図1及び図2に示すように、貨幣処理システムSYSは、例えば、スーパーマーケット等の店舗のバックヤードに設置され、店舗の売上金の入金処理や、店舗内に設けられた釣銭機に補充する釣銭補充金(準備金)の出金処理などを行う。また、貨幣処理システムSYSは、店舗の従業員の交通費、宿泊費、物品購入費などの経費に対する出金処理の他、仮払いに対する入金処理を行う。
なお、以下の説明において、前述した店舗の売上金の入金処理や釣銭補充金の出金処理を出納処理とも言い、この出納処理は、貨幣処理システムSYSの使用権限が与えられた従業員(以下、オペレータと称する) のみが行うことができる。また、前述した従業員の経費に対する出金処理や仮払いに対する入金処理を精算処理とも言い、店舗の全ての従業員が行うことができる。
<貨幣処理システム>
貨幣処理システムSYSは、貨幣処理装置1、申請用端末機2、承認用端末機3及びサーバ4を含む。貨幣処理装置1、申請用端末機2、承認用端末機3は、LAN(Local Area Network)やインターネット5を介してサーバ4に接続される。
<貨幣処理装置>
図2に示すように、貨幣処理装置1は、店舗内のバックヤードなど、顧客が立ち入ることができないエリアに設置される。貨幣処理装置1の一例として出納機が挙げられる。貨幣処理装置1は、操作端末(以下、ターミナル)11、紙幣処理部12、硬貨処理部13などを含む。ターミナル11は、貨幣処理装置1の各部を制御する。ターミナル11は、操作部111、表示部112、カードリーダ113、二次元コードリーダ114、通信部115、記憶部116及び制御部117を含む。
操作部111は、表示部112に表示された選択項目を選択する際に操作される操作ボタンや入出金する貨幣の金額を入力する操作ボタンを含むキーボードである。表示部112は、出納処理や精算処理を行う際の各種画像を表示する。ここで、操作部111と表示部112とは、これらが一体であるタッチパネルとしてもよい。
カードリーダ113は、貨幣処理装置1の使用権限(操作権限)を与えられた従業員のID(Identification)などの第1認証コード(以下、出納処理用の第1認証コードと称する)を記録した認証カードを読み取る。ターミナル11は、認証カードに記録された第1認証コードをカードリーダ113で読み取ることで、記録されているIDを取得し、使用権限が与えられた従業員による操作であるか否かを判断する。ターミナル11は、使用権限が与えられた従業員による操作であると判断した場合、表示部112に操作画面を表示させる。カードリーダ113は、読み取った第1認証コードを制御部117に出力する。
なお、カードリーダ113により読み取るカードは、貨幣処理装置1の使用権限を有し、出納処理を行える従業員を区別できるものであれば、前述した認証カードに限定されるものではない。例えば、出納処理用の第1認証コードを記録した専用のカードとしてもよいし、出納処理を行う従業員の社員証としてもよい。
また、カードリーダ113は、出納処理用の第1認証コードがカードに磁気記録されている場合には、磁気カードリーダである。また、カードリーダ113は、出納処理用の第1認証コードがカードに内蔵したIC(Integrated Circuit)チップに記録されている場合には、ICカードリーダである。また、カードリーダ、磁気カードリーダ、ICカードリーダのうち少なくとも何れか2以上を含んで構成されていてもよい。
二次元コードリーダ114は、後述する精算用二次元コードCOを読み取る。二次元コードリーダ114に読み取られた精算用二次元コードCOは、制御部117に出力される。
通信部115は、一例として、インターネット5に接続する通信ネットワーク回路である。通信部115は、例えばWi-Fi(Wireless Fidelity:商標登録)に代表される無線LAN(Local Area Network)方式又は有線LAN方式に対応した通信回路である。
記憶部116は、制御プログラム116aや、貨幣処理装置1の制御に必要となる各種情報を予め記憶する。また、記憶部116は、貨幣処理装置1のオペレータの認証コード、制御部117が制御プログラム116aを実行したときに生成されるデータ、紙幣処理部12や硬貨処理部13に貯留される貨幣の在高に係る在高データを記憶する。
制御部117は、図示略のCPU(Central Processing Unit)が記憶部116に記憶された制御プログラム116aを実行することで、主制御部117a、出納処理部117b、精算処理部117c、在高管理部117d、判定部117eとして機能する。
主制御部117aは、貨幣処理装置1の各部を制御する。例えば、主制御部117aは、カードリーダ113により読み取った第1認証コードに基づき、貨幣処理装置1の操作を行おうとしている従業員の認証処理を行う。ここで、記憶部116には、貨幣処理装置1の使用権限が与えられた従業員の第1認証コードが記憶されている。主制御部117aは、読み取った第1認証コードが、記憶部116に予め記憶された第1認証コードと一致するか否かを判定する。以下、記憶部116に予め記憶された第1認証コードを、登録済みの第1認証コードと称する。
主制御部117aは、カードリーダ113により読み取った第1認証コードが記憶部116に予め記憶された第1認証コードと一致すると判定した場合、表示部112に操作画面を表示するとともに、操作部111の操作を有効とする。この場合、主制御部117aは、オペレータによる操作部111の操作に基づく入出金処理を行える状態とする。一方、主制御部117aは、読み取った第1認証コードが、記憶部116に予め記憶された第1認証コードと一致しないと判定した場合、表示部112への操作画面の表示を行わずに、操作部111の操作を無効とする。この場合、主制御部117aは、貨幣処理装置1を待機状態に保持する。
出納処理部117bは、操作部111の入力操作に基づいて、出納処理を実行する。出納処理は、操作部111から入力された取引情報に基づく貨幣の入出金処理である。出納処理は、例えば、店舗に導入されたPOS(Point Of Sale)システムと連動して実行される。
精算処理部117cは、二次元コードリーダ114により読み取られた精算用二次元コードCOに基づき、前述した精算処理を実行する。
在高管理部117dは、紙幣処理部12に貯留される紙幣の在高、及び硬貨処理部13に貯留される硬貨の在高を金種毎に管理する。ここで、紙幣処理部12に貯留される在高とは、紙幣処理部12の一時貯留部(図示省略)に貯留された紙幣及び金種毎に設けられた収納庫(図示省略)に収納された紙幣の合計金額を言う。同様に、硬貨処理部13に貯留される在高とは、硬貨処理部13の一時貯留部(図示省略)に貯留された硬貨及び金種毎に設けられた収納庫(図示省略)に収納された硬貨の合計金額を言う。
判定部117eは、在高管理部117dにより管理される貨幣の金種毎の在高のうち、閾値以下となる金種の貨幣があるか否かを判定する。判定部117eが閾値以下となる金種の貨幣が1金種でもあると判定した場合、主制御部117aは、精算処理を禁止し、出納処理のみを行う。
<申請用端末機>
申請用端末機2は、従業員が保有する携帯型の通信端末機である。申請用端末機2は、タッチパネル21、通信部22、制御部23及び記憶部24を含む。
タッチパネル21は、申請時の各種画像や、精算用二次元コードCOの画像を表示する。また、タッチパネル21は、入力操作時に使用される。
通信部22は、インターネット5に接続する通信ネットワーク回路を含む。通信部22は、例えばWi-Fi(商標登録)に代表される無線LAN方式に対応した通信回路である。
制御部23は、図示略のCPUが記憶部24に記憶されたウェブブラウザ24aを実行することで、通信部22を介してサーバ4との間で通信を行う。これにより、申請用端末機2を有する従業員(以下、申請者)は、申請用端末機2において、サーバ4により実行される精算申請用のソフトウェアを利用することができる。
記憶部24は、ウェブブラウザ24aの実行により精算申請処理を行ったときに生成されるデータ(以下、申請データと言う)APを一時的に記憶する。また、図示は省略するが、記憶部24は、過去に行った精算申請処理の一覧を示すデータや、精算用二次元コードCOに関する情報などを一時的に記憶する。なお、精算申請処理の一覧を示すデータは、サーバ4の記憶部43に記憶された管理用データベース(DB)43bから読み出されたデータである。
<承認用端末機>
承認用端末機3は、例えばスーパーマーケットの店長など承認権限を有する従業員(以下、承認者)が保有する携帯型の通信端末機である。承認用端末機3は、申請用端末機2から送信された精算申請の承認を行うことができる端末機である。
承認用端末機3は、申請用端末機2と同様の構成を有する。つまり、承認用端末機3は、タッチパネル31、通信部32、制御部33及び記憶部34を含む。
タッチパネル31は、精算申請や精算申請の承認に係る各種画像や、精算用二次元コードCOの画像を表示する。また、タッチパネル31は、入力操作時に使用される。
通信部32は、インターネット5に接続する通信ネットワーク回路である。通信部32は、例えばWi-Fi(商標登録)に代表される無線LAN方式に対応した通信回路である。
制御部33は、図示略のCPUが記憶部43に記憶されたウェブブラウザ34aを実行することで、通信部32を介してサーバ4との間で通信を行う。これにより、承認者は、承認用端末機3を用いて、サーバ4により実行される精算申請用のソフトウェアを利用することができる。なお、記憶部34に記憶されるウェブブラウザ34aは、申請用端末機2の記憶部24に記憶されるウェブブラウザ24aに、精算申請に対する承認を行う機能を追加したものである。
記憶部34は、ウェブブラウザ34aの実行により生成されるデータや、精算申請の一覧を示すデータを一時的に記憶する。なお、精算申請の一覧を示すデータは、サーバ4の記憶部43から読み出されたデータである。また、記憶部34は、サーバ4の記憶部43に記憶された管理データ43dを一時的に記憶する。
<サーバ>
サーバ4は、通信部41、制御部42及び記憶部43を有する。
通信部41は、インターネット5に接続する通信ネットワーク回路を含む。通信部41は、例えばWi-Fi(商標登録)に代表される無線LAN方式又は有線LAN方式に対応した通信回路である。
制御部42は、記憶部43に記憶されたウェブサーバ43aを実行する。ここで、ウェブサーバ43aは、貨幣処理装置1との間の通信、及び申請用端末機2で実行されるウェブブラウザ24aや承認用端末機3で実行されるウェブブラウザ34aとの間の通信により、精算申請に係る処理を実行する、いわゆる精算申請用のソフトウェアである。
制御部42は、申請用端末機2がウェブブラウザ24aを実行した際に、ログイン画面、申請画面などの各種データを申請用端末機2に送信する。同様に、制御部42は、承認用端末機3がウェブブラウザ34aを実行した際、ログイン画面、申請画面などの各種データを承認用端末機3に送信する。
制御部42は、図示略のCPUが記憶部43に記憶されたウェブサーバ43aを実行することで、主制御部42a、更新部42b、生成部42cとして機能する。
主制御部42aは、貨幣処理装置1の各部を制御する。主制御部42aは、申請一覧のデータを記憶部43から読み出し、申請用端末機2や承認用端末機3に対して送信する。また、主制御部42aは、管理データ43dを記憶部43の管理用DB43bから読み出し、承認用端末機3に対して送信する。また、主制御部42aは、管理データ43dが更新されたときに、更新通知を申請用端末機2又は承認用端末機3に対して実行する。また、主制御部42aは、申請用端末機2から精算用二次元コードCOの送信要求を受けて、生成された精算用二次元コードCOに関する情報を申請用端末機2に送信する。さらに、主制御部42aは、貨幣処理装置1から、精算用二次元コードCOから得られる情報(例えば、後述する第2認証コードなど)の確認要求を受けて、精算用二次元コードCOから得られる情報の正否判定を行う。主制御部42aは、その判定結果を貨幣処理装置1に送信する。
更新部42bは、申請用端末機2から送信された申請データAPを受信したときに、管理データ43dを更新する。また、更新部42bは、承認用端末機3から送信された承認信号を受信したときに、管理データ43dを更新する。また、更新部42bは、貨幣処理装置1から精算が完了したことを示す信号を受信したときに、管理データ43dを更新する。なお、申請用端末機2や承認用端末機3から送信された申請データAPは、記憶部43に記憶された申請一覧データ43cに記憶される。
生成部42cは、申請用端末機2から精算用二次元コードCOの送信要求を受けて、精算用二次元コードCOを生成する。なお、この実施形態では、精算用二次元コードCOとして、QRコード(登録商標)を用いる場合を説明する。
生成部42cは、記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43d(図4参照)から、例えば申請者を認証するための第2認証コードを読み出す。そして、生成部42cは、読み出した第2認証コードに基づいて、精算用二次元コードCOを生成する。生成した精算用二次元コードCOは、通信部41を介して、申請用端末機2に送信される。なお、精算用二次元コードCOは、少なくとも第2認証コードを含むものであれば、他の情報を含んでいてもよい。
記憶部43は、ウェブサーバ43a、管理用DB43b及び申請一覧データ43cを記憶する。
管理用DB43bは、管理データ43dを記憶する。管理データ43dは、申請用端末機2から送信された申請データAPに基づく精算申請の進捗などを管理するためのデータである。管理データ43dは、サーバ4が申請用端末機2から送信された申請データAPを受信したとき、サーバ4が承認用端末機3から送信された承認信号を受信したとき、又はサーバ4が貨幣処理装置1からの完了通知を受信したときに更新される。
申請一覧データ43cは、申請用端末機2から送信された複数の申請データをまとめたものである。申請一覧データ43cは、サーバ4が申請用端末機2から送信された申請データAPを受信すると更新される。
<申請データ>
図3は、サーバ4の記憶部43に記憶された申請一覧データ43cの一例を示す図である。前述したように、申請用端末機2では、所定の申請者による1つの精算に対して1つの申請データAPが生成される(例えば、図3の申請者Aによる精算に対する申請データAPa)。申請一覧データ43cは、複数の申請者A~Dにより申請される複数の申請データAPa~APkをまとめたものである。
図3に示すように、各申請データAPa~APkは、例えば申請者、申請者ID、申請種別、入出金金額、入出金理由が関連付けられている。
申請者は、精算申請を行う申請者の名称などである。
申請者IDは、申請者を識別するための番号や記号であり、個々の従業員にそれぞれ固有の申請者IDが設定されている。第1実施形態では、申請者IDは、数字4桁の番号である。図3では、申請者Aの申請者IDは「1202」、申請者Bの申請者IDは「0992」である。また、申請者Cの申請者IDは「1106」、申請者Dの申請者IDは「1354」である。これにより、サーバ4は、申請者IDを取得することで、精算申請を行った従業員を把握することができる。
申請種別は、貨幣処理装置1が実行する処理である。申請種別は、具体的には「出金」又は「入金」のいずれかである。入出金額は、申請者が精算申請した金額である。入出金理由は、精算(経費)の内容である。入出金理由は、例えば交通費や宿泊費の他、セミナー参加費や消耗品等の費目である。
<管理データ>
図4は、サーバ4の管理用DB43bに記憶された管理データ43dの一例を示す図である。図4に示すように、管理データ43dは、例えば、管理番号、申請者ID、第2認証コード、入出金区分、入出金理由、入出金額、申請日、承認者ID、承認日、処理済みフラグを含み、各々関連付けられている。
サーバ4の更新部42bは、申請用端末機2から申請データAPを受信した場合、受信した申請データAPに、管理番号や承認に関する情報などを付加して管理データ43dを作成(更新)し、管理用DB43bに記憶する。
管理番号は、申請データAPを受け付けた順に付与される連続した番号である。申請者IDは、前述した申請データAPの申請者IDと同様である。
第2認証コードは、申請者が申請用端末機2を介してソフトウェアを実行した際に、サーバ4側から各申請者に付与される認証のためのコードである。第2認証コードは、申請者がサーバ4にアクセスした際にランダムに生成される5桁の英数字の組み合わせである。この第2認証コードに、管理番号、申請者ID、入出金区分、入出金理由、入出金額、申請日、承認者ID、承認日、処理済みフラグ等のデータが関連付けられている。例えば、申請者Aには第2認証コード「K225I」が付与され、申請者Bには第2認証コード「J333O」が付与される。また、申請者Cには第2認証コード「K202B」が付与され、申請者Dには第2認証コード「Y351A」が付与される。なお、第2認証コードに基づく精算申請が完了した場合、当該精算申請に対応する第2認証コードは削除される。
次の入出金区分、入出金理由、入出金額は、前述した申請データの入出金区分、入出金理由、入出金額と同様である。申請日は、申請者が申請用端末機2から精算申請した年月日である。承認者IDは、承認権限を有する承認者が承認用端末機3を介してソフトウェアを実行した際に、サーバ4側から承認者に付与される。承認者IDは、例えば5桁の英数字の組み合わせである。承認日は、承認者が承認用端末機3から精算申請を承認した年月日である。処理済みフラグは、例えば精算処理が完了したか否かを識別するためのフラグである。例えば精算処理が完了した場合、処理済みフラグは「1」である。一方、精算処理が完了していない場合、処理済みフラグは「0」である。
次に、貨幣処理システムSYSにおける精算処理の流れについて、図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6に示すフローチャートは、申請者が申請用端末機2を操作してウェブブラウザ24aを実行し、サーバ4へのログイン操作が完了した後の流れを示している。
なお、図5及び図6に示すフローチャートにおいて、申請用端末機2における処理を100番台のステップで、サーバ4における処理を200番台のステップで示す。また、承認用端末機3における処理を300番台のステップで、貨幣処理装置1における処理を400番台のステップで示す。
ステップS101において、申請用端末機2の制御部23は、サーバ4から送信された申請者の第2認証コードに関連付けられたデータ(申請一覧)を、タッチパネル21に表示する。なお、以下の説明において、図示は省略しているが、申請一覧を表示する際には、申請用端末機2の制御部23は、通信部22を介して、申請一覧の取得要求をサーバ4に対して行い、それに応じてサーバ4から送信されてきた最新の管理データ43d(図4参照)を、通信部22を介して受信する。例えば、この処理は、申請者が申請用端末機2を用いてサーバ4にログインすることにより行われる。具体的には、申請者が申請用端末機2を用いてサーバ4にログインすると、サーバ4の制御部42は、管理用DB43bから管理データ43dを参照し、ログインを行った申請者の第2認証コードに関連付けられたデータ(申請一覧)を読み出す。そして、サーバ4の制御部42は、読み出したデータ(申請一覧)を、通信部41を介して申請用端末機2に送信する。申請用端末機2の制御部23は、通信部22を介してサーバ4からのデータを受信し、受信したデータをタッチパネル21に表示する。
図7(a)は、申請用端末機2のタッチパネル21に表示される申請一覧の一例である。領域71に申請者ID、領域72に選択項目、領域73に申請一覧が各々表示される。申請者IDは、ログインした状態では、領域71に常時表示される。
領域72に表示される選択項目は、サーバ4にログインした申請者により、申請者自身が行った精算申請を絞り込み表示する際に選択される。選択項目としては、例えば「入出金済」、「承認済」、「申請中」、「却下」、「取下」など、申請の進行度を示す項目の他、「入金」、「出金」など、入出金区分を示す項目を含む。なお、各項目には、チェックボックスが対応付けられている。申請者は、各項目に対応付けられたチェックボックスにチェックを入れることで、精算申請の一覧を絞り込み表示することができる。
精算申請の一覧は、当該申請者自身が行った過去の精算申請の履歴である。なお、図7(a)においては、領域73には、精算申請の一覧が表示されていない。つまり、実施の形態では、当該申請者による過去の精算申請の履歴がない、又はチェックした選択項目に関連付けられた過去の精算申請の履歴がないことを示している。この場合、例えば「申請データはありません。」などのコメントが領域73に表示される。
図5に戻り、ステップS102において、申請用端末機2の制御部23は、新規に精算申請が行われたか否かを判定する。
図7(a)中、精算申請ボタン74は、精算申請を新たに申請する際に操作される操作ボタンである。申請用端末機2の制御部23は、精算申請ボタン74の押圧操作に基づく信号がタッチパネル21から入力されたか否かによって、新規に精算申請が行われたか否かを判定する。
申請用端末機2の制御部23は、新規申請が行われたと判定すると(ステップS102の判定結果:Yes)、すなわち、申請者が新規に精算申請を行うために精算申請ボタン74を操作すると、ステップS103において、申請用端末機2の制御部23は、申請用端末機2のタッチパネル21に精算申請の入力画面(申請画面)を表示する(図7(b)参照)。
一方、申請用端末機2の制御部23は、新規申請が行われていないと判定すると(ステップS102の判定結果:No)、ステップS101に戻り、申請用端末機2のタッチパネル21に精算申請の一覧を引き続き表示させる。
次に、ステップS104において、申請用端末機2の制御部23は、申請者がタッチパネル21を押圧操作しながら申請画面の入力欄に入力した申請内容を取得する。
申請用端末機2のタッチパネル21に表示される申請画面の一例である図7(b)には、領域75に入出金区分の選択項目、領域76に金額の入力欄、領域77に入出金理由の入力欄が表示される。
領域75に表示される入出金区分の選択項目は、「入金」、又は「出金」である。「入金」は、仮払いを行ったときの余剰分の貨幣を申請者が支払う場合に選択される。「出金」は、後払いとなる場合に貨幣を申請者に払う場合に選択される。なお、図7(b)においては、「出金」が選択(同図におけるハッチング参照)された場合が示されている。
領域76に表示される金額の入力欄には、実際に支払いを行った金額、又は余剰分の金額が入力される。また、入出金理由の入力欄には、経費の内容(費目)等が入力される。
また、領域77の下方には、2つの操作ボタン78,79が表示される。操作ボタン(以下、「戻るボタン」と言う)78は、精算申請を中止する際に押圧操作される。戻るボタン78が押圧操作されると、一つ前の表示画面に戻って、図7(a)に示す精算申請の一覧が表示される。操作ボタン(以下、「申請ボタン」と言う)79は、入力した情報で精算申請を行う場合に押圧操作される。
図5に戻って、ステップS105において、申請用端末機2の制御部23は、申請の実行が要求されたか否かを判定する。
具体的には、申請用端末機2の制御部23は、申請ボタン79の押圧操作に基づく信号がタッチパネル21から入力されたか否かによって、申請の実行が要求されたか否かを判定する。
申請用端末機2の制御部23は、精算申請の実行が要求されたと判定すると(ステップS105の判定結果:Yes)、すなわち、申請者が新規に精算申請を行うために申請ボタン79を押圧操作すると、ステップS106において、ステップS104で取得した申請内容に基づいて、申請データAP(図3参照)を生成し、生成した申請データAPを、通信部22を介してサーバ4に送信する。
申請用端末機2の制御部23は、精算申請の実行が要求されていないと判定すると(ステップS105の判定結果:No)、ステップS103に戻り、それ以降の処理を実行する。
なお、図示は省略しているが、生成した申請データAPを、通信部22を介してサーバ4に送信した後、申請用端末機2の制御部23は、申請画面の表示から申請一覧の表示に切り替える。このとき、新たに精算申請した申請データAPが反映された内容が、申請一覧に表示される(図7(c)参照)。
図7(c)に示すように、申請一覧として、新たに申請した精算申請が反映された内容が表示される領域80が領域73に設けられている。領域80には、入出金区分、申請者ID、入出金理由、金額、申請日時の他、精算申請の進捗状況(例えば、「申請中」)や、承認日なども1つの項目として表示される。また、領域73には、申請内容の削除を行う際に操作される操作ボタン(以下、「削除ボタン」とも言う)80aも設けられている。
図5に戻って、ステップS201において、サーバ4の主制御部42aは、ステップS106で申請用端末機2が送信した申請データAPを、通信部41を介して受信する。そして、サーバ4の更新部42bは、サーバ4の主制御部42aが受信した申請データAPを記憶部43の管理用DB43bに記憶した管理データ43dに追加し、管理データ43dを更新する。このとき、サーバ4の更新部42bは、記憶部43に記憶された申請一覧データ43cも更新する。
次に、ステップS202において、サーバ4の主制御部42aは、記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43dを更新した旨を示す通知(更新通知)を、通信部41を介して承認用端末機3に送信する。ここでは、サーバ4の主制御部42aは、サーバ4の更新部42bが記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43dを更新したときに、管理データ43dの更新通知を承認用端末機3に送信しているが、例えば申請一覧の再読み込みなど、承認用端末機3からの照会時に、管理データ43dの更新通知を送信してもよい。
ステップS301において、承認用端末機3の制御部33は、ステップS202でサーバ4が送信した更新通知を、通信部32を介して受信し、タッチパネル31及び/又は図示を省略したスピーカを用いて、サーバ4において管理データ43dが更新されたことを報知する。これにより、承認者は、管理データ43dの更新を認識できる。
次に、ステップS302において、承認用端末機3の制御部33は、サーバ4において更新された最新の管理データ43dの取得要求を、通信部32を介してサーバ4に送信する。これを受けて、ステップS203において、サーバ4の制御部42は、更新された最新の管理データ43dを、通信部32を介して承認用端末機3に送信する。ステップS303において、承認用端末機3の制御部33は、サーバ4から送信された、更新された最新の管理データ43dを、通信部32を介して受信し、管理データ43dを記憶部34に一時記憶する。そして、承認用端末機3の制御部33は、記憶部34に一時記憶した管理データ43dに基づいて精算申請の一覧を作成してタッチパネル31に表示させる。
次に、ステップS304において、承認用端末機3の制御部33は、新規の精算申請が承認されたか否かを判定する。
ステップS303において、精算申請の一覧がタッチパネル31に表示されると、申請者は、精算申請の一覧を視認により確認し、新規に承認すべき精算申請があるか否かを判断する。承認者は、承認すべき精算申請があると判断した場合、承認用端末機7のタッチパネル31を操作し、承認すべき精算申請を選択して承認する旨の操作を行う。承認すべき精算申請を承認する旨の信号が承認用端末機3の制御部33に出力される。すなわち、承認用端末機3の制御部33は、タッチパネル31から精算申請を承認する旨の信号が入力されたか否かによって、新規の精算申請が承認されたか否かを判定する。
承認用端末機3の制御部33は、精算申請が承認されたと判定した場合(ステップS304の判定結果:Yes)、ステップS305において、承認を行った精算申請の管理番号と、承認した年月日とを含む承認データを生成し、生成した承認データを、通信部32を介してサーバ4に送信する。
承認用端末機3の制御部33は、精算申請が承認されていないと判定した場合(ステップS304の判定結果:No)、ステップS303に戻り、タッチパネル31に更新された申請一覧を引き続き表示する。
ステップS204において、サーバ4の更新部42bは、ステップS305で承認用端末機3が送信した承認データを、サーバ4の主制御部42aが通信部41を介して受信すると、記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43dを読み出す。そして、サーバ4の更新部42bは、承認用端末機3からの承認データを、記憶部43の管理用DB43bから読み出した管理データ43dに反映する。つまり、管理データ43dが更新される。
次に、ステップS205において、サーバ4の主制御部42aは、申請用端末機2に対して、承認用端末機3から精算申請が承認されたことを示す通知(以下、承認通知)を、通信部41を介して送信する。承認通知を送信すると、サーバ4の主制御部42aは、後述するステップS110において申請用端末機2が精算用二次元コードCOの取得要求を送信してくるまで待機状態となる。
サーバ4が送信した承認通知を、通信部22を介して受信すると、ステップS107において、申請用端末機2の制御部23は、タッチパネル21及び/又は不図示のスピーカを介して、申請用端末機2が受信した承認通知を報知する処理を行う。この報知により、精算申請を行った申請者は、申請者自身が行った精算申請が承認されたことを認識できる。
次に、ステップS108において、申請用端末機2の制御部23は、タッチパネル21に表示された申請一覧を更新表示する。ここで、図示は省略しているが、更新一覧に基づくデータは、ステップS205において、サーバ4の制御部42が精算申請の承認通知とともに、申請用端末機2に向けて送信してもよいし、承認通知を受信した後、申請用端末機2の制御部23がサーバ4に対して要求してもよい。
申請用端末機2の制御部23は、サーバ4から受信した、申請者の第2認証コードに関連付けられた管理データ43dに基づいて、申請一覧をタッチパネル21に更新表示させる(図8(a)参照)。
図8(a)は、承認用端末機3によって精算申請が承認された後の申請用端末機2に表示される表示画面の一例である。図8(a)に示すように、申請用端末機2のタッチパネル21には、精算申請の一覧として、過去の精算申請の履歴が表示される。このとき、領域80には、精算申請した内容81が表示される。領域80に表示される内容81は、図7(c)と比較して、精算申請の進捗状況(例えば、「承認済」)が更新されている。また、領域73には、精算用二次元コードCOを表示するためのボタン81aが表示される。
図5に戻って、ステップS109において、申請用端末機2の制御部23は、精算用二次元コードCOの取得要求が実行されたか否かを判定する。例えば申請用端末機2に申請一覧が表示されると、申請者は、申請一覧を参照しながら、精算処理を行いたい項目があるか否かを判断する。申請者は、精算処理を行いたい項目があると判断した場合、精算処理を行いたい項目に表示される精算用二次元コードCOを表示するためのボタン81aを押圧操作する。すなわち、制御部33は、タッチパネル31から精算用二次元コードCOを表示する旨の信号が入力されたか否かによって、精算用二次元コードCOの取得要求が実行されたか否かを判定する。
申請用端末機2の制御部23は、精算用二次元コードCOの取得要求が実行されたと判定すると(ステップS109の判定結果:Yes)、ステップS110において、サーバ4に向けて精算用二次元コードCOの取得要求を、通信部22を介して送信する。この処理の後、申請用端末機2は、後述するステップS207でサーバ4から精算用二次元コードCOが送信されてくるまで待機状態となる。
申請用端末機2の制御部23は、精算用二次元コードCOの取得要求が実行されていないと判定すると(ステップS109の判定結果:No)、申請用端末機2の制御部23は、タッチパネル21に、申請一覧を表示し、精算用二次元コードCOの取得要求が実行されたか否かの判定を繰り返し実行する。
ステップS206において、サーバ4の生成部42cは、サーバ4の主制御部42aが通信部41を介して受信した、取得要求に付帯された管理番号及び申請者IDに対応する精算情報を、記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43dから読み出す。そして、サーバ4の生成部42cは、読み出した精算情報に基づいた精算用二次元コードCOを生成する。次に、ステップS207において、サーバ4の主制御部42aは、サーバ4の生成部42cが生成した精算用二次元コードCOを、通信部44を介して申請用端末機2に送信する。
図6に示すように、ステップS111において、申請用端末機2の制御部23は、サーバ4が送信した精算用二次元コードCOを、通信部22を介して受信し、図8(b)に示すように、受信した精算用二次元コードCOをタッチパネル21に表示させる。図8(b)において、精算用二次元コードCOの下方には、精算用二次元コードCOの表示から、一つ前の画面である申請一覧の表示に戻るための操作ボタン82が表示される。
上述した処理により申請用端末機2のタッチパネル21に精算用二次元コードCOが表示され、その表示された精算用二次元コードCOにより貨幣処理装置1のターミナル11による精算処理が可能となる。
ステップS401において、ターミナル11の主制御部117aは、申請用端末機2に表示される精算用二次元コードCOが、貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114にかざされているか否かを判定する。具体的には、貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114により申請用端末機2に表示される精算用二次元コードCOが認識された場合、ターミナル11の主制御部117aは、申請用端末機2に表示される精算用二次元コードCOが貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114にかざされていると判定する。ターミナル11の主制御部117aは、貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114に、申請用端末機2に表示される精算用二次元コードCOをかざしていると判定するまで、この処理を繰り返す。
ステップS401において、ターミナル11の主制御部117aは、申請用端末機2に表示される精算用二次元コードCOが貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114にかざされていると判定すると、ステップS402において、貨幣処理装置1が出納処理中であるか否かの判定を行う。出納処理中であるか否かの判定は、例えば、貨幣処理装置1において、オペレータがターミナル11の操作部111を操作しているか否かに基づいて行われる。または、例えば、オペレータにより操作部111から入力された取引情報に基づいて貨幣処理装置1が入出金処理中であるか否か、すなわち、ターミナル11の出納処理部117bが作動しているか否かに基づいて行われ、貨幣処理装置1が待機中でない場合は、出納処理中と判定される。
ターミナル11の主制御部117aは、出納処理中であると判定した場合(ステップS402の判定結果:Yes)、ステップS406において、ターミナル11の表示部112に、「出納処理中のため、精算処理ができません。」などのエラーメッセージを表示させる。出納処理中であると判定された場合、後述ステップS403以降の、二次元コードリーダ114で読み取った精算用二次元コードCOに係る精算処理は実行されない。ステップS406において、ターミナル11の主制御部117aは、ターミナル11の表示部112に、エラーメッセージを表示させた後、ステップ401に戻り、精算用二次元コードCOが二次元コードリーダ114にかざされたか否かの判定処理を実行する。このとき、ターミナル11の出納処理部117bは、出納処理を引き続き実行する。すなわち、出納処理が行われている場合、申請者が精算処理を試みても実行されない。
ステップS402において出納処理中でないと判定した場合(ステップS402の判定結果:No)、すなわちオペレータがターミナル11の操作部111を操作していない場合、ターミナル11の主制御部117aは、貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114にかざされた精算用二次元コードCOの読み取りを許可する。すなわち、ステップS403において、貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114は、かざされた精算用二次元コードCOの読み取りを行い、読み取った精算用二次元コードCOのデータを、ターミナル11の主制御部117aに出力する。ターミナル11の主制御部117aは、精算用二次元コードCOのデータをターミナル11の記憶部116に記憶する。
次に、ステップS404において、ターミナル11の在高管理部117dは、紙幣処理部12及び硬貨処理部13が保有する紙幣や硬貨の在高確認(計数)を行う。ステップS405において、ターミナル11の判定部117eは、貨幣処理装置1が保有する何れかの金種の貨幣の在高が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
ターミナル11の判定部117eは、貨幣処理装置1が保有する何れの金種の貨幣の在高も所定の閾値以下でないと判定した場合(ステップS405の判定結果:No)、ステップS407において、ターミナル11の記憶部116に記憶した精算用二次元コードCOのデータを読み出す。ターミナル11の判定部117eは、読み出した精算用二次元コードCOのデータから第2認証コードを取得し、取得した第2認証コードに関する情報を付帯した確認要求を、通信部115を介してサーバ4に送信する。
また、ターミナル11の判定部117eは、貨幣処理装置1が保有する何れかの金種の貨幣の在高が所定の閾値以下であると判定した場合(ステップS405の判定結果:Yes)、ステップS406において、「精算処理ができません」などのエラーメッセージを表示部112に表示させる。その後、ステップS401に戻り、それ以降の処理を実行する。
ステップS208において、サーバ4の主制御部42aは、貨幣処理装置1からの確認要求(ステップS206)を、通信部41を介して受信した後、記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43dを参照し、確認要求に付帯された第2認証コードと一致する第2認証コードがあるか否かを確認する。そして、サーバ4の主制御部42aは、ステップS209において、確認要求に付帯された第2認証コードと一致する第2認証コードがあるか否かの確認結果を貨幣処理装置1に送信する。その後、サーバ4の主制御部42aは、後述するステップS411で貨幣処理装置1から完了通知が送信されてくるまで待機状態となる。
ステップS408において、ターミナル11の主制御部117aは、ステップS208でサーバ4から確認要求に付帯された第2認証コードと一致する第2認証コードがあるか否かの確認結果を、通信部41を介して受信した後、該確認結果が、確認要求に付帯された第2認証コードと一致する第2認証コードがあるという結果であるか否かを判定する。
ターミナル11の主制御部117aは、確認要求に付帯された第2認証コードと一致する第2認証コードがあるという確認結果である場合(ステップS408の判定結果:Yes)、ステップS409において、ステップS402で読み取った精算用二次元コードCOからの情報に基づいてログイン処理(自動ログイン処理)を行う。すなわち、出納処理を行う場合のように、認証カードに記録された認証コードの入力操作や、申請者IDやパスワードの入力操作が要求されない。
一方、確認結果が、確認要求に付帯された第2認証コードと一致する第2認証コードがないという結果である場合(ステップS408の判定結果:No)、ターミナル11の主制御部117aは、ステップS401に戻り、待機状態となる。
ステップS410において、ターミナル11の主制御部117aは、精算用二次元コードCOに基づいて処理する精算処理(出金処理又は入金処理)に関する表示画面を表示部112に表示する。
次に、ステップS411において、ターミナル11の精算処理部117cは、二次元コードリーダ114で読み取った精算用二次元コードCOに基づく精算処理を行う。ターミナル11の精算処理部117cは、精算用二次元コードCOに基づく精算処理が出金である場合、その金額によって、紙幣処理部12又は硬貨処理部13の少なくともいずれか一方の処理部に対して出金処理を実行させる。また、ターミナル11の精算処理部117cは、精算用二次元コードCOに基づく精算処理が入金処理である場合、紙幣処理部12又は硬貨処理部13に対して入金処理を実行させる。
ステップS412において、ターミナル11の精算処理部117cは、精算処理が完了した旨の完了通知を、通信部115を介してサーバ4に送信する。このとき、ターミナル11の精算処理部117cは、完了通知に管理番号を示す情報を付帯する。ステップS210において、サーバ4の主制御部42aは、貨幣処理装置1からの完了通知を、通信部41を介して受信する。これを受けて、サーバ4の更新部42bは、記憶部43の管理用DB43bに記憶された管理データ43dを読み出す。サーバ4の更新部42bは、読み出した管理データ43dのうち、完了通知に付帯された管理番号に対して、精算日などを追加し、また、完了フラグを「0」→「1」に変更する処理などを行って、管理データ43dを更新する。これにより、精算用二次元コードCOを読み取ることによって行われる貨幣処理装置1の精算処理が終了する。
申請用端末機2の制御部23は、申請一覧の表示に戻るための操作ボタン82が押されると、ステップS112において、タッチパネル21に申請一覧を表示させる。なお、図示は省略しているが、申請一覧を表示する際に、申請用端末機2の制御部23は、通信部22を介して、申請一覧の再要求をサーバ4に対して行い、サーバ4から通信部22を介して、最新の管理データ43dを受信する。図8(c)に示すように、領域80に表示される、申請した精算申請の内容83では、精算申請が完了したことを示す項目が追加される。
一方、申請用端末機2の制御部23は、精算が完了していることを示す結果でない場合(ステップS114の判定結果:No)、ステップS111に戻り、精算用二次元コードCOをタッチパネル21に引き続き表示する。
以上説明した実施の形態では、申請用端末機2と貨幣処理装置1とを少なくとも有する貨幣処理システムSYSにおいて、申請用端末機2は、精算申請に係る貨幣の精算情報が関連付けられた精算用二次元コードCO(コード情報)を取得する制御部23(取得部)と、制御部23により取得した精算用二次元コードCOを出力するタッチパネル21(出力部)と、を有し、貨幣処理装置1は、貨幣の入出金にかかる取引情報を入力可能な操作部111と、操作部111の操作により入力された取引情報に基づいて、入出金処理を行う紙幣処理部12及び硬貨処理部13(貨幣処理部)と、これら紙幣処理部12及び硬貨処理部13を制御する制御部117と、申請用端末機2のタッチパネル21により出力された精算用二次元コードCOを受け付ける二次元コードリーダ114(受付部)と、を有し、制御部117は、操作部111により入力された取引情報に基づいて、貨幣の入出金処理を行う出納処理(第1処理)と、二次元コードリーダ114にて受け付けた精算用二次元コードCOに関連付けられた精算情報に基づいて、貨幣の入出金処理を行う精算処理(第2処理:ステップS410)と、を行う構成とした。
この構成により、貨幣処理システムSYSは、貨幣処理装置1の操作部111の操作を受けて貨幣の入出金処理を行うことができるとともに、申請用端末機2から精算用二次元コードCOに係る信号を受け付けた場合には、受け付けた信号に基づいて精算処理を行えるようにした。したがって、1台の貨幣処理装置1で、異なる入出金処理を確実に区別しながら処理することができる。すなわち、出納処理を行う貨幣処理装置とは別に、経費の精算処理を行う貨幣処理装置を別途設ける必要はないので、精算処理が煩雑になることを防止でき、また、精算処理に対するコストや、装置の設置スペースを省略することが可能となる。
また、この実施形態で説明した貨幣処理システムSYSでは、貨幣処理装置1が、申請者が保有する申請用端末機2からのコード情報である精算用二次元コードCOを読み取ることで、貨幣処理装置1が自動的に精算処理を行う構成とした。上述した精算申請は、店舗の全ての従業員が行い得るため、貨幣処理装置1の使用権限を有しない従業員も精算申請する可能性がある。貨幣処理装置1の使用権限を有しない従業員は、貨幣処理装置1へのログイン認証ができないため、貨幣処理装置1の操作を行えない。また、仮に何らかの方法でログイン認証ができたとしても、貨幣処理装置1の操作に不慣れなため、精算処理の操作を行うことができないか、操作に非常に多くの時間がかかってしまう。
この実施形態にかかる貨幣処理システムSYSでは、申請者は、申請用端末機2のタッチパネル21に表示された精算用二次元コードCOを貨幣処理装置1の二次元コードリーダ114に読み取らせるだけで、後の処理は貨幣処理システムSYSが自動的に行い、貨幣処理装置1から申請者に対する精算処理が行われる。したがって、申請者である従業員が、貨幣処理装置1の操作部111を操作する必要はないので、その操作に不慣れな従業員であっても容易に精算処理を行うことができる。
また、出力部として、精算用二次元コードCOを表示するタッチパネル21を含み、二次元コードリーダ114は、申請用端末機2のタッチパネル21に表示された前記画像を読み取ることで、精算用二次元コードCOを受け付ける構成としている。したがって、申請者が申請用端末機2のタッチパネル21に精算用二次元コードCOを表示した状態で、二次元コードリーダ114にかざすという簡単な動作のみで、精算処理を行うことができる。
また、制御部117は、貨幣処理装置1、詳細には、紙幣処理部12及び硬貨処理部13が保有する貨幣の在高に基づいて、精算処理の実行を許可する構成とした。例えば、貨幣処理装置1の在高によっては、貨幣処理装置1にて実行される精算処理を禁止することができる。つまり、貨幣処理装置1が精算処理を行った結果、紙幣処理部12が貯留する紙幣や硬貨処理部13が貯留する硬貨が極端に少ない場合もある。このような場合には、通常の入金処理である出納処理において出金処理が行えなくなる(釣銭の不足)などの事象を防止することができる。
また、貨幣処理装置1は、複数の異なる金種の貨幣を保有することが可能であり、制御部117は、貨幣処理装置1が保有する前記複数の異なる金種の貨幣のうち、少なくともいずれか一つの金種の貨幣の在高が第1閾値以下である場合、前記第2処理を禁止する構成とした。例えば、貨幣処理装置1が精算処理を行った結果、紙幣処理部12が貯留する紙幣や硬貨処理部13が貯留する硬貨が極端に少ない場合に、通常の入金処理である出納処理で出金処理が行えなくなる(釣銭の不足)などの事象を防止することができる。
また、貨幣の精算を行う申請者の第2認証コード(識別情報)と、申請者が申請した申請データAP(精算情報)とを関連付けて記憶する記憶部43と、申請者の第2認証コードと、申請データAPと、に基づいた精算用二次元コードCOを生成する制御部(生成部)42と、を有する構成とした。したがって、申請データと第2認証コードとを含む精算用二次元コードCOを容易に作成することができる。
また、貨幣処理装置1は、操作部111の操作を有効にするための第1認証コードを入力することが可能なカードリーダ113(入力部)と、入力された第1認証コードを用いた認証処理を実行する制御部117(認証部)と、を有し、制御部117は、第1認証コードが認証されたとき、操作部111の操作を有効にし、操作部111の操作により入力された取引情報に基づいて出納処理(第1処理)を実行する構成とした。すなわち取引情報に基づく入出金処理の実行をより限られた者だけが行うようにすることができる。換言すれば、このように取引情報に基づく入出金処理の実行をより限られた者だけが行うようにすることができるようにする一方で、精算処理は、端末機からコード情報を読み取らせるだけで、精算処理を行うことができるので、取引情報に基づく入出金処理の権限がない者でも、行うことができる。すなわち例えば、一つの貨幣処理装置1により入出金処理と精算処理を実行できるという非常に利便性の高いシステムを、より安全に提供できる。
また、申請用端末機2からの精算申請を承認する承認用端末機3を、さらに含み、制御部23は、承認用端末機3において承認された申請データAPに関連付けられた精算用二次元コードCOを取得する構成とした。申請データAPは、承認者によって承認されたときに初めて精算処理が可能となるので、精算情報の入出金処理を不正に行うことを防止できる。また、承認者は、貨幣処理装置1を操作しなくとも、自己が有している端末機を用いて、自己の都合がよいタイミングで承認操作を行うことが可能となる。
この実施形態で説明した貨幣処理システムSYSにおいては、貨幣処理装置1が有する前記複数の異なる金種の貨幣のうち、少なくともいずれか一つの金種の貨幣の在高が閾値以下となる場合に精算処理を禁止する構成とした。
これは、出金処理における釣銭の不足を未然に防止するものである。しかしながら、入出金処理では、釣銭が不足する事象の発生の他、貨幣が紙幣処理部12又は硬貨処理部13が保有する貯留部が満杯になる事象も想定される。したがって、貨幣処理装置1が有する貨幣の金種のいずれかの金種の在高が閾値を超過した場合に、精算処理を禁止することも可能である。この場合、店舗の営業時間帯で取引金額の少ない時間帯であれば、貨幣処理装置1が有する貨幣が少ない(ニアエンド)状態や、貨幣が多い(ニアフル)状態であっても精算処理を行えるように、貨幣処理装置1が有する貨幣の金種のいずれかの金種の在高を確認するための閾値を変更してもよい。
第1実施形態における貨幣処理システムSYSは、貨幣処理装置1、申請用端末機2、承認用端末機3及びサーバ4を有する構成とした。しかしながら、サーバ4の機能を貨幣処理装置1に持たせることも可能である。以下、サーバの機能を有する貨幣処理装置を用いた貨幣処理システムについて、第2実施形態として説明する。
なお、申請用端末機及び承認用端末機の構成は、第1実施形態に示した申請用端末機及び承認用端末機と同一の構成である。したがって、申請用端末機及び承認用端末機に対しては、第1実施形態と同一の符号を付している。また、これら構成については、説明を省略する。
<第2実施形態>
図9に示すように、第2実施形態における貨幣処理システムSYS1は、申請用端末機2、承認用端末機3及び貨幣処理装置9を有する。
貨幣処理装置9は、ターミナル91、紙幣処理部92、硬貨処理部93などを含む。なお、紙幣処理部92及び硬貨処理部93は、第1実施形態に示す貨幣処理装置1が有する紙幣処理部12、硬貨処理部13と同一構成である。
ターミナル91は、操作部911、表示部912、カードリーダ913、二次元コードリーダ914、通信部915、記憶部916及び制御部917を含む。ここで、操作部911、表示部912、カードリーダ913、二次元コードリーダ914、通信部915は、第1実施形態に示す操作部111、表示部112、カードリーダ113、二次元コードリーダ114、通信部115と同一構成である。
制御部917は、第1実施形態に示す貨幣処理装置1の制御部117の機能と、サーバ4の制御部42の機能とを実行する。つまり、制御部917は、貨幣処理装置9において出納処理を行う際の各処理を行う。また、制御部917は、精算処理に基づく各処理を行う。
例えば、制御部917は、図示略のCPUが記憶部916に記憶された制御プログラム916aを実行することで、主制御部917a、出納処理部917b、精算処理部917c、在高管理部917d、判定部917eとして機能する。なお、これら機能は、第1実施形態に示す主制御部117a、出納処理部117b、精算処理部117c、在高管理部117d、判定部117eと同一の構成である。また、制御部917は、図示略のCPUが記憶部916に記憶されたウェブサーバ916bを実行することで、主制御部917a、更新部917f、生成部917gとして機能する。なお、更新部917f及び生成部917gの機能は、第1実施形態に示すサーバ4の更新部42b及び生成部42cと同一の機能である。ここで、主制御部917aは、第1実施形態に示すサーバ4の主制御部42aの機能と、第1実施形態に示す貨幣処理装置1のターミナル11の主制御部117aの機能とを兼用する。
申請用端末機2がウェブブラウザ24aを実行すると、申請用端末機2は、貨幣処理装置9にて実行されるソフトウェアを実行することができる。同様に、承認用端末機3がウェブブラウザ34aを実行すると、申請用端末機2は、貨幣処理装置9にて実行されるソフトウェアを実行することができる。
つまり、申請用端末機2からの申請データAPが貨幣処理装置9に送信されると、貨幣処理装置9は、申請データAPにより管理データ916eを更新して保持する。そして、承認用端末機3において精算申請が承認された後、申請用端末機2からの精算用二次元コードCOの取得要求を受けたときに、貨幣処理装置9は、管理データ916eを参照しながら精算用二次元コードCOを生成する。そして、貨幣処理装置9は、生成した精算用二次元コードCOを申請用端末機2に送信する。申請用端末機2は、送信された精算用二次元コードCOの画像を表示し、貨幣処理装置9に読み取らせる。これにより、貨幣処理装置9は、精算処理を行う。
したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。また、この実施形態では、貨幣処理装置9が第1実施形態のサーバ4の機能を有しているので、新たに貨幣処理システムに用いるサーバを設ける必要がない。
<その他の実施形態>
第1実施形態では、一人の申請者が行う1つの精算申請に対する精算処理が行われているが、同一の申請者による複数の精算申請に対する精算処理を一括して行うようにすることもできる。
例えば、サーバ4の管理用DB43bが同一の第2認証コードに関連付けられた精算情報を複数記憶しているときには、貨幣処理装置1は、記憶された複数の精算情報に基づいた貨幣の精算処理を、申請者の意図する所定のタイミング(例えば、月末や会社の経費精算期限日)に一括で行うことができる。これによれば、精算処理を精算申請毎に行わずに済むので、精算処置に対応した出金処理の煩雑さを回避することができる。
また、同一の申請者により複数の精算申請があった場合、サーバ4又は貨幣処理装置1は、同一の申請者ID等に、複数の申請データAPを関連付けて記憶しておく。そして、精算申請を行った回数が所定回数(例えば5回)、精算申請の期間が所定期間(例えば1か月)、あるいは、複数の精算申請における合計金額が所定金額(例えば、1万円)のいずれかを満足したときに、精算を行えるようにしてもよい。この場合、サーバ4が生成する精算用二次元コードCOには、複数の精算申請の合計金額が含まれる。また、複数の精算申請における合計金額が所定の金額に達した場合に出金する場合、合計金額のうち、例えば紙幣(一万円、五千円、一千円)で支払える金額は払い出しを行い、紙幣で支払うことができない端数(例えば、500円、100円、50円、10円、5円、1円)の金額分については、次回以降の精算申請分と合算して紙幣での払い出しが可能になったタイミングで精算するようにしてもよい。この場合、申請者は、硬貨の出金がなくなるので出金貨幣の取り扱いが容易となる。
また、同一の申請者の複数の精算申請をまとめて行う場合には、これら複数の精算申請を1つにまとめた精算用二次元コードCOを生成してもよい。例えば、2以上の申請データに対応する2以上の管理データ43dを纏めて一つの精算用二次元コードCOを生成してもよい。複数の精算申請を纏めて1つの精算用二次元コードCOを生成すれば、貨幣処理装置1に対して、1つの精算用二次元コードCOを読み取らせるだけで、複数の精算申請に対する精算処理を一括して行わせることができる。すなわち、複数の精算申請ごとに精算用二次元コードCOを個別に生成する処理、また、これら精算用二次元コードCOを繰り返し読み取らせるという面倒な作業を申請者が行わずに済み、複数の精算申請に対する精算処理を迅速に行うことができる。
この場合、複数の精算申請の各々における金額が小さい場合、各精算申請を繰り返し行うと、出金される硬貨が多くなる。しかしながら、複数の精算申請をまとめることで、出金される金額が大きくなるため、硬貨ではなく紙幣で出金することができる。その結果、申請者が不要に多くの硬貨を所持することを防止できる。
さらに、複数の精算申請をまとめて精算処理する場合、精算処理の際に金額に端数が含まれる場合もある。このような事象を防止するために、複数の精算申請のうち、端数(例えば1000円以下の金額、または10000円以下の金額を端数とする)が含まれない精算申請の組み合わせに対して1つの精算用二次元コードCOを生成してもよい。このような場合、複数の精算申請のうち、端数が含まれない精算申請の組み合わせが複数発生する場合には、各組合せに対して精算用二次元コードCOを生成すればよい。これにより、申請者は、端数の入出金が必要なくなるので、多くの効果や紙幣を準備して申請する必要がなくなる。なお、貨幣処理装置1は、複数の精算申請を読み取る際、払出し金額が端数とならないように払出すために必要な金額を提示してもよい。このようにすると、申請者は、端数とならないように払出すための金額を把握することができ、そのような精算申請があるか否か確認し、そのような申請情報がある場合、当該申請情報を読み取らせることで、端数とならない払出しを行うための精算用二次元コードCOを生成して精算処理を行うことができる。
なお、申請者が仮払金の入金を行う際に、お釣りが発生して貨幣処理装置1内の在高が所定の閾値以下となる場合も想定される。この場合、出納処理において釣銭準備金の出金ができなくなる。このような場合には、実際に申請者に対するお釣り分を「保留金」としてチャージしておき、貨幣処理装置1が保有する貨幣の在高が所定の閾値よりも多くなった時に、保留金を払い出せるようにしてもよい。この場合、サーバ4又は貨幣処理装置1は、保留金の払い出しが可能になった旨を申請用端末機2に報知する。
また、複数の精算申請をまとめて精算処理する方法として、サーバ4の制御部42は、例えば1ヶ月などの所定の期間において同一の申請者により申請された複数の精算申請を纏めて精算用二次元コードを生成することも考えられる。これにより、申請者は一ヶ月に一回入出金を行えばよく、精算処理の負担を軽減できる。
第1実施形態では、承認用端末機3において精算申請が承認されたことを受けて、申請用端末機2は、サーバ4から受信した精算申請の承認通知をタッチパネル21にポップアップなどで通知する場合を例示しているが、申請者が申請用端末機2からサーバ4にアクセスすることで、承認用端末機3による申請データの承認の有無を確認することも可能である。
第1実施形態で説明した貨幣処理システムSYSは、申請者が申請用端末機2を利用して、精算申請から精算処理までを自発的に行うものである。しかしながら、申請者によっては、自発的に精算申請や精算処理を行わない申請者もいる。そのような申請者に対して、承認者は、承認用端末機3から申請用端末機2に向けて精算申請を促す報知を行わせることができるようにしてもよい。特に、仮払いを行っている場合、申請者は、仮払いで残余している金額を返す必要がある。したがって、サーバ4又は承認用端末機3から申請用端末機2に向けて精算申請を促す報知を行わせることで、申請者が精算申請に伴う出金処理や、仮払いで残余する金額の入金処理を行わせやすくなる。つまり、仮払いを行った場合、上記報知は、入金を催促するためのものである。例えば貨幣処理装置1が保有する貨幣が空に近くなる場合(ニアエンプティの場合)に入金を促すことで、貨幣処理装置1が保有する貨幣が空になる(エンプティとなる)状態を解消できる。
また、申請者から精算申請が行われたにも関わらず、精算処理が行われてない場合、サーバ4は、申請者が保有する申請用端末機2に対して出金を促す通知を行い、申請者に報知することも可能である。この報知は、出金を催促するためのものである。例えば貨幣処理装置1が保有する貨幣が満杯に近くなった(ニアフル)の場合に出金を促すことで、貨幣処理装置1が保有する貨幣が満杯になる(フルになる)状態を解消できる。
第1実施形態では、貨幣処理装置1において出納処理を行っているときには、精算処理を行うことはできない。また、申請者は、出納処理が終了するタイミングはわからない。したがって、申請者が申請者自身の都合の良いタイミングで精算処理を行うことはできない。このような事象を解消するため、貨幣処理装置1は、申請用端末機2に対して、出納処理を実行していないため精算処理が可能である旨を示す通知を行うことも可能である。
詳細については図示を省略するが、貨幣処理装置に、全ての処理が実行されていない待機状態であるか否かを判定する状態判定部を設ける。状態判定部は、貨幣処理装置が待機状態であるか否かの判定を、一定周期で行う。そして、状態判定部による判定により待機状態であると判定された場合に、貨幣処理装置1が精算処理を行える状態にある旨の通知を申請用端末機2に送信する。申請用端末機2は、例えば貨幣処理装置1が精算処理を行える状態にあることをタッチパネル又はスピーカなどにより報知する。これを受けて、申請者は、貨幣処理装置1を用いた精算処理を実行する。なお、精算処理を行わない場合には、他のタイミングで申請用端末機2にて報知されたときに精算処理を行えばよい。つまり、申請者は、申請者自身の都合の良いタイミングで精算処理を行うことができる。
なお、精算処理を実行できる旨の通知を行うだけでなく、貨幣処理装置1の紙幣処理部12又は硬貨処理部13が貯留する貨幣の在高に基づいて、精算処理が実行できるか否かの通知を行うようにすることも可能である。
例えば、貨幣処理装置1の紙幣処理部12又は硬貨処理部13が貯留する貨幣の在高が閾値以下となる場合に、精算処理が可能であることが申請用端末機2に通知されるようにしたときには、貨幣処理装置1が貯留する貨幣は、貯留可能な貨幣の上限には到達しておらず、また、入金処理を行っても上限に到達しないと判断できる。したがって、申請者は申請者自身のタイミングで精算処理における入金処理を実行することができる。なお、閾値は、入金処理の金額に合わせてもよいし、固定値であってもよい。また、貨幣の在高の確認は、金種毎に行ってもよい。
また、貨幣処理装置1の紙幣処理部12又は硬貨処理部13が貯留する貨幣の在高が閾値を超過する場合に、精算処理が可能であることが申請用端末機2に通知されるようにしたときには、貨幣処理装置1にて出金処理を行っても十分に貨幣が貯留されていると判断できる。この場合、申請者は申請者自身のタイミングで精算処理における出金処理を実行することができる。なお、閾値は、出金処理の金額に合わせてもよいし、固定値であってもよい。また、貨幣の在高の確認は、金種毎に行ってもよい。
なお、貨幣処理装置1の紙幣処理部12又は硬貨処理部13が保有する貨幣の在高に基づいて、精算処理が実行できるか否かの通知は、申請用端末機2だけでなく、サーバ4に送信してもよい。例えば、ターミナル11の制御部117は、精算処理が実行できるか否かの通知を、通信部115を介してサーバ4の制御部42に送信する。サーバ4の制御部42は、貨幣処理装置1に保有する貨幣が少なく、貨幣処理装置1において実行できる精算処理が入金処理となる場合、記憶部43の管理用DB43bに記憶した管理データ43dを参照して、先払いを行った精算申請(すなわち、入金処理となる精算申請)を特定する。そして、サーバ4の制御部42は、特定された精算申請を行った申請者が有する申請用端末機2に向けて、貨幣処理装置1への入金処理が可能であることを、通信部41を介して通知する。同様にして、サーバ4の制御部42は、貨幣処理装置1に保有する貨幣が多く、貨幣処理装置1において実行できる精算処理が出金処理となる場合、記憶部43の管理用DB43bに記憶した管理データ43dを参照して、後払いとなる精算申請(すなわち、出金処理となる精算申請)を特定する。そして、サーバ4の制御部42は、特定された精算申請を行った申請者が有する申請用端末機2に向けて、貨幣処理装置1からの出金処理が可能であることを、通信部41を介して通知する。
第1実施形態においては、精算処理を行えない例として、出納処理を行っているときを例示しているが、例えば、貨幣処理装置1において、精算処理が実行できる期間と、精算処理を行うことができない期間とを設け、これら期間を切り替えることも可能である。つまり、店舗の営業時間内は出納処理を行う機会が多いので、精算処理を行うことができないようにする。一方、店舗が閉店した営業時間外に、出納処理が行われることが少ないため、精算処理を自由に行うことができるようにする(すなわち、営業時間外にのみ精算処理が行えるようにすることができる)。また、この他に、取引金額が多い時間帯は精算処理を禁止して出納処理のみを行えるようにし、取引金額が少ない時間帯は精算処理を行えるようにすることも可能である。
第1実施形態では、申請用端末機2で精算申請を行う場合、申請の入力画面の各項目に記入していく構成としている。しかしながら、領収書などをカメラにて撮影しておき、精算申請を行う際に、生成される申請データに、撮影により得られた画像データを添付して、サーバ4に送信する領収書添付機能を有していてもよい。
第1実施形態では、承認用端末機3は、申請用端末機2からの精算申請を承認するものであるが、承認用端末機3からも精算申請を行うことができる。