JP6948741B1 - 細胞賦活化剤、及びそれを含む皮膚外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞外への投与によってセルピンB2が細胞賦活活性を発揮し得るか検討し、セルピンB2を含有する、安価に安定した品質を確保可能な細胞賦活化剤を提供することを課題とする。【解決手段】12.5μg/mL未満のセリシン、及び0.035μg/mL以上のセルピンB2を含む細胞賦活化剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明はセリシン及びセルピンB2を有効成分として含む細胞賦活化剤、並びにそれを含む皮膚外用組成物に関する。
皮膚は大きく分けて外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造を有する。最外層に存在する表皮は、主に表皮細胞によって構成され、表皮細胞はさらに、基底細胞及び表皮角化細胞(ケラチノサイト)に分類される。表皮の最下層に位置する基底細胞が分裂することによって、表皮角化細胞が産生され、表皮角化細胞は成熟するにしたがって上方の角質層へ移行し、やがて剥がれ落ちる。このような表皮角化細胞が生まれて角質層から剥がれるまでの過程を「ターンオーバー」といい、一定の周期で繰り返される(非特許文献1)。ターンオーバーの乱れは、肌荒れ、皮膚創傷治癒の遅れ、乾燥等の症状をもたらす原因となる。
表皮細胞の賦活化によりターンオーバーの乱れを改善することができれば、表皮性のシワ(小じわ)の改善及び/又は予防、表皮角質層の保湿やバリア機能の向上、皮膚創傷治癒の促進等の効果が期待できる。この効果を有する皮膚外用組成物の有効成分として、保湿剤や収斂剤をはじめ多くの薬剤が存在する。中でも細胞賦活化剤は、幅広い効果を奏し得ることから、その開発が特に重要視されている。これまでに開発された細胞賦活化剤の多くは、非生物由来の化合物であるか、又は植物や動物等の生物由来の抽出物を主成分とするものであった。非生物由来の化合物は、品質や価格が安定している反面、皮膚に対する刺激性が高かったり、副反応が無視できないという問題があった。一方、生物由来の抽出物を主成分とする場合、刺激性は低く、安全性も比較的高いものの、一般に高価であり、また、ロットによって品質に差が生じやすく、安定した品質の確保に問題があった。
したがって、安定した品質で、比較的安価に製造可能な生物由来の細胞賦活剤の開発が望まれていた。
Houben E. et al., 2007, Skin Pharmacol Physiol, 20: 122-32
本願発明の課題は、安価で、安定した品質を確保可能な新たな細胞賦活化剤を開発し、提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、胎盤の絨毛細胞から特異的に分泌されるセルピンB2タンパク質に着目し、皮膚の保湿効果が知られているセリシンタンパク質と共に様々な濃度でヒト表皮角化細胞に投与して、その効果を調べた。その結果、セリシンとセルピンB2を特定の濃度範囲で共投与した場合に、単独で投与した場合と比較して顕著に細胞増殖が促進されることが明らかとなった。本発明は、以上の新規知見に基づくもので、以下を提供する。
(1)12.5μg/mL未満のセリシン、及び0.035μg/mL以上のセルピンB2を含む細胞賦活化剤。
(2)前記セルピンB2が8μg/mL以下である、(1)に記載の細胞賦活化剤。
(3)前記細胞が表皮細胞である、(1)又は(2)に記載の細胞賦活化剤。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の細胞賦活化剤を有効成分として含む、皮膚外用組成物。
(5)皮膚創傷治療用である、(4)に記載の皮膚外用組成物。
(6)細胞賦活化方法であって、培地中に12.5μg/mL未満のセリシンを投与するセリシン投与工程、前記培地中に0.035μg/mL以上のセルピンB2を投与するセルピンB2投与工程、及び前記培地中で細胞を培養する培養工程を含む、前記方法。
(7)前記セルピンB2が8μg/mL以下である、(6)に記載の細胞賦活化方法。
(8)前記細胞が幹細胞又は表皮細胞である、(6)又は(7)に記載の細胞賦活化方法。
本発明の細胞賦活化剤によれば、細胞の増殖を促進することができる。また、本発明の皮膚外用組成物によれば、表皮の細胞の増殖を促進することができる。
セリシン及びセルピンB2の各濃度条件における細胞賦活化活性を示す図である。各濃度のセリシン投与条件において、セルピンB2非投与群(セルピンB2濃度が0μg/mLの群)の定量値の平均を100%としたときの、セルピンB2投与群の各定量値の平均を相対細胞密度として示している。図中、ドットは各群の相対細胞密度を示す。
1.細胞賦活化剤
1−1.概要
本発明の第1の態様は、細胞賦活化剤である。本態様の細胞賦活化剤は、有効成分が表皮角化細胞等の細胞に作用して、その増殖を促進させることができる。
1−2.定義
本明細書で使用する用語について、以下で定義する。
「細胞」とは、生物の構成単位である。本明細書の細胞は、分裂活性を有するあらゆる細胞を包含する。その種類は特に限定しない。単細胞生物種由来の細胞、多細胞生物種由来の細胞のいずれであってもよい。好ましくは多細胞生物種由来の細胞である。多細胞生物種の種類も問わない。動物由来細胞、又は植物由来細胞等のいずれであってもよい。好ましくは動物由来細胞である。さらに、多細胞生物を構成するいずれの細胞であってもよい。例えば、多細胞動物由来細胞の場合、内胚葉由来細胞、中胚葉由来細胞、又は外胚葉由来細胞のいずれも包含する。好ましくは外胚葉由来細胞であり、中でも上皮細胞は好適である。限定はしないが、上皮細胞において、表皮細胞は特に好ましい。「表皮細胞」とは、動物の表皮組織を構成する細胞であり、具体的には基底細胞及び表皮角化細胞が該当する。「表皮角化細胞」とは、狭義には、基底細胞の分裂によって産生された細胞を指すが、本明細書では、しばしば表皮細胞と同義の用語として、つまり、基底細胞をも包含する用語として用いる。
本明細書において細胞は、分裂活性を有する限り、生体内に存在する細胞であってもよいし、培養された細胞(培養細胞)であってもよい。ただし、後述する第3態様における細胞は、培養細胞のみとする。培養細胞は、分化済の細胞、未分化細胞(胚性幹細胞、間葉系幹細胞又は人工多能性幹細胞を含む)、株化細胞等の細胞が挙げられる。分化済みの細胞又は未分化細胞は、初代培養細胞、又は継代培養細胞のいずれであってもよい。さらに本明細書の細胞は、生体から採取した細胞、又は遺伝子改変された細胞のいずれであってもよい。
本明細書において「細胞(の)賦活化」とは、細胞が活性化することをいう。具体的には、例えば、細胞の、増殖促進、遊走促進、及び/又は生理活動の亢進が該当する。賦活化の程度は特に限定されないが、例えば、本発明の細胞賦活化剤の適用細胞における賦活活性が、非適用細胞におけるそれと比較して101%以上、102%以上、102.5%以上、103%以上、104%以上、105%以上、105.5%以上、106%以上、107%以上、108%以上、109%以上、110%以上、111%以上、111.5%以上、又は112%以上に増加していればよい。
「セリシン(タンパク質)」とは、カイコが吐糸する絹糸において、繊維タンパク質成分であるフィブロインを覆うゼラチン様の糊状水溶性タンパク質である。カイコが吐糸するセリシンには、セリシン1〜セリシン5の5種類のバリアントが知られているが、本明細書におけるセリシンは、限定されず、いずれのバリアントであってもよい。特に、セリシン1は好適である。カイコガの野生型セリシン1のアミノ酸配列は配列番号1で表される。セリシンの機能としては、フィブロイン繊維同士の接着の他、外的刺激からのフィブロイン繊維の保護が知られている。抗酸化効果や保湿効果等を有することも知られている。なお、本明細書で前記バリアントを特定せず、単に「セリシン」と表記した場合、特に断りのない限りセリシンの総称を意味するものとする。
「セルピンファミリー」とは、セリンプロテアーゼ阻害活性を有する40〜60kDaのタンパク質からなるタンパク質ファミリーである。セルピンファミリーには、ニワトリオボアルブミンと高い配列相同性を持つオボアルブミン様セルピン(オボセルピン)サブグループが含まれる。
「セルピンB2(タンパク質)」とは、オボセルピンサブグループに属するタンパク質であり、PAI-2(plasminogen activator inhibitor type 2)の別名でも知られる。例えば、ヒトの野生型セルピンB2のアミノ酸配列は配列番号2で表される。セルピンB2には、糖鎖修飾されている分泌型と糖鎖修飾されていない細胞内型が存在し、分子量はそれぞれ、約60kDa及び約47kDaである。分泌型セルピンB2の多くは胎盤の絨毛細胞において発現し、血中に分泌される。フィブリン血餅の溶解に関与するセリンプロテアーゼであるプラスミンの産生阻害が、分泌型セルピンB2の主な機能とされているが、その機能については未だ十分な理解は進んでいない(Seminars in Thrombosis and Hemostasis,2011, Vol. 37, No. 4, 395-407)。一方、細胞内型のセルピンB2の機能は、近年の研究により免疫、炎症及びアポトーシスへの関与が明らかとなっている(WA Schroder et al. J Immunol., 2010, 184 (5) 2663-2670)。
本明細書において「変異型タンパク質」とは、基準となるアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が付加、欠失、又は置換したアミノ酸配列からなるタンパク質や、基準となるアミノ酸配列に対して90%以上、好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、98%以上又は99%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質をいう。本明細書において「複数個」とは、例えば、2〜20個、2〜15個、2〜10個、2〜7個、2〜5個、2〜4個又は2〜3個をいう。「アミノ酸同一性」とは、二つのアミノ酸配列を整列(アラインメント)し、必要に応じていずれかのアミノ酸配列にギャップを導入して、両者のアミノ酸一致度が最も高くなるようにしたときに、基準となるアミノ酸配列の全アミノ酸残基に対する同一アミノ酸の割合(%)をいう。
本明細書において「(その)活性断片」とは、タンパク質の一部からなる機能断片で、そのタンパク質の活性を保持しているペプチドをいう。活性断片は、それを含むタンパク質の活性を保持する限りアミノ酸長は問わない。
本明細書において「対象」とは、本態様に記載の細胞賦活化剤、又は次述の第2態様の皮膚外用組成物を適用する、細胞(培養細胞を含む)、組織、器官、又は個体をいう。対象が個体の場合、脊椎動物の個体が好ましい。例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、サル又はヒトが挙げられる。好ましくはヒトである。本明細書において、対象は健常状態であっても、何らかの異常を有する状態であってもよい。前記異常の例として、例えば、皮膚疾患が挙げられる。
本明細書において「対象の情報」とは、対象の特徴や状態に関する様々な情報である。例えば、対象がヒト個体の場合には、年齢、体重、性別、全身の健康状態、疾患の重症度、薬剤感受性、併用薬物の有無及び治療に対する耐性等が挙げられる。
本明細書において「ターンオーバーの乱れ」とは、表皮角化細胞が生まれ、表皮表面から脱落するまでの周期、すなわちターンオーバーが、年齢、環境、遺伝的要因、又はその他の要因に起因して乱れることをいう。ターンオーバーの乱れは、例えば、皮膚創傷治癒の遅れ(ニキビ痕、瘢痕及びケロイドの残存を含む)、シワ、たるみ、シミ、くすみ、肌荒れ、皮膚の肥厚又は乾燥等の症状の原因となる。
本明細書において「創傷」とは、組織における正常な連続性が断たれた状態、又は組織における全部又は一部の細胞死をいう。また「皮膚創傷」とは、皮膚における創傷をいう。例えば、表皮と異物との接触による創傷(例えば、刃物による切創等)、手術創若しくは薬剤に対する拒絶反応に起因する肌荒れ、又は遺伝性皮膚過敏性等に基づく創傷(例えば、アレルギー性の発疹等)等が該当する。一般的に開放性損傷及び非開放性損傷に分類されるが、本明細書ではいずれであってもよい。開放性損傷には、例えば、切創、割創、刺創、挫創、裂創、杙創及び剥皮創等が含まれる。また非開放性損傷には、例えば、挫傷、擦過傷、熱傷、凍傷及び化学外傷等が含まれる。
1−3.構成
本発明の細胞賦活化剤は、必須の構成成分として、セリシン及びセルピンB2を有効量で含む。
本発明の細胞賦活化剤に含まれるセリシン及びセルピンB2は、天然由来のタンパク質であってもよいし、遺伝子工学的手法により構築された遺伝子組換えタンパク質であってもよい。
また、本発明の細胞賦活化剤に含まれるセリシン及びセルピンB2は、セリシン及びセルピンB2のそれぞれの活性を有する限り、野生型タンパク質、変異型タンパク質、及びその活性断片のいずれであってもよい。
本明細書において、「有効量」とは、有効成分としての機能を発揮する上で必要な量であって、かつそれを適用する対象に対して有害な副作用をほとんど又は全く付与しない量をいう。
本発明の細胞賦活化剤におけるセリシンの有効量は、12.5μg/mL未満、12μg/mL未満、11.5μg/mL未満、11μg/mL未満、10.5μg/mL未満、10μg/mL未満、9.5μg/mL未満、又は9μg/mL未満、8.5μg/mL未満、8μg/mL未満、7.5μg/mL未満、7μg/mL未満、6.5μg/mL未満、6μg/mL未満、5.5μg/mL未満、5μg/mL未満、4.5μg/mL未満、4μg/mL未満、3.5μg/mL未満、3μg/mL未満、2.5μg/mL未満、2μg/mL未満、又は1.5μg/mL未満であればよい。下限は、セリシンを包含していれば限定はしない。
本発明の細胞賦活化剤におけるセルピンB2の有効量は限定しない。好ましくは8μg/mL以下、7μg/mL以下、6μg/mL以下、5μg/mL以下、4μg/mL以下、3μg/mL以下、2μg/mL以下、1μg/mL以下、0.9μg/mL以下、0.8μg/mL以下、0.7μg/mL以下、0.6μg/mL以下、0.5μg/mL以下、0.4μg/mL以下、0.μg/mL以下、0.2μg/mL以下、又は0.1μg/mL以下であればよい。下限は、0.03125μg/mLを超える量、例えば、0.035μg/mL以上、0.04μg/mL以上、0.05μg/mL以上、又は0.06μg/mL以上であればよい。
本発明の細胞賦活化剤に用いるセリシン及び/又はセルピンB2は、精製タンパク質でもよいし、抽出物に含有されたタンパク質でもよい。セリシンを含有する抽出物としては、例えば、カイコ絹糸の抽出物が挙げられる。カイコ絹糸の抽出物を使用する場合、セリシン量は、カイコ絹糸におけるセリシンの含有量から算出することができる。一般にカイコ絹糸のセリシン含有量は、約25%であることが明らかとなっている(高須陽子ら, 蚕糸・昆虫バイオテック, 2006, 75 (2):133-139;神村学ら編, 「分子昆虫学」, 2009, 共立出版)。セリシンは、水に易溶であることから、例えば、1gのカイコ絹糸を25mLの水に浸漬し、セリシンを溶出した場合、カイコ絹糸の抽出液は10mg/mLのセリシン溶液として利用することができる。
本発明においては、セリシンは低濃度である必要がある一方、セルピンB2は濃度が高い程、より高い効果が得られる傾向がある。そのため、単一の由来物から両タンパク質の混合物が取得される様な方法は、セリシン及びセルピンB2の取得方法として適切でない。
セルピンB2を含有する抽出物としては、例えば、ヒト胎盤由来の抽出物が挙げられる。抽出物から所望のタンパク質を精製する場合、液体クロマトグラフィー等のタンパク質の精製に通常使用される手段によって行えばよい。
2.皮膚外用組成物
2−1.概要
本発明の第2の態様は、皮膚外用組成物である。本態様の皮膚外用組成物は、皮膚に適用することにより、表皮細胞等の細胞の増殖を促進させることができる。この機能によって、例えば、ターンオーバーの乱れを予防又は改善し、並びに創傷治癒を促進することができる。
2−2.構成
2−2−1.構成成分
本発明の皮膚外用組成物の構成成分について説明する。本発明の皮膚外用組成物は、必須の構成成分として有効成分を含み、任意選択可能な構成成分として溶媒及び/又は担体を含む。以下、各構成成分について具体的に説明をする。
(1)有効成分
本発明の皮膚外用組成物は、必須の有効成分として第1態様に記載の細胞賦活化剤を包含する。細胞賦活化剤の構成については第1態様で詳述していることから、ここでの具体的な説明は省略する。また、必要に応じて、一種類又は複数種類の当該分野で公知の細胞賦活化剤をさらに包含していてもよい。公知の細胞賦活化剤の例として、例えば、L-オキシプロリン、クロレラエキス、γアミノ酪酸、酪酸、又はヒドロキシプロリン等が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物に含まれる有効成分の含有量は、皮膚外用組成物におけるセリシン及びセルピンB2の終濃度が第1態様に記載の範囲内であれば、特に限定しない。一般に含有量は、有効成分の種類、剤形、並びに後述する他の構成成分である溶媒及び担体の種類によって異なる。したがって、それぞれの条件を勘案して適宜定めればよい。
(2)溶媒
溶媒には、例えば、水若しくはそれ以外の薬学的に許容し得る水溶液、薬学的に許容し得る油又は薬学的に許容し得る有機溶剤が挙げられるが、そのいずれであってもよい。水溶液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助剤を含む等張液、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液が挙げられる。補助剤としては、例えば、D-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウム、その他にも低濃度の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。薬学的に許容し得る油としては、小麦胚芽油、杏子油、オリーブオイル、椿油、イブニングプリムローズオイル、アロエベラオイル等の植物油が挙げられる。薬学的に許容し得る有機溶剤としては、エタノール等が挙げられる。
(3)担体
薬学的に許容し得る担体としては、その剤形、用途に応じて賦形剤、添加剤、及び/又は他の活性成分を用いることができる。
賦形剤には、例えば、乳化剤、pH調整剤、充填剤、流動添加調節剤、及び滑沢剤等が挙げられる。
乳化剤としては、界面活性剤(例えば、ポリエチレングリコール、ポロキサマー、酢酸グリセリル、イソステアラミド、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル)が例として挙げられる。
pH調整剤には、アルカリ剤としての水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、また酸剤としての、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
充填剤としては、ワセリン、前記糖及びリン酸カルシウムが例として挙げられる。
流動添加調節剤及び滑沢剤としては、ケイ酸塩、タルク、ステアリン酸塩又はポリエチレングリコールが例として挙げられる。
添加剤には、例えば、有機酸類、脂肪酸類、タンパク質及びタンパク質の加水分解物、アミノ酸類及びその塩、ビタミン類、及び植物抽出成分が挙げられ、その機能による分類に従えば、例えば、保湿剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、安定化剤、防腐剤、殺菌剤、及び香料が挙げられる。
他の活性成分としては、例えば、コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、美白剤、日焼け防止剤、収斂剤及び/又は他の細胞賦活化剤を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
2−2−2.剤形
本発明の皮膚外用組成物の剤形は外用剤である。外用剤の剤形として、例えば、軟膏剤、クリーム剤、乳液剤、ゲル剤、液剤、貼付剤、エアロゾル剤、マイクロニードル等が挙げられる。軟膏剤は、均質な半固形状の外用製剤を指し、例えば、油脂性軟膏、乳剤性軟膏、水溶性軟膏を含む。ゲル剤は、水不溶性成分の抱水化合物を水性液に懸濁した製剤を指す。液剤は、液状の製剤を指し、例えば、ローション剤、懸濁剤、乳剤、リニメント剤等を含む。本発明の皮膚外用組成物の具体的な剤形は、有効成分や溶媒の種類及び含有量、並びに適用方法によって異なる。したがって、それぞれの条件を勘案して適宜定めればよい。
2−3.適用方法
本発明の皮膚外用組成物は、例えば医薬品又は化粧品として適用することができる。
いずれの場合も皮膚への適用方法は、剤形及び適用箇所によって適宜選択すればよい。例えば、皮膚に適量を塗布、噴霧、散布、浸潤、湿布することができる。例えば、化粧品であれば、フェースパウダー、洗顔料、化粧石鹸、ボディシャンプー、ボディローション、浴用剤等による適用が可能である。
適用時期も特に限定されない。例えば、対象又は適用箇所において予防的に適用してもよく、又は、皮膚創傷若しくはターンオーバーの乱れが認められた際に治療的に適用してもよい。
3.細胞賦活化方法
3−1.概要
本発明の第3の態様は、細胞賦活化方法である。本態様の方法は、セリシン投与工程、セルピンB2投与工程、及び培養工程を必須工程として含み、細胞培養において細胞を賦活化する。本態様の細胞賦活化方法によれば、例えば、再生医療等において施用することにより、培養細胞の増殖を促進させることができる。
3−2.方法
本態様の方法は、セリシン投与工程、セルピンB2投与工程、及び培養工程を必須工程として含む。
3−2−1.セリシン投与工程
「セリシン投与工程」は、培地中にセリシンを有効量で投与する工程である。本工程は、培養以前に又は培養中に行うことができる。
セリシンについては、第1態様で詳述していることから、ここでの具体的な説明は省略する。
本態様の細胞は、いずれの器官又は組織由来の細胞であってもよいが、好ましくは幹細胞由来の表皮細胞、又は生体から得られた表皮細胞である。
本明細書において「培地」とは、細胞を培養するために調製された液状又は固形状の物質をいう。原則として、細胞の増殖及び/又は維持に不可欠の成分を必要最小限以上包含する。
本明細書の培地は、特に断りがない限り、動物由来細胞の培養に使用する動物細胞用の液体培地が該当する。培地は、基礎培地又は特殊細胞培養用培地のいずれであってもよい。
「基礎培地」とは、様々な動物細胞由来の細胞の培養において基礎となる培地をいう。それ単体でも細胞培養は可能であり、また様々な培養添加物を補助剤として添加して、特殊細胞培養用培地に調製することもできる。基礎培地としては、BME培地、BGJb培地、CMRL1066培地、Glasgow MEM培地、Improved MEM Zinc Option培地、IMDM培地(Iscove's Modified Dulbecco's Medium)、Medium 199培地、Eagle MEM培地、αMEM培地、DMEM培地(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)、ハムF10培地、ハムF12培地、RPMI 1640培地、Fischer's培地、及びこれらの混合培地(例えば、DMEM/F12培地)等の培地を使用することができるが、特に限定されない。
「特殊細胞培養用培地」とは、前述のように基礎培地に各種補助剤を添加することによって、特定の細胞の培養に最適となるように調製された培地、又は特定の細胞に分化誘導できるように調製された培地をいう。例えば、各メーカーで市販されている表皮細胞培養用培地が挙げられる。具体的には、例えば、Humedia-KG2培地(KURABO社)が該当する。ヒトiPS細胞やヒトES細胞等の多能性幹細胞培養用培地も特殊細胞培養用培地に該当する。
培地は、血清含有培地、無血清培地のいずれであってもよい。血清含有培地は、血清を終濃度で1〜20%、好ましくは5〜15%、より好ましくは8〜12%、一層好ましくは10%で包含していればよい。
培地の組成、並びに添加物の種類及び添加量は、当技術分野においてよく知られている。したがって、細胞の種類や目的等の条件を勘案して適宜定めればよい。
本明細書において「セリシン(の)投与」とは、培地中のセリシンの終濃度が第1態様に記載のセリシンの有効量の範囲内になるように、培地中にセリシンを加えることをいう。投与の方法は特に限定しない。本工程が培養中に行われる場合、例えば、ピペット等を用いて培養液中に直接セリシンを滴下投与してもよいし、培地調製時にセリシンを添加した培地を使用してもよい。また、培地を入れる前の培養容器の内壁に予め有効量のセリシンを塗布していてもよい。
本発明の細胞賦活化方法において、培養条件は特に限定しない。細胞の種類や培養の目的によって異なる。したがって、それぞれの条件を勘案して適宜定めればよい。
3−2−2.セルピンB2投与工程
「セルピンB2投与工程」は、細胞培地中にセルピンB2を有効量投与する工程である。本工程はセリシン投与工程と同時に又は別々に行うことができる。したがって、前記セリシン投与工程との工程順序は問わない。
本工程は、投与物質としてセルピンB2を用いる点を除けば、前記セリシン投与工程と同じである。したがって、本工程は、基本的にセリシン投与工程に準じて行えばよい。
また、セルピンB2については、第1態様で詳述していることから、ここでの具体的な説明は省略する。
3−2−3.培養工程
「培養工程」は、目的とする細胞を培地中で培養する工程である。本工程は、前記セリシン投与工程及び/又はセルピンB2投与工程と同時に、又は別々に行うことができる。したがって、前記セリシン投与工程及び/又はセルピンB2投与工程との工程順序は問わない。
本工程で細胞を培養する方法は、培養する細胞の種類及び由来に応じて当該分野で公知の方法に従って行えばよい。通常は、細胞を細胞培養用培地に播種した後、5%CO2下、37℃で培養する。
培養期間は、培養する細胞の種類及び由来、及び目的に応じて適宜定めればよい。例えば、初代培養細胞を培養する場合には、5日〜35日程度培養すればよい。培養中、必要に応じて培地を交換することが好ましい。限定はしないが、通常は1〜7日、1〜5日、1〜4日、1〜3日、又は1〜2日で交換する。交換時の培地は、交換前の培地と同一であってもよいし、異なっていてもよい。交換毎に、必要に応じて適宜変えることもできる。例えば、交換前の培地がセルピンB2含有セリシン非含有培地を用い、次の交換後の培地にセルピンB2非含有セリシン含有培地を用い、最後の交換時の培地にセルピンB2含有セリシン含有培地を用いてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<セルピンB2及びセリシンの細胞賦活化活性の有無、及び活性の濃度依存性の評価>
(目的)
様々な濃度のセルピンB2及びセリシンを細胞培養液中に投与し、細胞賦活化活性の程度を調べる。
(方法)
1.細胞前培養
増殖培地には、Humedia-KG2培地(倉敷紡績株式会社)を用いた。正常ヒト表皮角化細胞(nHEK:倉敷紡績株式会社)を、増殖培地を用いてT-75フラスコ(Sumilon社)において起眠させた。起眠したnHEK細胞は、CO2インキュベーター(ASTEC社)内で、5% CO2、37℃及び湿潤の条件で培養した。培地交換は1〜2日おきに行った。80%程度のコンフルエントに到達した時点で細胞を回収し、その後の試験に用いた。
細胞の継代方法は以下の通り。Ca及びMgを含まないD-PBS(ナカライテスク社)で細胞を洗浄後、0.05% Trypsin-EDTA(Thermo Fisher Scientific社)を用いて細胞を剥離し、終濃度10%のFBS(Sigma-Aldrich社)を添加した増殖培地を添加することによって、トリプシンを中和した。次に、細胞懸濁液を15 mL遠心管に回収し、多目的冷却遠心機(TOMY社)を用いて、1000 rpmで5分間かけて、室温で遠心した。上清を除いて、新たに増殖培地を添加して細胞を撹拌し、トリパンブルーを用いて生細胞数をカウントした。その後の試験で用いるために、96ウェルプレート(Sumilon社)に3.0x103cells/0.1 mL/wellの細胞密度で播種した。
2.濃度依存性の評価
細胞を播種後、CO2インキュベーター内で、5% CO2、37℃及び湿潤の条件で3日間培養した後、セルピンB2投与培地0.1 mLで培地交換を行った。セルピンB2として、Recombinant Human Serpin B2/PAI-2 Protein(9206-PI-025:R&D Systems社)を用いた。セリシンは以下の手順で調製したものを使用した。カイコ繭を2mm角に切断後、カイコ繭1 gに対して20 mLの水を添加し、121℃で30分かけてオートクレーブした。さらに、オートクレーブ産物をシリンジで圧搾し、これを12.5mg/mLセリシン溶液として用いた。カイコ繭のセリシン含有量を約25%として、セリシン濃度の算出を行った。
セルピンB2投与は、0μg/mL(対照)、0.03125μg/mL、0.0625μg/mL、0.125μg/mL、0.25μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、4μg/mL、及び8μg/mLの濃度で行った。セリシン投与は0μg/mL、1.25μg/mL、及び12.5μg/mLの濃度で行った。
培地交換から48時間後、WST-8法により生細胞数を測定した。測定は以下の手順に従って行った。
Cell Count Reagent SF(ナカライテスク社)を10%添加した培地で培地交換を行い、CO2インキュベーター内で、5% CO2、37℃及び湿潤の条件でインキュベートした。インキュベート開始から30分後〜90分後までの60分間における吸光度(450nm)変化量をVarioskan Flashプレートリーダー(Thermo Fisher Scientific社)で測定した。
実験はN=3で行った。各濃度のセリシン投与条件(0μg/mL、1.25μg/mL、12.5μg/mLの群)において、セルピンB2を添加した群(0.03125μg/mL、0.0625μg/mL、0.125μg/mL、0.25μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、4μg/mL、8μg/mLの群)の定量値の平均を、セルピンB2対照群(セルピンB2濃度が0μg/mLの群)の吸光度変化量の平均を100%とした相対値に換算し、相対細胞密度とした。
(結果)
結果を図1及び表1〜3に示す。
Figure 0006948741
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セルピンB2の単独投与では、特にセルピンB2濃度が8μg/mL未満の場合に、相対細胞密度に大きな変化は見られなかった(図1のドットが円形のグラフ及び表1)。
一方セリシンの単独投与では、セリシン非投与群に対して相対細胞密度に大きな変化は見られなかった。セリシン濃度が12.5μg/mLにおける相対細胞密度はセリシン非投与群の相対細胞密度を下回った(表1〜3のセルピンB2濃度が0μg/mLの群)。
セリシン濃度が1.25μg/mLの条件において、セルピンB2を共投与したところ、セルピンB2の濃度依存的に相対細胞密度が増加した(図1ドットが三角形のグラフ及び表2)。例えば、1.25μg/mLのセリシン及び8μg/mLのセルピンB2を投与した群における吸光度平均変化量は、セリシンとセルピンB2をどちらも投与していない群の吸光度平均変化量と比較して、111.7%にまで増加した(表1及び表2)。
一方、セリシン濃度が12.5μg/mLの条件においては、セルピンB2を共投与したところ、相対細胞密度が大きく減少した(図1ドットが四角形のグラフ及び表3)。
セルピンB2を単独で投与した条件下では、低濃度において細胞賦活化活性は認められなかったものの、限られた濃度範囲(12.5μg/mL未満の濃度)のセリシンをセルピンB2と共投与した条件下では、相乗的な細胞賦活化が認められることが明らかとなった。

Claims (5)

12.5μg/mL未満の有効量のセリシン、及び0.035μg/mL以上の有効量のセルピンB2を含む、表皮細胞の細胞賦活化剤。
前記セルピンB2が8μg/mL以下である、請求項1に記載の細胞賦活化剤。
請求項1又は2に記載の細胞賦活化剤を有効成分として含む、皮膚外用組成物であって、
前記皮膚外用組成物は、皮膚外用化粧品又は皮膚創傷治療用皮膚外用組成物である、
前記皮膚外用組成物
細胞賦活化方法であって、
培地中に12.5μg/mL未満の有効量のセリシンを投与するセリシン投与工程、
前記培地中に0.035μg/mL以上の有効量のセルピンB2を投与するセルピンB2投与工程、及び
前記培地中で表皮細胞を培養する培養工程
を含む、前記方法。
前記セルピンB2が8μg/mL以下である、請求項に記載の細胞賦活化方法。
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