JP6933916B2 - 堤防嵩上げ構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、堤防嵩上げに有用な堤防嵩上げ構造物に関する。
後記特許文献1には、堤防嵩上げに関する構造物が開示されている。この構造物は、既存堤防の天端に設けられたスリットまたは鞘状部材と、スリットまたは鞘状部材にその一部分を差し込まれたパネルとから構成されており、パネルの露出部分によって堤防嵩上げが為されている。
しかしながら、前記の堤防嵩上げ構造物は、表法面側の水位が上昇したときに、パネルの差し込み部分を通じて表法面側から裏法面側に向かって水漏れが生じる懸念があるとともに、この水漏れを原因としてパネルを支える部分が崩壊してパネルが倒れる懸念もある。
特開2015−031068号公報
本発明が解決しようとする課題は、表法面側の水位が上昇したときでも表法面側から裏法面側への水漏れを防止できる堤防嵩上げ構造物を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係る堤防嵩上げ構造物は、表法面および裏法面を有する既存堤防の天端に設けられた基礎と、前記基礎の上面の前記表法面側に設けられた第1止水ゴムパッキンと、前記基礎の上面の前記裏法面側に設けられた高さ調整スペーサと、底版部と側版部とを連続して有し、かつ、前記底版部の下面が前記第1止水ゴムパッキンおよび前記高さ調整スペーサに接触した状態で設置された嵩上げコンクリートブロックと、前記基礎の上面と前記嵩上げコンクリートブロックの底版部の下面との隙間に設けられた結合材とを備えている。
本発明に係る堤防嵩上げ構造物によれば、表法面側の水位が上昇したときでも表法面側から裏法面側への水漏れを防止できる。
図1は本発明の第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物を表法面側から見た部分図である。 図2は図1に示した堤防嵩上げ構造物のII−II線に沿う縦断面図である。 図3は図1に示した堤防嵩上げ構造物のIII−III線に沿う縦断面図である。 図4(A)〜図4(C)は図1に示した第1止水ゴムパッキンの断面形状とその変形例を示す図である。 図5(A)〜図5(C)は図1に示した高さ調整スペーサの外観形状とその変形例を示す図である。 図6は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物の構築方法の説明図である。 図7は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物の構築方法の説明図である。 図8は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物の構築方法の説明図である。 図9は本発明の第2実施形態に係る堤防嵩上げ構造物を示す図2対応図である。 図10は本発明の第3実施形態に係る堤防嵩上げ構造物を示す図2対応図である。 図11(A)〜図11(C)は第1止水ゴムパッキンの他の形態に係る説明図である。
《第1実施形態(図1〜図8)》
まず、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物の構成について説明する。以下の説明では、便宜上、図2および図3の左側を前、右側を後と表記し、図1の左側を左、右側を右と表記し、図1〜図3の上側を上、下側を下と表記するともに、前後方向の寸法を幅、左右方向の寸法を長さ、上下方向の寸法を高さと表記する。
図1〜図3の符号11は既存堤防であり、整地された天端11aを有している。符号11bは既存堤防11の表法面を示し、符号11cは既存堤防11の裏法面を示す。既存堤防11の天端11aには、基礎として、砕石基礎12とコンクリート基礎13が設けられている。この砕石基礎12およびコンクリート基礎13の長さは、後述する嵩上げコンクリートブロック16の並び数に対応している。図1〜図3にはコンクリート基礎13の上面が天端11aと面一になっているものを示したが、コンクリート基礎13の上面は天端11aと必ずしも面一である必要はない。
符号14は第1止水ゴムパッキンであり、コンクリート基礎13の上面の表法面11b側に設けられている。この第1止水ゴムパッキン14の材料には、クロロプレンゴムやニトリルゴムやエチレンプロピレンゴム等の合成ゴムの他に天然ゴム等が使用できるが、水膨張性を有する合成ゴムを用いることが好ましい。また、第1止水ゴムパッキン14の断面形状には、図4(A)に示した矩形状の他、図4(B)に示した台形状や図4(C)に示した楕円形状等が適宜使用できる。さらに、第1止水ゴムパッキン14の長さは、後述する嵩上げコンクリートブロック16の並び数に対応している。具体的には、第1止水ゴムパッキン14として、後述する嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの長さ×並び数に相当する長さを有するものを使用しても良いし、これよりも長さが小さい複数のものを直線的に並べて使用しても良い。さらに、第1止水ゴムパッキン14は、クロロプレンゴム系やエポキシ樹脂系や変性シリコーン樹脂系やウレタン樹脂系等の接着剤を用いてコンクリート基礎13の上面に固着されている。
符号15が高さ調整スペーサであり、コンクリート基礎13の上面の裏法面11c側に第1止水ゴムパッキン14と前後方向に間隔をおき、かつ、後述する嵩上げコンクリートブロック16の並び方向に間隔をおいて複数個設けられている。ちなみに、後述する嵩上げコンクリートブロック16それぞれに接触する高さ調整スペーサ15の数は2個以上である。この高さ調整スペーサ15は、モルタル硬化物や合成樹脂硬化物等から成る。また、高さ調整スペーサ15の外観形状には、図5(A)に示した角柱状の他、図5(B)に示した角錐台状や図5(C)に示した円柱状等が適宜使用できる。さらに、高さ調整スペーサ15の厚さは、後述する嵩上げコンクリートブロック16を設置した後の第1止水ゴムパッキン14の厚さに対応している。さらに、高さ調整スペーサ15がモルタル硬化物から成る場合、コンクリート基礎13の上面に硬化前のモルタルを塗布してこれを硬化させることによって同上面に設けられている。一方、高さ調整スペーサ15が合成樹脂硬化物から成る場合、予め作製したものをコンクリート基礎13の上面に非接着で載置するか、あるいは、予め作製したものをクロロプレンゴム系やエポキシ樹脂系や変性シリコーン樹脂系やウレタン樹脂系等の接着剤を用いてコンクリート基礎13の上面に固着することによって同上面に設けられている。
符号16は嵩上げコンクリートブロック(プレキャストコンクリートブロック)であり、底版部16aと側版部16bとを連続して有し、内部に鉄筋16cを有している。ちなみに、図示した嵩上げコンクリートブロック16は、側版部16bの長さ>側版部16bの高さ>底版部16aの幅の関係を有する。この嵩上げコンクリートブロック16は複数個用意され、各々の底版部16aの下面が第1止水ゴムパッキン14および複数個の高さ調整スペーサ15に接触した状態で、底版部16aおよび側版部16bが互いに向き合うように、左右方向(側版部16bの長さ方向)に並べて設置されている。設置状態では、コンクリート基礎13の上面と各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面との間には、第1止水ゴムパッキン14および高さ調整スペーサ15の厚さに基づく隙間CL(図7を参照)が形成される。この嵩上げコンクリートブロック16には、クレーン等によって移送する際に用いられる吊り下げ金具と、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16を相互連結する際に用いられる接続金具が設けられているが、各々の図示を省略している。
符号17は結合材であり、コンクリート基礎13の上面と各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面との隙間CL(図7を参照)に設けられている。図3には、後述する各第3止水ゴムパッキン19の下側隙間(符号省略)と、第1止水ゴムパッキン14の前側隙間(符号省略)にも結合材17を設けたものを示しているが、当該結合材17は第3止水ゴムパッキン19の下側隙間と第1止水ゴムパッキン14の前側隙間に必ずしも設ける必要はない。この結合材17の材料には、グラウトやモルタル等が好ましく使用できる。ちなみに、結合材17は、各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面をコンクリート基礎13の上面に結合する役目と、各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面とコンクリート基礎13の上面との間の防水性を第1止水ゴムパッキン14との協働によって高める役目を果たす。
前記隙間CLに結合材17を設ける手法には、(1)嵩上げコンクリートブロック16を設置した後に前記隙間CLに硬化前のグラウトまたはモルタルを注入してこれを硬化させる手法と、(2)嵩上げコンクリートブロック16を設置する前にコンクリート基礎13の上面に硬化前のグラウトまたはモルタルを塗布してその後に嵩上げコンクリートブロック16を設置してこれを硬化させる手法のいずれかを採用することができる。前記手法(1)における注入は、底版部16aの下面後側から高さ調整スペーサ15の間を通じて行うことができる他、各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aに予め1以上形成した注入用の貫通孔(図示省略)を通じて行うことができる。
符号18は第2止水ゴムパッキンであり、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの間に設けられている。この第2止水ゴムパッキン18の材料には、第1止水ゴムパッキン14と同様、クロロプレンゴムやニトリルゴムやエチレンプロピレンゴム等の合成ゴムの他に天然ゴム等が使用できるが、水膨張性を有する合成ゴムを用いることが好ましい。また、第2止水ゴムパッキン18の断面形状には、第1止水ゴムパッキン14と同様、図4(A)に示した矩形状の他、図4(B)に示した台形状や図4(C)に示した楕円形状等が適宜使用できる。さらに、第2止水ゴムパッキン18の高さ(上下方向の寸法)は、嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの高さに略一致している。さらに、第2止水ゴムパッキン18は、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の一方の側版部16bの左面または右面にクロロプレンゴム系やエポキシ樹脂系や変性シリコーン樹脂系やウレタン樹脂系等の接着剤を用いて固着されている。
符号19は第3止水ゴムパッキンであり、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの間に設けられている。この第3止水ゴムパッキン19の材料には、第1止水ゴムパッキン14と同様、クロロプレンゴムやニトリルゴムやエチレンプロピレンゴム等の合成ゴムの他に天然ゴム等が使用できるが、水膨張性を有する合成ゴムを用いることが好ましい。また、第3止水ゴムパッキン19の断面形状には、第1止水ゴムパッキン14と同様、図4(A)に示した矩形状の他、図4(B)に示した台形状や図4(C)に示した楕円形状等が適宜使用できる。さらに、第3止水ゴムパッキン19の幅(前後方向の寸法)は、嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの幅よりも小さい。さらに、第3止水ゴムパッキン19は、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の一方の底版部16aの左面または右面にクロロプレンゴム系やエポキシ樹脂系や変性シリコーン樹脂系やウレタン樹脂系等の接着剤を用いて固着されている。
つぎに、前述の堤防嵩上げ構造物の構成の理解を高めるために、図6〜図8を主に用いて、前述の堤防嵩上げ構造物の構築方法について説明する。ここで説明する構築方法は一例であって、前述の堤防嵩上げ構造物の構築方法を制限するものではない。
前述の堤防嵩上げ構造物を構築するときには、図6に示したように、既存堤防11の天端11aを整地し、この天端に砕石基礎12とコンクリート基礎13を設ける。そして、コンクリート基礎13の上面の表法面11b側に嵩上げコンクリートブロック16の並び方向に沿って第1止水ゴムパッキン14を設けるとともに、同コンクリート基礎13の上面の裏法面11c側に嵩上げコンクリートブロック16の並び方向に間隔をおいて複数個の高さ調整スペーサ15を設ける。
先に述べたように、第1止水ゴムパッキン14は、嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの長さ×並び数に相当する長さを有するものを使用しても良いし、これよりも長さが小さい複数のものを直線的に並べて使用しても良い。また、高さ調整スペーサ15は、コンクリート基礎13の上面にモルタル硬化物を形成して同上面に設けても良いし、コンクリート基礎13の上面に合成樹脂硬化物を非接着で載置しても良いし、コンクリート基礎13の上面に合成樹脂硬化物を接着材を用いて固着しても良い。
そして、図7に示したように、クレーン等によって移送された1番目の嵩上げコンクリートブロック16を、その底版部16aの下面が第1止水ゴムパッキン14および複数個の高さ調整スペーサ15に接触するように設置する。
そして、図8に示したように、設置後の1番目の嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの左面に第2止水ゴムパッキン18を接着剤を用いて固着するとともに、底版部16aの左面に第3止水ゴムパッキン19を接着剤を用いて固着する。第2止水ゴムパッキン18を固着するときには同様の接着剤を用いてその下面が第1止水ゴムパッキン14の上面に密着するようにし、第3止水ゴムパッキン19を固着するときには同様の接着剤を用いてその前面が第2止水ゴムパッキン18の後面に密着するようにする。第2止水ゴムパッキン18および第3止水ゴムパッキン19の材料が水膨張性を有する合成ゴムの場合には、第2止水ゴムパッキン18の下面と第1止水ゴムパッキン14の上面との密着と、第3止水ゴムパッキン19の前面と第2止水ゴムパッキン18の後面との密着に、必ずしも接着剤を用いる必要はない。
そして、図8に示した1番目の嵩上げコンクリートブロック16の左側に、2番目の嵩上げコンクリートブロック16(図示省略)を、その底版部16aの下面が第1止水ゴムパッキン14および複数個の高さ調整スペーサ15に接触するように設置する。そして、2番目の嵩上げコンクリートブロック16を右方向に移動させて、その側版部16bが第2止水ゴムパッキン18を介して1番目の嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bと向き合い、かつ、その底版部16aが第3止水ゴムパッキン19を介して1番目の嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bと向き合うように位置調整し、2番目の嵩上げコンクリートブロック16を1番目の嵩上げコンクリートブロック16に連結する。
この後も、前記同様に、2番目以降の嵩上げコンクリートブロック16への第2止水ゴムパッキン18および第3止水ゴムパッキン19の固着と、3番目以降の嵩上げコンクリートブロック16の設置、位置調整および連結を、嵩上げコンクリートブロック16が必要数に達するまで行う。
そして、コンクリート基礎13の上面と各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面との隙間CL(図7を参照)に結合材17を設ける。前記隙間CLに結合材17を設ける手法には、先に述べた手法(1)と手法(2)のいずれを採用しても良いが、硬化前のグラウトまたはモルタルの余剰分が底版部16aの下面後側から漏れ出ることを防止するために、漏れ出し防止用の仕切板等を底版部16aの下面後側に設置して作業後にこれを取り除くようにしても良い。前記手法(1)または前記手法(2)によって前記隙間CLに結合材17を設けるときに、硬化前のグラウトまたはモルタルの余剰分が各第3止水ゴムパッキン19の下側隙間(符号省略、図3を参照)に入り込んでも、各第3止水ゴムパッキン19があるため、当該余剰分が左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの間から上側に漏れ出すことはない。以上で、前述の堤防嵩上げ構造物が構築される。
つぎに、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物によって得られる効果について説明する。
第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、コンクリート基礎13の上面の表法面11b側に第1止水ゴムパッキン14が設けられ、しかも、コンクリート基礎13の上面と各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面との隙間CLに結合材17が設けられている。すなわち、各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面とコンクリート基礎13の上面との間の防水性が第1止水ゴムパッキン14と結合材17との協働によって高められているため、表法面11b側の水位が上昇したときでも、各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの下面側を通じて表法面11b側から裏法面11c側に向かって水漏れが生じることを防止できるし、この水漏れを原因として各嵩上げコンクリートブロック16の支持部分が崩壊して嵩上げコンクリートブロック16が倒れることも防止できる。
また、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、コンクリート基礎13の上面の裏法面11c側に高さ調整スペーサ15が設けられ、しかも、各嵩上げコンクリートブロック16は底版部16aの下面が第1止水ゴムパッキン14および高さ調整スペーサ15に接触した状態で設置されている。すなわち、コンクリート基礎13の上面に第1止水ゴムパッキン14を設けた場合でも、各嵩上げコンクリートブロック16の設置姿勢を高さ調整スペーサ15によって調整できるため、表法面11b側の水位が上昇したときでも、水圧の影響等によって各嵩上げコンクリートブロック16が倒れることを防止できる。
さらに、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの間に第2止水ゴムパッキン18が設けられている。すなわち、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの間の防水性が第2止水ゴムパッキン18によって高められているため、表法面11b側の水位が上昇したときでも、前記側版部16bの間を通じて表法面11b側から裏法面11c側に向かって水漏れが生じることを防止できる。
さらに、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの間に第3止水ゴムパッキン19が設けられている。すなわち、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの間の防水性が第3止水ゴムパッキン19によって高められるとともに、前記手法(1)または前記手法(2)によって前記隙間CLに結合材17を設けるときに、硬化前のグラウトまたはモルタルの余剰分が左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの間から上側に漏れ出すことを防止することができる。
さらに、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、コンクリート基礎13の上面に第1止水ゴムパッキン14および高さ調整スペーサ15が設けられているので、嵩上げコンクリートブロック16の設置と、設置後の嵩上げコンクリートブロック16への第2止水ゴムパッキン18および第3止水ゴムパッキン19の固着と、固着後の嵩上げコンクリートブロック16の位置調整および連結を繰り返した後に、結合材17を設ける作業を行うことにより、所望数の嵩上げコンクリートブロック16から成る堤防嵩上げ構造物を効率良く構築することができる。
なお、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物にあっては、各嵩上げコンクリートブロック16の姿勢および位置を安定化させるために、各嵩上げコンクリートブロック16の底版部16aの上面を覆うように裏法面11c側に埋め戻し土20を設けても良い(図2および3を参照)。
また、第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物にあっては、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの間および底版部16aの間の防水性を高めるために、各第2止水ゴムパッキン18の前側隙間(符号省略、図3を参照)と、各第2止水ゴムパッキン18の後側隙間(符号省略、図3を参照)と、各第3止水ゴムパッキン19の上側隙間(符号省略、図3を参照)に目地材(図示省略)を設けても良い。この目地材の材料には、モルタルやグラウトの他、変成シリコーン系やポリサルファイド系等のシーリング材を適宜用いることができる。
《第2実施形態(図9)》
図9は本発明の第2実施形態に係る堤防嵩上げ構造物を示す。この堤防嵩上げ構造物の構成が第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物と異なるところは、
・基礎堤防11の表法面11bに護岸コンクリートブロック11dが敷設されている点
・砕石基礎12を排除し、最上位の護岸コンクリートブロック11dの上面と一部が重な
るようにコンクリート基礎13が設けられている点
・コンクリート基礎13の前面と、各嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの 前面が、護岸コンクリートブロック11dの前面と段差無く連続している点
にある。他の構成は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物と同じであるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
この第2実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、護岸コンクリートブロック11dが敷設されている堤防に適用する際に有用であり、最上位の護岸コンクリートブロック11dを利用して基礎の簡略化を図ることができる。他の効果は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物と同じであるため、その説明を省略する。
《第3実施形態(図10)》
図10は本発明の第3実施形態に係る堤防嵩上げ構造物を示す。この堤防嵩上げ構造物の構成が第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物と異なるところは、
・各嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの前面の少なくとも下部が、既存堤
防11の表法面11b側に設けられた埋め戻し土21によって覆われている点
にある。他の構成は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物と同じであるため、同一符号を用いてその説明を省略する。
この第3実施形態に係る堤防嵩上げ構造物は、表法面11b側に設けられた埋め戻し土21、または、先に述べた裏法面11c側の埋め戻し土20との協働によって、各嵩上げコンクリートブロック16の姿勢および位置を安定化させることができる。他の効果は第1実施形態に係る堤防嵩上げ構造物と同じであるため、その説明を省略する。
《他の実施形態》
(M1)各堤防嵩上げ構造物を構成する第1止水ゴムパッキン14として、嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの長さ×並び数に相当する長さを有するものを使用する場合とこれよりも長さが小さい複数のものを直線的に並べて使用する場合、すなわち、複数の嵩上げコンクリートブロック16で共用する形態の第1止水ゴムパッキン14について説明したが、共用しない形態も採用可能である。
図11は複数の嵩上げコンクリートブロック16で共用しない形態の第1止水ゴムパッキン14の例を示す。図11(C)に示したように、この第1止水ゴムパッキン14は、嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの長さよりも僅かに大きく、両端部が上側に折り曲げられている。第1止水ゴムパッキン14の非折り曲げ部分はコンクリート基礎13の上面に接着剤を用いて固着され、両折り曲げ部分14aは嵩上げコンクリートブロック16を設置した後に側版部16bの左面と右面にそれぞれ接着剤を用いて固着される。
また、図11(A)および図11(B)に示したように、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16のうち、一方の嵩上げコンクリートブロック16(図11(A)を参照)に対応する第1止水ゴムパッキン14と、他方の嵩上げコンクリートブロック16(図11(A)B参照)に対応する第1止水ゴムパッキン14は、前後に位置がずれていて互いの折り曲げ部分14aがぶつからないようになっている。ちなみに、図11(A)および図11(B)に示したように、第2止水ゴムパッキン18と第3止水ゴムパッキン19の固着位置は同じであるが、第2止水ゴムパッキン18の高さ(上下方向の寸法)は折り曲げ部分14aの高さ(上下方向の寸法)だけ小さくなっている。
すなわち、図11(C)に示したように、左右方向で隣接する嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの間には2つの折り曲げ部分14aが介在するものの、第1止水ゴムパッキン14の位置が前後に位置がずれているため、嵩上げコンクリートブロック16の側版部16bの間の寸法は1つの折り曲げ部分14aの厚さに相当する。
(M2)各堤防嵩上げ構造物を構成する嵩上げコンクリートブロック16として側版部16bの長さ>側版部16bの高さ>底版部16bの幅の関係を有するものを示したが、底版部16aと側版部16bとを連続して有するものであれば、他の寸法関係を有するものでも嵩上げコンクリートブロック16として使用することができる。
(M3)図示の便宜上、各堤防嵩上げ構造物の既存堤防11の天端11aの幅が嵩上げコンクリートブロック16の底版部11aの幅に比べてさほど大きくないものを示したが、天端11aの幅が図示幅よりも大きくても各堤防嵩上げ構造物を適宜構築することができる。例えば、既存堤防11の天端11aの幅が大きい場合には、各堤防嵩上げ構造物の構築位置を変えることにより、裏法面11c側の埋め戻し土20の幅、または、裏法面11c側の埋め戻し土20の幅と表法面11b側の埋め戻し土21の幅の両方を増加することができる。また、埋め戻し土20の幅を増加できる場合には、この埋め戻し土20の上に人間や自転車や車等が通行可能な道路を構築することもできる。
(M4)各堤防嵩上げ構造物として第1止水ゴムパッキン14の後側に高さ調整スペーサ15を設けたものを示したが、この高さ調整スペーサ15と同様の第2の高さ調整スペーサ(図示省略)を第1止水ゴムパッキン14の前側に設けて、嵩上げコンクリートブロック16をその底版部16aの下面が第1止水ゴムパッキン14、高さ調整スペーサ15および第2の高さ調整スペーサに接触した状態で設置するようにしても良い。
11…既存堤防、11a…天端、11b…表法面、11c…裏法面、11d…護岸コンクリートブロック、12…砕石基礎、13…コンクリート基礎、14…第1止水ゴムパッキン、15…高さ調整スペーサ、16…嵩上げコンクリートブロック、16a…底版部、16b…側版部、16c…鉄筋、17…結合材、18…第2止水ゴムパッキン、19…第3止水ゴムパッキン、20…裏法面側の埋め戻し土、21…表法面側の埋め戻し土。

Claims (4)

  1. 表法面および裏法面を有する既存堤防の天端に設けられた基礎と、
    前記基礎の上面の前記表法面側に設けられた第1止水ゴムパッキンと、
    前記基礎の上面の前記裏法面側に設けられた高さ調整スペーサと、
    底版部と側版部とを連続して有し、かつ、前記底版部の下面が前記第1止水ゴムパッキンおよび前記高さ調整スペーサに接触した状態で設置された嵩上げコンクリートブロックと、
    前記基礎の上面と前記嵩上げコンクリートブロックの底版部の下面との隙間に設けられた結合材とを備えており
    前記嵩上げコンクリートブロックは複数個であり、隣り合う前記底版部の側面どうしと、隣り合う前記側版部の側面どうしがそれぞれ向き合うように並べて設置されている、
    堤防嵩上げ構造物。
  2. 前記第1止水ゴムパッキンは、前記嵩上げコンクリートブロックの並び数に対応した長さを有している、
    請求項に記載の堤防嵩上げ構造物。
  3. 前記高さ調整スペーサは、前記嵩上げコンクリートブロックの並び方向に間隔をおいて複数個設けられている、
    請求項1または2に記載の堤防嵩上げ構造物。
  4. 隣接する前記嵩上げコンクリートブロックの前記側版部の間には第2止水ゴムパッキンが設けられ、かつ、前記底版部の間には第3止水ゴムパッキンが設けられている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の堤防嵩上げ構造物。
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