JP6946881B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を低減することを可能にした空気入りタイヤに関する。
車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝を形成し、これら主溝により5列の陸部を区画すると共に、主溝間に位置する各陸部に、タイヤ幅方向に延び、車両内側の主溝に連通する一方で、車両外側の主溝に連通せずに陸部内で終端する複数本のラグ溝を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このように構成される空気入りタイヤでは、主溝間に位置する陸部に形成されたラグ溝は、いずれも一端が主溝に開口し、他端が陸部内で終端する構造を有するため、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立することができる。また、これらラグ溝はいずれも車両内側に向かって開口しているため、走行時におけるポンピング音やパターンノイズが車両内側に向かって放射され、車外騒音を低減することが期待されている。しかしながら、近年では、ドライ路面での操縦安定性、ウエット路面での操縦安定性及び騒音性能を更に改善することが求められている。
国際公開WO2015/005194号
本発明の目的は、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を低減することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の第1の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝が形成され、これら主溝により5列の陸部が区画され、前記4本の主溝が車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝、第2主溝、第3主溝及び第4主溝を含み、前記5列の陸部が車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部、内側中間陸部、センター陸部、外側中間陸部及び外側ショルダー陸部を含み、
前記内側ショルダー陸部及び前記外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画され、
前記内側中間陸部に一端が車両内側の第1主溝に開口して他端が内側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記センター陸部に一端が車両内側の第2主溝に開口して他端がセンター陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記外側中間陸部に一端が車両外側の第4主溝に開口して他端が外側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、車両外側の前記第3主溝に開口するラグ溝が存在せず、
前記内側ショルダー陸部に形成されたラグ溝が前記細溝を横切って前記細リブ内で終端し、前記内側ショルダー陸部における前記細リブの幅Wiに対する前記ラグ溝の前記細リブへの突き出し長さLiの比Li/Wiが0.2以上0.8以下であることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の第2の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝が形成され、これら主溝により5列の陸部が区画され、前記4本の主溝が車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝、第2主溝、第3主溝及び第4主溝を含み、前記5列の陸部が車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部、内側中間陸部、センター陸部、外側中間陸部及び外側ショルダー陸部を含み、
前記内側ショルダー陸部及び前記外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画され、
前記内側中間陸部に一端が車両内側の第1主溝に開口して他端が内側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記センター陸部に一端が車両外側の第3主溝に開口して他端がセンター陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記外側中間陸部に一端が車両外側の第4主溝に開口して他端が外側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、車両内側の前記第2主溝に開口するラグ溝が存在しないことを特徴とするものである。
本発明者は、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤについて、一端が閉止されたラグ溝の配置について鋭意研究を重ねた結果、これらラグ溝の全てを車両内側に向かって開口させた場合、ラグ溝に起因して発生したパターンノイズがタイヤハウス内で反射して車両外側に放出される際に、放射音が合算されて騒音の増大要因になること、更には、ウエット路面を走行する際にラグ溝から放出された水がタイヤハウス内に残ってウエット路面での操縦安定性の悪化要因となることを知見し、本願発明に至ったのである。
即ち、第1の空気入りタイヤでは、内側中間陸部とセンター陸部に形成されたラグ溝は車両内側に向かって開口し、外側中間陸部に形成されたラグ溝は車両外側に向かって開口するので、これらラグ溝からの放射音が車両内側と車両外側に分散されて車外騒音が低減され、しかも、ウエット路面の走行時にはラグ溝からの排水が車両内側と車両外側に分散されてウエット路面での操縦安定性が向上する。また、車両外側の第3主溝に開口するラグ溝が存在しないため、第3主溝に沿って陸部の剛性が十分に確保されてドライ路面での操縦安定性が向上する。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を低減することが可能になる。特に、第1の空気入りタイヤは、ドライ路面での操縦安定性の改善と車外騒音の低減において有利である。
また、第2の空気入りタイヤでは、内側中間陸部に形成されたラグ溝は車両内側に向かって開口し、センター陸部と外側中間陸部に形成されたラグ溝は車両外側に向かって開口するので、これらラグ溝からの放射音が車両内側と車両外側に分散されて車外騒音が低減され、しかも、ウエット路面の走行時にはラグ溝からの排水が車両内側と車両外側に分散されてウエット路面での操縦安定性が向上する。また、車両内側の第2主溝に開口するラグ溝が存在しないため、第2主溝に沿って陸部の剛性が十分に確保されてドライ路面での操縦安定性が向上する。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を低減することが可能になる。特に、第2の空気入りタイヤは、ドライ路面での操縦安定性の改善とウエット路面での操縦安定性の改善において有利である。
いずれの構造においても、内側ショルダー陸部及び外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画されるが、これらはドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立しつつ車外騒音を低減する上で有効である。
本発明において、外側中間陸部の幅W3に対する該外側中間陸部に形成されたラグ溝の長さL3の比L3/W3は0.1以上0.8以下であることが好ましい。センター陸部の幅W2に対する該センター陸部に形成されたラグ溝の長さL2の比L2/W2は0.1以上0.8以下であることが好ましい。内側中間陸部の幅W1に対する該内側中間陸部に形成されたラグ溝の長さL1の比L1/W1は0.1以上0.8以下であることが好ましい。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性を良好に維持しながら車外騒音を低減することができる。
外側中間陸部に形成されたラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3は30°以上85°以下であることが好ましい。センター陸部に形成されたラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2は30°以上85°以下であることが好ましい。内側中間陸部に形成されたラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1は30°以上85°以下であることが好ましい。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性を良好に維持しながら車外騒音を低減することができる。
内側ショルダー陸部に形成されたラグ溝は細溝を横切って細リブ内で終端し、内側ショルダー陸部における細リブの幅Wiに対するラグ溝の細リブへの突き出し長さLiの比Li/Wiが0.2以上0.8以下であることが好ましい。同様に、外側ショルダー陸部に形成されたラグ溝は細溝を横切って細リブ内で終端し、外側ショルダー陸部における細リブの幅Woに対するラグ溝の細リブへの突き出し長さLoの比Lo/Woが0.2以上0.8以下であることが好ましい。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性を良好に維持しながら車外騒音を低減することができる。
また、内側中間陸部、センター陸部及び外側中間陸部に形成されたラグ溝は直線形状を有することが好ましい。ラグ溝が直線形状を有することにより、各陸部の剛性を確保して操縦安定性を改善することができる。
本発明の第1実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 図2のトレッドパターンを拡大して示す平面図である。 本発明の第2実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図4の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 図5のトレッドパターンを拡大して示す平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は本発明の第1実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。この空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定されたタイヤである。図1〜図3において、INは車両装着時の車両内側であり、OUTは車両装着時の車両外側である。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
なお、上述したタイヤ内部構造は空気入りタイヤにおける代表的な例を示すものであるが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、トレッド部1には、タイヤ周方向に延びる4本の主溝10が形成され、これら4本の主溝10により5列の陸部20が区画されている。主溝10は主要な排水機能を担持する溝であり、その溝幅が6.0mm〜12.0mmの範囲に設定され、その溝深さが6.0mm〜10.0mmの範囲に設定されている。主溝10は車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝11、第2主溝12、第3主溝13及び第4主溝14を含み、5列の陸部20は車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部21、内側中間陸部22、センター陸部23、外側中間陸部24及び外側ショルダー陸部25を含んでいる。
内側ショルダー陸部21には、タイヤ周方向に延びる1本の細溝31が形成されると共に、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝41がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、細溝31と第1主溝11との間にタイヤ周方向に延在する細リブ51が区画されている。一方、外側ショルダー陸部25には、タイヤ周方向に延びる1本の細溝35が形成されると共に、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝45がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、細溝35と第4主溝14との間にタイヤ周方向に延在する細リブ55が区画されている。細溝31,35の各々は、その溝幅が0.5mm〜3.0mmの範囲に設定され、その溝深さが2.0mm〜5.0mmの範囲に設定されている。また、細リブ51,55の各々は、ラグ溝41,45により分断されることなくタイヤ周方向に連続している。
内側中間陸部22には、一端が車両内側の第1主溝11に開口して他端が内側中間陸部22内で閉止する複数本のラグ溝42Aがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。センター陸部23には、一端が車両内側の第2主溝12に開口して他端がセンター陸部23内で閉止する複数本のラグ溝43Aがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。外側中間陸部24には、一端が車両外側の第4主溝14に開口して他端が外側中間陸部24内で閉止する複数本のラグ溝44Aがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。そして、車両外側の第3主溝13に開口するラグ溝が存在せず、センター陸部23及び外側中間陸部24の第3主溝13側のエッジ部はラグ溝によって分断されることなく連続的に延在している。
上述した第1実施形態の空気入りタイヤでは、内側中間陸部22とセンター陸部23に形成されたラグ溝42A,43Aは車両内側に向かって開口し、外側中間陸部24に形成されたラグ溝44Aは車両外側に向かって開口するので、これらラグ溝42A〜44Aからの放射音が車両内側と車両外側に分散されて車外騒音が低減される。しかも、ウエット路面の走行時にはラグ溝42A〜44Aからの排水が車両内側と車両外側に分散されてウエット路面での操縦安定性が向上する。また、車両外側の第3主溝13に開口するラグ溝が存在しないため、第3主溝13に沿って陸部23,24の剛性が十分に確保されてドライ路面での操縦安定性が向上する。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を低減することが可能になる。特に、上記構造によれば、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善すると共に、車外騒音を効果的に低減することができる。
ここで、内側ショルダー陸部21及び外側ショルダー陸部25の各々には、タイヤ周方向に延びる細溝31,35と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝41,45が形成されているため、ウエット路面での操縦安定性を良好に確保することができる。また、各細溝31,35とそれに対応する第1主溝11又は第4主溝14との間にタイヤ周方向に延在する細リブ51,55が区画されているため、これら細リブ51,55がドライ路面での操縦安定性の改善と車外騒音の低減に寄与する。
上記空気入りタイヤにおいて、図3に示すように、外側中間陸部24の幅W3に対するラグ溝44Aの長さL3の比L3/W3は0.1以上0.8以下であると良い。比L3/W3が0.1よりも小さいと、排水性が低下することに加えて、外側中間陸部24の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際の外側中間陸部24の変形が小さくなるため、それに隣接する主溝13,14における定常波(気柱共鳴音)の発生を効果的に抑制することができない。逆に、比L3/W3が0.8よりも大きいと、外側中間陸部24の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝44Aについて、比L3/W3は0.2以上0.5以下であることが望ましい。
センター陸部23の幅W2に対するラグ溝43Aの長さL2の比L2/W2は0.1以上0.8以下であると良い。比L2/W2が0.1よりも小さいと、排水性が低下することに加えて、センター陸部23の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際のセンター陸部23の変形が小さくなるため、それに隣接する主溝12,13における定常波(気柱共鳴音)の発生を効果的に抑制することができない。逆に、比L2/W2が0.8よりも大きいと、センター陸部23の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝43Aについて、比L2/W2は0.2以上0.5以下であることが望ましい。
内側中間陸部22の幅W1に対するラグ溝42Aの長さL1の比L1/W1は0.1以上0.8以下であると良い。比L1/W1が0.1よりも小さいと、排水性が低下することに加えて、内側中間陸部22の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際の内側中間陸部22の変形が小さくなるため、それに隣接する主溝11,11における定常波(気柱共鳴音)の発生を効果的に抑制することができない。逆に、比L1/W1が0.8よりも大きいと、内側中間陸部22の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝42Aについて、比L1/W1は0.5以上0.8以下であることが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、L1>L2,L1>L3の関係を満たすことが好ましく、特に、L1/L2=1.5〜3.0,L1/L3=1.5〜3.0の関係を満たすことが好ましい。また、L1/W1>L2/W2,L1/W1>L3/W3の関係を満たすことが好ましい。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を効果的に低減することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、図3に示すように、外側中間陸部24に形成されたラグ溝44Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3は30°以上85°以下であると良い。ラグ溝44Aの傾斜角度θ3が30°よりも小さいと、ラグ溝44Aにより形成されるブロックエッジ部分の剛性が低くなるため、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、ラグ溝44Aの傾斜角度θ3が85°よりも大きいと、排水性が低下することに加えて、外側中間陸部24の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際の外側中間陸部24の変形が小さくなるため、車外騒音の発生を効果的に抑制することができない。ラグ溝44Aについて、傾斜角度θ3は45°以上75°以下であることが望ましい。
センター陸部23に形成されたラグ溝43Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2は30°以上85°以下であると良い。ラグ溝43Aの傾斜角度θ2が30°よりも小さいと、ラグ溝43Aにより形成されるブロックエッジ部分の剛性が低くなるため、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、ラグ溝43Aの傾斜角度θ2が85°よりも大きいと、排水性が低下することに加えて、センター陸部23の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際のセンター陸部23の変形が小さくなるため、車外騒音の発生を効果的に抑制することができない。ラグ溝43Aについて、傾斜角度θ2は45°以上75°以下であることが望ましい。
内側中間陸部22に形成されたラグ溝42Aのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1は30°以上85°以下であると良い。ラグ溝42Aの傾斜角度θ1が30°よりも小さいと、ラグ溝42Aにより形成されるブロックエッジ部分の剛性が低くなるため、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、ラグ溝42Aの傾斜角度θ1が85°よりも大きいと、排水性が低下することに加えて、内側中間陸部22の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際の内側中間陸部22の変形が小さくなるため、車外騒音の発生を効果的に抑制することができない。ラグ溝42Aについて、傾斜角度θ1は45°以上75°以下であることが望ましい。
なお、ラグ溝42A〜44Aの傾斜角度θ1〜θ3は、ラグ溝42A〜44Aの各々において、開口端での溝幅中心位置と閉止端での溝幅中心位置を通る直線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
上記空気入りタイヤにおいて、内側ショルダー陸部21に形成されたラグ溝41は細溝31を横切って細リブ51内で終端し、内側ショルダー陸部21における細リブ51の幅Wiに対するラグ溝41の細リブ51への突き出し長さLiの比Li/Wiが0.2以上0.8以下であると良い。比Li/Wiが0.2よりも小さいと、細リブ51の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際の細リブ51の変形が小さくなるため、車外騒音の発生を効果的に抑制することができない。逆に、比Li/Wiが0.8よりも大きいと、細リブ51の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。比Li/Wiは0.3以上0.7以下であることが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、外側ショルダー陸部25に形成されたラグ溝45は細溝35を横切って細リブ55内で終端し、外側ショルダー陸部25における細リブ55の幅Woに対するラグ溝45の細リブ55への突き出し長さLoの比Lo/Woが0.2以上0.8以下であると良い。比Lo/Woが0.2よりも小さいと、細リブ55の剛性が高過ぎて、接地圧が作用した際の細リブ55の変形が小さくなるため、車外騒音の発生を効果的に抑制することができない。逆に、比Lo/Woが0.8よりも大きいと、細リブ55の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。比Lo/Woは0.3以上0.7以下であることが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、内側中間陸部22、センター陸部23及び外側中間陸部24に形成されたラグ溝42A,43A,44Aは直線形状を有することが好ましい。ラグ溝42A〜44Aが直線形状を有する場合、各陸部22〜24の剛性を確保して操縦安定性を改善することができる。なお、ラグ溝42A〜44Aが屈曲形状又は屈曲形状を有する場合、各陸部22〜24の剛性が低下するため、操縦安定性を効果的に改善することができない。
図4〜図6は本発明の第2実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。この空気入りタイヤは、車両装着時におけるタイヤ表裏の装着方向が指定されたタイヤである。図4〜図6において、INは車両装着時の車両内側であり、OUTは車両装着時の車両外側である。第2実施形態は内側中間陸部22、センター陸部23及び外側中間陸部24に形成されるラグ溝(42B,43B,44B)の構造だけが第1実施形態とは異なるものであるので、図4〜図6において、図1〜図3と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図4及び図5に示すように、内側ショルダー陸部21には、タイヤ周方向に延びる1本の細溝31が形成されると共に、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝41がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、細溝31と第1主溝11との間にタイヤ周方向に延在する細リブ51が区画されている。一方、外側ショルダー陸部25には、タイヤ周方向に延びる1本の細溝35が形成されると共に、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝45がタイヤ周方向に間隔をおいて形成され、細溝35と第4主溝14との間にタイヤ周方向に延在する細リブ55が区画されている。また、細リブ51,55の各々は、ラグ溝41,45により分断されることなくタイヤ周方向に連続している。
内側中間陸部22には、一端が車両内側の第1主溝11に開口して他端が内側中間陸部22内で閉止する複数本のラグ溝42Bがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。センター陸部23には、一端が車両外側の第3主溝13に開口して他端がセンター陸部23内で閉止する複数本のラグ溝43Bがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。外側中間陸部24には、一端が車両外側の第4主溝14に開口して他端が外側中間陸部24内で閉止する複数本のラグ溝44Bがタイヤ周方向に間隔をおいて形成されている。そして、車両内側の第2主溝12に開口するラグ溝が存在せず、内側中間陸部22及びセンター陸部23の第2主溝12側のエッジ部はラグ溝によって分断されることなく連続的に延在している。
上述した第2実施形態の空気入りタイヤでは、内側中間陸部22に形成されたラグ溝42Bは車両内側に向かって開口し、センター陸部23と外側中間陸部24に形成されたラグ溝43B,44Bは車両外側に向かって開口するので、これらラグ溝42B〜44Bからの放射音が車両内側と車両外側に分散されて車外騒音が低減される。しかも、ウエット路面の走行時にはラグ溝42B〜44Bからの排水が車両内側と車両外側に分散されてウエット路面での操縦安定性が向上する。また、車両内側の第2主溝12に開口するラグ溝が存在しないため、第2主溝12に沿って陸部22,23の剛性が十分に確保されてドライ路面での操縦安定性が向上する。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を低減することが可能になる。特に、上記構造によれば、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善すると共に、ウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができる。
ここで、内側ショルダー陸部21及び外側ショルダー陸部25の各々には、タイヤ周方向に延びる細溝31,35と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝41,45が形成されているため、ウエット路面での操縦安定性を良好に確保することができる。また、各細溝31,35とそれに対応する第1主溝11又は第4主溝14との間にタイヤ周方向に延在する細リブ51,55が区画されているため、これら細リブ51,55がドライ路面での操縦安定性の改善と車外騒音の低減に寄与する。
上記空気入りタイヤにおいて、図6に示すように、外側中間陸部24の幅W3に対するラグ溝44Bの長さL3の比L3/W3は0.1以上0.8以下であると良い。比L3/W3が0.1よりも小さいと、気柱共鳴音の発生を効果的に抑制できなくなることに加えて、排水性が不十分になるためウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、比L3/W3が0.8よりも大きいと、外側中間陸部24の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝44Bについて、比L3/W3は0.5以上0.8以下であることが望ましい。
センター陸部23の幅W2に対するラグ溝43Bの長さL2の比L2/W2は0.1以上0.8以下であると良い。比L2/W2が0.1よりも小さいと、気柱共鳴音の発生を効果的に抑制できなくなることに加えて、排水性が不十分になるためウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、比L2/W2が0.8よりも大きいと、センター陸部23の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝43Bについて、比L2/W2は0.2以上0.5以下であることが望ましい。
内側中間陸部22の幅W1に対するラグ溝42Bの長さL1の比L1/W1は0.1以上0.8以下であると良い。比L1/W1が0.1よりも小さいと、気柱共鳴音の発生を効果的に抑制できなくなることに加えて、排水性が不十分になるためウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、比L1/W1が0.8よりも大きいと、内側中間陸部22の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝42Bについて、比L1/W1は0.2以上0.5以下であることが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、L3>L1,L3>L2の関係を満たすことが好ましく、特に、L3/L1=1.5〜3.0,L3/L2=1.5〜3.0の関係を満たすことが好ましい。また、L3/W3>L1/W1,L3/W3>L2/W2の関係を満たすことが好ましい。これにより、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性とを両立すると共に、車外騒音を効果的に低減することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、図6に示すように、外側中間陸部24に形成されたラグ溝44Bのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3は30°以上85°以下であると良い。ラグ溝44Bの傾斜角度θ3が30°よりも小さいと、ラグ溝44Bにより形成されるブロックエッジ部分の剛性が低くなるため、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、ラグ溝44Bの傾斜角度θ3が85°よりも大きいと、気柱共鳴音の発生を効果的に抑制できなくなることに加えて、第4主溝14からラグ溝44Bへ水が流れ込み難くなり、ウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝44Bについて、傾斜角度θ3は45°以上75°以下であることが望ましい。
センター陸部23に形成されたラグ溝43Bのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2は30°以上85°以下であると良い。ラグ溝43Bの傾斜角度θ2が30°よりも小さいと、ラグ溝43Bにより形成されるブロックエッジ部分の剛性が低くなるため、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、ラグ溝43Bの傾斜角度θ2が85°よりも大きいと、気柱共鳴音の発生を効果的に抑制できなくなることに加えて、第3主溝13からラグ溝43Bへ水が流れ込み難くなり、ウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝43Bについて、傾斜角度θ2は45°以上75°以下であることが望ましい。
内側中間陸部22に形成されたラグ溝42Bのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1は30°以上85°以下であると良い。ラグ溝42Bの傾斜角度θ1が30°よりも小さいと、ラグ溝42Bにより形成されるブロックエッジ部分の剛性が低くなるため、ドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、ラグ溝42Bの傾斜角度θ1が85°よりも大きいと、気柱共鳴音の発生を効果的に抑制できなくなることに加えて、第1主溝11からラグ溝42Bへ水が流れ込み難くなり、ウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。ラグ溝42Bについて、傾斜角度θ1は45°以上75°以下であることが望ましい。
なお、ラグ溝42B〜44Bの傾斜角度θ1〜θ3は、ラグ溝42B〜44Bの各々において、開口端での溝幅中心位置と閉止端での溝幅中心位置を通る直線がタイヤ周方向に対してなす角度である。
上記空気入りタイヤにおいて、内側ショルダー陸部21に形成されたラグ溝41は細溝31を横切って細リブ51内で終端し、内側ショルダー陸部21における細リブ51の幅Wiに対するラグ溝41の細リブ51への突き出し長さLiの比Li/Wiが0.2以上0.8以下であると良い。比Li/Wiが0.2よりも小さいと、排水性が不十分になるためウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、比Li/Wiが0.8よりも大きいと、細リブ51の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。比Li/Wiは0.3以上0.7以下であることが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、外側ショルダー陸部25に形成されたラグ溝45は細溝35を横切って細リブ55内で終端し、外側ショルダー陸部25における細リブ55の幅Woに対するラグ溝45の細リブ55への突き出し長さLoの比Lo/Woが0.2以上0.8以下であると良い。比Lo/Woが0.2よりも小さいと、排水性が不十分になるためウエット路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。逆に、比Lo/Woが0.8よりも大きいと、細リブ55の剛性が低過ぎてドライ路面での操縦安定性を効果的に改善することができない。比Lo/Woは0.3以上0.7以下であることが望ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、内側中間陸部22、センター陸部23及び外側中間陸部24に形成されたラグ溝42B,43B,44Bは直線形状を有することが好ましい。ラグ溝42B〜44Bが直線形状を有する場合、各陸部22〜24の剛性を確保して操縦安定性を改善することができる。なお、ラグ溝42B〜44Bが屈曲形状又は屈曲形状を有する場合、各陸部22〜24の剛性が低下するため、操縦安定性を効果的に改善することができない。
タイヤサイズ225/65R17で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えると共に、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝が形成され、これら主溝により5列の陸部が区画され、4本の主溝が車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝、第2主溝、第3主溝及び第4主溝を含み、5列の陸部が車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部、内側中間陸部、センター陸部、外側中間陸部及び外側ショルダー陸部を含み、内側ショルダー陸部及び外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画され、内側中間陸部に一端が車両内側の第1主溝に開口して他端が内側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、センター陸部に一端が車両内側の第2主溝に開口して他端がセンター陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、外側中間陸部に一端が車両外側の第4主溝に開口して他端が外側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、車両外側の第3主溝に開口するラグ溝が存在しない構造を有する実施例1〜15のタイヤを製作した。
比較のため、内側中間陸部、センター陸部及び外側中間陸部に形成されるラグ溝の全てを車両内側に向かって開口するように配置したこと以外は実施例1と同じ構造を有する従来例のタイヤを用意した。
従来例及び実施例1〜15のタイヤにおいて、ラグ溝の開口方向、陸部の幅に対するラグ溝の長さの比L3/W3,L2/W2,L1/W1、ラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3,θ2,θ1、内側ショルダー陸部における細リブの幅に対するラグ溝の細リブへの突き出し長さの比Li/Wi、外側ショルダー陸部における細リブの幅に対するラグ溝の細リブへの突き出し長さの比Lo/Wo、各ラグ溝の形状は表1及び表2の通りである。ラグ溝の開口方向について、「IN」は車両内側に向かって開口した状態を意味し、「OUT」は車両外側に向かって開口した状態を意味する。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ドライ路面での操縦安定性、ウエット路面での操縦安定性、車外騒音を評価し、その結果を表1及び表2に併せて示した。
ドライ路面での操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組み付けて排気量2400ccのSUV車輌(前輪駆動車)に装着し、ウォームアップ後の空気圧を230kPaとし、ドライ路面において走行した際のテストドライバーによる官能評価を実施した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどドライ路面での操縦安定性が優れていることを意味する。
ウエット路面での操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組み付けて排気量2400ccのSUV車輌(前輪駆動車)に装着し、ウォームアップ後の空気圧を230kPaとし、ウエット路面において走行した際のテストドライバーによる官能評価を実施した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウエット路面での操縦安定性が優れていることを意味する。
車外騒音:
各試験タイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組み付けて排気量2400ccのSUV車輌(前輪駆動車)に装着し、ウォームアップ後の空気圧を230kPaとし、ECE R117に準拠した試験を実施し、その車外騒音を計測した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど車外騒音が少ないことを意味する。
Figure 0006946881
Figure 0006946881
表1及び表2から判るように、実施例1〜15のタイヤは、従来例との対比において、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性が良好であり、しかも車外騒音が低減されていた。
次に、タイヤサイズ225/65R17で、トレッド部と一対のサイドウォール部と一対のビード部とを備えると共に、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝が形成され、これら主溝により5列の陸部が区画され、4本の主溝が車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝、第2主溝、第3主溝及び第4主溝を含み、5列の陸部が車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部、内側中間陸部、センター陸部、外側中間陸部及び外側ショルダー陸部を含み、内側ショルダー陸部及び外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画され、内側中間陸部に一端が車両内側の第1主溝に開口して他端が内側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、センター陸部に一端が車両外側の第3主溝に開口して他端がセンター陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、外側中間陸部に一端が車両外側の第4主溝に開口して他端が外側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、車両内側の第2主溝に開口するラグ溝が存在しない構造を有する実施例16〜30のタイヤを製作した。
比較のため、内側中間陸部、センター陸部及び外側中間陸部に形成されるラグ溝の全てを車両内側に向かって開口するように配置したこと以外は実施例1と同じ構造を有する従来例のタイヤを用意した。
従来例及び実施例16〜30のタイヤにおいて、ラグ溝の開口方向、陸部の幅に対するラグ溝の長さの比L3/W3,L2/W2,L1/W1、ラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3,θ2,θ1、内側ショルダー陸部における細リブの幅に対するラグ溝の細リブへの突き出し長さの比Li/Wi、外側ショルダー陸部における細リブの幅に対するラグ溝の細リブへの突き出し長さの比Lo/Wo、各ラグ溝の形状は表1及び表2の通りである。ラグ溝の開口方向について、「IN」は車両内側に向かって開口した状態を意味し、「OUT」は車両外側に向かって開口した状態を意味する。
これら試験タイヤについて、上記と同様の試験方法により、ドライ路面での操縦安定性、ウエット路面での操縦安定性、車外騒音を評価し、その結果を表3及び表4に併せて示した。
Figure 0006946881
Figure 0006946881
表3及び表4から判るように、実施例16〜30のタイヤは、従来例との対比において、ドライ路面での操縦安定性とウエット路面での操縦安定性が良好であり、しかも車外騒音が低減されていた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
10,11,12,13,14 主溝
20,21,22,23,24,25 陸部
31,35 細溝
41,42A,42B,43A,43B,44A,44B,45 ラグ溝
51,55 細リブ

Claims (11)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝が形成され、これら主溝により5列の陸部が区画され、前記4本の主溝が車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝、第2主溝、第3主溝及び第4主溝を含み、前記5列の陸部が車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部、内側中間陸部、センター陸部、外側中間陸部及び外側ショルダー陸部を含み、
    前記内側ショルダー陸部及び前記外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画され、
    前記内側中間陸部に一端が車両内側の第1主溝に開口して他端が内側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記センター陸部に一端が車両内側の第2主溝に開口して他端がセンター陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記外側中間陸部に一端が車両外側の第4主溝に開口して他端が外側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、車両外側の前記第3主溝に開口するラグ溝が存在せず、
    前記内側ショルダー陸部に形成されたラグ溝が前記細溝を横切って前記細リブ内で終端し、前記内側ショルダー陸部における前記細リブの幅Wiに対する前記ラグ溝の前記細リブへの突き出し長さLiの比Li/Wiが0.2以上0.8以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えると共に、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる4本の主溝が形成され、これら主溝により5列の陸部が区画され、前記4本の主溝が車両内側から車両外側に向かって順次配列された第1主溝、第2主溝、第3主溝及び第4主溝を含み、前記5列の陸部が車両内側から車両外側に向かって順次配列された内側ショルダー陸部、内側中間陸部、センター陸部、外側中間陸部及び外側ショルダー陸部を含み、
    前記内側ショルダー陸部及び前記外側ショルダー陸部の各々に、タイヤ周方向に延びる細溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本のラグ溝が形成され、各細溝とそれに対応する第1主溝又は第4主溝との間にタイヤ周方向に延在する細リブが区画され、
    前記内側中間陸部に一端が車両内側の第1主溝に開口して他端が内側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記センター陸部に一端が車両外側の第3主溝に開口して他端がセンター陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、前記外側中間陸部に一端が車両外側の第4主溝に開口して他端が外側中間陸部内で閉止する複数本のラグ溝が形成され、車両内側の前記第2主溝に開口するラグ溝が存在しないことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記内側ショルダー陸部に形成されたラグ溝が前記細溝を横切って前記細リブ内で終端し、前記内側ショルダー陸部における前記細リブの幅Wiに対する前記ラグ溝の前記細リブへの突き出し長さLiの比Li/Wiが0.2以上0.8以下であることを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記外側ショルダー陸部に形成されたラグ溝が前記細溝を横切って前記細リブ内で終端し、前記外側ショルダー陸部における前記細リブの幅Woに対する前記ラグ溝の前記細リブへの突き出し長さLoの比Lo/Woが0.2以上0.8以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記外側中間陸部の幅W3に対する該外側中間陸部に形成されたラグ溝の長さL3の比L3/W3が0.1以上0.8以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記センター陸部の幅W2に対する該センター陸部に形成されたラグ溝の長さL2の比L2/W2が0.1以上0.8以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記内側中間陸部の幅W1に対する該内側中間陸部に形成されたラグ溝の長さL1の比L1/W1が0.1以上0.8以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記外側中間陸部に形成されたラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ3が30°以上85°以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記センター陸部に形成されたラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2が30°以上85°以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記内側中間陸部に形成されたラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1が30°以上85°以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記内側中間陸部、前記センター陸部及び前記外側中間陸部に形成されたラグ溝が直線形状を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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