JP6937960B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

この発明は、高度な耐水性と優れた表面性を備えた感熱記録体に関する。
無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下、「ロイコ染料」ともいう。)と電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」ともいう。)とを含有する感熱記録層を有する感熱記録体は、広く実用化されている。この感熱記録体への記録は、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリンタ等が用いられる。この感熱記録方式は、従来実用化された他の記録方式に比べて、記録時に騒音がない、現像定着の必要がない、メンテナンスフリーである、機器が比較的安価である、コンパクトである、得られた発色が非常に鮮明であるといった特徴から、ファクシミリ、コンピューター用プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー、ハンディターミナルなどに広範囲に使用されている。
このような用途の拡大に伴い、近年、感熱記録体の品質も、基本性能として従来以上に高度な表面性(面感ともいう)が求められ、さらに、ラベル、チケット、ハンディターミナル用紙、配送伝票など屋外で使用される用途においては、例えば、降雨時の手荒な扱いにも耐えることの出来る、高度な耐水性が求められている。
耐水性などの耐久性を改良するために、感熱記録層上に保護層を設け、保護層に種々のアクリル系樹脂を含有させることが行われているが(特許文献1〜3等)、保護層を有すると、感熱記録体の発色性能は低下する。
一方、感熱記録体の発色性能を落とさずに耐水性等を向上させるため、このような保護層を有さずに、感熱記録層にカルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有させることが知られている(特許文献4、5)。
特開平11−314454 国際公開WO2007/049621 国際公開WO2010/110209 国際公開WO2008/139948 特開2010−111037
そのため、本発明は、保護層を設けることなしに高度な耐水性と優れた表面性を備えた感熱記録体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、感熱記録層にカルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有させること(特許文献4、5)に加えてこれと併用するために種々のアクリル樹脂を検討した。その結果、感熱記録層にカルボキシル基含有樹脂、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂に加えて、ガラス転移点(Tg)が50℃以下であって最低造膜温度(MFT)が40℃以上であるアクリル系樹脂を併用することにより、保護層を設けることなしに上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を感熱記録層を有し、該感熱記録層上に保護層を有さない感熱記録体において、該感熱記録層がバインダーとしてカルボキシ変性ポリビニルアルコールを含有し、更に架橋剤としてエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂(エピクロロヒドリン系樹脂に含まれるものを除く。)を含有し、更にガラス転移点(Tg)が50℃以下、最低造膜温度(MFT)が40℃以上であるアクリル系樹脂を含有する感熱記録体である。
感熱記録体のベタ印字物の表面写真を示す。Aは実施例1、Bは比較例3の印字物を示す。
本発明の感熱記録体は、支持体上に感熱記録層を必須に有し、感熱記録層上に保護層を有さない。この感熱記録体は、任意に、支持体と感熱記録層との間に下塗り層を有してもよく、また、支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を有してもよく、これらの層間に使用目的に応じて適宜構成した塗工層を設けてもよい。
この支持体は、所望する感熱記録体の品質に合わせて、紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布など、従来公知の支持体から適宜選択可能であり、特に限定されるものではない。また、これらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
本発明の該感熱記録層はバインダーとしてカルボキシ変性ポリビニルアルコールを含有し、更に架橋剤としてエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂(エピクロロヒドリン系樹脂に含まれるものを除く。)を含有し、更に特定のアクリル系樹脂を含有する。
このアクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃以下、好ましくは40〜50℃である。このガラス転移温度(Tg)は、樹脂を構成する組成(モノマー)単体各々をJIS K−7122に準拠して、走査型差動熱量計(窒素雰囲気下で10mgの試料を25℃/分で昇温)で測定した二次転移に伴う比熱の変化をガラス転移温度として、樹脂のガラス転移温度(Tg)=Tg1×α1+Tg2×α2+・・・+Tgn×αn(Tg1、Tg2・・・Tgn:実測した各組成単体のガラス転移温度、α1、α2・・・αn:樹脂全重量に対する各組成単体の重量分率(%))の計算式より求める。
一方、このアクリル系樹脂の最低造膜温度(MFT)は40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは60〜80℃である。この最低増膜温度(MFT)は、JIS K−6828に準拠して、20重量%に調整した樹脂をスライドガラス上一面に広げ、所定の温度で乾燥し、乾燥した樹脂が一様な連続皮膜であり、且つ皮膜が白濁してない最低の温度とする。
このようなアクリル系樹脂として、例えば、A537(ジョンソンポリマー社製、Tg49℃、MFT42℃)、A25(アイカ工業株式会社製、Tg47℃、MFT70℃)などが挙げられる。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、メチルメタアクリレート(MMA)モノマーを含有する、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、及びこれらのモノエステルや、酢酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類などの不飽和基含有重合性単量体の重合によって合成される。メチルメタクリレート(MMA)の含有率は50%以上が好ましく、より好ましくは60%以上である。
このようなアクリル系樹脂として、例えば、A25(アイカ工業株式会社製、MMA60%以上含有)などが挙げられる。
また、本発明で用いるアクリル系樹脂は、単量体成分としてスチレンを含まないことが好ましく、非コアシェル型のアクリル系樹脂であることが好ましい。このようなアクリル系樹脂として、例えば、A25(アイカ工業株式会社製) などが挙げられる。
本発明で使用するカルボキシ変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとフマル酸、無水フタル酸、無水メリト酸、無水イタコン酸などの多価カルボン酸との反応物、又はこれらの反応物のエステル化物、さらに酢酸ビニルとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸との共重合物の鹸化物として得られる。具体的には例えば特開昭53−91995号公報の実施例1もしくは4に例示されている製造方法が挙げられる。また、カルボキシ変性ポリビニルアルコールの鹸化度は72〜100mol%であることが好ましく、重合度は500〜2400、より好ましくは1000〜2000である。
本発明の該感熱記録層はバインダーとしてカルボキシ変性ポリビニルアルコールに加えて、所望の性能を阻害しない範囲で、カルボキシ変性ポリビニルアルコール以外のバインダーを併用してもよい。このようなバインダーとして、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロースエーテル及びその誘導体、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系アイオノマー樹脂などのウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などのスチレン−ブタジエン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、アラビヤゴム、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などを例示することができる。これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明の該感熱記録層のバインダーは、全量カルボキシ変性ポリビニルアルコールであることが好ましいが、カルボキシ変性ポリビニルアルコール以外のバインダーを併用する場合には、その量は、バインダー全量に対して、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明で使用するエピクロロヒドリン系樹脂は、分子中にエポキシ基を含有していることを特徴とする樹脂であり、例えば、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などを挙げることができ、これらを単独又は併用することができる。また、エピクロロヒドリン系樹脂の主鎖に存在するアミンとしては第1級から第4級までのものを使用することができ、特に制限はない。さらに、耐水性が良好なことから、カチオン化度および分子量はカチオン化度5meq/g・Solid以下(pH7での測定値)、分子量50万以上が好ましい。エピクロロヒドリン系樹脂の具体例としては、スミレーズレジン650(30)、スミレーズレジン675A、スミレーズレジン6615(以上住友化学社製)、WS4002、WS4020、WS4024、WS4030、WS4046、WS4010、CP8970(以上、星光PMC社製)などが挙げられる。
本発明で使用するポリアミン/ポリアミド系樹脂とは、ポリアミン系樹脂及び/又はポリアミド系樹脂を意味し、上記のエピクロロヒドリン系樹脂に含まれるものを含まない。このようなポリアミン/ポリアミド系樹脂として、例えば、分子中にエポキシ基を有さない、ポリアミド尿素樹脂、ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミド樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、変性ポリアミド樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂などを挙げることができ、これらを単独又は併用することができる。このようなポリアミン/ポリアミド系樹脂の具体例としては、スミレーズレジン302(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン712(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン703(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジン636(住友化学社製:ポリアミンポリ尿素樹脂)、スミレーズレジンSPI−100(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−102A(住友化学社製:変性ポリアミン樹脂)、スミレーズレジンSPI−106N(住友化学社製:変性ポリアミド樹脂)、スミレーズレジンSPI−203(50)(住友化学社製)、スミレーズレジンSPI−198(住友化学社製)、プリンティブA−700(旭化成社製)、プリンティブA−600(旭化成社製)、PA6500、PA6504、PA6634、PA6638、PA6640、PA6644、PA6646、PA6654、PA6702、PA6704(以上、星光PMC社製:ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹脂)などが挙げられ、これらを単独又は2種類以上使用することも可能である。特に制限はないが、発色感度の点からポリアミン系樹脂(ポリアルキレンポリアミン樹脂、ポリアミンポリ尿素樹脂、変性ポリアミン樹脂、ポリアルキレンポリアミン尿素ホルマリン樹脂、ポリアルキレンポリアミンポリアミドポリ尿素樹)を使用することが好ましい。
本発明の感熱記録層は、上記のバインダー及び架橋剤並びに上記アクリル系樹脂以外に、ロイコ染料と顕色剤を必須に含有し、更に任意に、増感剤、顔料、上記架橋剤以外の架橋剤、画像安定剤、その他の成分を含有してもよい。
本発明で使用するロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色のロイコ染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらのロイコ染料は単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕; 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕; 3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド; 3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン; ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明で使用する顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独で又は2種以上混合して使用することもできる。1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタンは、例えば、三菱ケミカル株式会社製商品名TOMILAC214として入手可能であり、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物は、例えば、三菱ケミカル株式会社製商品名TOMILAC224として入手可能であり、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達株式会社製商品名D−90として入手可能である。また、WO02/081229号等に記載の化合物は、日本曹達株式会社製商品名NKK−395、D−100として入手可能である。
本発明で使用可能な増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレン−ビス−(フェニルエーテル)、4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、4,4'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン、ビス[2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル]エーテル、p−ニトロ安息香酸メチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明で使用可能な顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機又は有機充填剤などを例示することができる。これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明で使用可能な上記架橋剤以外の架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウム剤などを例示することができる。
また、本発明においては、前記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を使用することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明の感熱記録体に使用する電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、電子供与性ロイコ染料1重量部に対して電子受容性顕色剤0.5〜10重量部、増感剤0〜10重量部程度が使用される。
その他の任意成分である、バインダー、顔料、滑剤、架橋剤、画像安定剤、その他の成分の種類及び量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、バインダーは感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で5〜50重量部程度、顔料は感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で0〜50重量部程度が適当である。滑剤を使用する場合には、滑剤の含有量は感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で5〜10重量部程度が適当である。
本発明で使用されるカルボキシ変性ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂を合計した配合量は、感熱記録層(固形分)100重量部に対し固形分で1〜50重量部程度、好ましくは3〜40重量部、より好ましくは4〜20重量部である。少なすぎると塗工層強度や耐水性が不足し、多すぎると感度低下が起こりやすい。
本発明で用いるカルボキシ変性ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の重量比(カルボキシ変性ポリビニルアルコール/アクリル系樹脂)は、好ましくは80/20〜20/80、より好ましくは70/30〜30/70、更に好ましくは60/40〜40/60である。
本発明に用いられるエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂(エピクロロヒドリン系樹脂に含まれるものを除く。)の含有量は、カルボキシ変性ポリビニルアルコール100重量部に対してそれぞれ好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜50重量部である。含有量が少なすぎると架橋反応が不十分となり良好な耐水性が得られず、多すぎると塗工液の粘度増加やゲル化により操業性の問題が生じる。
ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、目的に応じて各種の添加材料を加えて塗工液とする。この塗工液に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
感熱記録層以外の任意に設けられる各塗工層は、上記のバインダー、顔料、架橋剤、その他の成分を所望の効果を阻害しない範囲で使用することができる。
感熱記録層、その他の塗工層の塗工方法は特に限定されるものではなく、カーテン塗工法、エアーナイフ塗工法、バーブレード塗工法、ロッドブレード塗工法、ベントブレード塗工法、ベベルブレード塗工法、ロール塗工法、スプレー塗工法など、従来公知の方法を採用することができる。
感熱記録層、その他の塗工層の塗工量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、例えば、感熱記録層の一般的な塗工量は固形分で2〜12g/m程度である。
また、各層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。なお、各実施例及び比較例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、下塗り層用塗工液を調製した。
<下塗り層用塗工液>
焼成カオリン(BASF社製、商品名:アンシレックス90)
100.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン株式会社製、
商品名:ST5526、固形分48%) 10.0部
水 50.0部
下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)、増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式磨砕を行い、調製した。
顕色剤分散液(A液)
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(日華化学株式会社製、
商品名BPS−P) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名:
PVA117、固形分10%) 5.0部
水 1.5部


ロイコ染料分散液(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成
株式会社製、商品名:ODB−2) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 5.0部
水 1.5部
増感剤分散液(C液)
ジフェニルスルホン(Volant社製、商品名:DPS) 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(PVA117) 5.0部
水 1.5部
次いで、下記の割合で各分散液を混合して感熱記録層用塗工液を調製した。
<感熱記録層用塗工液>
顕色剤分散液(A液) 30.0部
ロイコ染料分散液(B液) 15.0部
増感剤分散液(C液) 30.0部
シリカ分散液(水澤化学社製、商品名:P527、固形分25%)
40.0部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:商品名:
KL318、固形分10%) 20.0部
アクリル系樹脂(アイカ工業社製:商品名:A25、固形分48%、
Tg45℃、MFT70℃) 4.0部
ポリアミド樹脂(住友化学社製:商品名:スミレーズレジンSPI−
106N、固形分45%) 1.25部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:
WS4030、固形分25%) 2.5部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30、
固形分30%) 2.0部
[実施例1]
支持体(坪量47g/mの上質紙)の片面に、下塗り層用塗工液を、固形分で塗工量10.0g/mとなるようにベントブレード法で塗工した後、乾燥を行ない、下塗り層塗工紙を得た。
この下塗り層塗工紙の下塗り層上に、感熱記録層用塗工液を、固形分で塗工量6.0g/mとなるようにロッドブレード法で塗工した後、乾燥を行い、スーパーカレンダーで平滑度が500〜1000秒になるように処理して感熱記録体を作製した。
[実施例2]
感熱記録層用塗工液のアクリル系樹脂を アクリル系樹脂(ジョンソンポリマー社製、A537、固形分45%、Tg49℃、MFT42℃)4.3部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
感熱記録層用塗工液のアクリル系樹脂を2.5部に変更し、カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液を40.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例4]
感熱記録層用塗工液のアクリル系樹脂を8.0部に変更し、カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液を10.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例1]
感熱記録層用塗工液のアクリル系樹脂(アイカ工業社製、商品名:A25)を配合せず、カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液を40.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例2]
感熱記録層用塗工液のアクリル系樹脂(アイカ工業社製、商品名:A25)4.0部を、アクリル系樹脂(三井化学社製、商品名:ASN1004K、固形分18%、Tg55℃、MFT18℃)10.7部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例3]
感熱記録層用塗工液のアクリル系樹脂(アイカ工業社製、商品名:A25)4.0部を、アクリル系樹脂(三井化学社製、商品名:B697B、固形分18%、Tg45℃、MFT20℃)10.7部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例4]
感熱記録層用塗工液のカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液、ポリアミド樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例5]
感熱記録層用塗工液のカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液を配合しない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例6]
感熱記録層用塗工液のカルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液、ポリアミド樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を配合せず、グリオキザール水溶液(固形分40%)を1.5部配合した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例7]
感熱記録層用塗工液のポリアミド樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を配合せず、グリオキザール水溶液(固形分40%)を1.5部配合した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
作製した感熱記録体について、下記評価を行った。
<発色性能(印字濃度)>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.35mJ/dot及び0.41mJ/dot、印字速度50mm/secで市松模様を印字した。
印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、発色性能(印字濃度)を評価した。
<耐可塑剤性>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、
京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.41mJ/dot、印字
速度50mm/secで市松模様を印字した。
印字した感熱記録体を、紙管に塩ビラップ(三井化学製ハイラップKMA)を1回巻き付けた上に貼り付け、更にその上に塩ビラップを3重に巻き付けて、23℃、50%RH環境条件下で24時間静置した。
印字部の印字濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値から残存率を算出して、耐可塑剤性を評価した。
残存率(%)=(処理後の印字部の印字濃度/処理前の印字部の印字濃度)×100
<湿潤摩擦>
作製した感熱記録体について、水道水を指につけて、感熱記録層の塗工面を80往復摩擦し、感熱記録層の剥がれを以下の基準で目視評価した。
優:感熱記録層の剥がれが全くない
可:感熱記録層が僅かに剥がれる
不可:感熱記録層全体が剥がれる
<耐水ブロッキング>
作製した感熱記録体について、感熱記録層の塗工面に10mlの水道水を滴下し、感熱記録層の塗工面が内側になるように二つ折りにして、10gf/cmの加重を掛けて24時間静置した後に剥がし、水を滴下した部分の感熱記録層の剥がれを以下の基準で目視評価した。
優:感熱記録層の剥がれが全くない
可:感熱記録層が僅かに剥がれる
不可:感熱記録層全体が剥がれる
<浸漬摩擦>
作製した感熱記録体について、水道水に3分間浸漬し、感熱記録層の塗工面を指で10往復摩擦し、感熱記録層の剥がれを以下の基準で目視評価した。
優:感熱記録層の剥がれが全くない
可:感熱記録層が僅かに剥がれる
不可:感熱記録層全体が剥がれる
<感熱記録層塗工面の面感>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用いて、ベタ印字を行い、感熱記録層塗工面の面感(均一性)を以下の基準で目視評価した。
優:塗工面に異物がなく、印字面が均一
可:塗工面に僅かに異物があるが、印字面は概ね均一であり、実用上問題はない
不可:塗工面に異物があり、印字面が不均一
なお、実施例1及び比較例3の印字物の表面を撮影した写真を図1に示す(A:実施例1、B:比較例3)。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006937960
実施例1、3、4の感熱記録体は極めて優れた耐水性を有すると共に、塗工面に異物がなくベタ印字時の印字面が均一であり優れた表面性を有した。実施例2の感熱記録体は耐水性、表面性共に実施例1、3、4よりやや劣ったが、実用上問題がない程度であった。これらの結果は、本願発明の構成の感熱記録層を有する感熱記録体の優れた性能を示している。
一方、感熱記録層に本願発明のアクリル樹脂を欠く比較例1の感熱記録体は、優れた表面性を有するが、耐水性の中で浸漬摩擦が劣った。また感熱記録層にアクリル樹脂を使用してもTgやMFTが本願発明のアクリル樹脂とは異なる比較例2、3の感熱記録体は、全般的に耐水性が劣ると共に、塗工面に異物がありベタ印字時に白抜けやムラが生じて表面性も劣った。
また、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂のいずれか又はすべてを欠く比較例4〜7の感熱記録体は、全般的に耐水性が劣ると共に、比較例4〜6の感熱記録体は耐可塑剤性が劣り、更に比較例5の感熱記録体は塗工面に異物がありベタ印字時に白抜けやムラが生じて表面性も劣った。

Claims (7)

  1. 支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を主成分として含有する感熱記録層を有し、該感熱記録層上に保護層を有さない感熱記録体において、該感熱記録層がバインダーとしてカルボキシ変性ポリビニルアルコールを含有し、更に架橋剤としてエピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/ポリアミド系樹脂(エピクロロヒドリン系樹脂に含まれるものを除く。)を含有し、更にガラス転移点(Tg)が50℃以下、最低造膜温度(MFT)が40℃以上であるアクリル系樹脂を含有する感熱記録体。
  2. 前記アクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)が40℃〜50℃である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記アクリル系樹脂の最低造膜温度(MFT)が60℃〜80℃である請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記アクリル系樹脂のメチルメタクリレート(MMA)の含有率が60%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  5. 前記アクリル系樹脂が単量体成分としてスチレンを含まない請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  6. 前記アクリル系樹脂が非コアシェル型のアクリル系樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  7. 前記カルボキシ変性ポリビニルアルコールと前記アクリル系樹脂の重量比が80/20〜20/80である請求項1〜6のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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