JP6936583B2 - 配線の収容構造 - Google Patents

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本発明は、配線の収容構造に関する。
従来、建物の開口部に取り付けられるシャッターを対象として、シャッターカーテンの閉鎖移動中においてシャッターカーテンに対する障害物が存在しているか否かを検知するための障害物検知システムが提案されている。このような障害物検知システムは、概略的には、シャッターカーテンの下端部に設けられた座板スイッチと、シャッターカーテンの下端部に設けられた送信装置であって座板スイッチから配線を介して入力された検知信号を光信号で送信する送信装置と、開口部の上方に設けられたシャッター収納部に取り付けられた受信装置であって送信装置の発光体から検知信号を受信する受信装置と、受信装置にて受信された検知信号に基づいてシャッターカーテンを制御する制御装置とを備えている。また、この送信装置の筐体におけるシャッターカーテン側の側部には、当該筐体に設けられた挿通孔に配線を誘導するための溝部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−86603号公報
ここで、送信装置、座板スイッチ、及び受信装置は、製造時の誤差、設置環境、設置誤差等に応じて様々な位置に設置され得る。よって、送信装置、座板スイッチ、及び受信装置等が上記様々な位置のうちいずれの位置に設置された場合でも、座板スイッチと送信装置とを確実に接続できるようにするために、座板スイッチと送信装置とを接続する配線の長さは、余長部分が生じるように比較的長く設定される。しかしながら、上述したように、送信装置の筐体に設けられた溝部は、当該筐体の挿通孔に配線を誘導するものに過ぎないので、例えば、送信装置が設置された状態において、配線の余長部分を溝部に収容することができないことにより、当該余長部分が外部に露出してしまう可能性があった。これにより、送信装置及びその周辺の意匠性が低下したり、第三者等によって配線がいたずらされるおそれがあるので、送信装置及びその周辺の意匠性、並びに配線の収容性の観点から改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、送信装置及びその周辺の意匠性を維持しながら、配線の収容性を向上させることが可能になる、配線の収容構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の配線の収容構造は、建物の開口部を開閉する開閉体又はその近傍に設置された電子機器に対して接続された配線を収容するための収容構造であって、前記電子機器の筐体の側部のうち、当該電子機器が設置された設置状態において当該電子機器の周辺に配置される周辺部材によって覆われる対象側部に、前記配線の余長部分を収容するための余長収容手段を設け、前記余長収容手段は、複数の凸部と、前記凸部同士の間に形成される複数の溝部と、を備え、前記複数の溝部によって前記配線が非直線状に収容されるように、当該複数の溝部を形成し、前記複数の凸部は、前記余長収容手段の縁端部のうち第1の縁端部の略全長にわたって設けられる第1の凸部と、前記余長収容手段の縁端部のうち前記第1の縁端部と対向するように位置する第2の縁端部の略全長にわたって設けられる第2の凸部と、前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部と、を含み、前記第1の凸部と前記第3の凸部との相互間、前記第2の凸部と前記第3の凸部との相互間、及び前記第3の凸部同士の相互間に位置する前記複数の溝部の各々の幅を、前記配線の幅と略同一とした。
請求項2に記載の配線の収容構造は、請求項1に記載の配線の収容構造において、前記複数の溝部は、前記第1の凸部と前記第3の凸部との相互間に位置する第1の溝部を含む。
請求項3に記載の配線の収容構造は、請求項1又は2に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段を、前記対象側部の部分のうち、前記電子機器に内蔵されている複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品に対応する部分以外の部分に設けた。
請求項4に記載の配線の収容構造は、請求項1から3のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段を、前記対象側部の部分のうち前記電子機器の電源部に対応する部分以外の部分に設けた。
請求項5に記載の配線の収容構造は、請求項1から4のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記設置状態において前記余長収容手段の端部のうち前記周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、当該余長収容手段を形成した。
請求項6に記載の配線の収容構造は、請求項1から5のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記複数の溝部の少なくともいずれか1つの深さを、前記配線の幅よりも長くした。
請求項7に記載の配線の収容構造は、請求項1から6のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段を、前記対象側部と一体に形成した。
請求項8に記載の配線の収容構造は、請求項1から7のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記開閉体は、シャッターカーテンであり、前記電子機器は、前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部又はその近傍部分に設置された送信装置であり、前記シャッターカーテンに対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置に向けて送信する送信装置であり、前記余長収容手段は、前記送信装置に対して外部から接続された前記配線の余長部分を収容する。
請求項1に記載の配線の収容構造によれば、電子機器の筐体の側部のうち、設置状態において当該電子機器の周辺に配置される周辺部材によって覆われる対象側部に、配線の余長部分を収容するための余長収容手段を設けたので、設置状態において配線の余長部分が外部に露出することを抑制できる。これにより、電子機器及びその周辺の意匠性が低下することを回避できると共に、配線に対するいたずらを防止することができるので、電子機器及びその周辺の意匠性を維持しながら、配線の収容性を向上させることが可能になる。
また、複数の溝部によって配線が非直線状に収容されるように、当該複数の溝部を形成したので、配線を直線状に収容する場合に比べて配線の余長部分の収容量を高めることができ、配線の収容性をさらに一層向上させることができる。
また、各溝部の幅を、配線の幅と略同一としたので、配線が余長収容手段から外れることを抑制でき、配線の収容性をさらに一層向上させることができる。
請求項に記載の配線の収容構造によれば、余長収容手段を対象側部の部分のうち複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品に対応する部分に設ける場合に比べて、電子機器の筐体のサイズを維持しながら、余長収容手段の設置スペースを確保することが容易となることから、電子機器の意匠性を維持することができる。
請求項に記載の配線の収容構造によれば、余長収容手段を、対象側部の部分のうち電子機器の電源部に対応する部分以外の部分に設けたので、電子機器の電源部が電子機器に内蔵される電子部品の中でも比較的厚みを有する部品であることからすると、余長収容手段を対象側部の部分のうち電子機器の電源部に対応する部分に設ける場合に比べて、電子機器の筐体のサイズを維持しながら、余長収容手段の設置スペースを確保することが容易となることから、電子機器の意匠性を一層維持することができる。
請求項に記載の配線の収容構造によれば、設置状態において余長収容手段の端部のうち周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、当該余長収容手段を形成したので、配線が余長収容手段から外れることを抑制でき、配線の収容性を一層向上させることができる。また、電子機器の筐体を周辺部材に対して安定して支持することができ、筐体の設置性を向上させることが可能となる。また、余長収容手段によって形成される収容空間を略密閉状態にすることができ、当該収容空間内に異物(例えば、埃や塵等)が入ることを抑制することが可能となる。
請求項6に記載の配線の収容構造によれば、前記複数の溝部の少なくともいずれか1つの幅を、配線の幅よりも長くしたので、配線の余長部分の収容量を高めることができ、配線の余長部分の収容性をさらに一層向上させることができる。
請求項7に記載の配線の収容構造によれば、余長収容手段を、対象側部と一体に形成したので、筐体の対象側部と余長収容手段とを別体に設けた場合に比べて、余長収容手段を対象側部に取り付ける手間を省略できるので、収容構造の製造性を向上させることが可能となる。
請求項8に記載の配線の収容構造によれば、電子機器は、シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部又はその近傍部分に設置された送信装置であり、シャッターカーテンに対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置に向けて送信する送信装置であり、余長収容手段は、送信装置に対して外部から接続された配線の余長部分を収容するので、送信装置の設置状態において配線の余長部分が外部に露出することを抑制でき、送信装置及びその周辺の意匠性を維持できると共に、配線に対するいたずらを防止することができる。
本発明の実施の形態に係るシャッター装置を概念的に示す図である。 建物の屋内側から見たシャッターカーテンを示す図であって、送信装置及び受信装置の周辺部分を示す図である(一部図示省略)。 図2のA−A矢視断面図である。 送信装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図である。 第2配線の取付状況を示す図であり、(a)は第2配線の余長部分を波形状に収容した場合の背面図、(b)は第2配線の余長部分を波形状に収容した場合の左側面図、(c)は第2配線の余長部分を(a)とは異なる波形状に収容した場合の背面図、(d)は第2配線の余長部分を(a)とは異なる波形状に収容した場合の左側面図、(e)は第2配線の余長部分を(a)、(c)とは異なる波形状に収容した場合の背面図、(f)は第2配線の余長部分を(a)、(c)とは異なる波形状に収容した場合の左側面図である。 余長収容部の変形例を示す背面図であり、(a)は第2配線を取り付けていない状態を示す図、(b)は第2配線を取り付けた状態を示す図であり、(c)は(b)とは異なる収容状態で第2配線を取り付けた状態を示す図である。 余長収容部の変形例を示す背面図であり、(a)は第2配線を取り付けていない状態を示す図、(b)は第2配線を取り付けた状態を示す図である。 余長収容部の変形例を示す背面図であり、(a)は第2配線を取り付けていない状態を示す図、(b)は第2配線を取り付けた状態を示す図である。 余長収容部の変形例を示す背面図であり、(a)は第2配線を取り付けていない状態を示す図、(b)は第2配線を取り付けた状態を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る配線の収容構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部を開閉する開閉体又はその近傍に設置された電子機器に対して接続された配線を収容するための収容構造に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁等)において出入口(例えば、建物の屋内側から屋外側へ出入りするための玄関口や、部屋の室内側から室外へ出入りするための部屋の出入口等)や窓を設置するために形成された開口部である。また、「開閉体」とは、例えば、シャッター装置のシャッターカーテン、扉装置の扉体等を含む概念であるが、実施の形態では、シャッター装置のシャッターカーテンとして説明する。ここで、「シャッター装置」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、重量シャッター、軽量シャッター、ゲート用シャッター等を含む概念である。また、シャッター装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向等が該当する。また、シャッター装置の駆動方式は任意であり、例えば、「電動式のシャッター装置」が該当する。また「シャッターカーテンの状態」とは、例えば、シャッターカーテンによって開口部を全閉した「全閉状態」と、シャッターカーテンによって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて、当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。また、「電子機器」とは、例えば、シャッターカーテン又はその近傍に設置される送信装置や受信装置等を含む概念であるが、実施の形態では、送信装置として説明する。ここで、「送信装置」とは、シャッターカーテンに対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置に向けて送信する装置であり、「受信装置」とは、送信装置から送信された上記信号を受信する装置である。また、「障害物」とは、開口部を閉鎖するシャッターカーテンに対する障害になり得る人や物を意味する。また、「障害物の検知状態を示す情報」とは、例えば、障害物が検知されている状態を示す情報や障害物が検知されていない状態を示す情報等を含む概念である。また、送信装置から送信される上記信号の種類は任意であり、例えば、光信号(一例として、赤外線光信号や紫外線光信号等)や電波信号などの無線信号を含む概念であるが、実施の形態では、光信号として説明する。また、「配線」とは、例えば、信号伝達のために用いられる信号配線、電力の伝達のために用いられる電源配線、又はこれらを組み合わせたもの等を含む概念である。また、「電子機器に対して接続された配線」とは、例えば、電子機器に対して外部から接続された配線や、電子機器に元々取り付けられている配線(一例として、電子機器とは別体に構成されており後付けされた配線、電子機器自体の一部としての配線)等を含む概念である。以下、実施の形態では、配線の収容構造を、商業施設の如き建物内の所定の部屋における通路側の壁に設けられた上下開閉式且つ電動式のシャッター装置に適用した場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、実施の形態に係る配線の収容構造が適用されるシャッター装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向をシャッター装置の左右方向又は幅方向(−X方向をシャッター装置の左方向、+X方向をシャッター装置の右方向)、図3のY方向をシャッター装置の前後方向(+Y方向をシャッター装置の前方向(部屋の室外側の方向)、−Y方向をシャッター装置の後方向(部屋の室内側の方向))、図1のZ方向をシャッター装置の上下方向(+Z方向をシャッター装置の上方向、−Z方向をシャッター装置の下方向)と称する。
図1に示すように、このシャッター装置1は、概略的に、シャッター収納部10、ガイドレール20、シャッターカーテン30、開閉機40、巻取軸(図示省略)、操作装置50、位置検知部(図示省略)、エマーゼン検知部(図示省略)、及び障害物検知システム100を備えている。ただし、シャッター装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。
また、このシャッター装置1における各装置の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、後述する障害物検知システム100の制御装置140は、開閉機40、操作装置50、位置検知部、エマーゼン検知部、及び後述する受信装置130の各々と第1配線3を介して電気的に接続されている。また、後述する障害物検知システム100の送信装置120は、後述する座板スイッチ110と第2配線4を介して電気的に接続されている。このような接続により、制御装置140と、開閉機40、操作装置50、位置検知部、エマーゼン検知部、又は後述する受信装置130との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができると共に、後述する送信装置120と後述する座板スイッチ110との相互間で通信及び電力供給を行うことができる。
(構成−シャッター収納部)
シャッター収納部10は、シャッター装置1の各部を収納するための中空体である。このシャッター収納部10は、部屋の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されており、具体的には、図1に示すように、開口部2よりも上方に設置されている。また、このシャッター収納部10の内部には、開閉機40、巻取軸、後述する制御装置140、位置検知部、及びエマーゼン検知部が収容されていると共に、巻取軸にてシャッターカーテン30が巻き取られた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部も、シャッター収納部10の内部に収容される。なお、図3に示すように、このシャッター収納部10の下方側に位置する天井5において、シャッターカーテン30を中心とする部屋の室外側にはまぐさ11a(図3では、Y−Z平面に沿った断面形状が略コ字状を有するまぐさ11a)が固定されていると共に、当該部屋の室内側にはまぐさ11b(図3では、Y−Z平面に沿った断面形状が略逆コ字状を有するまぐさ11b)が固定されている。これらまぐさ11a、11bの相互間には、開口部2の左右方向全長にわたるまぐさ開口12が形成されており、このまぐさ開口12を介してシャッターカーテン30の出し入れが行われる。また、このシャッター収納部10の形成方法については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数の鋼製(一例として、スチール製、ステンレス製等)の板状体を、ビスや取付ネジ等の取付具によって相互に接続して形成している。
(構成−ガイドレール)
図1に戻り、ガイドレール20は、シャッターカーテン30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、X−Y平面に沿った断面形状が略コ字状となるように形成された鋼製の長尺体であり、具体的には、図2、図3に示すように、部屋の室外側に位置する第1側片21(見付面)と、部屋の室内側に位置する第2側片22(見付面)と、及び第1側片21と第2側片22との相互間に位置する第3側片23(底面)とを有している。また、図1から図3に示すように、このガイドレール20は、シャッター装置1の左右方向の両端部の各々において、上下方向に略沿う方向で配置されており、部屋の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
(構成−シャッターカーテン)
図1に戻り、シャッターカーテン30は、巻取軸によって閉鎖移動又は開放移動されることで、シャッターカーテン30の状態を全開状態、全閉状態、又は半開状態とする遮蔽手段である。このシャッターカーテン30は、図3に示すように、複数の鋼製(又はアルミニウム製等)のスラット30aを備えており、各スラット30aの上下の両端部に形成された嵌合部30bを介して複数のスラット30aが相互に嵌合接続されている。また、このシャッターカーテン30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20の第1側片21、第2側片22、及び第3側片23によって囲まれることで形成された溝部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。
また、図1から図3に示すように、シャッターカーテン30の下端部には、座板31及び揺止部材35が設けられている。座板31は、全閉状態において建物の床面と当接するように配置されたものであり、例えばアルミニウム製(又は鋼製)の板状体にて形成されており、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。図2、図3に示すように、この座板31は、座板バー32を備えており、この座板バー32の上端部には嵌合部33が設けられ、この嵌合部33をシャッターカーテン30の最下方側のスラット30aにおける下端部の嵌合部30bに嵌合させることで、座板バー32がシャッターカーテン30に取付けられている。揺止部材35は、シャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動中において座板31の前後方向の揺れを抑制するため部材である。この揺止部材35は、例えば公知の揺止部材35(一例として、鋼製の揺止用板材等)を用いて構成されており、図2に示すように、シャッターカーテン30の左右方向の両端部の各々から左右方向の外側に向けて張り出し、且つ、当該揺止部材35が対応するガイドレール20の第1側片21及び第2側片22と前方側又は後方側から見て重複するように配置され、座板バー32の下端部に対して固定具等によって固定されている。また、この揺止部材35は、ガイドレール20の第1側片21及び第2側片22の各々と間隔(隙間)を隔てて配置されており、この間隔(隙間)の長さについては、実施の形態では、シャッターカーテン30の通常の閉鎖移動又は開放移動を妨げないように、座板31の前後方向の揺れが所定値以上となった場合のみ、ガイドレール20の第1側片21又は第2側片22と接触可能な長さに設定されている。
(構成−開閉機)
図1に戻り、開閉機40は、巻取軸を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を昇降させる昇降手段であり、後述する制御装置140を介して操作される。
(構成−巻取軸)
巻取軸は、シャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すための回動軸である。この巻取軸は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設けられ、シャッター収納部10に設けられた軸受部(図示省略)に対して固定具等を介して回動可能に接続されている。また、この巻取軸には、シャッターカーテン30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸を回転させることで、連結スラットを介してシャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すことができる。
(構成−操作装置)
操作装置50は、シャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段である。この操作装置50は、シャッターカーテン30を電動で開放移動させる開放ボタン、電動で閉鎖移動させる閉鎖ボタン、及び電動による閉鎖移動又は開放移動を停止させる停止ボタンを備えている(いずれも図示省略)。これら開放ボタン、閉鎖ボタン、又は停止ボタンがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたボタンに応じた操作信号を制御装置140に出力することで、制御装置140によって開閉機40を介して電動でシャッターカーテン30を閉鎖移動又は開放移動させたり、あるいはシャッターカーテン30の閉鎖移動又は開放移動を電動で停止させることができる。なお、実施の形態では、操作装置50は、制御装置140と有線で通信するものとして説明したが、これに限られず、例えば、制御装置140と無線で通信するものであってもよい。また、これら有線式及び無線式の操作装置50の両方をシャッター装置1に設けてもよい。
(構成−位置検知部)
位置検知部は、シャッターカーテン30が所定位置に到達したか否かを検知するための位置検知手段であり、上限リミットスイッチ及び下限リミットスイッチを備えている(いずれも図示省略)。上限リミットスイッチは、シャッターカーテン30が所定の上限位置に到達したことを検知する上限位置検知手段であり、下限リミットスイッチは、シャッターカーテン30が所定の下限位置に到達したことを検知する下限位置検知手段である。
(構成−エマーゼン検知部)
エマーゼン検知部は、シャッターカーテン30の開閉機能の異常を検知するためのエマーゼン検知手段であり、例えば、シャッター収納部10の内部に配置されたマイクロスイッチとして構成されている。このエマーゼン検知部の検知動作については、例えば、シャッターカーテン30の閉鎖移動中に、半開状態でシャッターカーテン30がガイドレール20等に引掛かっている場合において、シャッターカーテン30の巻き出しによりシャッターカーテン30に過大な膨らみ(緩み)が生じている場合には、シャッターカーテン30によって押圧されることで、シャッターカーテン30の巻き出しを停止する旨を示す信号を制御装置140に出力する。これにより、制御装置140によって開閉機40を介してシャッターカーテン30の閉鎖移動を停止させることができる。また、シャッターカーテン30の開放移動中に、位置検知部の上限リミットスイッチの故障によって、シャッターカーテン30が所定の上限位置に達しているにも関わらず、位置検知部の上限リミットスイッチによってシャッターカーテン30が所定の上限位置に達していると検知されていない場合には、シャッターカーテン30によって押圧されることで、シャッターカーテン30の巻き取りを停止する旨を示す信号を制御装置140に出力する。これにより、制御装置140によって開閉機40を介してシャッターカーテン30の開放移動を停止させることができる。
(構成−障害物検知システム)
次に、障害物検知システム100の構成について説明する。この障害物検知システム100は、開口部2を閉鎖するシャッターカーテン30に対する障害物を検知するシステムであり、図1に示すように、座板スイッチ110、送信装置120、受信装置130、及び制御装置140を備えている。
(構成−障害物検知システム−座板スイッチ)
座板スイッチ110は、シャッターカーテン30の閉鎖移動中においてシャッターカーテン30の下端部が障害物に接触したことを検知する装置である。図2、図3に示すように、この座板スイッチ110は、座板31(具体的には、座板バー32)に設けられており、上座板部111、下座板部112、及び座板スイッチ本体113を備えている。
上座板部111は、座板スイッチ本体113の一部を収容するための部材であり、座板バー32に設置されている。図3に示すように、この上座板部111は、Y−Z平面に沿った断面形状が略逆Y字状となるように形成されたアルミニウム製(又は鋼製)の長尺体であり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されており、具体的には、上座板部111の前後方向の長さ(奥行き)がまぐさ11a、11bの相互間の長さよりも短くなるように形成されている。また、この上座板部111は、上座板部111の上側部分(上座板部111の略逆Y字状の縦棒部分)が座板バー32の後面と当接するように配置されており、座板バー32に対して固定具により固定されている。また、図2に示すように、この上座板部111には、挿通孔111aが形成されている。挿通孔111aは、送信装置120に対して座板スイッチ本体113から接続された第2配線4を挿通するための貫通孔であり、上座板部111における送信装置120の近傍部分に設けられている。
下座板部112は、座板スイッチ本体113の他の一部を収容するための部材であり、上座板部111の下方側に設置されている。この下座板部112は、図3に示すように、Y−Z平面に沿った断面形状が略U字状となるように形成されたアルミニウム製(又は鋼製)の長尺体であり、シャッターカーテン30の下端部の左右方向全長にわたって形成されており、具体的には、下座板部112の前後方向の長さ(奥行き)がまぐさ11a、11bの相互間の長さよりも短くなるように形成されている。また、この下座板部112の設置方法については任意であるが、実施の形態では、下座板部112が障害物と接触した場合にのみ座板スイッチ本体113が障害物を検知できるように支持されており、具体的には、図3に示すように、上座板部111に対して相対的に上下方向に移動可能となるように、下座板部112の上端部が上座板部111の下端部に対して吊り持ち構造により支持されている。このような設置により、座板スイッチ本体113が下座板部112と上座板部111との相対的な変位に基づいて障害物を検知することが可能となる。
座板スイッチ本体113は、シャッターカーテン30の下端部が障害物に接触したことを検知する検知手段である。この座板スイッチ本体113は、例えば公知の検知センサ(一例として、マイクロスイッチ等)を用いて構成されており、シャッターカーテン30の右端部近傍(又は、左端部近傍)において、上座板部111及び下座板部112によって囲繞された空間に収容されている。また、この座板スイッチ本体113がマイクロスイッチである場合の検知動作については、以下に示す通りとなる。例えば、シャッターカーテン30の閉鎖移動中において下座板部112が障害物に接触したことで上座板部111に対して相対的に上方に持ち上げられた際に上座板部111と下座板部112との相対変位が所定量に達した場合には、障害物が検知されている状態を示す情報(シャッターカーテン30に対する障害物の検知状態を示す情報)を含む信号(以下、「障害物検知信号」と称する)を送信装置120に出力する。一方、シャッターカーテン30の閉鎖移動中において下座板部112が障害物に接触していないことで上座板部111と下座板部112との相対変位が所定量に達していない場合には、障害物検知信号を送信装置120に出力しない。
(構成−障害物検知システム−送信装置)
図1に戻り、送信装置120は、障害物検知信号を光信号で送信する装置である。図2、図3に示すように、この送信装置120は、座板31に設けられており(具体的には、座板バー32の右端部の近傍部分(又は座板バー32の左端部の近傍部分)に設けられており)、筐体121、電源部(図示省略)、及び回路基板(図示省略)を備えている。
(構成−障害物検知システム−送信装置−筐体)
筐体121は、送信装置120の基本構造体であり、電源部及び回路基板を外部から保護する保護手段である。図2から図4に示すように、この筐体121は、例えば樹脂材等にて形成された長尺な中空箱状体にて形成されている。具体的には、筐体121の左右方向の長さ(幅)が座板バー32の左右方向の長さ(幅)よりも短く、筐体121の前後方向の長さ(奥行き)が上座板部111における前側側部121aに対向する側面からまぐさ11bまでの相互間の長さ(奥行き)よりも短く、且つ、筐体121の上下方向の長さ(高さ)が座板バー32の上下方向の長さ(高さ)よりも短くなるように形成されている。また、この筐体121は、筐体121の前側側部121aが上座板部111の上側部分(上座板部111の略逆Y字状の縦棒部分)の後面と当接するように配置されており、筐体121、上座板部111、座板バー32の各々に形成された取付孔121gを介して座板バー32に対して固定具(一例としてネジ等)によって取り付けられている。
また、図2、図4に示すように、筐体121には、第1収容部122、第2収容部123、透光部124、配線挿通孔125、誘導溝部126、排気孔127、排気溝部128、及び水抜溝部129が設けられている。第1収容部122は、電源部を収容するためのものであり、筐体121の一部(図2、図4では、筐体121の右側部分)に設けられている。第2収容部123は、回路基板を収容するためのものであり、筐体121の他の一部(図2、図4では、筐体121の左側部分)に設けられている。透光部124は、後述する送光部から照射される光信号を筐体121の外部に向けて透光するための透光手段である。この透光部124は、例えば樹脂材等の透光性部材等を用いて構成されており、図2、図4に示すように、筐体121の側部のうち光信号の照射領域に含まれる部分(実施の形態では、筐体121の上側側部121bの一部及び後側側部121cの一部)に形成されている。配線挿通孔125は、第2配線4を筐体121の内部に挿通させるための貫通孔であり、図4に示すように、筐体121の前側側部121aにおける略中央部分に形成されている。誘導溝部126は、第2配線4を配線挿通孔125に誘導するための溝部であり、図4に示すように、筐体121の前側側部121aの左右端部の各々から配線挿通孔125に至るように略水平直線状に形成されており、筐体121の前側側部121aの下方側に位置するように配置されている。また、この誘導溝部126の幅及び深さの設定の詳細については、例えば、後述する第1溝部151から第5溝部155の各々の幅及び深さの設定と略同様に設定されている。排気孔127は、電源部から放出されるガス(例えば、水素等)を筐体121の外部に排気するための貫通孔であり、図4に示すように、筐体121の前側側部121aのうち第1収容部122に対応する部分に形成されている。排気溝部128は、送信装置120が設置された状態(以下、「設置状態」と称する)において、排気孔127から排気されたガスを所定位置に誘導するための溝部であり、図4に示すように、筐体121の前側側部121aの上方側において、排気孔127から筐体121の前側側部121aの右端部に至るように形成されている。水抜溝部129は、筐体121の前側側部121aの各種溝部に入り込んだ水を筐体の外部に排出するための溝部であり、図4に示すように、誘導溝部126(具体的には、誘導溝部126の配線挿通孔125の近傍部分)から前側側部121aの下端部に至るように形成されている。
(構成−障害物検知システム−送信装置−電源部)
電源部は、図示しない電池やバッテリ等から供給された電力を、送信装置120の各部に供給すると共に、座板スイッチ本体113にも供給するものであり、筐体121の第1収容部122に収容されている。
(構成−障害物検知システム−送信装置−回路基板)
回路基板は、送信装置120の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板であり、筐体121の第2収容部123に収容されている。この回路基板には、公知の電子部品と共に、通信部及び送光部が実装されている(いずれも図示省略)。このうち、通信部は、座板スイッチ110(具体的には、座板スイッチ本体113)との間で通信するための通信手段である。送光部は、座板スイッチ本体113から受信した障害物検知信号を光信号で照射するための送光手段であり、例えば、赤外線LED等の公知の送光素子等を用いて構成されている。また、この送光部は、透光部124に向けて光信号を照射可能な位置に設置されており、具体的には、透光部124の上側部分の真下の位置において、送光部の先端部分が上方に向くように設置されている(図示省略)。
(構成−障害物検知システム−受信装置)
図1に戻り、受信装置130は、送信装置120の送光部から光信号を受信するための装置である。図2、図3に示すように、この受信装置130は、シャッター収納部10の近傍部分に設けられており(具体的には、まぐさ11bの右端部の近傍部分に設けられており)、筐体131及び回路基板(図示省略)を備えている。
(構成−障害物検知システム−受信装置−筐体)
筐体131は、受信装置130の基本構造体であり、回路基板を外部から保護する保護手段である。図2、図3に示すように、この筐体131は、例えば非透光性部材(一例として樹脂材)等にて形成された略中空箱状体にて形成されている。具体的には、筐体131の左右方向の長さ(幅)が送信装置120の筐体121における左右方向の長さ(幅)よりも短く、筐体131の前後方向の長さ(奥行き)がまぐさ11bの下側部分における前後方向の長さ(奥行き)よりも長く(あるいは、同一又は短く)、且つ、筐体131の上下方向の長さ(高さ)がまぐさ11bの上下方向の長さ(高さ)よりも短く(あるいは、同一又は長く)なるように形成されている。また、この筐体131は、筐体131の上側側部がまぐさ11bの下側部分の下面と当接するように配置されており(具体的には、筐体131がまぐさ11bよりもシャッターのカーテン側に突出しない位置に配置されており)、まぐさ11bに対して固定具等によって取り付けられている。
また、筐体131には、透光部及び発光孔が設けられている(いずれも図示省略)。透光部は、送信装置120の送光部からの光信号を後述する受光部に向けて透光するための透光手段であり、例えば樹脂材等の透光性部材等を用いて構成されており、筐体131のシャッターカーテン30の閉鎖方向側の側部(具体的には、筐体131の下側側部等)のうち後述する受光部が光信号を受光可能な部分に形成されている。発光孔は、後述する発光部から発光される光を筐体131の外部に向けて導くための貫通孔であり、筐体131のシャッターカーテン30の閉鎖方向側の側部(具体的には、筐体131の下側側部等)のうち発光部からの光が照射される領域に含まれる部分に形成されている。
(構成−障害物検知システム−受信装置−回路基板)
回路基板は、受信装置130の各種機能を実現するための電気回路(図示省略)が実装された基板である。この回路基板には、公知の電子部品と共に、受光部、発光部、及び通信部が実装されている(いずれも図示省略)。受光部は、送信装置120の送光部からの光信号を受光するための受光手段であり、例えばフォトダイオード等の公知の受光素子等を用いて構成されており、受光部の先端部が下方に向くように設置されている。発光部は、送信装置120の送光部からの光信号を受光した場合に、当該受光した旨を報知するために発光する発光手段であり、例えばLED等の公知の発光素子等を用いて構成されており、発光部の先端部が下方に向くように設置されている。通信部は、制御装置140との間で通信するための通信手段である。
(構成−障害物検知システム−制御装置)
制御装置140は、障害物検知システム100の各部を相互に連動させる装置であり、入力部、出力部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。
入力部は、操作信号又は障害物検知信号の入力を、操作装置50又は受信装置130から受け付ける入力手段であり、例えば公知の入力端子等を用いて構成されている。出力部は、信号を開閉機40に出力する出力手段であり、例えば公知の出力端子等を用いて構成されている。電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御装置140の各部に供給すると共に、操作装置50、位置検知部、エマーゼン検知部、及び受信装置130にも供給する電源手段である。制御部は、制御装置140の各部を制御する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。記憶部は、制御装置140の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
(構成−配線の収容構造)
次に、配線の収容構造について説明する。送信装置120は、当該送信装置120に対して座板スイッチ本体113から接続された第2配線4を収容するための収容構造を備えており、図4に示すように、この収容構造は、余長収容部150を備えている。
(構成−配線の収容構造−余長収容部)
余長収容部150は、第2配線4の余長部分を収容するための余長収容手段であり、送信装置120の筐体121に設けられている。ここで、第2配線4の余長部分が設定されている理由は、以下の通りである。すなわち、送信装置120、座板スイッチ110、及び受信装置130は、設置環境や設置誤差に応じて様々な位置に設置され得るので、送信装置120、座板スイッチ110、及び受信装置130等が上記様々な位置のうちいずれの位置に設置された場合でも、座板スイッチ110と送信装置120とを確実に接続できるようにするために、第2配線4の長さが比較的長く設定されるからである。また、余長収容部150を設けた理由は、以下の通りである。すなわち、上述したように、第2配線4の余長部分が設定されているので、上記余長収容部150を設けない場合には、設置状態において、第2配線4の余長部分を誘導溝部126に収容することができず、第2配線4の余長部分が外部に露出することで、送信装置120及びその周辺の意匠性が低下したり、第三者等によって第2配線4がいたずらされるおそれがあることから、このような問題を回避するためである。
また、余長収容部150の設置方法については、実施の形態では、送信装置120の筐体121の側部のうち、設置状態において当該送信装置120の周辺に配置される周辺部材によって覆われる側部(図4では、筐体121の前側側部121a)に設けている。ここで、「周辺部材」とは、例えば、座板スイッチ110、座板31、シャッターカーテン30等を含む概念であるが、実施の形態では、座板スイッチ110として説明する。このような設置により、設置状態において第2配線4の余長部分が外部に露出することを抑制できる。これにより、送信装置120及びその周辺の意匠性が低下することを回避できると共に、第2配線4に対するいたずらを防止することができるので、送信装置120及びその周辺の意匠性を維持しながら、第2配線4の収容性を向上させることが可能になる。なお、上述した「筐体121の前側側部121a」は、特許請求の範囲における「対象側部」に対応する。
また、この設置方法の詳細については、具体的には、図4に示すように、余長収容部150を、筐体121の前側側部121aの部分のうち送信装置120の電源部に対応する部分以外の部分に設けており、より具体的には、筐体121の前側側部121aのうち、送信装置120の回路基板に対応する部分であって誘導溝部126及び配線挿通孔125と重複しない部分に設けている。これにより、送信装置120の電源部が、送信装置120に内蔵される電子部品の中でも比較的厚みを有する部品であることからすると、余長収容部150を筐体121の前側側部121aの部分のうち電源部に対応する部分に設ける場合に比べて、筐体121のサイズを維持しながら、余長収容部150の設置スペースを確保することが容易となることから、送信装置120の意匠性を一層維持することができる。
また、余長収容部150の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、以下の通りに構成されている。まず、余長収容部150は、第1溝部151、第2溝部152、第3溝部153、第4溝部154、及び第5溝部155を備えており、第1溝部151から第5溝部155によって第2配線4が非直線状に収容されるように、第1溝部151から第5溝部155が形成されている。具体的には、図4に示すように、これら第1溝部151から第5溝部155及び誘導溝部126が組み合わされた形状が梯子状になるように、第1溝部151から第5溝部155が連結して形成されている。より具体的には、第1溝部151は、上下方向に略沿った溝部であり、誘導溝部126から第5溝部155に至るように形成されている。また、第2溝部152は、上下方向に略沿った溝部であり、第1溝部151よりも配線挿通孔125側の位置において、誘導溝部126から第5溝部155に至るように形成されている。また、第3溝部153は、上下方向に略沿った溝部であり、第2溝部152よりも配線挿通孔125側の位置において、誘導溝部126から第5溝部155に至るように形成されている。また、第4溝部154は、上下方向に略沿った溝部であり、第3溝部153よりも配線挿通孔125側の位置において、誘導溝部126から第5溝部155に至るように形成されている。また、第5溝部155は、左右方向に略沿った直線状の溝部であり、配線挿通孔125よりも上方側の位置において、第1溝部151から配線挿通孔125に至るように形成されている。このような構成により、例えば、図5(a)及び図5(b)(あるいは、図5(c)及び図5(d)、又は図5(e)及び図5(f))に示すように、第2配線4を全体として非直線状に収容することができるので(特に、第2配線4の余長部分を波形状(又は、略円環状等の略環状)に収容することができる)、第2配線4を全体として直線状に収容する場合に比べて第2配線4の余長部分の収容量を高めることができ、第2配線4の収容性を一層向上させることができる。特に、実施の形態では、第1溝部151から第5溝部155等の複数の溝部を設けているので、1つの溝部のみを設けた場合に比べて第2配線4の余長部分の収容量を高めることができると共に、図5(a)、図5(c)、及び図5(e)に示すように、第2配線4の余長部分の収容パターンに応じて第2配線4の余長部分の収容量を調整することができるので、第2配線4の収容性をさらに一層向上させることができる。なお、図5(a)に示す第2配線4の収容の詳細については、図2と対応するように、誘導溝部126の右端部から配線挿通孔125に至るように収容されている。また、図5(c)及び図5(e)に示す第2配線4の収容の詳細については、図5(a)とは逆側(すなわち、誘導溝部126の左端部)から配線挿通孔125に至るように収容されている(なお、図6(b)、図6(c)、図7(b)、図8(b)、及び図9(b)に示す第2配線4の収容の詳細についても同様とする)。
また、図4に戻り、実施の形態では、図4、図5に示すように、第1溝部151から第5溝部155の各々の幅は、第2配線4の幅と略同一に設定されている。また、第1溝部151から第5溝部155の各々の深さは、第2配線4の幅と略同一に設定されている。ここで、「第2配線4の幅と略同一に設定」とは、例えば、第2配線4が弾性を有する場合には、各溝部の幅又は深さが、第2配線4の幅と同一の長さに設定されることや、第2配線4が各溝部に押し込まれることにより、第2配線4が押圧変形した状態で各溝部に収納可能となる程度に、第2配線4の幅よりも若干短い長さに設定されること等が該当する。また、第2配線4が弾性を有しない場合には、各溝部の幅又は深さが、第2配線4の幅と同一の長さに設定されること等が該当する。このような構成により、第2配線4が余長収容部150から外れることを抑制でき、第2配線4の収容性をさらに一層向上させることができる。ただし、このような構成に限られず、例えば、第1溝部151から第5溝部155の各々の幅が、第2配線4の幅よりも長く設定されてもよい(なお、後述する図6から図8の余長収容部150についても同様とする)。あるいは、第1溝部151から第5溝部155及び誘導溝部126の各々の深さが、第2配線4の幅よりも長く設定されてもよく、一例として、第2配線4の幅の2〜4倍程度の長さに設定されてもよい(なお、後述する図6から図8の余長収容部150についても同様とする)。このような構成により、第2配線4の余長部分を第1溝部151から第5溝部155及び誘導溝部126の各々に積層状に収容することができるので、第2配線4の余長部分の収容量を高めることが可能となる。
また、実施の形態では、第1溝部151から第5溝部155の各々における側壁部分の端部のうち周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、第1溝部151から第5溝部155が形成されている。具体的には、図4に示すように、上記側壁部分を含む第1凸部161、第2凸部162、第3凸部163、第4凸部164、第5凸部165、第6凸部166、及び第7凸部167の各々の前端部が座板スイッチ110(具体的には、座板スイッチ110の上座板部111)と当接するように、第1溝部151から第5溝部155が形成されている。この場合において、これら第1凸部161から第7凸部167の各々の前端部は、送信装置120の筐体121の前側側部121aのうち最前側の部分と面一となるように、第1凸部161から第7凸部167が形成されている。また、例えば、第5凸部165、第6凸部166、及び第7凸部167の各々の前端部が、例えば可撓性を有する公知の緩衝材(一例として、エプトシーラ等)を介して周辺部材と当接させることにより、余長収容部150によって形成される収容空間の密閉性を高めてもよい。このような構成により、第2配線4が余長収容部150から外れることを抑制できるので、第2配線4の収容性を向上させることができる。また、筐体121を周辺部材に対して安定して支持することができ、筐体121の設置性を向上させることが可能となる。また、余長収容部150によって形成される収容空間を略密閉状態にすることができ、当該収容空間内に異物(例えば、埃や塵等)が入ることを抑制することが可能となる。ただし、このような構成に限られず、例えば、送信装置120が筐体121の下側側部121fに対して固定されている場合には、第1溝部151から第5溝部155の各々における側壁部分の端部のうち周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接しないように、第1溝部151から第5溝部155が形成されてもよい。
また、このように構成された余長収容部150は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、公知の樹脂成形方法(一例として、射出成形方法等)を用いて、送信装置120の筐体121(特に、筐体121の前側側部121a)と、余長収容部150とを一体的に形成してもよい。これにより、筐体121の前側側部121aと余長収容部150とを別体に設けた場合に比べて、余長収容部150を筐体121の前側側部121aに取り付ける手間を省略できるので、収容構造の製造性を向上させることが可能となる。ただし、これに限られず、例えば、公知の樹脂成形方法を用いて、筐体121と、余長収容部150を含む付属部材とそれぞれ個別に形成した後に、筐体121の前側側部121aに対して付属部材を固定具等によって接続することで製造してもよい。
(構成−第2配線の取付方法)
続いて、第2配線4の取付方法について説明する。なお、この第2配線4の取付方法の前提としては、送信装置120が座板に設置されていないものとして説明する。
まず、送信装置120の筐体121から蓋部121hを取り外し、送信装置120の回路基板にケーブル(図示省略)を介して取り付けられたコネクタ(図示省略)を当該ケーブルと共に筐体121から取り出す。次に、座板スイッチ本体113からの第2配線4に取り付けられたコネクタ(図示省略)を、座板スイッチ110の挿通孔111a及び送信装置120の筐体121の配線挿通孔125を介して回路基板のコネクタと接続する。次いで、回路基板のコネクタ及びケーブルを筐体121に収容して蓋部121hを筐体121に取り付けた後、送信装置120を仮設置する(具体的には、単に座板スイッチ110の上座板部111の所定位置に載置する)。続いて、第2配線4を誘導溝部126及び第1溝部151から第5溝部155に収容する。この場合において、図5に示すように、第1溝部151から第5溝部155によって第2配線4が非直線状に収容されるので、第2配線4を直線状に収容する場合に比べて、第2配線4の余長部分の収容量を高めることができる。そして、送信装置120を座板31に本設置する(具体的には、座板バー32に対して固定具によって固定する)。これにて、第2配線4の取付が終了する。このような取付方法により、設置状態において第2配線4の余長部分が外部に露出することを抑制できるので、送信装置120及びその周辺の意匠性が低下することを回避できると共に、第2配線4に対するいたずらを防止することができる。
(構成−その他の構成)
また、この他にも、余長収容部150は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。
具体的には、実施の形態では、余長収容部150が、送信装置120の筐体121の前側側部121aに設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、余長収容部150は、設置状態において座板スイッチ110によって覆われる筐体121の下側側部121fに設けられてもよい。あるいは、座板31又は座板スイッチ110に設けられたカバー材であって、設置状態において、筐体121の上側側部121b、後側側部121c、左側側部121d、又は右側側部121eを覆うためのカバー材が設けられている場合には、余長収容部150は、上側側部121b、後側側部121c、左側側部121d、又は右側側部121eに設けられてもよい。この場合において、上述した「カバー材」は、特許請求の範囲における「周辺部材」に対応する。また、設置状態において座板スイッチ110又はカバー材によって覆われる、上述した「筐体121の上側側部121b、後側側部121c、左側側部121d、右側側部121e、又は下側側部121f」は、特許請求の範囲における「対象側部」に対応する。
また、実施の形態では、余長収容部150が、筐体121の前側側部121aの部分のうち、送信装置120の回路基板に対応する部分に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、回路基板の厚みが比較的厚い場合には、余長収容部150は、筐体121の前側側部121aの部分のうち、回路基板及び送信装置120の電源部に対応する部分以外の部分(一例として、回路基板と電源部との相互間の間に対応する部分等)に設けられてもよい。あるいは、複数の回路基板が積層状に設けられている場合において、積層状の回路基板の厚みが電源部の厚みよりも厚い場合には、余長収容部150は、筐体121の前側側部121aの部分のうち、電源部に対応する部分に設けられてもよい。すなわち、送信装置120に複数の電子部品が内蔵されている場合において、余長収容部150は、筐体121の前側側部121aの部分のうち、複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品(具体的には、単体の部品や、積層された複数の部品等が該当する)に対応する部分以外の部分に設けられてもよい。このような構成により、余長収容部150を対象側部の部分のうち複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品に対応する部分に設ける場合に比べて、送信装置120の筐体121のサイズを維持しながら、余長収容部150の設置スペースを確保することが容易となることから、送信装置120の意匠性を維持することができる。
また、実施の形態では、余長収容部150が、5つの溝部(具体的には、第1溝部151から第5溝部155)を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、余長収容部150は、6つ以上の溝部を備え、これら6つ以上の溝部によって第2配線4が非直線状に収容されるように、6つ以上の溝部が形成されてもよい。一例として、図6(a)に示すように、余長収容部150は、第1溝部151から第6溝部156を備えている。このうち、第1溝部151は、上下方向に略沿った溝部であり、誘導溝部126から第5溝部155を介して第6溝部156に至るように形成されている。また、第2溝部152は、上下方向に略沿った溝部であり、第1溝部151よりも配線挿通孔125側の位置において、誘導溝部126から第5溝部155を介して第6溝部156に至るように形成されている。また、第3溝部153は、上下方向に略沿った溝部であり、第2溝部152よりも配線挿通孔125側の位置において、誘導溝部126から第5溝部155を介して第6溝部156に至るように形成されている。また、第4溝部154は、上下方向に略沿った溝部であり、第3溝部153よりも配線挿通孔125側の位置において、誘導溝部126から第5溝部155を介して第6溝部156に至るように形成されている。また、第5溝部155は、左右方向に略沿った直線状の溝部であり、誘導溝部126と第6溝部156との相互間の位置において、第1溝部151から配線挿通孔125に至るように形成されている。また、第6溝部156は、左右方向に略沿った直線状の溝部であり、配線挿通孔125よりも上方側の位置において、第1溝部151から配線挿通孔125に至るように形成されている。このような構成により、実施の形態に係る余長収容部150に比べて溝部の数が多いことから、第2配線4の余長部分の収容量を高めることができる。また、実施の形態に係る余長収容部150に比べて第2配線4の余長部分の収容パターンが多いことから(具体的には、図6(b)に示すような実施の形態に係る余長収容部150と同様の収容パターンに加えて、第5溝部155によって第1溝部151から第4溝部154が分断されているので、図6(c)に示すような収容パターンで収容できる)、第2配線4の余長部分の収容量を一層細かく調整できる。よって、第2配線4の収容性をさらに一層向上させることができる。あるいは、余長収容部150は、5つ未満の溝部を備えてもよい。一例として、図4の第1溝部151から第4溝部154のいずれか1つ(あるいは、2つ又は3つ)を省略してもよい。又は、図7(a)、図7(b)に示すように、余長収容部150は、1つの屈曲状の溝部158のみを備えてもよい。
また、実施の形態では、余長収容部150は、第1溝部151から第5溝部155を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、図8(a)に示すように、余長収容部150は、1つの溝部170と、溝部170内において相互に間隔を隔てて設けられた複数組のピン部171a〜171dであって、各組のピン部171a〜171dの少なくとも一部の外縁部分に第2配線4の余長部分を巻き付けることにより、図8(b)に示すように、第2配線4の余長部分が略波形状(又は、略円環状等の略環状)に収容可能となるように配置された複数組のピン部171a〜171d(又は、1組のピン部171a〜171d)とを備えてもよい。あるいは、図9(a)に示すように、余長収容部150は、1つの溝部170と、溝部170内において相互に間隔を隔てて設けられた複数組の爪部172a〜172dであって、各組の爪部172a〜172dの少なくとも一部の内縁部分にて第2配線4の余長部分を係止することにより、図9(b)に示すように、第2配線4の余長部分が略波形状(又は、略円環状等の略環状)に収容可能となるように配置された複数組の爪部172a〜172d(又は、1組の爪部172a〜172d)とを備えてもよい。これらの構成により、実施の形態に係る余長収容部150と略同一の収容性を有しながら、実施の形態に係る余長収容部150の各種の凸部に比べて、ピン部171a〜171d又は爪部172a〜172dの方がコンパクトに形成することができる。なお、その他の構成として、例えば、余長収容部150は、1つの溝部170と、1つ以上の組のピン部171a〜171dと、1つ以上の組の爪部172a〜172dとを備えてもよい。また、例えば、座板スイッチ110の上座板部111の側部のうち、送信装置120側の側部(例えば、上座板部111の後側側部)が部屋の室外側に向けて凹状に形成されている場合には、余長収容部150は、上記複数組のピン部171a〜171d(又は上記複数組の爪部172a〜172d)のみを備えてもよい。また、例えば、爪部172a〜172dの各々には、係止部分が当該爪部の内縁側に設けられることに加えて、当該爪部の外縁側に設けられてもよい。
(効果)
このように実施の形態によれば、電子機器の筐体121の側部のうち、設置状態において当該電子機器の周辺に配置される周辺部材によって覆われる対象側部に、配線の余長部分を収容するための余長収容部150を設けたので、設置状態において配線の余長部分が外部に露出することを抑制できる。これにより、電子機器及びその周辺の意匠性が低下することを回避できると共に、配線に対するいたずらを防止することができるので、電子機器及びその周辺の意匠性を維持しながら、配線の収容性を向上させることが可能になる。
また、余長収容部150を、対象側部の部分のうち電子機器の電源部に対応する部分以外の部分に設けたので、電子機器の電源部が電子機器に内蔵される電子部品の中でも比較的厚みを有する部品であることからすると、余長収容部150を対象側部の部分のうち電子機器の電源部に対応する部分に設ける場合に比べて、電子機器の筐体121のサイズを維持しながら、余長収容部150の設置スペースを確保することが容易となることから、電子機器の意匠性を一層維持することができる。
また、設置状態において余長収容部150の端部のうち周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、当該余長収容部150を形成したので、配線が余長収容部150から外れることを抑制でき、配線の収容性を一層向上させることができる。また、電子機器の筐体121を周辺部材に対して安定して支持することができ、筐体121の設置性を向上させることが可能となる。また、余長収容部150によって形成される収容空間を略密閉状態にすることができ、当該収容空間内に異物(例えば、埃や塵等)が入ることを抑制することが可能となる。
また、第1溝部151から第5溝部155によって配線が非直線状に収容されるように、当該第1溝部151から第5溝部155を形成したので、配線を直線状に収容する場合に比べて配線の余長部分の収容量を高めることができ、配線の収容性をさらに一層向上させることができる。
また、第1溝部151から第5溝部155の幅を、配線の幅と略同一としたので、配線が余長収容部150から外れることを抑制でき、配線の収容性をさらに一層向上させることができる。
また、余長収容部150を、対象側部と一体に形成したので、筐体121の対象側部と余長収容部150とを別体に設けた場合に比べて、余長収容部150を対象側部に取り付ける手間を省略できるので、収容構造の製造性を向上させることが可能となる。
また、電子機器は、シャッターカーテン30の閉鎖方向側の端部又はその近傍部分に設置された送信装置120であり、シャッターカーテン30に対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置130に向けて送信する送信装置120であり、余長収容部150は、送信装置120に対して外部から接続された第2配線4の余長部分を収容するので、送信装置120の設置状態において第2配線4の余長部分が外部に露出することを抑制でき、送信装置120及びその周辺の意匠性を維持できると共に、第2配線4に対するいたずらを防止することができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(送信装置について)
上記実施の形態では、送信装置120が座板31に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、送信装置120は、座板31の近傍部分に設けられてもよく、一例として、シャッターカーテン30の最下方側のスラット30aに設けられてもよい。この場合において、シャッターカーテン30又は座板31が、特許請求の範囲における「周辺部材」に対応する。
また、上記実施の形態では、送信装置120が座板バー32の右端部の近傍部分に設けられている(すなわち、建物の屋内側から見て右側に設けられている)と説明したが、これに限られない。例えば、開閉機40が建物の屋内側から見て左側に位置する場合には、送信装置120は、建物の屋内側から見て左側に設けられてもよい。この場合において、第2配線4の収容の詳細については、図5(c)及び図5(e)に示すように、誘導溝部126の左端部から配線挿通孔125に至るように収容されてもよく、あるいは、図5(a)に示すように、誘導溝部126の右端部から配線挿通孔125に至るように収容されてもよい。
(受信装置について)
上記実施の形態では、受信装置130の筐体131が、まぐさ11bに取り付けられていると説明したが、これに限られず、例えば、シャッター収納部10(一例として、シャッター収納部10の下端部等)に取り付けられてもよい。
(余長収容部について)
上記実施の形態では、余長収容部150に収容される配線が、送信装置120に対して座板スイッチ本体113から接続された第2配線4であると説明したが、これに限られない。例えば、送信装置120が電波信号を送信する電波式の送信装置120であることで、送信装置120の近傍に外付け電源部が設けられる場合には、送信装置120に対して外付け電源部から接続された配線の余長部分を収容してもよい。
また、上記実施の形態では、余長収容部150が送信装置120の筐体121に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、制御装置140と受信装置130とを接続する第1配線3の余長部分を収容するために、余長収容部150が受信装置130の筐体131に設けられてもよい。この場合には、筐体131の側部のうち、受信装置130が設置された状態において当該受信装置130の周辺に配置される周辺部材によって覆われる側部に設けられ、一例として、設置状態においてまぐさ11bによって覆われる上側側部に設けられる。このような構成により、受信装置130が設置された状態において、第1配線3の余長部分が外部に露出することを抑制できるので、受信装置130及びその周辺の意匠性を維持できると共に、第1配線3に対するいたずらを防止することができる。この場合において、上述した「まぐさ11b」は、特許請求の範囲における「周辺部材」に対応する。また、上述した「筐体131の上側側部」は、特許請求の範囲における「対象側部」に対応する。
(付記)
付記1の配線の収容構造は、建物の開口部を開閉する開閉体又はその近傍に設置された電子機器に対して接続された配線を収容するための収容構造であって、前記電子機器の筐体の側部のうち、当該電子機器が設置された設置状態において当該電子機器の周辺に配置される周辺部材によって覆われる対象側部に、前記配線の余長部分を収容するための余長収容手段を設けた。
付記2の配線の収容構造は、付記1に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段を、前記対象側部の部分のうち、前記電子機器に内蔵されている複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品に対応する部分以外の部分に設けた。
付記3の配線の収容構造は、付記1又は2に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段を、前記対象側部の部分のうち前記電子機器の電源部に対応する部分以外の部分に設けた。
付記4の配線の収容構造は、付記1から3のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記設置状態において前記余長収容手段の端部のうち前記周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、当該余長収容手段を形成した。
付記5の配線の収容構造は、付記1から4のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段は、少なくとも1つ以上の溝部を備え、前記少なくとも1つ以上の溝部によって前記配線が非直線状に収容されるように、当該少なくとも1つ以上の溝部を形成した。
付記6の配線の収容構造は、付記5に記載の配線の収容構造において、前記少なくとも1つ以上の溝部の幅を、前記配線の幅と略同一とした。
付記7の配線の収容構造は、付記5又は6に記載の配線の収容構造において、前記少なくとも1つ以上の溝部の深さを、前記配線の幅よりも長くした。
付記8の配線の収容構造は、付記1から7のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記余長収容手段を、前記対象側部と一体に形成した。
付記9の配線の収容構造は、付記1から8のいずれか一項に記載の配線の収容構造において、前記開閉体は、シャッターカーテンであり、前記電子機器は、前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部又はその近傍部分に設置された送信装置であり、前記シャッターカーテンに対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置に向けて送信する送信装置であり、前記余長収容手段は、前記送信装置に対して外部から接続された前記配線の余長部分を収容する。
(付記の効果)
付記1に記載の配線の収容構造によれば、電子機器の筐体の側部のうち、設置状態において当該電子機器の周辺に配置される周辺部材によって覆われる対象側部に、配線の余長部分を収容するための余長収容手段を設けたので、設置状態において配線の余長部分が外部に露出することを抑制できる。これにより、電子機器及びその周辺の意匠性が低下することを回避できると共に、配線に対するいたずらを防止することができるので、電子機器及びその周辺の意匠性を維持しながら、配線の収容性を向上させることが可能になる。
付記2に記載の配線の収容構造によれば、余長収容手段を対象側部の部分のうち複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品に対応する部分に設ける場合に比べて、電子機器の筐体のサイズを維持しながら、余長収容手段の設置スペースを確保することが容易となることから、電子機器の意匠性を維持することができる。
付記3に記載の配線の収容構造によれば、余長収容手段を、対象側部の部分のうち電子機器の電源部に対応する部分以外の部分に設けたので、電子機器の電源部が電子機器に内蔵される電子部品の中でも比較的厚みを有する部品であることからすると、余長収容手段を対象側部の部分のうち電子機器の電源部に対応する部分に設ける場合に比べて、電子機器の筐体のサイズを維持しながら、余長収容手段の設置スペースを確保することが容易となることから、電子機器の意匠性を一層維持することができる。
付記4に記載の配線の収容構造によれば、設置状態において余長収容手段の端部のうち周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、当該余長収容手段を形成したので、配線が余長収容手段から外れることを抑制でき、配線の収容性を一層向上させることができる。また、電子機器の筐体を周辺部材に対して安定して支持することができ、筐体の設置性を向上させることが可能となる。また、余長収容手段によって形成される収容空間を略密閉状態にすることができ、当該収容空間内に異物(例えば、埃や塵等)が入ることを抑制することが可能となる。
付記5に記載の配線の収容構造によれば、少なくとも1つ以上の溝部によって配線が非直線状に収容されるように、当該少なくとも1つ以上の溝部を形成したので、配線を直線状に収容する場合に比べて配線の余長部分の収容量を高めることができ、配線の収容性をさらに一層向上させることができる。
付記6に記載の配線の収容構造によれば、少なくとも1つ以上の溝部の幅を、配線の幅と略同一としたので、配線が余長収容手段から外れることを抑制でき、配線の収容性をさらに一層向上させることができる。
付記7に記載の配線の収容構造によれば、少なくとも1つ以上の溝部の深さを、配線の幅よりも長くしたので、配線の余長部分の収容量を高めることができ、配線の余長部分の収容性をさらに一層向上させることができる。
付記8に記載の配線の収容構造によれば、余長収容手段を、対象側部と一体に形成したので、筐体の対象側部と余長収容手段とを別体に設けた場合に比べて、余長収容手段を対象側部に取り付ける手間を省略できるので、収容構造の製造性を向上させることが可能となる。
付記9に記載の配線の収容構造によれば、電子機器は、シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部又はその近傍部分に設置された送信装置であり、シャッターカーテンに対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置に向けて送信する送信装置であり、余長収容手段は、送信装置に対して外部から接続された配線の余長部分を収容するので、送信装置の設置状態において配線の余長部分が外部に露出することを抑制でき、送信装置及びその周辺の意匠性を維持できると共に、配線に対するいたずらを防止することができる。
1 シャッター装置
2 開口部
3 第1配線
4 第2配線
5 天井
10 シャッター収納部
11a まぐさ
11b まぐさ
12 まぐさ開口
20 ガイドレール
21 第1側片
22 第2側片
23 第3側片
30 シャッターカーテン
30a スラット
30b 嵌合部
31 座板
32 座板バー
33 嵌合部
35 揺止部材
40 開閉機
50 操作装置
100 障害物検知システム
110 座板スイッチ
111 上座板部
111a 挿通孔
112 下座板部
113 座板スイッチ本体
120 送信装置
121 筐体
121a 前側側部
121b 上側側部
121c 後側側部
121d 左側側部
121e 右側側部
121f 下側側部
121g 取付孔
121h 蓋部
122 第1収容部
123 第2収容部
124 透光部
125 配線挿通孔
126 誘導溝部
127 排気孔
128 排気溝部
129 水抜溝部
130 受信装置
131 筐体
140 制御装置
150 余長収容部
151 第1溝部
152 第2溝部
153 第3溝部
154 第4溝部
155 第5溝部
156 第6溝部
158 溝部
161 第1凸部
162 第2凸部
163 第3凸部
164 第4凸部
165 第5凸部
166 第6凸部
167 第7凸部
170 溝部
171a、171b、171c、171d ピン部
172a、172b、172c、172d 爪部

Claims (8)

  1. 建物の開口部を開閉する開閉体又はその近傍に設置された電子機器に対して接続された配線を収容するための収容構造であって、
    前記電子機器の筐体の側部のうち、当該電子機器が設置された設置状態において当該電子機器の周辺に配置される周辺部材によって覆われる対象側部に、前記配線の余長部分を収容するための余長収容手段を設け、
    前記余長収容手段は、
    複数の凸部と、
    前記凸部同士の間に形成される複数の溝部と、を備え、
    前記複数の溝部によって前記配線が非直線状に収容されるように、当該複数の溝部を形成し、
    前記複数の凸部は、
    前記余長収容手段の縁端部のうち第1の縁端部の略全長にわたって設けられる第1の凸部と、
    前記余長収容手段の縁端部のうち前記第1の縁端部と対向するように位置する第2の縁端部の略全長にわたって設けられる第2の凸部と、
    前記第1の凸部と前記第1の凸部との相互間において複数設けられる第3の凸部と、を含み、
    前記第1の凸部と前記第3の凸部との相互間、前記第2の凸部と前記第3の凸部との相互間、及び前記第3の凸部同士の相互間に位置する前記複数の溝部の各々の幅を、前記配線の幅と略同一とした、
    配線の収容構造。
  2. 前記複数の溝部は、
    前記第1の凸部と前記第3の凸部との相互間に位置する第1の溝部を含む、
    請求項1に記載の配線の収容構造。
  3. 前記余長収容手段を、前記対象側部の部分のうち、前記電子機器に内蔵されている複数の電子部品の中で最も厚みがある電子部品に対応する部分以外の部分に設けた、
    請求項1又は2に記載の配線の収容構造。
  4. 前記余長収容手段を、前記対象側部の部分のうち前記電子機器の電源部に対応する部分以外の部分に設けた、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の配線の収容構造。
  5. 前記設置状態において前記余長収容手段の端部のうち前記周辺部材側の端部が当該周辺部材と当接するように、当該余長収容手段を形成した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の配線の収容構造。
  6. 前記複数の溝部の少なくともいずれか1つの深さを、前記配線の幅よりも長くした、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の配線の収容構造。
  7. 前記余長収容手段を、前記対象側部と一体に形成した、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の配線の収容構造。
  8. 前記開閉体は、シャッターカーテンであり、
    前記電子機器は、前記シャッターカーテンの閉鎖方向側の端部又はその近傍部分に設置された送信装置であり、前記シャッターカーテンに対する障害物の検知状態を示す情報を含む信号を受信装置に向けて送信する送信装置であり、
    前記余長収容手段は、前記送信装置に対して外部から接続された前記配線の余長部分を収容する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の配線の収容構造。
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