JP6936880B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

この発明は、洗濯機に関する。
従来、洗濯機としては、すすぎ工程において、水供給口からドラムの回転方向に広がる形状に水を吐出するものがある(例えば、特開2009−273764号公報(特許文献1)参照)。
上記洗濯機では、循環ポンプにより水取出口と循環水路および水供給口を介してドラム内に吐出させて循環させている。
特開2009−273764号公報
上記洗濯機では、循環ポンプによりドラム内の水を循環させているため、洗濯物からドラム内の水に移った汚れが、洗濯物に再付着して、汚れ落ちのよい洗濯ができないという問題がある。このような洗濯物への汚れの再付着は、すすぎ工程だけでなく、洗い工程においても同様である。
そこで、この発明の課題は、洗い工程やすすぎ工程において、洗濯物への汚れの再付着を抑制できる汚れ落ちのよい洗濯機を提供することにある。
一態様に係る洗濯機は、水槽と、前記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、前記水槽内に給水する給水装置と、前記回転槽内に温風を供給する温風供給装置と、前記給水装置、及び前記温風供給措置を制御する制御装置と、を備え、前記給水装置は、前記回転槽内に収容された前記洗濯物に向けて水流を噴射する給水ノズルを含み、前記制御装置は、前記給水ノズルからのシャワー状の前記水流の噴射と、前記温風供給装置からの前記温風の供給と、を行う。
この発明によれば、洗い工程の後半やすすぎ工程の後半において、溢水口から溢れるように給水装置から水槽内に給水することによって、洗濯物への汚れの再付着を抑制できる汚れ落ちのよい洗濯機を実現することができる。
図1はこの発明の第1実施形態の洗濯機の一例としてのドラム式洗濯機の外観斜視図である。 図2は上記ドラム式洗濯乾燥機の構成を模式的に説明するA−A矢視断面図である。 図3は給水ノズルの外観斜視図である。 図4は上記給水ノズルの分解斜視図である。 図5は上記給水ノズルの断面図である。 図6は上記ドラム式洗濯乾燥機の空気の循環を説明するための模式図である。 図7は上記ドラム式洗濯乾燥機の制御ブロック図である。 図8は上記ドラム式洗濯乾燥機の洗濯コースのうちの洗い工程のシーケンス図である。 図9は上記ドラム式洗濯乾燥機の洗い工程の処理を説明するためのフローチャートである。 図10は図9に続くフローチャートである。 図11は図10に続くフローチャートである。 図12は図11に続くフローチャートである。 図13は図12に続くフローチャートである。
以下、この発明の洗濯機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の洗濯機の一例としてのドラム式洗濯乾燥機1を斜め上方から見た外観斜視図を示している。以下、説明の便宜上、図1等において、ドア3が設けられた側を前面側(前方)とし、ドラム式洗濯乾燥機1を前面側から見た図1を基準としてドラム式洗濯乾燥機1の方向を特定する。
この第1実施形態のドラム式洗濯乾燥機1は、前面部に外箱開口部2を有する外箱1aを備えている。
外箱開口部2は、外箱1aにヒンジで回動自在に取り付けられたドア3によって、開閉されるようになっている。このドア3の一部は、回転槽であるドラム4(図2に示す)内を視認できるように、ガラス等の透明部材から成っている。
また、外箱1aの前面上部には、操作表示部5が設けられている。操作表示部5は、電源入/切キーや、運転内容を選択して決定するための複数の選択キー5a(例えば、洗濯コース選択キーやスタートキー等)や、選択キー5aによって選択して決定された運転内容を表示する表示部等を有している。操作表示部5に設けられた選択キー5aが操作されることにより、複数の洗濯コースの中から、所望の洗濯コースが選択されて設定される。操作表示部5の選択キー5aを操作することにより、ドラム式洗濯乾燥機1は、洗濯コース(洗い工程、すすぎ工程および脱水工程等)等を実行する。
図2は、図1におけるA−A矢視断面図である。図2に示すように、ドラム式洗濯乾燥機1は、外箱1a内に配置された水槽6と、水槽6内に回転可能に配置されて衣類等の洗濯物7を収容するドラム4と、外箱1a内に設けられて洗濯処理剤を収容する収容ケース8と、収容ケース給水経路9と、水槽給水経路10と、シャワー給水経路11とを備えている。ここで、上記洗濯処理剤は、洗濯物7を洗濯処理するためのものであり、具体的には、洗剤(液体洗剤および粉末洗剤)、柔軟剤、漂白剤等である。
収容ケース給水経路9は、外箱1aにおける天面部の後部に設けられた給水部12から収容ケース8に水を供給するための水経路である。収容ケース給水経路9を開閉する第1給水弁13(本給水)が、収容ケース給水経路9の途中に設けられている。また、水槽給水経路10は、収容ケース8から洗濯処理剤溶液を水槽6内に供給するための水経路である。また、シャワー給水経路11は、給水部12からシャワーノズル(給水ノズルの一例)25に給水するための水経路である。シャワー給水経路11を開閉する第2給水弁(シャワー給水)14が、シャワー給水経路11の途中に設けられている。なお、第2給水弁14は、シャワー給水弁の一例である。
上記収容ケース8と収容ケース給水経路9と水槽給水経路10とシャワー給水経路11と給水部12と第1給水弁13と第2給水弁14とシャワーノズル25で給水装置を構成している。この給水装置のシャワー給水経路11と給水部12と第2給水弁14とシャワーノズル25でシャワー給水部を構成している。
水槽6の前面部には、外箱開口部2に対向して開口する水槽開口部15が設けられている。また、水槽6は、有底の筒形状を有しており、水槽開口部15が外箱開口部2に対向するように横向きに配置されている。その場合、水槽6の重心を通る軸は、水平方向に対して5°から30°の角度を有するように傾斜している。また、水槽6は、水槽6の後部(底部)の下方に設けられたサスペンション16によって弾性支持されている。さらに、水槽6の後面(底部外面)には駆動装置の一例としてのメインモータ17が取り付けられており、このメインモータ17によってドラム4が回転駆動される。
上記ドラム4は、有底の円筒形状を有しており、底部(すなわち後部)が前部よりも下がるように傾斜している。すなわち、ドラム4の回転軸は水槽6の重心を通る軸に対して平行になっている。したがって、ドラム4の回転軸は、水平方向に対して5°から30°の角度を有するように傾斜している。また、ドラム4の前面部には、水槽開口部15に対向して開口するドラム開口部18が設けられている。また、ドラム4の周壁の全域には、複数の貫通孔19(図2においては6個のみを代表的に図示)が設けられている。
ドラム4の貫通孔19は、水槽6とドラム4との間の空間とドラム4内の空間との間で、洗濯処理剤溶液や水や空気を流通させるための孔である。例えば、水槽6内に供給された洗濯処理剤溶液は、貫通孔19を通ってドラム4内に入る。
水槽6の水槽開口部15には、ゴムや軟質樹脂等の弾性体からなるパッキン20が固着されている。そのために、ドア3を閉じると、ドア3がパッキン20に密着するため、水槽6内の液体が水槽6外へ漏れ出るのを防止することができる。
パッキン20は、外箱1aにおける外箱開口部2の縁と水槽6における水槽開口部15の縁とを接続しており、このパッキン20の内側の空間を洗濯物7が通過可能になっている。つまり、パッキン20は、洗濯物7を出し入れするアクセス路を形成している。また、パッキン20には蛇腹等が設けられており、水槽6の揺動に応じた撓みを生じて水槽6の動きに追従可能になっている。
収容ケース8は、外箱1aの天面部における前部の内側であって、水槽6の前部における上方に位置するように、配置されている。そして、収容ケース8は、外箱1aの天面に対向する開口部を有する本体部21と、外箱1aの一部を構成すると共に本体部21の上記開口部を開閉可能に覆う蓋部22とで、構成されている。
収容ケース給水経路9は、第1経路23と第2経路24とで構成されている。第2経路24における第1経路23からの分岐位置には、第1経路23および第2経路24を開閉する第1給水弁13が配設されている。第1給水弁13は、第1経路23または第2経路24の何れか一方のみを開放することができる。さらに、第1給水弁13は、第1経路23および第2経路24の両方を同時に開閉することができる。
収容ケース給水経路9における第1給水弁13側の一端には、給水部12の底部に設けられた給水口12aが接続されている。この給水部12には、具体的には、水道の蛇口(図示せず)からの水道水が供給される。一方、収容ケース給水経路9の他端、つまり第1経路23の端部は、収容ケース8の本体部21における洗剤収容室(図示せず)内に、第2経路24の端部は、収容ケース8の本体部21における柔軟剤収容室(図示せず)内に連通している。
水槽給水経路10は、一端が収容ケース8の本体部21内に連通する一方、他端が水槽6内の上部に連通している。
シャワー給水経路11は、その一端が第2給水弁14を介して給水部12の給水口12aに連通する一方、他端にはシャワーノズル(給水ノズル)25が設けられている。シャワーノズル25は、先端部がドラム開口部18に対向するように水槽開口部15の上縁側に取り付けられ、斜め下方に向かって粒状の旋回流をシャワー状に噴射するように、すなわち液滴シャワー流Sを噴射するようになっている。例えば、予洗い工程やすすぎ工程において、液滴シャワー流Sが、ドラム開口部18からドラム4内に導入されて洗濯物7に吹き付けられるようになっている。
水槽6の下部には、水槽6内の洗濯水等を外部に排水するための排水口26が設けられており、この排水口26には排水ダクト27の上端部が接続されている。排水ダクト27内の洗濯水は、フィルタケース28を通過した後、排水ホース29を通って外箱1a外に排出されるようになっている。
排水ホース29におけるフィルタケース28側の端部には、排水用モータ31によって開閉される排水弁30が介設されている。排水用モータ31は、後に詳述するように制御装置40によって制御され、制御装置40によって排水弁30の開閉が制御される。そして、排水弁30が開いている場合、水槽6内の洗濯水は、排水ダクト27内を通ってフィルタケース28を通過した後、排水ホース29内を通って外箱1aの外に排出される。
フィルタケース28内には、樹脂製または金属製のリントフィルタ32が収納されている。リントフィルタ32により、フィルタケース28内を通過する洗濯水から糸屑等の異物が除去される。
フィルタケース28には、エアトラップ33が一体に設けられている。また、フィルタケース28内の空間はエアトラップ33内の空間と連通しており、フィルタケース28内に入った水の一部がエアトラップ33内に入るようになっている。エアトラップ33には導圧パイプ34の一端が接続されており、この導圧パイプ34の他端には水位センサ42(図7を参照)が接続されている。水位センサ42は、水槽6内の水位を検出する。
水位センサ42は、コイルおよび磁性体を内部に有しており、エアトラップ33内の空気圧の変化に応じて磁性体がコイル内を移動する。こうして、水位センサ42は、コイル内における上記磁性体の位置によって生ずるコイルのインダクタンスを発振周波数として検出することによって、発振周波数に基づいて水槽6内の水位を検知する。ここで、水位センサ42の位置は、水槽6における排水口26の位置よりも高くなっている。
なお、水位センサ42における水位の検出方法は、エアトラップ33および導圧パイプ34を用いた上述の方法に限定されるものではない。
また、水槽6の側壁における水槽開口部15の縁よりやや下方の位置には、溢水口60が設けられている。そして、溢水口60からの溢水を排水ホース29に導く溢水管(図示せず)が配設されている。ここで、溢水口60の最下端の垂直方向の高さは、水槽開口部15の最下端よりも低く設定されている。これによって、水槽6内の洗濯水が水槽開口部15から溢れ出ないようにしている。
以下、この発明における一つの特徴である液滴シャワー流Sの形成について、図3から5を参照しながら説明する。
図3は、シャワーノズル(給水ノズル)25の外観斜視図であり、図4は、シャワーノズル25の分解斜視図であり、図5は、シャワーノズル25の断面図である。図3から図5に示すように、シャワーノズル25は、シャワー給水経路11(図2に示す)に接続するためのノズル接ぎ手36と、ノズル接ぎ手36に接続されるノズル本体37と、ノズル本体37内に装着されるワーラー(旋回子)38(図4,図5に示す)と、キャップ39とで、概略構成されている。
ノズル接ぎ手36は、水槽6(図2に示す)における水槽開口部15の上縁側等に取り付けて固定するための接続金具36aを有している。さらに、内部には、水流の流速を高めるための絞り部36b(図5を参照)を備えている。また、ノズル本体37は、ノズル接ぎ手36の接続金具36aと連結される連結金具37aを有すると共に、ノズル接ぎ手36からの水流を整流する機能を有している。さらに、ノズル本体37の先端部37bは、ドラム開口部18(図2に示す)側を向いており、先端部37bの内部にはワーラー38が装着される。
ワーラー(旋回子)38は、斜めに配置された楕円板38aに沿ってV字型の旋回溝38bを有して、供給された水流を旋回させて旋回流を作ると共に、乱流発生時の剪断力等によって水を切断して液滴を作成する。また、キャップ39は、ノズル本体37の先端部37bに接続されて、開口面積の小さい噴射口39a(例えば、開口面積7.1mm2)により流路を狭くし、ワーラー(旋回子)38で作成された液滴を剪断力等によってさらに切断して、粒径が2mm以下である小径の液滴を作成する。例えば、液滴シャワー流Sにおける液滴の粒径は、100乃至500μmである。
上記シャワーノズル25によって、粒径が小さい液滴の集合体である液滴シャワー流Sを旋回させながら広い範囲に高い圧力で拡散噴射することが可能になる。すなわち、水道水圧を利用し旋回子を使って、広範囲に水道水圧そのままの圧力で衣類に水を噴出することが可能となる。そして、シャワーノズル25から噴射される液滴シャワー流Sは、水道圧を備えていることに加えて、絞り部36bを通過することで流速が速くなることにより、大きな運動エネルギーを有している。例えば、洗濯コースにおいて、大きな運動エネルギーを持った液滴シャワー流Sを洗濯物7に対して叩きつけることで、洗濯物7に付着した汚れを非常に効果的に洗い落とすことができる。すなわち、液滴シャワー流Sは、水量が少ないにもかかわらず、強い洗浄力を有している。なお、高い圧力の水流Sを噴射する給水ノズル25であるシャワーノズル25は、本実施の形態では、粒状の旋回流Sをシャワー状に噴射するようになっているが、これに限られるものではない。シャワーノズル25は、大きな運動エネルギーを持った液滴シャワー流Sが、洗濯物7に対して叩きつけられることで、洗濯物7に付着した汚れを非常に効果的に洗い落とすような高い圧力の水流Sを噴射するものであればよい。シャワーノズル25から噴射される水流Sは、旋回流だけでなく、絞り部36bを通過することで流速が速くなることにより、直線状に噴射される直線状水流であってもよい。このとき、シャワーノズル25から直線状に噴射される水流Sの数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、シャワーノズル25から噴射される水流Sの圧力が高ければ、小さな液滴が断続して流れる液滴水流でなく、水が連続して流れる連続水流であってもよい。
図6は上記ドラム式洗濯乾燥機1の空気の循環を説明するための模式図を示している。
上記ドラム式洗濯乾燥機1は、フィルタ装置41と、ヒートポンプユニット100と、PTCヒータ110と、送風ファン120と、ヒートポンプユニット100を介してドラム4内の空気を循環させるための空気循環ダクトとを備えている。この空気循環ダクトは、乾燥運転時に、ドラム4内から水槽6外に出た空気をドラム4内に戻るように案内する。
上記ヒートポンプユニット100は、図6に示すように、ケーシング101、蒸発器102、圧縮機103、凝縮器104および膨張機構(図示せず)を備えている。この蒸発器102、圧縮機103、凝縮器104および膨張機構は、環状に接続されて冷媒回路を構成する。すなわち、圧縮機103で圧縮された冷媒が凝縮器104と膨張機構および蒸発器102をこの順で流れる。なお、膨張機構としては、例えば、膨張弁、キャピラリチューブなどが用いられる。
上記ケーシング101は、例えば耐熱性樹脂からなる。このケーシング101は、蒸発器102が凝縮器104の上流側に位置するように、蒸発器102、圧縮機103と凝縮器104および膨張機構を収容している。また、ケーシング101の上流側の部分には吸気口111が設けられている。一方、ケーシング101の下流側の部分には吹出口112が設けられている。
吸気口111からケーシング101内に流入した空気は、蒸発器102を通過して凝縮器104へ流れる。このとき、上記空気は、蒸発器102で冷媒と熱交換し、除湿されて温度が下がるようになっている。また、蒸発器102からの空気は、凝縮器104で冷媒と熱交換した後、温度が上がるようになっている。
送風ファン120の吸入口には、ヒートポンプユニット100のケーシング101の吹出口112が接続されている。一方、ケーシング101の下流側には吹出口112が設けられている。送風ファン120から吹き出された空気が空気循環ダクト(図示せず)によって水槽6(図2に示す)内に案内される。
また、上記ヒートポンプユニット100の凝縮器104と送風ファン120との間に、ヒータの一例としてのPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ110が配置されている。このPTCヒータ110は、凝縮器104で加熱されて送風ファン120に向かって流れる空気を加熱する。
上記PTCヒータ110と送風ファン120および空気循環ダクトで温風供給装置を構成している。
上記ドラム式洗濯乾燥機1において、乾燥運転時、送風ファン120が起動して、図6に示すように、ドラム4内の空気が、ドラム4外に出た後、フィルタ装置41とヒートポンプユニット100および送風ファン120を順次通過してドラム4内に戻るように循環する。このとき、ヒートポンプユニット100のケーシング101内の下流側には、ヒータの一例としてのPTCヒータ110が配置されているので、凝縮器104で加熱された空気を、さらに、PTCヒータ110で加熱することができる。したがって、ドラム4内に向けて十分に温度が上がった空気を流すことができるので、洗濯物の乾燥性能を向上させることができる。
図7はドラム式洗濯乾燥機1の制御ブロック図を示している。ドラム式洗濯乾燥機1は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)および入出力回路等からなる制御装置40を電装品部(図示せず)等に備えている。
上記制御装置40には、例えば、RAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ)またはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory:電気的消去書込み可能な読出し専用メモリ)またはフラッシュメモリ等の不揮発性でデータ書き換え可能なメモリを備えている。このメモリに制御装置40のCPUが実行する制御プログラムおよびこれに必要な種々のデータ等が記憶してある。制御装置40のCPUは、メモリに記憶された制御プログラムなどを読み出して実行することにより、洗濯動作に係る各種の演算処理および制御処理等を行う。
制御装置40には、操作表示部5と、水位センサ42と、回転速度センサ43と、電圧センサ44および振動センサ45が接続されている。制御装置40は、操作表示部5と、水位センサ42と、回転速度センサ43と、電圧センサ44および振動センサ45からの検出信号が入力される。
なお、電圧センサ44は、ドラム駆動用のメインモータ17に電力を供給するインバータ47の電圧を検出する。また、振動センサ45は、ドラム4の振動を検出する。また、回転速度センサ43は、ドラム4の回転速度を検出する。
さらに、制御装置40には、負荷駆動回路46を介して、第1給水弁13と、第2給水弁14と、排水用モータ31と、循環ポンプ35と、インバータ47と、ヒートポンプユニット100と、PTCヒータ110および送風ファン120が接続されている。制御装置40のCPUは、例えば、メインモータ17の回転制御や、第1給水弁13(本給水)と第2給水弁(シャワー給水)14の開閉制御等を行う。
上記制御装置40は、操作表示部5,水位センサ42,回転速度センサ43,電圧センサ44および振動センサ45からの検出信号に基づいて演算および判断を行って、操作表示部5および負荷駆動回路46を制御する。さらに、負荷駆動回路46は、第1給水弁13,第2給水弁14,排水用モータ31,循環ポンプ35およびインバータ47を駆動する。そして、インバータ47によって、ドラム駆動用のメインモータ17の回転速度が制御される。こうして、制御装置40の制御によって、洗濯コースにおける各工程が実行される。循環ポンプ35は、水槽6から排水された洗浄水を水槽6内に戻して循環させる。
また、上記制御装置40は、洗濯コースなどの運転を制御する運転制御部40aと、布量を算出する布量算出部40bとを有する。布量算出部40bによる布量検知は、例えば、洗濯物7が収容されたドラム4をメインモータ17によって回転させて、その場合におけるモータートルクの変動値によって求める。
以下、制御装置40によって実行される洗濯コースの動作について説明する。
図8は上記ドラム式洗濯乾燥機1の洗濯コースのうちの洗い工程のシーケンス図を示している。
図8に示すように、この洗い工程は、[給水]、[なじませ]、[洗い1]、[補給水]、[洗い2]、[排水]からなる。なお、図8において、メインモータ17の「L ON」はドラム4の正回転を表し、「R ON」はドラム4の逆回転を表している。
図8に示すシーケンス図および図9から図13のフローチャートに従ってドラム式洗濯乾燥機1の洗濯コースのうちの洗い工程の処理を説明する。ここで、制御装置40(図7に示す)の運転制御部40aにより、第1給水弁13,第2給水弁14,排水用モータ31,循環ポンプ35,インバータ47,ヒートポンプユニット100,PTCヒータ110および送風ファン120などを制御する。
まず、洗い工程がスタートすると、図9に示すステップS1で容量センシングを行う。すなわち、制御装置40(図7に示す)の布量算出部40bによりドラム4内に収容された洗濯物の布量を算出する。
次に、ステップS2に進み、第1給水弁13(図2に示す)をオン(開)する。これにより、給水が開始される。
次に、ステップS3に進み、水位センサ42(図7に示す)により水槽6内の水位Hを検出する。
次に、ステップS4に進み、ステップS4で検出された水位Hが洗い水位H1以上であると判定すると、ステップS5に進む一方、ステップS4で検出された水位Hが洗い水位H1未満であると判定すると、ステップS3に戻り、ステップS3,S4を繰り返す。ここで、洗い水位H1は、洗濯物に水をなじませるための水量になったときの水位であり、[洗い2]のときの洗い水位H2よりも低く水量も少ない。
そして、ステップS5で第1給水弁13をオフ(閉)する。これにより給水が停止される。
このステップS2からS5は洗濯物に水をなじませるために必要な水量を水槽6内に供給する[給水]である。
次に、ステップS6に進み、「なじませ」タンブリングをスタートする。すなわち、制御装置40は、インバータ47を制御して、メインモータ17の回転駆動によりドラム4を低速で正回転と停止および逆回転を順次繰り返す。この「なじませ」タンブリングは、次の「洗い1」タンブリングがスタートするまで継続する。
次に、ステップS7に進み、第2給水弁14(図2に示す)をオン(開)すると共に、循環ポンプ35(図7に示す)をオンする。これにより、シャワーノズル25(図2に示す)から斜め下方に向かって液滴シャワー流S(粒状の旋回流)をシャワー状に噴射すると共に、循環ポンプ35により、水槽6からの洗浄水を水槽6内に戻して循環させる。
次に、ステップS8に進み、ステップS6の開始から所定時間T1を経過した判定すると、ステップS9に進む。
次に、ステップS9で第2給水弁14をオフ(閉)すると共に、循環ポンプ35をオフする。
このステップS6からS9は[なじませ]であり、この[なじませ]を所定時間T1だけ行うことにより、洗剤が溶けた洗濯水(水道水)を洗濯物7になじませる。
次に、図10に示すステップS11に進み、「洗い1」タンブリングをスタートする。ここで、ドラム4を低速で正回転と停止および逆回転を順次繰り返す。この「洗い1」タンブリングは、次の「洗い2」タンブリングがスタートするまで継続する。
次に、ステップS12に進み、PTCヒータ110(図6に示す)をオンすると共に、送風ファン120(図6に示す)をオンする。これにより、ドラム4内の空気が、フィルタ装置41(図6に示す)とヒートポンプユニット100および送風ファン120を順次通過してドラム4内に戻るように循環する。このとき、PTCヒータ110により空気が加熱され、温風がドラム4内に供給される。
次に、ステップS13に進み、ステップS11の開始から所定時間T2を経過した判定すると、ステップS14に進む。
そして、ステップS14でPTCヒータ110をオフすると共に、送風ファン120をオフする。
このステップS11からS14は[洗い1]のうちの温風加熱である。この温風加熱は、所定時間T2だけ行われる。
次に、図11に示すステップS21に進み、繰り返し回数Nをゼロに設定する。
次に、ステップS22に進み、第2給水弁14をオン(開)する。これによりシャワー給水が開始される。
そして、ステップS23に進み、第2給水弁14をオン(開)してから所定時間T3を経過した判定すると、ステップS24に進む。
そして、ステップS24で第2給水弁14をオフ(閉)する。これにより、シャワー給水が停止する。
次に、ステップS25に進み、PTCヒータ110をオンすると共に、送風ファン120をオンする。これにより、温風がドラム4内に供給される。
次に、ステップS26に進み、ステップS25の開始から所定時間T4を経過した判定すると、ステップS27に進む。
ステップS27で、PTCヒータ110をオフすると共に、送風ファン120をオフする。これにより、ドラム4内への温風の供給が停止する。
次に、ステップS28に進み、繰り返し回数Nに+1を加えて、ステップS29で繰り返し回数Nが所定回数M以上か否かを判定して、繰り返し回数Nが所定回数M以上のとき、図12に示すステップS31に進む。
一方、ステップS29で繰り返し回数Nが所定回数M未満であると判定すると、ステップS22に戻り、ステップS22からS29を繰り返す。
このステップS22からS24は[洗い1]のうちのシャワー給水であり、ステップS25からS27は[洗い1]のうちの温風加熱であり、所定時間T3のシャワー給水と所定時間T4の温風加熱を交互にM回繰り返す。
次に、図12に示すステップS31で、第1給水弁13をオン(開)する。これにより、給水を開始する。
次に、ステップS32に進み、水位センサ42により水槽6内の水位Hを検出する。
次に、ステップS33に進み、ステップS32で検出された水位Hが洗い水位H2以上であると判定すると、ステップS34に進む一方、ステップS33で検出された水位Hが洗い水位H2未満であると判定すると、ステップS32に戻り、ステップS32,S33を繰り返す。ここで、洗い水位H2は、本洗いである[洗い2]のための水量になったときの水位である。
そして、ステップS34で第1給水弁13をオフ(閉)する。これにより、給水を停止する。
このステップS31からS34は、[洗い1]のうちの補給水であり、次の[洗い2]の本洗いに必要な水量を補給する。
次に、ステップS35に進み、「洗い2」タンブリングをスタートする。この「洗い2」タンブリングは[排水]が終了するまで継続する。
次に、ステップS36に進み、循環ポンプ35を間欠的にオンオフする間欠動作をスタートする。
そして、ステップS37に進み、ステップS35の開始から所定時間T5を経過した判定すると、ステップS38に進む。
ステップS38で第2給水弁14をオン(開)する。これによりシャワー給水が開始される。
そして、ステップS39に進み、ステップS38の開始から所定時間T6を経過した判定すると、ステップS40に進む。ここで、所定時間T6は、水槽6内の水が溢水口60から溢れて所定の水量の水が排水ホース29(図2に示す)を介して排水されるまでの時間に設定されている。
次に、ステップS40で第2給水弁14をオフ(閉)すると共に、循環ポンプ35をオフすることにより循環ポンプ35の間欠動作は停止する。
このステップS35からS40は、「洗い2」である。
次に、図13に示すステップS41に進み、排水弁30(図2に示す)をオン(開)する。
次に、ステップS42に進み、PTCヒータ110をオンすると共に、送風ファン120をオンする。これにより、温風がドラム4内に供給される。
次に、ステップS43に進み、ステップS41の開始から所定時間T7を経過した判定すると、ステップS44に進む。ここで、所定時間T7は、排水弁30を開いてから水槽6内の水が確実に排水されるまでの時間に設定されている。
そして、ステップS44で排水弁30をオフ(閉)する。
次に、ステップS45に進み、PTCヒータ110をオフすると共に、送風ファン120をオフする。これにより、ドラム4内への温風の供給が停止する。
次に、ステップS46に進み、メインモータ17を停止する。すなわち、ステップS35で開始して引き続き行われている「洗い2」タンブリングを止める。
このようにして、洗い工程が終了した後、次のすすぎ工程に進む。
上記構成のドラム式洗濯乾燥機1によれば、制御装置40によりメインモータ17(駆動装置)と第1給水弁13と第2給水弁14を制御して行う洗い工程の後半において、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水することによって、洗い工程中に洗濯水に移った汚れを排水前に溢水口60から排出でき、洗い工程終了時の排水で水位が下がったときに洗濯物に汚れが再付着するのを防ぐことができ、汚れ落ちのよい洗濯ができる。
なお、ここで、洗い工程の後半とは、洗い工程の中間点よりも後側であればよく、洗い工程の終了の所定時間前の時点から終了点までの間、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水するようにしてもよいし、洗い工程の中間点から終了点までの区間のどこかで所定期間、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水するようにしてもよい。
また、上記洗い工程の後半において、シャワーノズル25からドラム4(回転槽)内に収容された洗濯物に向けて粒状の旋回流を噴射することによって、水槽6内に発生した泡を消すことができ、次のすすぎ工程の中間脱水で泡拘束による不具合を防止できる。
また、上記洗い工程の前半において、シャワーノズル25からの粒状の旋回流の噴射と温風供給装置(PTCヒータ110,送風ファン120)からの温風の供給を交互に行うことによって、粒状の旋回流の噴射と温風が互いに干渉することなく、ドラム4内に収容された洗濯物に対してシャワーノズル25から噴射された粒状の旋回流を当てて洗濯物に水を浸透させて馴染ませると共に、温風供給装置(110,120)から供給された温風により水槽6内を温めて、洗剤を活性化させることができる。これにより、洗浄力を向上できる。
なお、ここで、洗い工程の前半とは、洗い工程の中間点よりも前側であればよく、洗い工程の開始点から所定期間、粒状の旋回流の噴射と温風の供給を交互に行うようにしてもよいし、洗い工程の開始点から中間点までの区間のどこかで所定期間、粒状の旋回流の噴射と温風の供給を交互に行うようにしてもよい。
また、上記温風供給装置(PTCヒータ110,送風ファン120)のヒートポンプユニット100により水槽6内に乾燥空気を供給してドラム4内の洗濯物を乾燥するとき、ヒートポンプユニット100から水槽6内に供給する乾燥空気をPTCヒータ110により補助的に加熱して、ヒートポンプユニット100では加熱できない高い温度の温風を水槽6内に供給することによって、仕上がりのよい乾燥運転が可能になる。
そして、乾燥運転時にヒートポンプユニット100を補助するPTCヒータ110を用いて、洗い工程の前半において、水槽6内を温める温風を温風供給装置(110,120)から供給することができる。
〔第2実施形態〕
この発明の第2実施形態の洗濯機の一例としてのドラム式洗濯乾燥機1は、制御装置40の動作を除いて第1実施形態のドラム式洗濯乾燥機1と同一の構成をしており、図1から図7を援用する。
この第2実施形態のドラム式洗濯乾燥機1は、洗い工程の後半において、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水すると共に、すすぎ工程の後半において、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水する。
なお、ここで、すすぎ工程の後半とは、すすぎ工程の中間点よりも後側であればよい。
上記第2実施形態のドラム式洗濯乾燥機1によれば、制御装置40によりメインモータ17と第1給水弁13と第2給水弁14を制御して行うすすぎ工程の後半において、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水することによって、すすぎ工程中にすすぎ水に移った汚れを排水前に溢水口60から排出でき、排水で水位が下がったときに洗濯物に汚れが再付着するのを防ぐことができ、汚れ落ちのよい洗濯ができる。
また、すすぎ工程の後半において、シャワーノズル25からドラム4(回転槽)内に収容された洗濯物に向けて粒状の旋回流を噴射することによって、洗濯物に含まれる洗濯成分を効果的に洗い流すことができ、汚れの再付着を防ぎつつ、すすぎ効果が高まる。
上記第2実施形態のドラム式洗濯乾燥機1は、第1実施形態のドラム式洗濯乾燥機1と同様の効果を有する。
なお、上記第2実施形態では、洗い工程の後半およびすすぎ工程の後半の両方において、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水したが、すすぎ工程の後半のみにおいて、溢水口60から溢れるようにシャワーノズル25から水槽6内に給水するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
この発明の第3実施形態の洗濯機の一例としてのドラム式洗濯乾燥機1は、制御装置40の動作を除いて第1実施形態のドラム式洗濯乾燥機1と同一の構成をしており、図1から図7を援用する。
この第2実施形態のドラム式洗濯乾燥機1では、水槽6の水槽開口部15の上縁側に取り付けられたシャワーノズル25から、斜め下方に向かって粒状の旋回流をシャワー状に噴射するとき、その粒状の旋回流を妨げない向きに温風供給装置(110,120)から温風をドラム4(回転槽)内に吹き出す。
これにより、シャワーノズル25から噴射された粒状の旋回流を当てて洗濯物に水を浸透させて馴染ませると共に、温風供給装置(110,120)から供給された温風により水槽6内を温めて、洗濯物への水の浸透と洗剤の活性化を同時に行うことが可能になる。
上記第1から第3実施形態では、PTCヒータ110と送風ファン120および空気循環ダクトで温風供給装置を構成したが、回転槽内に温風を供給する他の構成の温風供給装置を備えた洗濯機にこの発明を適用してもよい。
また、上記第1から第3実施形態では、洗濯機としてドラム式洗濯乾燥機について説明したが、乾燥機能を有しないドラム式洗濯機や、乾燥機能を有する縦型洗濯乾燥機または乾燥機能を有しない縦型洗濯機にこの発明を適用してもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1から第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1から第3実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
この発明の洗濯機は、
溢水口60が設けられた水槽6と、
上記水槽6内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽4と、
上記回転槽4を回転駆動する駆動装置17と、
上記水槽6内に給水する給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)と、
上記駆動装置17および上記給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)を制御する制御装置40と
を備え、
上記制御装置40は、上記駆動装置17と上記給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)を制御して行う洗い工程の後半またはすすぎ工程の後半の少なくとも一方において、上記溢水口60から溢れるように上記給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)から上記水槽6内に給水することを特徴とする。
上記構成によれば、制御装置40により駆動装置17と給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)を制御して行う洗い工程の後半において、溢水口60から溢れるように給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)から水槽6内に給水することによって、洗い工程中に洗濯水に移った汚れを排水前に溢水口60から排出でき、洗い工程終了時の排水で水位が下がったときに洗濯物に汚れが再付着するのを防ぐことができ、汚れ落ちのよい洗濯ができる。
また、制御装置40により駆動装置17と給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)を制御して行うすすぎ工程の後半において、溢水口60から溢れるように給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)から水槽6内に給水することによって、すすぎ工程中にすすぎ水に移った汚れを排水前に溢水口60から排出でき、排水で水位が下がったときに洗濯物に汚れが再付着するのを防ぐことができ、汚れ落ちのよい洗濯ができる。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)は、上記回転槽4内に収容された上記洗濯物に向けて水流を噴射する給水ノズル25を含み、
上記制御装置40は、上記洗い工程の後半または上記すすぎ工程の後半の少なくとも一方において、上記給水ノズル25から上記水流を噴射することにより、上記溢水口60から溢れるように上記水槽6内に給水する。
上記実施形態によれば、洗い工程の後半において、給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)の給水ノズル25から回転槽4内に収容された洗濯物に向けて水流を噴射することによって、水槽6内に発生した泡を消すことができ、次のすすぎ工程の中間脱水で泡拘束による不具合を防止できる。
また、すすぎ工程の後半において、給水装置(8,9,10,11,12,13,14,25)の給水ノズル25から回転槽4内に収容された洗濯物に向けて水流を噴射することによって、洗濯物に含まれる洗濯成分を効果的に洗い流すことができ、汚れの再付着を防ぎつつ、すすぎ効果が高まる。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記回転槽4内に温風を供給する温風供給装置(110,120)備え、
上記制御装置40は、上記洗い工程の前半において、上記給水ノズル25と上記温風供給装置(110,120)を制御して、上記給水ノズル25からの上記水流の噴射と上記温風供給装置(110,120)からの上記温風の供給を交互に行う。
上記実施形態によれば、洗い工程の前半において、制御装置40により給水ノズル25と温風供給装置(110,120)を制御して、給水ノズル25からの水流の噴射と温風供給装置(110,120)からの温風の供給を交互に行うことによって、水流の噴射と温風が互いに干渉することなく、回転槽4内に収容された洗濯物に対して給水ノズル25から噴射された水流を当てて洗濯物に水を浸透させて馴染ませると共に、温風供給装置(110,120)から供給された温風により水槽6内を温めて、洗剤を活性化させることができる。これにより、洗浄力を向上できる。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記温風供給装置(110,120)は、上記水槽6内に供給する乾燥空気を加熱するヒータ110を有する。
上記実施形態によれば、例えば、ヒートポンプユニット100により水槽6内に乾燥空気を供給して回転槽4内の洗濯物を乾燥するとき、ヒートポンプユニット100から水槽6内に供給する乾燥空気をヒータ110により補助的に加熱して、ヒートポンプユニット100では加熱できない高い温度の温風を水槽6内に供給することによって、仕上がりのより乾燥運転が可能になる。
上記実施形態では、ヒートポンプユニット100を用いているが、水槽6に温風を供給できれば良いため、当然、ヒータだけで乾燥空気を供給しても良い。
そして、乾燥運転時にヒートポンプユニット100を補助するヒータ110を用いて、洗い工程の前半において、水槽6内を温める温風を温風供給装置(110,120)から供給することができる。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記給水ノズル25は、上記水槽6の開口部の上縁側に取り付けられ、斜め下方に向かって上記水流をシャワー状に噴射すると共に、
上記温風供給装置(110,120)は、上記給水ノズル25から噴射する上記水流を妨げない向きに上記温風を上記回転槽4内に吹き出す。
上記実施形態によれば、水槽6の開口部の上縁側に取り付けられた給水ノズル25から、斜め下方に向かって水流をシャワー状に噴射するとき、その水流を妨げない向きに温風供給装置(110,120)から温風を回転槽4内に吹き出してもよい。これにより、給水ノズル25から噴射された水流を当てて洗濯物に水を浸透させて馴染ませると共に、温風供給装置(110,120)から供給された温風により回転槽4内を温めて、洗濯物への水の浸透と洗剤の活性化を同時に行うことが可能になる。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記給水ノズル25から噴射される上記水流が、粒状の旋回流である。
上記実施形態によれば、例えば、洗濯コースにおいて、給水ノズル25から噴射される運動エネルギーを持った粒状の旋回流を洗濯物に対して叩きつけることで、洗濯物に付着した汚れを非常に効果的に洗い落とすことができる。
[付記事項]
一実施形態の洗濯機は、
溢水口が設けられた水槽と、
上記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、
上記回転槽を回転駆動する駆動装置と、
上記水槽内に給水する給水装置と、
上記駆動装置および上記給水装置を制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、上記駆動装置と上記給水装置を制御して行う洗い工程の後半またはすすぎ工程の後半の少なくとも一方において、上記溢水口から溢れるように上記給水装置から上記水槽内に給水することを特徴とする。
ここで、洗い工程の後半とは、洗い工程の中間点よりも後側であればよく、また、すすぎ工程の後半とは、すすぎ工程の中間点よりも後側であればよい。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記給水装置は、上記回転槽内に収容された上記洗濯物に向けて水流を噴射する給水ノズルを含み、
上記制御装置は、上記洗い工程の後半または上記すすぎ工程の後半の少なくとも一方において、上記給水ノズルから上記水流を噴射することにより、上記溢水口から溢れるように上記水槽内に給水する。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記回転槽内に温風を供給する温風供給装置を備え、
上記制御装置は、上記洗い工程の前半において、上記給水ノズルと上記温風供給装置を制御して、上記給水ノズルからの上記水流の噴射と上記温風供給装置からの上記温風の供給を交互に行う。
ここで、洗い工程の前半とは、洗い工程の中間点よりも前側であればよい。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記温風供給装置は、上記水槽内に供給する乾燥空気を加熱するヒータを有する。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記給水ノズルは、上記水槽の開口部の上縁側に取り付けられ、斜め下方に向かって上記水流をシャワー状に噴射すると共に、
上記温風供給装置は、上記給水ノズルから噴射する上記水流を妨げない向きに上記温風を上記回転槽内に吹き出す。
また、一実施形態の洗濯機では、
上記給水ノズルから噴射される上記水流が、粒状の旋回流である。
1…ドラム式洗濯乾燥機
1a…外箱
2…外箱開口部
3…ドア
4…ドラム(回転槽)
5…操作表示部
5a…選択キー
6…水槽
7…洗濯物
8…収容ケース
9…収容ケース給水経路
10…水槽給水経路
11…シャワー給水経路
12…給水部
12a…給水口
13…第1給水弁
14…第2給水弁
15…水槽開口部
16…サスペンション
17…メインモータ(駆動装置)
18…ドラム開口部
19…貫通孔
20…パッキン
21…本体部
22…蓋部
23…第1経路
24…第2経路
25…シャワーノズル(給水ノズルの一例)
26…排水口
27…排水ダクト
28…フィルタケース
29…排水ホース
30…排水弁
31…排水用モータ
32…リントフィルタ
33…エアトラップ
34…導圧パイプ
35…循環ポンプ
36…ノズル接ぎ手
36a…接続金具
36b…絞り部
37…ノズル本体
37a…連結金具
38…ワーラー(旋回子)
38a…楕円板
38b…旋回溝
39…キャップ
39a…噴射口
40…制御装置
41…フィルタ装置
42…水位センサ
43…回転速度センサ
44…電圧センサ
45…振動センサ
46…負荷駆動回路
47…インバータ
60…溢水口
100…ヒートポンプユニット
101…ケーシング
102…蒸発器
103…圧縮機
104…凝縮器
110…PTCヒータ
120…送風ファン
S…液滴シャワー流(粒状の旋回流)

Claims (9)

  1. 水槽と、
    前記水槽内に回転可能に配置され、洗濯物を収容する回転槽と、
    前記水槽内に給水する給水装置と、
    前記回転槽内に温風を供給する温風供給装置と、
    前記給水装置、及び前記温風供給措置を制御する制御装置と、を備え、
    前記給水装置は、前記回転槽内に収容された前記洗濯物に向けて水流を噴射する給水ノ
    ズルを含み、
    前記制御装置は、前記給水ノズルからシャワー状の前記水流を噴射するとき、前記温風供給装置から温風を吹き出す、
    洗濯機。
  2. 前記制御装置は、洗い工程、すすぎ工程および脱水工程を含む複数の工程を実行する制御を行い、
    前記制御装置は、前記洗い工程のときに、前記温風供給装置から温風を吹き出す、
    請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記制御装置は、前記洗い工程の前半において、前記温風供給装置から温風を吹き出す、
    請求項2に記載の洗濯機。
  4. 前記温風供給装置は、前記水流を妨げない向きに前記温風を前記回転槽内に吹出す、
    請求項に記載の洗濯機。
  5. 前記制御装置は、前記給水ノズルからのシャワー状の前記水流の噴射と、前記温風供給
    装置からの前記温風の供給と、を交互に行う、
    請求項1に記載の洗濯機。
  6. 前記給水ノズルは、斜め下方に向かって前記水流を噴射する、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の洗濯機。
  7. 前記給水ノズルは、前記水槽の開口部側に取り付けられている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の洗濯機。
  8. 前記水流は、粒状である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の洗濯機。
  9. 前記水流は、旋回流である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の洗濯機。
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