引登録に係る名義人(すなわち)の口座には出金金額以上の残高が残っており、新規取引は登録されるものとする。
その後、携帯端末2が予約登録されたことを示す情報を受信すると(S405)、登録部211は、例えば、図17(B)に示すように、新規取引登録された旨及びコード情報を表示部24に表示する。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により「登録QR表示」ボタン501が選択されると(S706)、コード情報表示指示があった旨を含む情報が、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信される(S707)。
連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)では、コード情報表示指示があった旨の情報が受信されると(S708)、当該予約登録番号に係る取引口座に、取引金額(出金金額)以上の金額が残っていて当該取引が実行可能な否かを判定する。
ここで、取引口座に取引金額以上の残高が残っていた場合には、通常の取引を実施可能と判断して通常の流れで取引を実施することができる。
一方、取引口座に取引金額以上の金額が残っておらず、取引を実施することができない場合、図16のS709〜S715の処理が行われる。つまり、新規取引登録の際には、取引口座には引き出し金額以上の金額が残っていたが、実際に取引を実施する(コード情報表示指示)ときに以下のような処理を行なう。
連携サーバ3が取引口座に取引を実施するための十分な金額がない場合、残金不足の旨を含む応答電文を、携帯端末2に送信する(S709)。
携帯端末2が連携サーバ3から応答電文を受信し(S710)、その応答電文に残高不足である旨が含まれている場合(S711)、取引実行部212は、図17(C)に例示するように、取引口座の残高が不足していること表示すると共に、取引金額(出金金額)に対する出金不足分に相当する額を借り入れするか否かを問い合わせるガイダンス表示部512と、顧客に対して借り入れを確認する確認ボタン513とを含む表示画面を表示部24に表示する。
借り入れ取引は、例えばキャッシング取引等とすることができる。この実施形態では、新規取引登録した取引金額を全て借り入れする場合を例示する。すなわち、3万円の引き出し取引の場合、3万円を借り入れる場合を例示する。
しかし、借り入れについては、この方法に限定されるものでない。例えば、従来、キャッシングは1万円単位で可能である。そのため、例えば、取引口座の残高不足額が、1万円未満の場合には、1万円の借り入れを可能とするようにしてもよい。また例えば、通常のキャッシングは1万円であるが、1万円未満の残高不足分の金額をキャッシングできるようにしてもよい。
そして、顧客が残高不足に対して借り入れを行なうこととし、顧客により確認ボタン513が選択されると、取引実行部212は、借り入れ取引を実施する取引実行電文を、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する(S713)。
連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)が、借り入れ取引の実行電文を受信すると(S714)、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、新規に借り入れ取引を行なう。
その後、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、借り入れについての実行許可電文を携帯端末2に送信する(S715)。これにより、新規取引登録の口座に、取引金額(出金金額)以上の金額が残っていない場合でも、不足額を満たす金額以上の金額を、借り入れ取引をすることができる。
携帯端末2では、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)から実行許可電文を受信し(S716)、コード情報が表示部24に表示される(S116)。
これにより、顧客は、携帯端末2の表示部24に表示されているコード情報を現金処理装置1にかざして(S117)、現金処理装置1は、コード情報を読み取り(S118)、そのコード情報に基づいて紙幣の計数を行ない(S119)、紙幣を放出する(S120)。顧客は放出された紙幣を抜取り(S121)、現金処理装置1は取引を終了する(S122)。
(G−3)第7の実施形態の効果
以上のように、第7の実施形態によれば、新規取引登録の際には、取引金額(出金金額)以上の金額が取引口座に残っていたため、新規取引を予約登録することはできたが、登録取引を実施する際に、取引口座が残高不足のために取引ができない場合でも、顧客に対して借り入れ取引の選択画面を明示し、借り入れを実施するときには、登録取引を実施させることができる。
(H)第8の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第8の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(H−1)第8の実施形態の構成
第8の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第8の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第8の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第8の実施形態は、新規取引登録の際に口座の残高があり、予約登録をすることができたが、取引実行の際に、残高不足が生じたときに、残高不足であることを携帯端末2が表示部24に表示し、新規取引登録のやり直しを促すものである。
(H−2)第8の実施形態の動作
図18は、第8の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図19は、第8の実施形態に係る携帯端末2の表示画面の構成を示す構成図である。
図18において、S101〜S103、S701〜S705までは、図16と同様の処理であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
顧客操作により「登録QR表示」ボタン501が選択されると(S706)、コード情報表示指示があった旨を含む情報が、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信される(S707)。
連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)では、コード情報表示指示があった旨の情報が受信されると(S708)、当該予約登録番号に係る取引口座の残高不足を判定する(S801)。
すなわち、残高不足でない場合(S801)、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は登録取引の実行許可を携帯端末2に送信する(S803)。
一方、残高不足の場合(S801)、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、その予約登録されている取引データを削除し(S802)、残高不足の旨を含む応答電文を携帯端末2に送信する(S803)。
携帯端末2が連携サーバ3から応答電文を受信し(S804)、その応答電文に残高不足である旨が含まれている場合(S805)、取引実行部212は、図18(C)に例示するように、取引口座の残高が不足していること表示すると共に、新規取引登録のやり直しを顧客に促すガイダンス表示部515と、顧客に対して新規取引登録のやり直しの意思を確認させる確認ボタン516とを含む表示画面を表示部24に表示する。
そして、顧客により、新規取引登録のやり直しの意思を確認させる確認ボタン516が選択されると、取引実行部212は、S103の処理に戻り、図19(D)に例示する新規取引の登録画面を表示部24に表示する。
なお、S805において、応答電文が残高不足である旨が含まれていない場合(S805)、S116〜S122の処理が行われる。
(H−3)第8の実施形態の効果
以上のように、第8の実施形態によれば、残高が不足する場合、登録されている取引情報を連携サーバから削除して新規取引登録を実施するように誘導する事で顧客の希望する取引を実施可能とし、連携サーバに登録した取引が残ったままになることを防止できる。
(I)第9の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第9の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(I−1)第9の実施形態の構成
第9の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第9の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第9の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第9の実施形態は、新規取引登録の際に、携帯端末2が当該取引に係る手数料を表示する。また、取引実行の際に、携帯端末2が、手数料の変更があるか否かを判定して、手数料の変更がある場合に、その旨を携帯端末2に表示するものである。
(I−2)第9の実施形態の動作
図20は、第9の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図21〜図23は、第9の実施形態に係る携帯端末2の表示画面の構成を示す構成図である。
図20は、顧客が、事前登録した取引内容で現金処理を実施するときの処理を説明する。
新規取引の登録処理は、基本的には、第1〜第8の実施形態で説明した処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
新規取引登録後、顧客が登録取引を実施する際、携帯端末2には、メニュー画面が表示され(S101)、顧客操作により「登録QR表示」ボタン501が選択され(S901)、携帯端末2が取引実行電文を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信し(S902)、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)では、取引に係る手数料を含む電文を携帯端末2に送信する(S802)。
携帯端末2では、取引実行部212が、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)からの電文に含まれている取引に係る手数料を顧客に確認させる(S904)。
このとき、取引実行部212は、図21(B)に例示するように、「手数料は「×××円」である。よろしければ「確認」を押してください。」等のように、顧客に手数料を明示するガイダンス表示部520を含む表示画面を表示部24に表示するようにしてもよい。
また例えば、手数料は取引を実施する時間帯等によって異なることがあるため、取引実行部212は、図22(B)に例示するように、「手数料は「×××円」であるが、まもなく手数料が変更なる時間帯である。」等のように、時間帯によって変更され得る手数料を顧客に明示するガイダンス表示部520を表示画面に表示するようにしてもよい。
そして、顧客により手数料の確認がされない場合(すなわち、「取消」ボタン522が選択された場合)、処理は終了する。
一方、顧客により手数料の確認がされた場合、(すなわち、「確認」ボタン521が選択された場合)、取引実行部212は、コード情報を表示部24に表示する(S906)。
そして、顧客が、携帯端末2の表示部24に表示されたコード情報を現金処理装置1にかざし、現金処理装置1のコード読取部12がコード情報を読み取る(S908)。
このとき、コード情報には、手数料に関して顧客が確認した旨が含まれている。現金処理装置1では、取引情報読取部101が、コード情報に基づく取引データに基づいて、手数料に関して顧客が確認した旨を読み取る。
そして、現金処理装置1の取引情報読取部101は、近距離無線通信で、携帯端末2に対して取引実行電文を送信する(S909)。また、携帯端末2が、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に取引実行電文を送信し(S910)、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)は、取引実行許可電文を携帯端末2に送信する。つまり、現金処理装置1において、コード情報に基づく取引データが読み取られ、手数料に関して顧客が確認した旨を読み取ると、取引実行電文が、携帯端末2経由で、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信される。また、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)かあの取引実行許可電文が、携帯端末2に受信される。
携帯端末2では、取引実行部212が、連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)からの取引実行許可電文に基づいて、手数料の変更があるか否かを判定する(S911)。
そして、手数料の変更がある場合には、取引実行部212は、図23に例示するように、「手数料が「×××円」に変更となりました。よろしければ「確認」を押してください。」等の手数料変更画面を表示部24に表示する。
手数料の変更について顧客により確認されなかった場合(すなわち、「取消」ボタン522が選択された場合)、処理は終了する。
一方、顧客により手数料変更の確認がされた場合、(すなわち、「確認」ボタン521が選択された場合)、取引実行部212は、近距離無線通信で、手数料変更の確認がされたこと及び取引実行許可電文を現金処理装置1に送信する。そして、現金処理装置1では、鑑別部15が紙幣計数を行ない、紙幣を排出(放出)される(S914)。顧客は放出された紙幣を抜取り(S121)、取引を終了する(S122)。
S911において、手数料変更がない場合、取引実行部212は、近距離無線通信で、取引実行許可電文を現金処理装置1に送信する。そして、現金処理装置1では、鑑別部15が紙幣計数を行ない、紙幣を排出(放出)される(S914)。顧客は放出された紙幣を抜取り(S121)、取引を終了する(S122)。
(I−3)第9の実施形態の効果
以上のように、第9の実施形態によれば、現金処理装置で取引を実施する際に、携帯端末が手数料を顧客に確認させる。これにより、手数料が必要であることを顧客に認識させることができる。また、コード情報を表示する際に、確認した手数料から相違がある場合、再度顧客に手数料を明示し、手数料の変更を確認をさせることができる。
(J)第10の実施形態
次に、本発明に係る取引実行装置、取引実行プログラム、情報通信システム及び現金処理装置の第10の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(J−1)第10の実施形態の構成
第10の実施形態に係る取引処理システム9の全体構成は、第1の実施形態の図1に示す構成と同一又は対応する。また、携帯端末2及び現金処理装置1の内部構成も、第10の実施形態の図2及び図3、図4に示す構成要素と同一又対応する。従って、第10の実施形態でも、図1〜図4を用いて説明する。
第10の実施形態は、情報設定部213が、現金取引を行なう携帯端末2の端末情報の設定や、新たな携帯端末2に対して取引データの引継ぎ等を行なう。
(J−2)第10の実施形態の動作
図24は、第10の実施形態に係る取引処理システム9における取引処理の動作を示すフローチャートである。
図25は、第10の実施形態に係る携帯端末2の表示画面の構成を示す構成図である。
図24において、顧客は、携帯端末2のメニュー画面にて「その他サービス」を選択する(S101、S1001)。そうすると、図25(B)に例示するような端末情報の設定画面が表示部24に表示される。この設定画面には、図25(B)に例示するように、「端末変更申請」ボタン531、「引継情報登録」ボタン541を含む。
そして、顧客が新たに携帯端末2を変更した場合、顧客により、「端末変更申請」ボタン531が選択される(S1002)。その選択後、情報設定部213は、端末変更の申請電文を連携サーバ3(IBサーバ4、ホストサーバ5)に送信する(S1003)。
ホストサーバ5では、取引データに対応付けて、端末変更に必要な引継情報を登録し(S1005)、当該顧客による携帯端末2を用いた取引をを禁止することを記憶し(S1006)、ホストサーバ5は、その結果を連携サーバ3(IBサーバ4)を経由して、携帯端末2に送信する(S1007)。
携帯端末2は、連携サーバ3を経由して結果を受信し(S1008)、図25(C)に例示するように、引継情報確認画面を表示部24に表示し、新しい端末で取引を実施するために必要な引継情報(例えば、「××××××××」)と、新しい携帯端末2で引継情報登録を完了するまで取引ができないことを確認させる(S1009)。ここで、引継情報は、新たな携帯端末2への取引データを引き継ぐまでに必要な情報であり、例えば、数字、英文字、記号等を含む情報とすることができる。
次に、顧客は新たな携帯端末2を用いて引継情報の入力処理を行なう。この場合、新たな携帯端末2には、インターネットバンキングを利用した取引処理を行なう取引処理部210(アプリケーションソフトウェア)がインストールされており、顧客操作により、当該アプケーションソフトウェアを起動する。
顧客は携帯端末2のメニュー画面にて「その他サービス」を選択し(S1009、S1010)、図25(B)に例示する「引継情報登録」が選択される(S1012)。その選択後、図25(D)に例示する引継情報入力画面が表示部24に表示され、顧客が引継情報(例えば、「××××××××」)を入力する(S1013)。
引継情報が入力されると、情報設定部213は、取引情報の引継電文を、連携サーバ3を経由させ、IBサーバ4、ホストサーバ5に送信する(S1014)。
ホストサーバ5では、引継情報が含まれている電文を受信すると、対応する取引データを検索し、その取引データに対応付けられている引継情報と照合し、引継情報が一致する場合、その引継情報を削除する(S1016)。
また、ホストサーバ5は、当該顧客の携帯端末2を用いた取引データを許可することを記憶し(S1017)、その結果を携帯端末2に送信する(S1018)。
携帯端末では、その結果を受信し(S1019)、図25(E)に例示する引継完了画面を表示部24に表示する。これにより、引継処理が完了した事を顧客に確認させる。
(J−3)第10の実施形態の効果
以上のように、機種変更時の引継情報を携帯端末で発行し、新規の携帯端末で登録することで取引データを引継がせ、取引データが放置される事を防止することができる。
(K)他の実施形態
上述した第1〜第10の実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
(K−1)第1〜第10の実施形態のそれぞれでは、各発明を容易に説明するため、各実施形態の特徴的な処理を例示した。しかし、第1〜第10の実施形態のそれぞれで説明した各処理を組み合わせるようにしてもよい。
(K−2)第4〜第6の実施形態では、連携サーバ(IBサーバ、ホストサーバ)側が、現金処理装置からの電文に基づいて、有効期限切れの取引データを削除する場合を例示した。しかし、連携サーバ(IBサーバ、ホストサーバ)側が有効期限を確認する機能を備え、有効期限切れの取引データを削除するようにしてもよい。