JP6942021B2 - プラスチックキャップ及びその製造方法 - Google Patents

プラスチックキャップ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6942021B2
JP6942021B2 JP2017194526A JP2017194526A JP6942021B2 JP 6942021 B2 JP6942021 B2 JP 6942021B2 JP 2017194526 A JP2017194526 A JP 2017194526A JP 2017194526 A JP2017194526 A JP 2017194526A JP 6942021 B2 JP6942021 B2 JP 6942021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner plug
upper lid
annular
cap body
engaged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017194526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019064727A (ja
Inventor
尚 杉山
尚 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Closures Co Ltd
Original Assignee
Nippon Closures Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Closures Co Ltd filed Critical Nippon Closures Co Ltd
Priority to JP2017194526A priority Critical patent/JP6942021B2/ja
Publication of JP2019064727A publication Critical patent/JP2019064727A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6942021B2 publication Critical patent/JP6942021B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)

Description

本発明は、容器口部に固定して使用される小口径の注出口を有するキャップ本体及び上蓋から成るプラスチックキャップに関するものであり、より詳細には、開封性及び密封性を兼ね備えた、熱間充填にも対応可能なプラスチックキャップ及びこのプラスチックキャップを生産性よく成形可能な製造方法に関する。
従来より、容器口部に固定して使用されるキャップ本体及び上蓋から成るプラスチックキャップにおいては、密封性を確保するために、最初に内容物を取り出す時に、キャップ本体頂板部の開口予定部に形成されたプルリングを引き上げて弱化部を破断することにより、内容物注出のための開口を形成することが行われている。
粘稠性を有する内容物が充填される容器に適用されるキャップにおいては、容器胴部を押圧することにより内容物が注出されるため、注出量を容易に調整するには注出口の径が小径であることが望ましい。しかしながら、注出口が小径のキャップでは、開口予定部にプルリングを形成することが難しい。またプルリングを形成できたとしても、プルリングが小径となるため指で把持することが難しく、上述したように、使用開始時に容易に開口を形成することはできない。
プルリングのないキャップも知られており、例えば下記特許文献1には、頂壁に注出筒が設けられたキャップ本体と、該キャップ本体にヒンジ部を介して連結され、該ヒンジ部を支点として開閉可能に設けられた外蓋と、該外蓋内に保持され、該注出筒の開口を密閉する内蓋と、を備え該内蓋は、壁部と、該壁部よりも内方に形成されると共に該上蓋が閉蓋された際に該注出筒の開口内に嵌入されるインナーリングとを有し、該外蓋は、天壁と、該天壁と連続するスカート壁と、該スカート壁よりも内方の該天壁内面に設けられると共に該注出筒の開口よりも大径に形成された筒壁とを有し、該筒壁は、該内蓋をその内方に保持するための保持手段を有するヒンジキャップであって、該インナーリングは、少なくとも該ヒンジ部側が該壁部よりも長く形成され、該内蓋は、該筒壁の内方に、少なくとも高さ方向に摺動可能に保持されており、該外蓋の開閉動作によって該外蓋と共に移動するものであることを特徴とするものが提案されている。
特開2014−162499号公報
上記ヒンジキャップは、使用時にプルリングを引き上げて開口形成を行う必要がないことから、ワンアクションで開封して内容物を取り出すことができると共に、上記内蓋が、キャップ本体及び外蓋とは別途形成された後、組み付けられた2ピースタイプのキャップであることから、内蓋が上蓋と別に動くことができ、密封性にも優れたものである。
しかしながら、2ピースタイプのキャップであることから、内蓋の成形工程及び内蓋の外蓋への組み付け工程という、2工程が追加されると共に、内蓋成形のための金型も必要になるため、ワンピースタイプのキャップの成形に比して、生産性及び経済性の点で未だ十分満足するものではない。
このような問題を解決するために、本発明者等は、成形時には生産性に優れたワンピースタイプでありながら、使用時には密封性及び開封性に優れた2ピースキャップとなる、小径の注出用開口を形成可能なプラスチックキャップを提案した(特願2017−129504)。
上記プラスチックキャップは、キャップ本体と一体に成形された中栓が、注出用ノズルの中栓と密着可能な内径を有するシール部分よりも下方で破断可能な弱化部を介してキャップ本体に一体に形成されていると共に、破断された弱化部のキャップ本体側の端縁は注出用ノズルの内部に位置していることから、内容物の注出性やシールポイントを損なうこともなく、密封性に優れている。
しかしながら、上記キャップを用いた場合であっても、熱間充填や熱水シャワー等の充填処理条件が高温の場合には、シール部が熱による応力緩和を生じてシール力が低下し、充填処理前後の容器内圧の上昇下降や落下の衝撃等が加わることによって、中栓が動いてしまい、シールの密封が損なわれるおそれがある。従って、このような用途に使用されるキャップにおいては、より高い密封性が求められている。
従って本発明の目的は、成形時には生産性に優れたワンピースタイプでありながら、使用時には密封性及び開封性に優れた2ピースキャップになり、熱間充填等にも対応可能な小径の注出用開口を形成可能なプラスチックキャップを提供することである。
本発明の他の目的は、密封性及び開封性に優れた小径の注出用開口を形成可能なプラスチックキャップを生産性よく成形可能なプラスチックキャップの成形方法を提供することである。
本発明によれば、頂板部及びスカート部から成り、該頂板部外面には開口予定部を取り囲むように注出用ノズルが形成されて成る、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、天面と該天面外周縁から垂下する周状壁から成る上蓋とから成り、該上蓋には、天面内面から下方に突出し、外面に係合部を有する突出部が形成されており、前記キャップ本体には、前記注出用ノズル内面と密着可能な外径を有する環状側壁及び該環状側壁を閉塞する閉塞部が形成されて成る中栓が形成されており、該中栓は、前記注出用ノズルの中栓と密着可能な内径を有するシール部分よりも下方で破断可能な弱化部を介してキャップ本体に一体に形成されて成るプラスチックキャップであって、前記中栓の環状側壁には前記突出部の係合部と係合可能な被係合部が形成されており、前記中栓の環状側壁外面又は注出用ノズル内面の何れか一方の面には周方向に延びる環状突起が形成されていると共に、前記中栓の環状側壁外面又は注出用ノズル内面の前記環状突起が形成されていない他方の面には、前記環状突起を上下方向から挟み込んで嵌合可能な環状嵌合部が形成されていることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
本発明のプラスチックキャップにおいては、
1.前記中栓は、頂板部の開口予定部の端縁から、破断可能な弱化部を介して、一体に形成されていること、
2.前記上蓋がキャップ本体に係合された状態で、前記破断可能な弱化部が破断され、キャップ本体から離脱した中栓の被係合部が前記突出部の係合部を乗り越え互いに係合可能になると共に環状側壁外面と注出用ノズル内面が密着すること、
3.前記上蓋の突出部には、前記係合部よりも上方に、第二の係合部が形成されており、前記中栓が上蓋の開封に伴い上昇し、環状突起が環状嵌合部から外れた後に、前記被係合部が第二の係合部と係合すること、
4.前記環状嵌合部が、環状突起の形状に合致した環状凹部であること、
5.前記環状嵌合部が、下側環状突条及び上側環状突条によって形成されること、
6.前記中栓の閉塞部が環状側壁の下方に形成された底部であり、該底部には、上方に延びるガイド棒が形成されており、前記突出部の中央には、前記ガイド棒を収納可能な凹部が形成されており、前記ガイド棒の外径が前記突出部の凹部の内径よりも小さいこと、
7.前記上蓋が、キャップ本体にヒンジ連結されていること、
が好適である。
本発明によればまた、前記キャップ本体及び上蓋を成形した後、前記上蓋がキャップ本体に係合された状態で、前記中栓の閉塞部を下方から押圧し、前記破断可能な弱化部を破断すると共に、前記突出部の係合部と前記中栓の被係合部を係合可能とし且つ前記中栓の環状側壁外面又は注出用ノズルの内面の間に形成される環状突起と環状嵌合部が係合させることを特徴とするプラスチックキャップの製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、前記キャップ本体及び上蓋がヒンジ連結されており、キャップ本体及び上蓋を開いた状態で成形した後、上蓋をキャップ本体に係合することが好適である。
本発明のプラスチックキャップでは、中栓の環状側壁外面と注出用ノズルの内面の間に形成されるシール部が、環状突起と環状嵌合部の係合により形成されることにより、熱間充填のように高温の内容物を充填した場合等に熱による応力緩和が生じた場合でも、シール力が低下することが有効に防止されており、優れた密封性を有している。
また環状嵌合部が上側環状突条及び下側環状突条を有し、これらの間に環状突起の形状に対応する環状凹部が形成されていることにより、環状突起と環状嵌合部の嵌合力を向上でき、シール部に上下方向の荷重、すなわち落下時のウォーターハンマーまたは熱間充填中の容器内圧の上昇による上向きの荷重や、熱間充填後の容器内圧の減圧吸収による下向きの荷重が作用した場合にも、環状突起と環状係合部の係合が解除されてしまうことが有効に防止されている。
更に、最初に開封した直後に上蓋を閉じる際に、中栓の被係合部が上蓋に形成された突出部の第二の係合部を乗り越えることにより、2回目以降の閉開栓では、前述した環状突起と環状嵌合部の係合がないため、開封力を低減することができ、開封性に優れている。
本発明のプラスチックキャップは、中栓をキャップ本体と一体成形可能であるため、生産性に優れている。
またプルリングを形成できない小径の注出用開口を形成できることから、容器を押圧した分だけ注出することができると共に、容易にスクイズバック可能であり、液だれなどを有効に防止することできる。
更にキャップ本体と一体に成形された中栓は、注出用ノズルとのシール部よりも下方で破断可能な弱化部を介してキャップ本体に一体に形成されていることから、破断された弱化部のキャップ本体側の端縁は注出用ノズルの内部に位置し、内容物の注出性を損なうことや、シール性を損なうこともなく、密封性に優れている。
また本発明のプラスチックキャップは、上蓋の突出部の中栓係合部と中栓の被係合部が上下方向に間隙を有するよう形成されているため、中栓は上蓋に対して可動性を有している。そのため、上蓋の動きに遅れてから追従するため、開封力を分散させることができ、上蓋の初期開封力を上昇させることがない。また上蓋が落下衝撃を受けた場合にも中栓は上蓋と一緒に動かないので、密封性が損なわれることが有効に防止されている。
更にキャップ本体に弱化部を介して一体に形成されている中栓は、その閉塞部をキャップ本体下方から押圧することによって中栓はキャップ本体から離脱すると同時に上蓋に形成された突出部と嵌合して上蓋と一体となることから、組み付けも容易であり、生産性及び経済性に優れている。
本発明のプラスチックキャップの一例であるヒンジキャップにおいて、成形後の上蓋が開いた状態における平面図である。 図1に示すヒンジキャップにおいて、成形後の上蓋を閉じた状態における側断面図である。 図2に示すヒンジキャップにおいて、中栓を下方から押し上げ、上蓋にセットする工程を説明するための図である。 下方から押し上げられた中栓の環状突起が注出用ノズルに形成された環状嵌合部に嵌合した状態を示す左半分の側断面図である。 図4に示した状態から上蓋を最初に引き上げた後、上蓋が最初に閉じられる過程を説明するための左半分の側断面図である。 図4に示した状態から上蓋を最初に引き上げた後、上蓋が最初に閉じられる過程を説明するための左半分の側断面図である。 上蓋が再度閉じられ、キャップ本体に係合された状態を示す左半分の側断面図である。 図7の状態から2回目以降に開封し始めた状態を説明するための左半分の側断面図である。
本発明のプラスチックキャップについて、添付図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示す本発明のプラスチックキャップの一例は、キャップ本体1、及びこのキャップ本体1にヒンジ連結された上蓋20、並びにキャップ本体1から離脱可能に形成され、キャップ本体から離脱後は上蓋20と一体化される中栓30から成り、これらが一体的に成形されて成るヒンジキャップである。
容器口部(図示せず)に嵌合固定されるキャップ本体1は、頂板部2及び頂板部2の周縁から垂下するスカート部3から成り、スカート部3は上方から下方へ延びる溝4を介して内側筒壁3aと外側筒壁3bとに分断されており、内側筒壁3aをタガ締めするように外側筒壁4が形成されて成っている。尚、溝4の下端部は周方向において後述する上蓋20のヒンジ部分に対応する一部の領域をスリット12で貫通しており、スリット12以外の周方向の領域は内側筒壁3aと外側筒壁3bとを連結部13を介して連結している。連結部13は周方向に破断可能な破断連結部と、破断連結部よりも比較的厚肉な非破断連結部とで形成されている。内側筒壁3aの内面下方には、後述する容器口部の係合凹部と係合し、キャップ本体1を容器口部に固定するための内方に突出する環状凸部5が形成されている。外側筒壁3bは、ヒンジ部近傍に上方から下方へ延びる破断可能な軸方向スコア6が形成されており、これにより、内容物がなくなり、廃棄する際には、上蓋20をヒンジ部分で下方に引き下げてスコア6を破断し、続いて連結部13のうち破断連結部を周方向に破断するが非破断連結部は破断されないため、上蓋20とキャップ本体1とが連結したまま容器口部から容易に取り外すことができ、分別廃棄性を有している。
また頂板部2の外面側の端部には、上蓋20と係合して上蓋20を固定するための環状突起7が形成され、該環状突起7よりも内側の注出方向(ヒンジ部の反対側)側に注出用ノズル8が形成されている。一方、頂板部2の内面には、容器口部内面と密着するインナーリング9が形成されている。
全体を30で示す中栓は、注出用ノズル8と頂板部2の内面との境界部分によって区画される開口予定部を塞ぐように、注出用ノズル8と頂板部2の内面との境界部分(開口予定部の端縁)に破断可能なスコア(弱化部)10を介してキャップ本体1と一体に形成されている。
この中栓30は、破断可能なスコア10から下方に延びる環状側壁31及び環状側壁31を塞ぐように形成された閉塞部である底部32が形成されている。また前述したとおり、環状側壁31の外径は、注出用ノズル8の内面のシール部分と密着する大きさであり、中栓の環状側壁31は、注出用ノズル内面の一部(シール部分)に密着する長さに形成されている。また図に示す具体例では、底部32は下端に向かって径が減少するように、傾斜が形成されており、キャップ本体から中栓を離脱(弱化部10を破断すること)し、注出用ノズル8の内面に中栓30を密封状態にセットした後、上蓋を再び閉じる際、注出用ノズル8内への嵌合が容易になっている。
また中栓30の内部には、環状側壁31上方に、後述する上蓋に形成された中栓係合部28と被係合するための環状の被係合部33が内方に突出するように形成されていると共に、底部32の中央から上方に延びるガイド棒34が形成されている。
本発明のプラスチックキャップにおいては、前述したとおり、中栓の環状側壁31の外面又は注出用ノズル内面に環状突起及び環状嵌合部が形成されていることが重要な特徴であり、図に示す具体例においては、中栓の環状側壁31の外面には、外方に突出する環状突起35が形成され、注出用ノズル8の内面には、内方に突出する上側環状突条14a及び下側環状突条14bで区画される環状凹部14cから成る環状嵌合部14が形成されているが、環状突起が注出用ノズル、環状嵌合部が中栓に形成されていてもよい。この環状凹部14cは中栓の環状突起35の形状に合致するように形成されていることから、環状突起35は凹部14cにぴったりと嵌合するので、密封性が向上される。
全体を20で示す上蓋は、キャップ本体1の外側筒壁4の上端の注出方向と反対側の位置にヒンジ11を介してキャップ本体1と一体に成形されている。
上蓋20は、天面21と天面21の外周縁から垂下する周状壁22から成っており、周状壁22の内面下方は、前述したキャップ本体1の環状突起7と係合し、閉栓状態において上蓋20をキャップ本体1に係合するための環状突条23が形成されている。また周状壁22の外面下端のヒンジ11と反対側の位置には、上蓋20を上方に持ち上げるための摘み24が形成されている。
また天面21には、キャップ本体の注出用ノズル8に対応する位置に、注出用ノズル8の先端外径とほぼ内径が同じ大きさの下方に延びる周状突起25が形成されている。この周状突起25内に注出用ノズル8の注ぎ口先端部が位置することにより、キャップが外部から衝撃を受けた時等に、上蓋20がキャップ本体1からずれてしまうことを有効に防止できる。またこの周状突起25が形成された部分を除いて、天面21の内面から下方に向かって円弧状突起26が形成されている。この円弧状突起26により、閉栓状態において、上蓋20の上方からの衝撃による上蓋の潰れを防止することができる。
上蓋の周状突起25よりも内側には、キャップ本体1から離脱された中栓30を係合固定するための、下方に突出する突出部27が形成されている。この突出部27の外周面には、その先端に外方に突出する第一の中栓係合部28aと、第一の中栓係合部28aよりも上方に第二の中栓係合部28bが形成されている。これらの中栓係合部28は、前述した中栓30の被係合部33と上下方向に係合可能に形成されており、後述するように、上蓋20を最初に開封するまでは、中栓の被係合部33は第一の中栓係合部28aに対して係合し可能な位置に配置されており、上蓋を最初に開封した後、再度閉じる際に中栓の被係合部33は第二の中栓係合部28bを乗り越えて移動することで、これと係合することが可能となり、中栓の環状突起35が注出用ノズルの環状嵌合部14と係合しなくなるため、2回目以降の閉開封の際に中栓30を注出用ノズル8から容易に引き抜くことができ、開封性が向上する。
また上蓋20を最初に開封するまでは、第一の中栓係合部28aと被係合部33は、図4に示すように軸方向にL1の間隙を有するように形成されており、また後述するように、ガイド棒34が凹部29の寸法に対して小径且つ短いことから、上蓋20が開封するためにわずかに引き上げられ突出部27が多少斜めになっても、密封シール状態の中栓30の位置は変化せず、突出部27だけが上蓋20と同時に上昇して中栓30は注出用ノズル8から移動せず、そこから更に上蓋20が引き上げられると中栓30の密封シール状態が解除されることになる。このため、上蓋20の開封初期(具体的には、キャップ本体1の環状突起7と上蓋20の環状突条23との係合を外そうとする時)においては、中栓30はまだ動くことなく注出用ノズル8に嵌合しているため、上蓋20の初期開封力を増加させることないので、開封性を損なうことがない。しかも開封初期の状態ではキャップの密封性も解除されていない。
またこの突出部27には、突出部27の先端から基部(天面21側)に向かって延びる凹部29が形成されており、この凹部29に、前述した中栓30のガイド棒34が挿入されることによって、離脱した中栓30の傾き防止と、上蓋開封時における突出部27が内倒れすることによる離脱後の中栓30の落下が防止できる。また図4で示すように、ガイド棒34の先端34aは、中栓が上蓋と一体化された状態で、前記突出部27の第一の中栓係合部28aよりも軸方向の上方に位置し且つ中栓30の被係合部33の軸方向の若干上方に位置している。これにより、中栓30を上蓋20にセットする際に、ガイド棒34の先端34aが凹部29下方に挿入された後に、突出部27の第一の係合部28aが中栓30の被係合部33を乗り越えるため、離脱した中栓30が傾くことなく安定してセット可能になる。
尚、この凹部29は、ガイド棒34の外径よりも大きい内径を有し、且つガイド棒の34の長さよりも深く形成されている。これにより中栓30は、上蓋20に対して可動領域を有することになり、前述したような上蓋の初期開封力を増加させることなく、また密封性能も向上できる。
本発明のプラスチックキャップにおいては、図1に示すように、上蓋20が開かれた状態でキャップ本体1と中栓30とが一体成形され、次いで図2に示したように、上蓋20をキャップ本体1に被せて、キャップ本体1の環状突起7と上蓋20の環状突条23を係合させて固定させた後、図3に示すように、押圧治具40を用い、キャップ本体1の下方から中栓30の底部32を押し上げる。これにより、図4に示すように、スコア10が破断されると同時に中栓30は注出用ノズル8内に押し込まれ、中栓30のガイド棒34が突出部27の凹部29に挿入されると共に、被係合部33が上蓋20の突出部27の第一の中栓係合部28aを乗り越え、互いに係合可能な状態になることによって、キャップ本体1の注出用ノズル8を密封シール状態に保つと共に、中栓30を上蓋20に固定することが可能になる。
図5〜図7は、図4に示した状態から上蓋を最初に引き上げた初期開封直後に、上蓋が閉じられる(図中、矢印Xの方向に移動)過程を説明するための図である。
図5に示す通り、最初に開封された上蓋20は、中栓30の被係合部33が上蓋20の突出部27の第一の係合部28aと係合可能な位置にある。中栓30のガイド棒34の外径は突出部27の凹部29の内径に比して小さく、中栓30は突出部27に対して傾いた状態で注出用ノズル8の先端に当接することができることから、中栓30の注出ノズル8への嵌め込みが容易になる。
更に上蓋20を矢印Xの方向に移動させると、図6に示すように、注出用ノズル8の先端で押された中栓30は上蓋方向に移動し(矢印Y)、被係合部33が突出部の第二の係合部28bを乗り越えて、第二の係合部28bと係合可能な位置に固定されることになる。
更に上蓋20を矢印Xの方向に移動させ、キャップ本体1に固定して閉栓状態にすると、図7に示すように、突出部27の第二の中栓係合部28bと中栓30の被係合部33は軸方向に互いに係合する。この際、中栓係合部28bと被係合部33は、軸方向の距離L2だけ間隙を有するように形成されていることにより、2回目以降の閉開封操作においても、上蓋20の初期開封力を増加させることがなく、開封性に優れている。
また図7から明らかなように、一旦開封された後の閉蓋状態においては、中栓30の環状突起35は、注出用ノズル8の上側環状突条14aよりも上に位置し、これらは係合することがない。そのため、図8に示すように、2回目以降の閉開封操作においては、中栓の環状突起35は注出用ノズル8の上側環状突条14bを乗り越える必要がないので、閉開封に要する力が低減されている。
本発明のプラスチックキャップは、上述した図に示した具体例に限定されず、種々の変更が可能である。
すなわち、図に示したプラスチックキャップは、キャップ本体及び上蓋がヒンジで連結され、キャップ本体及び上蓋並びに中栓が一体的に成形されるものであったが、上蓋がキャップ本体と別体として成形され、キャップ本体に螺子係合等によって固定されるものであってもよい。この場合でも、中栓はキャップ本体と一体に成形できるため、従来のキャップに比して成形は容易であり、生産性及び経済性に優れている。
また図に示したキャップ本体は、容器口部に嵌合固定されるタイプのキャップであることから、分別廃棄のためにスカート部の外側にスコアが形成された外側筒壁を有する二重構造のものであったが、容器口部と螺子係合によって固定されるスカート部に螺子部が形成されたキャップ本体であっても勿論よい。
更に、本発明のプラスチックキャップは、プルリングを形成できない小径の注出用開口を有するキャップにおいても優れた成形性や密封性等を発現し得るものであるため、特に注出用開口の大きさが3〜18mmの範囲にあることが好適である。
中栓の軸方向長さは、中栓の底部形状などによって適宜変更することができるが、好適には、注出用ノズルの軸方向長さの40〜100%の長さを有することが中栓の注出用ノズルへの嵌め込みやすさと密封性の両方の観点から望ましい。
また中栓の被係合部と、突出部の第一の中栓係合部の軸方向の間隙L1の長さは、キャップの口径や注出用開口の大きさなどによって一概に規定できないが、中栓の軸方向長さに対して20〜80%の長さであることが好ましい。
更にまた中栓の底部の形状も、図に示す具体例に限定されず種々の変更が可能であるが、中栓の注出用ノズルへの嵌合のしやすさの観点から、底部の形状は、環状側壁と底部の境界部分に傾斜が形成された円錐台形状や、半球状等であることが好適である。
また図に示したように、中栓をキャップ本体と一体に成形する場合において、中栓とキャップ本体との連結部である破断可能な弱化部は、注出用ノズル内面における、中栓の環状側壁の外面が密着可能な内径を有するシール部よりも下方に形成されていればよい。すなわち、図に示した具体例では、注出用ノズルの下端が頂板部と一致し、キャップ本体の開口予定部の端縁に破断可能な弱化部を介して中栓が一体的に形成されているが、この態様には限定されない。例えば、注出用ノズルの下端が頂板部よりも下方に位置するような場合には、注出用ノズルの下端で破断可能な弱化部を介して中栓が一体的に形成されていてもよいし、或いは注出用ノズルの内面が部分的に縮径されて、その縮径された部分がシール部となっているような場合においては、このシール部よりも下方の注出用ノズル内面で破断可能な弱化部を介して中栓が一体的に形成されていてもよい。
本発明のプラスチックキャップは、ヒンジキャップにおいては、上蓋を開いた状態で、射出成形等によって一体的に成形することが可能である。次いで上蓋を折り曲げキャップ本体に固定した後、下方から押圧治具などで中栓部分を上方に押し上げることによって、キャップ本体と中栓上端の境界に形成された破断可能な弱化部を引裂くと共に、中栓を上蓋に固定することが可能になる。
本発明のキャップは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂などの従来プラスチックキャップの成形に用いられていた樹脂により、射出成形や圧縮成形等、従来公知の方法によって成形することができる。
また中栓をキャップ本体とは別に成形する場合、これに限定されないが、例えばキャップ本体を耐熱性に優れたポリプロピレンで成形し、中栓をポリエチレンで成形することにより、耐熱性、密封性及び開封性に優れたプラスチックキャップを成形できる。
本発明は、プルリングを形成することが困難な小径の注出用開口を有するプラスチックキャップとして成形することが好ましく、熱間で充填される内容物用のキャップとして好適に使用できると共に、内容物の注出量の調整が容易であり、スクイズバックによる液だれも防止できることから、スクイズボトル用のキャップとして好適に使用できる。
1 キャップ本体、2 頂板部、3 スカート部、3a 内側側壁、3b 外側筒壁、4 溝、5 環状凸部、6 破断可能なスコア、7 環状突起、8 注出用ノズル、9 インナーリング、10 破断可能なスコア(弱化部)、11 ヒンジ、12 スリット、13 連結部、14 環状嵌合部、20 上蓋、21 天面、22 周状壁、23 環状突条、24 摘み、25 周状突起、26 円弧状突起、27 突出部、28 中栓係合部、29 凹部、30 中栓、31 環状側壁、32 底部、33 被係合部、34 ガイド棒、35 環状突起。

Claims (10)

  1. 頂板部及びスカート部から成り、該頂板部外面には開口予定部を取り囲むように注出用ノズルが形成されて成る、容器口部に嵌合固定されるキャップ本体と、天面と該天面外周縁から垂下する周状壁から成る上蓋とから成り、該上蓋には、天面内面から下方に突出し、外面に係合部を有する突出部が形成されており、前記キャップ本体には、前記注出用ノズル内面と密着可能な外径を有する環状側壁及び該環状側壁を閉塞する閉塞部が形成されて成る中栓が形成されており、該中栓は、前記注出用ノズルの中栓と密着可能な内径を有するシール部分よりも下方で破断可能な弱化部を介してキャップ本体に一体に形成されて成るプラスチックキャップであって、
    前記中栓の環状側壁には前記突出部の係合部と係合可能な被係合部が形成されており、
    前記中栓の環状側壁外面又は注出用ノズル内面の何れか一方の面には周方向に延びる環状突起が形成されていると共に、前記中栓の環状側壁外面又は注出用ノズル内面の前記環状突起が形成されていない他方の面には、前記環状突起を上下方向から挟み込んで嵌合可能な環状嵌合部が形成されていることを特徴とするプラスチックキャップ。
  2. 前記中栓は、頂板部の開口予定部の端縁から、破断可能な弱化部を介して、一体に形成されている請求項1記載のプラスチックキャップ。
  3. 前記上蓋がキャップ本体に係合された状態で、前記破断可能な弱化部が破断され、キャップ本体から離脱した中栓の被係合部が前記突出部の係合部を乗り越え互いに係合可能になると共に環状側壁外面と注出用ノズル内面が密着する請求項1又は2記載のプラスチックキャップ。
  4. 前記上蓋の突出部には、前記係合部よりも上方に、第二の係合部が形成されており、前記中栓が上蓋の開封に伴い上昇し、環状突起が環状嵌合部から外れた後に、前記被係合部が第二の係合部と係合する請求項3記載のプラスチックキャップ。
  5. 前記環状嵌合部が、環状突起の形状に合致した環状凹部である請求項1〜4の何れかに記載のプラスチックキャップ。
  6. 前記環状嵌合部が、下側環状突条及び上側環状突条によって形成される請求項1〜4の何れかに記載のプラスチックキャップ。
  7. 前記中栓の閉塞部が環状側壁の下方に形成された底部であり、該底部には、上方に延びるガイド棒が形成されており、前記突出部の中央には、前記ガイド棒を収納可能な凹部が形成されており、前記ガイド棒の外径が前記突出部の凹部の内径よりも小さい請求項1〜6の何れかに記載のプラスチックキャップ。
  8. 前記上蓋が、キャップ本体にヒンジ連結されている請求項1〜7の何れかに記載のプラスチックキャップ。
  9. 前記キャップ本体及び上蓋を成形した後、前記上蓋がキャップ本体に係合された状態で、前記中栓の閉塞部を下方から押圧し、前記破断可能な弱化部を破断すると共に、前記突出部の係合部と前記中栓の被係合部を係合可能とし且つ前記中栓の環状側壁外面又は注出用ノズルの内面の間に形成される環状突起と環状嵌合部が係合させることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のプラスチックキャップの製造方法。
  10. 前記キャップ本体及び上蓋がヒンジ連結されており、キャップ本体及び上蓋を開いた状態で成形した後、上蓋をキャップ本体に係合する請求項9記載のプラスチックキャップの製造方法。
JP2017194526A 2017-10-04 2017-10-04 プラスチックキャップ及びその製造方法 Active JP6942021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017194526A JP6942021B2 (ja) 2017-10-04 2017-10-04 プラスチックキャップ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017194526A JP6942021B2 (ja) 2017-10-04 2017-10-04 プラスチックキャップ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019064727A JP2019064727A (ja) 2019-04-25
JP6942021B2 true JP6942021B2 (ja) 2021-09-29

Family

ID=66339084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017194526A Active JP6942021B2 (ja) 2017-10-04 2017-10-04 プラスチックキャップ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6942021B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7253980B2 (ja) * 2019-05-30 2023-04-07 株式会社吉野工業所 ヒンジキャップ
JP7266951B2 (ja) * 2019-06-28 2023-05-01 株式会社吉野工業所 ヒンジキャップ
JP7401414B2 (ja) 2020-08-28 2023-12-19 株式会社吉野工業所 注出キャップ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10338253A (ja) * 1997-06-06 1998-12-22 Ishizuka Glass Co Ltd 合成樹脂製キャップ
JP4839804B2 (ja) * 2005-11-29 2011-12-21 凸版印刷株式会社 ボトル容器
JP6166948B2 (ja) * 2013-05-13 2017-07-19 シロウマサイエンス株式会社 キャップ
JP2015081092A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 三笠産業株式会社 ヒンジキャップ
JP6747090B2 (ja) * 2016-06-23 2020-08-26 凸版印刷株式会社 キャップ構造体及びこれを用いた包装容器
JP6769678B2 (ja) * 2016-06-30 2020-10-14 株式会社吉野工業所 抜栓キャップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019064727A (ja) 2019-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1441960B1 (en) Liquid dispensing closure
JP6942021B2 (ja) プラスチックキャップ及びその製造方法
CN110869288B (zh) 塑料盖及其制造方法
JP4657876B2 (ja) ヒンジキャップ
JP5752076B2 (ja) 合成樹脂製ヒンジキャップ
EP2998097B1 (en) Closure system for containers and related container and process for the realization
JP4907228B2 (ja) ヒンジキャップ
JP3938960B2 (ja) 複合キャップ
JP7257148B2 (ja) プラスチックキャップ及びその製造方法
JP2013203471A (ja) ヒンジキャップ
JP6736558B2 (ja) 容器注出口の封止構造
JP5306967B2 (ja) ヒンジキャップ
JP2021024615A (ja) ヒンジキャップ
JP2020158198A (ja) プラスチックキャップの製造方法
JP4907182B2 (ja) ヒンジキャップ
JP6226237B2 (ja) 合成樹脂成形品及びその成形方法
JP7266951B2 (ja) ヒンジキャップ
JP6449705B2 (ja) キャップ及びキャップ付き容器
JP2023049856A (ja) 注出具
JP4790434B2 (ja) ヒンジキャップ
JP6123115B2 (ja) 注出用中栓
JP2022071680A (ja) ヒンジキャップ
JP2024051667A (ja) ヒンジキャップ
JP2021172433A (ja) 容器用キャップ、及び容器用キャップの製造方法
JP2020164196A (ja) キャップ

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20200909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6942021

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150