JP6936127B2 - 前処理剤組成物、記録方法、記録媒体及び記録媒体の製造方法 - Google Patents

前処理剤組成物、記録方法、記録媒体及び記録媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、前処理剤組成物、記録方法、記録媒体及び記録媒体の製造方法に関し、より詳細には、軟包装材等、インクの吸収性が小さい基材に対し、優れたインク定着性と耐滲み性を付与することができ、更に良好な密着性を示す前処理層の形成が可能な前処理剤組成物、記録方法、記録媒体及び記録媒体の製造方法に関する。
軟包装用フィルム(軟包装材)に対する印刷方法としては、これまでのところグラビア印刷やフレキソ印刷が主流である。また、近年、デジタル印刷市場の拡大に伴い、UV(Ultra Violet)インクジェット印刷による印刷方法が提案されている。しかし、UVインクジェット印刷に於いては、UVインクに含有されるモノマーのうち、印刷物に残った未反応モノマーが人体に悪影響を及ぼすといった問題がある。そのため、モノマーを含まない水性インクを用いたインクジェット方式による軟包装材の印刷が発表される等、人体に対して悪影響の小さい印刷方法に注目が集まっている。
しかし、一般に軟包装用フィルムは紙と異なって表面が疎水性となっており、水性インクの吸収性が小さい。そのため、水性インクが軟包装用フィルム上に定着するのは困難となっている。そこで、軟包装用フィルム上にプライマー層(前処理層)と呼ばれるインク浸透層又はインク受容層を設け、これにより、水性インクが軟包装用フィルムに定着するのを可能にしている。ここで、インク浸透層は水性インクを当該インク浸透層に浸透させることで、軟包装用フィルムの表面に水性インクが残存しない効果を有する。一方、インク受容層は、カチオン性物質や金属塩、水溶性樹脂を含むことにより、これらが水性インクを定着させる効果を有する。
現在、電子写真方式の軟包装用フィルム向けのプライマー層は、後加工を考慮して1μm前後の厚さで、軟包装用フィルム上に形成される。一方、写真光沢紙に形成される、インクジェット印刷方式用のインク受容層はシリカ等の粒子を用いるものであり(例えば、下記特許文献1参照。)、インク受容層の厚さは30μm以上となっている。そのため、インクジェット印刷方式用のインク受容層を、電子写真方式用のインク受容層と同等の厚さで軟包装用フィルムに密着性良く形成し、当該インク受容層に水性インクを定着させることは困難であるという問題がある。
特開2005−262797号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、滲みやビーディングの発生を抑制しつつインクを良好に定着させ、かつ、基材に対して良好な密着性を示す前処理層を形成することが可能な前処理剤組成物、記録方法、記録媒体及び記録媒体の製造方法を提供することにある。
本発明に係る前処理剤組成物は、前記の課題を解決する為に、記録媒体に於ける基材の少なくとも一方の面に対し、前処理を行うための前処理剤組成物であって、少なくとも1種の多価金属塩と、エマルジョン状態のロジン系樹脂とを少なくとも含み、前記多価金属塩の含有量が、前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%〜10質量%であり、前記ロジン系樹脂の含有量が、前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%〜10質量%である。
前記構成の前処理剤組成物は、当該前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%以上のロジン系樹脂を含有することにより、基材表面に対して良好な密着性を示す前処理層の形成を可能にする。また、前処理剤組成物は、当該前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%以上の多価金属塩を含有することにより、インクの定着性に優れた前処理層の形成を可能にする。更に、この多価金属塩を含有することで、インクの固体成分(具体的には、顔料等の色材やアニオン性の樹脂等)の粒子を凝集させることが可能な前処理層を形成することができる。その結果、隣接するインクの液滴同士(あるいは隣接するドット同士)が表面張力等により引き合い、凝集してビーディングや滲みが発生するのを低減することができる。また、ドット径の安定性に優れ、良好な画質の画像を形成することが可能な前処理層を実現することができる。
尚、ロジン系樹脂の含有量を、前処理剤組成物の全質量に対し10質量%以下にすることにより、前処理剤組成物中に於けるロジン系樹脂の分散性の低下を抑制し、沈降や発泡等が発生するのを低減することができる。また、多価金属塩の含有量を、前処理剤組成物の全質量に対し10質量%以下にすることにより、多価金属塩の不溶分の発生を抑制し、ロジン系樹脂が良好なエマルジョン状態で存在するのを維持することができる。
前記の構成に於いては、前記多価金属塩が、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、チタン塩、マンガン塩、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、亜鉛塩、スズ塩及びバリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
更に前記の構成に於いては、前記カルシウム塩が、乳酸カルシウム及び酢酸カルシウムであることが好ましい。
また前記の構成に於いては、前記ロジン系樹脂が、以下の化合物(A)又は(B)の少なくとも何れかであることが好ましい。
化合物(A):ガムロジン、トール油ロジン及びウッドロジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のロジン類;
化合物(B):水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、フェノール変性ロジン、不飽和カルボン酸変性ロジン及びロジンエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のロジン誘導体
また、前記の構成に於いては、前記エマルジョン状態のロジン系樹脂の平均分散粒子径が3μm以下であることが好ましい。これにより、基材上に前処理剤組成物を用いて前処理層を形成した場合に、厚さが電子写真方式用のインク受容層と同等以上の、極めて薄い前処理層を形成することができる。
本発明の記録方法は、前記の課題を解決する為に、記録媒体上に画像を形成する記録方法であって、前記画像の形成前の記録媒体に於ける基材の少なくとも一方の面上に、前記前処理剤組成物からなる前処理剤を付与する前処理剤付与工程と、前記前処理剤付与工程において付与された前記前処理剤を乾燥させて、前処理層を形成する前処理層形成工程とを含む。
前記構成の記録方法は、画像形成前の記録媒体に於ける基材の少なくとも一方の面に対して、前処理を行うことを含む。より具体的には、基材の少なくとも一方の面上に、前処理剤組成物からなる前処理剤を付与し、その後、当該前処理剤を乾燥させることで、基材上に前処理層を形成するものである。ここで、前処理剤組成物として、当該前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%以上のロジン系樹脂を含有するものを用いることにより、基材表面に対して良好な密着性を示す前処理層を形成することができる。また、前処理剤組成物として、当該前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%以上の多価金属塩を含有するものを用いることにより、インクの定着性に優れた前処理層を形成することができる。更に、前処理剤組成物として多価金属塩を含有するものを用いるので、形成された前処理層にインクが付着した場合には、多価金属塩に由来する多価金属イオンが、当該インクの固体成分(具体的には、顔料等の色材やアニオン性の樹脂等)の粒子を凝集させることができる。その結果、隣接するインクの液滴同士(あるいは隣接するドット同士)が表面張力等により引き合い、凝集してビーディングや滲みが発生するのを低減することができる。また、ドット径の安定性にも優れ、印刷画像の画質低下を抑制することが可能な前処理層を形成することができる。
尚、前処理剤組成物として、ロジン系樹脂の含有量が当該前処理剤組成物の全質量に対し10質量%以下のものを用いることにより、前処理剤組成物中に於けるロジン系樹脂の分散性が低下して、沈降や発泡等が発生するのを低減することができる。また、前処理剤組成物として、多価金属塩の含有量が前処理剤組成物の全質量に対し10質量%以下のものを用いることにより、多価金属塩の不溶分の発生を抑制し、ロジン系樹脂が良好なエマルジョン状態で存在するのを維持することができる。
前記の構成に於いては、前記前処理剤付与工程の直後であって、前記前処理層形成工程の前に、前記基材の少なくとも一方の面上に付与された前記前処理剤上に、インクを付与する第1インク付与工程を更に含み、前記前処理層形成工程は、前記前処理剤と共に、当該前処理剤上に付与された前記インクを乾燥させる工程とすることができる。
前記の構成によれば、インクの付与は、基材の少なくとも一方の面上に付与された前処理剤に対して行われる。前処理剤には、多価金属がイオン状態で存在しており、そのような前処理剤にインクが付着すると、インクの固体成分の粒子は、多価金属塩由来の多価金属イオンの反対電荷による電気的作用により凝集する。そして、この凝集は、前処理剤が固化して形成された前処理層に対してインクを付与する場合よりも速やかに進行するため、インクの定着速度を向上させることができる。これにより、例えば、インクジェット方式で画像を高速で印刷する場合にも、隣接するインクの液滴同士(あるいは隣接するドット同士)が表面張力等により引き合い、凝集してビーディングや滲みが発生するのを抑制しつつ、インク定着性に優れた画像を形成することができる。
前記の構成に於いては、前記前処理層にインクを付与する第2インク付与工程と、前記前処理層に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程とを更に含むことができる。
前記の構成によれば、第2インク付与工程に於いて、前処理層上にインクを付与することにより、当該前処理層中に含まれる多価金属塩に由来する多価金属イオンがインクを凝集させる結果、滲みやビーディングを抑制しながら、インクを良好に定着させることができる。また、前処理層にはロジン系樹脂が含まれており、ロジン系樹脂は前処理層に対して基材への良好な密着性を付与しているので、耐剥離性に優れた画像の形成を可能にする。
更に、前記構成に於いては、前記基材が、インクに対して非吸収性又は難吸収性を示す基材であってもよい。
前処理層はロジン系樹脂を含む前処理剤組成物を用いて形成されるものであるため、基材がインクに対して非吸収性又は難吸収性を示すものであっても、前処理層に対し当該基材への良好な密着性を発現させることができる。これにより、インクに対し非吸収性又は難吸収性を示す基材にも、滲みやビーディングの発生を抑制しつつ、良好にインクを定着させ、耐剥離性に優れた画像を形成することができる。
また前記の構成に於いては、前記前処理剤付与工程、前記第1インク付与工程又は前記第2インク付与工程の少なくとも何れかの工程を、インクジェット記録方式により行うことができる。
さらに前記の構成に於いては、前記インクとして水性インクを用いることができる。
また本発明の記録媒体は、前記の課題を解決する為に、基材と、前記基材の少なくとも一方の面上に設けられた前処理層とを含む記録媒体であって、前記前処理層の少なくとも一部は前処理剤の乾燥皮膜からなり、前記前処理剤は、前記前処理剤組成物を含むものである。
本発明の記録媒体は、その基材の少なくとも一方の面に、前処理剤の乾燥被膜からなる前処理層が設けられた構成を有している。そして、前処理剤に含まれる前処理剤組成物は、多価金属塩及びロジン系樹脂を少なくとも含むものである。このうち、ロジン系樹脂は、前処理層の基材に対する密着性の向上に寄与する。また、多価金属塩は、前処理層に於けるインクの定着性を向上させることができる。更に、前処理層はこの多価金属塩を含有することで、前処理層に付着したインクの固体成分(例えば、顔料インク等)を凝集させることも可能であり、これにより隣接するインクの液滴同士が表面張力等により凝集して、ビーディングや滲みが発生するのを防止することができる。その結果、ドット径の安定性に優れ、良好な画質の画像を形成することができる。即ち、前記構成の記録媒体であると、例えば、基材が軟包装材等の場合であっても、インクのビーディングや滲みによる画質の低下が抑制され、印刷画像の定着性と耐剥離性に優れた記録媒体を提供することができる。
前記の構成に於いては、前記基材が、インクに対して非吸収性又は難吸収性の基材であってもよい。
前処理層はロジン系樹脂を含む前処理剤組成物を用いて形成されるものであるため、基材がインクに対して非吸収性又は難吸収性を示すものであっても、当該基材に対し良好な密着性を発現させることができる。これにより、インクに対して非吸収性又は難吸収性を示す基材であっても、インクを滲みや色ムラなく良好に定着させ、耐剥離性に優れた画像印刷を可能にする記録媒体を提供することができる。
本発明の記録媒体の製造方法は、前記の課題を解決する為に、基材と、前記基材の少なくとも一方の面上に設けられた前処理層とを含む記録媒体の製造方法であって、前記基材の少なくとも一方の面上に、前記前処理剤組成物からなる前処理剤を付与する前処理剤付与工程と、前記前処理剤付与工程において付与された前記前処理剤を乾燥させて、前処理層を形成する前処理層形成工程とを含む。
前記構成の製造方法は、基材の少なくとも一方の面上に、前処理剤組成物からなる前処理剤を付与し、その後、当該前処理剤を乾燥させることで、基材上に前処理層を形成するものである。ここで、前処理剤組成物として、当該前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%以上のロジン系樹脂を含有するものを用いることにより、基材表面に対して良好な密着性を示す前処理層を形成することができる。また、前処理剤組成物として、当該前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%以上の多価金属塩を含有するものを用いることにより、インクの定着性に優れた前処理層を形成することができる。更に、前処理剤組成物として多価金属塩を含有するものを用いるので、形成された前処理層にインクが付着した場合には、多価金属塩に由来する多価金属イオンが、当該インクの固体成分(具体的には、顔料等の色材やアニオン性の樹脂等)の粒子を凝集させることができる。その結果、隣接するインクの液滴同士(あるいは隣接するドット同士)が表面張力等により引き合い、凝集してビーディングや滲みが発生するのを低減することができる。また、ドット径の安定性にも優れ、印刷画像の画質低下を抑制することが可能な前処理層を形成することができる。
尚、前処理剤組成物として、ロジン系樹脂の含有量が当該前処理剤組成物の全質量に対し10質量%以下のものを用いることにより、前処理剤組成物中に於けるロジン系樹脂の分散性が低下して、沈降や発泡等が発生するのを低減することができる。また、前処理剤組成物として、多価金属塩の含有量が前処理剤組成物の全質量に対し10質量%以下のものを用いることにより、多価金属塩の不溶分の発生を抑制し、ロジン系樹脂が良好なエマルジョン状態で存在するのを維持することができる。
前記の構成に於いては、前記基材として、インクに対して非吸収性又は難吸収性を示す基材を用いてもよい。
また前記の構成に於いては、前記前処理剤付与工程を、インクジェット記録方式により行うことができる。
本発明によれば、例えば、インクに対し非吸収性又は難吸収性を示す基材への画像形成に於いて、滲みやビーディングの発生を抑制しつつインクを良好に定着させ、かつ、そのような基材に対しても良好な密着性を示す前処理層を形成することが可能な前処理剤組成物、記録方法及び記録媒体を提供することができる。
(前処理剤組成物)
先ず、本実施の形態の前処理剤組成物について、以下に説明する。
本実施の形態の前処理剤組成物は、画像が印刷(形成)される前の基材に対して、前処理を行うために用いられるものである。即ち、前処理剤組成物は、前処理により基材上に形成される前処理層の構成材料として用いられるものである(基材及び前処理層の詳細については、後述する。)。基材に前処理を施して前処理層を形成することにより、記録媒体に対する水性インクの定着性の向上と、印刷画像の耐剥離性の向上を可能にする。尚、「定着性」とは、記録媒体に画像形成後の水性インクの定着安定性を意味し、定着性が良好であると画像のビーディングや滲み、色ムラ等の発生を抑制することができる。更に、「耐剥離性」とは、前処理が施された記録媒体表面に、水性インクを用いて印刷した場合に、当該記録媒体表面に定着した水性インクの一部又は全部が剥離するのを抑制し得ることを意味する。
本実施の形態の前処理剤組成物は、少なくとも1種の多価金属塩と、エマルジョン状態のロジン系樹脂とを少なくとも含有する。また、本実施の形態に於いては、基材に対する濡れ性を前処理剤組成物に付与するために、必要に応じて表面張力調整剤を含有する。
本明細書に於いて「多価金属塩」とは、前処理剤組成物又は前処理層と水性インクの定着性の向上に寄与するものであり、二価以上の多価金属イオンとこれらの多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成されるものを意味する。また、多価金属塩は水に可溶な化合物であり、前処理剤組成物中では溶解した状態で存在する。ここで、溶解した状態とは、多価金属塩が水等の溶媒と均一に混合した溶液の状態を意味する。
多価金属塩は、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、チタン塩、マンガン塩、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、亜鉛塩、スズ塩及びバリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属塩である。またこれらの多価金属塩は、無機金属塩又は有機金属塩の何れであってもよい。多価金属塩は、より具体的には、例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化チタン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、シュウ酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸スズ、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオシアン酸バリウム等である。これらの多価金属塩は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
多価金属塩の含有量は、前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%〜10質量%の範囲であり、好ましくは3質量%〜7質量%、より好ましくは4質量%〜6質量%の範囲である。多価金属塩の含有量を0.1質量%以上にすることにより、水性インクの定着性の向上が可能になる。その一方、多価金属塩の含有量を10質量%以下にすることにより、多価金属塩の不溶分が前処理剤組成物中に発生するのを抑制し、ロジン系樹脂が良好なエマルジョン状態で存在するのを維持することができる。
ロジン系樹脂は、基材に対する前処理剤組成物又は前処理層の密着性の向上に寄与する。ロジン系樹脂は、前処理剤組成物中ではエマルジョン状態で存在する。これにより、例えば、インクジェット方式で前処理剤組成物からなる前処理剤を吐出させる際にも、ノズルの目詰まりの発生を防止し、吐出不良の発生を抑制することができる。尚、本明細書に於いて「エマルジョン状態」とは、前処理剤組成物中にロジン系樹脂が分散し、乳化した状態で存在していることを意味する。
ロジン系樹脂としては特に限定されないが、以下の化合物(A)及び/又は(B)であることが好ましい。
化合物(A):ガムロジン、トール油ロジン及びウッドロジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のロジン類;
化合物(B):水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、フェノール変性ロジン、不飽和カルボン酸変性ロジン及びロジンエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のロジン誘導体
化合物(A)のロジン類としては特に限定されず、例えば、ガムロジン、トール油ロジン(トールロジン)、ウッドロジン等の未変性ロジン(天然ロジン)が挙げられる。
化合物(B)のロジン誘導体としては特に限定されず、例えば、未変性ロジンを水素化した水素化ロジン(水添ロジン)、未変性ロジンを不均化した不均化ロジン、未変性ロジンを重合した重合ロジン、未変性ロジンをフェノール類で変性したフェノール変性ロジン、未変性ロジンをマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸及びアクリル酸等の不飽和カルボン酸で変性した不飽和カルボン酸変性ロジン(例えば、マレイン化ロジン及びアクリル化ロジン等)、ロジンエステル等が挙げられる。
ここで、ロジンエステルとしては、ロジン類又は変性ロジン類のアルコールエステル;ロジン類又は変性ロジン類のグリセリンエステル、ロジン類又は変性ロジン類のペンタエリスリトールエステル等のロジン類又は変性ロジン類の多価アルコールエステル等が挙げられる。尚、変性ロジン類とは、前述の重合ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン等を意味する。
また、ロジンエステルとしては市販品を用いることも可能であり、そのような市販品としては、例えば、ハリエスター SK−218NS、ハリエスター SK−385NS、ハリエスター SK−370N、ハリエスター SK−323NS(商品名。何れもハリマ化成グループ株式会社製)等が挙げられる。
以上に例示したロジン系樹脂は適宜必要に応じて、単独で又は二種以上を前処理剤組成物中に含有させることができる。
エマルジョン状態で存在するロジン系樹脂の粒子の前処理剤組成物中に於ける平均分散粒子径(メディアン径)D50は、体積基準(Mv)で3μm以下であることが好ましく、0.01μm〜1μmであることがより好ましく、0.1μm〜0.5μmであることが特に好ましい。平均粒子径D50が3μm以下であると、厚さが電子写真方式用のインク受容層と同程度の、極めて薄い前処理層を形成することができる。尚、ロジン系樹脂の平均分散粒子径D50は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した値である。
ロジン系樹脂の含有量は、前処理剤組成物の全質量に対し、0.1質量%〜10質量%の範囲であり、好ましくは2質量%〜8質量%、より好ましくは5質量%〜7質量%の範囲である。ロジン系樹脂の含有量を0.1質量%以上にすることにより、前処理剤組成物を用いて形成された前処理層に於ける水性インクの定着性を良好にすることができる。その一方、ロジン系樹脂の含有量を10質量%以下にすることにより、ロジン系樹脂の粒子が過度に凝集して分散性が低下するのを抑制し、エマルジョン状態でロジン系樹脂が存在するのを維持することができる。
本実施の形態の前処理剤組成物に於いては、ロジン系樹脂以外にその他の樹脂を含有させてもよい。
本実施の形態の前処理剤組成物に於いては、適宜必要に応じて、他の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、表面張力調整剤(界面活性剤)、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、表面サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤及び香料等が挙げられる。尚、表面張力調整剤を除き、これらの添加剤の含有量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる(表面張力調整剤の含有量については後述する。)。
これらの添加剤のうち表面張力調整剤の添加は、基材表面及び水性インクに対する前処理剤組成物の濡れ性を制御することができる。前処理剤組成物の表面張力を小さくすることで、基材表面に対する濡れ性を大きくすることができ、前処理層の厚さを薄くすることができる。また、インクジェット方式により、基材上に前処理剤組成物からなる前処理剤を付与する場合には、前処理剤の表面張力や、ヘッドノズル面等の前処理剤と接触するプリンター部材との界面張力を適正に維持させることができる。その結果、ノズルの目詰まりを防止し、吐出不良の改善を図ることができる。
表面張力調整剤としては特に限定されず、例えば、非イオン性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤、アクリル系界面活性剤等が挙げられる。これらの表面張力調整剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
非イオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物等が挙げられる。但し、表面張力調整剤としてシリコン系界面活性剤を単独で用いるのは好ましくない。前処理層の基材に対する密着性が低下し、前処理層が剥離する場合があるからである。
フッ素系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。
アクリル系界面活性剤としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。尚、(メタ)アクリル酸共重合体とは、アクリル酸共重合体及びメタクリル酸共重合体を意味する。
表面張力調整剤の含有量は特に限定されないが、基材に対する前処理剤組成物の濡れ性を考慮して設定される。また、表面張力調整剤の含有量は、前処理層上に付与される水性インクの当該前処理層に対する濡れ性も考慮して設定されるのが好ましい。表面張力調整剤の含有量は、通常は、前処理剤組成物の全質量に対し0.01質量%〜2質量%の範囲が好ましく、0.1質量%〜1質量%の範囲がより好ましく、0.3質量%〜0.8質量%の範囲が特に好ましい。
本実施の形態の前処理剤組成物に於いては、水(主溶媒としての水)を含有する。前記水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水等のイオン性不純物を除去したものを用いるのが好ましい。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。また、水の含有量は特に限定されず、例えば、他の含有成分の残部とすることができる。
前処理剤組成物の25℃に於ける表面張力は、25mN/m〜35mN/mの範囲が好ましく、26mN/m〜34mN/mの範囲がより好ましく、27mN/m〜32mN/mの範囲が特に好ましい。表面張力がこの数値範囲内であると、例えば、基材が表面張力約40mN/m程度の軟包装材に対する前処理剤組成物の濡れ性を良好なものに維持することができる。その結果、例えば、前処理剤組成物からなる前処理剤の基材への付与を、後述の塗布方法で行う場合には、当該前処理剤の塗布性を向上させ、均一に塗布することができる。また、インクジェット法により前処理を行う際にも、前処理剤組成物の吐出安定性の確保等が図れる。尚、前処理剤組成物の表面張力は、表面張力計(商品名;DY−500、協和界面科学(株)製)を用いて、25℃の条件下で測定されるものである。
(前処理剤組成物の製造方法)
前処理剤組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、少なくとも1種の多価金属塩、エマルジョン状態のロジン系樹脂、水、必要に応じて表面張力調整剤、及びその他の添加剤を任意の順序で加え、撹拌・混合することで製造することができる。撹拌・混合に際しての混合物の温度、並びに撹拌時間は特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
また、混合後に粗大粒子やダストの除去を目的として混合物の濾過を行ってもよい。濾過に用いるフィルターの開孔径は特に限定されず、適宜設定することができる。また、濾過は複数種のフィルターを用いて行ってもよい。
(記録媒体)
本実施の形態の記録媒体は、基材と、当該基材の少なくとも一方の面に設けられた前処理層とを少なくとも有し、例えば、インクジェット記録方法による画像印刷等に用いられるものである。
基材としては特に限定されず、従来公知の紙類や軟包装材等が挙げられる。特に、本実施の形態の前処理剤組成物は水性インクの定着性を向上させるので、当該水性インクに対して非吸収性を示す基材や難吸収性を示す基材等にも適用可能である。非吸収性を示す基材としては特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂等のプラスチックフィルム;金属、金属蒸着紙、ガラス、皮革、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。また、難吸収性を示す基材としては特に限定されず、例えば、軽量コート紙、コート紙、アート紙、キャスト紙、微塗工紙等の塗工紙等が挙げられる。
基材の厚さは特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
前処理層は、前処理剤組成物からなる前処理剤が固化したものである。また、前処理層は、基材の表面及び/又は裏面の全面、又はその一部に設けられていてもよい。
前処理層には多価金属塩が含まれており、多価金属塩に由来する多価金属イオンは、例えば、水性インクに含まれる顔料の凝集やゲル化を生じさせ得る。その結果、本実施の形態の前処理層は水性インクの受容層及び凝集層としての機能を発揮する。これにより、前処理層は水性インクの定着性を向上させ、隣接する水性インクの液滴同士(あるいは隣接するドット同士)の凝集によるビーディングや滲み、色ムラの発生を防止することができる。その結果、ドット径の安定性に優れ、良好な画質の画像を形成することができる。また、前処理層にはロジン系樹脂が含まれており、ロジン系樹脂は基材に対する密着性の向上に寄与する。その結果、耐剥離性に優れた画像形成が可能になる。
前処理層の(乾燥後の)厚さは10μm〜20μmの範囲内が好ましく、1μm〜5μmの範囲内がより好ましい。厚さを0.1μm以上にすることにより、水性インクの定着性の維持が図られる。その一方、厚さを20μm以下にすることにより、前処理剤の付与後の乾燥時間の短縮化が可能になる。尚、シリカ粒子等を用いた従来のインク受容層の厚さは30μm程度である。一方、本実施の形態の前処理層の厚さは前述の通りであり、従来のインク受容層よりも暑さを薄くすることができ、電子写真方式の軟包装用フィルムに用いられる前処理層と同等程度の厚さ(例えば、1μm程度)を実現することができる。
また、基材の一方又は両方の面に、必要に応じて、コロナ放電処理や易接着処理を施してもよい。更に、前処理層を形成していない基材の面に、記録媒体のカールを防止するためのカール防止層を設けてもよい。尚、基材の両面に、同程度の厚さの前処理層を形成することによっても、記録媒体のカールの発生を防止することができる。
(記録媒体への記録方法)
本実施の形態の記録媒体への記録方法は、記録媒体上に水性インクを用いて画像を印刷するだけでなく、当該画像の印刷前に基材に施される前処理も含むものである。
前処理は、基材表面に前処理剤組成物からなる前処理剤を付与する前処理剤付与工程と、付与された前処理剤を乾燥させ、前処理層を形成する前処理層形成工程とを少なくとも含む。
前処理剤付与工程は、基材上に前処理剤を付与することにより行われる。また、前処理剤の付与は、基材の少なくとも一方の面の全面、又は画像の印刷領域に対応して任意の一定の領域に行うことができる。前処理剤の付与方法としては特に限定されず、例えば、塗布法、インクジェット法、浸漬法(ディップコート)等の公知の方法が挙げられる。塗布方法としては特に限定されず、例えば、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、ワイヤーバーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアーナイフコート、コンマコート、スロットダイコート、ディップコート等が挙げられる。
インクジェット法は、前処理剤組成物からなる前処理剤を微細なノズルより液滴として吐出し、その液滴を基材に付着させることにより行う。吐出方法としては特に限定されず、例えば、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型等)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等)等の公知の方法を採用することができる。
前処理剤の基材への供給(塗布)量は、形成したい前処理層の厚さに応じて適宜設定される。通常は、固形分換算で0.05cc/m〜2cc/mの範囲が好ましく、0.1cc/m〜0.7cc/mの範囲がより好ましく、0.2cc/m〜0.6cc/mの範囲が特に好ましい。供給量を0.05cc/m以上にすることにより、記録媒体に水性インクの十分な定着性と密着性を付与することができ、画質が良好な印刷画像を得ることができる。その一方、供給量を2cc/m以下にすることにより、前処理層の厚さが大きくなり過ぎるのを抑制し、後加工を容易に行うことができる。
前処理層形成工程は、基材表面に付与された前処理剤を乾燥させることにより行われる。前処理剤の乾燥は、前処理剤に含まれる溶媒の蒸発を促進させるものであれば特に限定されない。例えば、前処理剤に熱風を吹き付ける方法や自然乾燥、適宜の温度に設定された加熱ドラム等に当該前処理剤を接触させて乾燥させる方法等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱等、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の温風処理やヒーターによる加熱が可能である。乾燥条件は、前処理剤の供給量等に応じて、適宜変更して設定することができる。前処理剤の乾燥により、基材の少なくとも一方の面上に前処理層が形成された記録媒体が得られる。尚、乾燥後、得られた記録媒体に対し、その表面の平滑度又は表面強度を高めるために、必要に応じて、カレンダー処理、スーパーカレンダー処理等を行ってもよい。
水性インクを用いた画像印刷は、例えば、前処理剤付与工程によって基材表面に付与された前処理剤に対して、あるいは、前処理層形成工程によって基材表面に形成された前処理層に対して行われる。前者の場合、本実施の形態の記録方法は、前処理剤付与工程の直後であって、前処理層形成工程の前に、基材上の前処理剤に対して水性インクを付与する第1インク付与工程を更に行う。この場合、前処理層形成工程は、前処理剤と共に、当該前処理剤上に付与された水性インクも乾燥させ、これにより画像を形成する。また後者の場合、本実施の形態の記録方法は、前処理層上に水性インクを付与する第2インク付与工程と、前処理層上に付与された水性インクを乾燥させる乾燥工程とを更に行う。
基材上に形成された前処理層、又は当該基材上に付与された前処理剤に対する水性インクの付与方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。より具体的には、前述のインクジェット記録方法等が挙げられる。水性インクの吐出方法についても特に限定されず、前述の通りである。従って、その詳細な説明は省略する。
ここで、前処理層、又は基材上の前処理剤に含まれる多価金属塩由来の多価金属イオンは、当該前処理層等に付着した水性インクの固体成分(より具体的には、顔料等の色材やアニオン性の樹脂等)の粒子の分散機能を低下させ、凝集を引き起こす。その結果、水性インクの液滴同士の混合による滲みや色ムラの発生を低減することができる。また、記録媒体上に顔料等を密に固着させることができ、高画質の画像を記録することができる。固体成分の粒子の凝集は、前処理層に水性インクを付与するよりも、基材上の前処理剤に水性インクを付与する場合の方が、早く進行させることができる。前処理層の形成前である場合、前処理剤に含まれる溶媒は蒸発しておらず、多価金属イオンの状態で存在するためである。
基材上の前処理剤に対する水性インクの付与は、インクジェットヘッドを1回の走査で印刷する、いわゆる1パス(シングルパス)方式での印刷を可能にする。この方式での印刷を可能にするインクジェット印刷装置は、通常、インクジェットヘッドが並べられ、基材幅以上の印刷幅をもつライン上のヘッドユニットを、色の数の分だけ備えた構造を有している。そのため、この様な印刷装置を用いた1パス方式での印刷の場合、短時間で、隣接するノズルから液滴を吐出し印刷することができる。従って、当該インクジェット印刷装置を用いれば、基材上に前処理剤を吐出した後に、当該前処理剤上に水性インクの液滴を吐出することができ、前処理剤を用いた前処理と、水性インクを用いた画像印刷とを1パス方式にて高速で実行することができる。
前処理層上、又は前処理剤上に水性インクの液滴を吐出して付着させた後は、吐出された水性インクを加熱乾燥することにより印刷画像を形成する。乾燥温度は、水性インクに含まれる溶媒や基材の種類、乾燥時間等に応じて適宜設定することができる。また、乾燥時間についても特に限定されず、水性インク中の溶媒や基材の種類、印刷速度等に応じて適宜設定することができる。尚、吐出された水性インクの加熱乾燥を、基材上に付与された前処理剤と共に行う場合は、当該前処理剤に含まれる溶媒等の乾燥も考慮して、乾燥温度及び乾燥時間が設定される。ここで、乾燥温度とは基材の表面温度を意味する。
吐出された水性インクの加熱乾燥の方法は、水性インク中の溶媒の蒸発を促進させるものであれば特に限定されない。例えば、吐出された水性インクに熱風を吹き付ける方法や、適宜の温度に設定された加熱ドラム等に当該水性インクを接触させて乾燥させる方法等が挙げられる。具体的には、強制空気加熱等、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の温風処理やヒーターによる加熱が可能である。
吐出された水性インクの乾燥によりこれを固化し、インク層を形成することができる。尚、インク層の(乾燥後の)厚さは特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。通常は、0.5μm〜10μmの範囲内で設定される。
以上により、本実施の形態に於いては、滲みや色ムラが抑制され、良好なインク定着性を示す高画質の画像を記録媒体上に印刷することができる。
尚、水性インクとしては、少なくとも1種の顔料と、バインダーとを含むものが好ましい。顔料及びバインダーとしては、インク組成物に通常用いられているものを特に制限なく使用することができる。前処理剤組成物に含まれるロジン系樹脂との密着性の観点からは、顔料としてスチレン−アクリル系樹脂で被覆されたものが好ましい。また、この場合、バインダーとしてはスチレン−アクリル系エマルジョンが好ましい。さらに本実施の形態に於いては、水性インクを例にして本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。溶剤系又は油性の非水性インク(但し、UVインクを除く。)に対しても本発明の前処理剤組成物は、当該非水性インクを良好に定着させ、かつ、基材に対して良好な密着性を示す前処理層の形成を可能にする。
(記録媒体の製造方法)
本実施の形態の記録媒体の製造方法は、前述の前処理剤付与工程と、前処理層形成工程とを少なくとも含むものである。これにより、インクの滲みやビーディングの発生を抑制しつつ、インクを良好に定着して画像を形成することが可能な記録媒体を製造することができる。尚、前処理剤付与工程及び前処理層形成工程の詳細については、前述の通りであるので、その説明は省略する。
また、本実施の形態の記録媒体の製造方法は、更に、必要に応じて他の工程を有していてもよい。例えば、表面の平滑度又は表面強度を高めるために、必要に応じてカレンダー処理、スーパーカレンダー処理等を行ってもよい。カレンダー処理等を行う際の処理条件については特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、下記の実施例に記載されている材料や含有量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらに限定するものではない。
(実施例1〜3)
<前処理剤組成物の作製>
各実施例1〜3に於いては、ロジン系樹脂としてのロジンエステルエマルジョン(商品名;SK218NS、ハリマ化成グループ(株)製)、多価金属塩としての乳酸カルシウム(商品名;DL−乳酸カルシウム五水和物
、和光純薬工業(株)製)、表面張力調整剤(商品名;SYグリスターMCA−750、阪本薬品工業(株)製)及び純水を、それぞれ表1に示す配合割合となる様に混合し撹拌して、それぞれの前処理剤組成物を作製した。
<前処理>
各実施例1〜3に於いては、基材としてOPPフィルム(商品名:P2111、東洋紡(株)製)を準備し、当該基材の一方の面に各実施例の前処理剤組成物からなる前処理剤を用いてそれぞれ前処理を施した。前処理は、先ずバーコーター(商品名;バーコーターNo.3、アズワン(株)製)を用いて、OPPフィルム上に前処理剤を塗布して行った。塗布量は固形分換算で0.6cc/mとした。次いで、基材上に塗布した前処理剤を、加熱温度70℃、加熱時間5minの条件下で加熱乾燥し、前処理層を形成した。これにより、各実施例1〜3に係る記録媒体を作製した。
<画像印刷>
次に、水性インク組成物からなる水性インクを用いて、各実施例1〜3の記録媒体に対しインクジェット方式により印刷を行った。印刷には、インクジェットプリンター(商品名:PX−105 、EPSON(株)製)を用いた。
(比較例1)
<前処理剤組成物の作製>
本比較例1に於いては、多価金属塩としての乳酸カルシウムを添加しなかった。それ以外は、表1に示す材料及び配合割合にて、本比較例に係る前処理剤組成物を作製した。
<前処理>
本比較例1に於いては、本比較例に係る前処理剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、OPPフィルムに対し前処理を行った。これにより、本比較例に係る記録媒体を作製した。
<画像印刷>
本比較例1に於いては、本比較例に係る記録媒体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により画像印刷を行った。
(比較例2)
<前処理剤組成物の作製>
本比較例2に於いては、多価金属塩としての乳酸カルシウムの含有量を15質量%に変更し、更に他の成分については表1に示す含有量に変更した。これにより、本比較例に係る前処理剤組成物を作製した。
<前処理及び画像印刷>
本比較例2に於いては、後述の通り、多価金属塩の不溶分が発生したため、基材に対する前処理及び画像印刷は実施できなかった。
Figure 0006936127
(実施例4〜6)
<前処理剤組成物の作製>
各実施例4〜6に於いては、ロジン系樹脂としてのロジンエステルエマルジョン(商品名;SK218NS、ハリマ化成グループ(株)製)、多価金属塩としての酢酸カルシウム(商品名;酢酸カルシウム一水和物、和光
純薬工業(株)製)、表面張力調整剤(商品名;SYグリスターMCA−750、阪本薬品工業(株)製)及び純水を、それぞれ表2に示す配合割合となる様に混合し撹拌して、それぞれの前処理剤組成物を作製した。
<前処理>
各実施例4〜6に於いては、それぞれの前処理剤組成物からなる前処理剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法にてOPPフィルムに対する前処理を行った。これにより、各実施例4〜6に係る記録媒体を作製した。
<画像印刷>
各実施例4〜6に於いては、それぞれの実施例に係る記録媒体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により画像印刷を行った。
(比較例3)
<前処理剤組成物の作製>
本比較例3に於いては、多価金属塩としての乳酸カルシウムを添加しなかった。それ以外は、表2に示す材料及び配合組成にて、本比較例に係る前処理剤を作製した。
<前処理>
本比較例3に於いては、本比較例に係る前処理剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、OPPフィルムに対し前処理を行った。これにより、本比較例に係る記録媒体を作製した。
<画像印刷>
本比較例3に於いては、本比較例に係る記録媒体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により画像印刷を行った。
(比較例4)
<前処理剤組成物の作製>
本比較例4に於いては、多価金属塩としての乳酸カルシウムの含有量を15質量%に変更した。それ以外は、表2に示す材料及び配合組成にて、本比較例に係る前処理剤を作製した。
<前処理>
本比較例4に於いては、本比較例に係る前処理剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、OPPフィルムに対し前処理を行った。これにより、本比較例に係る記録媒体を作製した。
<画像印刷>
本比較例4に於いては、本比較例に係る記録媒体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により画像印刷を行った。
Figure 0006936127
(比較例5〜9)
<前処理剤組成物の作製>
各比較例5〜9に於いては、アクリルエマルジョン(商品名;Neocryl A1127、DSM Coating Resins 社製)、多価金属塩としての乳酸カルシウム(商品名;DL−乳酸カルシウム五水和物、和光純薬工業(株)製)、表面張力調整剤(商品名;SYグリスターMCA−750、阪本薬品工業(株)製)及び純水を、それぞれ表3に示す配合割合となる様に混合し撹拌して、それぞれの前処理剤組成物を作製した。
<前処理>
比較例5に於いては、当該比較例に係る前処理剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、OPPフィルムに対し前処理を行った。これにより、比較例5に係る記録媒体を作製した。一方、比較例6〜9については、後述の通り、前処理剤組成物に含まれるアクリル系樹脂の凝集が発生したため、基材に対する前処理は実施できなかった。
<画像印刷>
比較例5についてのみ、当該比較例に係る記録媒体を用いて、実施例1と同様の方法により画像印刷を行った。
Figure 0006936127
(前処理剤組成物の保存安定性)
各実施例及び比較例の前処理剤組成物の保存安定性については、各前処理剤組成物の作製から1週間後の状態について、次の評価基準に基づき評価を行った。結果を表1〜3に示す。
○:ロジン系樹脂又はアクリル系樹脂がエマルジョンの状態で存在する
×:ロジン系樹脂若しくはアクリル系樹脂が凝集し、又は不溶分が存在する
表1及び表2に示す通り、実施例1〜6の各前処理剤組成物においては、ロジンエステルがエマルジョン状態で存在しており、作製から1週間経過した後においても、良好な保存安定性を示した。その一方、乳酸カルシウムを15質量%配合した比較例2に係る前処理剤組成物においては、多価金属塩が十分に溶解せず不溶分が発生した(表1参照)。また、比較例6〜9に係る前処理剤組成物においては、エマルジョンのアクリル系樹脂に凝集が発生した(表3参照)。
(前処理剤組成物の表面張力の測定)
各実施例及び比較例の前処理剤組成物の表面張力は、表面張力計(商品名;DY−500、協和界面科学(株)製)を用いて、常温下(25℃)で測定した。結果を表1〜表3に示す。
尚、比較例2の前処理剤組成物においては乳酸カルシウムの不溶分が発生し、比較例6〜9の前処理剤組成物においてはアクリル系樹脂の凝集が発生したため、表面張力の測定は行わなかった。
(ロジン系樹脂及びアクリル系樹脂の平均分散粒子径の測定)
各実施例及び比較例の前処理剤組成物におけるロジン系樹脂及びアクリル系樹脂の平均分散粒子径D50は、マイクロトラックUPA−EX150(商品名、日機装(株)製)を用いて動的光散乱法により測定した。結果を表1〜表3に示す。
(耐テープ剥離性)
耐テープ剥離性の評価は、各実施例及び比較例で作製した試料に対して行った。即ち、粘着テープ(商品名:セロテープ(登録商標)No.405、ニチバン(株))を印刷面に貼り付け、その後粘着テープを剥がしたときの印刷面の剥がれやテープへの移り状態を確認することにより、テープ剥離性を目視で評価した。評価基準は以下の通りとした。結果を表1〜表3に示す。
○:粘着テープへの水性インクの付着なし
×:粘着テープへの水性インクの付着あり
表1及び表2に示す通り、実施例1〜6においては、何れも良好な耐テープ剥離性を示しており、当該前処理剤組成物を用いて形成された前処理はOPPフィルムに対し、良好な密着性を示すことが確認された。これに対し、比較例4においては、酢酸カルシウムを15質量%添加したため、前処理の基材に対する密着性が低下した(表3参照)。
(インク定着性)
各実施例及び比較例の記録媒体に、水性インク組成物からなる水性インクで画像を印刷した後のインク定着性については、次の評価基準に基づき評価を行った。結果を表1〜3に示す。
○:印刷画像にビーディング、滲み及び色ムラが発生せず
×:印刷画像にビーディング、滲み及び色ムラが発生
表1及び表2に示す通り、実施例1〜6においては、何れも印刷画像にビーディング、滲み及び色ムラの発生が観察されず、インク定着性が良好であることが確認された。その一方、比較例1、3及び5においては、多価金属塩を添加しなかったため、印刷画像にビーディング、滲み及び色ムラの発生が確認された。

Claims (15)

  1. 記録媒体に於ける基材の少なくとも一方の面に対し、前処理を行うための前処理剤組成物であって、
    少なくとも1種の多価金属塩と、エマルジョン状態のロジン系樹脂とを少なくとも含み、
    前記多価金属塩の含有量が、前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%〜10質量%であり、
    前記ロジン系樹脂の含有量が、前処理剤組成物の全質量に対し0.1質量%〜10質量%であり、
    前記ロジン系樹脂がロジンエステルであり、
    前記基材が、インクに対して非吸収性又は難吸収性の基材である前処理剤組成物。
  2. 前記多価金属塩が、マグネシウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、チタン塩、マンガン塩、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、亜鉛塩、スズ塩及びバリウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の前処理剤組成物。
  3. 前記カルシウム塩が、乳酸カルシウム及び酢酸カルシウムである請求項2に記載の前処理剤組成物。
  4. 前記エマルジョン状態のロジン系樹脂の平均分散粒子径が3μm以下である請求項1〜の何れか1項に記載の前処理剤組成物。
  5. 記録媒体上に画像を形成する記録方法であって、
    前記画像の形成前の記録媒体に於ける基材の少なくとも一方の面上に、請求項1〜の何れか1項に記載の前処理剤組成物からなる前処理剤を付与する前処理剤付与工程と、
    前記前処理剤付与工程において付与された前記前処理剤を乾燥させて、前処理層を形成する前処理層形成工程とを含む記録方法。
  6. 前記前処理剤付与工程の直後であって、前記前処理層形成工程の前に、前記基材の少なくとも一方の面上に付与された前記前処理剤上に、インクを付与する第1インク付与工程を更に含み、
    前記前処理層形成工程は、前記前処理剤と共に、当該前処理剤上に付与された前記インクを乾燥させる工程である請求項に記載の記録方法。
  7. 前記前処理層にインクを付与する第2インク付与工程と、
    前記前処理層に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程とを更に含む請求項に記載の記録方法。
  8. 前記基材が、インクに対して非吸収性又は難吸収性を示す基材である請求項の何れか1項に記載の記録方法。
  9. 前記前処理剤付与工程、前記第1インク付与工程又は前記第2インク付与工程の少なくとも何れかの工程を、インクジェット記録方式により行う請求項の何れか1項に記載の記録方法。
  10. 前記インクとして水性インクを用いる請求項の何れか1項に記載の記録方法。
  11. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面上に設けられた前処理層とを含む記録媒体であって、
    前記前処理層の少なくとも一部は前処理剤の乾燥皮膜からなり、
    前記前処理剤は、請求項1〜の何れか1項に記載の前処理剤組成物からなるものである記録媒体。
  12. 前記基材が、インクに対して非吸収性又は難吸収性の基材である請求項1に記載の記録媒体。
  13. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面上に設けられた前処理層とを含む記録媒体の製造方法であって、
    前記基材の少なくとも一方の面上に、請求項1〜の何れか1項に記載の前処理剤組成物からなる前処理剤を付与する前処理剤付与工程と、
    前記前処理剤付与工程において付与された前記前処理剤を乾燥させて、前処理層を形成する前処理層形成工程とを含む記録媒体の製造方法。
  14. 前記基材として、インクに対して非吸収性又は難吸収性を示す基材を用いる請求項1に記載の記録媒体の製造方法。
  15. 前記前処理剤付与工程を、インクジェット記録方式により行う請求項1又は1に記載の記録媒体の製造方法。
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