以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る洗濯機を示す斜視図である。図2は、図1に示した洗濯機のII-II線に沿った断面図である。図3は、図1に示した洗濯機の制御ブロックの一例を示す図である。
図1に示すように、洗濯機100は、外箱110を備えている。外箱110の内部には、図2に示すように、水槽220、水槽220の内部に配置された洗濯槽230、給水装置240を有する。給水装置240は、給水部241、洗剤ケース242、洗剤ケース242を介して給水部241と水槽220とを接続する給水経路243、給水経路243に設けられた給水弁244を有する。
外箱110は、図1に示すように、一例として略直方体状で、前面に設けられた開口部111、開口部111を開閉可能に取り付けられたドア112、操作パネル113を有する。ドア112は、例えば、その一部がガラス等の透明部材で構成されて、洗濯槽230の内部を視認できるようになっている。また、操作パネル113は、例えば、電源入/切キー、運転内容を選択して決定するための複数の選択キー(例えば洗濯コース選択キー、スタートキー等)、および、選択キーによって選択された運転内容を表示する表示部等を有する。
水槽220は、図2に示すように、有底の筒形状を有し、その底部に、外箱110の内部でかつ水槽220の下側に配置されているサスペンション214が接続され、サスペンション214を介して外箱110に弾性支持されている。水槽220には、外箱110の開口部111に対向するように配置された開口部221と、水槽220の内部の洗濯水等を外部に排水する排水口222が設けられている。また、水槽220の開口部221に対向する外部には、洗濯槽230を回転させるメインモータ233が設けられている。
洗濯槽230は、図2に示すように、その内部に洗濯物280を収容可能な有底の筒形状を有し、回転軸290周りに回転可能に水槽220に支持されている。洗濯槽230には、外箱110の開口部111および水槽220の開口部221に対向する開口部231が設けられている。洗濯槽230の周壁には、全域に亘って、複数の貫通孔232(図2においては6個のみを代表的に図示)が設けられている。貫通孔232を介して、水槽220と洗濯槽230の間の空間と、洗濯槽230の内部空間との間で、洗濯処理剤(洗剤、柔軟剤、漂白剤等)、水、空気が流通するようになっている。
給水装置240は、図2に示すように、例えば水槽220の上部に設けられる。給水部241は、図1に示すように、例えば外箱110の後面側に設けられ、洗濯機100の外部(例えば水道の蛇口)に接続されて水(例えば水道水)が供給されるようになっている。洗剤ケース242は、図1に示すように、例えば外箱110の前面側に設けられ、例えば、洗剤を収容可能な第1収容部242a、仕上げ剤を収容可能な第2収容部242bを有する。
給水経路243は、給水部241から供給された水を水槽220の内部に供給可能に構成されている。具体的には、例えば、給水経路243は、洗剤ケース242の第1収容部242aを介して給水部241と水槽220とを接続する第1給水路243a(矢印Aで示す。なお、以下の説明ではメイン給水路と呼ぶことがある)、洗剤ケース242の第2収容部242bを介して給水部241と水槽220とを接続する第2給水路243b(矢印Bで示す。なお、以下の説明ではサブ給水路と呼ぶことがある)を有する。
給水弁244は、例えば給水部241と洗剤ケース242の間に設けられ、給水経路243を第1給水路243aまたは第2給水路243bに切り替え可能に構成されている。給水弁244は、第1給水路243a、第2給水路243bの何れか一方あるいは両方を開閉可能に構成されている。
なお、上記例の給水装置240は、1つの給水弁244で第1給水路243aと第2給水路243bとを切り換えているが、給水装置240の構成はこれに限定されない。例えば、第1給水路243a、第2給水路243bのそれぞれに給水弁を設けてもよい。また、洗剤ケース242を介さずに給水部241と水槽220とを接続する第3給水路をさらに設けてもよく、この場合は、メイン給水路を、第3給水路、または第1給水路243aと第3給水路との併用としてもよい。
また、外箱110の内部には、水槽220の下側に排水装置250が設けられている。排水装置250は、水槽220の排水口222と外箱110の外部とを接続する排水経路251、排水経路251に設けられたフィルタケース252、排水弁253を有する。
排水経路251は、排水口222とフィルタケース252とを接続する排水ダクト254、フィルタケース252と外箱110の外部とを接続する排水ホース255を有し、水槽220の内部の水を外箱110の外部に排水可能に構成されている。
フィルタケース252は、その内部に設けられた樹脂製または金属製のリントフィルタ256、フィルタケース252と一体に設けられたエアトラップ257を有する。リントフィルタ256は、フィルタケース252から着脱可能に設けられてフィルタケース252を通過する洗濯水から糸屑等の異物を除去する。また、エアトラップ257には導圧パイプ258が接続されており、導圧パイプ258を介して水位センサ361が接続されている。
排水弁253は、排水ホース255のフィルタケース252に近い側の端部に設けられ、排水用モータ(不図示)により開閉可能に構成されている。排水弁253を開放することで、水槽220の内部の水が、排水経路251を介して、外箱110の外部に排水される。
水位センサ361は、水槽220の水位を検出する。具体的には、例えば、水位センサ361は、コイルと、エアトラップ257の内部の空気圧の変化に応じてコイルの内部を移動する磁性体とを有し、磁性体の位置によって生ずるコイルのインダクタンスを発振周波数として検出し、検出された発振周波数に基づいて、水槽220内部の水位を検出する。水位センサ361は、検出した水位を示す検出信号を制御部300に出力する。
また、外箱10の内部には、フィルタケース252と水槽220の開口部221の上部とを接続する循環経路270が設けられている。循環経路270は、水槽220の排水口222から排水経路251に流れた洗濯水を再び水槽220の内部に戻して循環させる循環ポンプ371を有する。
また、外箱110の内部には、例えば、回転速度センサ362、電圧センサ363、加速度センサ364、ヒートポンプユニット381、送風ファン382等が設けられている。回転速度センサ362は、洗濯槽230の回転速度を検出する。電圧センサ363は、メインモータ233の電圧を検出する。加速度センサ364は、洗濯槽230に設けられ、洗濯槽230の回転軸290に平行な方向および垂直な方向の加速度を検出する。
洗濯機100は、例えばマイクロコンピュータで構成される制御部300を備える。制御部300は、例えば、ROMやRAM等の情報記録媒体で構成され、制御部300によって実行されるプログラムを保持する記憶部310を有している。記憶部310は、例えば、最終すすぎ工程における、給水を開始してからの時間と、メイン給水弁およびサブ給水弁のON/OFF状態との関係を、布質別給水制御テーブルとしてあらかじめ格納している。ここで、メイン給水弁がONした状態とは、給水弁244の制御によりメイン給水路243aが開放されて、仕上げ剤を含まない水が注入されている状態を示し、サブ給水弁がONした状態とは、給水弁244の制御によりサブ給水路243bが開放されて、仕上げ剤を含む水が注入されている状態を示している。
制御部300は、操作パネル113、水位センサ361、回転速度センサ362、電圧センサ363、加速度センサ364等から入力された信号に基づいて、操作パネル113、給水弁244、排水弁253、循環ポンプ371、メインモータ233、ヒートポンプユニット381、送風ファン382等を駆動させる。
洗濯機100には、複数の運転コース(例えば、洗濯コース、洗濯乾燥コース、ドライコース等)が設けられている。複数の運転コースは、例えば操作パネル113を介して選択可能になっている。制御部300は、選択された洗濯コースに応じて、メインモータ233、給水弁244、排水弁253、ヒートポンプユニット381、送風ファン382等を制御する。洗濯コースには、例えば、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程が含まれている。なお、本明細書中で最終すすぎ工程とは、すすぎ工程が1回のみ行われる場合はそのすすぎ工程であり、すすぎ工程が複数回行われる場合は、複数回行われるすすぎ工程のうちの最後のすすぎ工程である。
また、制御部300は、機能的に、例えば、布質判定部320、給水制御部330を含む。
布質判定部320は、最終すすぎ工程に先立って(例えば洗い工程で)、洗濯物280の布質判定を行う。
布質判定部320は、給水弁244を制御して、メイン給水路243aを介して、洗濯物280が収容された洗濯槽230に予め設定された水位まで給水を行う。そして、布質判定部320は、メインモータ233を制御して、短時間(例えば1分)のタンブリングを行って洗濯物280に水を含ませ、それに伴って減水した水槽220の水位を示す検出信号を水位センサ361から受信する。布質判定部320は、受信した検出信号から、予め設定された水位とタンブリング後の水位の差分である、水位変化量を算出して記憶部310に記憶する。布質判定部320は、当該水位変化量を元に、予め設定された判定基準に従って洗濯物280の布質を判定し、布質判定結果を得る。具体的には、例えば、布質判定部320は、当該水位変化量が例えば100mmを超える場合は布質が綿であると判定し、前記水位変化量が例えば100mm以下の場合は布質が化繊であると判定する。このようにして、布質判定部320は、洗濯物280が洗濯水を含水する前後の水位の変化を利用して、洗濯物280の布質を判定する。布質判定部320は、得られた布質判定結果を、例えば記憶部310に格納する。
なお、上記の説明中で、設定値の一例として示した100mmは、例えば、綿と化繊の割合が50/50の場合の水位変化量の実験値、綿と化繊の割合が0/100の場合の水位変化量の実験値等から随意に設定された値である。すなわち、上記の布質判定方法における「綿判定」には、綿100%の場合のほか、例えば、綿多め(50%以上)の場合、綿が少量でも含まれている(化繊100%ではない)場合等も含みうる。これは、布質が綿と化繊の混紡からなる場合、綿の割合にかかわらず綿100%の場合と同様の給水制御を行うことにより、洗濯物280に対する仕上げ剤の付着効率が高まる場合があるためである。
なお、布質判定の方法は上記例に限定されず、最終すすぎ工程に先立って布質が判定可能な方法であれば用いることができる。また、上記例では水位変化量を1回だけ算出したが、2回以上水位変化量を算出して、これらの合計値または平均値を元に布質判定を行ってもよい。
給水制御部330は、上記の布質判定結果に応じて、図4に示すタイムチャートに従った給水制御を行う。
図4は、図1に示した洗濯機の最終すすぎ工程における給水制御を説明するためのタイムチャートである。具体的には、図4は、最終すすぎ工程の開始時点からt1秒経過するまでの期間t1、期間t1経過時点からt2秒経過するまでの期間t2、期間t2経過時点からt3秒経過するまでの期間t3、期間t3経過時点からt4秒経過するまでの期間t4、期間t4経過時点からt5秒経過するまでの期間t5の各期間における、メイン給水弁およびサブ給水弁のON/OFF状態を示している。給水制御部330は、期間t1および期間t5において、メイン給水弁をONの状態にし、期間t2~期間t4において、メイン給水弁をOFFの状態にする。給水制御部330は、期間t2および期間t4において、サブ水弁をONの状態にし、期間t1、期間t3、および期間t4において、サブ水弁をOFFの状態にする。なお、本実施形態において、メイン給水弁により制御されるメイン給水路243aには、洗剤を収容する第1収容部242aが接続されているが、すすぎ工程では、すすぎ工程の前に実行した洗い工程によって洗剤が消費された等により、メイン給水路243aから水槽220に注入される水には洗剤が含まれない。また、本実施形態において、メイン給水弁がONの状態の場合に、単位時間(例えば1秒)あたりに水槽220に注入される水の量は一定であるとする。したがって、水槽220の内部に貯留されている水の量は、メイン給水弁がONされた状態の期間が長いほど多くなる。よって、期間t1が経過した時点で水槽220の内部に貯留されている水の量は、期間t1が長いほど多くなる。図4に示すタイムチャートは、例えば記憶部310にあらかじめ格納されている。
下記の表1は、布質判定部320により判定された布質と、図4に示すタイムチャートの期間t1~t5の設定時間との関係を表した布質別給水制御テーブルの一例である。最終すすぎ工程において、給水制御部330は、判定された布質に応じて、仕上げ剤を含む水の注入時における、水槽220の内部に貯留された水の量を変化させる。具体的には、給水制御部330は、布質別給水制御テーブル(表1)の布質に対応したt1~t5の設定時間に基づいて、図4に示すタイムチャートに従った給水制御を行う。
具体的には、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をON/OFF状態に制御して、綿判定の場合、仕上げ剤を含まない水(以下、単に「水」という)を12秒間注入する(期間t1)。それにより、綿判定の場合、期間t1経過時点において、水槽220内には2リットルの水が貯留されている。また、給水制御部330は、化繊判定の場合、メイン給水弁/サブ給水弁をON/OFF状態に制御して、水を24秒間注入する(期間t1)。それにより、化繊判定の場合、期間t1経過時点において、水槽220内には4リットルの水が貯留されている。この期間t1が経過した時点で水槽220の内部に貯留されている水の量が、特許請求の範囲における第1所定量に相当する。期間t1経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をOFF/ON状態に制御して、仕上げ剤を含む水(以下、単に「仕上げ剤」という)を綿判定、化繊判定いずれの場合も10秒間注入する(期間t2)。期間t2経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をOFF/OFF状態に制御して、水および仕上げ剤の注入を綿判定、化繊判定いずれの場合も10秒間停止させる(期間t3)。期間t3経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をOFF/ON状態に制御して、仕上げ剤を綿判定、化繊判定いずれの場合も55秒間注入する(期間t4)。期間t4経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をON/OFF状態に制御して、水を綿判定の場合は47秒間、化繊判定の場合は35秒間注入する(期間t5)。
上記例の場合、給水制御部330は、サブ給水弁を制御して、仕上げ剤を含む水を期間t1後の期間t2に注入している。綿判定の場合と化繊判定の場合とでは、期間t1経過時点における水位(水槽220の内部に貯留された水の量)が異なる。すなわち、給水制御部330は、判定された布質に応じて、仕上げ剤を含む水の注入時における、水槽220の内部に貯留された水の量を変化させている。
図5は、図1に示した洗濯機の仕上げ剤投入前の水位の一例を模式的に表した図であり、(a)は綿判定の場合で、(b)は化繊判定の場合である。綿判定の場合の当該時点における水位は、例えば図5(a)に示すように、洗濯槽230の内部の洗濯物280に達していない。これにより、綿判定の場合は、比較的早い段階で期間t1から期間t2に移行して、綿と仕上げ剤とが接触次第、吸水性の高い綿が仕上げ剤を吸収していけるので、綿に対する仕上げ剤の付着効率を高めることができる。
他方、化繊判定の場合の当該時点における水位は、例えば図5(b)に示すように、洗濯槽230の内部の洗濯物280に達している。これにより、化繊判定の場合は、比較的長く設定した期間t1で吸水性の低い化繊に充分水を吸わせた後に、期間t2で化繊と仕上げ剤とを接触させることができるので、化繊に対する仕上げ剤の付着効率を高めることができる。
図4に示すタイムチャートは、例えば洗剤ケース242の第2収容部242bが、図示しないサイフォン機構を備える場合に好適に用いることができる。例えば、第2収容部242bに収容された仕上げ剤をサイフォンの原理を利用して吐出させる場合、使用水量が少ないときや水勢が弱いときは、例えば、サイフォン経路内部に気泡が混入して、サイフォンの現象が起こらなくなる場合がある。これに対して、図4に示すタイムチャートでは、仕上げ剤の注入中に一旦仕上げ剤の注入を停止する期間t3が設けられているので、サイフォン経路内部の気泡を除去して、仕上げ剤を吸い上げる働きを回復させることができ、仕上げ剤の注入をより効果的に行うことができる。
図4に示すタイムチャートにおいて期間t3を設けた上記理由からすれば、例えば洗剤ケース242の第2収容部242bがサイフォン機構を有しない場合は、期間t3を設けず、仕上げ剤の注入を開始してから終了するまでの間、サブ給水弁をフルONさせておくタイムチャートを用いてもよい。また、期間t2と期間t4との時間配分は任意に行ってよいが、本実施形態においては、期間t2を期間t4と比べて短く設定している。本実施形態における期間t2の10秒は、例えば、サイフォン経路が仕上げ剤を吸い上げ、水槽220内へ排出し始めるのに必要な時間である。
上記の構成とすることにより、本実施形態の洗濯機100は、洗濯物の布質に応じて効果的に洗濯物に仕上げ剤を付着させることができる。
本実施形態の洗濯機は、上記の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、布質判定は、例えば操作パネル113に布質を選択する選択キーを設けて、使用者による入力操作を受け付けることにより行ってもよい。
(第2実施形態)
上記のとおり、第1実施形態において、給水制御部330は、布質別給水制御テーブル(表1)の布質に対応したt1~t5の設定時間に基づいて、図4に示すタイムチャートに従った給水制御を行う。これに対し、第2実施形態において、給水制御部330は、粘度別給水制御テーブル(下記の表3)の粘度に対応したt1~t5の設定時間に基づいて、図4に示すタイムチャートに従った給水制御を行う。以下、第1実施形態と異なる点につき説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る洗濯機の制御ブロックの一例を示す図である。制御部600は、通信部610を有している。通信部610は、洗濯機100を、ネットワークを介して、他の情報処理装置(例えば、スマートフォン、サーバ等)(不図示)と接続する。また、制御部600は、機能的に、仕上げ剤情報取得部620を含む。
仕上げ剤情報取得部620は、使用者が選択した仕上げ剤の銘柄に対応した粘度情報を取得する。なお、粘度情報は、水に対する溶け易さの指標として用いるものであり、仕上げ剤の水に対する溶け易さ情報と言い換える事もできる。具体的には、例えば、仕上げ剤情報取得部620は、使用者が例えば操作パネル113、スマートフォンの表示画面(不図示)等に表示された銘柄リストから選択した銘柄情報を取得する。銘柄リストは、例えば商品の販売に対応して設定されるものであり、例えば記憶部310、サーバ等にあらかじめ格納されている。
次に、仕上げ剤情報取得部620は、下記の表2に基づいて、使用者が選択した銘柄に対応した粘度情報を取得する。下記の表2は、仕上げ剤の銘柄と、当該銘柄の粘度との関係を表した粘度リストの一例である。粘度リスト(表2)は、例えば商品の販売に対応して設定されるものであり、例えば記憶部310、サーバ等にあらかじめ格納されている。
下記の表3は、仕上げ剤の粘度と、図4に示すタイムチャートの期間t1~t5の設定時間との関係を表した粘度別給水制御テーブルの一例である。最終すすぎ工程において、給水制御部330は、粘度別給水制御テーブル(表3)の粘度に対応したt1~t5の設定時間に基づいて、図4に示すタイムチャートに従った給水制御を行う。
具体的には、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をON/OFF状態に制御して、粘度小の場合、水を12秒間注入する(期間t1)。それにより、粘度小の場合、期間t1経過時点において、水槽220内には2リットルの水が貯留されている。また、給水制御部330は、粘度大の場合、メイン給水弁/サブ給水弁をON/OFF状態に制御して、水を30秒間注入する(期間t1)。それにより、粘度大の場合、期間t1経過時点において、水槽220内には5リットルの水が貯留されている。この期間t1が経過した時点で水槽220の内部に貯留されている水の量が、特許請求の範囲における第2所定量に相当する。期間t1経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をOFF/ON状態に制御して、仕上げ剤を粘度小、粘度大いずれの場合も10秒間注入する(期間t2)。期間t2経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をOFF/OFF状態に制御して、水および仕上げ剤の注入を粘度小、粘度大いずれの場合も10秒間停止させる(期間t3)。期間t3経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をOFF/ON状態に制御して、仕上げ剤を粘度小、粘度大いずれの場合も55秒間注入する(期間t4)。期間t4経過後、給水制御部330は、メイン給水弁/サブ給水弁をON/OFF状態に制御して、水を粘度小の場合は47秒間、粘度大の場合は29秒間注入する(期間t5)。
上記例の場合、給水制御部330は、サブ給水弁を制御して、仕上げ剤を含む水を期間t1後の期間t2に注入している。粘度が小さい場合と粘度が大きい場合とでは、期間t1経過時点における水位(水槽220の内部に貯留された水の量)が異なる。すなわち、給水制御部330は、取得した仕上げ剤の粘度情報に応じて、仕上げ剤を含む水の注入時における、水槽220の内部に貯留された水の量を変化させている。粘度が小さい仕上げ剤は水に近い形なので、少量の水に対しても溶解してすぐに均等になる。そこで、粘度が小さい仕上げ剤については、水位が低い、すなわち、より早い時間(期間t1後)から期間t2に移行して洗濯物150と仕上げ剤とを接触させる。これにより、洗濯物150に対する仕上げ剤の付着効率を高めることが可能となる。
他方、粘度が大きい仕上げ剤は多量の水と混ぜ合わせないと、十分に溶解せずに例えば沈殿してしまうなど、洗濯物に十分に付着することができない場合がある。そこで、粘度が大きい仕上げ剤については、期間t1で水位を上げてから期間t2に移行して洗濯物150と仕上げ剤とを接触させる。これにより、洗濯物150に対する仕上げ剤の付着効率を高めることができる。
上記の構成とすることにより、本実施形態の洗濯機100は、使用する仕上げ剤の粘度に応じて効果的に仕上げ剤を付着させることができる。
上記のいずれの実施形態に係る給水制御も、例えば、1回目のためすすぎ、中間脱水、2回目のためすすぎの各工程を含むすすぎコース(例えば、下記の仕上げ剤コース)を有する洗濯機において、2回目のためすすぎの工程で好適に用いることができる。
具体的には、例えば、上記のすすぎコースを有する洗濯機においては、1回目のためすすぎと2回目のためすすぎの間で中間脱水が行われる。この中間脱水の際に、化繊の場合は水分をより多く飛ばすため、2回目のためすすぎにおいて仕上げ剤の付着効果を向上させるためには、2回目のためすすぎに先立ち、化繊に水を吸わせるために水位をあげてから仕上げ剤を注入する工程を行うことが好ましい。これに対し、綿の場合は中間脱水の際に水分を飛ばす量が少なく、2回目のすすぎの注水時から洗濯物が沈んだ状態となる。しかも、飛ばした分の水分はすぐに吸ってしまうので、早めに仕上げ剤を注入させないと洗濯物に均等に仕上げ剤を付着させることが難しくなる。そこで、綿の場合は水位が低いうちに仕上げ剤の注入を開始する工程を行うことが好ましい。上記の第1実施形態によれば、化繊の場合、綿の場合のいずれの場合においても、上記の好ましい工程を行うことができる。
図7Aは、通常コースのすすぎ工程のシーケンス図であり、シャワーすすぎ1回+ためすすぎ1回の各工程で構成される。図7Bは、仕上げ剤コースのすすぎ工程のシーケンス図であり、2回のためすすぎ工程で構成される。シャワーすすぎとは、例えば水道水をシャワーで給水しながら洗濯槽230内で洗濯物280をすすぐ工程である。一方、ためすすぎとは、給水される水を洗濯槽230内に溜めて洗濯物280をすすぐ工程である。なお、図7において、モータの「L ON」は、制御部300、600により、メインモータ233が洗濯槽230を正回転させている状態を表し、モータの「R ON」は、制御部300、600により、メインモータ233が洗濯槽230を逆回転させている状態を表している。
通常コースのすすぎ工程は、図7Aに示すように、「シャワーすすぎ」、「給水」、「すすぎ1」、「補給水」、「すすぎ2(注水)」、「すすぎ3」、「排水1」、「排水2」の各工程で構成されている。このうち、「シャワーすすぎ」がすすぎ1回目(シャワーすすぎ)を構成し、「給水」、「すすぎ1」、「補給水」、「すすぎ2」、「すすぎ3」、「排水1」、「排水2」がすすぎ2回目(ためすすぎ)を構成する(すすぎ2回目が最終すすぎにあたる)。また、上記の通り、すすぎ1回目(シャワーすすぎ)とすすぎ2回目(ためすすぎ)との間で中間脱水が行われる。
通常コースにおいては、すすぎ1回目(シャワーすすぎ)では洗剤の泡成分を取り除くのみで、すすぎ2回目(ためすすぎ)で本格的に洗剤をすすぐことになっている。このため、すすぎ2回目(ためすすぎ)において洗剤と仕上げ剤とが反発し、洗濯物への仕上げ剤の付着が抑えられてしまう場合がある。また、すすぎ2回目(ためすすぎ)の「すすぎ3」は、すすぎ時間を短く(例えば2分)、タンブリングを強く(例えば10秒ON/5秒OFF)してあるので、仕上げ剤のつけ置き効果が上がらない場合がある。ここで、タンブリングとは、例えば、メインモータ233の正転および逆転を予め決められた機械的な位相角(例えば0°~100°)の範囲内で交互に行うことで、洗濯槽230内の洗濯物280を洗濯槽230内で分散させるものである。
これに対し、仕上げ剤コースのすすぎ工程は、図7Bに示すように、「給水」、「すすぎ1」、「補給水」、「すすぎ2」、「すすぎ3」、「排水1」、「排水2」の各工程で構成されるためすすぎによるすすぎが2回行われる(すすぎ2回目が最終すすぎにあたる)。また、上記の通り、すすぎ1回目のためすすぎとすすぎ2回目のためすすぎとの間で中間脱水が行われる。
仕上げ剤コースにおいては、すすぎ1回目(ためすすぎ)で洗剤分が取り除かれ、すすぎ2回目(ためすすぎ)は、仕上げ剤を洗濯物に付着させることに特化した運転を行う。このため、すすぎ2回目(ためすすぎ)の「すすぎ3」は、すすぎ時間を延ばして(例えば7分)、タンブリングを弱く(例えば5秒ON/10秒OFF)してあるので、仕上げ剤のつけ置き効果を上げる効果を奏することができる。
よって、上記のいずれの実施形態に係る給水制御も、上記の仕上げ剤コースのすすぎ2回目(ためすすぎ)の工程で適用することにより、さらに効果的に仕上げ剤を付着させることができる。なお、上記実施形態における給水制御の適用場面は、上記の仕上げ剤コースのすすぎ2回目(ためすすぎ)の工程に限定されず、例えば、上記の通常コースのすすぎ2回目(ためすすぎ)の工程で適用してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。例えば、上記においては、表1及び3を用いて説明したが、表1及び3の具体的な条件や時間は一例であって、上記第1及び第2の実施形態は表1及び3等の場合に限られるものではない。同様に、第2の実施形態における表2においては、粘度が大または小である場合について説明したが、上記第2の実施形態は、大中小等のその他の複数の粘度に応じた制御を行うように構成してもよい。また、上記第1及び第2の実施形態を組み合わせて、布質判定結果および仕上げ剤の粘度に応じた制御を行うように構成してもよい。
また、上記においては、本発明をドラム式洗濯機に適用した場面を想定して説明を行ったが、ドラムの回転軸が垂直である縦型の洗濯機や、乾燥機能付きの洗濯乾燥機に適用してもよい。