JP6935616B1 - ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents

ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6935616B1
JP6935616B1 JP2021521076A JP2021521076A JP6935616B1 JP 6935616 B1 JP6935616 B1 JP 6935616B1 JP 2021521076 A JP2021521076 A JP 2021521076A JP 2021521076 A JP2021521076 A JP 2021521076A JP 6935616 B1 JP6935616 B1 JP 6935616B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
polyol
flame
parts
polyurethane foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021521076A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021125238A1 (ja
Inventor
達也 奥谷
達也 奥谷
貴臣 江原
貴臣 江原
久保田 幸雄
幸雄 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Chemical Inc
Original Assignee
Nisshinbo Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Chemical Inc filed Critical Nisshinbo Chemical Inc
Application granted granted Critical
Publication of JP6935616B1 publication Critical patent/JP6935616B1/ja
Publication of JPWO2021125238A1 publication Critical patent/JPWO2021125238A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/42Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/48Polyethers
    • C08G18/50Polyethers having heteroatoms other than oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/53Phosphorus bound to oxygen bound to oxygen and to carbon only
    • C08K5/5313Phosphinic compounds, e.g. R2=P(:O)OR'
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L75/00Compositions of polyureas or polyurethanes; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L75/04Polyurethanes
    • C08L75/06Polyurethanes from polyesters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

所定のホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩を含む難燃剤を含有するポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液において、液中での粉体の凝集が抑制され、かつ、優れた難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができるポリオール組成物、並びに、これを用いた難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法を提供する。本発明のポリオール組成物は、芳香族系ポリエステルポリオールを含むポリオール化合物、所定のホスフィン酸系金属塩と、リン酸系金属塩とからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む難燃剤、及び、ノイブルグ珪土粒子を含む分散剤を含有する。

Description

本発明は、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるポリオール組成物、並びに、これを用いた難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォームは、優れた断熱性能を有し、施工性や経済性等にも優れており、省エネルギー化や居住性の向上等の観点から、建築物の断熱材として広く普及している。
一方で、硬質ポリウレタンフォームは、有機高分子材料であり、燃焼しやすいという特徴を有している。建築施工や改修工事、解体工事中の溶接溶断作業における火花が原因となり、硬質ポリウレタンフォームが延焼する火災事故もしばしば発生している。
このような火災事故を低減する対策として、硬質ポリウレタンフォームに難燃性を付与する様々な工夫が検討されている。
例えば、硬質ポリウレタンフォームに、難燃剤として赤リンやリン酸エステルを添加して、難燃化させる技術が知られている。
しかしながら、赤リンは、発火性を有する物質であり、取り扱いの際には、安全確保のために十分な注意を要する。
また、赤リンやリン酸エステルでは、硬質ポリウレタンフォームの難燃性の向上の程度には限界があり、より優れた難燃性を付与し、硬質ポリウレタンフォームを不燃性材料に近づけることができる難燃剤が求められていた。
このような課題に対して、本発明者らは、より効果的な難燃剤として、例えば、特許文献1において合成皮革用のポリウレタン樹脂の難燃剤として用いられているホスフィン酸系金属塩を含む難燃剤を適用することを検討した。
特開2016−79375号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているホスフィン酸系金属塩を含む難燃剤も、赤リン等の従来の難燃剤と同様に、硬質ポリウレタンフォームの原料となるポリオール化合物やポリイソシアネート化合物には溶解し難く、かつ、比重の大きい粉体状の難燃剤であり、硬質ポリウレタンフォームの原料液中で凝集を生じやすいものであった。
難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造においては、製造現場で難燃剤を配合することは、現場作業の負担が増大することとなるため、一般的に、難燃剤が予め添加されたポリオール組成物(ポリオールプレミックス)や硬質ポリウレタンフォームの原料液が用いられる。
上記のような粉体状の難燃剤を予め分散させて調製したポリオール組成物や硬質ポリウレタンフォームの原料液は、使用時に、分散物が凝集している場合もあり、再分散のために多大な作業負担を要したり、また、均一な再分散が困難となることもあった。
したがって、前記ホスフィン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤を使用するのに際し、ポリオール組成物や硬質ポリウレタンフォームの原料液中での粉体(固体)の凝集が抑制され、均一な原料組成物を得る上での取り扱い性に優れていることが求められる。リン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤についても、同様のことが言える。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、所定のホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩を含む難燃剤を含有するポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液において、液中での粉体の凝集が抑制され、かつ、優れた難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができるポリオール組成物、並びに、これを用いた難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、所定のホスフィン酸系金属塩を含む難燃剤を含有するポリオール組成物において、所定の分散剤を用いることにより、粉体状の難燃剤の凝集を効果的に抑制することができ、しかも、優れた難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームが得られることを見出したことに基づくものである。
また、リン酸系金属塩を含む難燃剤を含有するポリオール組成物においても、ノイブルグ珪土粒子を含む分散剤を用いることにより、粉体状の難燃剤の凝集を効果的に抑制することができ、しかも、優れた難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームが得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1]難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるポリオール組成物であって、芳香族系ポリエステルポリオールを含むポリオール化合物、下記式(1)で表されるホスフィン酸系金属塩と、リン酸系金属塩からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む難燃剤、及び、ノイブルグ珪土粒子を含む分散剤を含有する、ポリオール組成物。
Figure 0006935616
(式(1)中、Mは、Mg、Al、Ca、Ti又はZnであり、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基又はフェニル基であり、nは、2、3又は4である。)
[2]前記ポリオール化合物がマンニッヒ系ポリオールを含む、上記[1]に記載のポリオール組成物。
[3]前記ノイブルグ珪土粒子が、前記難燃剤中の固形分の合計100質量部に対して、1〜50質量部含まれる、上記[1]又は[2]に記載のポリオール組成物。
[4]発泡剤を含む、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
[5]前記発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィン及びハイドロクロロフルオロオレフィンのうちのいずれか1種以上を含む、上記[4]に記載のポリオール組成物。
[6]触媒を含む、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
[7]整泡剤を含む、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のポリオール組成物、及びポリイソシアネート化合物との反応生成物である、難燃性硬質ポリウレタンフォーム。
[9]上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載のポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を混合して、発泡及び硬化させて、難燃性硬質ポリウレタンフォームを得る、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
本発明によれば、所定のホスフィン酸系金属塩の難燃剤を含むポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液において、液中での粉体の凝集が抑制され、取り扱い性に優れたポリオール組成物を提供することができる。
また、前記ポリオール組成物を用いることにより、優れた難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、本発明によれば、リン酸系金属塩を含む難燃剤を含有するポリオール組成物でも、粉体状の難燃剤の凝集を効果的に抑制することができ、しかも、優れた難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
以下、本発明のポリオール組成物、並びに、これを用いた難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法について詳細に説明する。
[ポリオール組成物]
本発明のポリオール組成物は、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるポリオール組成物であって、芳香族系ポリエステルポリオールを含むポリオール化合物、下記式(1)で表されるホスフィン酸系金属塩と、リン酸系金属塩とからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む難燃剤、及び、ノイブルグ珪土粒子を含む分散剤を含有するものである。
Figure 0006935616
前記式(1)中、Mは、Mg、Al、Ca、Ti又はZnであり、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基又はフェニル基であり、nは、2、3又は4である。
前記分散剤を配合することにより、前記式(1)で表されるホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩を含む難燃剤を含む難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液において、液中の粉体の凝集を効果的に抑制することができる。これにより、難燃性硬質ポリウレタンフォーム製造時に、ポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液を均一に混合するための作業負担を軽減させることができ、また、前記原料液中の粉体の均一分散性を高めることができる。また、得られた難燃性硬質ポリウレタンフォームにおける前記難燃剤による優れた難燃性も保持される。
<ポリオール化合物>
ポリオール化合物は、難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料化合物であり、本発明のポリオール組成物を構成する。前記ポリオール化合物は、水酸基を2個以上有するアルコール化合物であり、ポリイソシアネート化合物との重付加反応により、ポリウレタン樹脂を生成する。
難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるポリオール化合物としては、良好な難燃性の観点から、主として、芳香族系ポリオールが用いられる。芳香族系ポリオールは、一般的なポリウレタンフォーム原料として用いられるポリプロピレングリコール等と比較して、より優れた難燃性を付与し得る。
前記芳香族系ポリオールは、良好な難燃性及び硬度等を有する難燃性硬質ポリウレタンフォームを得る観点から、水酸基価が100〜900mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは150〜800mgKOH/g、さらに好ましくは180〜700mgKOH/gである。
本発明におけるポリオール化合物は、芳香族系ポリエステルポリオールを含み、また、好ましくは、マンニッヒ系ポリオールを含む。
難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液中の粉体の凝集は、前記分散剤によって良好に抑制されるが、該分散剤とともに、前記ポリオール化合物としてマンニッヒ系ポリオールを含むことにより、粉体の凝集を、より効果的に抑制することができる。
前記ポリオール化合物の合計含有量は、良好な難燃性及び硬度等を有する難燃性硬質ポリウレタンフォームを得る観点から、前記ポリオール組成物100質量部中、好ましくは10.0〜60.0質量部、より好ましくは20.0〜55.0質量部、さらに好ましくは30.0〜50.0質量部である。
(芳香族系ポリエステルポリオール)
芳香族系ポリエステルポリオールとしては、例えば、芳香族系多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合により得られる化合物が挙げられる。前記芳香族系ポリエステルポリオールは、1種単独でも、2種以上が併用されていてもよい。
芳香族系多価カルボン酸の具体例としては、フタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族系多価カルボン酸等が挙げられる。多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA等が挙げられる。
また、芳香族系ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレートを、多価アルコールでエステル交換したもの等も挙げられる。
前記芳香族系ポリエステルポリオールは、良好な難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得る観点から、前記ポリオール化合物のうち、最も多い割合で含まれていることが好ましい。
前記ポリオール化合物中の前記芳香族系ポリエステルポリオールの含有量は、前記ポリオール化合物100質量部中、好ましくは50.0質量部以上、より好ましくは60.0〜100質量部、さらに好ましくは70.0〜100質量部である。
(マンニッヒ系ポリオール)
本発明におけるマンニッヒ系ポリオールとは、フェノール化合物、アルデヒド化合物及びアミン化合物のマンニッヒ反応により得られる生成物(マンニッヒ縮合物)である芳香族系ポリオールに、アルキレンオキサイドを付加重合させた芳香族系ポリエーテルポリオールを言う。前記マンニッヒ系ポリオールは、1種単独でも、2種以上が併用されていてもよい。
前記フェノール化合物としては、例えば、フェノール;クレゾール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール等が一般的に用いられる。
前記アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が一般的に用いられる。
前記アミン化合物としては、例えば、脂肪族第一級又は第二級のモノアミン類が挙げられ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール等のアルカノールアミン;メチルアミン、ジエチルアミン等のアルキルアミン等が一般的に用いられる。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が一般的に用いられる。
前記マンニッヒ系ポリオールは、具体的には、国際公開第2010/147091号等に記載されている製造方法により製造することができる。
前記ポリオール化合物中にマンニッヒ系ポリオールが含まれる場合、その含有量は、前記ポリオール組成物における粉体の凝集の抑制、また、良好な難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得る観点から、前記ポリオール組成物100質量部中、好ましくは1.0〜20.0質量部、より好ましくは2.0〜15.0質量部、さらに好ましくは3.0〜10.0質量部である。
また、同様の観点から、前記マンニッヒ系ポリオールの含有量の前記芳香族系ポリエステルポリオールの含有量に対する比率が、0.10〜1.00であることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.90、さらに好ましくは0.20〜0.80である。
前記ポリオール化合物は、前記芳香族系ポリエステルポリオール及び前記マンニッヒ系ポリオール以外に、例えば、前記マンニッヒ系ポリオール以外の芳香族系ポリエーテルポリオール等を含んでいてもよいが、良好な難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得る観点から、脂肪族系ポリオールは含まないことが好ましい。同様の観点から、前記ポリオール化合物100質量部中の前記芳香族系ポリエステルポリオール及び前記マンニッヒ系ポリオールの合計含有量は、好ましくは90質量部以上、より好ましくは95質量部以上、さらに好ましくは100質量部である。
<難燃剤>
本発明のポリオール組成物において用いられる難燃剤は、下記式(1)で表されるホスフィン酸系金属塩と、リン酸系金属塩とからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む。
Figure 0006935616
前記式(1)中、Mは、Mg、Al、Ca、Ti又はZnであり、好ましくはAl又はZn、より好ましくはAlである。MがMg、Ca又はZnのときn=2であり、MがAlのときn=3であり、MがTiのときn=4である。
1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基又はフェニル基であり、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。
前記難燃剤は、前記ホスフィン酸系金属塩及びリン酸系金属塩のいずれかを含むものであっても、両者を含むものであってもよい。前記難燃剤は、本発明の効果の観点から、前記ホスフィン酸系金属塩を含むものであることが好ましい。
前記ホスフィン酸系金属塩は、無機ホスフィン酸塩又は有機ホスフィン酸塩であり、粉体状である。前記ホスフィン酸系金属塩は、1種単独でも、2種以上が併用されてもよい。
前記ホスフィン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤は、従来の赤リンやリン酸エステル等による難燃剤に比べて、硬質ポリウレタンフォームに、より優れた難燃性を付与することができる。
前記リン酸系金属塩は、無機リン酸塩又は有機リン酸塩であり、粉体状である。前記リン酸系金属塩としては、リン酸エステル金属塩であることが好ましい。前記リン酸系金属塩における金属原子(イオン)は、前記ホスフィン酸系金属塩と同様の金属原子(イオン)の塩であることが好ましい。前記リン酸系金属塩は、1種単独でも、2種以上が併用されてもよい。
前記リン酸系金属塩も粉体状であり、ノイブルグ珪土粒子を含む分散剤を用いることにより、ポリオール組成物中における良好な凝集抑制効果が得られる。
前記難燃剤は、さらなる難燃性向上の観点から、前記ホスフィン酸系金属塩やリン酸系金属塩の他に、難燃助剤として作用し得る成分を含んでいてもよく、例えば、窒素含有化合物を含んでいることが好ましい。
前記窒素含有化合物としては、例えば、メラミン、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、フタル酸メラミン、シアヌル酸メラミン、ベンゾグアナミン等が挙げられる。これらのうち、1種のみでも、2種以上が含まれていてもよい。
前記難燃剤中に窒素含有化合物が含まれる場合、その含有量は、前記ホスフィン酸系金属塩100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
ただし、ポリリン酸アンモニウムは、硬質ポリウレタンフォームを製造する際のウレタン化反応を遅延させる傾向があるため、好ましくない。ポリリン酸アンモニウムは、ポリオール組成物中でゲル化しやすく、凝集抑制の点で好ましくない。また、ポリオール組成物中でリン酸イオンが遊離しやすく、遊離酸がウレタン化反応における触媒活性に影響を及ぼし、ウレタン化反応が十分に促進されず、良好な難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームが得られないものと推測される。
本発明においては、前記ホスフィン酸系金属塩及び窒素含有化合物を含む粉体状の難燃剤として、例えば、大和化学工業株式会社製の「フランCM」シリーズ等の市販品を好適に用いることができる。
また、前記ホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤は、良好な難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得る観点から、前記ポリオール組成物中の難燃剤の合計100質量部のうち、50質量部以上であることが好ましく、より好ましくは52〜100質量部、さらに好ましくは55〜100質量部である。
また、前記ホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤が沈降及び凝集しやすいことに鑑みて、該粉体状の難燃剤、すなわち、前記難燃剤のうちの固形分は、前記ポリオール組成物100質量部中、10.0〜40.0質量部であることが好ましく、より好ましくは12.0〜35.0質量部、さらに好ましくは15.0〜30.0質量部である。
前記難燃剤は、硬質ポリウレタンフォームの加熱や燃焼時の初期の炭化抑制効果を得る観点から、液体状のリン酸エステルを含んでいてもよく、例えば、含ハロゲン系リン酸エステルであるトリス(β−クロロプロピル)ホスフェート等が一般的に用いられる。トリス(β−クロロプロピル)ホスフェートは、液体であり、粉体状の前記ホスフィン酸系金属塩やリン酸系金属塩、赤リンのように、硬質ポリウレタンフォームの原料液中での凝集等を生じることはないものの、硬質ポリウレタンフォームに難燃性を付与する効果は、前記ホスフィン酸系金属塩の方が優れている。したがって、前記難燃剤中に液体状のリン酸エステルが含まれる場合、その含有量は、該難燃剤100質量部中、好ましくは50質量部以下、より好ましくは50質量部未満、さらに好ましくは45質量部以下である。
<分散剤>
前記ポリオール組成物中の分散剤は、ノイブルグ珪土粒子を含むものである。
本発明におけるノイブルグ珪土粒子とは、粒子状の陰微晶質及び非晶質シリカと板状のカオリナイトとの天然結合物であり、シリチンやシリコロイドとも呼ばれるものである。例えば、ホフマンミネラル社のシリチンV85、シリチンV88、シリチンN82、シリチンN85、シリチンN87、シリチンZ86、シリチンZ89、シリコロイドP87等の製品として入手することができる。
ノイブルグ珪土粒子自体は、前記ポリオール組成物中で溶解しないが、該ノイブルグ珪土粒子を分散剤として用いることにより、粉体状の難燃剤である前記ホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩が沈降した場合であっても、沈降した粉体は凝集しにくく、容易に再分散させることができる。
したがって、難燃性硬質ポリウレタンフォーム製造時に、ポリオール組成物中にノイブルグ珪土粒子が添加されることにより、ポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液を均一に混合するための作業負担を軽減させることができ、また、前記原料液中の粉体の均一分散性を高めることができる。
前記分散剤は、前記ポリオール組成物における粉体の凝集をより効果的に抑制する観点から、ノイブルグ珪土粒子の他に、凝集抑制作用を奏する界面活性剤等を含んでいてもよい。
前記分散剤中のノイブルグ珪土粒子の含有量は、前記ポリオール組成物中の粉体の凝集を効果的に抑制し、かつ、硬質ポリウレタンフォームに良好な難燃性を付与する観点から、該分散剤100質量部中、好ましくは90質量部以上、より好ましくは95〜100質量部、さらに好ましくは100質量部である。
同様の観点から、ノイブルグ珪土粒子の含有量は、前記難燃剤中の固形分の合計100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。
<その他の成分>
難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造原料としては、主原料である、ポリオール化合物、難燃剤及びポリイソシアネート化合物以外に、発泡剤、触媒、整泡剤等も配合される。これらの成分は、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造時に、ポリオール組成物とは別に添加されてもよいが、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造現場における作業負担を軽減する観点から、前記ポリオール組成物中に配合されていることが好ましい。
さらに、前記ポリオール組成物中には、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲内において、溶剤や、着色剤、酸化防止剤等の添加剤等が含まれていてもよい。
(発泡剤)
発泡剤は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とが反応してウレタン結合を形成する樹脂化反応の発熱により気体を発生させ、ポリウレタン樹脂を発泡させる作用を有するものである。
前記発泡剤としては、例えば、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、水等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、HFOやHCFOは、地球温暖化抑制効果等の観点から、HFCに代わり、今後、需要の増加が見込まれる発泡剤であり、これらを用いることが好ましい。具体的には、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−HFO−1234ze)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz)、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロぺン(HCFO−1233zd)等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基は、水と反応してウレア結合及び炭酸ガスを発生する泡化反応も生じる。水は、硬質ポリウレタンフォームの生成反応の初期段階における発泡の誘因となり、また、製造される硬質ポリウレタンフォームの密度を低減させることができることから、発泡剤として水が含まれていることが好ましい。
前記発泡剤の配合量は、適度にポリウレタン樹脂を発泡させる観点から、ポリイソシアネート化合物100質量部に対して、合計で、好ましくは5.0〜40.0質量部、より好ましくは10.0〜30.0質量部、さらに好ましくは12.0〜25.0質量部である。
ただし、水は、芳香族系ポリエステルポリオールを加水分解させるおそれがあるため、他の発泡剤よりも含有量が少ないことが好ましい。水以外の発泡剤の合計100質量部に対して、20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.8〜15.0質量部、さらに好ましくは1.0〜10.0質量部である。
(触媒)
硬質ポリウレタンフォームの生成反応においては、前記樹脂化反応及び泡化反応を促進する観点から第三級アミン触媒が好適に用いられる。また、一部ヌレート化による難燃性向上の観点から、ヌレート化触媒も用いることができる。これらの触媒としては、硬質ポリウレタンフォームの製造における公知の触媒を用いることができる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記第三級アミン触媒としては、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジエチルメチルベンゼンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
前記第三級アミン触媒の配合量は、硬質ポリウレタンフォームの樹脂化反応及び泡化反応を適度に促進させる観点から、ポリイソシアネート化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜10.0質量部、より好ましくは0.2〜8.0質量部、さらに好ましくは0.5〜5.0質量部である。
前記ヌレート化触媒としては、例えば、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の窒素含有芳香族化合物;酢酸カリウム、2−エチルヘキシル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の第三級アンモニウム塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
前記ヌレート化触媒の配合量は、イソシアネートのヌレート化反応を適度に促進させる観点から、ポリイソシアネート化合物100質量部に対して、好ましくは0.05〜10.0質量部、より好ましくは0.1〜8.0質量部、さらに好ましくは0.2〜5.0質量部である。
(整泡剤)
整泡剤は、均質な難燃性硬質ポリウレタンフォームを得る観点から配合されるものであり、硬質ポリウレタンフォームの製造における公知の整泡剤を用いることができる。一般的には、シリコーン系整泡剤が好適に用いられ、例えば、シロキサン−ポリアルキレンオキサイド共重合体等が挙げられる。
前記整泡剤の配合量は、生成するポリウレタン樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、ポリイソシアネート化合物100質量部に対して、好ましくは0.05〜10.0質量部、より好ましくは0.1〜8.0質量部、さらに好ましくは0.2〜5.0質量部である。
さらに、前記ポリオール組成物中には、必要に応じて、本発明の効果を妨げない範囲内において、溶剤や、フィラー、着色剤、酸化防止剤等の添加剤等が含まれていてもよい。
[難燃性硬質ポリウレタンフォーム]
本発明の難燃性硬質ポリウレタンフォームは、前記ポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物とが反応して得られた反応生成物である。
十分に均一でないポリオール組成物を用いた場合には、全体的に良好な難燃性を有する均質な硬質ポリウレタンフォームが得られ難い。
これに対して、本発明のポリオール組成物によれば、上述したように、凝集しやすい前記ホスフィン酸系金属塩及び/又はリン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤を用いる場合に、ポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液において、粉体の凝集を効果的に抑制することができる。したがって、難燃性硬質ポリウレタンフォーム製造時に、前記ポリオール組成物及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液を均一に分散させるための作業負担が軽減され、また、前記原料液中の粉体の均一分散性を高めることができる。また、得られた難燃性硬質ポリウレタンフォームにおける前記難燃剤による良好な難燃性も保持される。
<ポリイソシアネート化合物>
ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物であり、前記ポリオール化合物との重付加反応によりポリウレタン樹脂を生成する。
前記ポリイソシアネート化合物は、芳香族ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネートのいずれでもよく、これらのうち1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルエーテル−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、4,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)等のモノメリックMDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI又はポリメリックMDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、非環式又は脂環式のポリイソシアネートのいずれでもよく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのうち、反応性、及び製造される硬質ポリウレタンフォームの難燃性等の観点から、2,2’−MDI、2,4’−MDI、4,4’−MDI等のモノメリックMDI、クルードMDI又はポリメリックMDIが好ましく、また、この中でも、入手容易性やコスト等の観点からは、クルードMDI又はポリメリックMDIが好適に用いられる。
前記難燃性硬質ポリウレタンフォームの原料液中のポリイソシアネート化合物の配合量は、ポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜設定されるが、前記ポリオール化合物との十分な反応性や前記原料液の混合時の取り扱い容易性等の観点から、前記ポリオール組成物100質量部に対して、好ましくは50〜200質量部、より好ましくは70〜150質量部、さらに好ましくは80〜120質量部である。
<難燃性硬質ポリウレタンフォーム製造方法>
前記難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造方法における成形発泡方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スラブ成形、モールド成形、ラミネート成形、注入成形、スプレー発泡等の公知の方法を適用することができる。これらの各成形発泡方法において、前記ポリオール組成物と、前記ポリイソシアネート化合物とを混合して、発泡及び硬化させることにより、全体的に良好な難燃性を有する均質な硬質ポリウレタンフォームを製造することができる。
前記ポリオール組成物は、上述したように、含有する粉体の凝集が抑制されているため、ポリイソシアネート化合物と混合する際の再分散は、例えば、撹拌羽根等による一般的な撹拌機を用いて、大きな剪断力等を要することなく、容易に均一化させることかできる。すなわち、少ない作業負担で、容易に均一に再分散させることができる。このため、前記ポリオール組成物を用いることにより、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造の効率化が図られる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
[ポリオール組成物の調製]
下記実施例及び比較例のポリオール組成物の調製に用いた各原料の詳細を以下に示す。
<ポリオール化合物>
(ポリエステルポリオール)
・RFK−556:テレフタル酸系ポリエステルポリオール;「マキシモール(登録商標) RFK−556」、川崎化成工業株式会社製;水酸基価224mgKOH/g
(マンニッヒ系ポリオール)
・NB−622:「エクセノール(登録商標) NB−622」、AGC株式会社製、水酸基価500mgKOH/g
<難燃剤>
(a1)CM−6R:ホスフィン酸系金属塩を含む粉体状の難燃剤;「フランCM−6R」、大和化学工業株式会社製
(a2)OP935:ホスフィン酸金属塩;「エクソリット(登録商標) OP935」、クラリアントケミカルズ株式会社製
(a3)R098−5:リン酸エステル金属塩(粉体状);「ノンネン(登録商標) R098−5」、丸菱油化工業株式会社製
(a’1)・TK−1000:ポリリン酸アンモニウム;「TK−1000」、マナック株式会社製
・TMCPP:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート;「TMCPP」、大八化学工業株式会社製
<分散剤>
(ノイブルグ珪土粒子)
(b1)P87:「シリコロイド P87」、ホフマンミネラル社製
(b2)V85:「シリチン V85」、ホフマンミネラル社製
(カーボンブラック)
・MA220:「カーボンブラック MA220」、三菱化学株式会社製
<発泡剤>
・HCFO:トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロぺン(HCFO−1233zd);「ソルスティス(登録商標)LBA」、ハネウェル・インターナショナル・インク製
・水
<触媒>
・SX60:第三級アミン触媒;「TOYOCAT(登録商標)−SX60」、東ソー株式会社製
・DM70:第三級アミン触媒;「TOYOCAT(登録商標)−DM70」、東ソー株式会社製
・K−15:2−エチルヘキシル酸カリウム;「Dabco(登録商標) K−15」、エボニック社製、ヌレート化触媒
<整泡剤>
・L−6100:シリコーン系整泡剤;「Niax(登録商標) silicone L−6100」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク製
(実施例1)
500mLポリ瓶に、ポリエステルポリオール RFK−556 35.2質量部、触媒(SX60、DM70及びK−15)各1.6質量部、水(発泡剤)0.3質量部、TMCPP15.6質量部、及び整泡剤1.6質量部を入れ、かご型撹拌子を装着した電気ドリルにて3000rpmで20秒間撹拌した(以下、撹拌の方法は同様。)。
これに、難燃剤(a1)20.0質量部、及びノイブルグ珪土粒子(b1)2.0質量部を添加して、20秒間撹拌し、次いで、HCFO20.5質量部を添加して、さらに20秒間撹拌した後、20℃の恒温水槽にて保温し、ポリオール組成物を調製した。
(実施例2〜6、比較例1〜6)
下記表1に示す原料配合にて、実施例1と同様にして、ポリオール組成物をそれぞれ調製した。
なお、比較例2においては、難燃剤が赤リンである場合の沈降防止剤として公知であるカーボンブラックを、分散剤として用いた。
[硬質ポリウレタンフォームの製造]
上記各実施例及び各比較例のポリオール組成物を用いて、以下のようにして、硬質ポリウレタンフォームを製造した。
なお、ポリイソシアネート化合物としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI);「ミリオネート(登録商標) MR−200」、東ソー株式会社製を用いた。
500mLデスカップに、撹拌して均一にした状態のポリオール組成物100質量部、及びポリイソシアネート化合物102.5質量部を入れ、5秒間撹拌した後、得られた混合液(硬質ポリウレタンフォームの原料液)を、15cm四方の角型に流し込み、30分間静置させた後、脱型し、硬質ポリウレタンフォームを得た。
[評価]
上記各実施例及び各比較例で調製したポリオール組成物及びこれを用いて製造した硬質ポリウレタンフォームについて、下記の項目について評価を行った。これらの評価結果を、下記表1にまとめて示す。
<凝集性>
ポリオール組成物30gを入れた50mLバイアル瓶を室温(25℃)で21日間静置した後、該バイアル瓶を横に倒して5分間静置し、さらに、立ててから5分間静置した。目視での外観観察にて、固形分の沈降物の状態を確認した。
これらの観察結果を、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
AA:バイアル瓶を横に倒すと、沈降物が流動し、再び立てると1分以内に元の状態に戻る。
A:バイアル瓶を横に倒すと、沈降物が流動し、再び立てると徐々に元の状態に戻っていく。5分間静置しても、沈降物は、完全には元の状態には戻らないが、バイアル瓶の内壁面には付着していない。
B:バイアル瓶を横に倒すと、沈降物が流動し、再び立てると徐々に元の状態に戻っていく。5分間静置しても、沈降物は、完全には元の状態には戻らず、バイアル瓶の内壁面には、付着物が残る。
C:バイアル瓶を横に倒しても、沈降物が流動しない。
D:固形分がゲル化していた。
評価AA又はAの場合は、粉体の凝集が良好に抑制され、評価AAの場合は、凝集抑制効果が、特に優れていると言える。一方、評価B〜Dの場合は、十分な凝集抑制効果が得られず、評価C及びDの場合は、実用に適さないものと判定した。
<難燃性>
上記において製造した硬質ポリウレタンフォームから、98mm×98mm×厚さ(高さ)25mmの試料を切り出した。
ISO 5660−1に準じて、コーンカロリーメーター(「コーンカロリーメーターIII」、株式会社東洋精機製作所製;基材の不燃材:石膏ボード(厚さ9.5mm))にて、コーンにより50KW/m2の熱量を試料に加え、同時に、着火プラグにより10秒間着火させ、20分間加熱したときの総発熱量を測定した。
これらの測定値を、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:総発熱量8MJ/m2未満
B:総発熱量8MJ/m2以上11MJ/m2未満
C:総発熱量11MJ/m2以上20MJ/m2未満
D:総発熱量20MJ/m2以上
評価Aの場合、最も難燃性が高く、不燃材料と言えるレベルである。次いで、評価Bの場合も、十分に難燃性は高く、準不燃材料と言えるレベルである。
Figure 0006935616
表1に示した結果から分かるように、分散剤としてノイブルグ珪土粒子を添加することにより(実施例1〜6)、所定のホスフィン酸系金属塩とリン酸系金属塩とからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む粉体状の難燃剤の凝集が抑制され、かつ、準不燃材料相当以上の難燃性を有する硬質ポリウレタンフォームを得られることが認められた。ポリオール化合物としてマンニッヒ系ポリオールを併用した場合(実施例2〜4)は、特に優れた凝集抑制効果が得られることが認められた。
一方、ノイブルグ珪土粒子を添加しない場合(比較例1、3及び4)や、分散剤としてカーボンブラックを添加した場合(比較例2)は、硬質ポリウレタンフォームの難燃性は良好であるものの、ポリオール組成物における粉体の凝集抑制効果は十分とは言えないものであった。
また、難燃剤がポリリン酸アンモニウムを含む場合(比較例5及び6)は、ポリオール組成物がゲル化や固化を生じ、硬質ポリウレタンフォームの難燃性も劣るものであった。

Claims (9)

  1. 難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造に用いられるポリオール組成物であって、
    芳香族系ポリエステルポリオールを含むポリオール化合物、
    下記式(1)で表されるホスフィン酸系金属塩と、リン酸系金属塩とからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む難燃剤、及び、
    ノイブルグ珪土粒子を含む分散剤を含有し、
    前記ポリオール組成物100質量部中、前記ポリオール化合物が10.0〜60.0質量部であり、
    前記分散剤100質量部中、前記ノイブルグ珪土粒子が90質量部以上であり、前記ノイブルグ珪土粒子は、前記難燃剤中の固形分の合計100質量部に対して1〜50質量部である、ポリオール組成物。
    Figure 0006935616

    (式(1)中、Mは、Mg、Al、Ca、Ti又はZnであり、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基又はフェニル基であり、nは、2、3又は4である。)
  2. 前記ポリオール化合物がマンニッヒ系ポリオールを含む、請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. 前記ノイブルグ珪土粒子が、前記難燃剤中の固形分の合計100質量部に対して、40質量部含まれる、請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. 発泡剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
  5. 前記発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィン及びハイドロクロロフルオロオレフィンのうちのいずれか1種以上を含む、請求項4に記載のポリオール組成物。
  6. 触媒を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
  7. 整泡剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオール組成物、及びポリイソシアネート化合物との反応生成物である、難燃性硬質ポリウレタンフォーム。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を混合して、発泡及び硬化させて、難燃性硬質ポリウレタンフォームを得る、難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
JP2021521076A 2019-12-17 2020-12-16 ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 Active JP6935616B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019227559 2019-12-17
JP2019227559 2019-12-17
PCT/JP2020/047017 WO2021125238A1 (ja) 2019-12-17 2020-12-16 ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6935616B1 true JP6935616B1 (ja) 2021-09-15
JPWO2021125238A1 JPWO2021125238A1 (ja) 2021-12-16

Family

ID=76477625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021521076A Active JP6935616B1 (ja) 2019-12-17 2020-12-16 ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6935616B1 (ja)
TW (1) TW202132450A (ja)
WO (1) WO2021125238A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5927914A (ja) * 1982-08-07 1984-02-14 Asahi Chem Ind Co Ltd 一液型エポキシ樹脂組成物
JPS61211321A (ja) * 1985-03-02 1986-09-19 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 非発泡成形物の製造方法
JP2001047358A (ja) * 1999-05-28 2001-02-20 Nissan Chem Ind Ltd 研磨用組成物
CN107474782A (zh) * 2017-08-16 2017-12-15 上海量子花光艺科技股份有限公司 一种抗静电聚氨酯灌封胶及其使用方法
JP2019031653A (ja) * 2017-03-02 2019-02-28 株式会社エフコンサルタント 液状組成物及び被覆方法
JP2019031652A (ja) * 2017-03-02 2019-02-28 株式会社エフコンサルタント 液状組成物及び被覆方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5927914A (ja) * 1982-08-07 1984-02-14 Asahi Chem Ind Co Ltd 一液型エポキシ樹脂組成物
JPS61211321A (ja) * 1985-03-02 1986-09-19 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト 非発泡成形物の製造方法
JP2001047358A (ja) * 1999-05-28 2001-02-20 Nissan Chem Ind Ltd 研磨用組成物
JP2019031653A (ja) * 2017-03-02 2019-02-28 株式会社エフコンサルタント 液状組成物及び被覆方法
JP2019031652A (ja) * 2017-03-02 2019-02-28 株式会社エフコンサルタント 液状組成物及び被覆方法
CN107474782A (zh) * 2017-08-16 2017-12-15 上海量子花光艺科技股份有限公司 一种抗静电聚氨酯灌封胶及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2021125238A1 (ja) 2021-12-16
TW202132450A (zh) 2021-09-01
WO2021125238A1 (ja) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6626590B2 (ja) 難燃性ウレタン樹脂組成物
JP6516847B2 (ja) ポリウレタン発泡用組成物、ポリウレタン発泡体、およびその使用
TW461904B (en) Foam forming composition
CN102046712B (zh) 使用天然油多元醇制备硬质聚异氰脲酸酯泡沫材料的方法
KR102461795B1 (ko) 우레탄 수지 조성물 및 건축물의 단열 방법
CN113015757B (zh) 不燃性聚氨酯泡沫用发泡性组合物
JP2010270877A (ja) 吹付け断熱材
JP6809685B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP5386223B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォーム
JP6935616B1 (ja) ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法
JP2013103957A (ja) ポリエステルポリオール及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP4337655B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォーム
JP2005307143A (ja) 硬質ポリウレタンフォーム
JP2022142435A (ja) ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法
WO2021125237A1 (ja) ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法
JP6768631B2 (ja) 難燃性ポリイソシアヌレートフォーム
JP2017206584A (ja) 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物、及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP2004262967A (ja) 硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物及び硬質ポリウレタンフォームの製造方法
CN100379782C (zh) 硬质聚氨酯泡沫体用多元醇组合物及硬质聚氨酯泡沫体的制造方法
JP2022189520A (ja) ポリオール組成物、難燃性硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法
WO2024069787A1 (ja) ウレタン樹脂組成物
JP7009007B1 (ja) 難燃性被覆赤リン及び難燃性硬質ポリウレタンフォーム組成物
JP2022142437A (ja) ポリオール組成物の製造方法、及び難燃性硬質ポリウレタンフォームの製造方法
JP7305504B2 (ja) 不燃性ポリウレタンフォーム用発泡性組成物
JP2005350555A (ja) ポリウレタンフォームの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210415

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6935616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150