JP2005289889A - 絹タンパク質配合消毒剤 - Google Patents

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治 石川
Harue Fukuda
春枝 福田
Sachiko Satake
幸子 佐竹
Yoichi Ueishi
洋一 上石
Hatsumi Kobayashi
初美 小林
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Abstract

【課題】 乾燥肌や手荒れ等の皮膚トラブルを予防し、皮膚の損傷を修復する効能を持つ消毒剤を提供すること。
【解決手段】 絹タンパク質、特に絹セリシンを配合した消毒剤とする。
【選択図】 なし

Description

この出願の発明は、消毒剤に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、乾燥肌や手荒れ等の皮膚トラブルを予防し、皮膚の損傷を修復する効能をも有する新しい消毒剤に関するものである。
医療、食品、理美容等における衛生管理では、手指や皮膚などの消毒に際し、速乾性や浸透性に優れることから、アルコール消毒剤が日常的に使用されている。また、様々な抗菌スペクトルをもつ界面活性剤系成分やクロロヘキシジン系の殺菌成分を配合したアルコール消毒剤も多く用いられている。しかしながら、アルコール消毒剤の使用により皮膚の油脂分や脂質成分が流出し、乾燥肌、かぶれ、あるいは手荒れなど皮膚トラブルを引き起こすことが知られており、改善が求められている。
この皮膚トラブルに対して、高沸点の水溶性溶剤で塩化ベンザルコニウム等の界面活性剤系の殺菌成分を含む油状皮膜を形成させる非アルコール系消毒剤(特許文献1)は手荒れなどを起こしにくいと考えられるが、殺菌皮膜の保持力に問題があり、手指や皮膚などの衛生管理には適応していない。
また、皮脂類似成分等を配合する消毒剤(特許文献2)、さらにこれに保湿成分を配合した消毒剤(特許文献3、特許文献4)等が知られているが、これらは皮膚から失われた皮脂および水分の補給による対処療法を目的としたもので、皮膚の保持力低下や供給過剰により、皮脂成分特有のべたつきが生じるという問題がある。
特開2002−161001号公報 特開平11−147821号公報 特開2002−080401号公報 特開2000−319171号公報
この出願の発明は、上記の背景から、従来技術の問題点を解消し、乾燥肌や手荒れ等の皮膚トラブルを予防し、皮膚の損傷を修復する効能を持つ新しい消毒剤を提供することを課題とする。
この出願の発明は、皮膚トラブルの予防と修復のため、皮膚との相性に優れ、皮膚アレルギー反応をおこしにくく、さらに皮膚コラーゲン細胞の成長を促進する特徴を有する絹セリシン等の絹タンパク質を配合した消毒剤を提供する。絹タンパク質を配合した消毒剤については、医学的見地からの検討が難しく、これまでに全く知られていないものである。すなわち、この出願の発明は、第1には、絹タンパク質を配合したことを特徴とする消毒剤を提供する。第2には、アルコールを含有することを特徴とする前記の消毒剤を、第3には、界面活性剤を含有することを特徴とする前記いずれかの消毒剤を、第4には、クロロヘキシジンを含有することを特徴とする前記いずれかの消毒剤をそれぞれ提供する。また、この出願の発明は第5には、絹タンパク質が重量平均分子量10,000以上の絹セリシンである前記の消毒剤を、第6には、この絹セリシンが繭、繭毛羽、生糸などの絹セリシンを含む絹から100℃〜140℃の水中で抽出した絹セリシンである消毒剤を、第7にはこれら絹セリシンの濃度が0.1w%〜5w%である消毒剤をそれぞれ提供する。加えてこの出願の発明は、第8に、前記の消毒剤を備えた製品であって、この消毒剤を噴射して使用することを特徴とする消毒剤製品を提供する。また、第9には、これらの前記消毒剤の製造方法も提供する。
この出願の発明の提供する絹タンパク質配合消毒剤は、人の皮膚に対して適用されるものであって、皮膚の損傷を修復する効能を持ち、アルコール等の使用による皮膚トラブルを予防あるいは修復できるばかりでなく、皮膚トラブルの発生や悪化を懸念することなく十分に皮膚消毒を行うことが可能である。適切な皮膚消毒により衛生管理の向上と、衛生管理を必要とする業務従事者の労働環境の改善が期待される。
この出願の発明の絹タンパク質配合の消毒剤に用いる絹タンパク質は好ましくは、絹セリシンおよび絹フィブロインのいずれか、または両方である。絹タンパク質は、公知の方法で繭、繭毛羽、生糸などから直接単離あるいは精製して用いることができる。例えば絹セリシンの場合、好ましくは、繭の一端を切開して蛹を取り出すとともに、最内層の汚れを除去するために薄皮(皮須)を除いた繭を、繭重量:水重量=1:20として、100℃〜140℃で2時間処理することによって絹セリシン水溶液として抽出したものを用いることができる。この抽出された絹セリシン水溶液はそのまま、あるいは凍結乾燥して粉末として用いることができる。なお、この方法により得られた絹セリシンの重量平均分子量は、100℃では240,000、110℃では180,000、120℃では80,000、130℃では40,000、140℃では20,000であり、皮膚のアレルギーを誘引する危険性のない分子量である。絹フィブロインの場合は特開2002−2898号公報に記載の方法など公知の方法で取得できる。
この出願の発明の提供する絹タンパク質配合の消毒剤は、前記の絹タンパク質を溶解もしくは懸濁させた消毒剤とすることができ、好ましくはアルコールを主成分とする消毒剤が好ましい態様として例示される。アルコールは、好ましくは炭素数が2〜4の1級または2級アルコールであり、より好ましくはエタノールである。アルコール濃度は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは60〜80%である。この出願の発明の絹タンパク質配合の消毒剤にエタノールを含有する場合、その濃度は、一般に手指殺菌用に用いられる70%程度が有効性および安全性の観点から最適であるが、60〜80%を好ましい態様とすることができる。
一方、絹タンパク質の配合比は、好ましくは絹タンパク質重量/消毒剤体積の百分率で0.1〜5%である。また、目的とする抗菌スペクトルに応じて、界面活性剤やクロロヘキシジンなどの殺菌成分を適宜添加することができる。界面活性剤としては、例えば、特許文献2に記載されている塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロロヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、アクリノール、安息香酸、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル、パラオキシ安息香酸エステル等を用いることが出来る。また、クロロヘキシジンを用いる場合はクロロヘキシジン、あるいはグルコン酸クロロヘキシジンまたは塩酸クロロヘキシジンなどの化合物を使用することができる。
加えてこの出願の発明の提供する絹タンパク質配合の消毒剤には、より実効性の高い抗菌スペクトルを提供するため、トリクロサン、ヒノキチオールやキトサン等の公知の抗菌性物質あるいは殺菌剤を添加することができる。
さらに、保湿性や皮膚損傷の修復を向上させるために、特許文献3に記載されている保湿成分、すなわち、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリンおよびジグリセリン、さらには同記載の皮脂類似成分、すなわちスクワラン、流動パラフィン、シリコーン油、ミツロウ、トリグリセリド、ジグリセリドおよびリン脂質等を適宜添加してもよい。また、絹タンパク質配合消毒剤は、必要に応じ、着色料や香料を添加することもできる。
この出願の発明の絹タンパク質配の合消毒剤は、液状ではポンプ式あるいは噴射式の容器をはじめ、利用に適した消毒液の供給手段を備える容器または機械に充填し使用することができる。また、ウェットティッシュのように繊維製品にあらかじめ浸漬し密閉容器や密閉パックに封入し、消毒使用に供することができる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳細に説明する。もちろんこれらの実施例によって発明が限定されることはない。
<I> 絹タンパク質配合消毒剤の調製
絹タンパク質として絹セリシンを用い、絹タンパク質配合消毒剤を調製した。蚕種ぐんま×200繭から蛹を取りだし、次いで最内層の皮須を取り除いて絹セリシン抽出用繭とした。この繭と水との重量比を1:20として、回転ポット式染色試験機(テクサム技研(株))を用いて、120℃で2時間抽出した。この抽出液を凍結乾燥することで、絹セリシン粉末を得た。
この絹セリシン粉末5gを10mlの蒸留水に溶解し、日本薬局方消毒用エタノール(エタノール濃度約70%)500mlに加えて混合し、絹セリシン配合エタノール消毒剤を調製した。比較対照品として、市販の保湿成分(0.5%)入り速乾性擦式手指消毒剤を用いた。
<II> 絹タンパク質配合消毒剤の評価
被験者15名に対し前記のとおり調製した絹セリシン配合エタノール消毒剤の機能評価を目的として臨床試験を行った。 臨床試験は、絹セリシン配合エタノール消毒剤群(A群)と市販の速乾性擦式手指消毒剤群(B群、70%エタノールおよび保湿成分含有)とのブラインド試験を行った。試験消毒剤を噴霧式小型容器に50ml入れ、1日10回以上(1回の使用量3ml)被験者の左右の手を消毒した。これを7日間繰り返した。さらに、クロスオーバー試験とするために、A群、B群を変えて、同様の試験を行った。
なお、被験者15名は、群馬大学医学部保健学科の学生23名より抽出したエタノールおよび絹セリシンの双方に不感作であった学生である。エタノールに対する感作試験は定法で、絹セリシンに対する感作試験は絹セリシン水溶液(50%、0.5%、0.005%)に対するパッチテスト(24時間および48時間後、部位は背中)により行った。
CORTEX Derma Lab製角質保湿度測定器を用いて、人工気候室内(25℃、65%RH)で角質水分量(表1)と経皮水分喪失量(表2)を測定した。測定部位は、左右手背中央と、対照とする右前腕伸側中央である。
角質水分量はいずれも減少したが、t検定による有意差は認められなかった。いっぽう経皮水分喪失量は、試験後に増加したが、A群とB群の変化量を比較すると、A群の変化量の方が小さい。t検定によりA群の右手、B群の左右に有意差が認められた(表3)。したがって、市販の速乾性擦式手指消毒剤を用いると経皮水分喪失量が増加し、皮膚トラブルが生じやすい状態になるが、絹セリシンを添加したアルコール消毒剤では経皮水分喪失量の変化が小さく、皮膚トラブルを低減することが明らかとなった。絹セリシンが皮膚に含まれる天然保湿成分とアミノ酸組成が似ており、市販の速乾性擦式手指消毒剤では失われてしまう天然保湿成分や脂質分を補うことができるものと考えられる。
なお、被験者に対するアンケートでは、絹セリシン入りアルコール消毒剤の使用感は優れ、皮膚の水分が失われず肌荒れが生じにくい、しっとりした保湿感が持続する等の良好な意見が寄せられた。

Claims (9)

  1. 絹タンパク質を配合したことを特徴とする消毒剤。
  2. アルコールを含有することを特徴とする請求項1記載の消毒剤。
  3. 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載の消毒剤。
  4. クロロヘキシジンを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の消毒剤。
  5. 絹タンパク質が重量平均分子量10,000以上の絹セリシンであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の消毒剤。
  6. 絹セリシンが、繭、繭毛羽、生糸などの絹セリシンを含む絹から100℃〜140℃の水中で抽出した絹セリシンであることを特徴とする請求項5記載の消毒剤。
  7. 絹セリシン濃度が0.1w%〜5w%であることを特徴とする請求項5または6記載のよう消毒剤。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の消毒剤を備えた製品であって、該消毒剤を噴射して使用することを特徴とする消毒剤製品。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の消毒剤の製造方法であって、絹タンパク質を他成分と混合することを特徴とする消毒剤の製造方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022208976A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 株式会社セテカ 細胞賦活化剤、及びそれを含む皮膚外用組成物
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