以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るショーケースの側断面図である。図1に示すショーケース1は、コンビニエンスストアやスーパー等の店舗に設置される。ショーケース1は、例えば、飲料の取出し口が、売り場を向くように、店舗内のバックヤードに設置される。例えば、図1に示す矢印A1a側が、店舗のバックヤードであり、矢印A1b側が、店舗の売り場である。以下では、ショーケース1に対し、図1に示す3軸の座標軸を設定する。
ショーケース1は、例えば、店舗の店員等によって、バックヤード側から飲料が補充される。例えば、図1の矢印A2に示すように、ショーケース1は、バックヤード側から飲料が補充される。また、ショーケース1は、例えば、店舗の売り場側から、お客により、飲料が取り出される。以下では、ショーケース1のバックヤード側を背面と呼ぶことがある。また、ショーケース1の売り場側を正面と呼ぶことがある。
ショーケース1は、収容部11a,11b,11cと、制御部12と、冷却装置13と、を有している。収容部11a,11b,11cのそれぞれは、背面から正面に通じる空間を有している(例えば、図3の収容部11bを参照)。収容部11a,11b,11cの背面から正面に通じる空間は、扉(例えば、図3の扉34を参照)によって、背面側の空間と、正面側の空間とに仕切られる。
収容部11a,11b,11cの背面から正面に通じる空間は、中央付近で階段状に曲がっている。収容部11a,11b,11cの階段状の空間は、背面側の方が、正面側より高くなっている。図1の例では、収容部11a,11b,11cは、垂直方向(z軸方向)に3段となっているが、これに限られない。収容部は、垂直方向に1段または2段であってもよいし、4段以上であってもよい。
制御部12は、ショーケース1の全体を制御する。制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。
冷却装置13は、制御部12の制御に応じて、冷風を吹き出す。冷風は、収容部11a,11b,11cの正面側に吹き出される。
収容部11a,11b,11cは、上記したように、階段状に形成される。従って、ショーケース1の正面側の上部には、デッドスペースが生じる。従って、制御部12および冷却装置13は、ショーケース1の正面側上部のデッドスペースに配置されてもよい。
また、ショーケース1の背面側の下部にも、デッドスペースが生じる。従って、制御部12および冷却装置13は、ショーケース1の背面側下部のデッドスペースに配置されてもよい。また、ショーケース1の背面側下部のデッドスペースには、補充される飲料を保管するスペースとして使用されてもよい。
図2は、ショーケース1を正面から見た図である。図2において、図1と同じものには同じ符号が付してある。
図2に示すように、飲料は、収容部11a,11b,11cのそれぞれにおいて、ショーケース1の正面から見て、水平方向(x軸方向)にも収容される。図2の例では、飲料は、水平方向に6列並べられている。収容部11a,11b,11cのそれぞれは、飲料が背面から正面方向に向かって列をなすように、背面から正面の方向に向かって伸びる仕切り板21を有している。
なお、ショーケース1は、正面に扉が設けられていてもよい。また、ショーケース1は、背面に扉が設けられていてもよい。
図3は、図1の収容部11bを示した図である。図3において、図1と同じものには同じ符号が付してある。
収容部11bは、背面側に、飲料を補充するための補充口31を有している。飲料は、例えば、店舗のバックヤードにおいて、店員によって、補充口31から補充される。
収容部11bは、正面側に飲料を取り出すための取出し口32を有している。飲料は、例えば、売り場において、店舗に買い物に来たお客によって、取出し口32から取り出される。
収容部11bは、底部33a,33b,33cと、扉34と、ストッパー35と、センサ36と、を有している。
底部33a,33b,33cは、収容部11bの底を形成している。底部33a,33b,33cは、板状部材で形成され、飲料が載置される。底部33a,33bは、補充口31から取出し口32に向かって下方に傾斜しており、補充口31から補充された飲料は、自重により、取出し口32に向かって移動する。なお、収容部11bは、図2で説明したように、仕切り板21を有している。これにより、飲料は、図3に示すように、補充口31から取出し口32に向かって列をなして並ぶ。
底部33cは、底部33aと底部33bと連結している。底部33cの傾斜は、底部33a,33bの傾斜より急峻となっている。
扉34は、底部33aの補充口31とは反対側の端部に設けられている。扉34は、板形状を有し、断熱性を有する部材により構成される。
扉34は、収容部11bを、補充口31を有する第1の空間A11と、取出し口32を有する第2の空間A12とに仕切る。言い換えれば、扉34は、階段状に形成された収容部11bを、上段側の空間と、下段側の空間とに仕切る。
扉34は、例えば、モータ等の駆動装置(図示せず)によって開閉する。駆動装置は、制御部12の制御に応じて扉34を開閉する。扉34は、補充口31から取出し口32に向かう方向(+y軸方向)の先の端部34aが、下方に動き(図中反時計回りに回転し)、開くようになっている。例えば、図7の扉34は、開いた状態を示している。また、扉34は、端部34aが上方に動き(図中時計回りに回転し)、閉じるようになっている。図3に示す扉34は、閉じた状態を示している。
扉34は、閉じているとき、収容部11bの第1の空間A11の底部33aの一部を形成する。つまり、扉34は、閉じているとき、第1の空間A11の先頭の飲料(第1の空間A11の最も正面側にある飲料)の底を支え、飲料が収容部11bの第2の空間A12に移動(落下)しないようにしている。一方、扉34は、開いたとき、収容部11bの第1の空間A11の先頭の飲料を、収容部11bの第2の空間A12に移動させる。
収容部11bの第1の空間A11から、第2の空間A12に移動する飲料は、底部33c上を滑って移動する。底部33cは、傾斜を有しており、収容部11bの第1の空間A11の飲料が、垂直に落下しないようにしている。これにより、飲料の容器の損傷等が防止される。
収容部11bの第2の空間A12には、冷却装置13の冷風が吹き込まれる。一方、収容部11bの第1の空間A11には、冷却装置13の冷風が吹き込まれない。収容部11bは、扉34を有しており、扉34が閉じているとき、第2の空間A12に吹き込まれる冷風は、第1の空間A11に漏れないようになっている。つまり、第2の空間A12にある飲料のみが、冷却装置13によって冷却されるようになっている(例えば、図10を参照)。
ストッパー35は、底部33aの補充口31とは反対側の端部に設けられている。ストッパー35は、例えば、モータ等の駆動装置(図示せず)によって底部33aから立ち上がり(例えば、図6のストッパー35を参照)、または図3に示すように底部33aに倒れる。駆動装置は、制御部12の制御に応じてストッパー35を底部33aから立ち上げ、または底部33aに倒す。ストッパー35は、板状または棒状の形状を有し、扉34が開いた際に、第1の空間A11の先頭から2番目以降の飲料が、自重によって、取出し口32方向へ移動するのを止める。
センサ36は、第2の空間A12の最後尾に、飲料があるか否かを検知する。例えば、図3の例の場合、第2の空間A12には、最大4本の飲料が収容される。この場合、第2の空間A12の最後尾は、ショーケース1の正面から4番目の飲料の位置となる。センサ36は、ショーケース1の正面から4番目の位置に飲料があるか否かを検知する。
センサ36は、例えば、圧力センサである。センサ36は、例えば、飲料の重さによる圧力を検知し、第2の空間A12の最後尾に、飲料があるか否かを検知する。センサ36は、飲料の検知結果を制御部12に通知する。
図4は、図3に示す一点鎖線を含む、図3の紙面に垂直な面で、収容部11bを切ったときの、矢印A方向から見た収容部11bの断面図である。図4において、図2および図3と同じものには同じ符号が付してある。
図4の例では、飲料は、水平方向(x軸方向)に6列並べられる(図2も参照)。扉34は、飲料の各列に対応して設けられる。図4の場合、飲料は6列並ぶので、扉34は、底部33aに6個設けられる。ストッパー35も、飲料の各列に対応して設けられる。図4の場合、飲料は6列並ぶので、ストッパー35は、底部33aに6個設けられる。
なお、図1に示した収容部11a,11cも、図3および図4で説明した収容部11bと同様の構成を有し、その説明を省略する。
以下、ショーケース1の動作について説明する。
図5は、ショーケース1の動作例を説明する図である。図5において、図3と同じものには同じ符号が付してある。
収容部11bの第1の空間A11は、飲料を最大5本収容できるとする。収容部11bの第2の空間A12は、飲料を最大4本収容できるとする。図5では、第1の空間A11には、飲料が5本収容されており、第2の空間A12には、飲料が4本収容されている。扉34は、閉じている。ストッパー35は、底部33aに倒れている。
図6は、ショーケース1の動作例を説明する図である。図6において、図5と同じものには同じ符号が付してある。
取出し口32から、先頭の飲料が取り出されたとする。第2の空間A12の残りの飲料は、自重により、取出し口32に向かって移動し、図6に示す状態となる。第2の空間A12の飲料の本数は、3本となる。
取出し口32から、先頭の飲料が取り出されると、センサ36の上部には、図6に示すように、飲料が無くなる。これにより、センサ36は、第2の空間A12の最後尾に、飲料が無いと検知する。
制御部12は、センサ36による飲料無しの検知に応じて、底部33aに倒れていた板状のストッパー35を、図6に示すように、底部33aから立ち上げる。
図7は、ショーケース1の動作例を説明する図である。図7において、図6と同じものには同じ符号が付してある。
制御部12は、ストッパー35を底部33aから立ち上げた後、扉34を開ける。例えば、制御部12は、図7に示すように、扉34の端部34aを下方に動かし(図中反時計回りに回転し)、扉34を開ける。扉34が開くと、扉34の上に載っていた第1の空間A11の先頭の飲料は、図7に示すように、底部33cに沿って、収容部11bの第2の空間A12に移動する(滑り落ちる)。
なお、第1の空間A11の先頭から2番目以降の飲料は、ストッパー35によって、ショーケース1の正面方向に移動しない。つまり、扉34が開いたとき、第1の空間A11の先頭の飲料のみが、第2の空間A12に移動する。
図8は、ショーケース1の動作例を説明する図である。図8において、図7と同じものには同じ符号が付してある。
扉34が開いて、第1の空間A11から第2の空間A12に移動した飲料は、図8に示すように、第2の空間A12の最後尾に位置する。飲料が第2の空間A12の最後尾に位置すると、センサ36は、飲料があることを検知する。
制御部12は、センサ36による飲料有りの検知に応じて、図8に示すように、扉34を閉じる。そして、制御部12は、図8に示すように、ストッパー35を底部33aに倒す。ストッパー35が底部33aに倒れることによって、第1の空間A11の残りの飲料は、図8に示すように、自重によって、ショーケース1の正面側に移動する。
なお、第1の空間A11の残りの飲料が、ショーケース1の正面側に移動すると、第1の空間A11の最後尾は、図8に示すように、空の状態となる。店員は、補充口31から、飲料を補充できる。
図9は、ショーケース1の動作例を示したフロー図である。ショーケース1は、図5に示す状態にあるとする。すなわち、第1の空間A11には、飲料が5本(第1の空間A11の最大収容本数)収容され、第2の空間A12には、飲料が4本(第2の空間A12の最大収容本数)されているとする。また、扉34は閉じ、ストッパー35は底部33aに倒れているとする。
収容部11bの第2の空間A12の先頭の飲料が、お客により1本取出されたとする。第2の空間A12から、先頭の飲料が1本取出されると、収容部11bの第2の空間A12の、残りの3本の飲料が、自重によりショーケース1の正面側に移動する。3本の飲料の移動によって、センサ36の上には、飲料が無くなり、センサ36は、第2の空間A12の最後尾に飲料が無いことを検知する(ステップS1)。
制御部12は、ステップS1にて、センサ36により飲料が無いことが検知されると、ストッパー35を底部33aから立ち上げる(ステップS2)。
制御部12は、ステップS2にて、ストッパー35を底部33aから立ち上げると、扉34を開く(ステップS3)。
なお、扉34が開くことによって、第1の空間A11の先頭の飲料は、底部33cに沿って、第2の空間A12に移動する。また、第1の空間A11の残りの飲料は、ステップS2にて、ストッパー35が底部33aから立ち上がっているので、ショーケース1の正面側に移動しない。つまり、第1の空間A11の先頭の飲料のみが、ステップS3による扉34の開きによって、第2の空間A12に移動する。
センサ36は、第1の空間A11から第2の空間A12に移動した飲料によって、センサ36の上に飲料が有ることを検知する(ステップS4)。
制御部12は、ステップS4にて、センサ36により飲料が有ることが検知されると、扉34を閉じる(ステップS5)。
制御部12は、ステップS5にて、扉34を閉じると、ストッパー35を底部33aに倒す(ステップS6)。
なお、ストッパー35が底部33aに倒れることによって、第1の空間A11の残りの飲料は、自重によって、ショーケース1の正面側に移動する。そして、第1の空間A11の残りの飲料の先頭の飲料は、扉34の上に載る。
図10は、ショーケース1の冷却の様子を示した図である。図10において、図1と同じものには同じ符号が付してある。図10に示す矢印A21は、冷却装置13から吹き出される冷風の流れを示している。
冷却装置13から吹き出される冷風は、矢印A21に示すように、収容部11a,11b,11cの第2の空間A12を循環する。収容部11a,11b,11cの第2の空間A12を循環する冷風は、収容部11a,11b,11cに設けられている扉34によって、収容部11a,11b,11cの第1の空間A11に漏れないようになっている。つまり、収容部11a,11b,11cは、飲料が冷却される冷却部(第2の空間A12)と、飲料が冷却されない非冷却部(第1の空間A11)とに分けられる。
第2の空間A12の飲料が取出された後、飲料が取出された列に対応する扉34だけが開く。従って、冷風の非冷却部への漏れは、扉34が開いた所のみとなり、ショーケース1は、冷気の逃げを抑制できる。
例えば、図2において、収容部11bの左から2番目の飲料が、取出し口32から取り出されたとする。この場合、図4の上から2番目の扉34だけが開く。このため、第2の空間A12を循環している冷風は、図4の上から2番目の扉34の所から漏れるだけであり、ショーケース1は、冷気の逃げを抑制できる。
以上説明したように、収容部11b(収容部11a,11c)は、飲料が補充される補充口31と、飲料が取り出される取出し口32と、を備え、飲料を補充口31から、取出し口32に向かって列をなすように並べて収容する。扉34は、収容部11bを、補充口31を有する第1の空間A11と、取出し口32を有する第2の空間A12と、に仕切る。冷却装置13は、収容部11bの第2の空間A12に冷風を吹き込む。制御部12は、取出し口32から飲料が取り出された後、飲料が第1の空間A11から第2の空間A12に移動するように扉34を開ける。
これにより、ショーケース1は、飲料を補充する際の冷気の逃げを抑制できる。また、ショーケース1は、冷気の逃げを抑制するので、消費電力を抑制できる。また、ショーケース1は、冷却部と非冷却部とが扉34によって仕切られるので、ウォークインの空間を備えなくても済み、小型化を図ることができる。また、ショーケース1は、小型化されるので、ユーザは、バックヤードの空間を有効利用できる。
なお、上記では、制御部12は、第2の空間A12に、最大収容本数の飲料が収容されるように扉34を開けたが、これに限られない。例えば、制御部12は、図3において、取出し口32から飲料が取出されると、第2の空間A12に4本の飲料が収容されるように扉34を開けるが、これに限られない。制御部12は、第2の空間A12において、第2の空間A12の飲料最大収容本数より少ない本数の飲料が収容されるように扉34を開けてもよい。
例えば、制御部12は、第2の空間A12において、第2の空間A12の飲料最大収容本数4より少ない2本の飲料が収容されるように扉34を開けてもよい。制御部12にこのような制御を行わせるには、例えば、第2の空間A12の底部33bであって、第2の空間A12の先頭から2番目の飲料の位置に、センサ36を設ければよい。
このように、制御部12は、第2の空間A12において、第2の空間A12の飲料最大収容本数より少ない数の飲料が収容されるように扉34を開けてもよい。これによって、お客は、取出し口32から取り出した飲料を、取出し口32に戻すことができる。上記例の場合、お客は、2本まで、取出し口32に戻すことができる。
また、センサ36の位置が、図3に示す位置にあっても、飲料が取出し口32から取り出された後、所定時間経過するまで扉34を開けないようにすることにより、取出された飲料を、取出し口32に戻すことができる。例えば、制御部12は、飲料が取出し口32から取り出された後、1分経過した後に扉34を開ける。この場合、お客は、取出し口32から飲料を取出した後、1分経過するまでは、取出した飲料を取出し口32に戻すことができる。
また、上記では、飲料を冷却するとしたが、これに限られない。ショーケース1は、冷却装置13に変えて、加温装置を搭載し、収容部11a,11b,11cの第2の空間に温風を吹き込んでもよい。また、ショーケース1は、冷却装置13と加温装置とを搭載してもよい。
また、扉34は、図4に示したように、飲料の1列に対応して、1つ設けられてもよく、また、飲料の複数列(例えば、2列)に対応して、1つ設けられてもよい。
また、制御部12は、収容部11a,11b,11cに収容されている飲料が所定数となった場合、飲料の補充を通知するアラームを出力してもよい。例えば、図9のステップS3において、制御部12が扉34を開けたとき、第1の空間A11に飲料が有れば、飲料が第2の空間A12に移動し、センサ36の上に位置する。これにより、センサ36は、飲料が有ることを検知できる。一方、第1の空間A11に飲料が無ければ(飲料が補充口31から補充されていなければ)、第2の空間A12に飲料が移動することはなく、センサ36は、飲料が有ることを検知できない。
従って、制御部12は、図3のステップS3において扉34を開いた後、所定時間経過しても、センサ36により飲料があることが検知されなければ、飲料の残りの本数が所定数(例えば、図3の構成では3本)になったとして、アラームを出力してもよい。アラームは、音や光であってもよい。また、アラームは、店舗のシステムに信号として出力されてもよい。
また、ショーケース1に収容される商品は、飲料に限られず、食品等であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1に対し、収容部の形状および扉の構成が異なる。実施の形態2では、収容部は直線状の筒形状を有し、扉は水平方向に動く(摺動する)。
図11は、実施の形態2に係るショーケース41の側断面図である。図11に示すように、ショーケース41は、収容部42a,42bと、扉45と、ストッパー46と、センサ47と、を有している。図11に示す矢印A31a側が、例えば、店舗のバックヤードであり、矢印A31b側が、店舗の売り場である。図11では、図1で説明した制御部および冷却装置の図示を省略している。
収容部42a,42bは、収容部11a,11b,11cと異なり、階段上に曲がっていない。収容部42a,42bは、ショーケース41の背面から正面に向かって直線状に伸びている。収容部42a,42bのそれぞれは、背面側に飲料が補充される補充口43と、正面側に飲料が取出される取出し口44と、を有している。
収容部42a,42bの底部は、補充口43から取出し口44に向かって下方に傾斜しており、補充口43から補充された飲料は、自重により、取出し口44に向かって移動する。なお、図11では、収容部42a,42bは、垂直方向(z軸方向)に2段となっているが、これに限られない。収容部は、3段以上であってもよい。
扉45は、板形状を有し、断熱性を有する部材により構成される。扉45は、収容部42a,42bを、第1の空間A41と第2の空間A42とに仕切る(例えば、図12を参照)。扉45は、モータ等の駆動装置(図示せず)によって開閉する。駆動装置は、制御部の制御に応じて扉34を開閉する。第2の空間A42には、冷却装置から冷風が吹き込まれる。
ストッパー46は、後述するが、棒状または板状の形状を有し、第1の空間A41の2番目以降の飲料が、自重によって、取出し口44方向へ移動するのを止める(例えば、図13を参照)。
センサ47は、第2の空間A42の最後尾に、飲料があるか否かを検知する。例えば、図11の例の場合、第2の空間A42には、最大4本の飲料が収容される。この場合、第2の空間A42の最後尾は、ショーケース1の正面から4番目の飲料の位置となる。センサ47は、ショーケース1の正面から4番目の位置に飲料があるか否かを検知する。
センサ47は、例えば、圧力センサである。センサ47は、例えば、飲料の重さによる圧力を検知し、第2の空間A42の最後尾に、飲料があるか否かを検知する。センサ47は、検知結果を制御部に通知する。
図12は、収容部42aの扉45付近を上方から見た図である。図12において、図11と同じものには同じ符号が付してある。
図12の例では、飲料は、水平方向(x軸方向)に4列並べられる。扉45は、飲料の各列に対応して設けられる。図12の例の場合、飲料は4列並ぶので、扉45は、4個設けられる。
扉45は、水平方向(x軸方向)に動く(摺動する)。例えば、図12の4つの扉45のそれぞれは、図12中の矢印の方向に摺動する。扉45が矢印の方向に摺動すると、第1の空間A41の飲料は、自重によって、第2の空間A42へ移動する。
図13は、扉45およびストッパー46の動きを説明する図である。図13において、図12と同じものには同じ符号が付してある。
図13の例では、両端を除く2つの扉45が摺動している。例えば、図12に示した左から2番目の扉45は、図13に示すように、図中左方向に摺動し、図12に示した右から2番目の扉45は、図13に示すように、図中右方向に摺動している。
ストッパー46は、扉45が開いた列の飲料が、第1の空間A41から第2の空間A42に移動しないように止める。例えば、図13に示すように、左から2番目のストッパー46と、左から3番目のストッパー46は閉じ、第1の空間A41の先頭から2番目の飲料が、第2の空間A42に移動しないように止める。
制御部の動作は、実施の形態1と同様である。例えば、センサ47が、第2の空間A42の最後尾に飲料が無いことを検知すると、制御部は、ストッパー46を閉じる。そして、制御部は、扉45を開く。
これにより、扉45が開いた第1の空間A41の飲料は、第2の空間A42に移動する。なお、飲料が移動した列の、第1の空間A41の残りの飲料は、ストッパー46によって、第2の空間A42に移動しない。
センサ47が、第1の空間A41から移動した飲料によって、飲料が有ることを検知すると、制御部は、扉45を閉じる。そして、制御部は、閉じていたストッパー46を開く。
以上説明したように、収容部42a,42bは、直線状に伸びる筒形状を有し、飲料が補充される補充口43と、飲料が取り出される取出し口44と、を備え、飲料を補充口43から取出し口44に向かって列をなすように並べて収容する。扉45は、収容部42a,42bを、補充口43を有する第1の空間A41と、取出し口44を有する第2の空間A42と、に仕切り、水平方向に動く。冷却装置は、収容部42a,42bの第2の空間A42に冷風を吹き込む。制御部は、取出し口44から飲料が取り出されたとき、第1の空間A41に収容されている飲料が第2の空間A42に移動するように扉45を開ける。
これにより、ショーケース1は、飲料を補充する際の冷気の逃げを抑制できる。また、ショーケース1は、冷気の逃げを抑制するので、消費電力を抑制できる。また、ショーケース1は、冷却部と非冷却部とが扉45によって仕切られるので、ウォークインの空間を備えなくても済み、小型化を図ることができる。また、ショーケース1は、小型化されるので、ユーザは、バックヤードの空間を有効利用できる。また、収容部42a,42bは、直線状に伸びた形状を有する。これにより、ショーケース1は、デッドスペースが小さく、小型化を図ることができる。
なお、扉45は、水平方向に動くとしたが、垂直方向(z軸方向)に動いてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1に対し、第1の空間の飲料の収容の仕方が異なる。実施の形態3では、収容部の第1の空間は、飲料を倒した状態で収容する。
図14は、実施の形態3に係るショーケース51の側断面図である。図14において、図1と同じものには同じ符号が付してある。なお、図14では、収容部11a,11bは、垂直方向に2段となっている。収容部は、3段以上であってもよい。
図14に示すように、収容部11a,11bの第1の空間A11は、飲料を倒した状態で収容する。また、収容部11a,11bの第1の空間A11は、飲料を上段と下段の2段で収容する。扉34が開くと、第1の空間A11の下段の飲料が、第2の空間A12に移動する。収容部11a,11bは、第1の空間A11の上段の飲料を、第1の空間A11の下段に移動させるための扉52を有している。
図15は、図14に示す一点鎖線を含む、図14の紙面に垂直な面で、収容部11aを切ったときの、矢印A方向から見た収容部11aの断面図である。図15において、図14と同じものには同じ符号が付してある。
収容部11aの第1の空間A11の下段の飲料が無くなると、扉52は、図15に示すように下方に開く。これにより、第1の空間A11の上段の飲料は、下段に充填される。なお、第1の空間A11から第2の空間A12への飲料の移動制御は、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、収容部11a,11bの第1の空間A11は、2段で構成されてもよい。そして、第1の空間A11は、飲料を倒れた状態で収容してもよい。これにより、ショーケース51は、飲料を補充する際の冷気の逃げを抑制できるとともに、ショーケース51の高さを低くすることができる。
上記の実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。