以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1を参照し、ガスコンロ1について説明する。ガスコンロ1は、ビルトインコンロである。ガスコンロ1は筐体2と天板3を備える。筐体2は上部が開口し、開口部分に天板3が設置される。天板3において、右手前には右バーナ4、左手前には左バーナ5、中央奥側には奥バーナ6が設けられる。天板3の後方部には、筐体2内に設置されたグリル装置(図示略)の排気口7が設けられる。
ガスコンロ1の前面の略中央には、グリル扉8が設けられる。グリル扉8は、グリル装置に設けられるグリル庫(図示略)の前側開口部分を開閉する。グリル扉8の右側の領域には、正面視円形状の2つの操作つまみ11、12が横方向に並んで設けられる。グリル扉8の左側の領域には、操作つまみ11、12と同じ高さ位置に、同一形状の2つの操作つまみ13、14が横方向に並んで設けられる。操作つまみ11〜14の夫々は、右バーナ4、グリル庫内のグリルバーナ(図示略)、奥バーナ6、左バーナ5の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。操作つまみ11〜14は、夫々、燃料供給装置20(図2参照)の前端部に取り付けられる。
図2を参照し、燃料供給装置20について説明する。ガスコンロ1は、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6、及びグリル装置にガスを供給する4つの燃料供給装置を備える。そのうち、右バーナ4、左バーナ5、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置20は公知のプッシュ・プッシュ機構24を備えた同一構成の装置である。また、グリル装置にガスを供給する燃料供給装置(図示略)は、燃料供給装置20と同様のプッシュ・プッシュ機構を備えるが、ガス流量の調節を電磁弁によって行うため、流量調節部(図示略)を別体に設ける。以下では、左バーナ5にガスを供給する燃料供給装置20を一例として説明し、右バーナ4、奥バーナ6、グリル装置にガスを供給する燃料供給装置については説明を省略する。なお、右バーナ4にガスを供給する燃料供給装置と、奥バーナ6にガスを供給する燃料供給装置は、燃料供給装置20と同一構成であるので、便宜上、同一の符号を付して燃料供給装置20と呼ぶ。
図2に示す様に、燃料供給装置20は、操作つまみ14の押し込み操作と回動操作により、左バーナ5の点火と消火、及び左バーナ5に供給するガス量の調節を行う装置である。押し込み操作は、操作つまみ14の前面を後方へ押圧し、ガスコンロ1の前面よりも奥側に押し込む操作である。回動操作は、操作つまみ14の側面を把持し、前後方向の軸(軸心AX)を中心に回動する操作である。燃料供給装置20は、操作部21、ガス流路部22、火力調節カム26、流量調節部31等を備える。
操作部21は操作つまみ14、プッシュ・プッシュ機構24、連結部材25を備える。連結部材25は後述する。操作つまみ14は略円柱状に形成される。操作つまみ14は、ガスコンロ1の後方へ向けて押し込み移動させることにより、待機位置、押込位置、操作位置の各位置に移動する。待機位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面とほぼ面一となる位置である。待機位置において、操作つまみ14の先端面は、ガスコンロ1の前面よりも僅かに後側に位置してもよいし、僅かに前側に位置してもよい。なお、図2に示す燃料供給装置20は、操作つまみ14が待機位置に位置する。押込位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面よりも後方に押し込まれた位置である。操作つまみ14は、押込位置にて待機位置よりも後方に位置する。操作位置は、操作つまみ14の先端面が、ガスコンロ1の前面に対して突出する位置である。操作つまみ14は、操作位置にて待機位置よりも前方に位置する。操作位置にあるとき、操作つまみ14は、前後方向に沿う軸心AXを中心に回動可能(回動操作可能)である。
プッシュ・プッシュ機構24は、操作つまみ14が前方・後方に進退自在に、且つ軸心AX回りに回動自在に前方端部に連結されている。プッシュ・プッシュ機構24は、操作つまみ14を待機位置、押込位置、操作位置の各位置にて位置決めし、各位置に応じて後述するメイン弁(図示略)を開放状態又は閉鎖状態に維持する。プッシュ・プッシュ機構24の内部には、操作つまみ14の押し込み操作に合わせて前後方向に移動するスライダ(図示略)と、スライダを前方へ向けて付勢するバネと、メイン弁を駆動する弁駆動部(図示略)が設けられる。スライダには公知のカム機構(図示略)が設けられる。スライダは、操作つまみ14が押し込み操作される度に、操作つまみ14を待機位置から押込位置を経て操作位置に移動する動作と、操作位置から押込位置を経て待機位置移動する動作とを繰り返す。弁駆動部は、操作つまみ14が待機位置から操作位置に移動する動作に連動してメイン弁を開放し、且つ開放状態に維持する動作を行い、操作つまみ14が操作位置から待機位置に移動する動作に連動してメイン弁を閉鎖し、且つ閉鎖状態に維持する動作を行う。なお、上述のプッシュ・プッシュ機構24の説明は、既存のプッシュ・プッシュ機構24の一例の簡略的な説明であり、他のプッシュ・プッシュ機構24を適用しても良い。
ガス流路部22は、プッシュ・プッシュ機構24の後側に連結される。ガス流路部22の内部には第一ガス通路(図示略)が形成される。第一ガス通路は、下部に開口する導入口23に接続するガス供給管(図示略)から供給されるガスを、流量調節部31に流通する。第一ガス通路には安全弁(図示略)とメイン弁(図示略)が設けられる。安全弁は、第一ガス通路を閉じる閉状態に弾性付勢された電磁操作式の弁である。メイン弁は、操作つまみ14の押し込み操作に応じて第一ガス通路の開閉を行う弁である。なお、メイン弁と安全弁は何れも周知のものであるので、動作の詳細な説明は省略する。
流量調節部31は、プッシュ・プッシュ機構24とガス流路部22の上部に設けられる。流量調節部31の内部には第二ガス通路(図示略)が形成される。第二ガス通路は、ガス流路部22から供給されるガスを流通し、上部に開口する流出口32に接続されるガス供給管(図示略)を介して左バーナ5に供給する。流量調節部31の前端部には第二ガス通路に連通する穴部30が形成され、ニードル弁28が挿入される。ニードル弁28は、前端部側が穴部30から外部に露出され、後端部側が第二ガス通路内にて前後方向に移動可能に配置される。ニードル弁28の前端部には、上下方向に延びるピン29が設けられる。ピン29の下端部は、火力調節カム26のカム溝27(後述)に係合する。
火力調節カム26は、略半円筒状に形成され、プッシュ・プッシュ機構24の前端側上部を覆うようにして、軸心AXの回りを回動可能に設けられている。火力調節カム26は、前後方向への移動が規制される。火力調節カム26の外周部には、カム溝27が設けられる。カム溝27は、軸心AXを中心とする螺旋状に形成される。カム溝27にはニードル弁28に設けられたピン29の下端部が係合する。火力調節カム26が回動すると、カム溝27がピン29を案内し、ニードル弁28を前後方向に移動する。
火力調節カム26は、前方に延びる延伸部37を備え、延伸部37の前端部分に内向きに突出する側歯部35を有する。延伸部37につては、更に後述する。側歯部35は、図3と図4に示す様に、操作つまみ14が操作位置にあるときに連結部材25の側歯部38(後述)に噛合し、連結部材25を介して火力調節カム26を操作つまみ14と共に軸心AXを中心に回動する。
操作部21の連結部材25は、プッシュ・プッシュ機構24のスライダから前方に延び、軸心AXを軸とする軸体(図示略)に係合する。連結部材25は、前端部にて操作つまみ14を一体に固定し、操作つまみ14と共に軸心AXを中心に回動可能に設けられる。連結部材25は、後端部外周面に、火力調節カム26の側歯部35に噛合する側歯部38を有する。操作つまみ14が操作位置にあるとき、図3と図4に示す様に、連結部材25の側歯部38は火力調節カム26の側歯部35と噛合し、操作つまみ14と火力調節カム26を連結する。操作つまみ14が操作位置にない場合には、火力調節カム26の側歯部35は、図5に示す様に(図5の例は操作つまみ14が消火位置にある場合)、連結部材25の側歯部38の前方に位置して噛合せず、操作つまみ14と火力調節カム26の連結状態を解除する。より具体的には、操作つまみ14が例えば消火位置にある時は、側歯部38は側歯部35の後側に位置する。一方、操作つまみ14が操作位置に突出することに伴い、側歯部38が操作つまみ14と連動して操作つまみ14の突出方向に移動して、側歯部35の間に入り込み。そして、操作つまみ14が、操作位置まで突出した時に、側歯部38は側歯部35と噛合する。故に、押し込み操作時に生じる回動力が操作つまみ14に伝わることが無いので、操作つまみ14が回転してユーザに違和感を与えてしまうのを防ぐことができる。なお、図5中の40は、ニードル弁28を強制的に第二の所定の位置(後述)にガイドする為の筒状の点火ガイドである。点火ガイド40は、操作つまみと前後方向に連動し、非回動となっている。点火ガイド40については、更に後述する。
次に、操作つまみ14の回動操作による点火及び消火と火力の調節について説明する。左バーナ5の消火時、操作つまみ14は、待機位置にある。ユーザが操作つまみ14を押し込み、操作つまみ14が押込位置に移動する過程で、安全弁とメイン弁が開放され、イグナイタ(図示略)によって左バーナ5が点火される。ユーザが操作つまみ14から手を離すと、操作つまみ14はバネの付勢により操作位置に移動する。安全弁とメイン弁は開放状態に維持される。連結部材25によって、操作つまみ14と火力調節カム26が連結される。
操作つまみ14が操作位置にある状態で操作つまみ14が回動操作されると、火力調節カム26は操作つまみ14と共に軸心AXの回りを回動する。火力調節カム26が回動すると、ニードル弁28のピン29がカム溝27に案内されて、前後方向に移動する。これにより、ニードル弁28が前後方向に移動するので、ニードル弁28の位置に応じて、第二ガス通路を流通するガスの流量が調節され、左バーナ5の火力が変更される。
ユーザが操作つまみ14を押し込み、操作つまみ14が押込位置に移動する過程で、安全弁とメイン弁が閉鎖される。左バーナ5は消火する。ユーザが操作つまみ14から手を離すと、操作つまみ14はバネの付勢により待機位置に移動する。安全弁とメイン弁は閉鎖状態に維持される。
このように、燃料供給装置20は、操作つまみ14の回動操作に伴い、火力調節カム26がニードル弁28を移動することによって、流量調節部31の第二ガス通路を流通するガスの流量を無段階に調節する。即ち、操作つまみ14の回動量に応じて、左バーナ5の火力がリニアに変化する。右バーナ4、奥バーナ6に夫々対応する操作つまみ11、13についても同様である。ガスコンロ1は、操作つまみ11、13、14の夫々の回動量に応じた火力表示を行うため、前面に設けるパネル装置9A、9Bに火力表示機能を備える。
図1に示す様に、ガスコンロ1は、グリル扉8の右側の領域に、右バーナ4とグリル装置の火力表示を行うパネル装置9Aを備え、グリル扉8の左側の領域に、左バーナ5と奥バーナ6の火力表示を行うパネル装置9Bを備える。
ここで、図5乃至図9を参照し、延伸部37について説明する。延伸部37は、図6に示す様に、前方に先細りするテーパ形状の第一傾斜カム部37Aを略中央部の両側に有する。延伸部37は、第一傾斜カム部37Aの前方端部から前方に延びる舌片37Bを有する。本実施形態においては、舌片37Bは有していても、いなくても良い。舌片37Bは、図5に示す様に、連結部材25と点火ガイド40との間の空間に挿入されている。延伸部37は、図6に示す様に、延伸部37の後部の両側に、前後方向に延伸し、左右方向の一方に夫々突出する鍔37Cと、延伸部37の後部の中央に係止部37Dを有する。鍔37Cは、カム部36(後述)を火力調節カム26に装着する時に、カム部36の係止溝36B(後述)にスライドして係止させる為のものである。係止部37Dは、図9に示す様に、後方に向かうにつれ、延伸部37本体から離れる方向に傾斜するように形成されている。従って、鍔37Cをカム部36の係止溝36Bにスライドして係止し、更に、カム部36の係止孔36C(後述)に係止部37Dを係止することで、カム部36は火力調節カム26に装着可能となる。つまり、カム部36と火力調節カム26は一体的に形成しておらず、カム部36は、火力調節カム26から脱着可能である。
延伸部37は、図7に示す様に、舌片37Bの裏面(連結部材25と対向する面)に3つの側歯部35を有する。3つの側歯部35を有する理由は、操作つまみ14が必要以上の力で回動された時に、側歯部35の破損を防止する為である。従って、延伸部37を形成する素材の強度によっては、側歯部35は1つであっても良いし、2つであっても良い。もちろん、舌片37Bの前端部に形成可能であるなら4つ以上の側歯部35を有していても良い。
また、3つの側歯部35の内で真ん中の側歯部35の前後方向の長さが他の側歯部35と比べ、若干長く形成されている。これは、操作つまみ14を押し込み、操作つまみ14を操作位置に突出させる過程で、舌片37Bの側歯部35の前端部と連結部材25の側歯部38の後端部とがぶつかり合った状態で安定し、操作つまみ14が操作位置に突出しないのを防止する為である。舌片37Bの側歯部35の一部の長さを前後方向に長くすることで、舌片37Bの側歯部35の前端部と連結部材25の側歯部38の後端部とがぶつかり合ったとしても、左右の何れかに滑り易くし、操作つまみ14を操作位置に確実に突出させることができる。つまり、本実施形態では、3つの側歯部35の内の真ん中の側歯部35の前後方向の長さを長くしたが、左右の何れかの側歯部35の前後方向の長さを長くしても良い。3つの側歯部35の内で、2つの側歯部35の前後方向の長さを長くしても良い。しかしながら、舌片37Bの側歯部35の前端部と連結部材25の側歯部38の後端部とがぶつかり合った時の滑り易さの観点から、2つの側歯部35の前後方向の長さを長くするより、1つの側歯部35の前後方向の長さを長くする方が好ましい。
各側歯部38は、図7に示す様に、後方に向かうにつれ先細りするテーパ形状に形成されている。各側歯部38の後方部分は、図8に示す様に、下方向に向かうにつれ(連結部材25の外周部に近づくにつれ)先細りするテーパ形状に形成され、図9に示す様に、後方に向かうにつれ、舌片37Bの裏面に近づくように傾斜するように形成されている。
図10と図11を参照し、点火ガイド40と第一傾斜カム部37Aについて更に説明する。点火ガイド40は、左右の後端部に当接部40Aを有する。当接部40Aは、操作つまみ14が弱火方向又は強火方向に回動されている状態で押し込み操作された時に、図10に示す様に、第一傾斜カム部37Aに当接し、第一傾斜カム部37Aは、押し力を軸心AX回りの回動力に変換する。これにより、ニードル弁28は、強制的に第一の所定の位置に移動する。第一の所定の位置は、強火と中火との間の位置あるいは弱火と中火との間の位置である。点火ガイド40は、点火ガイド40の前後方向の長さと同じ長さの突起部40Bを略板状に形成された最上部に有する。突起部40Bは、後述するように、第二傾斜カム部36Aと当接する為、十分な強度が確保できるのなら、より短くても良い。点火ガイド40は、上述したように、筒状に形成されており、図11に示す様に、円弧上状の遊挿孔40Cを有している。点火ガイド40については、更に後述する。
図12を参照し、連結部材25の側歯部38について説明する。側歯部38は、図12に示す様に、連結部材25の後方部に外周に沿って複数形成されている。各側歯部38は、前方に向かうにつれ、先細りするテーパ形状に形成されている。また、各側歯部38の前方部分は、軸心AXから離れるにつれ、先細りする形状に形成され、且つ前方に向かうにつれ軸心AXに近づくように傾斜して形成されている。舌片37Bの側歯部35の一部の長さを変えるかわりに、前後方向の長さが長い側歯部38と前後方向の長さが短い側歯部38とが交互に配置されても良い。こうすることで、舌片37Bの側歯部35の前端部と連結部材25の側歯部38の後端部とがぶつかり合った時に、左右の何れかに滑り易くできる。従って、操作つまみ14を操作位置に確実に突出させることができる。連結部材25については、更に後述する。
図13を参照し、カム部36について説明する。図13に示すカム部36は、左下方向に少し傾けた状態の図である。カム部36の裏面には第二傾斜カム部36Aを有する。第二傾斜カム部36Aは、前方右下方向に傾斜するカム部と前方左下方向に傾斜するカム部とから形成されている。第二傾斜カム部36Aは、操作つまみ14が押し操作された時に、点火ガイド40の突起部40Bと当接し、押し力を軸心AX回りの回動力に変換する。これにより、ニードル弁28は強制的に第二の所定の位置に移動する。第二の所定の位置は中火の位置であるのが好ましい。但し、奥バーナ6においては、手前側に設置されている右バーナ4と左バーナ5に比べ、ガス流量が小さく設定されている。その為、点火の安定性を保つ為に、第二の所定の位置は強火相当の位置が好ましい。従って、奥バーナ6の点火ガイド40の突起部40Bは、前方視した時、最上部より右側に配置される。カム部36は、後部の左右の下側に係止溝36Bと、後部の中央に係止孔36Cを有する。係止溝36Bと係止孔36Cは、上述したように、カム部36を火力調節カム26に装着する為のものである。
上述したように、本実施形態の燃料供給装置20は、操作つまみ14を押し込み操作した時に、最初に第一傾斜カム部37Aが点火ガイド40の当接部40Aに当接し、第一傾斜カム部37Aは、押し力を軸心AX回りの回動力に変換する。これにより、ニードル弁28は第一の所定の位置に移動する。そして、第二傾斜カム部36Aが点火ガイド40の突起部40Bに当接し、第二傾斜カム部36Aは、押し力を軸心AX回りの回動力に変換する。これにより、ニードル弁28は第二の所定の位置に移動する。つまり、本実施形態の燃料供給装置20は、二段階でニードル弁28を第二の所定の位置(目的の位置)に移動させる。従来の様に、点火ガイド40と第一傾斜カム部37Aのみで、ニードル弁28を第二の所定の位置に移動する為には、点火ガイド40と第一傾斜カム部37Aを大型化する必要があった。この場合、燃料供給装置20の左右の長さ(幅)が大きくなり、燃料供給装置20を左右に並べて配置することが困難となる。一方、本実施形態では、二段階でニードル弁を第二の所定の位置に移動するため、第一傾斜カム部37Aと点火ガイド40を小型化することができる。
図14を参照し、連結部材25と弾性部材41と点火ガイド40の連結状態を説明する。図14に示す様に、連結部材25は、連結部材25の前側端部が操作つまみ14と連結する為、一番前側に配置される。点火ガイド40は、点火ガイドの40の後側端部が、プッシュ・プッシュ機構24と連結される為、一番後側に配置される。つまり、弾性部材41は、連結部材25と点火ガイド40とに挟まれて配置される。
図15を参照し、点火ガイド40について更に説明する。図15は、点火ガイド40の前面に結合する弾性部材41の前面視図である。点火ガイド40の前面には、図15に示す弾性部材41を前面視した場合の形状に合わせて、凹部40Dが形成されている。凹部40Dの後面(底面)には、弾性部材41の位置ズレを防止する為の突起部40Bが左右に2つ形成されている。突起部40Bは、弾性部材41の位置ズレを防止する為のものであるので、2つ以上でれば良い。しかしながら、コスト面を考慮すると突起部40Bは2つであることが好ましい。また、凹部40Dは、突起部40Bを有するので、弾性部材41が凹部に収まる形状であれば良い。しかしながら、凹部40Dの形状は、弾性部材41を前面視した場合の形状に合わせる方が、弾性部材41の位置ズレを防ぐことができるのでより好ましい。
図14乃至図16を参照し、弾性部材41について説明する。図15と図16は、板バネ部材を例示している。弾性部材41は、図14と図15に示す様に、点火ガイド40の突起部40Bに対向する位置に2つの孔を有している。弾性部材41は、図15と図16に示す様に、弾性を得る為に切り起こし部41Bを有している。また、弾性部材41は、切り起こし部41Bの略最上部に突起部41Cを有する。突起部41Cは複数であっても良い。突起部41Cは、連結部材25と弾性部材41と点火ガイド40が連結されている時に、凹凸部25C(後述)の凹みに少なくとも突起の一部が挿入される様に形成されている。弾性部材41は、板バネ部材の場合、突起部41Cを有しても有さなくても良い。突起部41Cを有した方が、操作つまみ14を回動させた時にクリック感を得られるのでより好ましい。弾性部材41は、位置ズレせず突起部を有するものであればコイルばねなどであって良い。突起部41Cは、2以上であっても良い。突起部41Cの材質は弾性部材41の材質と異なっていても良い。突起部41Cの材質は、凹凸部25Cと擦れ合う為、ある程度の強度があるのが好ましい。
図12を参照し、連結部材25について更に説明する。図12に示す様に、連結部材25は、軸心AXを軸心とし、前後に貫通する円筒状の嵌合深孔25Aを有する。嵌合深孔25Aは、軸心AXがズレなければ形状は円筒状に限定されない。連結部材25は、嵌合深孔25Aの後端部周縁に円周状の凹部25Bを有する。連結部材25は、図10に示す様に、凹部25Bの前面(底面)の全周に、複数の凹凸部25Cを有する。凹凸部25Cは、連結部材25と弾性部材41と点火ガイド40が連結されている時に、弾性部材41の切り起こし部41Bに当接する。操作つまみ14を回動すると連結部材25は一体的に回動するので、凹凸部25Cは、切り起こし部41Bに当接しながら回動する。切り起こし部41Bは突起部41Cを有しているので、操作つまみ14を回動させると、クリック感が得られることになる。なお、操作つまみ14の回転角度以上の部分に凹凸部25Cは形成されていれば良い。操作つまみ14の回転角度の一例は120°である。つまり、凹凸部25Cは、操作つまみ14の回転角度以上の扇状であっても良い。
上記実施形態によれば、燃料供給装置20は、前方向に延びる軸体を有するプッシュ・プッシュ機構24と火力調節カム26を備える。燃料供給装置20は、後方向に延びる連結部材25を有し、連結部材25の内部に軸方向に沿って設けた軸体と嵌合する嵌合深孔25Aを同軸に設けた操作つまみ14を備える。火力調節カム26は、軸体を嵌合深孔25Aに挿入し、操作つまみ14を押し込み方向回りに回動させることで燃料を調整する。火力調節カム26は、連結部材25の奥方向の端部の開口部周縁部に環状又は扇状の凹凸部25Cが形成されている。プッシュ・プッシュ機構24は、軸体に挿入され、凹凸部25Cに当接する少なくとも一つの突起部41Cを有する弾性部材41を有する。このように構成することで、操作つまみ14が回動操作されると、凹凸部25Cと突起部41Cが擦れ合って、操作者に操作感を与えることができる。故に、操作者の不安感を払拭することができる。
上記説明において、ガスコンロ1は、「ガスコンロ」の一例である。操作つまみ14は、「操作つまみ」の一例である。燃料供給装置20は、「燃料供給装置」の一例である。軸体(図示略)は、「内軸」の一例である。プッシュ・プッシュ機構24と火力調節カム26は、「固定部」の一例である。連結部材25は、「外軸」の一例である。嵌合深孔25Aは、「孔」の一例である。凹凸部25Cは、「凹凸部」の一例である。弾性部材41は、「突起部材」の一例である。突起部41Cは、「突起」の一例である。凹部25Bは、「凹部」の一例である。切り起こし部41Bは、「切り起こし」の一例である。弾性部材41は、「板バネ部材」の一例である。