JP6932893B2 - 精子用希釈液及びそれを用いた精子の保存方法 - Google Patents

精子用希釈液及びそれを用いた精子の保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、精子用希釈液及びそれを用いた精子の保存方法に関する。
家畜の効率的な育種・繁殖、希少動物の種の保存、不妊治療の目的等において、精子の保存が行われている。一般的に、精子は、その運動性や代謝を抑えるために、希釈液で希釈した後、冷蔵もしくは凍結して低温保存される。この保存方法の違いは、精子の品質に影響し、受精能力や受胎性を左右すると考えられている。
例えば、家畜の効率的な生産や育種という観点では、日本国では牛の繁殖はほぼ100%人工授精によって行われている。しかしながら、牛の人工授精による受胎率は、年々低下しており、例えば乳用牛では、1989年の初回授精の受胎率が62.4%、1〜3回授精の受胎率が62.0%であったものが、2013年では初回授精の受胎率が44.3%、1〜3回授精の受胎率が44.1%にまで低下している(非特許文献1)。このような問題を解決するために、精子の品質を向上させ、受胎率を高める技術が検討されている(特許文献1、非特許文献2)。
希釈液の組成を改良することにより、精子の品質を向上させる試みもある(特許文献2〜4)。しかしながら、これらの改良によっても、フィールド受胎率を向上させる効果が十分ではないのが実情である。また、これまで使用された希釈液は、ラフィノースのような高価な試薬も用いられているため、精子の品質向上のみならず、コストの低減も同時に求められている。
特許第5738314号 特開2008−259506号公報 特開2013−78272号公報 特開2015−171346公報 国際公開第2015/137466号
一般社団法人家畜改良事業団 平成25年受胎調査成績 2015年3月 社団法人畜産技術協会 牛の人工授精マニュアル 2003年3月 Guthrie et al.、Biology of Reproduction 67、 1811−1816 (2002)
本発明が解決しようとする課題は、精子の品質を向上させ、かつコストが低減できる希釈液及びそれを用いた精子の保存方法を提供することである。
本発明者らは、精子保存用の希釈液について精子運動性、精子の生存かつアクロソーム正常性、本発明者らが開発した受胎性と相関の高い精子の検査法(特許文献5)、体外受精による精子侵入率、人工授精による受胎率等の観点から鋭意研究を行った結果、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種のオリゴ糖を含む水溶液を用いることで、著しく精子の品質が向上することを見出して、本発明に到った。
したがって、本発明は、以下の発明を包含する。
[1] フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種のオリゴ糖を含む水溶液であることを特徴とする精子用希釈液。
[2] 前記オリゴ糖は、フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖である、[1]に記載の精子用希釈液。
[3] 前記水溶液は、レシチン、卵黄、又は乳を含む、[1]又は[2]に記載の精子用希釈液。
[4] 前記レシチンは、大豆レシチンである、[3]に記載の精子用希釈液。
[5] 前記卵黄は、ニワトリ由来の卵黄である、[3]又は[4]に記載の精子用希釈液。
[6] 前記乳は、牛乳である、[3]〜[5]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[7] 前記水溶液のpHは、5.6〜8.0である、[1]〜[6]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[8] 前記水溶液のpHは、6.2〜7.0である、[7]に記載の精子用希釈液。
[9] 前記水溶液のpHは、6.4〜6.8であることを特徴とする[8]に記載の精子用希釈液。
[10] 前記水溶液は、浸透圧が230〜3414mmol/kgであることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[11] 前記水溶液は、浸透圧が1199〜1809mmol/kgである、[10]に記載の精子用希釈液。
[12] 前記水溶液は、浸透圧が1247〜1575mmol/kgである、[11]に記載の精子用希釈液。
[13] 前記オリゴ糖は、濃度が20〜40g/L(w/v)である、[1]〜[12]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[14] 前記オリゴ糖は、濃度が25〜35g/L(w/v)である、[13]に記載の精子用希釈液。
[15] 前記フルクトオリゴ糖として、1−ケストース、ニストース、又は1−フラクトフラノシルニストースを含む、[1]〜[14]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[16] 前記イソマルトオリゴ糖として、イソマルトース、イソマルトトリオース、又はパノースを含む、[1]〜[15]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[17] 前記ゲンチオオリゴ糖として、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、又はゲンチオテトラオースを含む、[1]〜[16]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[18] 前記ガラクトオリゴ糖として、4’−ガラクトシルラクトースを含む、[1]〜[17]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[19] 緩衝剤として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はクエン酸を含有する、[1]〜[18]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[20] 耐凍剤として、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール又はジメチルスルホキシドを含有する、[1]〜[19]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[21] 前記耐凍剤の濃度が、6.5〜7.5%である、[1]〜[20]のいずれかに記載の精子用希釈液。
[22] [1]〜[21]のいずれかに記載の精子用希釈液と、ヒト以外の哺乳動物由来の精子とを含むことを特徴とする、精子希釈液。
[23] [22]に記載の精子希釈液と、ストローとを含むことを特徴とする、人工授精用ストロー
[24] [1]〜[21]のいずれかに記載の精子用希釈液を用いて冷蔵又は凍結を行うことを特徴とする、精子の保存方法。
[25] [22]に記載の精子希釈液を用いて冷蔵又は凍結を行うことを特徴とする、精子の保存方法。
本発明によれば、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む希釈液を精子の保存に用いることにより、保存後の精子の品質が高く、受胎性の高い精子の提供ができる。また、既存の希釈液と比較しても、コストを低減した精子用希釈液を提供することができる。
ラフィノースを用いた希釈液(従来)に対する本発明のフルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、又はガラクトオリゴ糖を用いた希釈液の試薬毎の価格を表1に示す。和光純薬工業株式会社のホームページ(http://www.siyaku.com/)の検索から、各々希釈液1リットルあたりの価格に換算している。希釈液にラフィノース単体を用いた場合よりも、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、又はガラクトオリゴ糖を用いることにより希釈液1リットルあたり1000円以上、約4割程度のコスト低減効果が示される。
Figure 0006932893
図1Aは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の生存かつアクロソーム正常率(Sperm acrosomal integrity and viability (%))を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。図1Aから図4Cにおいて、Lは大豆レシチンを表し、Eは卵黄を表す。括弧内は希釈液のpHを示す。 図1Bは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の精子活力(Sperm motility (%))及び維持率(Retention (%))を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図1Cは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合(Sperm VCL more than 200 μm/s (%))を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図2Aは、イソマルトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の生存かつアクロソーム正常率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図2Bは、イソマルトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の精子活力及び維持率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図2Cは、イソマルトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図3Aは、ゲンチオオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の生存かつアクロソーム正常率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図3Bは、ゲンチオオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の精子活力及び維持率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図3Cは、ゲンチオオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図4Aは、ガラクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の生存かつアクロソーム正常率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=8)。 図4Bは、ガラクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の精子活力及び維持率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=8)。 図4Cは、ガラクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを6.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=8)。 図5Aは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを5.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の生存かつアクロソーム正常率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=8)。 図5Bは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを5.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後の精子活力を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=8)。 図5Cは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液のpHを5.6〜7.4の範囲で変更して牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=8)。VCL200μm/秒以上の精子の割合は、希釈液のpHが低いほど値が向上することが示される。 図6Aは、フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖の量を20〜40gの範囲で変更した希釈液を用いて牛精子を凍結保存し、融解した後の生存かつアクロソーム正常率を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図6Bは、フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖の量を20〜40gの範囲で変更した希釈液を用いて牛精子を凍結保存し、融解した後の精子活力を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図6Cは、フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖の量を20〜40gの範囲で変更した希釈液を用いて牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値を示す(n=6)。 図7は、フルクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖とイソマルトオリゴ糖の混合物、イソマルトオリゴ糖を含む希釈液を用いて牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値と標準誤差を示す(n=25)。VCL200μm/秒以上の精子の割合は、全ての試験区で対照区と比較して向上することが示される。 図8Aは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液を用いてストロー構成を一層にして牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値と標準誤差を示す(n=30)。VCL200μm/秒以上の精子の割合は、対照区と比較して向上することが示される。 図8Bは、フルクトオリゴ糖を含む希釈液を用いてストロー構成を二層にして牛精子を凍結保存し、融解した後のVCL200μm/秒以上の精子の割合を示したグラフである。値は、平均値と標準誤差を示す(n=30)。VCL200μm/秒以上の精子の割合は、対照区と比較して向上することが示される。 図9は、フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含む希釈液を用いて牛精子を凍結保存し、融解後の体外受精試験による精子侵入率を示したグラフである。精子侵入率は、対照区と比較して遜色ないことが示される。 図10は、フルクトオリゴ糖を含む希釈液を用いて牛精子を凍結保存し、融解後の人工授精試験による受胎率を示したグラフである。受胎率は、対照区より向上することが示される。
本発明は、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種のオリゴ糖を含むことを特徴とする精子用希釈液及びそれを用いた精子の保存方法に関する。
オリゴ糖は、数個の単糖がグリコシド結合によって2〜20個程度結合した糖類で、分子量は300〜3000程度である。天然物成分から抽出、多糖類を酵素により加水分解、澱粉や糖類等を原料として糖転移反応や縮合反応を行って合成、酵素や化学的な還元反応による異性化反応等により生産される。オリゴ糖は、生産過程で精製、濃縮、分画、結晶化、乾燥等が行われる。
本発明の精子用希釈液に用いられるオリゴ糖は、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種である。例えば、フルクトオリゴ糖単体、イソマルトオリゴ糖単体、フルクトオリゴ糖とイソマルトオリゴ糖の混合物、フルクトオリゴ糖とイソマルトオリゴ糖とガラクトオリゴ糖の混合物等が挙げられる。
精子用希釈液中のオリゴ糖濃度は、20〜40 g/L(w/v)が好ましく、25〜35 g/L(w/v)がより好ましい。
フルクトオリゴ糖は、スクロースのフルクトース残基に複数のフルクトースが結合した構造をもつオリゴ糖の総称である。1−ケストース、ニストース、1−フラクトフラノシルニストース等が挙げられる。例えば、スクロースを原料とし、β−フルクトシルフラノシダーゼを作用させて生産する。
イソマルトオリゴ糖は、複数のグルコースがα−1,2−結合、α−1,3−結合、α−1,4−結合のいずれかの結合様式を1つ以上含むオリゴ糖の総称である。イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、パノース等が挙げられる。例えば、澱粉を原料とし、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−グルコシダーゼを作用させて生産する。
ゲンチオオリゴ糖は、複数のグルコースがβ−1,6−グルコシド結合したオリゴ糖の総称である。ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース等が挙げられる。例えば、ブドウ糖を原料とし、β−グルコシダーゼを作用させて生産する。
ガラクトオリゴ糖は、ラクトースを酵素処理すると産生されるオリゴ糖の総称である。4’−ガラクトシルラクトース等が挙げられる。例えば、ラクトースを原料とし、β−ガラクトシダーゼを作用させて生産する。
本発明に供される精子は、任意の動物由来のものを用いることができる。動物は、例えば、ヒトを含む任意の哺乳動物、家畜動物、愛玩動物、動物園動物、実験動物、野生動物が挙げられる。家畜動物として、ウシ、水牛、ブタ、ヤギ、ウマ、ヒツジ等が挙げられる。愛玩動物として、イヌ、ネコ、ウサギ等が挙げられる。動物園動物として、パンダ等の絶滅が恐れられている種等が挙げられる。実験動物として、マウス、ハムスター、ラット、ウニ、ヒトデ等が挙げられる。精子は、精巣、精巣上体、射出精液、幹細胞、精巣幹細胞、ES細胞、iPS細胞、培養細胞等由来の任意のものを用いることができる。これらの精子を取得する方法は、例えば、精巣由来の精子であれば精巣を採取し精子を吸い出す方法等、精巣上体由来の精子であれば精巣上体尾部等から精子を吸い出すもしくは掻き出す方法等、射出精液由来の精子であれば雌体内への射精後に回収する方法や電気刺激や人工腟を用いて採取する方法等、幹細胞、精巣幹細胞、ES細胞、iPS細胞、培養細胞由来の精子であれば細胞培養を行って回収する方法等が挙げられる。取得した精子は、取得直後の精漿に浮遊した精液の状態でも、一時的に任意の水溶液等で希釈または洗浄されていてもよい。
本発明の精子用希釈液は、所望の浸透圧及びpHを達成できれば、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種のオリゴ糖に加えて、任意の物質を含んでもよい。精子を冷蔵して保存する場合は、例えば、希釈液は緩衝剤、糖、卵黄、レシチン、乳、又は抗生物質を含んでもよい。精子を凍結して保存する場合は、例えば、希釈液は緩衝剤、糖、卵黄、レシチン、乳、抗生物質、及び耐凍剤を含む。
本発明の精子用希釈液に用いられる緩衝剤は、所望のpHを達成する目的で使用する。緩衝剤として、中性付近に緩衝作用を持つ緩衝剤であれば任意のものを選択することができ、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、メス、ヘペス、テス、トリシン等の緩衝剤、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液等が挙げられる。また、所望のpHに調整するため酸もしくはアルカリを用いることができる。酸は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、アスコルビン酸等が挙げられる。アルカリは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
本発明の精子用希釈液に用いられる緩衝剤として、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びクエン酸を用いる場合は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン濃度は、好ましくは50〜200mM、さらに好ましくは80〜150mM、クエン酸濃度は好ましくは20〜80mM、さらに好ましくは25〜60mMである。
本発明の精子用希釈液に用いられる糖は、精子のエネルギー源とする目的で使用する。糖として、例えば、グルコース、フルクトース、スクロース、ラクトース等が挙げられる。
本発明の精子用希釈液に用いられる糖として、例えばフルクトース及びラクトースを用いる場合は、フルクトース濃度は好ましくは1〜50mM、さらに好ましくは5〜30mM、ラクトース濃度は好ましくは1〜100mM、さらに好ましくは20〜60mMである。
本発明の精子用希釈液に用いられる糖として、例えばスクロース及びラクトースを用いる場合は、スクロース濃度は好ましくは10〜150mM、さらに好ましくは30〜70mM、ラクトース濃度は好ましくは10〜150mM、さらに好ましくは30〜70mMである。
本発明の精子用希釈液に用いられる卵黄は、精子の保存性を向上する目的で使用する。例えば、卵黄は、ニワトリ、ウズラ、ホロホロチョウ等の鳥類由来のもの等が挙げられる。卵黄の濃度は、好ましくは5〜35%(v/v)、さらに好ましくは10〜30%(v/v)、特に好ましくは15〜25%(v/v)である。
本発明の精子用希釈液に用いられるレシチンは、精子の保存性を向上する目的で使用する。例えば、レシチンは大豆、ヒマワリ、卵黄由来のものが挙げられる。大豆レシチンを用いることで、卵黄系希釈液における問題であった安定した品質管理ができない点、調製に手間がかかる点、大きなコストが発生する点、鳥インフルエンザ等の病原性ウィルスを媒介する懸念がある点が解決できる。大豆レシチンの濃度は、好ましくは0.15〜1.0%(w/v)、さらに好ましくは0.2〜0.4%(w/v)、特に好ましくは0.25〜0.35%(w/v)である。
本発明の精子用希釈液に用いられる乳は、精子の保存性を向上する目的で使用する。例えば、ウシ、ロバ、ヤギ、ウマ、羊、又は水牛由来のものが挙げられる。また、乳は、一部の成分を除いた加工乳も含む。例えば、加工乳として、脂肪分を除いた低脂肪乳や無脂肪乳、乾燥させた脱脂粉乳の水溶液等が挙げられる。
本発明の精子用希釈液に用いられる抗生物質は、細菌の増殖を防ぐ目的で使用する。抗生物質として、例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、ジベカシン等が挙げられる。
本発明の精子用希釈液に用いられる耐凍剤は、凍結保存時の精子の耐凍能を向上する目的で使用する。耐凍剤として、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
本発明の精子用希釈液のうち、耐凍剤を含まない希釈液を1次希釈液といい、耐凍剤を含む希釈液を2次希釈液という。ただし、最終希釈時に所望の耐凍剤濃度を達成できれば、任意の濃度の耐凍剤を含む希釈液を用いることができる。また、最初から耐凍剤が最終濃度になるように一回で精液の希釈を行うこともできる。
本発明の精子用希釈液に用いられる耐凍剤として、グリセリンを用いる場合は、グリセリンの最終濃度は好ましくは5.0〜8.5%(v/v)、さらに好ましくは6.0〜8.0%(v/v)、特に好ましくは6.5〜7.5%(v/v)である。
本発明の精子用希釈液のpHの調整は、1又は2以上の緩衝剤、酸又はアルカリで行う。好ましくはpH5.0〜9.0の範囲で使用することができ、さらに好ましくはpH5.6〜8.0の範囲で使用する。さらに好ましくは、pH6.2〜7.0の範囲で使用する。特に好ましくは、pH6.4〜6.8の範囲で使用する。pHは、pHメータを用いて測定される。
本発明の精子用希釈液の浸透圧は、精子の運動活性及び受精活性が維持できる浸透圧であれば任意の浸透圧であってもよいが、通常は230〜3414mmol/kgである。下限の230mmol/kgは、非特許文献3の記載により、精子の運動活性を維持できる下限値として特定されている。上限の3414mmol/kgは、2次希釈液の浸透圧であり、凍結保存時に1次希釈液と混合した場合に精子の運動活性を維持できる上限値として特定されている。浸透圧は、溶質の濃度、解離度等から理論値を計算することもできるが、溶液を構成する物質の相互作用等を考慮して、浸透圧計(オズモメーター)を用いて測定される。
本発明の1次希釈液の浸透圧は、非特許文献3の記載により、好ましくは230〜400mmol/kg、さらに好ましくは250〜350mmol/kg、特に好ましくは260〜330mmol/kgである。
本発明の2次希釈液の浸透圧は、好ましくは2152〜3414mmol/kg、さらに好ましくは2349〜2957mmol/kgである。凍結保存した精液の融解直後の浸透圧は、好ましくは1199〜1809mmol/kg、さらに好ましくは1247〜1575mmol/kgである。
本発明の精子の保存方法は、上記の希釈液に精子を懸濁し、冷蔵保存又は凍結保存を行う方法である。精子の冷蔵保存とは、18℃以下であり凍結しない程度の低温に精子を保存することを意味する。精子の凍結保存とは、耐凍剤を含む本発明の精子用希釈液を用いて精子を希釈した後、凍結して保存することを意味する。例えば、牛精子を凍結保存する場合は、非特許文献2の方法に従って行う。
以下に実施例を挙げて、本発明の精子用希釈液及びそれを用いた精子の保存方法を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものでなく、本発明の技術分野において通常の変更をすることができる。
実施例1.希釈液の調製例
12.1gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(和光純薬工業)、7.1gのクエン酸一水和物(和光純薬工業)、1.8gのクエン酸3ナトリウム2水和物(和光純薬工業)、30.0gのフルクトオリゴ糖(和光純薬工業)、14.4gのラクトース(和光純薬工業)、3.6gのフルクトース(和光純薬工業)、60万UのペニシリンGカリウム(万有製薬)、0.6g(力価)のストレプトマイシン(明治製菓)を加え、3.0gの大豆レシチン(和光純薬工業)を加えて蒸留水で860mlにメスアップして1次希釈液を得た。1次希釈液に140mlのグリセリン(和光純薬工業)を加えて2次希釈液を得た。浸透圧は、蒸気圧法オズモメーター5520型(Wescor社)で測定し、25℃で1次希釈液が289mmol/kgであり、2次希釈液が2709mmol/kgであった。pHは、pHメータ(HORIBA社)で測定し、25℃で1次希釈液が6.5であり、2次希釈液が6.6であった。
実施例2.凍結精液の作製例
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液に対して、実施例1に記載の1次希釈液を用いて1億精子/mlになるように希釈し、実施例1に記載の2次希釈液を用いて最終グリセリン濃度が7.0%になるように常法に従って5千万精子/mlになるように希釈した。希釈開始から凍結まで5時間4℃に静置した。2次希釈した精子を綿栓入りのプラスチック製ストロー(富士平工業、0.5ml細133型)に注入し、注入口を熱圧着により密封し、人工授精用のストローを作製した。これらの人工授精用ストローは、液体窒素蒸気中で常法に従って凍結を行い、液体窒素中に保存した。このような凍結保存を行うことで、半永久的に、精子の品質を良好な状態のまま維持することができた。
実施例3.フルクトオリゴ糖を含む希釈液を用いた凍結精液の品質
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、酸又はアルカリを用いてpHを6.6〜7.4の範囲で0.2刻みに調整した実施例1に記載の1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈して精子希釈液を得た。フルクトオリゴ糖を含まない大豆レシチンを用いた対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した(L対照)。フルクトオリゴ糖を含まない卵黄を用いた対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている、最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した(E対照)。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、精液の品質検査を行った。
生存かつアクロソームが正常な精子の割合は、以下の方法で確認した。洗浄した精子を1000万/mlに調整し、2μg/mlのPI(Sigma)及び2μg/mlのPNA−FITC(Sigma)を加えて25℃で10分間インキュベーションした。フローサイトメーター(Cell Lab Quanta SC、ベックマン)を用いて、1サンプルあたり2万個の精子を検査し、PIで染色されない精子を生存精子と判定し、PNA−FITCで染色されない精子をアクロソーム正常精子と判定して、生存かつアクロソームが正常な精子の割合を得た。測定結果を図1Aに示す。フルクトオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であった。特に、卵黄を用いた場合に、生存かつアクロソーム正常率が高かった。
精子運動性は、以下の方法で確認した。精子運動解析装置Ceros(Hamilton Thorne)を用いて38℃の温度条件下で測定し、1秒間に50μm以上動いた精子の割合(精子活力(%))を得た。測定は、精子洗浄直後(0h)、インキュベーション3時間後(3h)、6時間後(6h)に行った。精子運動性の維持率は6時間後の精子活力/精子洗浄直後の精子活力で示した。測定結果を図1Bに示す。フルクトオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であった。特に、卵黄を用いた場合に、精子活力が高かった。
受胎性と相関関係の高い精子の検査は、以下の方法で行なった。1000万精子に対して特許文献5に記載の検査液を250μl添加し、38℃で10分間インキュベーションを行い、4%(w/v)のポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業)を添加した上記検査液を等量混合した。混合物を予め38℃に温めた厚さ20μmのスライドチャンバー(Leja)に滴下し、1/60秒の撮像速度で精子運動解析装置Ceros(Hamilton Thorne)を用いて測定し、受胎性と相関関係の高いVCL200μm/秒以上の精子の割合を解析した。測定結果を図1Cに示す。フルクトオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であった。特に、pH6.6の区で、VCL200μm/秒以上の精子の割合が高かった。
実施例4.イソマルトオリゴ糖を含む希釈液を用いた凍結精液の品質
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖をイソマルトオリゴ糖(和光純薬工業)に変更した以外は実施例1と同じ方法で調製され、酸又はアルカリを用いてpHを6.6〜7.4の範囲で0.2刻みに調整した1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈して精子希釈液を得た。イソマルトオリゴ糖を含まない大豆レシチンを用いた対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した(L対照)。イソマルトオリゴ糖を含まない卵黄を用いた対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した(E対照)。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、精液の品質検査を行った。
生存かつアクロソームが正常な精子の割合(図2A)、精子運動性(図2B)、及び受胎性と相関関係の高い精子の検査(図2C)は、実施例3に記載の方法で行った。イソマルトオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であり、特に、卵黄を用いた場合に、生存かつアクロソーム正常率及び精子活力が高かった。VCL200μm/秒以上の精子の割合がpH6.6〜7.2の区で高かった。
実施例5.ゲンチオオリゴ糖を含む希釈液を用いた凍結精液の品質
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖をゲンチオオリゴ糖(和光純薬工業)に変更した以外は実施例1と同じ方法で調製され、酸又はアルカリを用いてpHを6.6〜7.4の範囲で0.2刻みに調整した1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈して精子希釈液を得た。ゲンチオオリゴ糖を含まない大豆レシチンを用いた対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した(L対照)。ゲンチオオリゴ糖を含まない卵黄を用いた対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した(E対照)。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製し、凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、精液の品質検査を行った。
生存かつアクロソームが正常な精子の割合(図3A)、精子運動性(図3B)、及び受胎性と相関関係の高い精子の検査(図3C)は、実施例3に記載の方法で行った。ゲンチオオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同程度かそれ以上の値であり、特に、卵黄を用いた場合に、生存かつアクロソームが正常率及び精子活力が高かった。VCL200μm/秒以上の精子の割合は、全ての試験区で高かった。
実施例6.ガラクトオリゴ糖を含む希釈液を用いた凍結精液の品質
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖をガラクトオリゴ糖(和光純薬工業)に変更した以外は実施例1と同じ方法で調製され、酸又はアルカリを用いてpHを6.6〜7.4の範囲で0.2刻みに調整した1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈して精子希釈液を得た。ガラクトオリゴ糖を含まない大豆レシチンを用いた対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した(L対照)。ガラクトオリゴ糖を含まない卵黄を用いた対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した(E対照)。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した。各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブに全量移し入れ、よく撹拌後、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行った後、精液の品質検査を行った。
生存かつアクロソームが正常な精子の割合(図4A)、精子運動性(図4B)、及び受胎性と相関関係の高い精子の検査(図4C)は、実施例3に記載の方法で行った。ガラクトオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であり、特に生存かつアクロソームが正常な精子の割合が全ての区で高く、精子活力が大豆レシチンを用いた場合に高かった。
実施例7.希釈液のpHの違いが凍結融解後の精液品質に及ぼす影響
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、酸又はアルカリを用いてpHを5.6〜7.4の範囲で0.2刻みに調整した実施例1の1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈して精子希釈液を得た。フルクトオリゴ糖を含まない対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈し、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、精液の品質検査を行った。
生存かつアクロソームが正常な精子の割合(図5A)、精子運動性(図5B)、及び受胎性と相関関係の高い精子の検査(図5C)は、実施例3に記載の方法で行った。フルクトオリゴ糖を含む希釈液では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であり、特に、近似線(点線で表示)で示したように、VCL200μm/秒以上の精子の割合はpHが下がると共に上昇した。なお、受胎性と相関関係の高い精子の検査では、pH5.6及び5.8の区で、凍結融解後の精子が凝集する場合が多かった。
実施例8.希釈液のオリゴ糖濃度の違いが凍結融解後の精液品質に及ぼす影響
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖の量を20〜40gの範囲で5g刻みに調整した以外は実施例1と同じ方法で調製された1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈した。フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含まない対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、精液の品質検査を行った。
生存かつアクロソームが正常な精子の割合(図6A)、精子運動性(図6B)、及び受胎性と相関関係の高い精子の検査(図6C)は、実施例3に記載の方法で行った。フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含む希釈液を用いた試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であった。特に生存かつアクロソームが正常な精子の割合がほぼ全ての区で高く、VCL200μm/秒以上の精子の割合は、フルクトオリゴ糖が20〜30gの場合と、イソマルトオリゴ糖が25〜35gの場合に上昇した。
実施例9.希釈液のオリゴ糖が凍結融解後の精液品質に及ぼす影響
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖30g、フルクトオリゴ糖15gとイソマルトオリゴ糖15gの混合物、イソマルトオリゴ糖30gに調整した以外は実施例1と同じ方法で調製された1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈した。フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含まない対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、受胎性と相関関係の高い精子の検査を実施例3に記載の方法で行った。
フルクトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖とイソマルトオリゴ糖の混合物、イソマルトオリゴ糖を含む希釈液では、いずれも対照区と比較して、VCL200μm/秒以上の精子の割合が有意に向上した(図7)。
実施例10.ストロー層構成がオリゴ糖希釈液での凍結融解後の精液品質に及ぼす影響
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖の量を30gに調整した以外は実施例1と同じ方法で調製された1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈した。フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含まない対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈した。得られた精子希釈液を用いて特許文献1に記載に従って一層構成又は二層構成の人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローの中身をチューブ(Thermo SCIENTIFIC社、509−GRD−Q)に全量移し入れ、よく撹拌させてから、特許文献1に記載の精子洗浄液を用いて室温で5分間、2000rpmで2回遠心洗浄を行い、受胎性と相関関係の高い精子の検査を実施例3に記載の方法で行った。
フルクトオリゴ糖を含む希釈液では、一層式(図8A)又は二層式(図8B)のいずれも対照区と比較して、VCL200μm/秒以上の精子の割合が有意に向上した。
実施例11.オリゴ糖希釈液を用いて作製した凍結精液の体外受精成績
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の種雄牛から採取した精液を、フルクトオリゴ糖30g又はイソマルトオリゴ糖30gに調整した以外は実施例1と同じ方法で調製された1次希釈液及び2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7%となるように希釈して精子希釈液を得た。フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含まない大豆レシチンを用いた対照区は、特許文献4の実施例1に記載の最終グリセリン濃度が7%の希釈液を用いて希釈した。フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含まない卵黄を用いた対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した。これらの希釈液を用いて、1次希釈液で8千万精子/mlになるように希釈した後、各々の1次希釈精液に2次希釈液を1:1の比率で加えて4千万精子/mlに希釈して常法に従って人工授精用ストローを作製した。凍結保存は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解し、常法に従って体外受精試験を行い、正常受精率、分割率、8細胞率、胚盤胞率を測定した。
フルクトオリゴ糖又はイソマルトオリゴ糖を含む希釈液を用いた場合では、試験区は対照区と比較すると同等程度かそれ以上の値であったことから、精子の卵子への侵入能力及び受精卵子の発生能力には問題ないことが示された(図9)。
実施例12.本発明のオリゴ糖希釈液を用いて作製した凍結精液の人工授精による受胎率
一般社団法人家畜改良事業団で繋養の乳用牛2頭及び肉用牛1頭の種雄牛から採取した精液を、2千万/ストローになるように実施例1に記載の1次希釈液、1次希釈液にグリセリンを加えた2次希釈液を用いて、最終グリセリン濃度が7.0%になるように希釈して精子希釈液を(試験区)。対照区は、特許文献1に記載の一般社団法人家畜改良事業団が作製し販売する凍結精液の作製で用いられている最終グリセリン濃度が6.5%の希釈液を用いて希釈した。特許文献1の記載に従って二層構成の人工授精用ストローを作製し、凍結は常法に従って液体窒素を用いて行った。常法に従って融解した人工授精用ストローを注入器に装填し、明瞭な発情を示した雌牛に人工授精した。受胎の確認は、ノンリターン法又は胎膜触知法(60日)で行い、受胎率を測定した。
種雄牛3頭平均の受胎率は、試験区で55.1%(授精雌牛頭数138頭)、対照区で49.5%(授精雌牛頭数134頭)であり、試験区の受胎率は対照区より優れていた(図10)。種雄牛によっては、試験区で顕著に受胎率が向上した牛もあった。従来の希釈液で受胎率の低い種雄牛であっても、本発明の精子用希釈液を用いれば、受胎率が改善することが期待される。分娩状況は、試験区、対照区ともに正常の範囲であり、試験区の希釈液による胎児や母体への問題は確認されなかった。
人工授精に用いた凍結精液の品質評価結果を、以下の表2に示す。エリート精子率、精子活力、生存かつアクロソーム正常率、及びミトコンドリア高活性率の全ての評価基準において、概ね試験区の精液品質は、対照区より優れていた。
Figure 0006932893
本発明の精子用希釈液は、フルクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、及びガラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる少なくとも一種のオリゴ糖を用いることで、精子の品質を向上させ、高受胎性の精子を供給できるようになり、フィールドでの効率的な子牛生産が可能となることが期待できる。また、従来の精子用希釈液と比較して安価に調製できるため、精子保存のコストを低減できる。
なお、2016年3月16日に出願された日本特許出願第2016−052899号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. フルクトオリゴ糖及びイソマルトオリゴ糖から選ばれる少なくとも一種のオリゴ糖と
    大豆レシチンと、
    緩衝剤として、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はクエン酸と、
    糖として、フルクトース及びラクトースと、
    耐凍剤として、グリセリンと、
    を含む水溶液であって、
    前記オリゴ糖の濃度が25〜35g/L(w/v)であり、
    前記水溶液のpHが6.4〜6.8であることを特徴とする、精子凍結用希釈液。
  2. 前記フルクトオリゴ糖として、1−ケストース、ニストース、又は1−フラクトフラノシルニストースを含む、請求項1に記載の精子凍結用希釈液。
  3. 前記イソマルトオリゴ糖として、マルトトリオース、又はパノースを含む、請求項1又は2に記載の精子凍結用希釈液。
  4. 前記トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの濃度が80〜150mM又は前記クエン酸濃度が25〜60mMである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の牛精子凍結用希釈液
  5. 前記大豆レシチン濃度が0.15〜1.0%(w/v)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の牛精子凍結用希釈液。
  6. 前記フルクトースの濃度が5〜30mMであって、前記ラクトース濃度が20〜60mMである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の牛精子凍結用希釈液。
  7. 前記グリセリンの濃度が、6.5〜7.5%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の精子凍結用希釈液。
  8. 浸透圧計(オズモメーター)を用いて測定される浸透圧が、230〜3414mmol/kgである、請求項1〜のいずれか一項に記載の精子凍結用希釈液。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の精子凍結用希釈液と、精子とを含むことを特徴とする、精子希釈液。
  10. 請求項に記載の精子希釈液と、ストローとを含むことを特徴とする、人工授精用ストロー。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の精子凍結用希釈液を用いて冷蔵又は凍結を行うことを特徴とする、精子の保存方法。
  12. 請求項に記載の精子希釈液を用いて冷蔵又は凍結を行うことを特徴とする、精子の保存方法。
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