JP6931196B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくは、ジョイントレス構造のトレッドゴムを有する空気入りタイヤに関する。
近年、例えば、トレッドゴムとして、リボン状のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねて構成されたジョイントレス構造の空気入りタイヤが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。また、車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤの前記トレッドゴムには、これまで、タイヤ子午線断面において、ゴムストリップが車両内側から車両外側へタイヤ半径方向外側ヘ向かって車両内側に傾斜するように形成されていた。
特開2012−126301号公報
ところで、旋回性能を向上させるために、レース車両や高性能乗用車では、ネガティブキャンバーが採用されている。ネガティブキャンバーとは、ホイールアライメントの一つであって、車両を正面から見たときに、タイヤがハ字状に傾けて配置される態様を指す。上記空気入りタイヤがこの種の車両に装着されて高速走行(レーシング走行)に利用されると、走行前には綺麗に面一であったトレッド表面には、ゴムストリップのエッジの境界面がタイヤ周方向に筋状に複数現れるいわゆるストリップエッジ摩耗が発生し、トレッド部の性能を早期に低下させるという問題があった。また、このストリップエッジ摩耗は、前記空気入りタイヤのトレッド部の車両内側部分に発生する傾向があった。
発明者らは、上記課題について種々の研究を重ねた。その結果、ネガティブキャンバーにより発生するトレッドゴムの接地面に作用する軸方向の摩擦力が、一部のゴムストリップの巻き重ねを剥離させる方向に作用することが、上記ストリップエッジ摩耗の原因であることが判明した。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出されたもので、トレッドゴムのゴムストリップの巻回態様を改善することを基本として、ストリップエッジ摩耗を抑制して耐久性を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを主たる課題としている。
本発明は、車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤであって、リボン状のゴムストリップが螺旋状に巻き重ねられたジョイントレス構造のトレッドゴムを有し、前記トレッドゴムは、車両外側に位置する第1端側に配される第1ゴム部と、車両内側に位置する第2端側に配される第2ゴム部とを含み、タイヤ子午線断面において、前記第1ゴム部は、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第2端側へ傾斜するように巻き付けられた第1部分を含み、前記第2ゴム部は、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第1端側へ傾斜するように巻き付けられた第2部分を含み、前記トレッドゴムは、タイヤ赤道よりも前記第2端側で、前記第1ゴム部と前記第2ゴム部とがタイヤ軸方向で重ねられている。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1ゴム部と前記第2ゴム部とがタイヤ軸方向で重ねられた重複部が、前記第2端側から前記第1端側へ向かって前記第1端と前記第2端との間のタイヤ軸方向長さの10%〜30%の範囲に位置するのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ子午線断面において、前記第1ゴム部が、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第2端側へ傾斜するように連続して巻き付けられた構造を有するのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ子午線断面において、前記第2ゴム部が、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第1端側へ傾斜するように連続して巻き付けられた構造を有するのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記トレッドゴムが、路面と接地するキャップ部を含み、前記第1ゴム部と前記第2ゴム部とは、前記キャップ部を成形するのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、前記第1ゴム部及び前記第2ゴム部のゴム厚さが、2.0mm以上であるのが望ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、ネガティブキャンバーを有する車両に装着されるのが望ましい。
例えば、空気入りタイヤを、ネガティブキャンバーを有する車両に装着すると、車両内側に大きな接地圧が作用する。また、上述のような車両に装着された空気入りタイヤのトレッドゴムの接地面には、そのタイヤ軸方向の両側から前記大きな接地圧の作用する部分に向かって、タイヤ軸方向の摩擦力(引っ掻き力)が作用する。
第1ゴム部では、ゴムストリップが、タイヤ半径方向外側に向かって第2端側へ傾斜するように巻き付けられる。即ち、第1ゴム部のゴムストリップは、前記摩擦力を撫でるような方向に傾斜していることになる。これにより、摩擦力によって、ゴムストリップの巻き重ねを剥離させる方向に作用することが抑制されるので、ストリップエッジ摩耗が抑えられる。同様に、第2ゴム部では、ゴムストリップが、タイヤ半径方向外側に向かって第1端側へ傾斜するように巻き付けられる。即ち、第2ゴム部のゴムストリップも、前記摩擦力を撫でるような方向に傾斜していることになる。このため、摩擦力による、ゴムストリップの巻き重ねを剥離させる方向に作用することが抑制されるので、ストリップエッジ摩耗が抑えられる。
また、第1ゴム部と第2ゴム部とは、タイヤ赤道よりも第2端側においてタイヤ軸方向で重ねられている。この重ねられている部分では、タイヤ子午線断面において、第1ゴム部のゴムストリップと第2ゴム部のゴムストリップとがタイヤ半径方向外側に向かって、互いに支え合う向きに傾斜している。これにより、両ゴムストリップは強く固められるため、前記重ねられている部分の剛性が高められる。このため、例えば、空気入りタイヤがネガティブキャンバーを有する車両に装着された場合、大きな接地圧が作用する車両内側部分に、前記重ねられている部分が配されることになるので、耐久性が向上する。
したがって、本発明の空気入りタイヤは、ストリップエッジ摩耗を抑制して耐久性を向上することができる。
本発明の一実施形態の空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図である。 トレッドゴムの構造を概念的に示すタイヤ子午線断面図である。 空気入りタイヤがネガティブキャンバーを有する車両に装着された場合、接地面に作用する摩擦力を示す概略図である。 他の実施形態のトレッドゴムの構造を概念的に示すタイヤ子午線断面図である。 (a)は、本実施形態の空気入りタイヤを製造するための成形装置の一例の斜視図、(b)は、ゴムストリップの斜視図である。 本実施形態のゴムストリップの巻き付け方向を示す展開図である。 他の実施形態のゴムストリップの巻き付け方向を示す展開図である。 比較例のトレッドゴムの構造を概念的に示すタイヤ子午線断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1のタイヤ回転軸(図示省略)を含む正規状態のタイヤ子午線断面図である。本実施形態では、好ましい態様として、レーシング走行可能な乗用車用の空気入りタイヤ1が示される。
前記「正規状態」は、タイヤ1が正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の状態である。以下、特に言及されない場合、タイヤ1の各部の寸法等はこの正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITSAT VARIOUSCOLD INFLATION PRESSURES"に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
本実施形態のタイヤ1は、装着の向きが指定されている。これにより、本実施形態のトレッド部2は、車両に装着されたときにタイヤ赤道Cよりも車両外側となる外側トレッド部2Aと、車両に装着されたときにタイヤ赤道Cよりも車両内側となる内側トレッド部2Bとを含んでいる。車両装着の向きは、例えばサイドウォール部3に、文字等で表示される。
タイヤ1は、本実施形態では、カーカス6とトレッド補強層8とトレッドゴム10とを含んでいる。本実施形態のカーカス6は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5までのびている。本実施形態のトレッド補強層8は、カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されている。本実施形態のトレッドゴム10は、トレッド補強層8のタイヤ半径方向外側に配されている。
本実施形態のカーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90度の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aにより構成されている。カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。
本実施形態のトレッド補強層8は、ベルト層7を含んで構成される。ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜40度の角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本実施形態ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bで構成されている。トレッド補強層8は、本実施形態では、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に周知のバンド層9を含んでいる。なお、トレッド補強層8は、バンド層9を含まない態様でも良い。
図2は、本実施形態のトレッドゴム10の構造を概念的に示すタイヤ子午線断面図である。図2に示されるように、本実施形態のトレッドゴム10は、リボン状のゴムストリップ11が螺旋状に巻き重ねられたジョイントレス構造のストリップ積層体として形成されている。
トレッドゴム10は、例えば、路面Rと接地する接地面10aと、接地面10aとは逆向きでトレッド補強層8と接触する内向面10bとを含んでいる。トレッドゴム10は、本実施形態では、タイヤ赤道Cで線対称の略台形状で形成されている。トレッドゴム10は、本実施形態では、車両外側に位置する第1端10eと、車両内側に位置する第2端10iとを含んでいる。
トレッドゴム10は、本実施形態では、車両外側に配される第1ゴム部14と、第1ゴム部14よりも車両内側に配される第2ゴム部15とを含んで形成されている。図2は、便宜的に、第2ゴム部15が薄いハッチで着色されている。
本実施形態の第1ゴム部14は、ゴムストリップ11がタイヤ半径方向外側に向かって第2端10i側、換言すると、車両内側へ傾斜するように巻き付けられた第1部分14aを含んでいる。また、本実施形態の第2ゴム部15は、ゴムストリップ11がタイヤ半径方向外側に向かって第1端10e側、換言すると、車両外側へ傾斜するように巻き付けられた第2部分15aを含んでいる。
そして、本実施形態では、タイヤ赤道Cよりも第2端10i側で、第1ゴム部14と第2ゴム部15とがタイヤ軸方向で重ねられている。換言すると、トレッドゴム10は、タイヤ赤道Cよりも車両内側で、第1ゴム部14のゴムストリップ11と第2ゴム部15のゴムストリップ11とがタイヤ軸方向で重ねられる重複部17を含んでいる。
図3は、タイヤ1がネガティブキャンバーを有する車両に装着されたとき、接地面10aに作用する軸方向の摩擦力Fを説明する概略図である。図3に示されるように、このようなタイヤ1は、車両内側に大きな接地圧Sが作用する。また、タイヤ1には、タイヤ軸方向の両側から、大きな接地圧Sが作用する部分に向かって、タイヤ軸方向の摩擦力(引っ掻き力)が作用する。タイヤ軸方向の摩擦力は、本実施形態では、車両外側から大きな接地圧Sが作用する部分に向かう摩擦力F1と、車両内側から大きな接地圧Sが作用する部分に向かう摩擦力F2とを含んでいる。
図2及び図3に示されるように、このように成形された第1ゴム部14は、ゴムストリップ11が、トレッドゴム10の接地面10aに作用する摩擦力F1を撫でるような方向a1に傾斜している。これにより、前記摩擦力F1による、第1ゴム部14のゴムストリップ11の巻き重ねの剥離が抑制されるので、ストリップエッジ摩耗が抑えられる。同様に、第2ゴム部15のゴムストリップ11も、前記摩擦力F2を撫でるような方向a2に傾斜しているので、第2ゴム部15のゴムストリップ11の巻き重ねの剥離が抑制される。このため、本実施形態のタイヤ1は、優れた耐久性を有する。
重複部17は、本実施形態では、第1ゴム部14のゴムストリップ11と第2ゴム部15のゴムストリップ11とがタイヤ半径方向外側に向かって、互いに支え合う向きに傾斜している。これにより、両ゴムストリップ11、11は強く固められるため、重複部17は大きな剛性を有する。重複部17は、タイヤ1がネガティブキャンバーを有する車両に装着された場合に、大きな接地圧Sが作用するトレッドゴム10の車両内側部分に配されるので、耐久性を大きく向上する。重複部17は、第2ゴム部15の最もタイヤ軸方向内側のゴムストリップ11が、第1ゴム部14のタイヤ軸方向内側のタイヤ半径方向に重複する複数のゴムストリップ11、本実施形態では、2枚のゴムストリップ11の路面側の面に接触して形成されている。
重複部17は、本実施形態では、第2端10i側から第1端10e側へ向かって第1端10eと第2端10iとの間のタイヤ軸方向長さLの10%〜30%の範囲に位置している。ネガティブキャンバーが採用された車両に装着されたタイヤ1は、そのキャンバー角が3〜5度程度となる。このようなタイヤ1は、第2端10i側から第1端10e側へ向かってタイヤ軸方向長さLの10%〜30%の範囲で接地圧Sが大きくなるので、この範囲に重複部17を配置することで、より一層、耐久性が向上する。本明細書では、重複部17の位置は、具体的には、第2ゴム部15のタイヤ軸方向の内端15iで定義される。
第1ゴム部14は、ゴムストリップ11がタイヤ半径方向外側に向かって第2端10i側へ傾斜するように連続して巻き付けられた構造を有する。より詳しく説明すると、第1ゴム部14は、本実施形態では、重複部17から第1端10eまで第1部分14aによって形成されている。これにより、第1ゴム部14は、そのタイヤ軸方向の内外に亘って、そのトレッドゴム10が摩擦力F1を撫でるような方向で傾斜して形成されているので、一層、ストリップエッジ摩耗が抑制される。
第2ゴム部15は、ゴムストリップ11がタイヤ半径方向外側に向かって第1端10e側へ傾斜するように連続して巻き付けられた構造を有する。換言すると、第2ゴム部15は、本実施形態では、重複部17から第2端10iまで第2部分15aによって形成されている。これにより、第2ゴム部15は、そのタイヤ軸方向の内外に亘って、そのトレッドゴム10が摩擦力を撫でるような方向で傾斜して形成されているので、より一層、ストリップエッジ摩耗が抑制される。
ゴムストリップ11は、そのタイヤ軸方向に対する角度αは、10〜80度であるのが望ましい。前記角度αが10〜80度であることにより、ゴムストリップ11は、摩擦力による巻き重ねの剥離が効果的に抑制される。角度αは、より好ましくは、10〜20度である。角度αは、重複部17を除いたゴムストリップ11の角度である。
第1ゴム部14及び第2ゴム部15のゴム厚さTは、本実施形態では、2.0mm以上で形成される。トレッドゴム10の成形精度やユニフォミティを高く維持するために、ゴム厚さTは、好ましくは25mm以下であり、より好ましくは15mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下であり、一層好ましくは5mm以下である。
図4は、他の実施形態のトレッドゴム10の構造を示すタイヤ子午線断面図である。図4に示されるように、トレッドゴム10は、この実施形態では、路面Rと接地する接地面10aを含むキャップ部10Aと、トレッド補強層8(図示省略)とキャップ部10Aとの間に配されるベース部10Bとを含んで形成される。キャップ部10Aとベース部10Bとは、例えば、異なるゴム組成物を用いて形成されても良い。
第1ゴム部14及び第2ゴム部15は、この実施形態では、キャップ部10Aを成形している。この場合、キャップ部10Aの厚さが、2〜5mmであるのが望ましい。ベース部10Bは、例えば、ゴムストリップ11で形成されたジョイントレス構造でも良いし、押出し成形された幅広のゴム部材(図示省略)で形成されても良い。
次に、このようなタイヤ1の製造方法が説明される。本実施形態の製造方法は、トレッドゴム10を成形するトレッドゴム成形工程と、トレッドゴム10をトレッド部2に具えた生タイヤを加硫する加硫工程とを含んでいる。トレッドゴム成形工程以外は、従来と同様の工程が採用される。したがって、トレッドゴム成形工程のみが説明される。
本実施形態のトレッドゴム成形工程では、図5(a)に示されるように、周知の成形装置20が用いられる。成形装置20は、例えば、フォーマ22と、送出し装置24とを含んでいる。本実施形態のフォーマ22は、円筒状をなし、基台Dに回動自在に支持されている。フォーマ22は、本実施形態では、ゴムストリップ11aが巻き重ねられる外周面22Aを有している。外周面22Aは、複数個のセグメント22sによって形成されている。セグメント22sは、フォーマ22の内部に配された周知構造の拡縮機構(図示省略)により、タイヤ半径方向に進退して拡縮径可能に形成されている。これにより、フォーマ22上で形成されたトレッドゴム10は、セグメント22sが縮径されることにより、フォーマ22から取り外しされる。
本実施形態の送出し装置24は、フォーマ22にゴムストリップ11aを供給しうる、例えば1台以上、本実施形態では2台のアプリケータ25、25を含んで形成されている。各アプリケータ25は、周知の移動装置によって、フォーマ22の軸方向、半径方向に移動可能に支持されている。
図5(b)に示されるように、ゴムストリップ11aは、未加硫ゴムからなるリボン状をなし、好ましくは、厚さtが0.5〜2.0mm、幅wは10〜25mmとして形成される。幅wが10mm未満の場合又は厚さtが0.5mm未満の場合、所定のトレッド断面形状を仕上げる際に、多くの巻き付け回数を必要とし、生産性が低下する傾向がある。幅wが25mmを超える場合又は厚さtが2.0mmを超える場合、トレッドゴム10を精度良く成形することができない傾向がある。
トレッドゴム成形工程は、本実施形態では、第1ゴム部14を成形する第1ゴム部成形工程S1と、第2ゴム部15を成形する第2ゴム部成形工程S2とを含んでいる。この実施形態では、2台のアプリケータ25、25が用いられる。本実施形態の第1ゴム部成形工程S1では、一方のアプリケータ25によって、ゴムストリップ11aがフォーマ22の外周面22Aに螺旋状に巻き重ねられる。また、第2ゴム部成形工程S2では、他方のアプリケータ25によって、ゴムストリップ11aがフォーマ22の外周面22Aに螺旋状に巻き重ねられる。本実施形態では、ゴムストリップ11aの側縁は互いに重ねられる。なお、トレッドゴム成形工程の前に、予め、トレッド補強層8がフォーマ22の外周面22Aに巻き付けられているのが望ましい。
図6は、本実施形態のトレッドゴム成形工程によって成形されたトレッドゴム10のゴムストリップ11aの巻付けを示す展開図である。図のゴムストリップ11aに記載された矢印は、巻き付け方向を示す。また、図のX方向は、フォーマ22の周方向を示し、図のY方向は、フォーマ22の軸方向を示している。図6では、ゴムストリップ11aは、単線で描かれている。
本実施形態では、先ず、一方のアプリケータ25によって、ゴムストリップ11aが予め定められた第1ゴム部14の巻き付け開始位置14sに供給されて、例えば、図示しない押圧ローラによって、トレッド補強層8の外面上に貼り付けられる。巻き付け開始位置14sは、本実施形態では、タイヤ1として成形されたときに内側トレッド部2Bとして成形される位置である。
次に、フォーマ22が図示しない電動機によって回転されるとともに、一方のアプリケータ25が、第1端10e側(車両外側)に移動される。これにより、ゴムストリップ11aは、重複部17の第1ゴム部14側の側部17aを形成する。次に、他方のアプリケータ25によって、ゴムストリップ11aが第2ゴム部15の巻き付け開始位置15sに供給されて、図示しない押圧ローラによって、側部17aの車両内端側を覆うように貼り付けられる。これにより、重複部17が形成される。
次に、各アプリケータ25、25が移動されて、各ゴムストリップ11a、11aが、それぞれ第1ゴム部14の巻き付け終了位置14e及び第2ゴム部15の巻き付け終了位置15eまで巻き重ねられる。このように、本実施形態では、2台のアプリケータ25、25を用いているので、第1ゴム部成形工程S1と第2ゴム部成形工程S2とを同時に進行できる。次に、図示しない切断装置にて、各ゴムストリップ11a、11aが切断されてトレッドゴム成形工程が終了する。
第1ゴム部14は、本実施形態では、周方向部分14Aと、傾斜部分14Bとで形成される。第1ゴム部14の周方向部分14Aは、ゴムストリップ11aが、巻き付け開始位置14sからフォーマ22の周方向に沿って巻き付けられて形成される。第1ゴム部14の傾斜部分14Bは、周方向部分14Aに連なり、周方向に対して傾斜して形成される。同様に、第2ゴム部15は、本実施形態では、周方向部分15Aと、傾斜部分15Bとで形成される。第2ゴム部15の周方向部分15Aは、ゴムストリップ11aが、巻き付け開始位置15sからフォーマ22の周方向に沿って巻き付けられて形成される。第2ゴム部15の傾斜部分15Bは、周方向部分15Aに連なり、周方向に対して傾斜して形成される。本実施形態では、両周方向部分14A、15Aが互いに重ねられて重複部17を形成している。
以上のようなトレッドゴム成形工程により、トレッド補強層8と一体にトレッドゴム10が形成される。そして、慣例に従い、トレッドゴム10とトレッド補強層8とがトロイド状にシェーピングされたカーカス6のトレッド領域に外挿されて、生タイヤ(図示省略)が成形される。次に、生タイヤが加硫されてタイヤ1が製造される。
図7は、他の実施形態のトレッドゴム成形工程によって成形されたトレッドゴム10のゴムストリップ11aの巻付けを示す展開図である。この実施形態では、第1ゴム部14及び第2ゴム部15が、1台のアプリケータ25で形成される。本実施形態のトレッドゴム成形工程によって成形されたトレッドゴム10のゴムストリップ11aの巻付けと同じ構成は、同じ符号が付されてその説明が省略される。
この実施形態では、第1ゴム部14が形成された後、第2ゴム部15が形成される。ゴムストリップ11aは、第1ゴム部14のゴムストリップ11aの巻き付け終了位置14eから第2ゴム部15のゴムストリップ11aの巻き付け開始位置15sまで、移動される。このゴムストリップ11aの移動は、フォーマ22の周上をフォーマ22の回転軸22c(図4(a)に示す)を中心として360°未満の角度、より好ましくは、180°未満の角度で行われるのが望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本構造を有する空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され耐久性についてテストされた。各タイヤの共通仕様やテスト方法は以下のとおりである。
<耐久性>
試供タイヤが、下記の条件で、排気量2000ccのレース用の四輪駆動車の全輪に装着された。テストドライバーが、この車両を乾燥アスファルト路面のテストコースを走行させ、走行後、ストリップエッジ摩耗の状態を官能により評価した。結果は、3点法で示され、数値が大きい方が良好である。
タイヤサイズ:215/55R17
リム:17×7.5J
内圧:240KPa
荷重:4.6KN
速度:150km/h
ゴムストリップの幅w:20mm(加硫前)
ゴムストリップの厚さt:1.2mm(加硫前)
アプリケータ:2台
表1の重複部の位置は、第1端と重複部との間のタイヤ軸方向距離と、第1端と第2端との間のタイヤ軸方向距離との比(%)で示される。
テストの結果などが表1に示される。
Figure 0006931196
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、耐久性能が向上していることが確認できた。また、タイヤサイズやゴムストリップのサイズを変化させたものでテストしたが、同じような結果が示された。
1 空気入りタイヤ
10 トレッドゴム
10e 第1端
10i 第2端
11 ゴムストリップ
14 第1ゴム部
15 第2ゴム部
C タイヤ赤道

Claims (7)

  1. 車両への装着の向きが指定された空気入りタイヤであって、
    リボン状のゴムストリップが螺旋状に巻き重ねられたジョイントレス構造のトレッドゴムを有し、
    前記トレッドゴムは、車両外側に位置する第1端側に配される第1ゴム部と、車両内側に位置する第2端側に配される第2ゴム部とを含み、
    タイヤ子午線断面において、前記第1ゴム部は、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第2端側へ傾斜するように巻き付けられた第1部分を含み、
    前記第2ゴム部は、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第1端側へ傾斜するように巻き付けられた第2部分を含み、
    前記トレッドゴムは、タイヤ赤道よりも前記第2端側で、前記第1ゴム部と前記第2ゴム部とがタイヤ軸方向で重ねられている、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記第1ゴム部と前記第2ゴム部とがタイヤ軸方向で重ねられた重複部は、前記第2端側から前記第1端側へ向かって前記第1端と前記第2端との間のタイヤ軸方向長さの10%〜30%の範囲に位置する、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ子午線断面において、前記第1ゴム部は、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第2端側へ傾斜するように連続して巻き付けられた構造を有する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ子午線断面において、前記第2ゴム部は、前記ゴムストリップがタイヤ半径方向外側に向かって前記第1端側へ傾斜するように連続して巻き付けられた構造を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッドゴムは、路面と接地するキャップ部を含み、
    前記第1ゴム部と前記第2ゴム部とは、前記キャップ部を成形する、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1ゴム部及び前記第2ゴム部のゴム厚さは、2.0mm以上である、請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記空気入りタイヤは、ネガティブキャンバーを有する車両に装着される、請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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